法科大学院特別委員会(第23回) 議事録

1.日時

平成20年9月5日(金曜日) 15時~17時

2.場所

文部科学省 東館3階 3F2特別会議室

3.議題

  1. ワーキンググループの検討結果について
  2. 教育体制の充実について
  3. その他

4.出席者

委員

臨時委員
 田中委員(座長)、木村委員(座長代理)
専門委員
 磯村委員、井上委員、小幡委員、小山委員、鎌田委員、川端委員、川村委員、小島委員、中谷委員、永田委員、林委員、諸石委員、山中委員

文部科学省

 久保高等教育局審議官、藤原専門教育課長、浅野専門職大学院室長、神田専門教育課課長補佐

5.議事録

 事務局より配付資料の説明後、委員よりワーキンググループの検討結果及び司法試験について報告が行われた後、意見交換が行われた。

第1WGの検討結果について

【委員】
 1の競争性の確保については、法科大学院初年度には相当の競争率があったが、入学志願者の飛躍的増加はない中で、質の高い入学者を確保するため、定員の見直しなど環境を整える必要がある。
 2の適性試験の改善については、適性試験は法科大学院ごとに利用の仕方は区々だが、有効かつ適切に利用されるように、適切な改善が図られる必要がある。また、(2)の指摘のとおり、可能であれば、統一的な入学最低基準を設定すべき。統一化の観点から、現在ある2種類の適性試験は1つの方が望ましい。出題内容の改善も検討していく必要がある。既修者認定についても水準の確保を徹底することが望ましいが、今後検討を継続していく必要がある。
 3の多様な人材の確保については、社会人入学希望者、法学部以外の希望者の比率が相対的に低下している。今後飛躍的に増大することは望みにくい中で、入りやすい環境を作るための努力が望まれる。雇用者側にも働きかけをして適切な対応を求めていく。働きながら法科大学院に通う環境の整備が重要。

第2WGの検討結果について

【委員】
 2pの一番下が大きな出発点。司法試験の考査委員にヒアリングした結果をまとめた。一部に基礎的な理解や思考能力が十分身についていない者がおり、法科大学院の担うべき法律実務基礎教育の内容について、法科大学院に共通の理解があるわけではない中で、ばらつきがあるとの指摘がある。
 共通的な到達目標を設定することと、教育内容の充実と厳格な修了認定をどう設定するか、この2つが検討課題。
 1つ目について、資料3の1の(1)到達目標の目的は、法科大学院に共通して、修了者であれば共通に備えておくべき能力は何かを明らかにする、それにより、本来必要な部分が身についていないというような学習の偏りが無いようにする、その結果、一層の改善をはかる、これが目的である。
 (2)特に留意すべき事項、共通の枠組みを考えると、かえって法科大学院の教育内容を縛ることになりかねない、それには十分に配慮し、多様性と裁量の確保を図る。例えば民法・刑法、共通の到達目標をこえた最先端の議論については法科大学院ごとに判断する。また例えば、国際的な法曹養成に重点を置く法科大学院ではそれに応じた授業を行う。各法科大学院による創意工夫を尊重することが重要になると思う。裁量を重視することから、授業をどのように構成して行うかについては、干渉する機能をもってはならない、ということに留意する必要がある。また、共通的な到達目標を設定する際に、知識偏重型にならないように。
 (3)共通的な到達目標のもつ性質は、各法科大学院がデファクト・スタンダードを定めるもので、授業のやり方をどうこう言うのではなく、トータルとして法科大学院修了時にどこまで共通に問題を理解しているかが重要。共通的な目標を達成すれば事足りるわけではない。
 (4)到達目標は、共通に期待されるものとして法律基本科目と法律実務基礎科目について設定。3が具体的な定め方の例。趣旨内容を理解し、具体的に事件にあてはめていくこと。主要な判例・学説というときに、個々の判例等を知っていることではなく、全体としての体系を意識していることが重要。
 (5)ミニマムスタンダードという性質。各法科大学院が創意工夫を加えることにより、それぞれの法科大学院が到達目標を設定することになる。
 (6)細かく書くと知識ベースだし、抽象的に定めても意味がない、可能な範囲で具体的な項目を定めて明確化する。
 (7)到達目標達成の評価はまだ十分に検討が詰められていないが、各法科大学院の単位認定、修了認定のなかでどう評価するか。認証評価でどう活用するか、厳格評価するシステムの在り方も検討する必要がある。
 次に、二つ目の検討課題について。
 (1)ある意味当然のことだが、各科目のバランスに配慮しつつ、法律基本科目の基礎的な学修を確保することが必要。
 (2)法律実務基礎科目についても同じことが言える。現在の配当年次についてどう考えるかも検討が必要。
 (3)下の黒ポチ最初のところ、未修者1年を対象とする法律基本科目を中心とする教育では、現在の単位設定では十分でないのではとの懸念も一部で示されている。未修者は1年次にどういうことを学ぶか現在の学習内容がそのまま維持できるかどうか弾力的な取り扱いを認めて良いかの検討も必要。
 (4)厳格な成績評価、相対か絶対かを問わず、厳格な評価は必要。
 (5)個別的な問題でもあるが再試験制度がある。一旦不合格になったものに再度救済の道を与えることになっていないか、適切な運用が必要。
 (6)未修者に法律基本科目の基礎的学力が備わっていることは展開先端を学ぶ上でも重要
 (7)厳格な判定が必要。認証評価においても考慮されるべき。

