法科大学院特別委員会(第35回) 議事録

1.日時

平成21年10月29日(木曜日) 18時~19時

2.場所

学術総合センター1階 特別会議室

3.議題

  1. 法学未修者の学修に関するヒアリングについて
  2. その他

4.出席者

委員

(臨時委員)田中成明 委員
(専門委員)磯村保、井上正仁、稲田仁士、小山太士、笠井治、笠井之彦、鎌田薫、木村光江、土屋美明、椎橋隆幸、永田眞三郎、長谷部由起子、松村和徳、山本和彦 の各専門委員

文部科学省

小松高等教育局審議官、澤川専門教育課長、浅野専門職大学院室長、小代専門教育課課長補佐

5.議事録

 【田中座長】 
  それでは、定刻になりましたので、第35回中央教育審議会大学分科会法科大学院特別委員会を開催させていただきます。まず事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

【浅野専門職大学院室長】
  配付資料の確認をさせていただきます。
  本日の配付資料は、資料1、資料2も前々回、前回の議事録の案でございます。ご意見等があれば事務局に連絡をお願いをいたします。それから、机上配付資料といたしまして平成19年から21年の新司法試験結果の推移という資料ですが、既修者と未修者の合格率の状況や、合格率が非常に高い上位から10校のところでも、既修と未修の合格率の差が開いているという状況を示した資料です。
  それからもう一つ、共通的な到達目標のスケジュールについてという資料でございます。

【田中座長】 
  それでは議事に入る前に、10月20日に日弁連が「新司法試験の合否判定に関する要望書」を発表されたということでございますので、笠井委員よりご紹介いただきたいと思います。

【笠井(治)委員】 
  これも机上に配付させていただいております要望書でございますけれども、たまたまこの要望に関しては、本日の議題にも関連しますので、弁護士会として非常に重視しています。本委員会は司法試験委員会ではございませんが、要望の趣旨が非常に重要でありますので、日弁連が出した要望書ということでご紹介させていただきます。
  まず1つは、先ほどのご説明にもございましたように、既修者と未修者の新司法試験合格率の格差が非常に大きくなっている。前回の議論に出ましたように、合否の基準というものをより検討する必要があるのではないかという議論が出ました。その意味で、果たして合否基準というものが適切に行われているかどうかについて、いま一度、その検証をするための何らかの制度的な整備も必要ではないかというのがこの要望の趣旨でございます。
  「第2要望の理由」の1には現状と問題点を述べており、2に、この合格水準の外部的検証の必要性、ともかく外部から検証をしてみるということが必要なのではないかということを提言をしておるところです。具体的な提言ですけれども、検証を可能にするための情報開示について3つ提案をしております。それは現在の論文式試験の出題の趣旨の公表のあり方を一歩進め、もう少し具体的に合格基準に達するためにはどのような内容の程度の理解が求められているかに関する情報を公開する。例えば、論文式試験について優秀、良好、一応の基準、不良の4段階に分けて採点するとされているものについて、どのような内容と程度が、それぞれのランクの答案において想定されているかに関する情報を公開していただきたいというのが1項目。2項目は合否のボーダー、これ総合評価と各個別の評価、問題が違う部分がありますけれども、それらについて幾つかの答案を公表していただきたいということ。3番目は、大きい考え方なのですけれども、司法試験委員会において、考査委員の採点経過を踏まえて、合格水準の定め方に関する意見交換を最終合格者発表前に行い、その意見交換の逐語議事録を作成して、原則としてこれを公開していただきたい。さまざまな考え方があり得ると思うのですけれども、こういった形で外部的評価に耐えうるよう、少なくとも外から見て、合否基準が客観的、適切に行われているという担保をするための制度とする必要がある。これらを司法試験委員会に要望させていただいたという経緯でございますので、この点を簡単に説明させていただきました。

【田中座長】 
  どうもありがとうございました。それでは、平成21年度新司法試験を踏まえた、「法学未修者の学修に関するヒアリングについて」の議題に移ります。本日は、法学未修者の合格率が法学既修者の半分に満たない状況が継続していることについて検証を行う観点から、御意見をいただくため、法学未修者で新司法試験に合格された、5名の方にお越しいただいております。まず修了生の方々に数分程度でご説明いただいて、その後でまとめて意見交換をさせていただきたいと思います。それでは荒木さんからよろしくお願いします。

