法科大学院特別委員会(第53回) 議事録

1.日時

平成25年1月16日(水曜日) 14時~16時

2.場所

文部科学省中央合同庁舎7号館東館16階 16F特別会議室

3.議題

  1. 法科大学院の改善状況調査について
  2. 法学未修者教育の充実方策について
  3. 法科大学院特別委員会における今後の審議について
  4. その他

4.出席者

委員

(臨時委員)有信陸弘、田中成明の各委員
(専門委員)磯村保、井上正仁、笠井治、笠井之彦、樫見由美子、木村光江、椎橋隆幸、杉山忠昭、土屋美明、永田眞三郎、日吉由美子、松並孝二の各委員

文部科学省

板東高等教育局長、小松私学部長、常盤高等教育局審議官、内藤専門教育課長、今井専門職大学院室長、佐藤専門教育課課長補佐

5.議事録

【田中座長】
 第53回中央教育審議会大学分科会法科大学院特別委員会を開催したいと思います。
 まず、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。



【今井専門職大学院室長】
 それでは、失礼いたします。配付資料の確認をさせていただきます。
 配付資料1でございますが、これは前回の第52回の議事録でございます。続きまして資料2が、各法科大学院の改善状況調査に係る調査結果として資料を準備させていただいております。続きまして資料3でございますが、これは法学未修者教育の充実方策について御議論をいただくために用意させていただいた資料でございまして、資料3-1が法曹養成制度検討会議等についての内容でございます。また、資料3-2は文部科学省が提出をさせていただいた、会議の資料2回分でございます。また、資料3-3がそのうち第4回法曹養成制度検討会議で議論がなされたことに関しての意見が集約された資料の抜粋、資料3-4が、第5回法曹養成制度検討会議で議論がなされた際の意見を整理した資料。そして、資料3-5が、前回の本特別委員会において議論がなされました法学未修者教育の充実方策に関する調査検討結果報告に対する前回の特別委員会における主な指摘事項でございます。そして最後に、資料4につきましては今後の審議の基本的な方向性について案として提示をさせていただいた資料となっているところでございます。
 資料を御確認いただきまして、過不足がありましたら御連絡いただきたいと思います。



【田中座長】
 ありがとうございました。それでは、議事に入らせていただきます。
 まず、改善状況調査につきましては平成24年司法試験の結果を踏まえて、引き続き各法科大学院教育の改善状況について調査を実施していただいていたところでございます。非常に精力的に御審議いただいた結果、一定の結論を得られたとのことですので、今日はワーキング・グループの主査である永田委員より各法科大学院の教育の改善状況調査結果について御報告をお願いいたします。



【永田委員】
 法科大学院教育の質の向上に関する改善状況調査ワーキング・グループ、長い名前でありますが、この主査を務めております永田でございます。
 このワーキング・グループは、平成21年4月17日の本特別委員会の報告を踏まえまして、各法科大学院の協力を得ながら、その教育の改善状況について調査を実施しております。本日は、平成24年司法試験結果を踏まえて本ワーキング・グループが実施した改善状況調査の結果について、資料2に基づいて御報告いたします。各項目に従って要約してお話しいたします。
 少し時間を頂戴いたしますが、調査の経緯、趣旨でございますが、まず資料2の1ページから、これまでの経緯及び調査の趣旨を記載しております。今回の調査では、平成24年の司法試験の結果が9月に発表をされたことを踏まえ、昨年3月に本ワーキング・グループが作成をした第5回の改善状況調査について指摘した課題等を中心に、各法科大学院での改善の進捗状況について確認を実施いたしました。
 調査の概要でございますが、具体的な調査方法といたしましては第1回、第3回、第5回の改善状況調査のときと同様に、まず全ての法科大学院に対して書面による調査を実施し、教育の改善の進捗状況について全体的な把握をいたしました。
 次に、書面調査及び平成24年司法試験の結果を踏まえて、まず第5回の改善状況調査において「重点的なフォローアップを実施」していくことが必要と指摘をされた法科大学院10校と、「継続的なフォローアップを実施」することを必要とすると指摘された法科大学院のうち、「改善の取組が全体的に進んでいるとは言い難い」とされた法科大学院5校の計15校については実地調査をいたしました。また、第5回の改善状況調査において「継続的なフォローアップを実施」することが必要と指摘された法科大学院のうちから、先ほど申し上げた実地調査の対象校を除きまして、その13校につきまして、これらの法科大学院のほか司法試験の合格率が全国平均の半分未満である状況が2年連続して継続している法科大学院2校、計15校に対しましては、ヒアリング調査を実施いたしました。
 このヒアリング調査の結果を受けまして、より詳細に確認することが必要と判断された法科大学院2校については追加で実地調査を実施いたしました。調査の結果でありますが、御説明いたします。資料2の3ページ目以降でございます。多くの法科大学院では、過去の改善状況調査で本ワーキング・グループが指摘した事項を踏まえ、試行錯誤を重ねながら改善の取組を強化しております。今回の改善状況調査において確認された改善の取組と今後の課題について、御報告いたします。
 まず、入学者選抜における入学者の質の確保の重要性については、これまでの本ワーキング・グループとして繰り返し指摘していただいてございます。今回、ヒアリング調査や実地調査を実施した法科大学院の多くでは、平成25年度入学者選抜に関しましては、調査を実施した時点の途中経過でございますが、競争倍率2倍以上の競争倍率、適性試験の点数が著しく低い者を入学させないための合格最低基準点の導入など、改善の取組を実施しているという状況が確認できました。また、総入学定員は、これまで平成17年度から19年度は最大時5,825名でございました。それと比べまして、平成25年度は1,500名強の削減、約2割減の4,261名となっております。そこのところを併せますと、各法科大学院の入学者の質の確保に関する意識は着実に改善されてきていると考えられます。一方で数は限られているものの、競争倍率が依然として2倍を大きく下回るなど、入学者の質の確保の必要性について認識が不十分であり、入学者選抜に課題を抱えている法科大学院も見られました。入学者の質の確保が十分でない法科大学院においては、学生間の学力や意欲にも大きな格差が見られるとともに、一部の法科大学院においては入学志願者の大幅な減少に伴い、学生の学力や意欲が全体的に低下しているという状況が見受けられたところでございます。これらの法科大学院では、入学者の質の確保の必要性について今一度認識を新たにして、質の重要性について再認識をしていただくということが必要であります。また、受験者間の競争性を意識して競争倍率2倍は厳守したものの、入学者数が著しく少ない法科大学院も見られました。これらの法科大学院においては、入学者選抜の競争性を確保するため、競争倍率2倍の基準は最低限守っても、志願者数・受験者数の拡大に向けた取組を早急に行う必要があります。さらに、定員充足率が5割に満たない状態が継続している法科大学院、あるいは入学者数が一桁となった法科大学院の増加傾向が見られます。学生数が著しく少ない状況が継続した場合には、まず双方向的、多方向的な授業の効果的かつ継続的な実施。次には、学生同士の切磋琢磨する学修環境。さらには、学生が自ら到達度を客観的に判断できる、あるいは、学生同士の自主ゼミの開催など自発的な学修、これらへの影響が懸念されるところであります。教育の質の確保の観点から、一定規模の学生数の確保に向けて取り組むとともに、組織全体の見直しに早急に取りかかる必要があります。
 次に、教育内容・方法の改善や、成績評価の厳格化については、各法科大学院において共通的な到達目標モデルを踏まえたカリキュラム改訂の実施やFD等を通じ、教育内容・方法の改善、成績評価及び修了認定の一層の厳格化に関する一定の取組が行われていることが確認できました。しかし、一部の法科大学院では修了者の多くが修了直後の司法試験を受験しない、いわゆる受け控えをしている状況や、受験をしても合格率が著しく低いといった状況が見られました。また、今回の実地調査の結果、数は少ないものの改善に向けた取組の効果が現れていないにもかかわらず、その検証がなされていない。あるいは、更なる改善に取り組む意識が低いと思われる法科大学院も一部見られたところであります。これらの状況を改善するためには、十分な学力を身につけた者のみを修了させること、同時に、学生自身も到達目標を意識して学修し、司法試験を受験するのに十分な学力を身につけたという自信を持って修了できるようにする必要があります。また、成績評価や修了認定の在り方についても、基礎的な理解を欠いていると思われる答案に合格点を与えているなど、厳格な成績評価に基づく進級・修了判定に関し、なお課題を抱えている法科大学院が一部見られたところであります。これらの法科大学院は、教育の在り方や成績評価の在り方について改善を果たせるよう、組織的な対応を図る必要があります。
 なお、個別の個々の法科大学院の改善状況に関する委員所見については、別紙にまとめているとおりであります。
 これまでの改善状況調査で「重点的」又は「継続的」にフォローアップが必要と指摘した法科大学院については、継続してフォローアップが必要だと考えられる状況にあり、第5回の調査の際と同様に改善の取組の進捗状況という観点から指導をしてまいります。また、今回の調査で新たにヒアリング、実地調査を実施した法科大学院の1校につきましては、「継続的」にフォローアップが必要と判断しました。詳細につきましては、先ほど申し上げました別紙で御確認いただきたいと思います。
 終わりに申し上げますが、先ほども御説明いたしましたとおり、多くの法科大学院では数次にわたる過去の改善状況調査における本ワーキング・グループの指摘事項などを真摯に受け止め、改善の取組を強化しております。ただし、様々な改善策を講じているにもかかわらず、結果につながっていない法科大学院も一部に見られました。これまでに行った改善策の検証やその原因分析を早急に行い、対策を講じていく必要があります。また、残念ながら、依然として危機意識に欠け、教育の質の改善に関する取組が十分でないところも見られ、それぞれの法科大学院における取組の改善状況については法科大学院間で差があることもまた事実であります。法科大学院は、引き続き、組織の在り方の検討や教育内容・方法の改善等に早急に取り組むとともに、改善の取組及びその効果について不断に検証を重ね、実効的なあらゆる手段を用いて抜本的な改善が果たせるよう、組織全体で取り組んでいく必要があります。
 以上でございますが、本ワーキング・グループとしては、各法科大学院でのこれらの改善が一層加速され実効を上げるよう、平成25年度入学者選抜の結果や平成25年の司法試験の結果を踏まえて、特に課題を抱える法科大学院15校を中心に引き続き改善状況調査を実施する必要があると考えます。
 以上、私からの報告でございます。ありがとうございました。