司法試験について

【委員】
 合格率が平均より20ポイント以上低い法科大学院が増えているのではないか。今年の司法試験の分析を加えれば、このような傾向が固定化しているか分かってくるかもしれない。法科大学院を評価する指標として、司法試験の合格率も取り入れていかなければならないのではないか。司法試験自体は、法科大学院の教育を踏まえたものになっているとの評価を教員からも得られており、法科大学院の学習で十分に合格できる内容になっている。法科大学院の成績と司法試験の合否との関係も、かなり相関関係があるのではないかと言われており、実際、司法試験の問題が、実務法曹に必要な能力を試す試験として、肯定的な評価を得られている。
 合格率を金科玉条のように言うと予備校化の問題があるが、合格率が著しく低い法科大学院については、教育内容や入学定員の見直しという方向に導いていく必要がある。法科大学院に入るには、時間、お金の負担があるが、その成果が他の法科大学院に比べ劣っているとすると、消費者保護の見地からも、問題無しとは言えないのではないか。

意見交換

【委員】
 第1WGにおける検討結果の「3.多様な人材の確保」で、今後社会人の入学志願者の飛躍的増加は期待できないとしているが、今求められているのは、各法科大学院が従来の一定割合の目標を維持するということか。それとも(4)から夜間大学院の話がでているが、夜間法科大学院などにおける新たな方策を期待するという趣旨か。

【委員】
 今後、期待できないというのは、社会人入学者の割合がやや右肩下りの傾向という事実認識を前提にしている。それでも30パーセント、25パーセントの入学希望者もいるので、今すぐ基準自体を見直すという議論ではない。ただ、相当の質を持った人を確保していけるのか懸念する声も聞かれる。単に数だけでなく、質の面も含め社会人が学習しやすい環境について、制度として検討していく必要がある。

【委員】
 司法試験委員会で質の保証について文部科学省と意見交換の場があり、第2WGについての説明の時、司法試験委員会側から、法律実務基礎科目について非常にばらつきがあるので、統一的なものを作ってもらいたいという話があった。それに対して、法律基本科目についてはコアカリキュラムの必要性を疑問視する意見が多かった。司法試験を縛るものでないという説明はあったが、現場の学生への影響を懸念する声もある。個人的な意見としては、資料3の(2)(3)(5)で法科大学院の授業を縛るものではないということが明確になっていて安心した。若干気になったのは(4)の3で到達目標の例があるが、例えば、この論点についてはこの判例、といった羅列をするようなものではないとのことだが、この趣旨はそのとおりでよいか。

