法科大学院特別委員会(第6回) 議事録

1.日時

平成17年11月8日(火曜日) 10時30分~12時30分

2.場所

国立情報学研究所1208室(学術総合センター・12階)

3.議題

  1. 法科大学院の教育水準の確保等について
  2. その他

4.出席者

委員

 木村委員(座長代理)
臨時委員
 田中委員(座長)
専門委員
 井上宏委員、井上正仁委員、小幡委員、鎌田委員、川端委員、川村委員、小島委員、瀬戸委員、永田委員、中谷委員、平良木委員、山中委員

文部科学省

 小田総括審議官、徳永高等教育局担当審議官、泉高等教育局担当審議官、浅田専門教育課長、長谷川専門職大学院室長、後藤専門教育課課長補佐 他

5.議事録

 事務局より、前回までに紹介された主な取組みや意見等について資料に基づき説明が行われた後、今後更に検討していくことが必要な課題等について意見交換が行われた。
 (委員:○、事務局:●)

委員
 資料4の3頁中に「法学未修者への配慮として、例えば2年次の教育は法学未修者(2年目)と法学既修者(1年目)の法律知識に開きがあることを踏まえ、クラス編成や指導方法を工夫することが考えられる。」とあるが、本学では、法学既修者を100人程度とする予定であったが、法学部出身者或いは既に短答式試験に何回か通ったことがある者まで法学既修認定試験に合格できずに法学未修者クラスに入っている。元々、基本的には法学未修者と法学既修者を混在させる方針であり、専ら法学ばかり学習してきた者が、異なる分野の話題や社会人の様々な経験を聞くことで刺激を受けて勉強しているなど、非常に良い成果も上がっている。法学未修者に対する手当ても重要だが、本学では今のところ混在させることのメリットが非常に大きいと感じている。

委員
 制度設計の段階で、法学既修者認定が各法科大学院に委ねられたので、認定方法は各大学で異なり、全体としてこのままで良いのか、あるいはある程度法律的な方向付けをした方がよいのかということも、今意見のあった法学未修者と法学既修者を別々に教育するか、または混在させて教育するかということに関連して、大きな課題である。

委員
 1年次の法学未修者クラスでも実質的には法学既修者である者と純粋未修者の2クラスに分けている大学もあると聞くが、それは制度設計時に目指している融合型教育とは異なるのではないか。但し、現実に現場で教育すると、1年間だけではなかなか2年次に法学既修者とともに学ぶのは難しい。知識の問題だけではないが、法学未修者からスタートして1年半ほど経過した頃が法学既修者に追いついてくる時期だと思う。最初に制度設計した際、2年次からの融合が望ましいとしたが、本当にそうであるかはやはり現実を踏まえてもう一度見直さなければならないのではないか。融合型教育のプラス面も生かしながら、現実を踏まえたシステムを工夫する必要があると思う。

委員
 入学者の能力の問題として、早く目標に到達出来る学生と出来ない学生がどの程度分布しているかによって教育方法が変わってくるのではないか。法学未修者を教えている中で感じることは、能力が高い学生を受け入れることができた大学は、基礎に時間を掛けずに済むが、学生の能力が低い大学は基礎を丁寧に教育しなければならない。そう考えると、本当は融合型が良いのだが、本学では相当検討を重ねた結果、法学未修者として入学した者を法学部出身者と純粋未修者に分けて教育し、そして2年次で一緒に教育するという方法を採用したが、やはり難しい問題である。

委員
 どちらが良いかは一度やってみないと分からないのではないか。逆に色々な考え方があり、実質法学既修の学生が法学未修者として入学した場合と、法学既修者として入学した場合では、結果は大分異なるのではないか。この両者の違いを残した方が良いのか、或いは融合させて教育した方が良いのか、そういったことも何年か試行錯誤しなければ結果は出ないだろう。

委員
 本学では法学未修者の入学者選抜の際に、意識的に純粋未修者を選抜しているが、伸びる学生は本当に1年で成績が伸びるので、匿名で採点するとどちらが法学未修者か法学既修者かわからない。むしろ成績が良いのは法学未修者の上位者の方であるという事実もある。しかし法学未修者全体の成績にはばらつきがあり、また授業に付いていけない学生もおり、学生側もかなり不安を感じているので、1年間だけでなくもう半年ほど法学未修者を教育したいと思っている。