【田中座長】
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がございましたら御発言をお願いいたします。



【有信委員】
 前にもちょっと申し上げたことがあります点が、今の御報告を聞いていると、法科大学院が5年に1度評価を受けることになっていますよね。そういう評価機関の評価結果を伺っているような認識もあるんです。つまり何が言いたいかというと、5年に1度の評価機関の評価によって今のようなことが当然指摘をされているべきであり、なおかつ今言われたような事実が明確であるならば、不適格というか、不適合、ディフェクトという評価が本来はなされているはずなんです。実際には、法科大学院の評価の指針は、前に議論をしているときに、それを読ませていただいておりますけれども、基本的には教育の質を、あるいは教育システム、教育プログラムの質を評価するという形になっていて、本来ならば自分たちが目標としている学生の育成に対してその教育システム、教育プログラムの点検をしながらPDCAが回る形で継続的に改善が図られるようになっているかというところが、きちんと本来は評価されていなければいけなかったはずなんだけれども、これが実は余り良く機能していないというような気がするんですが、少なくとも評価機関の評価結果は今言われたような大学については、どういう結果だったかというのをお分かりになりますか。特にすぐでなくても。



【永田委員】
 その点ですが、御指摘のとおりで、事後的には認証評価機関がその評価をして、その質の維持、その改善に努められるようにするということでございましたが、認証評価の仕組みと、この私どものワーキング・グループの調査とは重ならないというか、ある意味で認証評価機関としては調査が難しい部分も、協力ベースでやっているというところがございます。
 具体的に申しますと、入試の在り方、倍率がどうだとかというようなことは、その認証評価機関が一定の基準を設けて、それに問題があるということで指摘し、基準として作れば、そうなるかもしれません。そこはなかなか難しいところであります。それから、また司法試験の合格率がどうかということは、認証評価機関がそれぞれつくる指標を設定するときに、やはりある意味で避けたところでございます。そういうところで、やはり最終的にこの専門職大学院として一定の成果を上げる、入り口、中身、出口ということを、もう一度この特別委員会での報告、一連の報告の中で考えようということで、それらの一定の指針を設けて、認証評価機関できちんと調査し評価するということと、少し重ならない部分を強調して、この調査を行うということになりました。具体的には、その入り口の問題。それから出口の問題。出口の問題は、認証評価機関の方の基準を一部、法的なルールを変えまして、そこを加味していただくということにしましたけれども、当時はそれもなかった。重なる部分はかなり真ん中の部分の成績評価と、あるいはその修了認定だと。そういう点はかなり、認証評価機関の基準と、こちらが調査したことと重なっておりますが、入り口、出口のところはなかなか、基準として設けて、それについて認証評価機関が評価するというのが難しいところでございましたので、その辺りはやはり法科大学院の質の確保という点から考えると、この特別委員会ではその部分も押さえる。協力ベースでしか仕方がないにしても押さえておくということで進めておりますので、認証評価機関だったらうまくなされたはずであるというところは、ちょっと難しいというのがございます。



【有信委員】
 いや、それで結構だと思うのです。今の報告で結構だと思うんですけれども、基本的には今の報告が実に教育システムがうまく動いていないということを、極めて的確に指摘をされているわけです。本来は認証評価機関も、教育の質というのを評価するという観点からすると、達成のレベルを評価するというわけではなくて、達成のレベルが例えば国家司法試験の合格者数という観点でリファーされるとすると、それが目的ではなくて、各法科大学院で目標としているアウトカムに対して、その教育システムが有効に働いているかどうかということを本来は確認しなければいけないということが評価の精神なんです。ところが、変に認証評価機関がレベルの部分を避けるということで、逆に認証評価が的確に行われる精神が生かされていないのではないかという心配をしたものですから、今の質問をしました。



【永田委員】
 全くそのとおりだと私も思っております。



【今井専門職大学院室長】
 失礼いたします。今の永田委員の御説明に対して、少し事務局から補足をさせていただけたらと存じます。
 法科大学院関係参考資料という机上配付資料に、法科大学院に係る分野別認証評価の結果が記載されております。この結果と、正に今回御報告がございました中教審の改善状況調査ワーキング・グループの調査結果を照らし合わせていくと、先ほど主査からの御説明がございましたとおり、やはり合っているところと、ずれているところが出てくるというのは状況としてございます。
 なお、この認証評価、まず制度が設計されてから1回目の評価が始まりましたのが、ここにございますように平成19年から平成20年の辺りにかけて集中的に行われております。つまり、今から四、五年前ぐらい、五、六年以上前に行われた結果がここに載っておりますが、現在これにつきましては、認証評価の改善といたしまして、1回目の評価を踏まえて、まずばらつきが多いのではないか、若しくは、その機関の中での調整も含めて、まず省令の評価項目を改善したこと。また、その省令の評価項目を見て、それぞれの三つの認証評価機関が自らの認証評価も直していくという、正に改革をした上で、実は昨年度からいよいよ第2巡目の分野別の認証評価が始まっているという状況にあるということでございます。以上でございます。



【田中座長】
 今の点は、このワーキングが始まったときから続いていた問題で、その一つは認証評価機関の認証評価が5年に1回だということです。こちらはかなり緊急性のあことだったので、先ほど永田委員がおっしゃったように、いろいろ工夫をしながらやってきたのですけれども、今のそういう点を踏まえて事務局から認証評価を実施している三つの機関に対して、それぞれの調査や、いろいろ調整をしていただいているところです。これをどういうふうに続けていくかは、今後の課題としていろいろな問題があるところです。



【有信委員】
 参考までに、私が関連している工学系の教育プログラムの認定をJABEEという機関でやっておりますけれども、これは基本的に6年間ベースで認定をするという原則でやっています。ただ、結果によっては3年目に再度チェックをする。もっとひどい場合は2年後にチェックをするというような段階的なことで、ただしディフェクトが一つでもある場合は認定しない。逆に言うと3段階のうちのウィークについては、3年目に実地審査をやるか、あるいは書面審査だけで済ますかとか、多様な認定の試みをやっていますので、法科大学院も5年に1回というのが法律で決まっていますけれども、もう少しきめ細かにやる手もあるかもしれないなと思います。



【田中座長】
 今の点はまた後で今後の課題として議論をしていただきたいと思います。一つは、法科大学院も専門職大学院のカテゴリーの中に入れられているところが、法科大学院の側としては非常に厳しいところがありまして、JABEEのように自由にできないところがあるわけです。個人的には法科大学院は専門職大学院のカテゴリーから外して、独自のカテゴリーにしていろいろそういう実効的な仕組みを検討したほうが適切ではないかと思っているところもあります。
 ほかに、今の点以外でも何かございませんか。



【日吉委員】
 質問です。教えていただきたい部分がございます。
 4ページの下から二つ目のパラグラフ、「しかし」から始まっているパラグラフの中に、「学生からは法科大学院の授業には期待していないという意見が聞かれるというような法科大学院がある」という言及がございます。私も学生でしたので、私この文章は非常に衝撃的でございまして、というのは経験からすると、やはり専門職大学院である以上、教える方だけではなく教わる方もやがて法曹資格を持つべき人間と、教える方の先生とのある種の緊張感というか、せめぎ合いの中で授業というのは良くなっていくものだというふうに経験を踏まえても思っておりますし、私どものときは始まったばかりということもありましたが、学生と先生の間で随分授業の進め方だとかについてもディスカッションが行われました。授業の内容とか、法律の内容そのものとか、教えていただく内容そのものではなく、授業の進め方については学生の方もいろいろリアクションを出して、切磋琢磨して、授業の、いい言葉で言うと教育の質を練り上げていくための意見交換というのをやっていたというふうに記憶しております。そういう最大のステークホルダーでもある学生の方が、期待しないというふうに言うということは、最もある意味で懸念すべき状態だと思うので、どういう状態になると法科大学院がですね、どういう今現状ですと、そういうふうな声が出るんでしょうか。つまり、学生側の問題なんでしょうか、教える方の問題なんでしょうか、両方あるんでしょうか。ちょっとその辺りが、私には想像がつかないので教えていただきたいと思います。