【委員】
 その理解のとおり。主要な判例というとき、個々の判例ということではなく、裁判例の大きな流れ、学説の流れを理解しているかということ。

【委員】
 日弁連が到達目標についての提言をまとめた。到達目標を示すことと、それをどういう方法で学ばせるかは教員の自由裁量に任せる。これを決めないと、法科大学院、新司法試験、実務修習の繋がりがうまくいかないことになってしまう。新司法試験との問題では、全くの未修者が3年で到達できる水準をふまえた出題が必要。全くの法学未修者で多様なバックグランドをもった人を教育するという目標を達成できなくなってしまう。ミニマムスタンダードもそのとおりで、教育に幅が出てくる。

【委員】
 資料3の最初の1.で、「設定する」の主体は、どこが設定すると考えるのか。(3)でデファクトスタンダードとあるが、どういう設定の主体、ルールとしての到達目標が考えられるのか。

【委員】
 WGの委員をベースにして実質的な研究班を作り、法科大学院協会の中で専門の委員会があるので連携して提案を作る。

【委員】
 共通目標の設定の方法で、作業はイメージ化されながら進んでいるのか。

【委員】
 例えば、到達目標で示される質・能力のうち、体系的な法的思考能力について言えば、ある条文と請求権競合にあることの意味をどう理解しているか、刑法の観念的競合を理解しているか、というところがそういう能力の実現に繋がるというイメージ。しかし、どこまで両者の間にアンビバレントな関係があるのか、詰めていった時にどうなるかは、研究班の課題として検討してもらう。

【委員】
 法律実務基礎科目も第2WGの課題となっているが、法科大学院教育の基本は法律基本科目であり、法律基本科目、展開先端科目の一部を実務にどういう形で応用していくかが、実務導入教育の一部を担うことになる。法律基本科目について、どういう共通の到達目標が設定されるのかを見ながら、法律実務科目について考えることになるのかと思う。日弁連の提言に書いてある内容はもっともだが、気になるのは知識と能力とあるところで、法科大学院で目指すのは、能力、法的にものを考える能力である。そこが、やや知識が前に出ているのが気になった。訴状の法律文書としての体裁、体裁のある文書を作ることが求められているわけではなく、訴状の機能、原告代理人としての考え方、スキル、というものを身につけることを求められている。

【委員】
 依頼者から話を聞いて何をどう書くか分かることが必要で、書式は書式集を見れば分かる。日弁連の提言で知識を挙げているのは、特に短答式で要求されている判例までの知識はいらない、ということをはっきりさせる到達目標を示す、という意味で知識を言っている。あれこれ必要だと言い出せば、共通の到達目標、ミニマムスタンダードとしては意味を成さない。

【委員】
 実務基礎科目については、技術的な訴状の書き方を教えているかを問題にする意見もあったが、それは法科大学院における実務基礎科目の本来の在り方ではない。むしろ、法律基本科目で理解したことを実際の場にあてはめることにどういう意味があるのかということを学ぶことが理解されてきた。次に実務基礎科目についての到達目標のあるべき姿について共通の認識が出来てきた。知識は、こういうことを知っているかを到達目標とするのではなく、このことについて趣旨を理解して自分の言葉で説明できる、という内容になるのではないか。

【委員】
 今の指摘のとおりで、法律基本科目のコアが決まって初めて法律実務基礎科目のコアを決めることができる。

【委員】
 共通到達目標の知識だが、日弁連の意見にもあるように、知識は最低限の範囲を確定する、ここまでを教えてここまで理解していればそれで足りる、ということは、司法試験の中で、それ以上の知識を要求するような出題はしないという繋がりになるのか。

【委員】
 ここまでは理解しておいてもらわないと困るというもので、司法試験の外枠を画すものではない。司法試験委員会で未来永劫的にここまで、と決めることもできないと思う。決めてしまったら、それすら覚え込めばいいわけで、法科大学院の趣旨を封殺することになる。

【委員】
 司法試験委員会と文科省の意見交換で、今回の到達目標については、新司法試験とは関係のないものとして位置づけるとの確認をとったうえで議論をしたという経過がある。