【荒木氏】 
  私は法科大学院卒業後、今回3回目のチャレンジで合格しました。まず、自ら法曹となってどのような貢献ができると考えるかというところについてですが、私は理学部で化学を勉強していまして、実際に担当の教授も研究内容の特許をとりたいという話があったのですけれども、なかなかとるのが難しい、専門家の先生で相談できる人がなかなかいないということもありまして、特許等の専門分野で大学とかの先生方を支援できるようなことができるのではないかと考えています。
  法科大学院のカリキュラムについて評価できる点と改善点としては、評価できることとして最たるものは、興味深い様々な科目を受講することができることだと思います。特に私は特許法を受講したときには元裁判官で特許を専門にしておられた弁護士の先生に教えていただきまして、そのときは非常に実務的な観点からも講義をしていただき、大変興味を持つことができました。他にも実務家の先生方がいらっしゃるので、実際の経験を題材にした話には非常に興味を持つことができ、勉強意欲の向上にも大変役立ちました。改善点としては、これはカリキュラムというか全体のことなのですけれど、まず1年次で六法を全部やるのは非常に厳しい状況で、予習で手いっぱいになってしまいます。3年になって少し余裕ができて、先端科目をいろいろとってみたいと思っても、司法試験の勉強をしなければならないということがありますので、先端科目に集中できないという部分が問題かと思います。
  次に、合格が厳しい状況の中で、どのように合格したかということですが、私は5年以上勉強したことになるのですけれど、やはり絶対的な勉強量がかなり必要なのかなと思います。繰り返し繰り返しやらないと、2年や3年で身に付けるのはなかなか難しいと自分で勉強して思いました。繰り返し何回も何回も法律書を読むことによって、いろいろな分野がつながってきてやっと全体が見えてきたのではないかと思っています。あとはやはり試験なので暗記等も非常に重要なのかなと思っています。あとは過去問を問いたり、答案の書き方等を研究したことも合格にはつながったと思っております。
  未修者の合格が厳しい原因についてですが、まず一番に考えられるのは、既修者との圧倒的な勉強量の差があると思います。やはり既修者は、特に旧司法試験の勉強をしてきた方がかなり多かったので、3年、5年、中には10年以上勉強されていらっしゃる方と、私のように初めて勉強するような人が1年しか違わない状況で追いつくのは不可能に近いのではないかなと思います。未修者の中でも隠れ未修というような感じの方もいるので、未修者の中でも相当差が開いていると思うのですけれど、私のような完全未修者は、もう授業ついていくのがやっとで、予習で手いっぱいなので復習になかなか手が回せず、やりっ放しになってしまうという状況です。それが、既修者は既に知識がある程度あるので、ロースクールの授業で議論することによって知識を定着させていくことができるので、非常に学力が伸びていくと思います。既修者を見て、法科大学院が既修者向きになっているのではないかと感じています。
   あとはこの新司法試験自体も、旧試よりは大分問題が改善されていると思うのですけれど、論文試験は考える問題になっていると言っても、やはり問題数が多いので余り考える暇がなく、暗記している部分を吐き出していく状況になっていると思います。また短答式試験も含め、試験範囲が旧司法試験より広いので、そういうところで未修者には勉強時間の負担があります。
   法曹養成制度において改善が必要な点ですが、他の分野からの法曹を増やすには、やはり合格率の上昇が必要だと思います。それが厳しいのであるなら、場合によっては4年コースという感じで、さらに1年もっと基礎的なことをやることも考えられると思いました。あとは、3回しか受験できないことは非常に厳しいと思っております。特に私と同じように勉強してきた仲間で、3回目では私と同じような学力だったのですけれど、今回運が悪く試験に落ちた方もいて、その後は、年齢的になかなか公務員試験等も難しいということで、法科大学院を出て3回落ちた後の状況は非常につらいものがあります。
  また、法科大学院の授業料はかなり高いので、相当経済的な負担も大きいと思います。法律の本も毎年法律が改正したりもするのでやむを得ない部分があるのですけれど、本代の負担もかなりかかるので、経済的な負担を改善できるものなら何とかしていただきたいと思います。
  最後に、法科大学院に対しての要望ですが、まずは私のような完全未修者に対しての何らかのフォローをしていただければと思っています。1年間で六法を一通りやるので授業のスピードがかなり速くなっています。もっと基礎的なことをゆっくりやっていけるような仕組みがあればいいと思っています。また、1年次は、時間のかかる双方向の授業よりも講義形式のほうが完全未修者にはわかりやすいと思います。あとは修了生のアフターフォローをしていただければと思います。特に地方は情報が不足していますので、重要判例などのチェックをするゼミを開講するとか、修了生は自習室を使わせてもらうなどして、勉強の環境を修了生にも十分に整えていただければと思っています。以上です。