【永田委員】
 ここでの文脈上は、やはり法科大学院側に問題があるというふうには書いておりますけれども、学生側もやっぱりそういう姿勢があって、これはこの今回の調査で顕著にそういうことが感じられるものが幾つかあったということでございます。少数でございますけれども。ただ一般的に、上位校、下位校と言うことの問題はありますけれども、下位校では、とにかくこの法科大学院に入って、資格を取るような勉強は自分でするんだと、だから法科大学院に期待をしていないというような、そういう姿勢の学生が当初からとは申しませんけれども、ある程度法科大学院の位置づけが決まってからはございました。これは学生の誤解かもしれません。正に法科大学院で学ぶことが一番近道かもしれない。にもかかわらず、法科大学院の授業から去られていくということがございます。ここで書いているのは、それとともに、このヒアリングあるいは実地調査でお話ししているのは、教員の側が到達目標ではなく、とにかく修了したときに、その数カ月後に行われる司法試験に届くという、そういう認識を持てるような、そういう状況まで教育すべきだというのが基本姿勢でありますが、それが学生の側はふと4月に顔を上げてみると、修了したけれども遠いというようなことがよくある。それは、一つは我々が調査した中では学生の側の問題もありますし、教員の側はそういう意識で最終的にはその司法試験を受けられる状況に持っていくという意識が十分に足りなかったというようなところは、そうすると学生の側はここで勉強をしても司法試験には、というような考え方を持つようになるわけです。これは、ここに厳しく、教育としては残念かもしれませんが、その辺り先生方の意欲、あるいは先生方のスキル、そういうような問題もやはりある。若干その辺は改善されたと思うのは、共通的な到達目標ができて、先生方もある意味でそれを一つのペースメーカーにしながらやっていくということをなさって、学生をそこまで引っ張っていくということが必要なんだという認識はされてきましたので、その辺りでございますけれども、やはりあるこの法科大学院の調査の後半段階では、学生はそういうふうに離れていくということです。
 これは私の個人的な意見ですが、そうしても通るような司法試験であってはならないと思います。やはり大学の教育できちんと法科大学院で勉強をしたものが、その力量で通っていく司法試験であってほしいと思いまして、今の司法試験が問題なのか、あるいはその合格者をそこまで確保するというところからすると、そういう問題があるのか分かりませんけれども、やはりその辺り学生が、端的に言いますと、極めて少ないですけれども予備校依存型というのはもう既に出ている。最後に実力を確かめるために、全国共通模試みたいなものを受けるというのは多くの学生にとってあり、若干予備校で勉強をするという者も出てきているというのがあります。それはまだまだ少数でありますが、その層が大学に期待をしていない。層が生まれ始めているということを指摘しております。当初から若干おられました。
 以上です。ちょっと長くなりました。



【田中座長】
 このワーキング・グループの報告書の最後にある、今後どうするかということは、後ほど御議論いただくことになっております。



【永田委員】
 最後に書きましたように、これはやはりこういう形で、現状からすると、こういう仕組みが必要である。まだ、なお改善のために必要であろう、あるいはそれぞれの法科大学院が検証をして、在り方を見直すためには必要であろうというふうに締めくくっておりますが、このワーキング・グループは理論的にはエンドレスになりますので、次の委員会ではどういう形で我々がフォローアップしていくのかというのが一つに考えていくことで、全数調査をやるというところから出発するわけですけれども、それがいいのかという問題もございますし、その辺りは御検討をいただければと思います。



 
【田中座長】
 今、永田先生が指摘されたことは後ほど改めて御議論をいただくとして、他にこの報告書に対する御意見はいかがでしょうか。



【永田委員】
 ありがとうございました。





【田中座長】
 報告書にありますように、法曹養成制度をめぐっては非常に厳しい状況が続いておりますので、各法科大学院においてもこういった結果を真摯に受けとめて、この改善方策とか指摘をされている点につきましては、引き続き改善に取り組んでいくことを期待したいと思います。また、この委員会としてもそれを促進する何らかの仕組みを作る必要があるんじゃないかと思います。
 では、続きまして前回の特別委員会でも意見交換を行いました法学未修者教育の充実方策についてですけれども、まず前回の特別委員会において出ました主な意見と、さらに政府に設置された法曹養成制度検討会議において行われている議論の状況につきまして、事務局から説明をお願いいたします。