【事務局】
 今回議論している到達目標というのは、司法試験を画するものとしては議論していない。

【委員】
 知識ということの到達目標を示したら、それを覚え込んで終わりになるということではなく、そこから始まることになる。ある知識しか試さないことになればみんな満点をとるので、それを前提として、どう問題を分析し、新しい創造的なものの見方を示せるか、表現できるか、に試験の重点が移っていく、ということ。日弁連の提言もそういう意味で書かれているのだと思う。日本では、法的知識があまりに重視されすぎている。アメリカで、新人を使っているローファームにどういう能力が必要かを聞いたアンケートあるが、パートナーの回答はコミュニケーション能力とリサーチ能力、新人はコミュニケーション能力だった。日本での同じアンケートでは、新人もボス弁も法的知識と。日本では知識偏重だが、これは打破されるべき。ただ、そのためには、あまりにも広範な知識を丸暗記しなければいけないというイメージが蔓延しているのをおさえるために、錯誤について意思表示が無効になるのはどういう場合かは知識だが、具体的事案において説明できるかは知識を超えること。具体案を前にして議論しないと意味がない。

【委員】
 どういう場合に無効になるのかではなく、何故無効になるのかを答えられること。日弁連ペーパーの5番だが、実務に直結するかどうかでやってしまったら、法科大学院教育を封殺することになる。大きな制度趣旨や枠組みについて理解していることが必要。直結した知識などは陳腐化する。そのことをあえてわけて書いていること自体、見識がないのではないか。

【委員】
 資料4の質の高い教員の確保の関係で、教員審査の重点について、商法の教員審査で会社法と手形法の2つの領域について厳格な審査をした結果、手形法について問題が出てきている。商法の教員で手形法の業績のある人間が限られ、年齢と共に減ってきているので、研究業績ではなく学部等で教育実績があることに見直さなければ大変。民法の家族法との関係でも同じ問題がある。また、同じ資料の3pの4の(2)教員の教育能力についての厳格な評価については、何を想定しているのか。また、5の学生の授業評価について、学生はじめ学内外に公表されている例は限られている、とあるが、学生の授業評価をどう取り扱うかは微妙な問題があると一般的に言われている。改善につなげるには重要だが、個別技術のようなところを公表するのはとんでもないし、ベストティーチャーを選ぶという問題でもない。合格率の問題も、これだけが強調されると、医学部と同じように、指導ということで留年させる恐れがある。

【委員】
 第2WGのことが出たが、法律基本科目の到達目標をふまえた法律実務基礎科目の到達目標を定めるという方向性は必要だが、法科大学院教育の個性をどのように考えるかということもあるし、法律基本科目は、何をどこまで教えるかが明確でない部分がある。担い手である実務家教員の教育能力をどう確保するか。法科大学院の教育を担える実務家を、養成も含めて、どう確保していくのか、そのあたりも視野に入れてもらえればと思う。

【委員】
 論点整理(資料4)3の(2)、法科大学院独自で教員を構築できないなら、複数の法科大学院による連携型の教員養成システムの構築、とあるが、このような案がどこからでてきたのか。

【事務局】
 これは、調査の結果。博士課程のない法科大学院がある。

【委員】
 既存の法学研究科との連携をはかりながら良い仕組みを作ることはできる。

【委員】
 連携がある程度できていて、実績も出るのではないか、ということを中核としてという意味だと思う。理路整然と二つにわけて、法科大学院だけ集まっても仕方がない、ということではない。

【委員】
 一つの研究科で、博士課程に繋げるという理解もありうる。合格率を強調するとそれを唯一の価値基準とするようになるという問題点を懸念されていると思うが、極めて低い合格率であれば、定員の問題を考える契機になることは無視できない。しかし、合格率の高いところから1、2、3、4…とするのは配慮がない。修了者数と受験者数が大きく乖離するところはいっぱいある。その状態が続いているとすれば定員に問題がある。教育能力に照らして、定員を見直していくべき契機の一つの重要なファクターではある。