【大峰氏】
   早速なのですけれども、みずから法曹となるにどのような貢献ができると考えるかということなのですが、私自身は今年の修習に行きませんし、これから法曹になるかもわかりませんので、法科大学院を修了した者としてどういう貢献ができるかというスタンスで考えさせていただきます。法科大学院の理念の1つに、法律を知っている者を社会の隅々まで行き渡らせようという理念があると思います。私自身は、現在企業に勤めていまして、私が今勤めている企業には当然弁護士はいません。また司法試験合格者もいません。そういった場所に私が行く、私がそこで働くというのがこの理念の1つを実現しているのかなと思います。
  カリキュラムの改善が必要な点としては、広く解して法科大学院の入試制度まで広げると、入試の時点で社会人や理系出身の方などを優遇して、入りやすくしているということは評価できると思います。ですが、実際のそれから後の教育の中身ということに関しては、かなり改善が必要だと思っていまして、端的に言うと問題演習が少な過ぎるのではないかなと思っています。
  自分が司法試験合格をどのように達成したと考えるかという点については、私もここにおられる多くの皆さんと同じく3回司法試験を受けました。今回どうして合格できたかというのは、多分法科大学院での勉強というよりも、法科大学院を修了した後の2年間の勉強が効いていると思います。ここで何をしたかというと、とにかく問題演習をひたすらやりました。私自身の感覚としては、実際の問題を使って繰り返し練習しなければ、理解できないのです。ですので、私が合格した秘訣というのは問題演習をやったことだと思います。
  未修者の合格率が低減していることなのですけれども、これもやはり法科大学院で、そもそもスタート時点で大分ハンデがあるわけですから、効率的な勉強方法をやらなきゃいけない。にもかかわらず、私のほうから私見ですけれども、効率的と思われる問題演習等を法科大学院ではやらないというようなスタンスをとっているというのはどうかなと思います。
  改善が必要な点も同じで、問題演習をもう少し取り入れるべきだろうと私は思います。法科大学院には本当に優れた先生方がおられますので、その先生たちが作る問題というのは本当にいい素材だと思うのです。にもかかわらず、その機会を失わせるように私にはうかがえましたので、それを改めていただきたいなと個人的には思います。
  法科大学院に対する要望も同じです。もう少し問題演習の機会を、特に未修者には与えていただきたいと思います。本当に問題演習というのは最も効果的に法律を理解できる手法だと思いますので、その点を意識して今後カリキュラム等を組んでいただければと思います。以上です。

【栗原氏】
  現在は司法修習生をさせていただいております。自らが法曹として具体的にどういった貢献ができるかということは正直よくわからないのですが、法科大学院3年間と、それ以降の司法修習や勉強を通して、法律のことについて自分なりに勉強してきたと思いますので、それを活かして貢献していきたいと考えています。
  私は未修の1年目に入ったときに、周りの方々もいろいろなバックグラウンドを持っている方がおられ、最初の1年間は未修者だけでしたが、その後は既修者も含めて3年間過ごすことができたのは非常に貴重な経験だったと思っております。
  改善が必要な点は、最近は社会人経験豊かな方が法科大学院に入ることが少なくなっているというふうに聞いていますので、そういった点が難点だと考えております。
  どのように司法試験に合格したかという点なのですが、1回目は不合格という結果でしたので、その後同様に不合格になった友人と答案を書いてみたり、基本的な知識が足りないと考え、条文や判例を見直したりといったような勉強をしてきました。
  未修者の合格が厳しいことの原因については、これは今までの方もおっしゃっていることですが、法律に関しての勉強については既修の方のほうが2年間長く経験を持っているということで、ある程度はやむを得ないのかなというふうに感じることもあります。新司法試験が始まったばかりで、どういった試験なのかということについて、余り共通理解がないのかなと考えますので、共通理解ができて、それが受験生にも明らかになっていけば、これから改善の余地があるのではないかと考えております。また、多様な人材を呼び込んでいくためには、長期的には、ロースクールから、その後の新司法試験、また司法修習までの法曹養成制度というものが一貫した目的を持って整備されることによって、新たにロースクールの受験を考えられる方が安心して入ってこられるような基盤作りが重要だと考えております。
  最後に、法科大学院に対して要望することですが、私の個人的な経験で恐縮ですが、ロースクールに来なければ出会えなかったような方と多く出会えたと個人的には考えておりますので、そういった場であり続けてほしいというふうに考えております。以上です。

