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大学院部会(委員懇談会) 議事録

1.日時

平成26年8月26日(火曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省 東館3階 3F1特別会議室

3.出席者

委員

(臨時委員)有信睦弘(部会長),川嶋太津夫,菱沼典子の各臨時委員
(専門委員)有川節夫,井上潔,加治佐哲也,篠原弘道,永里善彦,中村道治,堀切川一男,真壁利明,吉川裕美子の各専門委員

文部科学省

吉田高等教育局長,義本高等教育局審議官,藤原高等教育局私学部長,森高等教育企画課長,里見大学振興課長,田中高等教育政策室長,中野研究振興局学術企画室長,佐藤教員養成企画室長,猪股大学改革推進室長 白井大学振興課課長補佐 他

4.議事録

【有信部会長】
 それでは,所定の時刻を回りましたので,大学院部会の懇談会を開催いたします。

【猪股大学改革推進室長】
 本日は正委員,臨時委員の過半数に達しておりませんので,懇談会という形にさせていただいております。

【有信部会長】
 定員に達しないので懇談会ということのようです。申し訳ありません。
 それでは,前回から,ちょうど28年度に始まる次期の大学院教育振興施策要綱の策定に向けての議論を開始したところでありますけれども,今回の議論については,23年度に出しております答申のフォローアップを踏まえながら,今後の大学院教育の在り方について答申をまとめていくという形で議論を進めていければと思います。平成28年というのは,ちょうど第5期の科学技術基本計画が実行に移る年でもあり,国立大学にとっては,第3期の中期計画の開始年度になります。それから,実際には独立行政法人の通則法が変わって研究開発法人等々の組織見直しも含めて様々な諸制度の変更が進むという年でもありますので,その中で人材育成のコアとなる大学院教育の在り方についてきちんとした提言にまとめていければと思っております。
 後半の30分間では,その大学院の入学資格の,これも前回も多少紹介がありましたけれども,いわゆるK16という大学卒業までの16年間という規定を緩めるという話について議論をしていただきたいと思います。それからあとは教員養成課程の審議が別の会議で行われておりますが,その経過について報告を頂くということになっています。
 それではまず,事務局から人事異動について紹介をお願いします。

【猪股大学改革推進室長】
 7月25日付けで大臣官房審議官高等教育局担当として,義本審議官が着任しております。

【義本高等教育局審議官】
 義本でございます。よろしくお願いいたしたいと思います。ちょうど2年前まで企画課長をさせていただきまして,その前は大学振興課長という形で大学院の施策に関わらせていただきましたけれども,引き続き御指導いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【有信部会長】
 はい,どうもよろしくお願いします。
 それでは,事務局から配付資料の説明をお願いします。

【猪股大学改革推進室長】
 机上の議事次第の方に掲げられておりますとおり,配付資料は机上に御用意させていただいておりますが,御確認の上,抜けている資料などお気付きの点がありましたら,事務局までお知らせ願います。
 なお,資料1の議事録(案)につきましては,御意見があります場合には,9月9日火曜日までに事務局に御連絡をお願いいたします。
 以上でございます。

【有信部会長】
 それでは,資料については今のとおりでよろしくお願いします。
 それでは早速ですけれども,議題に入るということにさせていただければと思いますが,配付資料に沿って事務局から説明をまずお願いします。

