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法科大学院特別委員会(第48回) 議事録

1.日時

平成24年5月24日(木曜日) 10時30分~12時30分

2.場所

文部科学省旧文部省庁舎6階 第2講堂

3.議題

  1. 総務省の行政評価について
  2. 法曹の養成に関するフォーラムの論点整理について
  3. 法科大学院教育の充実について
  4. その他

4.出席者

委員

(臨時委員)田中成明、有信陸弘の各臨時委員
(専門委員)磯村保、井上正仁、笠井治、笠井之彦、樫見由美子、鎌田薫、木村光江、椎橋隆幸、杉山忠昭、土屋美明、土井真一、長谷部由起子、日吉由美子、松並孝二の各専門委員

文部科学省

常盤高等教育局審議官、内藤専門教育課長、今井専門職大学院室長、佐藤専門教育課課長補佐

5.議事録

【田中座長】
 まだお見えになっていない方もいらっしゃいますけれども、所定の時刻となりましたので、第48回中教審大学分科会法科大学院特別委員会を始めさせていただきたいと思います。
 まず、事務局に異動があったとのことですので、紹介をお願いします。

 

【今井専門職大学院室長】
 失礼いたします。
 平成24年3月31日付で小代哲也が異動となり、平成24年4月1日付で後任に佐藤昭博が着任いたしました。

 

【佐藤専門教育課課長補佐】
 佐藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

【田中座長】
 それでは、事務局から配付資料の説明をお願いいたします。

 

【今井専門職大学院室長】
 配付資料を確認させていただきます。まず、資料1につきましては、前回の議事録(案)でございます。内容を御確認いただいて、修正等がございましたら事務局に申し伝えていただけたらと思います。資料2につきましては、この4月に総務省より出されました政策評価の結果について概要が付いております。資料3-1、2につきましては、今月10日に行われました法曹の養成に関するフォーラムの論点整理の取りまとめの概要と本体をお付けしております。そして、資料4につきましては「法科大学院教育の課題と見直しの方向性について(たたき台)」の資料を用意させていただいています。
 なお、資料5-1、2、3、4につきましては、それぞれ参考となるデータを付けさせていただいているところでございます。
 資料に不足がございましたら、事務局までお申し付けいただけたらと思います。

 

【田中座長】
 ありがとうございました。それでは、議事に入らせていただきます。
 まず、平成23年1月から総務省で行われていました「法曹人口の拡大及び法曹養成制度の改革に関する政策評価」の結果が今年の4月に出されたので、この内容について、事務局から報告をお願いいたします。

 

【今井専門職大学院室長】
 それでは、御手元の資料2を御覧いただけたらと思います。
 本年の4月20日でございますが、「法曹人口の拡大及び法曹養成制度の改革に関する政策評価」の結果ということで、総務省より勧告が出されたところでございます。
 資料を1枚おめくりいただきまして、その政策評価の概要について、簡単に御説明を申し上げたいと思います。この政策評価のポイントといたしましては、2点ございます。一つは、平成22年頃には司法試験の合格者数を年間3,000人程度とすることを目標とするということについて、どのような状況になっているのか。二つ目のポイントといたしましては、法科大学院では、その課程を修了した者のうち相当程度、例えば約7割から8割の者が、新司法試験に合格できるよう努めるとなっていることについて、どのような形で話が進められているのかというところを評価するということでございました。
 その結果につきましては、資料2の1ページ目の真ん中から下に、評価の概要がございます。総務省の方でその状況を評価し、その結果、示されたものがその概要の中に6点書かれております。一つ目は、この3,000人の合格目標については未達成である。また、国民の立場からは、未達成による大きな支障は認められないという評価がされております。また、二つ目、目標の中で例示をされた合格率については、未達成であるということ。また、3点目、特に定員充足率の極端に低い法科大学院や、入学者数の極端に少ない法科大学院が存在しているということ。また、これらの大学院については、司法試験の合格率も低いという御指摘を頂いております。4点目といたしましては、未修者は既修者に比べて合格率が低く、未修者教育に課題があるという評価を頂いております。5点目といたしましては、現在、公的支援の見直しに取り組んでおりますけれども、その見直しの指標について、その運用については配慮すべき要素、また付け加えるべき要素があるのではないかという評価を頂いています。6点目といたしましては、司法試験の受験資格を保有し得る5年間の継続的な進路の把握が必要であるという評価を頂いているところでございます。
 このように総務省によって、評価・分析されましたことを踏まえ、勧告としては、一番下にあります6点を受けておるところでございます。1点目は、司法試験の年間合格者数に係る目標値についての検討、これは法務省に対しての勧告でございます。そのほか、2番目から6番目は全て文部科学省に対しての勧告となっております。それで、細かいそれぞれの点については、次のページから簡単に御説明をさせていただきます。
 1枚おめくりいただきまして、2ページ目を御覧いただけたらと思います。先ほど申し上げたような観点から、まず主な勧告事項の1としてありました年間合格者数に係る目標値の検討につきまして、勧告の内容は、一番下にございますが、法曹・法的サービスへの需要の拡大、それから顕在化も限定的であるといったことから、これまで、それから今後も、弁護士の活動領域の拡大状況、それから法曹需要の動向、法科大学院における質の向上の状況を踏まえつつ、速やかに検討することということが勧告されています。
 3ページ目を御覧いただけたらと思います。法科大学院につきまして、5点、勧告いただいておりますが、その中の教育の質の向上につきまして、勧告の内容といたしましては、資料の下にございますように、司法試験合格率の向上を目指し、法科大学院における教育の質の向上を一層推進するということ。その際、未修者教育の一層の強化を推進するということの勧告を頂いております。また、特に入学者の質の確保をする観点から、競争倍率が2倍を下回っている法科大学院に対して、更なる取組を促すこと、そして3点目にございますように、成績評価、修了認定の厳格化を一層推進するということで、勧告を頂いておるところでございます。
 また、法科大学院に関する二つ目の勧告といたしまして、入学定員の更なる削減、他校との統廃合の検討でございます。勧告内容といたしましては、4ページ目の下段の方にございますように、定員充足率が向上しない法科大学院に対し、実入学者数に見合った更なる入学定員の削減を求めることが勧告されています。また、そういった見直しを求めていく過程で、特に定員規模が小さい法科大学院について配慮していきますと、場合によっては法科大学院の撤退が考えられるかもしれない。その際、在学生の教育に支障が生じないよう、法曹養成制度の理念、また地域バランス等も勘案しながら、他の法科大学院との統廃合についても検討していくということを勧告頂いております。また、入学者の削減に当たっては、未修者の確保に配慮することということでございます。
 続きまして、未修者対策の強化ということで勧告を頂いております。5ページ目を御覧いただけたらと思いますが、未修者につきましては、過去に様々な未修者教育への対策を打っておりますけれども、それらの検証をするとともに、未修者対策の強化について早期に取り組むこと。その際、好事例等について収集すること、そして他の法科大学院に提供することと勧告を頂いております。
 続きまして、5点目、法科大学院に対する公的支援の見直しでございます。6ページ目を御覧いただければと思います。勧告といたしましては、現在、平成24年度から実施しております公的支援の見直しにつきまして、その指標については、未修者への影響、また法科大学院における教育の質の改善の状況などを踏まえ、必要な改善措置を講ずること、また定員の充足率なども加味したものに改めることといった勧告を頂いているところでございます。
 そして、最後の勧告でございますが、修了者の進路の把握、就職支援の充実でございます。勧告内容といたしましては、下の方にございますように7ページ目でございます。法科大学院に対し、修了者の進路の把握について、修了時はもとより、受験資格を保有し得る少なくとも5年間は継続して行い、集積、それから管理を行うよう促すということでございます。また、法科大学院における修了者及び在学者に対する就職支援等の充実を促進することという勧告も頂いているところでございます。
 文部科学省といたしましても、この勧告を頂きましたところでございますので、これらに対しての対策・対応を更に検討し、進めていくことを考えていきたいと思っているところでございます。
 以上でございます。

 

【田中座長】
 ありがとうございました。
 ただ今の御説明につきまして、御意見とか御質問がありましたら、よろしくお願いします。

 

【有信委員】
 指摘の中で、法科大学院における教育の質の向上の目標の一つとして、司法試験の合格率を上げなさいという指摘がなされていて、一方で司法試験の合格者数が、現状の2,000人でも多過ぎるのではないかという指摘が一方であって、これは、両方満足するのはなかなか難しいと思うのですけれども、これは一体どういう意図があるのですか。

 

【今井専門職大学院室長】
 総務省からの政策評価、勧告でございますので、なかなか難しいところではございますが、また、やはりこの勧告を私どもは頂いていますが、特に合格者数につきましての評価、特に2ページ目にございますように、総務省としては、様々なアンケートを取りながら、いろいろデータを分析した結果、こういった形での勧告、特に速やかな検討を促すことというのがなされたと理解しております。
 ただ、この点につきましては、別途、政府全体で、また後ほど御報告いたしますけれども、関係6省庁で、今、法曹の養成に関するフォーラムでも議論しております。ですから、総務省の観点でいろいろ調査をされ勧告に至ったということでございますが、ここにあります速やかに検討するという内容につきましては、引き続き法曹の養成に関するフォーラムで行われる検討には引き継がれていくのだろうと思って対応をしております。
 一方、教育の質の向上というところで、法科大学院の方から、法曹養成を目的として、教育を行うということになっておりますので、やはり司法試験合格というのは、大事な指標の一つだというのは重々認識をしております。そういった中で、法曹養成の全体を通じてそれぞれ課題もあり、見直すべき点もあろうと思いますが、私どもといたしましては、総務省よりこのような勧告がされ、それぞれ、合格者については検討をすること、また教育の質の向上につきましては、未修者教育を中心としてやはり見直すべきところもあるのだろうということでございますので、我々としては、そこが、総務省がなかなか難しいものを二つ同時に勧告されておりますけれども、それぞれ、政府としては法曹の養成に関するフォーラム、また中教審の場で議論していきながら、特にこの教育の質の向上については、この中教審の場でしっかりとした方向性を出せるのだろうと思っています。

 