【鈴木氏】 
  まず第1点で、貢献できると思うことですけれども、私は経済学部出身でして、ゼミのテーマが労働経済学でした。ですので、労働関係に関する問題を、経済学の知識、理解という観点から検討して新しい解決策というものを模索できるのではないかと考えております。
  カリキュラムの評価と改善ですけれども、まず評価できる点は、既に指摘いただいたところではありますが、多くの先端科目を設置しているというところが評価できると思います。集中講義等の利用を含めまして、かなり広く学習ができるのではないかと思います。そして今まで学んだことのないことを学ぶということもそうですし、自分がこれまで知識として持っていたものを、得意分野というものを法律面で使える知識とすることができるのではないかと思っております。続いて改善点ですけれども、これがロースクールごとのアピールポイントかもしれないのですけれども、先端科目の種類ですとか充実度に学校間の格差がかなり大きいという印象を抱いておりまして、これは仕方ないとは思うのですけれども改善していただきたいという感じを抱きました。またこれも既に指摘いただいたところではありますが、基礎的な勉強の授業単位が少々少ないと思いました。もちろん、ロースクールは自学自習をかなりしなければならないということが前提になっているのは存じておりますが、それでも私のような、法科大学院に入って初めて法律を勉強した者にとっては少々つらかったと思います。
   続いて合格できた理由ですが、私の場合は3回受験してようやく合格したのですが、原点回帰といいますか、学校の講義をもう一度大切にするということを心がけました。教授の先生方に頭を下げまして聴講をお願いしたりもしまして、そういうことがじわじわと生きてきたのではないかと思います。それから加えまして、司法試験委員会の出される論文試験出題の趣旨やヒアリング概要などを熟読して、とにかく司法試験委員の求めているものに沿うことを心がけるようにしました。とにかく独りよがりにならないように、聞かれたことに答えて指示に従うということを意識しながら勉強することを心がけました。
   未修者の合格が厳しい原因については、私個人の印象ですと、未修者が弱いというよりも、既修者が圧倒的に強いという印象を抱いております。私も法科大学院の後輩などに論文を見てほしいという要望をいただいて見る機会があるのですけれども、既修者の論文は非常に読みやすいというか、読んでいて詰まらない、非常に書きなれているという印象を抱いております。それに対して、未修者の論文は、思いついて書いたのかわからないのですけれども、余計なことというか、本当に教科書から拾ってきたようなことを書き加えることがありまして、読んでいてもこれはどういうことなのかなと詰まってしまって、こんなことを書かなければいいのにと思うことがありました。そうすると、どうしても読んでいて印象が悪くなってしまうので、もちろん知識の裏づけということかもしれませんが、法律の論文を書き慣れているかどうかというところで差が出ているのではないかと思っております。
   続いて、多様な人材を法曹に呼び込むためということですが、法曹養成制度とはかかわらないかもしれませんけれど、リスクとリターンのバランスでは、リスクが大きいと思っています。リターンは恐らく合格率で、リスクは時間や学費かと思います。ただ、これは改善が難しいかと思いますので、例えば3回受験して失敗した人に対してアフターケアを何とかしていただけるといいのではないかと思いました。
   法科大学院に対して要望することですけれども、私は、法科大学院間の相互協力というものを望んでおりまして、余り学校間のコミュニケーションがないことが残念だと思っておりました。小規模のロースクールですとなおさらですので、せめて近隣間ではそういうことができたらと思っておりました。以上です。

【谷地向氏】
  まず、どのような貢献ができるかという点は、私は民間企業に勤務しながら夜間の法科大学院に通い、現在も勤務を続けておりますので、ビジネス感覚を理解したうえで相談者にアドバイスをすることができるのではないかと思います。また、業界の様々な法規制についても詳しいので、そういった知識も役に立つのではないかと思っています。法科大学院のカリキュラムについては、多様な人材の法曹養成を目的として、どのような工夫がされているか、正直に申し上げてよくわかりませんでした。
   自分がどのように合格したかという点ですが、合格して初めて、新司法試験は知識詰め込み型ではなく、すなわち長く勉強すればするほど合格率が上がるような試験ではなく、基礎基本をしっかり理解すればそれだけで十分に合格水準に達する試験であるということがわかりました。私は、1回目の受験では不合格でしたので、その後の1年間は自分で勉強してきたのですが、基本書を読んで、法科大学院の授業のレジュメを見直してポイントをまとめるような、極めてスタンダートな勉強方法を採った結果、2回目の受験で合格しました。
   未修者の合格が厳しい原因について、法務省が公表しているデータを見ますと、平成18年、19年、20年の新司法試験の未修者の短答合格率が非常に低いことがわかります。一方、短答を合格した人の論文合格率を見ますと、18年、19年は既修者と未修者で大差ない数字が出ています。20年については、未修者と既修者の論文合格率に若干差が出ておりますが、依然として未修者にとっては短答試験の合格が非常に難しいと言えるのではないか思います。
   短答試験は、知識量を重視した問題ですので、基礎基本を理解したうえで、文章で説明する能力が向上したとしても、短答試験の点数は伸びないのです。私自身の経験でも、1回目の受験と2回目の受験の成績を比べると、論文の成績は大きく伸びましたが、短答の成績はむしろ下がりました。短答試験が知識量を重視した問題であり、知識量で足切りされるわけですから、勉強期間が長く知識量に勝る既修者が有利になるといった現象が起きているのではないかと思います。
   また、未修者のなかには、法学部を卒業し、既修コースを受験したものの不合格になったために未修コースに入学した人が、少なからずいるのではないでしょうか。多様なバックグラウンドを有する理系出身者、社会人経験者等の未修者の新司法試験合格率が低迷しているのか、法学部を卒業したものの既修コースに不合格になった人が未修コースに入学し、そのような人たちの新司法試験合格率が低迷しているのかは、データを集めて検証する必要があるのではないかと思います。
   多様な人材を法曹に呼び込んでいくための改善策についてですが、私は法科大学院の制度自体が、多様な人材を法曹に呼び込むことを阻害しているのではないかと思います。そもそも、4年制の大学を出たうえで、さらに法科大学院に通うことができるのは、ごく限られた恵まれた人たちだけです。多様な人材を法曹に呼び込むためには、予備試験ルートを拡充して、時間的・経済的な余裕があまりない人でも法曹を目指せるような仕組みを整えることが必要だと思っています。
  今後、法科大学院に対して要望することは、皆さんとかなり重なりますけれど、カリキュラムの中で問題演習を積極的に行っていただければと思います。問題演習をすると、法科大学院が受験予備校化する、論点丸暗記型の答案が増える、受験技術への偏重を招くなど、いろいろな弊害が生じると言われることがありますが、本当にそうでしょうか。私は、小中学校・高校・大学の授業において、「問題演習をすると様々な弊害が生じるおそれがあるため、授業では問題演習はせず、理論を説明します。」と言われたことはありません。法科大学院入学以前に受けてきた教育では、問題演習は理解の程度を確認するための重要な教育方法だと教わってきました。私自身も、問題演習は理解の不足を気づかせるために非常にいい勉強方法、不可欠の勉強方法だと思いますので、法科大学院でも積極的に行うべきだと思います。以上です。