【委員】
 第2WG(資料3)の、3pに、8割とか7割5分の数値が出ているが、未修者は既修者とは違った特性がある。働いている学生が多いので、同じ数値で平均化すると、他の要素を無視した独特のインプリケーションを与えることになるので、数値を掲げるのであれば配慮を。もう一つ、第1WGで、近い将来飛躍的な改善が見込めないだろうというのがあったが、企業の様々な状況から社会変化、合格率、様々な要素で変化する可能性もあるので、表現として考慮しても良いのではないか。

【委員】
 志願者がもう来ないと自ら宣言している印象を受ける。受け取る側は、やはり法科大学院も法学部の上の組織だという印象を与えかねない。

【委員】
 放っておいて志願者が増えることはないので、それぞれの法科大学院で魅力的なものにするように工夫する必要があるし、これ以上合格率が低下することになれば、誰でも入学させ、誰でも修了認定を与えるのはやめるべき。放っていて増えることは考えにくいという趣旨である。

【委員】
 2pの3(3)、法科大学院でカリキュラムをあらためて・・・というのは相当数の法科大学院がカリキュラムを作り直している実情で、法学既修者で入ってきたときに、30単位が単位認定されてしまっている。そのような制度的なものをどの程度緩めることができるか。また、カリキュラムを開いても履修者がいない、司法試験の勉強に向いてしまうという問題もある。

【委員】
 司法試験の合格率だけを至上命題にして予備校化することは絶対に避けなければいけない。ただ、取りまとめをするときに何らかのかたちで司法試験の合格率を客観的な指標として取り入れてもらいたい。法科大学院は法曹養成のためにある。3回目の新司法試験の結果が出れば、精緻な分析もできると思う。

【委員】
 ここの場は、不適格な法科大学院を排除するための枠組みを検討する場ではない。

【委員】
 入学者修了者の質の保証をどのような観点からやっていくかという問題はある。

【委員】
 資料3の3p、8割、7割5分という数値、事実はそのとおりと認識。既修、未修共に修了率の問題をいうのか、7割5分を低すぎるというのか高すぎるというのか、厳格な修了認定をすれば修了率も下がっていくのが当然。日本の大学の問題は、修了率が異常に高すぎるというところにあった。半分、3分の1が卒業するのがあるべき姿という認識のもとにこの数字がでていくのか、それとも、この数字が正しいという意味でこの数字を理解するのか。一方で、厳格な修了認定ということでいえば、入ったからといって卒業できるかは別問題。

【委員】
 個々の数字は絶対的な修了率がどの程度であるべきか、ということとは全く独立した問題。仮に既修未修を分けるとその差が大きくなるということ。未修者の到達度が十分に達していないことを、数値が客観的に示しているという趣旨と理解されたい。

【委員】
 全体として修了率が7割5分だから問題である、ということでないような気がする。絶対水準として、7割5分の修了率は制度のひずみなのかあるべき姿なのか、という議論がされるのか。

【委員】
 どの大学も同じようにとはいかない。最初はスリム化していかなければいけない大学もある。初年度に関しては修了者が多すぎたことが問題になり、修了認定を厳格化するようになってきたというのが現状。受け控えが進んだことについて、本来修了させるべきではないというのかは、検証としては問題がある。

【委員】
 制度設計のとき、合格率を問題にするために、わざと修了させず学内滞留させるのではないかという問題があった。

【委員】
 滞留するのは授業料の問題もあり、修了して受け控えして準備する傾向がある。

【委員】
 未修者の場合、有職者率に相当差がある。有職者は転勤等の問題がある。

【委員】
 どの法科大学院も学業専念義務を負っているので、有職者が事情で授業を受け控える、転勤だから1年休学などとすると、ついて行けない。そういう人は、夜間とか長期履修制度を利用することになる。長期履修生は数値にはカウントされていないはず。

【委員】
 厳格な修了認定がされているという側面があると思う。しかし厳格な修了認定をされている人が32パーセントしか司法試験に合格できない、ということで、修了認定のレベルと試験で求められるレベルの両者の差は何かという検討は必要。留年者が増えれば増えるほど、定員があるので入学者は減らさなければいけない。

【委員】
 実力のある者に修了させて32パーセントしか受からないのは、合格人数が一定数に抑えられていることが問題ではないか。大学院の教育が悪いからということではない。

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