委員
 本学も2年次から法学未修者と法学既修者を一緒に教育をしている。今年の春学期の成績では、成績最上位層は法学既修者だったが、その次の上位層は法学未修者がかなりの割合で占めており、逆に成績最下位層になるとまた法学既修者がいる状況である。もう少し細かく分析すると、憲法、民法、刑法の3科目に関しては確かに法学未修者と法学既修者の差があるが、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法にはほとんど差がない。むしろ法学未修者が自信を持っている状況であり、本学の教員からは現状の体制に特段異論が出ていない。

委員
 科目によって大分違いがあり、少人数の演習になると基本的には法学未修・既修は関係がなくなるが、段階的にきちんと教育しなれければならない科目は多少制度的にも整備する必要があるかもしれない。この問題についても、本委員会で各大学での実情を検討していきたいと思う。

委員
 現在は大学の取組も教員も学生も皆過渡期にあるが、この過渡期の経験を絶対視せず、段階的な配慮をしつつ議論をしていくことが、将来における法科大学院制度の発展に繋がっていくと思う。
 現状評価に当たっても、1年生の中での純粋未修かどうかという問題と、2年生での法学既修者と法学未修者の教育問題が混在しているので、整理して議論しなければ、混乱を招き、結論を誤る危険性がある。その際、学生の能力との関係も冷静に考えていくことも必要である。また、各大学とも現状認識や対策等の方策も異なるので、これを前提としつつ、関係者の意見にも留意して議論を進めていかなければならない。これとともに、法科大学院は制度設計時に完成したのではなく、段階を経て完全なものになっていくものであり、将来の見通しをきちんと持っておくことも重要である。これを見誤ると、これだけの良い制度が日本の社会に創設され、肯定的に評価され、若い指導者も増えたにも関わらず、それが崩れてしまう。

委員
 確かに今は過渡期ではあるが、多様なバックグラウンドを有し、法曹に適した学生の受け入れは、適性試験も含めた入学者選抜、法科大学院での教育、そして司法試験の段階までの長期的期間を連動させて考える必要がある。

委員
 厳格な成績評価と修了認定の問題については、各大学の仕組みを見ると、例えば、成績評価をA、B、C、Dとし、D評価を不可とする場合、一応区分をして成績評価することが示されてはいるが、D評価については追試験をした上で再び学生を合格させる例もある。ここで追試験の是非について議論になるが、D評価を付けた時点でたまたま力不足で不合格であっても、再度勉強をした上での力を測る追試験はそれ程悪い制度ではないと思う。
 ただ、厳格な成績評価という限りは、一定層は落ちることが当然の前提であろうと考えた際に、我々の教育方法や理念はやはり皆合格できるよう力を引き上げる努力をするのが基本にあるのだから、最初から無理にD評価の割合を設定することはやはり教育上好ましくない。。法律の力は積み重ねが大事であり、特定の科目の出来不出来を比べても意味がなく、一年間を通して力がなければ進級させない、或いは退学をさせる形が教育の在り方としては一番好ましいのではないか。各科目に試験を課しながら、さらに進級試験を課すことは妥当であり、最終的には修了試験の形で評価してもよいと思う。個々の科目の成績評価の厳格さを強調することはかえって教育を損なう可能性があるので、将来的の方向として、GPAを導入してトータルとして評価することを明確にとっていく方がよいのではないかと思う。

委員
 一部には厳格な成績評価が行われていない大学もある。やはり厳格な成績評価についての最低限のルールを明らかにした方が良いのではないか。

委員
 本委員会で個々の大学について述べるのは適当ではないが、今指摘された点も含め、厳格な成績評価については各方面から全般的な論点として幾つか出てきている。実際に甘い成績評価をしている大学もあり、制度全体として検討する必要があると思う。

委員
 本学は進級制を採用しているが、GPAは採用せず、最後に本格的な修了試験を予定している。しかし修了試験が行き過ぎると、単位も修得しているにも関わらず卒業が出来ない医学部のようになり兼ねないので非常に懸念している。