【田中座長】 
  どうもありがとうございました。
  それでは、ご質問がございましたら、どうぞ。

【井上座長代理】
  荒木さんと谷地向さんは、言われたことは共通しているのかもしれないですけれど、表面的には違って、荒木さんのほうはやはり勉強量がある程度必要なので、長時間かかるだろうということですけれども、これは3年以上かかってもやむを得ない、今の3年の制度では難しということでしょうか。受かるためにはどの程度時間がかかってもやむを得ないというふうにお考えなのか、それとも3年という制度でやる以上、3年の制度設計の中で身に付けるだけの努力をすべきだとお考えなのか、どちらでしょうか。

【荒木氏】
  私としては、4年でもやむを得ないと思っています。法学部出身者ならともかく、完全未修者は法律の基礎というものが全くないので、それを1年で六法を全部勉強しようということがそもそも不可能に近いのではないかと思っています。2年次で演習もするのですけれど、やはり1年目は予習で手いっぱいになってしまって、僕は復習が大事だと思っているのですけれども、その復習の時間をとれないので、やはりもう少し基礎的なことから勉強していくのがいいのではないかと思います。

【井上座長代理】
  谷地向さんは、基礎基本をきっちりやることが大事だということを受かってみてわかったとおっしゃったのですけれど、ロースクールで勉強している間にはそういうことにはなかなか気づけなかった、あるいは気づかせてもらえなかったということなのですか。1年かけてわかったということですが、その1年がどういう意味持っていたのでしょうか。

【谷地向氏】
  合格するまで、基礎基本をしっかり勉強すればよかったのだということに気づけなかった原因の一つとして、法務省から発表される出題の趣旨を挙げることができるかと思います。出題趣旨に書いてある内容は非常に難解であり、細かい論点についても触れられているため、合格するまでは、たくさんの応用論点を理解しなければ新司法試験には合格できないと思っていました。そのため、法科大学院在籍中は、とにかくいろいろな演習問題に目を通して、数多くの問題をつぶしていこうと思ったのです。ただ、基礎基本を固めないまま、多くの問題に手を伸ばすような勉強方法は非常に効率が悪いです。1回目の受験時の成績が非常に低かったことから、自分の勉強方法が根本的に間違っていたことがわかりました。
   その後の1年は、とにかく基礎基本だけを勉強しました。2回目の受験時に私の書いた答案は、公表された出題の趣旨と比較すると相当に内容の薄いものだと思いますが、それでもそれほど悪い成績でもありませんでしたので、もう少し出題の趣旨をわかりやすく書いていただければ、基礎基本だけで合格するというメッセージが伝わると思います。

【井上座長代理】
  法科大学院の授業ではそういった指導はなかったのですか。

【谷地向氏】
  法科大学院では、1年目が基礎、2年目が応用というような形でカリキュラムが組まれていて、年次が上がるにつれて自ずから応用を重視するような思考になっていったのではないかと思います。

【笠井(治)委員】
  基礎基本だけをやって、むしろそこに重点を置いて勉強した結果、論文の力は飛躍的に伸びたと。一方で、短答式の成績は下がったということですが、短答式の勉強は基礎基本とどういう関わりがあるというふうにお考えですか。