【有信委員】
 法科大学院側からすると、片方で司法試験に合格してもという話がありながら、片方で合格率を上げろというふうな指示をされると、何となく戸惑うところもあるのかなと。もちろん、その教育の質を上げるのは非常に重要なことなので、その結果として司法試験の合格率が上がるというのは非常に重要なことだと思いますが、大学側にとって、どうして良いのか分からないという感じにならないような指示、説明をされると良いなと思います。

 

【常盤高等教育局審議官】
 正に今御指摘があったとおりで、ここに書いてある勧告の中身の、個々のそれぞれのことは、例えば司法試験合格率の向上を目指すというのは、法科大学院に対するニーズとして、法曹養成の中核的教育機関である以上、そういう方向は、一つのやはり教育成果として目指していかなければいけないことは確かだと思います。
 それを実現するために、一つは質の向上というところと、もう一つは、教育の質に課題があって、例えば入学定員と実入学者数との関係で乖離があるようなところについては、入学定員を縮めていくということを考えたり、あるいは統廃合を考えたりというような提案もあるわけでございます。
 それからもう一つ。ただ更に難しいのは、その時に未修者、大量の入学者を確保するために、未修者にも配慮するようにということを言われているので、パーツ、パーツはそれぞれおっしゃるとおりということがあるのですけれども、今、正に有信先生がおっしゃられたように、全体としてどうやってそれを実現していくのかというのは、非常に難しいパズルを解くような話になっているというのが実際の実情なのかなというふうに思っていまして、その中で、まずこれまで既に教育の質の確保という点で御議論を進めてきていただいていますので、その枠組みの中でできるところは、我々としても速やかに対応していく必要はあると思いますので、今日これからまた御議論いただきますけれども、そういうところについては、是非更に進めていく必要があるのかなと思っております。
 それからもう一方で、やはり複雑に絡んでいる部分、あるいは法科大学院だけでは解決できない部分もあると思います。司法試験の在り方、そういう点については、やはり政府の6省庁のフォーラムの方で御議論を更に進めていただくという、そういうある程度、我々でできることと政府全体で議論していかなければいけないことと分けて、それぞれしっかりやっていくということが必要なのかというふうに思っております。

 

【土井委員】
 確認なのですけれども、勧告をお出しになっているのは総務省さんですし、相手は法務省さんなので、文科省としてこうだと答えることは難しいかもしれませんけれども、この司法試験の合格者数の年間数値目標について問題視されている点は、平成22年頃に年間3,000人程度を目指すと言っているのが、現段階でもそれが達成されていないので、現状と大きな乖離があるから、その点を検討しなさいという趣旨であって、現在の合格者は2,000人が多いので、減らせという趣旨でこれは書かれているわけではないという理解でよろしいでしょうか。

 

【今井専門職大学院室長】
 今の御質問でございますけれども、一応その勧告内容につきましては、2ページ目の下段にございますように、合格者数に関する年間数値目標については、ここにありますようなこれまでの達成状況との乖離が大きいということと、需要の拡大・顕在化も限定的であることから、これまで及び今後の弁護士の数、先ほど御説明したような形の観点を踏まえつつ、速やかに検討することとなっております。ですから、勧告自体の中で、2,000とか3,000とかいうことについて、何かこうしなさいということを言っているというふうには理解しておりませんので、基本的にはここでもしっかりそういった状況を踏まえて、どういう形があるべきなのかを検討しようというふうに言われていると思っておるところでございます。

 

【田中座長】
 我々としても、この政策評価の結果を参考にしながら検討していく必要があるわけですが、この特別委員会の所掌に関係するのかどうかという問題があり、あるいはこの政策評価の対象が法務省とか文部科学省で、日弁連が入っているわけではないこともあるのですけれども、ちょっと司法制度改革に関与してきた者からこの評価の概要の1ページ、「評価の概要」丸1の「3,000人の合格目標は未達成であるが、国民の立場から、未達成による大きな支障は認められない」という現状認識が示され、司法試験の合格者数の検討などと結びつけられていることにはかなり違和感があります。日弁連の職域の拡大とか業務形態の改善などの改革が順調に進んでいないという問題などもあり、弁護士の現在の業務形態とか職域を前提にして、それで国民が特に支障を感じていないという認識では、司法制度改革や法曹人口拡大の趣旨が全く理解されていないという点が気になります。ただ、このような現状認識が個々の勧告事項にまで、どのようにつながっているかはよく分からないところもあり、勧告事項の具体的内容については、当初いろいろ問題があったのですが、文科省もいろいろ対応されて、穏当なものになっており、特別委員会で検討するに値する内容になっていると思われるのですけれども、政策評価全体の前提に少し問題があるという印象を持っております。

 

【笠井(治)委員】
 今、田中座長の御発言がありました。正確にはよく分かりませんが、日弁連全体が、今のような法曹人口のままで国民への支障がないという考え方を持っているわけではなく、日弁連にはデータとしてはそこに挙げられたものがあると言うに過ぎません。弁護士会の中には様々な意見もございますので、御留意願いたいと思います。

 

【田中座長】
 失礼いたしました。その点は重々承知しております。
 もう1点ございまして、こちらも、平成23年5月より検討を進めておられます「法曹養成に関するフォーラム」について、5月10日に論点が取りまとめられておりますので、これについて事務局から報告をお願いいたします。

 

【今井専門職大学院室長】
 資料3-1、法曹の養成に関するフォーラム論点整理(取りまとめ)(概要)に基づいて、御説明、御報告させていただけたらと存じます。
 今回、平成24年5月10日に法曹の養成に関するフォーラムにおいて論点整理が取りまとまることとなりました。この論点整理につきまして、大きな構造としては3点ございます。一つは、資料1ページ目の上にございますように、法曹有資格者の活動領域の在り方、第2といたしまして今後の法曹人口の在り方、そして、法科大学院を含めます第3、法曹養成制度の在り方ということでございます。目的といたしましては、法科大学院が特に関係する部分で御説明をさせていただけたらと存じますが、特に第2の法曹人口、先ほど御議論もございましたが、在り方についてフォーラムにおいて様々な論点整理をしていただいております。例えば論点を御紹介いたしますと、一つ目の丸にありますように、今後の法曹人口の在り方については、20年、30年後の状況にも耐え得る内容を検討していかなければいけないのではないかという御指摘、また二つ目の丸にございますように、法曹の活動領域の拡大状況、法曹需要、国民の司法アクセスの状況等も踏まえ、総合的に検討すべきではないかといった御指摘、またグローバル化が進んでいく中で、法曹を戦略的に育てていくことが重要といった論点が指摘されて、今後更にその内容等を精査した議論をしていくということになってございます。また、第3、法曹養成制度の在り方につきましては、五つのパートからできております。そのうち一つ目、法曹養成制度の理念と現状につきましては、4点、プロセスとしての法曹養成についてどう考えるかということで御議論がなされているという状況でございます。また、法曹志願者の減少について、どういう観点から論じていくべきなのかという論点の整理、また法曹の多様性の確保、そして4点目に、法曹養成課程における経済的支援ということで、この理念と現状につきましては四つの観点から、論点が整理をされているところでございます。
 そして、特に2ページ目をおめくりいただければと存じますが、法科大学院につきましては2ページ目として挙がっております。特に法科大学院についての論点といたしましては、4点、教育の質の向上、2点目、定員、設置数、3点目、認証評価、4点目、法学未修者の教育という観点でございます。
 まず、一つ目の教育の質の向上につきましては、ここにございますように、一つ目の丸に適性試験について論点が挙げられております。適性試験全体の受験者全体について、その者の法科大学院に入った相関関係、これは検証していく必要があるのではないかという御指摘、また二つ目の丸にございますように、教員を継続的に養成し得る、これは法科大学院の教員ということでございますが、そういった継続的に養成し得る仕組みとなるような体制の整備が必要ではないかという御指摘を頂いたところでございます。
 また、二つ目の論点、定員、設置数につきましては、例えば一つ目の丸にございますように、これまでも様々な取組で、定員削減、それから統廃合を進められてはきましたが、やはり限界があるのではないか、そういった観点から、法令上の措置も含めて、より一層実効的に行うための方策、それを更に検討すべきではないかという御指摘が論点として挙げられております。また、二つ目の丸にございますように、実入学者数の減少というのが進んでおります。想定される適正な司法試験合格者数を検討した上で、全体として入学定員の適正については、中長期的な視点から検討する必要があるのではないかということを御指摘いただいています。ただ、その際に、三つ目の丸にもございますように、全国適正配置についても配慮すべきであるという論点。また、ただそういう観点にも限界があるので、むしろその適正配置の観点以外にも地方の法曹志願者の教育の機会をどう確保していくのか、そういった観点から検討が必要ではないかという指摘を頂いているところでございます。
 三つ目の論点といたしまして、認証評価でございます。ただ、認証評価につきましては、成果がどのように扱われていたかの議論が、そういった情報提供が必要ではないかという御指摘を頂いております。
 また、四つ目の観点といたしまして、法学未修者の教育でございます。ここにつきましては、例えば一つ目の丸にございますように、法学未修者が1年で法学既修者と同じレベルになるということを前提とした教育というところには、その仕組みには無理があるのではないかということで、何かその見直しというのも検討していく必要があるのではないか。その際、枠組み自体も含めて見直す必要もあるのではないかという御指摘が論点として挙がっております。
 また、三つ目の丸には、そうは言いながらも一方で、法学未修者は個人差が大きく、個人の特性に合わせて柔軟なメニューを用意していく、そういった必要もあるのではないかという御指摘、また四つ目の丸にございますように、純粋な法学未修者が法科大学院に入学できる枠、これを狭めないようなことも必要だという御指摘を頂いているところでございます。
 以上、法科大学院につきましては、四つの観点から様々な論点を頂いておりますので、この辺りにつきまして、更なる検討がされるという状況でございます。
 そのほか、司法試験につきまして、例えば法科大学院に関係が深い所で申し上げますと、一番目の受験回数制限でございます。ここにつきましては、例えば二つ目の丸にありますように、現在5年3回の受験制限を例えば5年5回まで受験できるように緩和してはどうかという御指摘、またその一方で、実際にデータを見ますと、修了4年目以降は司法試験の合格率が著しく低くなることから、例えば受験期間を3年に短縮するということも、選択肢としてあり得るのではないかという御指摘も頂いて、更にその論点を整理し詰めていくことになろうかというふうに考えております。
 また、四つ目の所に、これは予備試験制度がございます。一つ目の丸にございますように、予備試験につきましては単なる法科大学院のバイパスになっていないかどうか、そういった観点から検証が必要なのではないかという御指摘、論点が上がっているところでございます。
 そして、次の最後のページでございますが、四つ目の観点で、司法修習について、例えば(1)にございますように、特に法科大学院教育との連携という観点で、法科大学院と司法修習の位置付け、役割分担、また実務修習への導入の在り方などを踏まえた検討が必要であるという御指摘も論点として挙がっているところでございます。
 そして、五つ目につきましては、さらに継続教育という観点がございます。法曹に対する継続教育の在り方については、法科大学院の役割、弁護士会での取組も含め、更に検討をする必要があるのではないかという論点で整理されております。
 以上、簡単ではございますけれども、フォーラムで行いました論点整理の状況、概要を御報告させていただきました。以上でございます。