【猪股大学改革推進室長】
 それでは,お手元の資料2の「今後の大学院教育の在り方に関する論点案」,そして委員の方々には机上にデータ集を御用意させていただきましたので,それをまずご覧になっていただいた後で,論点案をこちらからお示しさせていただければと思っております。
 まず,主要なデータをまず御紹介差し上げたいと思います。
 右下に枝番号でページ数を打っておりますが,1-2というグラフをご覧ください。1-2のグラフは,大学院,修士,博士,そして専門職大学院のトータルの人数の推移を昭和35年からの推移です。近年増えておりましたけれども,直近3年間は博士課程,修士課程ともに総在学者数は減っているという状況にございます。
 次に1-7でございます。1-7は修士課程,そして次の1-8が博士課程の人口100万人当たりの諸外国の学位取得者の比較でございます。どちらの数字も日本は諸外国に比べて人口当たりの学位取得者数が相変わらず低いというデータです。
 少し飛びまして,1-14をご覧ください。博士課程の入学者の分野別に見た競争倍率でございます。1倍を切っている分野がかなりの数見られるというところでございます。
 次に1-16でございます。博士課程入学者の定員充足率の状況ですが,博士課程につきましては全体的に低下傾向にございます。
 1-18でございます。これは学長又は部局長,そして研究者を対象に行っているNISTEPの意識調査でございますが,現状として,望ましい能力を持つ人材が博士課程後期を目指しているかという問いに対しまして,「不十分」と「強い認識」が示されております。これは全調査項目の中で2年前と比べて最も改善がされていない項目とのことです。また,望ましい能力を持つ人材が博士課程後期を目指すための環境整備が行われているか,また,多様なキャリアパスを選択できるような環境がなされているかについても,曇り・雨マークが付いているという結果になっております。
 次に,1-19から,分野別に修士,博士課程の入学定員充足率を推計したものでございます。人文社会,工学の博士課程, 1-21の農学の博士課程といったようなところが入学定員の充足率が十分に満たされていないという状況になっております。
 1-23は修士課程における専攻別に見た入学者数の分布になります。入学者数が1人もいなかった,又は1人,2人,3人,4人といった非常に小規模な専攻がかなりの数を占めていまして,特に私立大学にその傾向はございます。1-24から25に分野別に見た分析も載せてございます。
 1-26は博士課程で見た入学者数の分布でございますが,入学者がゼロの専攻が私立大学で396専攻もあるというような状況でございます。その後に分野別に分析しております。
 2-10は前回,委員から,諸外国と比較した留学生の受け入れ状況が分からないかという御質問がございましたので調べましたところ,日本の博士の留学者あるいは留学生の受け入れ割合は,OECD平均並みという現状でございます。
 それから,3-5は年齢層別に見た大学の本務教員の構成比率の推移でございます。60歳以上が増加傾向にある一方,25歳から39歳までの若手の本務教員の割合はずっと減少傾向にあるということが分かります。
 次に3-9でございます。前回の大学院部会におきまして,任期付き特任教員の割合について御質問がございました。今この黄色い線が任期付き教員の割合でございます。助教になりますと,約半数が任期付きとなっております。
 次に3-10でございます。前回,委員から,大学教員になる方の前歴が非常に多様化しているのではないかという御指摘がありました。採用・転任前の職業を調べたところ,大学教員以外の民間企業又は外の研究所,又は臨床医から大学教員になる方もかなりいらっしゃって多様化していることが分かります。
 3-15では,大学教員の総職務時間と活動内容の変化のデータです。平成13年度から平成19年の7年間で,研究活動時間が減り,教育活動時間と学内事務に要する時間が増え,結果として総職務時間が増えて忙しくなっているということが分かります。
 4-2からは3つのポリシー,カリキュラムポリシー,アドミッションポリシー,ディプロマポリシーといった3つのポリシーを定め,かつ公表している状況ですが,いずれも7割程度の実施状況になっております。
 続きまして,4-111は,学生アンケートの結果ですが,博士課程で身に付けたい能力と,結果として身に付いたと自分で思っている能力とのギャップを見たグラフでございます。「専門知識・技術を様々な問題に活用できる専門応用能力」の点がギャップが大きいということが分かります。
 4-12は,大学院在籍時の民間企業との共同研究の実施状況についてです。民間企業との共同研究をしたことがある割合を分野別に見ると,工学は非常に高く,理学,人社の分野は低くなっております。また,民間企業も医薬品,化粧品といった化学系,生命系の分野の共同研究が多く見られます。
 次に5-3でございます。修士課程修了者が博士課程に進学している割合が減少傾向にあるということが分かります。
 続きまして5-11は前回委員から,博士課程修了者のうち大学,高専に就職している者の中で特任や任期付割合について御質問がございました。分析したところ,非正規雇用が占める割合は約4割でございました。
 ちょっと飛びまして5-14は博士課程修了者,年間1万5,892名出ておりますけれども,1歳刻みで教員のポジションの数を比べてみましたところ,40歳時点で大学教員の数は,特任も含めて5,000人程度でございます。分野を問わず全体として見ますと,博士課程修了者のうち大学教員ポストが期待できるのは,約3人に1人に過ぎない,これを前提に博士課程教育を考えていかなければならないということが見えてまいります。
 次の5-15からは,分野別に分析しておりますので,ご覧いただければと思います。
 飛びまして5-20は,前回の大学院部会でもかなり御議論があったところでございますが,民間企業が博士課程修了者を研究開発者として採用しない理由を分析した結果でございます。企業ではすぐ活用できないとか,社内の研究者の能力を高める方が効果的というような答えが多くなっております。
 続いて6-2はポストドクター,博士号を取ってから任期付の研究員になった方の分野別の割合を出しております。理学が3割,工学が2割ちょっとというような割合になっておりまして,経年変化で見ますと,理学の割合が増え工学が減っているという状況です。
 また,6-4は,ポストドクターの方々の雇用財源別の割合ですけれども,42%がいわゆる競争的資金で雇用されているポストドクターとなっています。
 6-7は,ポストドクターの分野別割合を第2期科学技術基本計画の重点分野別に見たもので,ライフサイエンス分野が4割近くを占めています
 7-3は博士課程学生が論文の筆頭著者として関与している割合でございます。通常群でも25%,また,引用度が高い論文の産出群においても2割が,学生が筆頭著者として執筆した論文であるということで,博士課程学生は,学部生のような教育を受けるだけの存在ではなく,研究力の一翼を担っているということが分かります。
 7-4は,博士課程学生の経済的支援の状況です。生活費相当の年間180万円以上を受給している者の割合は,10.2%,内訳としては特別研究員事業(DC)が最も多くなっています。
 7-10は,博士課程進学を真剣に検討したことがある方対象のアンケートによれば,重要と考える条件は経済的支援が拡充するか,民間企業における雇用が増加するのか,アカデミックポストへの就職する可能性が広がるのかというような点が進学条件として重視されていることが分かります。
 7-14はアメリカにおける理工系の大学院生に対する経済的支援の状況でございます。授業料プラス生活費相当支援を,貸与ではなく給付として受給している学生の割合は約4割に達しているということが分かります。
 7-15はアメリカにおいて学位別にフルタイム雇用者の平均年収を比べたものでございます。ドクターが高い報酬を受けていることがデータ上も分かっております。
10-1でございます。文科省では,平成14年の21世紀COEより,競争的な補助金により大学院改革を推進していますが,近年補助額が低下傾向にあるという課題ございます。
 少し飛びまして,11-1には世界大学ランキングを掲載しております。Times Higher Education World University Rankings 2013では東京大学が23位,東北大学が150位という状況でございます。また,これを分野別に見ますと,教育,研究,論文引用のいずれの指標においても我が国は厳しい状況にあることが明らかになっております。
 以上,駆け足でございましたが,データの御紹介でございました。
 続きまして資料2をご覧ください。このようなエビデンスを踏まえて論点案を作成いたしました。まず,大きく3つの柱に分けておりますが,1点目は学位プログラムに基づく大学院教育の確立でございます。(1)として,まずそもそも大学教育に求められる人材養成機能の在り方ということを掲げて見ております。平成17年答申では大学院教育は4つの機能ということが整理されております。また,23年答申では,特に博士課程教育についての機能が提言されたところでありますが,平成17年答申から10年を経過した今,機能としてどういうものが求められるのであろうか,また,人材養成機能ごとに共通して求められる教育内容があるのではないか,前回は,大学教員の卵として教授法に関する教育が大学院教育には求められるのではないかという御指摘がございました。また,これ以外にも研究倫理教育といったようなものも課題として指摘を受けているところでございます。
 続きまして(2),これは3つのポリシーの設定・公表を,まだ7割という実施状況でございますが,これをしっかりとやっていくことが大前提かと思います。(3)は,コースワークから研究指導へ有機的につながる体系的な大学院教育の確立,これは平成23年答申でも指摘をされているところでございますが,こういったことをしっかりとやっていくことが重要ではないかと。QE制度の普及,また修了者の活躍状況を把握して,それを大学院教育の改善に生かす認証評価のような仕組みを構築してはどうかと前回御指摘を頂いたところです。(4),これは博士の学位授与の質の確保でございます。研究指導体制の適切な在り方,また論文審査方法の改善といった課題があるかと考えております。また,改善傾向にはありますが,人文・社会学系における博士学位授与の円滑化という課題も引き続きあると考えております。
 続きまして2番目の柱でございます。ここでは大学院教育・研究の質の向上のための改革の項目を並べてございます。(1)でございますが,それぞれの3つの課程の規模の在り方について議論してはどうかというのが前回,委員から御指摘ありましたので,掲げております。特に括弧の中に定員の充足状況や社会的需要を勘案した入学定員の見直しの促進,小規模専攻の見直しと促進といった,これは平成23年度答申でも指摘されているものを掲げております。さらには,研究指導教員1人当たりの学生数の在り方というについても御議論いただいてはどうかと提示しております。
 2ページ目の(2)でございます。他大学,また公的研究機関や産業界との間の連携の促進といった課題として,共同の教育プログラムの開発・実施,また,学生・教員の人材交流,長期の実践的なインターンシップの充実,社会人の学び直しのための産学協働の促進といった課題が引き続きあるかと思います。
 (3)には,優秀な学生が見通しを持って博士課程に進学し,研究に専念できる安定的な支援方策やキャリアパスの確立という課題を挙げさせていただきました。給付型の経済的支援としては,特別研究員事業(DC)又は基盤的経費から出されているもの,また,競争的な研究資金から出されているもの,様々ございますが,この規模の在り方,拡充方策ということにつきましても御議論いただければと思います。さらには,若手教員やURAといった高度な専門職のようにPh.Dを生かした職の安定的なポストの確保方策というものも課題になるかと思います。なお,第4期科学技術基本計画におきましては,博士課程の在籍者の約2割相当が生活費相当額を受給できることを目指すとありますが,まだ1割にとどまっているという課題がございます。
 3つ目の柱は,世界的な大学院教育研究拠点群の形成でございます。(1)といたしましては,世界最高水準の卓越した大学院群の形成促進の在り方です。国際的に競争力のある分野,またそれを基盤とした新領域を対象とした卓越した大学院の形成方策というものについても御議論いただければと思います。グローバルCOEプログラムが修了した今,振興策を御議論いただければと思います。
 (2)は,現在進めております「博士課程教育リーディング大学院プログラム」は平成30年度以降終了する予定ですが,この先を見通した議論もお願いできればと思います。
 続きまして3ページ目でございますが,前回御意見をいろいろ頂きました23年答申のフォローアップ調査につきまして,1の書面調査の(3)の調査内容として,新たに以下4点の調査項目を考えていきたいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。また,大学院部会におきましても,様々な分野別のヒアリングを今後次回以降,予定をしておりますので,よろしくお願いいたします。
 続きまして,学術分科会の中間報告が出ておりますので,それも参考に担当室長から説明を申し上げたいと思います。