委員
 厳格な成績評価と修了認定に関しては、大学設置・学校法人審議会の年次計画履行状況調査における調査の観点でもある、明確な基準を設定すること、設定した基準を開示すること、基準に従って適正に評価すること、が重要であるが、もう一つのルールとして、成績分布表を作成し、自分たちが入学させ、修了させる学生のレベルから考えて分布結果は適切であるか、また、評価基準・評価方法は適切であるかを再検証することが必要である。

委員
 成績評価の問題は難しく、各法科大学院内でもどのように成績評価をするかについては教員ごとに様々な意見がある。この点は各法科大学院の教育目標の設定に関連する問題であるが、FD(ファカルティ・ディベロップメント)等で教員間で成績評価の考え方について共通認識を持たなければ学生の達したレベルを適切に判断できない。成績評価の方法については集中的に議論すべきではないか。

委員
 その点について、本学は設置当初から教員間で情報交換会を実施しているが、以前の情報交換会で、成績評価を科目及び教員名を出した上でグラフや分布図にし、教員全員で議論をしたところ、かなり評価の偏っている科目あるいは教員がいた。ゼミについても、従来の学部では出席した以上は評価していたが、今年から法科大学院では成績評価するようにしている。不可については絶対評価としており、割合は決めていないが、見込みのない学生は落第させている。これについても落第者数が開示されているが、評価は教員によって幅がある。そのような評価の中で、教員間で情報が共有されていき、評価も大分平準化されていくのではないか。その際に、どのような基準で成績評価するのかも突っ込んで議論すればよいと思っている。

委員
 法律基本科目については段階的な評価がなされているようだが、各大学によっては、演習や法律実務基礎科目については単純に合格か不合格かだけの評価をしている大学もあるようだ。その点についても大学間でかなりばらつきがある。

委員
 科目の性質を考えると、合格か不合格かのみを評価する科目があって良いと思う。その方が、学生が一生懸命課題に取り組み、その実績を学生自身が自分の目線で見ることで大きな力となる面がある。しかし、司法試験の圧力の中では本来の成績評価の在り方が歪んでくる危険もある。

委員
 確かに演習については、他の授業の予修・復習もある中で、出席すること自体を積極的に評価する教員もいるが、それが良い方向に働いている場合もある。しかし一方で、出席さえすれば単位がもらえる形にもなってしまい、なかなか難しい。

委員
 制度設計時の想定とは状況が変化し、例えば学生が展開・先端科目を履修しにくい中で、司法制度改革審議会意見を基本に据えて、展開・先端科目に力を入れるためにはどのような方策が取り得るのか。また、各教員から意見を聞くと、授業時間が足りず、単位を増やして欲しいとの声があるが、単位数の議論はしなくてよいのか。

委員
 経緯から言えば、法科大学院の修了要件は、最初は120単位程の単位を元に議論していたのだが、結局現在の単位数に落ち着いた。しかし、実際には各科目の担当教員から不安の声が出ており、各大学では各教員が我慢しながら授業を工夫しているようだ。制度の背後にある部分については、個々の法科大学院が実際の教育の中で調整していかざるを得ない。法律実務基礎科目については、基本的な方向としてはもう少し単位を増やす、としているが、それも本当にそれで良いのか疑問がある。ただ、理論と実務の架橋という大きな方針の中で、法律基本科目、法律実務基礎科目、展開・先端科目、基礎法学・隣接科目等の体系的なカリキュラムについては適宜見直す必要はあるが、今はまだ過渡期であり、その時期ではない。

委員
 法科大学院制度は始まったばかりであり、第三者評価も本格的に始まっていない。展開・先端科目や基礎法学・隣接科目に法律基本科目に該当する内容の科目を組み込んだ場合でも、第三者評価で厳しい評価が下されるように、制度的に抑止する手段を組み込んでいる。単位数の問題については、様々な議論があって今の制度に落ち着いたのだが、実際に運用する中で見直すことになっていると思うので、絶対的に正しいという証明はない。しかし、過渡期である現在の状況を前提に制度を変えるのは、改悪になる可能性が高い。制度を再検証して次の段階に進むには時期尚早だろう。今は頑張りどころである。