【谷地向氏】
   短答式は、基礎基本を理解してそれを表現する能力ではなく、単純に知識量を測る試験だと思います。ですから短答式は、時間をかけて知識を積み上げれば誰でも合格できるのではないかと思います。法務省が公表しているデータを見ますと、受験回数ごとの短答式の合格率は、受験回数が増えれば増えるほど上がっています。一方で論文式ではそういった相関関係は見られません。基礎基本を勉強すれば論文の成績は上がりますが、知識量を問う短答の成績には影響しないのだと思います。

【笠井(治)委員】
  必ずしも基礎基本とは言えないような問題が出ているという印象をお持ちということなのですか。

【谷地向氏】
   単に条文を覚えているかどうかが問われている問題が少なくないので、それを基礎基本と定義するかという問題はありますが、知識の「量」を重視した試験だと思います。

【笠井(治)委員】
   論点が違うのですけれども、複数の方が問題演習が重要であるとおっしゃったと思うのですけれど、その問題演習というのは仮想的な事案あるいは現実的な事案もあると思いますけれども、そういう事案を具体的に考えるということの意味で問題演習というふうにおっしゃったのですか。いわゆる新司法試験対策として勉強するというようなことも問題演習というふうにおっしゃっているのか、いかがでしょうか。

【大峰氏】
  いま一つ理解できていないかもしれないのですけれど、問題演習が必要だと言ったのは、当然法律を理解するための手段として良いという意味ですから、まずその条文が持っている機能や、どういう事案に使えるかということを理解するためには、具体的な点に法律を当てはめて理解するという点で必要だということです。一方、当然限られた時間の中で文章を書かなければいけませんので、決められた時間内で人に自分の意図を伝えるという訓練ということも必要ですので、2つの側面が答案演習にはあると思います。

【谷地向氏】
   私も同じ意見です。答案演習は理解するための手段です。また、司法試験の過去問は、優秀な先生方が練りに練って作られている良問だと思いますので、過去問の演習は積極的にやるべきだと思います。

【井上座長代理】
  それをロースクールのカリキュラムの中で特にやったほうがいいということでしょうか。授業で基礎基本ということをきっちり教えているつもりなのですけれど、あるいはそれを明確にできていないのかもしれないですけれども。授業にプラスして問題演習もあったほうがいいのか、それとも授業の中で問題演習的なものに重点を置いたほうがいいというのか、どちらでしょうか。

【大峰氏】
  もちろん両方できるのがベストだと思うのですけれど、どちらかしかないというのであれば、司法試験科目にウェイトを置き、それ以外の科目というののコマを減らして、その分問題演習のところに当てるということが現実的だと思います。

【井上座長代理】 
  問題演習を取り上げるのには限りがあると思いますが、そういうやり方で本当に基礎基本が身につくのか、どうでしょうか。現場で教えている感覚としては、それで本当に基礎基本が身に付くのかというと非常に不安なのですけれども。

【大峰氏】
   もちろん最初からというわけではなく、やはり基礎基本を教えていただくことがまず絶対ありきのことだと思います。それがあって、あくまで問題演習は基礎基本の理解を促進させるための手段でしかないので、問題演習が主になってはいけないのです。基礎基本がまず主であるべきなのですけれど、従の部分の問題演習の比率が、正直私が行っていたところではほとんどありませんでしたので、これを少しでも増やしていただきたいというのが私の主張です。

【磯村委員】
  問題演習というときに、例えば民法の教科書ですと、比較的簡単な事例があって、その事例を深く考えるとその条文がこういう形で使われるというようなレベルの問題と、それから現在の司法試験の問題のように、非常に多くの事実関係が並んでいて、そこから自分で何か問題があるということを広げられるというような意味での問題というのがあるとすると、恐らく後者というのはかなり高い基礎力を前提として初めてできることです。問題演習で力がついたということですが、1年間の基礎があるかどうかで、恐らく随分違うのではないかという印象もあるのです。つまり、1年からそういう問題演習ばかりやっていると、むしろそういう力は上滑りしてつかなくて、基礎的な力があって、その上で問題演習をすることによって力がついたのではないかという気もするのですが、その点はいかがでしょう。

【大峰氏】
   まさにおっしゃるとおりだと思うのですけれど、問題演習をするとしても、本人の能力に応じて使い分けなければいけませんので、1年次は長い事例ではなく条文の理解を促す短い問題を使うべきですし、試験が差し迫った3年生になれば、基礎的な力は付いていると思いますので、多分基礎の上積みとして、また試験対策にも長い問題を使うということで、ステージに応じて問題演習の中身が当然変わってくると思います。まず、とにかく何か問題に当たらせることで、どの条文と整合性をとらせるのかということを徹底的にやるのが、私は効果的だと思います。