【中野学術企画室長】
 失礼いたします。科学技術学術審議会の学術分科会の事務局でございます研究振興局学術企画室でございます。少しお時間を頂戴いたしまして,学術分科会での審議の状況について御説明をさせていただきたいと思います。資料は,済みません,資料3が飛びますけれども,資料4-1に,本年5月にまとめていただきました「『学術研究の推進方策に関する総合的な審議について』中間報告のポイント」というカラー刷りの資料を用意しております。なお,資料4-2にその中間報告の概要,そして参考資料3に本文と資料を載せておりますので,お手元に御用意いただければと思います。この参考資料3ですけれども,済みません,通しページではないのですが,その前半にページ番号を振っておりまして,参考資料3の中ほどになりますけれども,23ページが学術分科会の名簿でございます。この学術分科会,前の名古屋大学の総長の平野眞一先生に分科会長をお務めいただいておりまして,分科会長からの御提案で,現在の学術研究,これは御案内のことかと思いますが,政策的なトップダウン研究ではなくて,研究者の自由な発想に基づくいわゆるボトムアップの研究でございますが,この学術研究が非常に危機的な状況にあるという問題意識の下,今,これを立て直さなければ我が国の将来が危ないのではないかという問題意識が共有されまして,学術研究の振興方策を総合的に審議しようということで,現在集中的に審議を頂いているということでございます。24ページに学術の基本問題に関する特別委員会の名簿を載せておりますが,こちらの特別委員会で具体的な審議をしていただいているということでございます。
 本文は少し分厚くなりますので,資料4-1のポイントに沿って御説明をさせていただければと思います。この中間報告は,1章から5章までの5部構成となってございます。まず1でございますが,今申し上げたように,学術研究が危機に立っているのではないかという問題意識でございます。天然資源に乏しい我が国では,学術研究により生み出される知や人材が国としての強みであるべきであり,そして今までもそうなってきた。そういう意味で,学術研究をここでは国力の源と位置付けております。しかしながら,近年の状況を見ますと,大学の研究環境の悪化等によって,その強みであるはずの学術研究が危機に立っている,日本の強みが喪失してしまう危機に立っている。そういう現状認識を踏まえて学術研究による知の創出力と人材育成力の回復・強化が喫緊の課題であり,国と学術界が一体となって学術研究を推進していくことが急務である。ここで特徴的ですけれども,国としての振興施策はもちろんのこと,学術界の側にも改革すべき点があるのではないかということで,一体となった推進ということをうたっております。また,学術研究ということで,ともすれば研究という側面に焦点が当てられがちですけれども,この審議の中では,学術の人材育成面という点が非常に強調されておりまして,そういう意味でこの大学院部会にも非常に通じるところがあるかと思いますけれども,この人材育成の力が落ちてしまうということが我が国の将来にとって非常に危機的であるという問題意識でございます。
 第2章持続可能なイノベーションの源泉としての学術研究でございます。現在の我が国にイノベーションが求められているということは自明でございまして,学術研究がその源泉であるということはいろいろな場所で言われておりますが,このイノベーションの議論が,ともすると非常に狭い出口論ということで,その出口にいかに研究の成果をつなげていくかという橋渡しの議論,これは非常に重要なことでございますが,そちらに少し集中しがちであることから,橋を渡す基となる学術研究,こちらの方をしっかりしていかないといけないのではないかという警笛を鳴らすとともに,学術研究の側もイノベーションということを意識してしっかり取り組む必要があるという認識でございます。学術研究はイノベーションの源泉ということで,現在ある強みを橋渡ししてつなげるというだけではなくて,新しい日本の強みを作っていくということが学術研究の大きな役割でございますし,当然,人材育成という意味でも源泉になっているということでございます。
 また,3章でございますが,社会における学術研究の様々な役割といたしまして4点ほどに整理をしてございます。まず1点目は知的・文化的価値の創出それ自体の価値,そして2点目は,実際的な応用等によって経済的・社会的・公共的価値を創出していくという価値。そして3点目に,人材の養成・輩出の基盤になるという価値。そして4点目に,それらを通じた国際貢献ということでございます。
 このような役割を果たすために学術研究に現在求められている要請といたしまして,挑戦性,総合性,融合性,国際性という4点を挙げてございます。挑戦性は,学術研究の肝でございますけれども,新しい課題をみずから設定してどんどん挑戦していくということ,そして総合性,融合性でございますが,学問分野が細分化していると言われております。大学院の関係では専攻の中でタコつぼ化することのないよう取り組んでいただいていると思いますが,学術研究でも狭いところだけではなくて,俯瞰的な観点から総合的に取り組む必要がありますし,分野の枠や機関・組織の枠を越えて融合していく必要もある。そして当然,国境も越えて国際性が求められるという4点でございます。特に,こういった観点から次代を担う若手研究者を育てていくということで,国際的なリーダーに若手を育てていくことが重要としてございます。
 4でございますが,我が国の学術研究の現状と直面する課題といたしまして分析をしております。結論から申しますと,今申し上げた現代的要請である挑戦性,総合性,融合性,国際性が弱くなっている面があるのではないかということでございます。具体的には,現状といたしまして,投入するお金が足りないということはもちろん言われておりますけれども,それでも我が国の現状を見ますと,財政状況が非常に厳しい状況でございまして,借金を抱えながら,なおかつ社会保障のお金が毎年1兆円増えていくというような状況の中でも,科学技術関係経費というのはほかの公共工事等に比較して増えている。にもかかわらず,近年,論文指標を見ますと,やはり国際的にほかの国が伸びているスピードに追いついていない。あるいはNISTEPがサイエンスマップなどを見ても,伝統的な分野についてはまだ頑張れていますが,新しい分野,融合分野で日本の存在感が出せていない状況にあるというようなことからこういった分析をしています。
 そして,その現状の背景にはどういう課題があるのかという掘り下げた議論をしていただいておりまして,結論としては,国と学術界双方に資源配分における戦略不足があるのではないか。お金の総額もさることながら,それを有効に使えていないのではないかということでございます。すなわち,国につきましては学術政策,大学政策,科学技術政策,それぞれの目的に応じてやっておりますけれども,それらの連携が不足していたのではないか。そして大学におきましては,大学改革を現在進めていただいておりますが,これまで戦略的に学内外の資源を柔軟に再配分したり,あるいは共有したりといった取組が不足していたのではないか。そして学術コミュニティーにおきましても戦略的な対策が不足していたのではないかという分析でございます。
 そして最後の5では,学術研究が社会における役割を十分に発揮するためにとして,改革に向けた基本的な考え方と具体的な取組の方向性を提言していただいております。基本的な考え方としては4点をあげています。1点目は,上記3の現代的要請,すなわち挑戦性,総合性,融合性,国際性に着目して資源配分を思い切って見直ししていくということ。2点目は,学術政策,大学政策,科学技術政策がしっかり連携して取り組んでいくということ。そして3点目に,若手人材の育成や,教養形成という点を重視していくということ,そして4点目に社会との連携を強化するということでございます。
 具体的な取組の方向性は6点示しております。まず1点目には,デュアルサポートシステムの再構築。これは,基盤的経費につきましては各大学で戦略的にそれを使っていただくということで意義を最大化していくということ。それを前提として,それと相まって基盤的経費を確保充実していくということ。そして科研費については大幅改革の議論を今しておりますが,詳細は省略させていただきます。それから科研費以外の競争的資金についてもしっかり改革し,デュアルサポートシステムを再構築していくということ。
 それから2点目には若手研究者の育成・活躍促進,3点目には多様な人材ということで,女性あるいは外国人等の人材の活躍促進。そして4つ目には共同利用・共同研究の充実,5つ目に学術情報基盤の充実,そして最後に,これは政策ではございませんが,学術界のコミットメントということで,このような改革についてを学術界としても分野の利害を越えてしっかりコミットしていくということ。とりわけ人事面等につきましては,若手とシニアのアンバランスということが言われて久しいわけでございますけれども,しっかり学術界あるいは大学としてきちんとした評価に基づいて,優秀な研究者はしっかり登用・処遇していく,一方で役割を果たしていない者についてはめり張りのある処遇をしていくといったことを提言いただいております。
 大学院部会との関係で,少しだけ本文の方を紹介させていただきたいと思います。参考資料3でございます。まず6ページでございますが,5ページから今申し上げました学術研究の役割ということで整理しているところでございますが,6ページの最初のローマ数字の3のところで,豊かな教養と高度な専門的知識を備えた人材の養成・輩出の基盤という役割を書いているところでございます。教育研究を通じて我が国の知的・文化的背景を踏まえ世界に通用する豊かな教養とそれを基盤とする高度な専門的知識を有し,みずから課題を発見したり未知のものへ挑戦したりする「学術マインド」を備え,広く社会で活躍する人材を養成・輩出するということ。研究者ということだけではなくて,大学院部会でもそういう御認識と承知しておりますけれども,社会の様々な場で活躍する人材を育てるということ,そしてさらには,「また」以下では,広く社会の教養の形成,初等中等教育の充実にも寄与といったことも書いております。
 それから11ページ,改革の基本的な考え方を申し上げた部分でございますが,一番下の丸でございます,学術研究の役割として,研究者養成だけではなく,広く社会でイノベーションの創出を担う人材を育成し教養を形成するということを重視するといったことを書いておりまして,大学院部会の,先ほどありました答申やこれまでの振興施策要綱についても注釈のところで触れさせていただいております。
 また,15ページでございますが,先ほどポイントで申し上げました具体的施策の人材養成,若手の養成のところでございますが,14ページから続いている若手研究者の育成・活躍促進という中で,15ページの3つ目の丸でございます。意欲と能力のある博士課程の学生やポストドクターが研究の道を断念することなく,多様な分野において自由な発想に基づく研究に専念することができるよう,国による特別研究員などのフェローシップの拡充,あるいは大学による基盤的経費,競争的資金からのRA経費などの経済的支援の充実を図ることが重要。博士課程修了者など高度な教育を受けた人材が広く社会で活躍できるよう,例えばこれらの人材に対して異分野や異業種との交流を通じた教育を行うことなどにより,広い視野を育み,キャリア開発を促すことも必要であるといったことを盛り込んでございます。
 駆け足で御説明させていただきましたけれども,この分科会では,学術の人材育成面についての期待が大きいということ,それから学術政策,大学政策,科学技術政策の連携ということをうたってございます。この大学院部会の御審議におきましても,共有できる部分につきましては是非御参考にしていただければ幸いでございます。なお,科学技術政策との連携ということもございますが,御案内のように,科学技術基本計画につきまして,先ほど座長からもありましたように,28年からの第5期基本計画に向けまして,科学技術・学術審議会の中で,現在,学術だけではなくトップダウンの方も含めた検討を行っているところでございまして,そことも連携をしながら取り組んでいるところでございます。今申し上げました中間報告でございますが,学術分科会では現在も様々な方面の意見を伺いつつ審議を深めているところで,年内をめどに最終報告という予定でございます。
 私の方からは以上でございます。