委員
 現在のカリキュラムの単位数を考えると、多過ぎるとの考え方も当然あり得る。現状で単位数を増やせば、展開・先端科目を当然圧迫してしまうが、目指す法科大学院教育は、予備校的な知識偏重や司法試験のための教育ではなく、展開・先端科目や基礎法学・隣接科目を充実させることが目的のはずであり、その実現が今後問われる大きな課題である。しかし、現在の法学既修者には現行司法試験受験経験者が多く、どうしても予備校的な教育を望む傾向が強いので、実際の教育と理念とのズレが生じつつある。一歩間違えばどんどん引きずり込まれてしまうが、予備校とは異なり、法科大学院では事例分析力や論理的思考力、コミュニケーション能力を高める教育を目指しており、それを学生もきちんと認識できた時点が、充実した新しい教育の出発点になろうかと思う。

委員
 学生の要望は教員に非常に強い圧力を与えるが、学生の要望に応えることが必ずしも良い結果を生まない場合もある。個々の教員も大学全体も、余り過剰反応せず、学生からの評価を客観的に受け止め、内容を検討した上で、要望に応じられない場合でも、学生に理由を示し、学生自身に再度判断させることもプロセス教育としては重要である。

委員
 教員組織に関連して、教員側には学生の要求に対応する見識の問題がある。学生側の能力の問題もあるが、やはり教員側の姿勢や力量が法科大学院の評価に大きな影響を及ぼしている。現在の教員は設置認可時の教員審査を通った者であるが、完成年度後に教員審査がなくなることも含め、今後法科大学院においては、学生の評価に迎合するだけでなく、法曹養成に対する明確な視点を持ち、かつ各分野について学問的評価があり、実務見識もある教員をどう確保するかが大きな問題である。

委員
 学生アンケートは恐らく法科大学院で初めて全面的に展開されているのではないか。確かに学生からは司法試験に対応した教育をして欲しい、または法曹倫理の授業は必要ない、といった法科大学院の趣旨にそぐわない意見もある。しかし、第三者評価の関係で、相当数の法科大学院の学生アンケートを見たが、一般的に一期生は非常に能力の高い社会的経験者が様々な大学に入学したせいか、教員の実際の授業や能力に対して、的確かつ厳しく評価している。もちろん間違った評価もあるが、学生アンケートは非常に大事な道具として今後も使うべきではないか。その際、学生アンケートの活用については、例えばアンケートはしているものの、評価結果を各教員に流す程度で、その後の改善に繋がっていないなど、不十分な大学が多い。やはり各教員が学生に対し、不適当な評価に対しては反論をし、適当と思われる評価については反省する等の反応を返し、かつ教員全体でそのような評価に対してどう改善すべきかを組織的に検討する体制に繋げていかなければならないと思う。

委員
 教育内容や方法については各教員がそれぞれ創意工夫しており、組織として一定の方向を打ち出すことは、大学の本質と関連して微妙な問題であるが、それを生かす工夫が求められている。
 学生アンケートについては慎重な扱いが必要で、本学では数値的なデータは全教員で共有するが、個々の教員に関する自由記載の箇所はその教員と法科大学院長のみが目を通し、その上で取り上げるべきものは、一般化した形にして教員同士で議論することでFD(ファカルティ・ディベロップメント)に結び付けている。

委員
 学生アンケートの中でも、シラバス通りに授業が進まないといった評価については、教員もしっかり対応するべきである。私も非常勤講師として学生アンケートを受けたが、非常に参考になった。

委員
 的外れな評価があるのは事実だが、我々は学生アンケートに対して真摯に対応すべきであり、そこからのフィードバックなくして教員の成長はあり得ないが、傾聴すべき評価をどう生かすかが問題で、意見交換のプロセスを経て意見の一致を図っていく必要がある。
 米国で初めてケースメソッドを行った教員は、当初は非常に非難され、四面楚歌であったが、数年後2、3人の若い助教授が同調し、さらに数年後所属大学全体に広がったという。教員各々の見識と情熱がなければ改革は有り得ない。そのような根源的な部分を絶対なものとして共有した上で、学生の意見を十分に聞くことが大切である。