 

【田中座長】
 ありがとうございました。
 このフォーラムで取りまとめられた論点については、この委員会でも、当然、議論を進めていく必要があると思いますけれども、事務局からの説明を踏まえて、何か御意見、御質問がありましたらよろしくお願いします。

 

【井上座長代理】
 今、概要に基づいて御説明があったのですけれども、この概要において丸印で列挙されているのは、委員あるいはヒアリング対象者からこういった意見が出たということを示したものであり、フォーラム全体としてこういう方向で行くということを合意したというものではありませんので、誤解のないようにお願いします。あくまで今後の議論の手がかりとして、これまでに出された意見の主要なものを羅列したものであり、皆様には是非、取りまとめの本文の方を読んでいただければと思います。厳密な意味で、フォーラムにおいて論点として合意したのは、そこに挙げている項目だけです。

 

【鎌田委員】
 井上委員のおっしゃった所が一番注意すべき点だろうと思いますけれども、いずれにしましても、今期のフォーラムは論点の整理にとどまっているわけで、この論点について今後どういう方向性を見出していくかという実質的な審議はこれからということでございますので、またこの委員会での議論等を拝見して、しっかりしたものにしていきたいというふうに思っています。

 

【磯村委員】
 今の両委員の御説明でよく理解はできたのですけれども、そうすると資料3-1のまとめ方というか、ポイントの仕方が、やや誤解を生ずるかもしれないという気がしますので、明らかに矛盾する意見がそこに両論であるということですので、その趣旨は確かに米印で書かれてはいるのですけれども、論点整理(取りまとめ)というと、何となくフォーラムがこういう意見をまとめるというイメージがありますので、そこだけ御注意をいただけると良いかなと思いました。

 

【常盤高等教育局審議官】
 資料の説明方法も含めて、注意して臨みたいと思います。

 

【田中座長】
 いかがですか。
 委員からも指摘がありましたけれども、フォーラムの方でもんでいただいて、これからもまた議論を深め、参考にしていただけたらと思います。
 それでは、続いて法科大学院教育の充実について、これまで行われてきた議論を踏まえて更に御審議いただきたいと思います。法科大学院の課題の方向性については、前回の特別委員会で御議論いただいて、原案を取りまとめるという方向で御一任いただいたところでございますけれども、私のほかに、座長代理、第三ワーキング・グループの主査にも加わっていただいて検討を進め、事務局に再度お願いして、議論のたたき台をまとめていただきました。もう少し準備した材料もあるのですけれども、たたき台としてはこのような項目整理段階から議論を進めていただくのが適切ではないかということから、まずこのようなたたき台を作成していただきましたので、それについて、まず事務局から説明をお願いしたいと思います。

 

【今井専門職大学院室長】
 それでは、資料4に基づき御説明をさせていただきたいと存じます。
 法科大学院教育の課題と見直しの方向性について、一応たたき台を御用意させていただきました。これはあくまで骨子という形でございますので、そういった観点から本日は御議論いただけたらと存じます。
 それでは、内容について御説明をさせていただきます。
 資料につきましては、全部で四つのパートからなっております。一つ目はこれまでの改善状況と主な課題、そして二つ目のパートといたしましては、3ページ目にございますように、これまでの検討状況と今後の見直しに関する基本的な考え方、そして4ページ目から今後検討すべき改善方策案でございます。そして、最後、5ページ目でございますが、今後の政府における検討に期待することという観点でございます。
 それでは、一番目、1の所の「改善状況と主な課題について」から御説明をさせていただきます。1ページ目でございますけれども、まずポイントといたしましては、特別委員会におきまして、平成21年4月、「法科大学院教育の質の向上のための改善方策について」(報告)を取りまとめていただいたところでございます。それにつきまして、文部科学省におきまして、報告に基づき、次のような取組を実施してきたところでございまして、その改善状況を入学者の質の確保、それから修了者の質の確保、そして教育体制の見直しの推進、そして4点目、質を重視した評価システムの構築、それぞれで分析状況を報告させていただいているところでございます。
 こういった取組を進めさせていただいている中で、いろいろな状況の変化が出てきております。2ページ目をおめくりいただけたらと存じます。2ページ目の上にございますように、入学者及び修了者の状況について現状を御報告させていただけたらということで、ここに記載しております。観点は三つで書かせていただいておりますが、一つ目の黒ポツは、入学者と修了者について、未修者・既修者別での状況の御報告をさせていただいております。
 一つ目の黒ポツは、入学者数でございますけれども、平成16年度から平成23年度にかけて入学者数がかなり減っておりますが、そのうち特に、既修・未修で分けていきますと、未修者の減少数が大きいということでございます。
 なお、ここにそれぞれ入学者数について数字が書いてありますが、平成23年度、これは3,620名となっております。ほかにも平成24年度の入学者の数字がございますけれども、現在、私どもの方で入学者の状況を調査しております。これを機に例えば平成23年度の数字につきましては、現在、私どもでとりあえずいただいている情報だけで足し合わせてみますと、この3,600は割っていくような状況になりますけれども、3,000という数字辺りは切らないような状況ということでございます。24年度は、3,000ということは切らない状況というのは、概数としては分かっております。さらに、この辺りの数字を大学側の調書を更にいろいろと確認させていただいた上で、次回、特別委員会の場で、正式な数字できちんと御報告をさせていただきたいと存じます。その段階で、この23年度の数字も24年度の数字に改めさせていただけたらと思います。ほかのデータについても、同じような形で調整をさせていただければと思っています。
 続きまして、標準修業年限の修了状況につきましても、同様にデータで説明させていただきますが、平成16年度から20年度の数字をここに書かせていただいておりますが、やはり未修者の標準修業年限での修了する割合というのが、低下しているというのが一つ現状としてございます。
 また、二つ目の黒ポツでございますが、ここは司法試験の合格状況で、単年度の状況でございます。特に二つ目の黒ポツにございますように、受験者数は増加する一方で、合格者数が政府の目標に達しない中、平成20年度以降2,000人で推移をしております。その結果、単年度の司法試験の合格率が年々低下をしているという状況でございます。
 三つ目の黒ポツで、今度は合格者の累積でございます。一つ目の黒ポツにございますように、特に、平成17年度、18年度の修了者につきましては、受験回数制限が終わっておる方でございまして、その結果、17年度につきましては69.8%、ただ平成18年度の修了者につきましては49.5%となりまして、さらに内訳を御覧いただきますと、既修者で63.4%、未修者で39.5%とその差が出てくるという状況でございます。また、法科大学院の修了後、3年以上5年未満という方々につきまして、平成19年、20年度の修了者が該当いたしますが、その修了者の合格状況も、やはり未修者と既修者の間に差があるという状況でございます。
 このような現状を踏まえまして、主な課題というものを書かせていただいたのが2ページ目でございます。観点は二つございます。一つは、法科大学院ごとの状況の違いが出てきているのではないかということでございます。一つ目の黒ポツにございますように、例えば現在進めている公的支援の見直しの指標の中に、合格者数の全国平均の半分未満という指標がありますが、これを仮に置いたとして、各法科大学院の累積合格率を比較いたしますと、その指標を上回る大学院としては43校、この43校の累積合格率は50.7%という実態でございます。また、その指標を下回る法科大学院というのは29校ございます。それらの累積合格率は15.7%という状況で、その状況に違いがあるという状況でございます。
 また、二つ目の黒ポツにございますように、例えば入学者選抜の競争倍率が2倍に満たない大学院。例えばこれは、19校、現在存在している状況でございます。また、入学定員充足率が5割を割っている大学院も21校存在しているという状況でございまして、法科大学院ごとの状況の違いということはあるのではないかというところでございます。
 3ページ目でございますけれども、二つ目の大きな課題といたしましては、未修者教育に課題があるのではないかというふうに考えております。一つ目の丸にございますように、直近、平成23年度の合格率を確認いたしましても、既修者で35%、未修者で16%と倍以上の開きが出ているという状況、また累積合格率で見ますと、更にその開きが大きくなり、既修者で61%、未修者で28%ということで、既修・未修の間で大きな差が生じているのではないかということでございます。
 また、二つ目の丸にありますように、標準修業年限での修了率も、既修者につきましては91.3%が2年間のコースで出ていくということに対しまして、未修者につきましては64.9%の方が3年間のコースを修了していくということで、その差が出ているのではないかということ。また、三つ目の丸にございますように、司法試験の合格状況を見ましても、特に既修者と比べて未修者の合格状況は厳しい状況にございます。短答式試験などについては、未修者にとって大きな課題となっているのではないかという状況でございます。
 このような二つの大きな課題が洗い出されるのではないかということでございまして、今度はローマ数字の二つ目でございますが、そういった課題を踏まえて、これまでの検討状況と今後の見直しに向けた基本的な考え方を整理させていただいたところでございます。
 一つ目の丸にありますように、そもそも平成21年度の特別委員会の報告以降、本特別委員会におきましてワーキング・グループを設置し、様々な形で課題のある法科大学院について調査を行っていただき、またその解明すべき点を指摘いただくなどして、改善の取組を促してきたところでございます。
 また、二つ目の丸にございますように、近年では、政府全体での「法曹の養成に関するフォーラム」、また先ほど御紹介いたしました総務省の政策評価、また去年11月の提言型政策仕分けが行われるなど、法科大学院を初めとする法曹養成制度全体に対しての問題の指摘、また対策・提言がなされているところでございます。
 このような検討状況を踏まえまして、本特別委員会におきましては、法曹養成に関するフォーラムにおける制度の在り方に関する検討を待たずして対応できる実施上の課題については、速やかに具体的な改善方策の検討を実施してく必要があるのではないかということで、考えさせていただいております。その際、先ほど挙げさせていただきました法科大学院ごとの状況の違いがあるということ、そして未修者教育に課題があるということを踏まえて、きめ細やかな改善方策を検討・実施していくべきではないかということでございます。
 そういったことを通じて、法科大学院が法曹養成の中核的機関として責務を果たせるようにし、更に社会全体からの信頼の確立を目指すということは必要であるということが基本的な考え方でございます。
 こういった基本的な考え方を達成するため、4ページ目を御覧いただけたらと思いますが、今後検討すべき改善方策案について、その骨子的なものを用意させていただいております。三つの観点から用意させていただいております。
 一つは、課題のある法科大学院を中心とした入学定員の更なる適正化等による入学者の質の確保でございます。(1)番は、しっかりと個々の法科大学院への働きかけを行っていくべきではないかということで、従来この特別委員会で行っていただきました改善状況調査について、例えば対象校を絞り込み、より重点的なフォローアップを実施していくのではないかということも含めて、様々な働きかけをしていくべきだろうということ。また(2)番でございますが、法科大学院に対する公的支援の見直しが平成24年度からスタートしておりますが、その更なる見直しを進めていくということが改善の方策案としてあるのではないか。例えば、丸にございますように、現在、指標は二つ、入学者選抜の競争倍率と司法試験合格率が挙がっておりますが、それに加えて定員の充足状況を新たな指標にすることなども含めて、公的支援の更なる見直しを検討していくべきではないかということでございます。
 二つ目の観点といたしましては、課題のある法科大学院を中心とした教育体制の抜本的見直しの加速でございます。組織改革の加速に向けた取組といたしまして、一つ目の丸にございますように、各法科大学院において例えば連合大学院・共同教育課程・統廃合等に関する組織改革を促進するための改革モデル、又はその支援策等を検討していくということがあるのではないかと思っております。
 また、三つ目の大きな観点といたしましては、未修者教育の充実など法科大学院教育の質の改善等の促進でございます。その観点として(1)番でございます。未修者教育の充実方策の実施でございます。その中には例えば三つ観点を書かせていただいております。着実な取組を実施している法科大学院における未修者教育の例えば優れた取組、そういったものの教育の促進、また二つ目の丸にありますように、共通的到達目標を踏まえたカリキュラム策定の促進、また夜間開講・長期履修制度の活用の促進、さらには入学前の未修者用の教材の開発などが考えられるのではないかと考えてございます。そして、そういったことを含めまして三つ目の丸、未修者教育充実のための新たなワーキング・グループを特別委員会が設置し、更に改善方策について集中的に検討していくということが考えられるのではないかということでございます。
 また、5ページ目を御覧いただけたらと思いますが、(2)番、適性試験の改善でございます。この点につきましては、政策評価にもございましたように適性試験の成績と法科大学院入学以降の成績などとの相関関係の検証及び検証に基づいた改善を実施していくということではないかということでございます。
 また、3番目、質の高い教育環境の確保ということで、一つ目は例えば教員の観点でございますが、主要科目担当の専任教員の配置の要件、また実務家教員の割合を明確化するなど改善方策について検討していくということ、また二つ目の丸にございますように、法科大学院の教育の特徴でございます双方向・多方向の授業を有効に実施するための適正な人数の在り方など、クラス規模の検討をしていくべきではないかということでございます。
 そして、四つ目、法科大学院における教育の状況やその成果の積極的な公表でございます。例えば一つ目の丸にございますように、シンポジウム等の開催を通じまして、着実な取組を実施している法科大学院の教育の状況、またその成果を広く社会に発信する取組は促進すべきではないか。また、二つ目の丸にありますように、法曹有資格者、法曹資格取得者を初め、法科大学院修了者が高度な法的素養を持つ人材として社会で活躍できる、そういったことを支援するため、まずは進路状況の正確な把握、また就職支援の充実方策などを検討するということが考えられるのではないかと思っているところでございます。
 以上、とりあえず現段階で考え得る改善方策案を挙げさせていただいたところでございますが、こういったものを更に充実させていく観点で御議論いただけたらと思っています。
 そして、最後でございますが、ローマ数字4でございます。今後の政府における検討に期待することということでパートを挙げさせていただいておりますが、ここは、後に挙げているような事項につきまして、政府全体での検討・対応を講じていただくことを期待しているということで、例えば一つ目、司法制度改革の理念を踏まえた検討をしていただきたいということ、また二つ目、多様な人材の確保に向けた検討を政府全体として対応していただきたいということ、また三つ目には、好循環に転換するための継続的・総合的な検討をしていただきたいということで、期待する事項を挙げさせていただいているところでございます。
 以上、たたき台については御説明を終わらせていただきます。御審議の程、よろしくお願いいたします。