【笠井(之)委員】
   今伺った中で、基礎的な勉強の部分というのはロースクールで教えてもらっていると思うのですけれども、そこで教えられる内容の量的な部分については、足りないと考えているのか、多過ぎると考えているのか、それはそれでちょうどいいけれども、問題演習もプラスアルファとしてあったほうがいいということなのか、どう思われるのでしょうか。それから鈴木さんは基礎的な部分がもう少しあったほうがいいとおっしゃっておられましたが、そこのところは違う感覚なのでしょうか。要するに問題演習を除いた基礎的な勉強の部分のカリキュラムといったものが、未修者として十分だということか、むしろ足りないのか、逆に多過ぎというか、非常に苦労したということになるのか、そのあたりの感覚をお聞きしたいのですけれど。

【大峰氏】
  私の学んだロースクールのカリキュラムということになるのでしょうけれども、例えば民法に関してはバランスはとれていたと私は思います。片や、商法系が不必要に多かったことも、科目間のバランスが悪かったなという気がします。うまく調整してやっていただきたかったと思います。

【鈴木氏】
  基礎的な科目の単位が足りないということについてですけれども、これは私個人の意見でもありますし、私が行っていたロースクールの先生の意見でもあります。民法の先生は、これだけの単位を教えるのは無理があるのではないかということをおっしゃっていまして、私自身も正直、すべて教えてくれという要求をしているわけではありませんし、もちろん先ほど申し上げましたように自学自習が求められているのですが。もちろん私の大学だけかもしれませんが、先生方も学生側も共通認識として持っていたということなのです。

【井上座長代理】
  栗原さんは、修習がほぼ終わりに近づいているのですが、振り返ってみて、司法試験はどういう位置づけなのかということなのですけれども、受けてみて、司法試験が修習を受けるのにどのように関わっていたのか、余分に1年かけてしまった、もっと最初にすんなり受かっても変わらなかったと思うのか、その辺は率直に言ってどうですか。

【栗原氏】
  何とお答えしていいのかわからないのですが、新司法試験に不合格となった直後と、合格した1年後において何かが変わったのかというふうに問われると、特にそれほど変わってはいないと思います。先ほどから問題演習等の必要性ということが出ていますが、修習で具体的にいろいろな形でお客様などを目の前にして、目の前の人の問題をどういうふうに法律的に考えたらいいのだろうと自分なりに考えるということは、この1年間で、法科大学院やその後の受験勉強とは違った意味での法律のとらえ方ができたので、問題演習という形でそういったことが疑似体験できるのであれば、それは非常に有意義なものではないかと思います。

【永田委員】
  基本的な理解ができていることが大事で、それがしっかり身に付けば新司法試験は通るのだということは、そのとおりだと思います。基本的な理解は重要ですけれども、やはり谷地向さんが、企業で働かれたという経験があって、かなりいろいろなところでものを見てこられたという背景があり、それがあれば基本的な理解で十分だということだと思ったとうことだと思うのですね。そういうことは、だれも彼もがそのようにできるとは思いませんけれども、私が聞きたいのは、それがまさに法科大学院の目的で、双方向で多方向で基本的な理解をさせ、いろ応用ができるようにするということで、それほど難しいことを理解させるということは目標ではないのです。谷地向さんは、1年失敗して1人でやってみてわかったということですが、講義の中での基本的な理解をさせるための法科大学院なのですが、今の時点では講義をどういうふうにお考えでしょうか。非常に役に立ったのだけれども、もう少し考えるべきとお考えでようか。

【谷地向氏】
   基本的な理解は、まさに法科大学院の講義で教えていただきました。それにもかかわらず私が1回目の受験で失敗してしまったのは、単に私の勉強方法が間違っていただけです。ただし、法科大学院のカリキュラムについては、基本的な法律の講義時間数をもう少し多くして欲しいと感じました。まず、講義で基礎基本を理解し、正しく理解しているかどうかを演習で確認する、という方法が望ましいと思います。私の出身法科大学院の授業内容は、非常によかったと思います。今回の新司法試験では、法科大学院の授業で詳しく説明していただいた基本論点について、授業のとおりに答案に書いただけで合格点を取ることができました。

【土屋委員】
  栗原さんは、未修者が安心して入っていけるような基盤整備が必要だというふうに言われていたのですけれども、その基盤整備というのは、具体的に何が一番必要だとお考えですか。

【栗原氏】
  ロースクールができる直前から現在に至るまで、いろいろな話を伝聞等で聞いているのですが、まだロースクールが法曹養成という側面とともに、大学院としての側面を両方持っておりまして、各新司法試験とその後の修習がある中で、それぞれがどういう役割を果たしていくのかということが、よくわからなくなってしまっていると個人的には感じております。合格率や教育内容も当然問題にはなっていくのだと思いますが、個人的な意見といたしましては、合格率というのは受験者数と合格予定者数の問題ですので、当然それについてもいろいろとご意見はあるところだと思うのですが、まずはご家族をお持ちの社会人の方ですとか、それなりの経験を持ってからロースクールに入ってこようという方が、ロースクールに入ったときにどういったことを期待できてるのかということについて、もう少しはっきりとしたことがわからなければ、現時点では恐らく躊躇するだろうというふうに自分の立場でしたら思います。大き過ぎる話だとは思うのですが、そういう趣旨で基盤整備という言葉を使わせていただきました。