【今井専門職大学院室長】
 それでは、失礼いたします。
 資料3で御説明をさせていただきたいと存じます。
 まず、法学未修者教育の充実方策につきましては、ワーキング・グループより調査の報告、取りまとめを前回の特別委員会で御報告をさせていただいたところでございます。その一方で現在、法曹養成制度の在り方全体を検討する政府に設置された法曹養成制度検討会議にもその検討状況について、特別委員会での議論、動向を踏まえて御報告もさせていただいております。その辺りからまず御説明をさせていただきながら、本日の議論にお役に立てるよう御説明をさせていただきたいと存じます。
 それでは、資料3-1からまず御説明をさせていただきたいと思います。まず、その法曹養成制度検討会議でございますが、以前にも御説明をさせていただきましたが、閣僚会議がございまして、そのもとに置かれた関係省庁の政務三役、若しくは、また関係の有識者に御参加をいただいて検討をしている会議でございます。
 1枚おめくりいただきまして、その法曹養成制度検討会議の構成メンバーは、次の2ページ目のとおりでございます。
 なお、そのもう1枚おめくりいただきまして、法曹養成制度検討会議自体の検討の状況でございますが、ここにございますように第6回までの会議が、昨年の12月まで行われたところでございます。このうち特に法科大学院制度を含めました法曹養成制度検討全体についての議論が、昨年の10月からそれぞれ1カ月に1度のペースで議論がなされてきたところでございます。
 この特に第4回と第5回につきましては、法科大学院について、特に固有の議題として挙がって議論がなされたところでございます。この法科大学院の議論の場、昨年の11月の末、それから12月18日に行われた会議で、私どもよりこれまでの取組状況等含めて御報告をさせていただいた次第でございます。
 その資料が3-2になるところでございます。3-2につきましては、第4回で配付をさせていただいて説明をさせていただいた資料、また、第5回で説明をさせていただいた資料でございます。全てを触れさせていただくお時間もございませんので、できるだけ概略で御説明をいたします。
 まず、第4回の説明資料でございますが、これは法科大学院制度のこれまでの成果、課題、そして改善の方策と今後の方向性について、文部科学省から御説明をさせていただいたところでございます。そのエッセンスは、1枚おめくりをいただきまして2ページ目でございますが、法科大学院改革の推進状況に集約をされているところでございます。大きなポイントはここにございますように、旧来の制度を改めて、プロセスとしての法曹養成を導入する。その過程の中で質・量ともに豊かな法曹を養成していくことを目指すためには、やはり大学の力をかりて法科大学院を中核としたプロセス養成の整備が行われてきたというところでございます。その結果、教育上の様々な成果というものが見えてきたところではございますが、やはりその制度を運用していく過程におきまして、やはり顕在化してきた課題というのも当然あるということでございます。
 それにつきましては、この黒丸二つにありますように、入り口と出口のミスマッチによりまして司法試験の合格率が低迷を続けているということ。また、その合格率の低迷が、ひいてはその教育の質にやはり課題があるのではないか。若しくは、その評価、志願者の減少にやはりつながっているということの課題として挙がってきたことに対しまして、この法科大学院特別委員会におきまして、こういった課題も踏まえて平成21年4月に報告をおまとめいただき、ある意味1回目の改革を大きくさせていただいたというところでございました。これにつきましては教育体制の見直し、また総合的な改善方策を打たせていただいて、第1回目の改革としては、例えば実入学者数の減、入学定員の減、そういったものが行われてきたということ、また教育の質の向上につきましても、進級判定の厳格化などを通じて、そういった取組がそれぞれ広くなされてまいりました。
 ただ、そういった改革を進めてきた中でも、更に見えてくる現在の課題といたしましては「課題」にありますように、一つは法科大学院ごとの差が大きく拡大をしてしまったということ。また二つ目の黒丸にありますように、特に法学未修者と既修者の間の差が広くなりましたので、この法学未修者の教育の充実というのは欠かせないだろうということでございます。
 この第2回目の課題につきましては、昨年の7月にこの特別委員会でおまとめをいただきました法科大学院教育の更なる充実方策に基づきまして、例えば一つ目の法科大学院間の差の拡大につきましては、公的支援の更なる見直しという形で政策として昨年9月に打ち出しをさせていただいたこと、また未修者教育の充実につきましては、中教審に正に未修者教育ワーキング・グループを置いていただいて検討をし、その報告を昨年末に御報告をさせていただき、更にその具体的な検討を進めるというところに来ているという状況を御報告させていただいたところであります。
 さらに、こういった改革とともに、昨年7月にまとめていただきましたこの中教審特別委員会の提言に基づいて様々な改革をしていくということで、現在、検討を進めようとしております。
 このような形である意味2回目の改革を、推進を正にしているところでありまして、こういったものを通じて法科大学院を中核とするプロセス養成の充実に向けた改革を進めていきたいということを、御報告させていただいた次第でございます。
 なお、3ページ目以降はそれを踏まえた形で資料を整理させていただいておりますが、例えば、ページ数でいたしますと8ページ目以降でございますが、先ほどの第1回目の改革を経て見えてきた進捗状況、第1回目の改革の進捗状況も、そういった意味ではデータに基づいて御説明をさせていただいたところでございます。
 例えば9ページ目にありますように、いわゆる入学定員なり、実入学者数が減になったということが実は既修、未修で分けてみると、既修者の方では一定程度の落ち着きを見ているような状況でありますが、やはり未修者につきましては全体として大幅な減になっているところ、こういった辺りに今後取り組むべき課題があるのではないかというところでございます。
 また10ページ目、11ページ目は、正に教育の質の改善、また先ほど永田委員より御報告のありました評価システムの改善で認証評価についても見直しを図るとともに、この中教審においてもそのフォローアップ体制を構築し、これまで様々な調査をし指摘をしながら、各大学の取組を促してきたということも御報告をさせていただいているところでございます。
 12ページ目以降は、先ほど新たに御説明をした課題についての取組状況を御報告させていただきました。これにつきまして、第4回でどのような議論がありましたかは後ほど御報告をさせていただきます。
 あわせて、この次の第5回の資料を御覧いただけたらと存じます。このような形で、法科大学院制度全体のこれまでの成果から今後の改革の方向性を御報告した上で、続きまして12月18日に開かれました第5回の検討会議では、そのうち特に法学未修者教育に関する現状と課題、そして、その充実方策について御報告をさせていただいた次第でございます。まず1枚おめくりいただきまして2ページ目でございますが、先ほど御説明をさせていただいた総括表の黄色の枠の部分のところを、第5回では特に御説明をさせていただいております。3ページ目以降は、その制度発足時からの基本的な理念の御説明。また4ページ目は量的な課題等につきまして、特に未修者のところに焦点を合わせた御報告をさせていただいたところでございます。その上で6ページ目をお開きいただけたらと思います。特に量的な課題も、その方向性といたしましては、先ほど来の改革を進めてきた中で、ある意味様々な限定条件を付した上での状況ではございますが、シミュレートをしてみますと今後改善する見込みが見えてくるのではないかというデータでございます。ただ、この際条件がいろいろございます。例えばその入学者数の水準につきまして、例えば平成24年度の3,150名で今後ともフィックスした場合、若しくは、現在司法試験の平均合格者数が約2,000名で推移をしておりますが、今後もそれがフィックスした場合、さらに、既修者と未修者につきましては、例えば合格の状況の割合が今後も同じように続くとフィックスした場合に、例えば仮に数年間こういった状況が継続していきますと、場合によってはここに書いてあるような形で6割を超えてくる。若しくは、それが見えるような状況まで改善するような、ある意味数字上の計算では見えてくるということであります。ただ、これだけで全てが語れるわけではないというのは我々も当然承知をしておりまして、例えば下にありますように法的支援の更なる見直しを通じて、その見直し、自主的、自発的にその見直しを加速させていくとかということも御説明をしております。ただ、大きなポイントは7ページ目にありますように、多様なバックグラウンドを有する人材の確保が困難になりつつある状況があるのではないかということを前提に、8ページ目以降でございますが、前回の特別委員会で御報告をさせていただいたワーキング・グループの検討の報告をさせていただいております。8ページ目は、それぞれ四つの課題があるということに対して、中教審のワーキング・グループとしてはシステム改革と入学前から卒業後を一貫した充実方策を打つべきではないかということになっている方向性を御説明しております。そのため9ページと10ページ目に、それぞれシステム改革として現在考えている点、法科大学院全体を通じた厳格な到達度判定の仕組み、基本的な法律科目をより重点的に学ぶことを可能とするための改善の検討など、こういったものを考えていくべきであるということが今議論なされているということを御報告させていただいております。また10ページ目では、先ほど申し上げました入学前から卒業後を通じた、言うなれば運用上の改定を中心とした今からでも取り組むべき事項について挙げさせていただいているということでございました。
 以上のような報告を踏まえ、また次の資料3-2でワーキング・グループの報告書を踏まえまして検討会議で御議論をいただきました。その結果を御説明したいと思います。
 まず、資料3-3につきまして、これは表題にございますように法科大学院の定員、また設置数に関する第4回の検討会議での御意見を整理して、それが第5回の検討会議で配付された際の資料の抜粋となっております。簡単にかいつまんで御説明をいたしますと、「第1、統廃合等の組織見直しの必要性について」でございます。丸一つ目にございますように、1行目、法科大学院の定員の削減、整理、統廃合などの組織の見直しをすることは、最も重要な課題ではないかという御指摘がございました。また二つ目の丸の1行目からでございますが、一定の司法試験の合格率を維持するため、統廃合、定員削減というのはやらざるを得ない状況なのではないか。ただ、2行目から3行目にかけての、合格者数と定員をいたずらに全部縮小していくという考えは反対であるといったような御意見があるのと、その必要性についての議論がなされたところでございます。また、第2にございますように、そのような「組織見直しを促進するための方策」として、検討会議の場においてはどういった御指摘があったかというのを御報告、御説明をさせていただきますと、一つ目の丸にございますように、例えば公的支援の見直し、更なる見直しを含めまして、自主的な改善を促すという一連の手法、これは大変厳しいものであるし、法科大学院も真摯に取り組んでいるということは見えるだろうと。また、その成果を基本的には見守っていく必要があるんだろうということの御指摘をいただきましたが、ただその結果が出ない法科大学院が存在することを考えれば、4行目にありますように、更に踏み込んで検討をしてく必要があるのではないかという御指摘がございました。二つ目の丸にございますように、そういった取組はかなり踏み込んで取り組んでいることは認めるけれども、そのスピードという観点では問題があり、やはり更なる方策を考える必要があるのではないか。三つ目の丸にありますように、現在、法科大学院制度を取り巻く厳しい状況を考えると、その信頼を取り戻すためには、やはり今の取組だけでそういった状況までたどり着くのか疑問がある。四つ目の丸にありますように、そういったことも含めて、場合によっては自主的な改善の努力を踏まえつつも、法令上の措置に基づいて速やかな統廃合を実施することが必要なのではないか、こういったかなり様々な御意見の中でも、厳しい御指摘があったかというところでございます。
 そういったことの厳しい御指摘を踏まえ、例えば1ページ目の下段2にございます「具体的に考えられる方策について」では、例えば一つ目の丸にあるような認証評価制度をベースに考えていくべきではないかという御指摘がありました。また、二つ目の丸、2ページ目以降でございますけれども、一定の水準のところには受験資格を付与するといったことを考えたり、いろいろなアレンジを考える必要があるのではないか。三つ目にございますように、その際には例えば合格率などの一定の要件を満たさない法科大学院等については、その修了者に対して受験資格を与えないといったことも考えられるのではないか。また四つ目の丸には、更なるいろいろな考え方といたしましては、その法科大学院の認可の扱い、また、例えば受験資格を認めないといったそういった指摘も含め、ただいろいろな課題があり、更に詰めた議論が必要ではないかという御指摘があった中で、様々な御指摘をいただいたという状況でございます。
 こういったことで第4回につきましては、我々もいろいろな御説明をさせていただきましたが、政府に置かれた検討会議としては、更にこういった厳しい状況を踏まえて検討を深めていくということで、現在更なる議論をしていくという方向性で今後会議が進んでいくことが考えられているところでございます。
 一方で、資料3-4を御覧いただけたらと存じます。これにつきましては、そういった定員なり若しくは組織とは別の、未修者教育を中心とした教育の質でございますが、その検討会議での主な意見を、当方でとりあえず現段階としてまとめさせていただいたものでの御説明でございます。
 一つ目といたしましては、この私どもより御報告をさせていただいた方向性については、全体的な方向性としては賛成であるという御指摘をいただいております。その具体的な取組として、例えば厳格な到達度判定の仕組みについては、その専門家に必要な知識等を早い段階で評価できるという意味で、また進路変更の機会にもなるのではないかということで、こういった取組を法科大学院が連携して進めていってほしいという御指摘をいただきました。また二つ目の丸にありますように、学修の成果を全国的に評価することができるという意味では評価できるのではないかという御指摘。また、学生もそういった意味では自分の立ち位置を把握することができるという意味では評価できるのではないか。ただその際には、ふるい落としの試験というイメージはなくすべきだろうし、また知識だけではなくて論理力等も問えるような工夫が必要なのではないかという御指摘をいただいたところでございます。基本的な法律科目の重点的学修につきましては、やはり基本的な科目を重視して法学未修者の1年次に教えるということは大切なのだろうということを、御指摘いただいております。また例えば法学部以外で多様な経験をされた他学部の出身者、若しくは社会人の経験者については、ある一定程度の科目を減免し基礎に力を入れるということについて、それを方向性で示したことは大変重要な視点ではないかという御指摘をいただいたところでもございます。入学者選抜の改善につきましても、適性試験における選抜性の向上というのは重要であろうと。また、前回のこの特別委員会でも御報告のありました、司法試験と適性試験の一定の相関関係が見られることが分かったので、これを更に有意義に関連付けてほしいというような御指摘もいただいたところであります。最後になりますが、法学未修者における法学部出身者の扱いにつきましても、ここにございますように、やはり法学未修者について法学部以外、若しくは社会人の出身者に限っていくということも考えられるのではないかという御指摘に対して、それに対してやはり何らかの制限をかけた方がいいですねという御賛同の意見もありましたが、また一方で法学部自体は法曹養成に特化しているわけではなくて、様々な役割を担っているということから、法学部出身者であっても法学未修者コースを受けるということもあるのではないかといった御指摘もありまして、さらに今後検討が深められていくような形での御議論が行われたということでございます。
 今の御説明は第4回と第5回の検討会議の報告でございますが、更にこういったものが深められる方向性にあるというところでございます。
 最後に、資料3-5でございますが、こういった検討会議の御報告とともに、前回の特別委員会でも御指摘をいただいたものを簡単に取りまとめさせていただいたペーパーであります。こちらにございますように、「共通到達度確認試験(仮称)」の導入につきましては、その試験のつくり方、また法科大学院の単位認定の方法など、留保をしながらもその導入を検討していく必要があるのだろうと。そのためには二つ目の丸にありますように、早く具体的な検討に着手する必要があるだろうということであります。ただ、留意すべきする点としては三つ目等にもございますように、その知識獲得型の教育に偏るおそれがあるのではないかという御指摘に対して、どういった形でそれに応えていくのか。また、既修者認定の在り方についても併せて検討をしていく必要があるのではないかという御指摘がございました。
 また、基本的な法律科目の重点的な学修につきましては、やはり司法試験対策に偏重する方向に動く法科大学院も中にはあるのではないかということで、この点は認証評価の基準とも併せて、その考え方を整理していく必要があるのではないかという御議論もございました。
 また、入学者選抜の改善につきましては、未修者コースについて純粋未修者に限っていくという大胆な打ち出しも考えられるべきではないか。また法学的素養の試験をされていないという、いわゆる入学者選抜の段階でのこの点についてどう踏み込んでいくのかの議論も必要なのではないか。さらには、授業の方法等について、一方で例えば法学未修者について、講義中心の授業だけしていればいいという誤解が生じないような議論がやはり必要なのではないか。また、やはり少人数の教育ということを基本とするということが、しっかりと踏まえていくべきではないか。そのような御議論を前回の会議でもいただいたような状況でございますので、本日につきましては、この検討会議の動向とともに前回の検討会議での御指摘なども踏まえながら、更に本特別委員会での御議論を深めていただけたらと考えたところでございます。
 それでは、審議のほどよろしくお願い申し上げます。