【有信部会長】
 ちょっと説明が長くなって,焦点が定まらないところもあるかもしれませんが,基本的には,最初に説明があった様々なデータをバックグラウンドとして,資料の2にある具体的な今後の検討の論点案ということを中心に議論を進めていただきたいと思います。その中で,学術審議会で議論をされている,いわば学術研究の重要性が人材育成の観点からも非常に重要であって,科学技術政策等の人材育成政策を一体に進めていく必要があるという議論がなされているようですので,そういうことも踏まえながら,具体的に今後の大学院教育の在り方について,ここで挙げられている論点等々を踏まえて,質問ないし御意見を頂ければと思います。ちょっと漠とした感じになって恐縮ですけれども,どんな観点からでも結構なので自由に御発言いただければと思います。

【有川委員】
 最初に発言させていただきます。非常に学術の方も教育の方も大変な時期になってきていると現場にいても実感していますが,今日,期せずして出ましたが,人材育成につきましては,例えば科学技術振興局マターと,それから高等教育局と,連携した方がいいのではないかと思います。つまり,大事なプロジェクトを実施する上で,そこでも人材育成は評価の項目の一つになっています。これは既に職を得た人の育成を意味しますが,大学の先生が関係しますと,その先生方が指導しているドクターの大学院の学生などは巻き込みますが,量的に十分ではありませんので,早急に取り組む必要があると思います。例えば最近の話題で言いますと,ビッグデータ関係などはすごく必要だと言われていますが,これは出来合いの人の再教育ではなくて,新たな視点から大学院修士,ドクターの指導の教育をしっかり行うことが必要だと思いますが,そこを本当にうまく連携してキャッチボールしながらやっていくことが大事なのではないのかということを強く感じております。

【有信部会長】
 今の話は,具体的に言うと,例えば必要な科学技術政策で重要な分野が次々と出ているにもかかわらず,高等教育の仕組みの方は旧態依然として,極端なことを言うとちっとも変わらないと。むしろ大学院はかなりフレキシブルになってきたとはいえ,まだ十分に対応し切れているということではないというような状況を踏まえての御発言だったというふうに思いますが,そういうことを踏まえて今後の大学院教育の在り方について少し議論を深める必要もあると思います。

【有川委員】
 そういうことが可能になりますと,先程の最初の方の紹介にもありましたが,ドクターを出ても社会で役に立たないというようなことにはならないはずです。今大事なことを的確に押さえて行う,これは理工系の方が主になると思いますが,その辺では少なくともそういったことは行った方がいいのではないかと思います。日本だけどうしてこういうことが何年も何年も言われても全然改善しないのかということを本気で考える必要があると思います。1つの突破口としまして,企業の人たちに役に立たないとは言わせないような人材,大学院における人材育成をどうしたらいいのかというようなことを考えますと,具体的なプロジェクトが進んでいるのであれば,それと関連付けてタイムリーに実施し,それでそのようなものに関しては,大学院の定員とか設置の基準などについてももう少し柔軟性があってもいいのではないかと思います。

【有信部会長】
 ニーズとシーズといいますか,リクワイアメントと実際に人材を育成している側のミスマッチというのはいろいろなところでも言われていて,先ほどのデータにもありましたけれども,結局,それぞれの分野ごとに違いますけれども,ドクターコースを卒業した人の数に比べて,現実には教員のオキュパンシーというか,そこの部分がせいぜい3分の1程度しか常用できていない。したがって,残り3分の2は様々な分野で活躍するという前提で教育をやらなければいけない。そうだとすると,その様々な分野でのリクワイアメントというかニーズというのを踏まえた教育がなされていなければいけないけれども,結局は,17年答申でもさんざん議論されましたが,そういう意味ではその3分の1レベルのところでずっと固定したままの教育,人材育成が行われている可能性があるので,その結果として残り3分の2の行き所がないし,企業でも雇っても役に立たないというようなことが言われているということがあると思います。そういうことをよく踏まえて議論しなきゃいけないということだと思います。
 特にその学術研究に関しても,そういう意味でも従来のいわば基盤となる教育の部分と,いわば学術研究として重要な部分に対して必要とされている人材がきちんと育成されているかという点で,多分学術審議会は,科学技術政策と人材育成政策がもっと連携しなきゃいけない,こういう指摘が出ているんだろうと思います。

【永里委員】
 今の有川委員のお話の続きみたいな感じなんですが,フラウンホーファーの場合には,皆さん御存じなので繰り返したくはないんですけれども,要するにフラウンホーファーの研究所長というのは大学の教授で,したがって,フラウンホーファーで行われている研究そのものは,まさしく産業とか企業に役立つ研究をやっているわけですけれども,それを大学の教授が兼務している,で,研究所長がそうなっていると。そうしますと,そこでまた学術や博士も取れるわけです。その博士は誰が出すかというと,フラウンホーファーが出すわけじゃなくて,それの提携している大学とか,その先生のところの大学が出すわけですね。フラウンホーファーもそうですし,IMECもそうです。ルーヴェン大学等の教授がIMECの方の研究室の室長とか研究所長をやっていて,そこで研究されていることはまさしく企業から来た人たちがそこに入っている,それで企業のための研究を大学の教授が指導してやっているということで,そうなりますと,有川委員がおっしゃった産業界に役立つ教育というのは,実は向こう側の方では,向こうというのはフラウンホーファーとかベルギーの方のIMECではそういうことで行われていますので,日本でもちょっともう1つ大学の在り方を考えて,例えば産総研でもいいし理研でもいいんですが,そういうところに今みたいな思想で大学の分室があるような感じにして,学生が企業からも来る,あるいは大学の方からも来て,そこで企業の役立つような出口が決まってイノベーションが起こるような研究をそこでやるというようなことも必要じゃないかな,こういうふうに今考えておりますけれども。