 

【田中座長】
 ありがとうございました。
 それでは、このたたき台をもとにして、こういう項目を踏まえながら検討していただきたいと思います。御意見などございましたら、自由に御発言いただきたいと思います。

 

【有信委員】
 大学院の教育の質を向上するというのは非常に重要なことです。そのための方策として様々な手段はあるのですが、この中で非常に重要だと思うのは未修者に対する取扱いで、未修者というのは、もともとは多様なバックグラウンドを持つ法曹養成ということで、プログラムがつくられていたというふうに思うのですが、今ここで取り上げられている未修者に対する様々な議論が、受験上の分類としての未修者なのか、本当に法学未修者なのかという、そこの部分が、私はもともと理系なものでどうしても気になります。本来の法学を学んでこなかった人たちと法学部出身の未修者が、同じように司法試験の合格者数のデータの合格率として論じて良いのかという問題と、それから教育の質を改善するときに、この両者を同じような内容の教育の質の改善でいけるのか。つまり、両方一緒に合わせた形で教育の質の向上を図られるのか。分けて質の向上を図るということで、きめ細かにやらないといけないと思いますけれども、この辺についての多分調査というか分類が必要になってくる。それは進んでいるのですか。

 

【今井専門職大学院室長】
 今御指摘をいただいた未修・既修の時の法学・非法学の関係で、若干ではございますが、現在、データを取りそろえさせていただいております。
 資料5-1でございますが、検討に係る参考データ等でございます。特に未修者についてのデータを5ページ目以降から載せさせていただいております。5ページ目の所では、入学者数で、既修・未修で、先ほど御説明したように差が出ている。特に未修者のデータが多いということでございますが、例えば6ページ目を御覧いただければ、標準修業年限の修了の状況で、未修・既修の順で並べさせていただいております。さらに、その未修者を御覧いただきますと、法学部出身の方と法学部以外の出身者のデータを並べさせていただいております。平成16年度から20年度を比較していただきますと、そもそも既修者は90%をキープしている状況でございますが、未修者はじりじりと標準修業年限を落としておりまして、例えば10%ぐらい落ちています。特に法学部と非法学部で分けてみますと、やはり標準修業年限で、法学部出身の方は77%から67.7%まで落ちておりますが、特に非法学部出身の方は当初75.4%の標準修業年限終了が59.4%になっているといったデータがございます。
 また、7ページ目は、今度は進級率でございます。ただ、こちらの方は、一応、法学部と非法学部で比較をさせていただいておりますけれども、この辺り、進級判定で16年度は、例えば法学部出身者は95%ございました。また、非法学部者も94.3%ということでございますが、この点につきましては、いずれも法学部出身者はデータを落としておりますし、非法学者もその辺りは割合としては同じようなデータで、パーセントが減少しているのではないかというデータでございます。
 また、8ページ目を御覧いただけたらと思いますが、新司法試験の合格状況で、未修・既修別で挙げさせていただいております。特に未修者につきましては、右側の方にございますように、法学部と非法学部のデータを出させていただいております。例えば、平成19年と平成23年のデータを比べていただきますと、特に例えば既修者の所は1,216名から1,182名と、若干、数は減らしていますが、ほぼ同じ数字でございます。一方、未修者につきましては、数字としては635名から881名と増えております。ただ、その内訳の法学部者の出身が344名から621名と、ここは比較的大きく増やしておりますが、非法学部出身は、数の上ではほぼ同じか若干減らしているというような状況でございます。
 今、当方で用意できている状況というのは、以上でございます。

 

【有信委員】
 ということであれば、多分、教育の質とは別の教育の中身を、多様なバックグラウンドを持つ法曹養成ということにこだわるのであれば、検討していく必要があるような気もするのですけれども。

 

【常盤高等教育局審議官】
 そこの所は、これまでの議論の積み上げが若干ございまして、21年のこの特別委員会でまとめていただいた報告書の中で、やはり未修者教育について基本的な所をもう少し充実すべきではないかという御意見があって、それで1年生の、1年生に限るわけではありませんけれども、法律基本科目について、5単位、従来のものよりも多く積み上げていたということがございました。実はそれが22年度から始まっていますので、22、23、24とちょっと間違っていたら訂正していただきたいのですが、そういう進行で進んでいますので、その辺りの状況に合った我々としては把握をして、その辺りの議論をしているのだということは、是非ほかの大学院にもお伺いをした上で、また資料等、提供して議論を重ねていただくというのが一つの方法かなというふうに思っております。

 

【田中座長】
 既修・未修の問題は、なかなか難しい問題があって、制度の問題と学生の能力の問題、二つが重なっていて、受皿として多様な人材を吸収したいという面と、既修者のレベルまで達していない者を受け入れるという面と、二つの面がありまして、先生が御指摘された点は、制度の検討段階でも、どういうふうに対応したら良いか、制度化の仕方が難しいということで、苦慮したところでして、何か良いアイディアはないかと考えているところです。

 

【日吉委員】
 それと若干関連したことなのですけれども、4ページの3の1の一番上の丸なのですが、着実な取組を実施している法科大学院における未修者教育に関するそういった取組も吸い上げて、それを共有しようということなのですけれども、これは質問ですけれども、どういうふうな判断基準で、各法科大学院について、ここは着実な取組を実施していると言えるだろう、あるいはここは着実な取組を実施しているとは言えないだろうというふうに判断するのかというのは、若干ここからは読み取れないのですが、その辺りを教えていただきたいと思います。

 