【田中座長】
 どうもありがとうございました。
 法学未修者教育の充実以外のことについても、かなり検討が必要な状況の報告をいただいたわけですけれども、それではまず、法学未修者教育の充実方策につきまして前回議論をいただいたことを踏まえて、更に御意見、御質問などがありましたら御発言をお願いいたします。
 この特別委員会で指摘のあった事項につきましても、いただいた資料の3-5で整理していただいておりますけれども、それ以外にこういうことを指摘したのだけれども落ちているんじゃないかとか、あるいは追加してこういうことも追記したいということがございましたら、是非御発言をお願いしたいと思います。
 前回のこの特別委員会の議論の整理と、それから政府の検討会議の議論の御指摘なり論点を踏まえて今後更に議論を進めていくということで、よろしいでしょうか。



【井上座長代理】
 私、前回ちょっと発言をして、検討会議でも同じような趣旨の発言をしたんですけれども、賛同を得られた部分と、法学教育との連動のところが一番難しくて、純粋未修者に対応できるかということですね。
 法学というのはいろいろあってレベルも相当違うものですから、現実的ではないのではないか、法学部教育から見直していかないといけないという趣旨の発言と、それを踏まえて純粋未修者に限るんじゃなくて法学部出身者もいるということを前提にしながら、その会議でも柔軟にする。その人に合わせて、その方が現実的ではないかと、こういう御意見があったんです。私も思い切ったこと、そういうふうにできるというふうに思ったわけではないんですけれども、一番心配したのはやっぱり非法学部・社会人の志願者、入学者がもう本当に減っちゃって、今2割ぐらい、2割か3割ぐらいしかいないということです、未修者。これでいいんだろうかということです。ここのところを、やっぱりもっと社会的にはニーズは多分潜在している。最初にわっと来ましたので、ある程度、はけちゃったところがあるんですけれども、やっぱりあると思うんです。その辺がもっと入ってきやすくなって、入ってくれば希望が持てる。そういうものでないといけないんじゃないか。それを考えると、カリキュラムもそこを焦点に当てたカリキュラムというのをつくらないといけない。中途半端なことをやっていると、結局どっちつかずになっちゃうみたいな、そういう趣旨だったんです。
 それと8割に近づいている法学部出身者の未修者、これの教育というのを、どういうふうに両立させていくことができるのか。ここが最大の眼目じゃないかというふうに思っているんです。うまく組み込めれば、純粋未修者についてはもっと法学部教育との連携、法学部教育を受けてもらいますので、連携という道もあり得るかもしれないし、きつい言葉で言えば法律漬けにしてもいいんじゃないかと思います。バックグラウンドが多様なので。だからそういうことを強化できるような組み方ができるかどうかということになっていくんだと思います。この辺になっていくと、どの道もちょっとカリキュラムを具体的に組んでいるとか、そういうシミュレーションをしないと抽象論を言っていても何も変わらないので、そういう作業を今後やっていくべきだと。その中でよりよい選択肢を選んで、これも早急にやらないと多分駄目だと思うんですけれども、そういう方向が今後あるかなというふうに個人的には思っています。



【田中座長】
 制度自体をいじらなければいけないようになると、いろいろと問題点があると思うのですけれども。



【樫見委員】
 前回欠席をいたしましたので誤解があるかもしれないですが、先ほど井上先生がおっしゃったように未修者を法律漬けにすること、その点は確かに私も必要であるとは思っておりますが、ただ多様なバックグラウンドを持った学生で、社会経験がある、あるいは実務経験、それから他学部での学習経験があるから改革案で載せられている基礎法学、隣接科目や展開先端科目の履修を一部免除するというのはいかがなものか。これは恐らく旧司法試験で言われていたときには、本当に受験勉強、法律の法律漬けの勉強しかしないような人間が出てくると、それは困るだろうということで、上記の科目を設けたはずです。司法制度改革では、むしろ価値判断のところというか、そこはやはり法科大学院でそれを形成するような、正に基礎法学なり隣接科目というか、そういったものを考えていたというところからすると、果たしてここのところは十分に慎重に考えなければいけないと思うのですが。正に法を運用する者にとって必要なのが基礎法学、隣接なり、その中身についてもある程度、法科大学院の教育の中で指針を設けているわけで、それらが欠けた学生が出てくるというのは、何となくちょっと私自身は納得できないところがあります。前回の議論を踏まえていないので誤解を生ずるかもしれないのは申し訳ありません。



【井上座長代理】
 議論のために非常に極論を言ったので、全部入れなくていいと。1年生から修了まで、法律基本科目だけだと、そういうことを申し上げているんじゃないんですけれども、現実を直視すると、やっぱり法律の基本科目の学力がもちろんトップクラスのごく一部の人は、1年ぐらい、2年ぐらいで既修者をはるかに超えるような学力がつく人はいるんですよね。それはセンスもあってすばらしいと思うんですけれども、それはごく一部で、多くの人はなかなか苦戦する。2年目に既修者と合流する、非常に苦戦をする。成績をつけていて、ブラインドで付けるわけですけれども、固まっているなという感じであけてみると未修者の人はもう非常に苦戦をしている。そういう状況、それが現実だと思うんです。
 ですから、やっぱり法律基本科目の学力を集中的な勉強で伸ばす必要がある。幸いバックグラウンドはある。いろいろな人がいるものですから、そういう人がたくさん入ってくれば、それだけでもかなり基礎的な多様性がある。確保できるんですけれども、そういう人はやっぱり法律に重点を置いた勉強をしてもらう。しかし、既修者、法律を勉強してきた人は、むしろ多様なことに展開をしてもらう。そういう重点の置き方を変えていかないと、現状を多分打破できないと思うんです。もうそこまで来ていると思うんです。このままいったらもうハンディがあると思って、そういう多様なバックグラウンドの人はどんどん入ってこないことになっちゃうと思うんです。その先どこに行くか分かりませんけれども、予備試験へ行くのか分かりませんけれども、本来のロースクールの理想がもうそれで瓦解していってしまうのではないか。それでちょっと極端なことを提言してみたんです。この年末と次回もそうなんですけれども、司法試験の問題の議論をしていまして、そこではやっぱり未修者の人にちょっとハンディというか、そちらの方に不利益というのか、ハンディが行くような司法試験になっていないだろうかということも検討課題ではないかという、私も言いましたし、何人かの委員が指摘していまして、そこも重要なことではないかなと。ですから、司法試験の成績が悪いからこの人たちは学力がないんだとかいうふうに、単純に断定をすることは、という、そういうことも議論はしています。



【田中座長】
 未修者と既修者の問題というのは、幾つかの改革案の妥協的な産物なので、どちらをベースにカリキュラムを組むかというのはなかなか難しい問題があって、未修者、特に純粋未修者については基本的にもっと柔軟なカリキュラムの組み方をするのがいいんだということはよく分かるんですけれども、根本にあるのはやっぱり教育力の問題でして、そういう純粋未修者にできるだけいい教育をして、既修者と余り変わらない力をできるだけ早くつけさせる方策を考えるのが最も現実的ではないかと思います。その辺りいろいろな方策が考えられるので、少し実験的にしろ、各法科大学院の教育力に応じていろいろな取組をできる仕組みにすることが必要じゃないかと思います。井上委員がおっしゃるのはちょっと何か別のやり方もあるかなと思いますので、それに対応する措置もいろいろ考えていく必要があると思います。



【磯村委員】
 今の問題とも関係するんですけれども、法学部を出ておられない純粋未修者ということを前提とすると、今の仕組みは、未修者1年次に法律基本科目の多くの単位数を割り振って、そこで基礎力を鍛えてという発想なんですが、1年目というのはどうしても消化不良になる面があって、本当は2年目、3年目にも更に上積みをするという部分が必要なのですけれども、総単位数の中で法律基本科目がどれくらいの分量かという総枠規制があると、どうしても2年生、3年生のところではそれ以外の科目が逆に中心になっていて、そうすると積み残してしまった分を十分に復習できる授業というのは余りないというのが実情です。また既修者についても、既修者試験に合格すると、民法等の法律基本科目についての単位数が意外に少ないというのが現状です。そのために、本当は3年生になっていよいよ司法試験を受ける前の年度に充実した法律基本科目の勉強が必要であるのに、授業としては意外に履修できないという面があるように思います。したがって、未修者だけの問題ではなく、2年生、3年生の段階でどこまで、どういう勉強をするかについて、カリキュラムの在り方をもう少し見直す必要があるということ、もう一つは、今の仕組みではほとんどの法科大学院で、未修者が2年生になると既修者と同じ授業を受けることになりますが、3年間で未修者がどのレベルに到達するかという面から考えると、本当はその仕組みがいいかどうかということも検討の対象として考えられるので、いろいろなシミュレーションをする中でどういうカリキュラムがあり得るかということを、再検討する作業が必要ではないかと感じています。