【有信部会長】
 今のような仕組みは,フランスで言えばグランゼコールがそういう仕組みになっていますし,いろいろなところでそういう試みは行われているような気がしますけれども,日本はなかなかそういってない,こういうことだと思いますね。

【中村委員】
 今のに関連するんですけれども,やっぱり先ほどから説明いただいているいろいろなデータを見ますと,我が国は非常に危機的な状況にあるという問題意識はもう皆さん共有されているのだと思います。それで今回,今までやっていないことを,できなかったことをともかくやろうというふうに決意しないと,こういう議論が延々と続いて,全てのデータが右肩下がりになるということが続くということを懸念しますが,今日の議論の中で人材育成と,それから学術政策,イノベーション政策,この三位一体でやるということが出てきましたので,非常に心強く思いますし,これはやはり文部科学省の中のいろいろな政策決定とか,あるいは業務の推進そのものが変わっていくということにほかならないと我々は期待しておりまして,是非省内の仕事の進め方をまず変えていただく必要があるんじゃないかというふうに私は思います。
 それから,先ほど永里委員からもお話が出ましたが,現在,各大学に橋渡し研究拠点としてCOIというのを今大規模に展開しているわけですし,これから研究開発法人で橋渡し拠点を順次作っていくというプログラムが今動き始めておりますので,ここの中で人材育成というのを必ず埋め込むことと,定量的な目標をきちんと持つということをマンデートとして掲げてもらうというふうになれば,今まさに委員が言われたようなことも動くのかなというふうに思います。COIについてはそういうことが書いてあるんですね,人材育成と。それは具体的にその拠点から将来どれだけ産業界あるいはいろいろなところにドクター,ポストドクターを展開していくのか,そういう具体的なところまでまだ行っていない。これから各研究開発機関の拠点化の議論のときは,もう是非初めからそれを意識した設計にすれば,今までよりは一歩前に進むのではないか,そんなふうに感じます。
 以上です。

【有信部会長】
 ありがとうございました。

【真壁委員】
 先ほど文科省から御説明いただきました資料について全て理解することはできませんでしたが,その中で,例えば最初にありました1-18に,大学とか研究機関からのは,博士課程に行ってほしい人材が行っていないという指摘,それから学生あるいは家族の立場として,Q1-8の質問ですが,現在の博士のキャリアパスの実情について訴えているわけですね。そうすると,完全に生み出す方とそれに乗っかる方が負のスパイラルに入っているわけなんですね。それを抜け出なくてはどうしようもない,そういったメッセージを産学官でまず出していただき,それで政策,施策を打ち立てるということじゃないかと思うんですが,私が言っている言い方は十分ではないかもしれませんが,中村先生がおっしゃったことと共通することだと思います。そのあたりはいかがでしょうか。

【有信部会長】
 何でこういう負のスパイラルになっているか。例えばアメリカでもPh.Dの輩出量,輩出量という言い方はおかしいんですけれども,獲得者数と,その専門分野の大学の教員ポストを比べると,必ずPh.Dの学生の方が圧倒的に多いと。分野によってはやはり3倍,4倍というPh.Dの学生が学位を取っているんですね。だけど,それが日本の場合はどちらかというとネガティブに受け入れられていて,アメリカの場合にはそれほどネガティブではないというのは,やっぱり出てから活躍の場があるということが理解されているからだと思うんです。で,それをどういうふうに示すかということだと思うんですね。で,例えば企業の意見を聞いても,例えば新聞社にせよ,文部科学省にせよ,例えば人事担当の意見を聞けば,人事担当はほとんどそういう意味では博士の学位を持っている人なんかいませんし,学位の意味なんて分かりませんから,現実にどれぐらい役に立っている,こういう感覚で答えるわけですよね。それが全てとは言いませんが,そういうことがあるんだろうと思います。
 だから,一方で,このデータの中にもあったと思いますけれども,博士課程の大学生のうちのいわゆる社会人の占める割合が相当多いわけですよね。で,それは何を意味しているかというと,一部は,特に工学系の場合には,企業に就職してからまたその学位を取りに来ている人たちがかなり多いということも示しているわけで,それは企業に行ってみるとやっぱり学位の重要性が分かるという部分が,特に国際的に仕事をしようとするとそういうことが分かって戻ってくるという,非常にある意味では不効率なことをやっているという現状も一方であると。この辺を是非いろいろな観点から議論していただければというふうに思うんですが。

【真壁委員】
 もう1つあるんです。

【有信部会長】
 はい,どうぞ。

【真壁委員】
 前回の文科省で用意していただいた資料の中にたしかあったと思いますが,1990年から2010年までの20年間を考えますと,米国の大学の研究者の数は1.5倍に増えています。それから,多くのEUの大学機関の研究者は2倍に増えているデータを出されていたと思います。同時に,東京大学をはじめ日本では余り変わっていないと。結局,こういうことから論文の生産性とか,質の高い論文の割合とかを議論する前に,そういうふうになってしまった構造的なことを前書きでお話しいただきたいと思っています。
 以上です。

【有信部会長】
 いろいろ考えるべきことがあると思いますが。

【川嶋委員】
 大学院教育という観点からお話しすると,私の身近な学生が,日本の大学院で修士・博士課程で学び,その後アメリカの大学院の博士で学位を取得したのですが,その体験を聞いたところによると,この論点にも書いてあるように,組織的に大学院教育に取り組むという点で,日本の大学院はまだ一人一人の先生方による,徒弟制とまでは言えなくても,個別指導の名残が非常に強く残っていると思います。理系はよく分かりませんけれども,文系を見ますと,やはりどうしてもある分野の教員の数が限られているということもあって,なかなか組織的に教育できないというところがある。それは多分に,大学の組織の作りの仕組み自体が,やはり学部・学科,研究科・専攻ごとに教員が採用され配置されていますので,ある1つの大学の大学院教育全体から見ると,ある特定の分野の教員が学内の各研究科・専攻に散在してしまっていることになります。それについては,リーディング大学院でいろいろなデパートメントから教員が集まってプログラムベースで教育をするという仕組みになっているわけですが,そういう取組がまだリーディング大学院以外ではなかなか拡充していないというか普及していないというところが,大学院教育の質ということから言えば不十分な点ではないかと思います。依然としてコースワークとは何かということが大学院の課程ではあまり理解されていなくて,学士課程の方では授業外の学習時間を十分に取るようにということが言われて,かなりその認識も普及しているわけですけれども,大学院教育について,いわゆるコースワークにおける単位の実質化ということを,例えば認証評価で尋ねた場合も,コースワークのための自主的な学習ではなくて,学生は研究をやっているのだ,との認識が強い。コースワークの授業外ではコースワークとは関係なく,自分の研究をやっているという形になっており,コースワークとは何かということがまだ大学院関係者の間で十分理解されていないということが組織的取組に至らない背景にあるのではと思います。つまり,大学の組織設計の在り方とコースワークの意味の理解不足が,組織的取組の障害になっているということです。
 ですから,リーディング大学院での試みというのが,補助金を受けている期間だけとか,そのプログラムだけで終わるのではなくて,それ以外のプログラムにも普及できるような仕組みを是非考えていただきたいと思います。
 それから,大学院の規模に関しては,最近聞くところによると,大学学部の設置審査では,入口と出口のところのマーケット調査をきちんとやって,それに対してきちんと答えられないとなかなか設置認可されないというふうに聞いているのですが,大学院の研究科とか専攻についてはどうなっているのか分かりませんので,その辺もお聞きしたいところです。けれども,ほとんど学生がゼロというところが,特に私学でも多いという資料がございましたけれども,新たな研究科・専攻を設置する際には,やはり入口と出口のニーズをきちんと確認した上で認可すべきではないかというふうに思います。大学院,特に博士課程というのは,どうも学生向きではなくて,そこで働いている教員のニーズから大学院が設置されていることが多いのではないかというような,そういう話が第6期でも出たように記憶しているんですけれども,やはりきちんとした入口出口のニーズ調査をした上で研究科・専攻の認可をすべきだろうというふうに思っています。
 最後に,大学教員以外の出口の問題ですけれども,大阪大学では大学院教育でジェネリックスキルの育成を以前より行っています。ということで,これはもともとイギリスでも大学院の博士課程を出た人材がなかなかアカデミアに就職できないということで,それ以外の進路に出てもらうためにはやはりそういうジェネリックスキルが重要ではないかということで始まっているわけですけれども,大阪大学でもそういう背景を受けて大学院教育で様々なジェネリックスキルの育成を行っています。それが実際どう評価されているか,少し大学に帰って調べてみたいと思いますが,そういう教育面というのは非常に今のところ,特に私の知っている限りでは人文社会系に限られるんですけれども,少しというかかなり課題が多いというふうに思います。
 以上です。