【今井専門職大学院室長】
 失礼いたします。
 正に、ここに書かせていただいた改善方策を検討していく中で、このデータの取り方は重要だと思っております。今、考え得るところでございますと、やはり未修者をしっかりと受け入れられる法科大学院であって、例えば司法試験に対してしっかりと合格者を出せているのかどうかという所から切り込んでいって、様々なデータを集めさせていただく。例えばアンケートをしっかり検討してやらせていただくということで、ここの辺りもまずは取組ができないかなというふうに考えているところではございます。
 ただ、そういったことも踏まえて、正にこの特別委員会若しくは場合によってはワーキング・グループを設置いただけるのであれば、そういった場でそういったデータの取り方から例えば議論して、しっかりと集めて対応していくということも十分あろうかというふうに考えているところでございます。

 

【井上座長代理】
 今日吉委員がおっしゃったことは非常に難しいところで、何をもって成果と言うべきなのか。今のところ、アウトプットを評価するのに司法試験の合格率ということでしか見ることができないでいるのですけれども、それで良いのかという視点もあろうかと思います。フォーラムの席などでも、鎌田委員からお話があったような点を含め、指摘はしているのですけれども、やはり旧来どおりの司法試験の在り方やその結果が絶対だと見る既存のものの考え方が根強く残っている。新しい法曹養成制度になったときに、制度の趣旨に照らしてその点を見直し、その結果として前のとおりで良いと意識的に判断して、そうしているならば、それはそれで一つの考え方だと思うのですけれども、果たしてそのような意識的な検討が十分なされたのかどうか。新たな法曹養成制度の下で、特に多様なバックグラウンドの方をたくさん受け入れて、法曹の質を豊かなものにしていこうというのが大きな理念であるはずですが、それに適合した選別の仕方がなされているのかどうか。その辺について内部では議論されているのかもしれないのですけれど、司法試験委員会ないし考査委員会議は、守秘義務の壁の向こうにあるものですから、よく分からない。しかし、そういったところも、やはり検証する必要があるのではないかと、フォーラムでは指摘をさせていただいています。それを踏まえないと、こちらの方で、いくら改善、改善と言ってみても、結局は、司法試験の合格率を上げるという方向にしか行かない。
 ところが、そのような方向ばかり追い求めているのは、実は多様なバックグラウンドの人を迎え入れるということとはそごする動きかもしれないわけです。ですから、フォーラムではそういった出口の在り方の問題も、きちんと検討してもらい、本委員会としては委員会として、とりあえずはそういう指標を手がかりにしつつも、それだけで良いかどうか、もっと違う切り口があるかどうかを考え、違う切り口があれば、こちらから発信していく。そのように、どちらも動かしていかなければ打開できないのではないかという感じがします。

 

【日吉委員】
 これは、今後検討される改善方策案を考えていく上で非常に難しいと思うのは、端的に言うと今の丸ポツに書いてあることが一つの顕著な例ですけれども、今、実施できることは先んじてやっていこうというふうに、気持ちはそのとおりで良いと思いますし、そうあるべきだと思いますが、実際に考え始めると、全てがリンクしていると言いますか、結局はどういう法曹が日本社会に必要だというふうに考えて進んでいくべきか、というような非常に大きな所から、ある種、帰納的に考えていくような作業になるかと思いますので、そうするとその観点からして、着実な成果を上げている所というのは一体どこなのかというような、例えばこの一つだけとっても、なかなか厄介な問題なのかなと。そうすると、私が懸念するのは、例えば法科大学院サイドで、例を挙げると、入学定員をものすごく今も絞っておりますけれども、その努力は仕方がなかったとも言えるのです。スピードを他の制度的な改善とは全く別のスピードで拙速に進めてしまうと、すごく逆にいびつになって、魅力的な人材がそもそも入学試験の方に来てくれなくなるというようなことになったら大変だと思うものですから、非常にこの実施のタイミングも含めて、今ちょっと質問させていただいた点の考え方をどう考えるかということを進めていくに、ほかのものと一緒にやるべきものをどうやって先んじるのかというところが、極端に言うと、一つ一つについて考えなければいけないのかなというふうには、今さっと拝読して思ったところです。

 

【笠井(治)委員】
 井上委員のお話と関連しますが、司法試験は、法科大学院教育がその後の司法修習につながるための受け口というか中間点です。この試験がどういうレベルあるいは判断基準を持って行われているのか、「社会の要請に見合う法曹」としての資質をチェックする機能を有するものと言えるのかどうかについて、法科大学院協会が毎年アンケート調査を行い、これは法科大学院の教員側から見たアンケート調査ですが、他方で弁護士会でも、東弁が受験者側あるいは学生側から見たアンケート調査を毎年実施しています。アンケート調査結果に表れた毎年の科目の評価を見ますと、いろいろとでこぼこはあるのですけれども、全体的に、試験問題の中身は社会の要請に応えるべき法曹の資質をチェックする基準として、大体良い問題となっているというアンケート結果が出ています。しかし、それにもかかわらず先ほど来指摘されている、未修者、社会人を代表するものであると考えるならば、多様な社会的経験や背景を持った方々にとっては、かなりつらい試験になってしまっている。司法試験に関しては、近時、出題趣旨や合否水準から見て良い答案とそうでもない答案というふうな形での公表がされるようになって、かなりの透明性が確保されるようになってきましたが、それだけでは、未修者につらいということを合理的に説明し得るとは言えません。
  この特別委員会は、そこにメスを入れるような委員会ではありませんけれども、フォーラムだけではなくて、何らかの形で大胆な提言をしていく場がないものかと思っています。解決案でも何でもないのですけれども、そういうことを何かしら用意するべきではないかと思います。

 

【磯村委員】
 法科大学院の教育の質をどう評価するかというのは、未修者教育に限らず非常に難しい問題だと思いますが、司法試験にどれだけ合格できるかというのが一つの指標になることは恐らく否定できないとしても、例えば法学未修者としての多様性に関連して、先ほどから出てきていますけれども、どういう法学未修者を入学させているかということによって、恐らくその結果も全然違ってきて、法学部を卒業した学生は法学未修者として意識的に採らない、あるいは少なくとも優先的に採らないという方針で法学未修者を受け入れている大学とそうでない大学とがあります。
 もう一つは、同じレベルの学生が各法科大学院で教育を受けて、司法試験を受けるという仕組みではありませんので、入学者の潜在的な能力が高ければ高いほど、司法試験の結果も良くなるというのも、またある意味では当然ですので、そうするとやはり多様な要因を組み合わせながら、例えば同じような未修者の属性を持ち、同じような能力を備えた未修者を受入れている複数の法科大学院を比べたときに、有意的に、いずれかの法科大学院が、未修者の合格率が高いということになると、ひょっとするとその方が大学院の未修者教育がほかの法科大学院よりうまくいっていると言えるかもしれない。そういうような積み重ねなのかなという気がしますので、先ほど御意見があったように、まず何が着実な努力かという時のその視点をいろいろ出し合って、それですり合わせていくということが前提として必要なのかなと思いました。

 

【有信委員】
 今までの議論はすごく重要ですけれども、この論点の中で基本的に質の確保あるいは質を向上するという観点で抜けているのが、いわゆる認証評価との関連なのです。例えば国際的にどうなっているかということ、我々の関連するエンジニアリングで考えると、国際的に言えばアクレディテーションで、それぞれの教育プログラムの内容がアクレディットされて、そのアクレディットのプロセスによって、質の向上が図られる、いわゆるPDCAのサイクルが回るようにしていこうというのが全体の流れなのです。けれども、ここではいまだにある意味で政府がつくったものに対して責任を感じて、質の向上なり、先ほども指摘がありましたけれども、着実な取組だとか、これもみんな行政側で判断しましょうという、こういう観点になっている。ということは、実は認証評価そのものが全く機能していないということを示しているということでもあるわけです。この辺の関係を本当はもう少しきちんとしていかないと、自主的な努力の方向に結びついていけないような気がします。そこの所はいかがでしょうか。

 

【今井専門職大学院室長】
 ただ今の御指摘につきまして、一応、参考資料に今の法科大学院による認証評価制度の状況について御説明させていただきます。
 資料5-1、検討に係る参考データ等でございます。ページは18ページでございます。ここに法科大学院の認証評価制度の改善の状況についてございます。そもそも認証評価につきまして、特に法科大学院は、いわゆる機関別評価を受けた上で、更に分野別の評価を受けるということになっております。さらに、その分野別の評価につきましては、特に適格認定ということになっておりますので、認証評価制度としては、相当、多方面からきちんとした評価が行われるような状況に法科大学院は置かれております。
 ただ、平成18年度からスタートしました資料にもございますように、法科大学院の認証評価につきまして、現在三つの認証評価機関がございます。その中で、評価の方法・内容にばらつきがあるのではないか。また、その評価が形式な評価にとどまっていないかという課題が、いわゆる1巡目、いわゆる5年以内に受けるという認証評価の中で生まれて参りましたので、この特別委員会においても御議論いただきまして、平成22年3月に省令を改正し、下段にございますように、具体的な改善方策、特に二つの観点から取組をさせていただいているところでございます。一つは、評価項目を改善するということで、例えば丸1番、新司法試験の合格状況を含む修了者の進路に関する条項を新たな評価項目として追加するようにということができるよう、省令を改正しておりますし、また二つ目の丸にございますように、詳細な内容についての評価、様々な観点で入学者の的確かつ客観的な評価等々を含めて、そういった充実を図っています。また、二つ目の改善といたしましては、評価方法でございますけれども、やはりいろいろと形式的な評価ではないのかとか、ある1項目だけで駄目だということになってしまうような状況もございましたので、ここにございますように法曹養成の基本理念、また特に重要と判断した項目の評価結果を勘案しつつ、総合的な評価になるような形で評価方法を改善するということでございました。
 現在は、正にその第1巡目が終わってこういった改善をし、今、第2巡目の認証評価が始まろうとしているところでございます。平成23年度は、二つの大学が、その認証評価の2回目を受けておられますので、正に今後、本格的に2巡目の評価を受けているということでございます。私どもといたしましては、このまず評価を見直した結果、どういった認証評価になっていくのか等を見ながらも、更に改善すべき点があるということであれば、是非そういったものもしっかりと直していくということは必要なことだというふうに思っています。

 