【椎橋委員】
  学習の流れについて、1年でやったことを次の科目につなげるという形で進むと思うのですけれども、接続がうまくいかないという困難さを感じるこということはありましたか。それは1年から2年に進む時点か、それとも全体を通じてなのか、そういうようなところについてご意見があったらお伺いしたいのですが。

【谷地向氏】 
  1年生で基礎をやって、応用を2年、3年とやっていくうちに、応用論点ばかりに気をとられて基礎を忘れてしまいますので、そういった意味で接続の難しさは感じました。授業のなかで問題演習をしっかり行っていれば、基礎基本から論述しなければ点数は伸びないはずですので、基礎から応用への接続がうまくいっていないことに気がつくことができたと思うのですが、問題演習がほとんどなかったものですから、1回目の受験で失敗するまで、そのことに気づくことができませんでした。基礎基本を学び、応用を学び、もう一度基礎基本から振り返ってみるという、そういったカリキュラムであれば、この接続がうまくいくと思います。

【鎌田委員】
   大峰さんは企業での経験を積んだ上でロースクールに行き、しかも司法修習に行かないという選択されたということですが、率直に後輩にロースクールに行こうと薦めるのかどうでしょうか。荒木さんは、特許関係の分野で活躍されたいということですけれども、特許の分野では弁理士という職がありますが、それでも弁理士ではなくて、やはりロースクールへ行って、司法試験を受けることにどういうメリットがあるのかどうでしょうか。

【荒木氏】
  私は理学部の後輩にロースクールに行くことは薦めません。特に今の合格率の低下や、弁護士の就職難の現状がございますし、私自身合格までの勉強に非常に苦労したものですから。経済的な面もありますし、意志が強く、よほど裕福な家庭の後輩なら薦めると思いますけれど。
  知的財産については、弁理士よりもやはり弁護士の方が訴訟など幅広い面に携われるますので、より多くの相談に乗れるではないかなと思っています。理系から弁理士になるというのはわりとよくある方法ではないかと思いますが、理系から弁護士になるというのはまだ少ないと思いますので、今までないところをやれるということに興味がありました。

【大峰氏】
   私も同じく、端的に申しますと薦めません。現状の合格率ではリスクが高過ぎるので、特に仕事を持っている方に相談されても、今は待て、5年待てと言います。ちなみに私は弁理士なのですが、弁理士と弁護士では行える業務範囲が全然が違いますので、その業務範囲を広げるために今回司法試験を受けました。

【田中座長】 
  いろいろお伺いしたところですが、時間も超過しましたので、これで終わりたいと思います。貴重なご意見をいろいろといただきまして、どうもありがとうございました。本日のヒアリングや前回の委員の方々のご意見を踏まえまして、今後、法科大学院教育と司法試験の連携のあり方について関係者とも意思疎通を図っていきたいと思います。それでは次に、第2ワーキンググループ主査の磯村委員より、共通的な到達目標の検討状況について報告していただきたいと思います。

【磯村委員】
   ごく簡単にお伝えしたいと思いますが、法科大学院における学習到達目標といういうことで、それぞれの系統において、試験については、ほぼ試案が出そろい、民事系についても民事訴訟法と商法についてはほぼ出そろっている状況です。民法の研究班についてはやや遅れておるのですが、各系の中の各科目の事項がそれぞれ300から400ぐらいですが、商法と民法については分野の性質上、事項がかなり多く、800から1,000ぐらいになるというように予想しています。この各系統の案がとりまとめられたところで、基本的な検討事項をいろいろ練る必要があります。それが終わった段階で第1試案を関係機関に送付して、いろいろご意見をちょうだいし、1月ないし2月の段階でそれをとりまとめて、3月末に、法科大学院協会のカリキュラム等検討委員会にも協力、ご検討いただいた上で共同のシンポジウムを開催するという運びでおります。

【田中座長】 
  ありがとうございました。何かご意見、ご質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
  それでは事務局から何か報告事項はありますか。

【浅野専門職大学院室長】
   認証評価について、いろいろご検討をいただいたところでございますが、11月に開催される大学分科会で、井上委員から検討の状況についても報告させていただきたいと思っております。
   また、次回の特別委員会は12月3日木曜日、18時から20時の開催を予定しております。詳細につきましては改めてご案内をさせていただきます。

【田中座長】 
  本日はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

 

 

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