【有信部会長】
 まあ,かなり本質的な問題も含んでいると思いますけれども,今のその設置認可のところでの話について何か補足がありますでしょうか。

【森高等教育企画課長】
 高等教育企画課長でございますけれども,大学の新設でありますとか,あるいは学部の申請に対しましては,最近でありますけれども,入学定員の確保の見通しでありますとか,あるいは社会的需要等について申請者の側にきちっとした説明を求めて,これだけの定員規模の学部なりの新設についての根拠といいますか,そういうものは求めております。ただ,大学院についてはまだそこまでは求めておらず,学部についても最近始めたということで,その審査もなかなか難しい点もありまして,いろいろ試行錯誤しているところでございます。

【有川委員】
 最近本学では新規に大学院の設置を認めていただきましたが,結構厳しく需要根拠となるデータの提出を求められた記憶がございますので,そのあたりはかなりしっかりやっているのではないかと思います。ただ,自分たちで調査した結果ですので,客観性については問題がある可能性はあります。

【篠原委員】
 まず質問なんですけれども,さっきこのデータ集を見て非常に戸惑ったんですけれども,この資料2の中に4つの機能というのがありますよというふうに書いてありますけれども,このデータ集というのは,この4つの機能のうちのどれを例えば実現しようと思ったときにハードルになっているかということの整理はなさっているんでしょうか。要するに,そうしないと,いわゆる大学教員に育て上げるためにどうすればいいかということと,あと,産業界で活躍させるためにどうすればいいかということの問題点がそれぞれごっちゃになってしまって,下手するとどれもこれも60点の及第点の案しか出てこないんじゃないかと思います。ですから,全ての機能に対して共通して求められる教育内容というのと,この1から4,これがいい機能の整理かどうかはさておいて,この1から4の機能をさらに強化するために分析としてこんな分析結果がありましたというふうなことをちょっと伺わないと,今もお話したとおり,何か押しなべて平均点,言葉を返すと,全ての大学に対して金太郎あめの答えを求めるというふうなことになりかねないのではないかというふうに思っています。ちょっとこれも,ますます我々企業から見ると大学の個性とか特色というのがなくなってきて,どこの大学も比較的似たようなことを標榜して,似たようなことを言っているということが実は1つ危惧を持っているあたりでございます。
 それと2点目は,先ほどこの7-15といういわゆるアメリカにおけるドクターとマスターとバチェラーの給与差の絵がありまして,日本はなかなかこうならないのはまずいというふうな話があったんですけれども,私,この絵を見てびっくりしたのは,ドクターとバチェラーだけではなくて,マスターとバチェラーの間にもこれだけの給与差があるということです。そうすると今度は言葉を返して考えると,じゃあ日本の大学院の修士課程2年間というのは,これだけの収入差を保障できるだけの質というものがどうやって担保されているんだろうかと。ですから,これを求めるのであれば,さっきお話しした4つの機能のうちの2番目の機能を実現するに当たって,これだけの給与差をジャスティファイするための質というのはこうやって実現しますよというふうなのがないとおかしいのではないかというふうに思いました。ですから,今申し上げたかったことは,機能ごとに評価すべき点,機能ごとによって強化すべき点が違うのがどうも分離されて議論されてないように見えるものですから,できればこの1から4の機能に基づいて,少し分離して議論していただけるとありがたいかなと思いました。

【有信部会長】
 ありがとうございました。何かコメントありますか。

【猪股大学改革推進室長】
 4つの機能に即したデータ分析というのは非常に難しく,机機能に着目した分析はなされていないというのが回答でございます。なお,ブルーのファイルの方にこの17年答申のより詳細な答申の冊子を入れてございます。タグの2番のところになりますけれども,答申では9ページ以降にそれぞれの4つの機能と,またそれに必要な教育の内容といった提言があったことを御紹介いたします。

【篠原委員】
 ですから,なかなかこのデータ集全てを4つに分解するのは難しいと思うんですけれども,せっかくこれだけのデータがあることをベースに,データ集の中を全てを網羅する必要がないにしても,この4つの目標,4つの機能から見たときに,このデータ集から何が読み取れるかということをやはり代表的な部分は読み取っておかないと,さっきもお話ししたとおり,全てに共通に問題抽出をしてしまうと,60点の平均的な答えしか出てこないんじゃないのかなというのが,ちょっと危惧を持っております。

【有信部会長】
 平成17年答申のとき,私も理工系のところの議論の末席を汚していたので,ここの4つの分類について言うと,それぞれ4つが独立にあるということではないということなんですね。それぞれについて必要な教育については整理をされていますけれども,この4つの求められるリクワイアメントでオーバーラップしているところもありますし,大学教員は高度な専門的職業人ではないのかとかいう議論も当然あり得るわけですから,そういう意味では,このそれぞれの機能の中でどういう教育をそれぞれの大学がやっていくかということで大学の特色が出てくるんだろうと。で,その結果は社会が評価をするということと,もう1つは,その17年答申の中では,やはり認証評価をきちんと受けるということも書き込まれていて,それはいまだに専門職大学院以外は実現していませんが,そういう形での評価も並行して行われるという形にはなっていたと思います。おっしゃるように,全員がみんな同じようになりなさいという,そういう話はやっぱりないんだと思うんですよね。
 はい,どうぞ。

【中村委員】
 関連するんですけれども,ちょっと今の発言と同じことを言うつもりなんですが,これまでも人材育成については毎年毎年あれは5年単位ぐらいでかなりの議論をしてきて,新しい政策も次々出していただいたわけですけれども,それの集大成がこの赤いデータ集だと私は見ているんですね。つまり,今までのプログラムが一体どれだけの問題,課題設定に対して貢献したかという,そこの定量的な議論がなしに,また次のこういうものがどんどん出てきても説得性がないと思うんですね。ですから,今までの政策がどれだけ効果があって,どれだけ効果がなかったのかというそこを主要なものについてはやっぱり出すべきで,これのもう1つ深いレイヤーの分析が私は必要だと思うんですよね。これは非常に表面的な分析なんですね。