【有信委員】
 そのスタンスが多分問題なのだろうと思います。つまり、結局いつまでも国が責任、もちろん責任感が強いのは良いことなのですけれども、今回は法科大学院の自主的な努力でやっているという、本当はもう法科大学院の責任なのですよね。具体的にそれをきちんとやっていくということは。ただ、それを自主的な改善が不十分だということで、いろいろ寄って集って、もちろん社会的な影響が大きいということもあって、いろいろなことを言ってきているわけで、その結果、法科大学院も言われたことに対応して定員を削減したり、だんだんそういうことによって法科大学院の自主性というものが損なわれる。最初の責任感の所からずっと見ていって、特に責任があったという部分は、もちろん議論の余地はあるのですけれども、そうは言っても実際に進んでいく部分について、自主的な改善・改革をどうすれば実行できるかというふうにすべきと思いますし、一方で認証評価は認証評価で、今も説明があった経緯は、この委員会でも議論されましたから一応承知はしていますけれども、それにしてもやっぱり彼ら自身の自助努力というか、つまり彼らの本当に法科大学院を良くしようという意識をもっと高めていくような形にしないと、全体として好循環は生まれないような気がするので、少しそういうような部分での視点も必要というふうな気がいたします。

 

【田中座長】
 今までなかなか難しい点があって、認証評価制度をどういうふうに国の行政指導と結びつけるかについて、認証評価制度は国の下請ではないのだということを強調してきたことに加えて、法科大学院の認証評価機関が三つあるということもあって、当初、制度設計段階で認証評価機関に期待していたほどうまくいっていないところがありまして、それらも今まで検討して、大分改善していただいたところがあります。先ほど事務局から説明がありましたけれども、2巡目に入るので、その辺り、もう少しうまくいくのであれば、例えば行政指導の基礎的なデータとしてもっと積極的に活用するということも考えられると思うのですけれども、今のところ、文科省の行政指導とはまた別だという認証評価機関のスタンスがちょっとネックになっている観があります。

 

【有信委員】
 それは非常によく理解しているつもりなのです。つまり、教育のいわゆる政治的独立性と言いますか、もっと極端に言えば国家権力に対して、教育の独立性を保つという意味で、認証評価機関は、ある意味での独立性が担保されていなければならないというスタンスは、当然、持っていなければいけない。
 一方で、認証評価機関に対しても、いろいろ手が入っている気がするので、だから本当はそこのところが、今、座長が言われたように、もう少し様子を見ないといけないのかもしれませんが、うまく回るようにしていく。具体的に私が直接絡んでいる工学教育の中でも同じような問題があって、アクレディテーションも実際に工学教育プログラムの中で進めています。これもやはり同様の問題をはらみながらやっていますが、アクレディテーションを受けた教育機関は、実際にそのことによって、どんどん教育内容が改善されていると自主的に評価していますので、そういうふうにうまく回っていくようになっていく。

 

【井上座長代理】
 有信委員がおっしゃったことは、本来はそうだろうと思うのですけれども、法科大学院を取り巻く状況の中において見ますと、認証評価は5年に1回ですので、それでは許してくれないような人が多くいる。もともと教育というものは時間がかかるものである上、特に新しく設けた制度なのですから、一つ一つ積み上げていき、その過程で判明したいろいろな問題点を改善しながら良いものに仕上げていくべきものだと、何度も何度も御説明してきたのですが、およそ聞いていただけない。そんなに待っていられるか、成果を示せなければ止めてしまえといったような話ばかりが目立っているのです。
 そういう状況の中で、法科大学院側にも全く問題がないかというと、全体としてではなく一部ではありますけれども、かなり深刻な問題がある所が確かにあるので、悠長なことを言っているだけでは済まされないというのが、ワーキング・グループで各地の法科大学院について、いろいろデータを拝見したり、お話を聞いたり、さらには実地に見させていただいた実感です。そうであるからこそ、我々としても、こんなことを言って良いのかなというようなことまで踏み込んで、御意見を申し上げてきたわけです。
 ですから、この状況をどのようにして良い方に持っていくのか、問題のある所について抜本的な改善を図っていくということは当面の急務であるわけですが、同時に、新制度の理念どおりの方向で成果を上げつつある面というものも間違いなくあるので、そういうところを伸ばしていくような議論もこれからしていく必要がある。個々の法科大学院の自主的な試みなども、そちらの方向で積極的にやっていただく、そういうふうに風向きを変えていないと、いつまでも後ろ向きの議論に終始するところになり、好ましくないというのは、おっしゃるとおりだと思います。

 

【田中座長】
 事実、第三ワーキング・グループが認証評価制度のうまく動いていないところを代わりにやっている所もあるのです。本当は法科大学院自身がもっと自主的にやっていただくのが理想的だとは思うのですけれども。

 

【土屋委員】
 たたき台の基本的なスタンスの問題ですけれども、先ほど有信委員から好循環という言葉が出ました。この5ページの一番下に、好循環に転換していくことが必要だというのですが、これを見れば現状についてどういう認識で立っているのかということは、「好循環」の反対ですから、おのずから答えが出てきているというようなことなのですけれども、悪循環に陥っているという意識に立つのか、陥りつつあるという危機感を持ってという段階なのか。その辺り、なぜこういう提言をするのかという、拠って立つ立場をどこかに書いた方が良いのではないかと思うのです。どこにどうして書いたら良いのかと考えてみたのですけれども、3ページのローマ数字の2辺りでどうでしょうか。ここに「基本的な考え方」というのがあるので、その基本的な考え方を立てる上での現状認識を若干加筆していただいて、もしもう既に危機的な状況に陥っている、悪循環に陥ってしまっているというのだったら、そこから脱却する、そういう改善策を考えていかないといけないでしょうし、まだ危機が来る前にあるのであれば、そういう事態を回避するために準備するという認識に立つでしょうし、この後に悪循環という言葉を使うかどうかは分かりませんけれども、そういう認識に立ってこれを提示するのだということを含めるべきではないでしょうか。私自身の認識を言うと、相当危ないと思っています。もう既に悪循環に陥ったのではないかと。未修者の入学も激減していることを考えると、もう既に危機的状況は迎えているという切迫感を私は感じますので、そういうふうな感じで、もし要望できるのならば、そういうスタンスでこれを書いていただけると、良いのではないかと思います。

 

【田中座長】
 この書き方とかも、確かにちょっとそういう点が抜けていますね。

 

【井上委員】
 本委員会でも、そういう方向では一致しているので、どこかでそういう趣旨を表せれば良いと思いますし、フォーラムないしその前身のワーキングチームでも、そういう方向を出しています。ですから、政府全体として、悪循環に陥りつつあるという認識を持っているということは事実です。

 

【内藤専門教育課長】
 正に悪循環という言葉が前提になって好循環ということをここで表現させていただいておりまして、その前提となっている文章が、平成22年2月に、これは文部科学省と法務省と検察庁から裁判所まで含めたワーキングチームを設けまして、そこで出した結論の中に書いてございます。
 ちょっとそこの部分を読み上げさせていただきますと、「法科大学院を中核とする新たな養成制度については、関係各方面から法科大学院志願者の大幅な減少が生じており、現状の枠では、その質を維持しつつ、大幅な増加を図るという司法制度改革の理念を実施できないのではないかという懸念が示されている。」飛ばしまして、「このように新たな法曹養成制度は制度全体が悪循環に陥りつつあることから、関係機関が連携し、好循環となるよう取り組む必要がある」というようなことが、平成22年2月の時点で、少なくとも法務省と文部科学省の認識として出してございますけれども、そういった表現を今回のたたき台で工夫したいと思います。

 

【常盤高等教育局審議官】
 そういう認識があって、ちょっと私自身の考えがまとまっているわけではないのですけれども、既に平成21年の段階で、この特別委員会で報告書をまとめていただいて、それについて施策を打ってきていることになります。それで、我々が気付かなければいけないのが、既に打った施策が効果を発揮するのに、どうしてもタイムラグがあるということもありますので、つまり、施策を打っても、それが結果として出るのは、未修者で言えば3年経過した後、しかもそれも司法試験の結果が出た後ということになりますので、そういう意味で既に手を打ってきている部分もありますので、その辺りの既にやった施策の進行状況ということも踏まえながら、重ねた施策をどこまで打つのかということは考えていかなければいけないので、もちろん悪循環に陥っているという現状認識はあるのですけれども、そこで例えば重ねて施策を打ったときに、想定していた以上の効果を生んでしまうというおそれもないわけではないですので、その辺りを見極めて、御議論を最後まで深めていただければありがたいかなと、ちょっと抽象的な言い方で申し訳ないのですけれども、そういうふうに思っております。

 

【笠井(治)委員】
 今のことにも関連するのですが、我々は、例えばコアカリキュラム(共通的到達目標)を全国のロースクールに提言して、共通化を図っている。また、各大学では、できればそれを超えるものを用意すべきだとして提示してきたわけです。私も深刻な危機意識を持っていることは人後に落ちませんが、そうした教育における改革の実情を踏まえた場合に、あっさりと悪循環だと規定しきって良いのかどうかには躊躇があります。
 例えば、日頃、ロースクール制度を廃止せよと言わんばかりの手厳しい批判を繰り返しているある国会議員が、良い教育をしているロースクールに見学に行き分かったこととして、むしろそういうロースクールでは、良くやっていると感じたと述べるなど、従来の主張を変更するといったことも起きていると聞いています。確かに事態を甘く見てはいけませんが、今常盤審議官がおっしゃったように、現状を評価する表現としての悪循環あるいは好循環という言葉の使い方は慎重に考えた方が良いように思います。

 