【土屋委員】
 今、磯村先生がおっしゃったことは、私が法科大学院の学生さんとお話をしますとやはり感じるところですね。純粋未修で法科大学院に入ってきた方たちのかなりの人が、1年次ではとても既修者に追いつかない。ようやく2年次に入って半ばを過ぎて辺りくらいでないと、既修者レベルに追いつかないということを言っていらっしゃって、2年次に何らかの重点的な手当てといいましょうか、そういうものを考える必要性があるんじゃないかということを感じています。1年次の純粋未修者に対しては、6単位の目標の仕組みというのがつくられましたけれども、2年次については何らかの形で2年次の早い段階でフォローができるような仕組みを制度的に考えると、未修者の人たちも安心して法科大学院に入ってくれる、そういう感じがあるのかなというように思います。制度的にどういう形があり得るのか分からないのですが、それをもうちょっと具体的に検討をしてもいいのかなと思いまして。そうすると、こういう制度があるから、それを踏まえて法科大学院へ進んでやっていけば自分にとってもためになるというか、なってくるという安心感が出てくると思うんです。そういった安心感を与えるような制度的な仕組みをつくれば、純粋未修者が法科大学院を選択する。そういう道も開けてくるのではないかと、同じことを感じました。
 それから先ほどの井上先生の御意見については、極端なというふうに言われましたけれども、私も極端な考え方でいえば、基礎法学というのは本当に大事だと思うんです。六法全書の神様みたいな方が必要なのかもしれないですけれども、そういう人だけを養成するのが法科大学院ではなかろうというくらいの気持ちを持っております。軽視せずに、なかなかゆとりがないとできないとは思うんですけれども、むしろ基礎法学をちゃんと学べということを言っていただきたいというふうな気が半分しております。以上です。



【井上座長代理】
 弁明をするわけじゃないんですけれども、あくまでも議論のためです。軽視をすることではなくて、現実を直視したときに全体の可能な枠の中でどこに重点を置いていくかということだと思うんです。単位数、今以上に増やすのは恐らく大変で、アップアップだと思うんです。6単位増やしたのも、かなり思い切った冒険だと思うんですけれども、だから単位数を単に増やすということではなくて、科目の配置とか、この報告書自体、ワーキング・グループの報告自体も入っていますけれども、1年目は思い切って3科目ぐらいそこに重点的にやって、それで私は訴訟法ですけれども、訴訟法も並行してやると多分うまくいかなくて、私の経験では2年ぐらいから集中的にやればいいのかなというふうに思っています。今、磯村先生が言われたように、1年のところに重点的にぱっと入れちゃって、既修者の科目配置にも不備が出る。大体訴訟法とか行政法とか商法とかそんなにちゃんとできていないのに、2年のところからいきなり2単位とか、そんなものでこなさないといけない。未修者もそうですけれども、既修者もおかしくなっていく。だから、その辺の科目の配置とかをもっと合理的にした方がいいんじゃないか。2年生のところはいろいろな人がいますので、少し選択肢が幾つかあった方がいいと思っております。もちろん基礎法を軽視しているわけではなくて、全体の90とか100とかの中でどこに、どういう人はどこに重点を置くとか、そういう選択だと思うんです。それをやっぱり抽象論ではなくて具体的に幾つかのモデルをつくって、メリット、デメリットを考えてみるということを、やっぱりもうやっていかないといけないと思います。



【永田委員】
 磯村先生の意見について分からなかったのですが、法科大学院の1年生の講義をやったり、2年生の演習をやったりしてきた中では、1年生でざっと憲法・民法・刑法、その他の基本科目の大枠を勉強し、大体どこの法科大学院も2年生でそういう科目には演習を設けて、演習のところでその粗っぽいところを埋めていくという形で、未修者であれば2年次になるとほぼ法律基本科目の全体像が分かるようになると。ただ、既修者も同じように勉強をするわけですから、既修者がそこで更にプラスして勉強をしてきて差は出てくるんですが、そういう仕組みで、2年生、ないしは3年生の初めには法律基本科目が整っているというようなふうに見ていたのですが、そういう見方ではないということなのでしょうか。



【磯村委員】
 私の率直な意見を申し上げると、例えば2単位の授業というのは1学期で15回ですから、演習だと15のテーマしか取り上げられない。法科大学院によって既修者の履修するべき民法の単位数は違いますが、例えば、既修者の民法科目の必修単位数がは4単位とすると、既修者として入学後に積み上げられる部分というのはどれくらいの分量かというと、自分で不足を補う努力が可能であるとしても、やはりカバーできる範囲というのはものすごく限定的だと思います。優秀な学生諸君は限られたテーマの授業からも、自分でヒントをつかんで勉強をすることができますけれども、1年生でまだ見よう見まねで、12単位ないし14単位の民法の基礎的な勉強をした普通の未修者の学生が、その後、わずかの単位だけで、自分でフォローできるかというと、かなり疑問で、もう少し手厚く授業でフォローしないといけないのではないかと思います。



【永田委員】
 よく分かりました。ですから、もう1回組み直してみて何が足りないのかとか、どこに調整できるかというシミュレーションをしてみる段階に来ていると僕は思いますので、よく分かりました。



【木村委員】
 2点あって、一つは先ほどの基礎法学について、やっぱり軽視するのはおかしいんじゃないかという議論なんですけれども、私も基礎法学と隣接とあって、法律以外の科目を勉強するという部分がありますので、それについては恐らくいろいろな多様なバックグラウンドを持った方については、それほど重要ではないんじゃないかという気がしています。ただ、基礎法学という言葉の意味が私もよく分からないのですが、いわゆる入門、いわゆる法学部の1年生でやるような法学入門というのは、恐らくカリキュラムにきちんと位置づけられていないんじゃないかと思うんですよね。それをどういうふうに取り込むのかというのは難しいと思いますが、いわゆる法律の本当の基礎の基礎みたいなところを、未修の方というのは十分にやる時間があるのかなというのは前から疑問に思っていて、それをむしろ充実した方がいいんじゃないかというのが1点です。
 それともう一つ全然違う話で蒸し返しになって申し訳ないんですけれども、先ほど井上先生がおっしゃった、いわゆる純粋未修に限るべきじゃないかというお話は、これはすぐには実現できないお話というように伺ってよろしいんでしょうか。実はこの前もこういう議論が随分出ていたんですけれども、現状を前提にすると、もしこれをすぐ実現するとなると恐らく大変なことになるだろうというふうに思っていまして、むしろそういうふうに未修者が圧倒的に有利だという状況をつくり出して、それをインセンティブに大きく状況を変えていくというようなお考えがあるのかもしれないんですけれども、恐らく大変なことになるだろうなと思います。また、いわゆる既修が損をするというような、入試において既修が損をすると。だから法学部に行かない方がいいんじゃないかというような、むしろそんな話にもなるんじゃないかという、すみません、足を引っ張るようで申し訳ないんですけれども、そんな気がしてしまったので、ちょっと伺いたいと思いました。



【井上座長代理】
 すみません。私自身はそれもあり得るかなというふうに思っています。確かに7割を超えているのが法学部出身というのが現実で、それぞれほとんどを占めているということもあるわけですよね。ですから、そういうところが瓦解するという可能性が大きいんですよね。ただ、本来未修というのはどういうものであったのかということから発想すれば、やっぱり法学部出身者で未修に来るのは例外的な位置付けなんですよね。そういう人も来てもいいけれども、本来的には未修というのは純粋の人を前提にカリキュラムを組んで、3年間で一定の学力をつけさせると。これが本来の在り方なので、そちらの方にやはり軸を向けていかないと、結局変わらないんじゃないか、こういうことなんです。現実に未修については、そういう入学者選抜の方針をとっているというところもあって、そういうところももっと出てきていいんじゃないかと。ですから、無い袖は振れなくていきなりそういうふうにできないところと、できるところはそういうふうにやってもいいんじゃないか。そういうところがモデルを示してくれれば、もっと未修者教育の在るべき姿というのが見えてくるんじゃないかということなんですよね。それをベースにして法学部で遊んじゃっていましたと、運動ばかりやっていましたという子が結構いるので、そういう人は純粋未修の教育をベースにしながらアレンジしていけば、そういう発想の方がうまくいくんじゃないか、こういうことなんです。