【有信部会長】
 いや,データそのものについてはそのとおりだと思いますよ。具体的に言うと,さっき指摘があったマスター,バチェラー,ドクターのアメリカにおける給与差についても,これはもう基本的に大学教育に至る体系も違いますし,学部教育の質も違うし,マスターという学位の位置付けも違うということがあって,当然,それを直接日本のあれと比較するというわけにはいかないというような,そういう意味で,もう少し深読みをしないといけない部分は当然あります。
 それからもう1つ,今の中村委員の話に多少言い訳をすると,前回の23年答申を出す前に,17年答申の結果がどれぐらいきちんと実行されているか,その結果が効果があったかということについては相当突っ込んだフォローアップをやりました。その結果に基づいて23年答申に結び付いたわけですけれども,今回も一応そのフォローアップをやろうということにはなっています。ですから,これから集中的にフォローアップをやりますので,そこの中で是非厳しい議論をしていただければというふうに思います。

【中村委員】
 それで,恐らくなんですけれども,いろいろ手を打ったものについてはそれなりの効果が私は出ていると思うんですが,手を打ってなかったところが物すごく大きくて,したがって全体としたら右肩下がりと。世の中の状況はますます悪くなって少子高齢化が起こって,もうどんどん進みます。その変化に対していかに我々が十分な手を打っていなかったかということが結論になるんじゃないかと思っているんですが,そこのところを明確にして,そこを今回は埋めるような政策をとらないと,今できることだけやっていたってだめだと思うんですね。

【有川委員】
 非常に大事な御指摘を頂いていていますが,手を打たなかったところに関してどう手を打っていくかということについては,言葉遣いとしても何回か出てきたと思いますが,例えば科研費などの自由な発想に基づく研究が,ずっとほとんど不変のものとして続いていますと,現在のような問題は起こらないだろうと思います。そこで,本当に自由な発想で,本当に人には言えないけどその人にとっては信念みたいなものがあって,そしてそれを実施した結果大きな分野が出来,イノベーションにつながっていくことがあると思いますが,そこに対しては余り変えない方がいいと思います。ですから,結果が余り出ないからといって,資金の配分の仕方が悪かったといってまた方針を変えると,どの分野に資金を配分すれば良いか分からなくなる。少し不変なものがあってもいいのではないかという気がします。
 それともう1つは,たまたまNISTEPの2013年版の資料を手元に持っていますが,確かに日本も予算は増えています。相対的なことで言いますと,日本の予算は増えていますが,他の国が急激に増えています。例えば政府の科学技術予算で言いますと,これは2000年から2011年の資料ですが,日本は12%増えていますが,アメリカは84%増えている。ドイツでも44%増えている。中国は752%増えている。韓国は248%増えている。そのような相対的な数字が効いてきています。先程のランキングもそうですが,ほとんど相対的な数字でありまして,研究者個人が書く論文の数など,1人当たりで言いますとむしろ昔より増えています。だから,現場が,先程もデータとしてありましたが,ほとんどもう余裕がないという状況で,必死でやっています。今議論されて,いろいろ批判されたりしているのは,相対的なところでパフォーマンスが上がっていないということを,我々はきちんと理解しておく必要があると思います。

【井上委員】
 冒頭のデータの説明,ありがとうございました。本当に思っていたよりも随分危機的な状況になっているんだなということが改めてはっきりと分かりました。
 私はもともと民間の人間なんですけれども,民間の企業というのは,こういう外部環境の変化ですとかそういうことに臨んで,基本3つの戦略をとります。大体1つ目が選択と集中というお話で,2つ目が顧客志向の徹底ということ,3点目が事業体の最適化を図る,こういう3つの戦略を必ずとるんですが,例えばそれを大学や大学院教育で考えてみると,選択と集中というのは,やはり大学の進学率というのが4割を超えて半分とかそんな感じの状態で,そもそもまあいいのかというふうなお話というのがベースにあると思います。それからあと顧客志向ということで言いますと,人材の供給先である社会や企業,必要とされている人材像というのが物すごくやっぱり変わってきていて,今の大学の新卒の採用面接なんか見ていますと,グローバル化対応人材とか,チームを率いることができるリーダーシップのある人材であるとか,あと,マニュアル型ではない自立型で思考ができる人材,こういうものが求められているわけですけれども,この辺の教育が全然なされていないまま彼らは社会に送り出されているのですね。非常に採用活動との間でギャップを感じてミスマッチが猛烈な形で起きている。これは大学院卒の人たちも博士号を持った人たちも同じような形だと思います。
 3点目は,プロダクト・ポートフォリオの組み替えということなのですけれども,これは大学に直してみると,例えば今の学部構成が本当にこれでいいのかと。たくさんの大学に,いいか悪いか分かりませんが,文学部が普通にあって,今の社会に対して適切に対応がとれているかというようなことをちょっともう1回真剣に今のタイミングで考え直さないと,もう取り返しのつかないことになるんじゃないかと。大学の数を例えば2割,3割ぐらい減らすぐらいのかなり強い意識を持ってスクラップ・アンド・ビルドしていかないといけないんじゃないかということは,今日本当に強く感じました。
 以上です。

【堀切川委員】
 このデータ集の御紹介をいただいたときに,あらあらというびっくりすることがいっぱいあって,すごく新鮮に感激したんですけれども,個人的には,ドクターコースの学生の意識として,専門的な知識や考え方を実際にどう応用していけばいいか不安だと,力が身に付いてないというのはもうそのとおりの気持ちだろうなと思いました。で,あと産業界の方も使える人材がいないからなかなか採れないというのと,そこはリンクする部分でもあるりますが,一方で,将来のイノベーションを起こせるような自由な基礎研究をがっつりやらなきゃいけないという,その2つが一見矛盾するような方向のようにいつも感じているんですけれども,多分これは矛盾しないようにやれる工夫があるんだろうと思っていて,その工夫をいろいろな皆さんが知恵を出す必要があるのかなと思っているんですけど,私は個人的な体験で言いますと,ちょうど医学部の先生方が御自分の研究やりながら附属病院,大学病院で臨床の仕事をされますけれども,お医者さんが臨床の仕事をするというのは,理工系の人間で言えば会社の技術相談に対応したりとか,共同研究でアドバイスするというのと多分同じなんだろうと思っていまして,基礎研究をがっつりやってないと企業の人も出入りしてもらえないという部分があるんだろうと思います。そこを何とか大学院,特に後期課程の学生の教育にうまく取り込めるような工夫が必要なのかなというのが私の個人的な感覚です。自分自身で取り組んでいるのは,うちは毎週3社ぐらい会社が相談に来ますけれども,研究テーマが近そうな学生は全部座らせて,どういう相談にどう先生はアドバイスするのかというのを実地で体験させているんですけれども,彼らは卒業式で言うのはそれが一番よかったということを言います。そういう意味では,大学の先生方自身がもう少し自覚を持って産業界とつながる部分が,基礎研究をやりながらちゃんとやれないと,会社から信用してもらえないと学生もそこに居付かないことになるかなという感覚です。
 あと,学生のテーマは基礎研究だろうが,実用研究だろうが,応用研究だろうが,何でもいいと思っているんですけれども,1つの研究室の中で全員基礎研究に埋没してしまうと,知識の使い方が分からないというのがどんどん増えてくるので,やっぱりその使える部分をやっている人間がそばにいて,混ざっているのが一番いいかなというふうに個人的には思っています。是非,附属病院の臨床業務的なものを理工系の先生の仕事にぶち込むような,多分それがあると自然に学生は社会のテーマを意識して,意識を持って育っていくのかなというのが私の意見です。