【今井専門職大学院室長】
 恐縮でございます。
 今の議論で、少し御参考になるものをちょっと御紹介したいと思います。御手元の机上の資料、こちらはすごく分厚い資料で恐縮でございますが、法科大学院関係参考資料というもので机上資料がございます。薄い青色の資料でございます。この中の、注2というタグが付いておりますが、それをまた深く入っていってしまって恐縮なのですけれども、端的に申し上げると、改善状況調査ワーキング・グループで、正にそのフレーズが書かれている部分がありまして、そこを御紹介したいのですけれども、通しのページがないので、資料の番号は12-14というものです。この3月の段階で、特別委員会で御報告をさせていただいたワーキング・グループの文章があります。12-14でございます。恐縮です。そこまで行くとページ数がようやく出て参りまして、そこの4ページでございます。もし分からなければ、すぐ参りますが、大丈夫でしょうか。
 そこの4ページの終わりという所にございまして、正に今まで御議論いただいたような形で、この改善状況調査ワーキングでの認識でございます。基本的には、この改善状況調査を通じて、2年間という短い期間の中で、かなり効果を上げた法科大学院もありますが、一方で一部の法科大学院では、やはり取り組んできたにもかかわらず、結果につながっていない大学院がある。そういった所には、やはり原因を分析し、対策を講じていく必要があるだろう。これが、法科大学院の中には、残念ながら危機意識に欠け、教育の質の改善に関する真摯な取組が不十分である所も見られるということで、ワーキングでは、随時、問題を提起して、こういう自発的な公表を促しておりますけれども、後々そういった法科大学院というのは、まだまだやはり数が限られているとは言え大変問題がある。
 そして、5ページ目にわたりまして、法科大学院制度、そういった大学院があることで、法科大学院制度の信頼を損ねるにとどまらず、新たな法曹養成制度が一層の悪循環に陥ることとなり、制度の根幹を揺るがしかねないといったような認識が、書かれている所がございます。こういったものが、中央教育審議会法科大学院特別委員会の一つの考え方として出されているという状況かと思います。

 

【田中座長】
 好循環、悪循環という表現は難しいところですけれども、私自身は、前から言っていますけれども、「悪貨が良貨を駆逐する」という状況になりつつあるという認識をしています。結構順調にいっている法科大学院もあるのですけれども、そういううまくいっている面も、問題のある法科大学院が少なくないことによって、制度全体としての評価に悪影響を及ぼしており、表現は少し悪いのですけれども、ワーキング・グループの調査で重点的にそういう所にメスを入れていくことをしないと、正に悪循環になってしまうという危険な状況にあるのではないかと思っています。

 

【樫見委員】
 今回の見直しの方向についての、ちょっと前提的なところに係るのですけれども、御議論を聞いていまして、ここの中で大学院を種別化かと言いますか、課題がある法科大学院と、そうでない順調にいっている法科大学院という分け方があって、その課題のある法科大学院というのは、入学選抜の競争倍率、司法試験合格率、それから定員の充足状況、ある程度、客観的な指標で決めているのですけれども、その指標を要するに課題のある法科大学院というものが本当にその指標だけで良いのか。実地調査をなされた先生方も、これが、例えば私なんかがいる所もそうですけれども、地域的に志願者、志願倍率で言えば、地域的な志願者を抱える人口のばらつきがあるところで、なかなか志願者そのものがいない。あるいは、個々の様々な法科大学院の教育内容が悪いから、いろいろな問題があって、その時に、個々の法科大学院の問題、要するに課題のある法科大学院という種別の基準というものが、こういった三つの指標で分けられて、それ以外のところについて、もう一歩踏み込んだ原因の究明、本当にここの法科大学院の問題点に有効なものなのか、あるいはもっと構造的な問題を持っているものなのかというところで踏み込んで考えると、単純にこのような二つの指標で問題点を把握して、そしてその将来的なものについては当面の問題の改善というふうな方向付け、最後の所の3ページを拝見すると、政府に向けての提言というのがあるのですけれども、当面の問題の解決ということと、それから司法試験制度そのものの改善に向けて、やはり個々の法科大学院では解決できないその点の解決ということについて、洗い出しをきちんとするべきではないか。例えば、法科大学院創設の形成、最初の段階で未修者、多くのバックグラウンドの持った未修者を入れるというときに、なぜ合格者は選抜だけなのか。要するに、一種の国家試験のように、一定点数を取った院生については、合格を認める。選抜試験なんか、あるいは資格試験なんか、あるいは法科大学院の改善なり改組を進めるについても、やはりそれぞれの法科大学院に改善を進める。自分たちでは改善できない制度的に孤立するので、もっと改正を進めたり、あるいはこのような改善が良いですよというような説得性の問題の点でも、こういった客観的な指標だけで、単純に分けられたものだけで本当に良いのかどうか。
 すみません。根本的なところをちょっと言っていることが、私自身、よく整理ができないのですが、何か単純なこういった指標だけでぱっと分けられて、課題のある法科大学院とそうではない大学院というふうに分けて、そこに絞り込んで、改善方策というので上げられて、それはそれで良いとは思うのですが、もう一歩踏み込まなければ、やはり法科大学院教育あるいは法曹養成にきちんと取り組めないのではないかとちょっと不安を感じているところです。

 

【井上座長代理】
 御趣旨はよく理解できますし、そういう御意見も少なくないわけですけれども、我々のワーキング・グループでも、決して一つや二つの単純な指標だけでやってきたわけではありません。いろいろな視点から見てきたつもりですし、調査の仕方としても、まず書面で各法科大学院のデータやお考えなどを知らせていただいた上で、関係の方々からヒアリングをし、更に実際に現場に行って、授業を見させていただいたり、資料を拝見したり、先生方や学生さんたちと面談するなど、かなりの時間を使って調査を行ってきました。通算すると5回、実地調査もこれまで3回やっております。
 それを通じて分かったのは、幾つかの指標を挙げておりますが、ヒアリングしたり実地に見させていただいて問題があると認められる法科大学院については、それらの指標のいずれも、あるいはその多くが該当するということでした。その意味で、これらの指標は意味があると私どもは考えていまして、そういった所を何校も、かつ何度も見ますと、もう悠長なことは言っていられる状況ではないというのが偽らざる実感なのです。我々としても基本的には、我々の目にはこう見えたけれども、間違っているかもしれないので、我々の意見も踏まえて、御自分で検討し、何とか上向きに転じるように努めていただきたい、といった趣旨の意見をお伝えするというスタンスで臨んできましたが、時にはかなり強い御意見を申すこともあり、それはよほどのところです。ですから、我々の間で判断が分かれるようなことはそれほどなく、委員全員が共通して問題があるのではないかと判断したときに、そういう指摘をさせていただいているのです。
 また、全体的な状況についてはおっしゃるとおりですけれども、司法試験については、司法試験委員会ないし法務省の方の見解では、決して数が先にあるのではなく、あくまで各年の司法試験の成績に基づいて、合格水準に達している人を合格させており、その結果として、今の数字になっているというのです。確かに、閣議決定で3,000人というのが目標とはされているのだけれども、受験者の成績がそこまでではないから、2,000ちょっとで止まっているのだというわけです。それに対しては、その合格者決定の仕方が必ずしも外からは見えないこともあり、本当にそうなのかどうか、合格のための要求水準について従来どおりの考え方でやっていないかどうかといった点も検証する必要があるのではないかということは、フォーラムなどでも申し上げております。
 全体的には、そういう構造的な問題はあるとしても、しかし、そういった中でも、ほかと比べてかなり問題があるという所に焦点を当て、いろいろと御意見を申し上げている。我々としても、そんな話はしたくないのですけれども、そうせざるを得ないような厳しい状況にある所が少なくないということは分かっていただきたいと思います。

 

【土井委員】
 先ほど井上委員からもありましたように、司法制度改革で想定した法曹の活躍分野としては、やはり従来の法曹が果たしてきた役割の枠を超える広い様々な領域に進出していくことを想定していたわけですので、そういう法律家の能力を判定していくような新司法試験、現在は「新」をとって司法試験にしていくべきだと、私自身もそう思いますし、その点について検討していただくように政府の方にお願いしたいということでございます。
 ただ、そうは言いましても、司法試験の受験資格を原則法科大学院修了者に限定するという、そういう制度設計になっているわけです。旧司法試験は、受験資格の限定が基本的にはなくて、しかも受験回数制限はありませんでした。その時の合格率が、数%、基本的に1%~2%だったということが問題で、そこで新しい法曹養成制度をつくり上げて、そして法科大学院を基礎にして、その修了者に受験資格を与えるという形にしたわけです。
 そうしますと、司法試験の合格率が全てではないということは確かなのですけれども、司法試験の合格率が全てではないのなら、なぜ法科大学院に受験資格を限定するのか、という議論もやはり根強くございます。その際に、例えば資料を御覧いただければ分かると思いますが、大学の中には旧司法試験の時の合格率と変わらないような合格率しか示していない法科大学院があるという現状を前にして、新しい制度にして合格率を上げていこうとしたではないかと。それなりの教育水準に上げていくという話ではなかったのかと。こういう状況を容認するのであれば、なぜ法科大学院なのかという議論が強くある。その状況の中で、やはり司法試験だけが全てではありませんし、また司法試験の在り方ということも考えないといけませんが、大学が自由に教育をし、自発的に改善をしていく、それだけで話が済むか、という状況になってきているのだろうと思います。
 実際、先ほど来見ている未修者、とりわけ社会人の問題にしましても、一定の合格率を示していきませんと、職を捨てて、法科大学院に行って新しい道を探ろうという人が少なくなっていくのは、それは生活をしていかなければいけないわけですから、当然そうなる傾向がございます。しかも、修了してすぐ合格するわけではなくて、受験回数の制限を緩和するという意見もありますが、そうなればますます修了してから合格するまでに時間がかかるという状況になり、優秀な社会人を吸収することがますます難しくなっていくということになるわけです。
 そういうことを考えますと、合格率の問題をどのような方向に持っていくかということは重要な課題で、その上で、中教審の場で検討しないといけないのは、そういう望ましい合格率を実現していくために、どういう教育改善をし、問題のある法科大学院について、どういう改善を求めていくのかということを議論せざるを得ないのだろうと思います。
 もし、そういう枠組みを外れましょう、やはり基本的には、各大学が各大学で望ましい教育をし、それに各学生が満足してくれれば良いという枠組みにするということになりますと、法科大学院制度の根幹を支えている国家試験と密接な関係も持ちつつ、法曹養成制度を全体として考えていこうという枠組みを逸脱することになってしまいます。したがって、そこのところは、なかなか難しい問題はあるにしても、やはり客観的指標というのも全く無視はできないのではないかと私自身は思います。

 