委員
 厳格な成績評価と修了認定に関して、成績評価基準や評価方式の事前周知等の問題があるが、その関係において、成績分布図を初めとした結果の公表や情報開示といった問題の検討も重要であり、明示することが必要ではないか。

委員
 それは設置審の年次計画履行状況調査の中でかなり重点的に検討している問題であるので、何か問題点が出た時点でまた議論したい。

委員
 FD(ファカルティ・ディベロップメント)については各大学で様々な方法がある。今行われている第三者評価では、FD(ファカルティ・ディベロップメント)について非常に細かい評価点があり、むしろ行き過ぎの感もあるが、法科大学院では、授業参観や科目ごとの成績分布を全教員に公表する等、従来では考えられなかったことが行われている。各教員は各々の意志や自信を持って教育しており、組織としてどう運営するかは各大学が自覚しているはずである。第三者評価をすると、一部の上層部の教員が必死にFD(ファカルティ・ディベロップメント)を実施しているが、教員全員が付いてきているかは疑問ということがよくある。形式を求め過ぎると、会議等を開催すればそれで良しとなってしまうので実質的な結果が必要である。そのような気運を醸成すれば、教員が各々頑張り、結果的には学生も満足するので、各大学それぞれに工夫していくことが大切である。
 エクスターンシップについては、各大学とも今年度から本格的に実施し出し、試行錯誤しつつ終えたところだが、弁護士事務所から、法科大学院生は身分が不安定である、どの程度実習させてよいかわからない、との声があるので、この問題は法科大学院全体として取り組む必要があるのではないか。また、エクスターンシップは段階的な成績を付けにくい典型的な科目であり、合格か不合格かの評価だけでもやむを得ないと思う。

委員
 本学では、例えば財産法の授業は学部では120回程度で行い、法科大学院では75回で行っているが、講義・演習・総合演習の各段階でどの程度教育するか、しっかりと計画を立てれば75回の授業で力を付けることは可能だと思う。教員や学生からは75回では足りないと言われるかもしれないが、それは従来の法学部教育の方法や、現行司法試験の勉強に慣れているからであり、そうした声に従って各自が必要な単位数を積み上げていくと、法科大学院の教育の趣旨から離れてしまう。非常に窮屈かもしれないが、ここはやはり踏ん張りどころである。今2年目の後期に入り、実験的に仕組みを考えていかなければならない。

事務局
 確かに今回初めて法科大学院でFD(ファカルティ・ディベロップメント)を義務付けており、昨年の年次計画履行状況調査の大学に対する指摘事項の中でも、FD(ファカルティ・ディベロップメント)に関する指摘事項が一番多かった。その一方で、様々なところで話を伺うと、教えるべきことが山程あるのにも関わらず、時間不足だとの声があるが、それ自体法科大学院教育の中身をやや誤解されている気がする。
 FD(ファカルティ・ディベロップメント)については、趣旨や目的を確認し、統一的に意識を共有していくことが必要であり、この点については今後しっかり議論していかなければならない。

委員
 法科大学院での教育において、どの程度実務と関わりを持たせるかという問題は、まさに教育理念と制度の全体設計の中での法学教育の果たすべき役割から認定されるものであり、必要だから単位を増やすという発想では、大学院教育そのものが崩壊してしまう。

委員
 本日の議論を踏まえて、今後の検討課題について整理し、議論を進めていきたい。カリキュラムの問題については、法科大学院協会で非常に詳細なアンケート調査を実施しているので、その結果を、取りまとめの進捗状況に応じ随時本委員会で御紹介いただき、これまでの報告や意見とも突き合わせながら、カリキュラムの状況について御議論いただくことも考えている。また、基礎法学・隣接科目や展開・先端科目についても、実際教えている教員にお越しいただいてお話を伺うことも考えたい。

6.次回の日程

 次回の日程は、12月中を目途に、改めて調整をすることとなった。

お問合せ先

高等教育局専門教育課