【木村委員】
 ありがとうございました。



【田中座長】
 法学未修者の問題は、法学未修者で司法試験に受かって実務に就いている者の実務能力がどうのこうのという話ではなくて、要するに司法試験に受かりにくいというだけの話のところもあるので、法科大学院の教育の仕方と同時に、司法試験の仕組みの方も連動して考えていただかないと、法科大学院側の教育だけで対応できるものならばいろいろ考える必要があるのですけれども、司法試験の在り方も連動して考えないと、どういう改革をしても無駄なところもあるので、その辺りを含めて、いずれにしても、現在の状況では困るので何とかしなければならないということについては、皆さん異論はないと思います。今日いただいたような御意見を踏まえて、法曹養成制度検討会議の審議の状況も踏まえながら、第7期の特別委員会でも引き続き検討をしていただくということでよろしいでしょうか。検討会議の審議の状況にかかわらず、この特別委員会で独自に対応をした方がいいという論点もありましたので、その点についても検討を進めていただきたいと思います。
 それでは、最後になりますけれどもこの第6期の中教審の任期が1月31日で満了になっておりますので、今日の法科大学院特別委員会はこの第6期における最後の会議になります。第7期においてもどういうことを審議すべきか、あるいは審議いただきたいかということについて、少し意見交換をさせていただきたいと思いますので、まず事務局の方から資料の説明をお願いいたします。



【今井専門職大学院室長】
 それでは、失礼いたします。
 資料4を御覧いただけたらと存じます。資料4につきましては、今後の審議の基本的な方向性についての案ということでございまして、是非本日御議論をいただけたらと考えているものでございます。なお、この内容につきましては以下のとおりでございますが、次期の中央教育審議会における審議につきましては、以下のような大きく分けて三つの観点で継続して審議をされるということが望ましいのではないかというふうに考えられているところでございます。
 まず大きな柱の1点目は(1)でございますが、やはり政府におきまして設置をされております法曹養成制度検討会議の審議の動向、これを見極めていただきながらも、改革に関する提言がなされた場合には、それを踏まえて法科大学院の更なる改革に向けて、この中央教育審議会の特別委員会の場において御議論、御検討をいただくことがあり得るのではないかということで、基本的には第7期はこの流れが一つの大きなポイントではないかというふうに思われるところでございます。
 また(2)番目の二つ目でございますが、現在この法科大学院特別委員会、二つのワーキング・グループが設置されておりますが、それぞれにつきましてもおおむね以下のような方向性で引き続き調査、検討を続けていただいたらどうかというふうに考えられるところでございます。一つ目は丸の1にございますように、法科大学院教育の質の向上に関する改善状況調査ワーキング・グループでございますが、このワーキング・グループの次期以降につきましては、これまでの取組の検証をした上で、より効果的かつ効率的な調査方法、そういったものを検討し、集約的な形で調査を実施していくということを目指していくということも考えられるのではないかというところでございます。また、丸の2にございます、法学未修者教育の充実のための検討ワーキング・グループでございます。これにつきましては、先ほどの検討会議での方向を見極めるということも前提でございますが、例えば特にシステム改革につきましては、その検討の方向性が出ております。そういったものを中心に、更なる具体化に向けた検討を実施していく。そして、可能な限り早い段階でそういった改革を含めて実現を目指すということで、検討を進めていただいたらどうかと考えられるところでございます。
 そして、(3)につきましては、昨年7月にこの特別委員会でおまとめいただきました提言の中で、これ以外でも検討すべきという御指摘があることもございます。そういったものも含めて、更に審議を深めていくということで御審議のほどをお願いできないだろうかと考えられるところでございます。
 以上、まずたたき台としてお示しさせていただきましたので、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。



【田中座長】
 どうもありがとうございました。
 ただいま事務局から案を示していただいたわけですけれども、御意見、御質問、あるいはもっとこれをやるべきだとか、もうこういうものはやる必要はないとかございましたら、お願いいたします。



【有信委員】
 大学院部会長としてではなくて、産業サイドの観点でこういうことをどういうふうに今後議論をするかということで少しお願いしたいと思うんですけれども、現実的に今、日本の企業がアメリカで膨大な損失を出しているという事実があるわけです。典型的な例はクラスアクションですし、そのクラスアクションに対して防衛しようとして、今度は米国の弁護士に膨大な費用を支払っているわけで、いずれにしても膨大な費用がアメリカの側に支払われていく。あるいは、一方で例えば中東等でフルタンキーといいますけれども、一括で請け負ったようなケースですと、例えば契約上の不備によってちょっとした不具合をどんどん指摘されて、結果的には収益が全く出ない。具体的に一番典型的な例は、台湾の新幹線ですね。JRと日本のメーカーの連合軍で台湾の新幹線を全体として請け負ったんですが、あれは膨大な赤字になって終わりました。もともとは相当な黒字が出る予定だったわけですけれども、これも契約上の問題。こういうところで、実際には法務のバックグラウンドを持った方々の日本の企業での活躍が期待をされていて、それで多様なバックグラウンドを持つ法曹の養成ということに対して大きく期待をしていたわけです。その中で実際には企業サイドでも採用の際に、法科大学院の修了生を採用しようとするんですが、結果的に言うと司法試験の合格者の方が不合格者よりも優秀だということで、結果的に十分に修了者の行き先、活躍の場が確保できていない。これは今までの議論の中でも、司法試験にフォーカスをした議論になっている。法科大学院での教育が実はもっと多様な法務従事者を養成しなければいけないという視点で、それが本来は司法試験にもつながっていくという構造になっていてくれると、日本の産業サイドにとっては非常にありがたい。多分日本の弁護士会のスコープも恐らくそこまで広がっていないかもしれないということなので、ここら辺はある意味で、どこかで産業サイドときちんと議論をするようなところを設けていかないと、例えばニューヨークの弁護士と話をすると、日本の企業は収益をどんどんアメリカに貢いでいる、こういう言われ方をしているわけですから、やっぱり日本の将来を考えると、そこはよく考えていく必要があると思うんです。やっぱり司法試験というのは非常に重要なポイントではありますが、もう少しスコープを広げる議論も必要かなという気がします。



【田中座長】
 今、有信委員がおっしゃったことはとても大事な論点だと思います。



【松並委員】
 そのものとリンクはいたしませんが、今、検討会議のもとで法曹の職域の拡大という観点から、一つは企業、それからもう一つは、地方自治体、もう一つは、海外展開へどう弁護士がかかわっていくか。この三つの分野について、意見交換会などを開催しまして、数回を経て今最終的な取りまとめをしているところではございます。その中でも企業から相当数のヒアリングを実施いたしました。大企業、あるいは中小企業、あるいは異なる領域で。基本的にはそうして法曹有資格者を活用するために雇っている企業は、それはそれは有用である、有益であると。そこにまでまだなかなか至らないところは、果たして有益、有用なのだろうか。あえて法曹有資格者を雇用する必要があるんでしょうかと。そこにはやっぱりそう思うだけの課題が非常にあるんです。給与面、待遇面も含めて。結局はいろいろな課題がいっぱい、より課題が分かったというところではありますが、ここ数年、特に2年、3年、企業への採用数というのが大幅に増えてきているところで、これからこの、もっとアピールをし、それからマッチングの場を多々設けていくことによって、相当拡大していく期待度は高い、かつ必要性が非常に高い。今度はそれをロースクールの段階から、それを見据えた教育ですとか、インターンシップですとか、企業でまず入ってやってみるとか、こういう場を積極的に設けていくと、まだまだ広がる価値があり、かつロースクールへの期待度と申しますか、例えば岡山のロースクールが新たな試みとして、企業や自治体などの組織に人材を輩出していくために、ロースクールの卒業生を1年、2年鍛えるために、ロースクールの隣接した法律事務所を設け、そこで働かせ始める。働かせながら、大学でいろいろな医療訴訟とか、医療面だとか、特殊な面の教育を引き続きやるというような、合体したような取組を始めておりまして、これはロースクールとそれから日弁連の実務家と知恵を絞っていくことによって、広がっていくのかなと思っております。



【田中座長】
 今の点は、法科大学院を専門職大学院のカテゴリーに組み込んで設置したときからの大きな問題で、司法試験対応という極めてドメスティックな問題の対応に追われて、そういうグローバルな視点から法科大学院の今後の展開を考えるという検討は遅れているという問題は以前から指摘をされていたのですが、なかなかそこまで手が回らないのが実情です。ただいまおっしゃったような形で徐々に状況も変わってきていると思いますし、実際、企業法務に進む者は急速に最近増えてきつつありますので、状況は徐々に変わっていくと思うので、余り現在の司法試験対応に追われた議論の動向に引きずられて、法科大学院の運営方針を余りそれに合わせて組みかえたりしない方が、長期的な視点から見るくと賢明ではないかと思われます。そのためにも、専門職大学院制度をもうちょっときちんとしていただきたいというのが、法科大学院がそこに組み込まれている側としては言いたいことでして、この点は、有信先生、大学院部会の方でよろしくお願いいたします。



【有信委員】
 今の点、すみません。ちょっとだけ補足をしますと、企業の中ではもう随分以前から法務従事者の養成が必要だとか、社内的に技術者従事を法務の方に配置をしたりとかしながら、社内的に育てるという努力もしているんです。だけれども、それはもう明らかに限界があって、したがって多様なバックグラウンドを持つ法務の従事者というので、今御指摘があったように自覚をしていないところは痛い目に遭っていないか、遭っていても痛い目に遭った本当の理由が分かっていないというところなので、いわば多数決的に平均的な意見にまとめてしまうと本来の問題を逃してしまうという可能性があるので、是非検討をお願いしたいと思います。