【鎌田委員】
 今年の適性試験の受験者が、実受験者はまだ分かりませんけれども、形式的な数字で昨年比マイナス16%です。こうした形で法曹志願者が減っていることは、非常に深刻な事態であり、負のスパイラルが進行しているということを個人的にも心配しているところです。それに加えて、ある種の外からの圧力のようなもので、法科大学院全体が非常に危うい状況に追い込まれつつある中、緊急にどういう対策をとらなければいけないのかということが、喫緊の課題であるというふうに思っています。他方で樫見委員がおっしゃったようなことも心配です。こういう形で問題が提起されると、一般的に司法試験合格率と入試の競争倍率、定員充足率、こういうものが非常に重要であって、もともと問題のない法科大学院であっても、少しでも合格率を上げなければいけないとか、そういう方向に導かれると、本来目指している所と違う作用を持ってしまう。認証評価の場合もそうなのですけれども、本当は教育の質の水準を維持する、向上していくということが一番重要なのですけれども、こうしたことは指標化できないので、ほかの指標で代替している。そうすると形式面だけが評価の対象になっているように見えて、こういうふうな欠点を常に持ってしまうし、実現できない政策提言をしにくいので、書きにくいとは思うのですけれども、例えばこの4ページの方を見ても、4ページの2の課題のある法科大学院群を中心とした教育体制の抜本的見直しの加速というタイトルの下にも、組織改革の加速に向けた取組しか書かれていないのですが、法科大学院に求められる最低限の教育水準をクリアしていないような課題のある法科大学院を抜本的に改革するか、あるいは退場しなければいけないのだというのが大前提です。そういう教育の質についても評価をしなければいけないというのがあって、その上で、さっき言ったように、こういうふうなところの指標で著しく問題がある所はというふうな形にして、少しここの議論の中で、表現の仕方の工夫みたいなものをしていただいて、本当にやっていること、やるべきこと、それからその検証のために使うある種の指標との関係を、一般的に理解しやすい形に整えた方が妙な誤解は生まなくて済むのかなという印象は持っています。

 

【木村委員】
 少し戻ってしまうかもしれません。恐縮なのですけれども、先ほどの悪循環が気になったのですけれども、それこそ先ほど土井委員がおっしゃったように、旧試に比べれば合格率も上がっているわけで、大学によって選別というのは、私は余り好ましくないと思うのですけれども、やっぱりうまくいっている所は非常に教育もうまくいっているし、従来の法学教育から比べれば随分良くなったのではないかと思うのです。なので、確かにうまくいっていない部分があるのは確かなのですが、余りうまくいっていない法科大学院を強調するということ自体は、それほどプラスにならないというか、それは甘いなと言われればそのとおりかもしれないですけれども、やはりうまくいっている所は、うまくいっているときちんと書くべきではないかというふうには思います。

 

【長谷部委員】
 今の点と関連するのですが、私も、法科大学院を取り巻く状況は決して楽観できるものではないとは思っておりますけれども、今まで例えば司法試験の合格率が低迷しているとか、合格しても就職口がないとか、そういったこと、非常にマイナスなところばかりが極めて大きく宣伝されてしまって、就職率が極めて低くて多くの修習生が困った状況にあるかというと、そこのところになりますと、余りよく分からないような所もあるように思います。何となくネガティブな面ばかりが、こちらで毎回いただく机上資料になっている新聞報道などでも、そういう所はやや拡大して報道されているようなところがあると思うのですが、今、木村委員もおっしゃいましたけれども、学部教育ではできなかったようなきめ細かな、物事をじっくり考える能力や書く能力を養うことは、法科大学院で初めてできることだと私も思いますし、そういった質の高い教育を理念に即してやっているということも、もう少し発信していって良いのかなと思うのです。
 それで、5ページ目の(4)の所なのですけれども、シンポジウムの開催等を通じてというふうに書いてあるのですが、シンポジウムも良いとは思うのですけれども、開催してその聴衆に呼びかけてそれだけで効果があるかと言いますと、そういうものではないだろうと思います。日常的にそういったことを、メディア等を通じて発信するというようなことを文科省の方でも心掛けていただければ、大変ありがたいと思っております。そうした広報活動を、もう少し充実していただければと思っております。

 

【井上座長代理】
 おっしゃるとおりで、就職難の話についても、その実態をきちんと見極める必要がありますが、現実問題として、新人は初めどこかの事務所に属さないと、いろいろなノウハウを身に付けられず、お客さんも集められない。そういうところがあるのは事実で、厳しい現実ではあるけれども、それが過度に宣伝されている面がある。それにはいろいろな不純な要因もあって、そういうふうになっている。それに対して法科大学院側でも発信はしてきたと思いますけれども、十分ではなかったことは確かで、そういった反省から、法科大学院協会では、こういう人が育っているのだという具体的な例を集めて、世の中に紹介していくというようなこともやろうという動きになっています。

 

【椎橋委員】
 木村委員や長谷部委員の言われたことに同感なのですけれども、確かに法科大学院の現状に問題があるということは確かでそれは改善していかなければいけない。だけれども、法科大学院制度が、法曹養成制度として根本的に問題があるということであれば別なのですけれども、御指摘がありましたように、良い面もたくさんありますし、そういう場合は有効な改善策で対応していくということしかないのではないか。この委員会でも、それからそれを受けて各法科大学院でも見直し策というのが取られてきております。未修者問題が、かなり大きく浮かび上がっているのではないかと思うのですけれども、未修者問題に対する対策としても、単位を増やして基本科目を充実させるとか、あるいは進級制度を採用するとか、あるいは入学が決まって、入学するまでの間に、ガイダンスをするなどして、対策を取っている大学院も多いと思うのですけれども、そういうようなことが、徐々に効果を発揮して、ある時になると、ほかの対策と総合して相当大きな効果を発揮するということは、かなり期待できるのではないかと思うのです。
 そこで、負の見直しの方向性についての課題自体は、基本的に賛成ですけれども、更に強調してほしいなと思うところがありまして、5ページの最後に書いてある適性試験の改善ということです。これは、未修者の問題を考えますと、適性試験の成績と法科大学院入学後の成績との相関関係、これが、米国のLSATでは、60年の経験を重ねる中で、非常に高い相関関係があるということになっておりますので、そのことが、3年間でのロースクールを修了すると、すぐに実務に入っていけるという力を付けさせる前提になっていると思うのです。ですから、この提言自体は賛成なのですけれども、私は、もっとこの適性試験の検証については、人的、物的な資源を2倍、3倍を投入して、これを検証していただく必要があるのではないかと考えています。
 それから、ちょっと余計なことを申しますと、未修者の教育というのは、どうしても既修者の教育が基本形にあって、そこに追い付くような形でやっているというのが普通の在り方ではないかと思うのです。司法試験のことを考えますと、最後の卒業した時点でどの程度の法律的な知識やら能力やらが必要かということを考えて、既修者はそれを考えてやっているので、それに追い付いてもらうというのは、これは一つの在り方としては悪くないのですけれども、しかし人によっては、未修者は、なかなかそこに既定の年限で追い付いていくのが難しいという人もいるので、人によっては、プレッシャーを感じさせないで伸び伸びと、しかし一生懸命たくさん勉強させて、場合によっては3年、場合によっては4年、そういう学生の個性や能力に合わせた時間をかけて、司法試験が求める知識や能力を養うという地点にたどり着くというような考えもあり得るのではないかと思います。場合によっては、純粋未修者の4年制のモデル大学院みたいなのをつくっても良いのではないかというような、これはこの見直しの課題からは外れているかもしれませんけれども、そんなことを考えてみたりすることがあります。

 

【田中座長】
 そこまで詳しい提案ができるかどうかはともかく、その骨子などを示すことは考えられると思います。今日の議論も踏まえて、もう少し具体的な肉付けをした提案をまとめる準備を進めるとともに、未修者問題のように、もちろん引き続き検討は進めるが、いろいろな観点から早急に検討しなければならない問題については、場合によっては一定の方針がまとまれば、ワーキング・グループを設置して、最終的な報告書の作成に先行して未修者問題のいろいろな論点を整理していただくことも考える必要がありそうです。未修者問題は、現実的な問題であるだけでなく、制度そのものの根幹にかかわる問題でもあり、両方を見据えながら、関係機関とも相談して考えさせていただきたいと思います。
 予定した時間も過ぎましたので、従来と同じように、今日の議論を踏まえて、基本的には文章化という方向で再度検討させていただいて、次回の特別委員会で、文章化した提案ができるように準備を進めさせていただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
 本日、予定している議事は以上のとおりです。

 

【常盤高等教育局審議官】
 今、座長からお話がありましたように、本日お出ししたのは、あくまでも骨子ということですので、項目ベースで書かれていますので、非常に言葉足らずな点とか不十分な点が多かったと思いますので、是非先生方から、今日の場だけでは十分な意見が頂戴できていないと思いますので、またメール等でも御質問を出していただければありがたいというふうに思っています。
 それから、あと中身について言いますと、我々はちょっと書き込んでいきたいと思いますのは、旧司法試験時代の受験技術偏重に非常に課題があったわけですので、それが、新しい制度になって、これだけやはり充実しているのだろうかという点もしっかり書き込むことと、それからしっかりと大学院教育の中で成果を上げているという部分も、しっかりとバランス良く記述するということを是非心掛けたいというふうに思います。
 また、一方でもちろん課題もありますので、その辺りについても、もちろんしっかり書いていくわけですけれども、その際に例えば入学者数、実入学者数が減ったということについては、例えばこれは、競争倍率の、課題のある大学院に対して競争倍率のアップを求めたことによって減ったという、これまでの政策の効果として減っている部分もあるわけですので、その辺りもはっきりわかるような形で示すことによって、その悪循環をどういうふうに好循環に展開していく上に、今どのプロセスにあるのかということも含めて分かるうな書き方ができれば非常に良いかなというふうに思っておりますので、そういう点も留意して更に書き加えたいと思います。是非先生方からもお気付きの点は、メール等でお出しいただければというふうに思っております。

 

【今井専門職大学院室長】
 失礼します。どうも本日はありがとうございました。
 次回の法科大学院特別委員会につきましては、6月14日の木曜日、10時半から12時半で開催を予定させていただいております。詳細につきましては、事務局より改めて御案内をさせていただきたいと思います。

 

【田中座長】
 本日、予定した議題は終了いたしましたので、これで本日の委員会は終了させていただきます。どうもありがとうございました。

 

お問合せ先

高等教育局専門教育課専門職大学院室法科大学院係

(高等教育局専門教育課専門職大学院室)

-- 登録:平成24年07月 --