【井上座長代理】
 有信委員がそう言ってくれたのは非常に力強いのですが、外で議論をしますとそんな必要はないという方向の議論をする方も実はおられて、一生懸命こちらは法曹といっても狭い意味の法曹を目指しているわけではなくて、いろいろなところで高い方がそれを生かして活躍をしてもらうことを目指しているんだと、こう言っているんです。企業はそんなにいりませんよと、こういう方向の議論をする人が結構まだいるんです。いるというか、かなり有力にいるんです。ですから、是非いろいろなところでそういう御発言をいただきたいというのと、司法試験に焦点を当てた議論をなぜせざるを得ないのかというと、その桎梏みたいなものがあるので、本来は多様な教育をもっとしないといけないんですけれども、それがやっぱり非常にできなくなっちゃっている。そこのところも改めていかないといけないと思うんです。検討会議で法曹有資格者の領域拡大という、そういう角度で議論をしているのは、もう一つは資格も取れないような能力のない人の行きどころを探すために領域拡大の議論をしているんですかと、そういうことではありませんよということなので、まず有資格者、あるいはそれくらいの学力のある人がいろいろ活躍できる場をもっと広げていきましょうと。こういう議論でないと、どうも社会的に見ると逆に見られちゃうものですから、そこに焦点を当てていかなくてはいけない。それは当然、別に資格を取らなくてもそれだけの能力があるというふうに評価されれば、そういうところに進出できるんだろうと思うんです。そういうことですよね。



【永田委員】
 有信委員が言われたクラスアクションした場合の瑕疵担保とかというのは、日本の有能な弁護士がかかわっても負けているわけです。そういう意味で、法務の先端的な技術を日本がどうやって養成するか、法科大学院はそれを見据えてそういう層をどのように養成していくのかが重要であると思います。そういった層が非常に薄いから、それほど得意でない顧問の有力な事務所に頼むから失敗するわけです。いい加減に弁護士を選びますとそういうことがあるので、法曹界の中での話でしょうが、弁護士を義理や人情ではなく、きっちり能力のある人を適正に選択できる必要があると思います。それから、企業の方で先端の法律的な技術を身につけた人をどうやって養成するか。そもそもどうやって増やすか。法科大学院もそこにたどり着くためにそれに耐え得るような素養のある者を育てていくことが期待される時期にあると思います。現状は、日本の法曹界に先端的な技術を持った人は少ないという認識です。以上です。



【椎橋委員】
 入学前からの教育というか学修というか、それを効果的に法科大学院に来るときの学修につなげられないか。今、大体学部の学生は、3年ぐらいで大体卒業単位が取れるという状況になっていると思いますので、4年次をいかにうまく使うかということが大事になっているんです。3年次終了後にすぐに法科大学院に入れるように早期卒業とか飛び級とか、そういう制度ができていますけれども、4年間学部で勉強して法科大学院に行ったときにどうやってその勉強の効果を生かすか。4年間の学部の勉強を法科大学院との連携というか、そこら辺の連携が必ずしも意識的にできていないのではないか。そこら辺の結びつきをより緊密にして、4年のときをどうやって勉強するのかということを、より真剣に考えたらいいのではないか。それは未修、既修にかかわりないと思うんです。個人によってどういうところが法科大学院に来る前に必要なのかということが違いますので、その人に合った勉強をいかにさせるかということだと思います。それと、それを同じ大学の中でしたら今の現行制度の中でもある程度できると思うんですけれども、もっと視点を広げて他大学の学部から、他大学の法科大学院に来るという場合にも、そこら辺のところをある程度壁を取り払って、より効果的な連携ができないかなと思うのです。法科大学院ができてから、学部から他の法科大学院に行くということが増えていますが、それは大学間において流動性ができていい制度になったなと思っているんですけれども、さらに、経済状況を考えて、親御さんのことを考えると、当然今の4年にプラスして2年または3年の中で効果的に学修して、そして希望した職業に就きたいと思っているんでしょうから、その中のある時期につき、目標がぼやけず一貫して効果的な学修につながっているということになるといいので、そのときに、法科大学院の教師から考えると学部のときはこういうことをした方がいいんじゃないかというようなことが、いろいろ言えることがあると思いますので、そういうような辺りの連携というのをより効率的にできないかなと。そういうことも検討をしていく必要があるのではないかと感じております。



【田中座長】
 法学部教育だけではなくて、全般的に学部教育と法科大学院の連携の問題もあります。
 今の関連で、もう一つ、私が別のところで関係したことですけれども、法科大学院が専門職大学院としてつくられたことによって、法科大学院と従来の法学研究科の研究者養成の仕組みとの連携の仕方が非常に難しくなってきておりまして、法学のように、もともと法曹養成ということも法学専門教育のかなりの部分を占めていた分野で、専門職大学院として、従来の大学院と違うのだという形で博士後期課程との連携の段階で特別な扱いをせざるを得ないというのは、法学専門教育の高度化とか、法学研究者の養成という観点から見ても非常に具合が悪いというのが現状でして、法科大学院における教員の養成にも非常にネックになっております。先ほどちょっと失言気味に法科大学院を専門職大学院のカテゴリーからから外していただきたいと言ったのもこの問題とも関連していまして、法学部とか法学教育の高度化、法学研究者リクルートという点からみると、余り専門職大学院ということでいろいろな特殊な条件を要求されるのは、法科大学院の位置づけとして従来の法学部、法学研究科の研究・教育システムの発展という点からすると、困っている面もあるので、その辺りも是非見直してほしいと思います。



【井上座長代理】
 僕も同感で。今、研究者養成ということなんですけれども、実は法科大学院の教員の養成というのは、もう本当に早急に手を打たないと間に合わないと思うんです。さっき田中先生から教育力ということを言われました。結局そこなんですよね。その差というのは非常に大きくて、学生さんのもちろん資質の問題もあるんですけれども、教育力のある先生たちを研究室に置いておく。これはもう必須だと思うんです。ところが、現実には研究者養成も法科大学院にいたために非常に大変な状況になっているという。研究者にならない。そこのところを本当に手を打って意識的に何かをやっていかないと駄目だと。これは、ただ田中先生が言われたようなところを改めるだけではなくて、やっぱりそれをかなり意識して、それに焦点を当てたような何かプロジェクトとかシステムというのをつくっていかないと間に合わないと思うんです。10年後は本当に惨たんたることになって、我々がもう本当は社会で、余り一線で活躍してはいけないのに、つえをつきながら頼まれて教えに行く、そういうことにならざるを得ないのかなというふうに思っています。そういうことにならないように、もう手を打っていく必要がある。これも非常に早急の検討課題ではないかと思っています。



【田中座長】
 今追加で御指摘のあった点も含めて、今後の課題として次期の特別委員会に申し送りをしていただけたらと思います。本日予定している議事は以上ですけれども、最後に事務局の方から御挨拶があるということですので、よろしくお願いいたします。



【板東高等教育局長】
 それでは、この第6期の中教審の、今回は最後の特別委員会ということでございますので、改めてこの2年間につきまして御礼を申し上げたいと存じます。この会議は、今日もずいぶん議論がございましたけれども、大変活発な、そして課題自体が大変難しい、様々なことがかかわってくることでございますので、大変難しい課題がございますけれども、それにつきまして大変積極的に様々な角度から御議論をいただくとともに、実際に、例えば改善状況調査に関しましては大変御時間を割いていただきながら、個々の法科大学院の運営について突っ込んだ議論をしていただきましたことを本当に感謝申し上げたいと思います。2年間で、ワーキング・グループを含めますと25回開いていただいたということで、中教審の中で最も活発な組織であったのではないかと思います。本当に御礼を申し上げたいと思います。
 今日も御議論をいただいておりますけれども、法科大学院については個々にもいろいろな、未修者教育の問題、先ほどお話がございました今後に向けて法学部の方の教育、あるいは研究者養成の問題も含めまして、法学教育・研究全体にも今後の在り方ということにつながってくる非常に大きな課題がまだまだあるわけでございまして、今後も含めて御議論、御指導をいただきたいというふうに思っておりますけれども、特に今期において7月に改善方策について提言を取りまとめていただきました。これについては、我々としても着実に実施をしていきたいというふうに思っておりますとともに、先ほど御紹介をさせていただき、御議論をいただきました政府全体で法曹養成制度の検討会議の中で議論をされておりますことにつきましては、恐らく今年度内にかなりの議論が詰まり、それについてまた幅広い御意見をいただきながら決定をしていくような、大変タイトなスケジュールの中で議論を進めておりますので、スピード感を持ってこれからも御議論、御指導をいただければというふうに思っているところでございます。そういう中で先ほどからも御議論がございますように、専門職大学院の一部としていろいろな大学関係の制度等の問題、あるいは、先ほど企業の側からの御指摘がございましたけれども、これからの我が国の経済を強くしていく上で、正にこの法科大学院の問題というのは非常に重要なインフラ、基盤になるだろうということからも、一層思い切った改革をスピード感を持って進めていかなくてはいけない、正に待ったなしの状態になっているというのを改めて強く感じてございまして、大学教育全体の問題としても、それから社会の中の非常に重要なポイントであり制度であるということからしても、この問題については検討を絶やすことのないように、我々としてもいろいろな方々の御意見、御支援を更にいただきながら、政府全体の中の議論なり取組を進めていきたいと思っております。そういう意味でまだまだ御議論は尽きないところで、これからも継続をしていただき、また更なる議論をいただいての個々の在り方も含めまして御審議いただければと思っておりますけれども、とりあえずこの期の締めということで御礼を申し上げたいと思います。本当にどうもありがとうございました。



【田中座長】
 委員の先生方におかれましては、この第6期の特別委員会のメンバーとして、2年間にわたって審議に御協力をいただきまして、私からも御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
 これで委員会を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

お問合せ先

高等教育局専門教育課専門職大学院室法科大学院係

(高等教育局専門教育課専門職大学院室)