【有信部会長】
 ありがとうございました。いろいろと意見を頂きましたけれども,今日の論点整理の中で言うと,最初の学位プログラムに基づく大学院教育の確立という点に関して言うと,最初に有川委員とか川嶋委員からいろいろ意見が出ましたけれども,要するに,従来の固定的な枠組みの中で教育をやるのではなくて,リーディング大学院のように新しい必要な人材を育てるために学位プログラムというのを形成して,これは様々な散らばっている教員を研究科を越えて集めて作るという形でいろいろなトライアルがなされていて,これが実は実効的に進むためには,現在一番問題なのは,学位プログラムで自由に学位が出せないということですよね。つまり,学位プログラムの人たちが判断をして,そこで学位を出せれば,最初に指摘がありましたように,いわば世の中のニーズに応える形で,様々な分野で活躍できるという,その様々な分野をそれぞれフォーカシングしながらいろいろなプログラムを作っているわけですけれども,そこで,別にその学位の名前は特別な名前を付ける必要はないんだけど,そのプログラムそのものが学位を出せる仕組みというのがきちんとあれば,ただ,今の設置認可の在り方からするとそれができないという問題をどう解決していくかということで,全ては解決しませんけど,ある部分は解決できる可能性があるような気がします。
 それから,2番目の話の教育研究の質の向上については,もう少しまだ議論を進めていく必要があると思いますけれども,いわば学部教育と大学院教育とのお互いの在り方をどう考えていくかというところを含めて検討が必要のような気がします。
 それから,世界的な大学院教育・研究拠点の形成という点に関しては,永里委員ほかからいろいろコメントありましたけれども,中村委員からもありましたけれども,要するに,例えば今すぐ思い付くのは,TIA-nanoのような組織があったら,そこで研究をしている人たちが,逆にいうと周りの大学,例えば筑波大学のようなところから学位が取れる,学位が授与されるというような仕組みがもうちょっと一般的に成り立つようなことが考えられないか,あるいはもうちょっとそういう仕組みとしてできないかというようなことも検討対象かもしれません。そういう意味では,臨床のための病院という考え方も最後に出てきましたけれども,それも近いような格好で,全体の仕組みとしては,世界にはこういう仕組みが現実にあるわけですから,そういう形のものがうまく考えられるかどうかということもいろいろ議論していただければというふうに思います。
 まだまだ議論は尽きないわけですけれども,今後,12月頃までに向けて相当インテンシティブに議論をしていただくということでこの部会の計画が立てられているようなので,是非委員の方々もよろしくお願いしたいと思います。
 それでは,とりあえず今までの議論は少し,また大変でしょうが事務局で整理をしていただいて,次回以降にまた生かしていただければと思います。
 それから,今後,分野別,テーマ別にヒアリングを行っていくということを考えていますけれども,この大学等の選定については,一応,部会長に一任していただければ,こちらで事務局と相談しながら選定をしていきたいと思いますので,よろしくお願いしたいと思います。
 それから次に,大学院入学資格の問題,いわゆるK16という問題について,事務局から配付資料に従って説明をお願いします。

【白井大学振興課課長補佐】
 失礼いたします。それでは資料5に基づきまして,「国際化に対応した大学・大学院入学資格の見直しに向けて」ということで御説明させていただきたいと存じます。
 この件につきましては,教育再生実行会議の第5次提言の中で挙げられていることでございます。小見出しとしては,高等教育機関における編入学等の柔軟化という小見出しが付いておりますけれども,その中で,学制の異なる国からの留学生受け入れなど国際化に対応できるよう,大学及び大学院入学資格において課している12年又は16年の課程の修了要件を緩和するといった御提言を頂いているところでございます。この点を含めまして,現在,この学制改革全体について中教審の方に諮問をされておりまして,また,大学分科会の方でも御議論があると思いますけれども,当部会でも,その前に少し先行的に御紹介をさせていただければと存じております。
 2番のところにお進みいただきたいと思いますが,まず現行の制度について確認をさせていただきたいと思います。現行の制度において,外国の学校を卒業した者が我が国の大学あるいは大学院に入る場合の制度でございます。大別しまして2つルートがございまして,1つは課程の修了という要件がございます。大学の場合には12年,大学院の博士前期の場合には16年の課程を,その国,外国における正規の学校教育において16年の課程を修了しているということが条件になってくるというふうにされております。ただ一方で,大学院博士後期課程の場合には,この年限の要件というのはございませんでして,修士又は専門職相当の学位を授与されていれば入れるというような制度になっております。これが1つ。
 もう1つが,個別入学資格審査という制度でございます。各大学が個別入学資格審査,具体的にはその方の例えばその職歴でありますとか,それまで大学以外の学校も含めてどんな学修をしてきたのかといったようなことを個別に御判断いただいて,それに合格した場合には,一定の年齢を満たしているということを前提に,大学あるいは大学院等に入ることができるといったような仕組みになってございます。
 なぜこういった仕組みをとっているかということでございますけれども,そもそもその外国,それぞれ非常に多様な教育制度がございます。そういった中でそれぞれ個別に判断するというのは現実的にもなかなかできない,また,各国の制度を尊重するという意味もございますので,ある意味,形式上,便宜主義的ではございますけれども,一定の課程という条件を照らし合わせて,日本における相当性を満たしていただいているというのがこれまでの考え方でございます。また年齢においても,日本における制度との円滑な接続を担保するということから年齢要件を掛けているというのがこれまでの制度の実態でございます。
 こういったことについて,これを緩和してはどうかという御提言を頂いているわけでございますけれども,先に後ろの方に付けております資料の参考1というのをごらんいただきたいと存じます。それでは諸外国において一体どういった教育課程,教育制度が設けられているのかといったものをまとめたものが,この参考1という資料でございます。大きく4つのパターン分けをしております。12年課程,16年課程というところにそれぞれ丸とバツをしておりますけれども,これは日本における12年課程,16年課程に相当するものがその国において担保されているのかどうかといったことについて,担保されていれば丸,担保されていなければバツというふうにしてございます。典型的には,例えば12年課程を見た場合に,ある国で初等中等教育が11年しかないという場合にはバツが付いてくるというような形になります。全体を見ていただきますと,パターン1,これはまさに日本に相当するところでして,おおむね初等中等教育12年,また,大学の学部課程が4年といった国でございます。これが非常に多くございます。例えば中国,韓国あるいはアメリカ,メキシコといったような国も基本的に日本と同じように12年プラス学部の4年といった制度になっております。ただ一方で,イギリスやドイツなどは学士課程は主に3年でございますので,ここら辺は初等中等教育が13年,それにプラスで学士が3年,トータルで16年を満たしているといったような場合もあるといった状況でございます。
 パターン2,これは例えばマレーシアなどでございますが,初等中等教育,高等学校卒業までに11年あるといったような状況でございます。ただ,大学に入るには準備教育課程等もございまして,トータルすると16年になるので,バツと丸といったケースになります。
 それからパターンの3,こちらが主にヨーロッパの国で多いケースでございますけれども,初等中等教育が12年,プラス学部課程が3年,12プラス3,フランス,オランダなどがそうですけれども,そういった国のパターンでございます。
 それから最後にパターンの4でございます。こちらは旧ソ連,ロシア,CIS諸国などに多いパターンでございますけれども,初等中等教育が11年,プラス学士課程は4年,11プラス4でトータル15年になっているというような国のケースでございます。特に大学院の入学資格ということになりますと,このパターン3あるいはパターン4の場合が,現在のままではこの16年課程に満たないということで接続が問題になってくるということがございます。例えばフランスあるいはオランダで普通に学部を卒業した方が日本の大学に入ろうとしても,そのままでは入ることができないというのが今の制度になってございます。
 なお,その次の資料に参考2という資料をお付けしてございます。こちらは日本学生支援機構が調べております外国人留学生の状況の調査でございます。参考2の1枚目が主に地域ごとに非常に大きく分けたものでございますけれども,特に中国,韓国が非常に多いということで,アジアが圧倒的に今留学生が多くなっているわけでございますけれども,一方で日本としては,重点地域として,例えば中国,韓国以外の東南アジア,あるいは先ほどのロシア,CIS諸国,あるいは将来性が見込まれるアフリカでありますとか,南米とか,そういったような地域についても特に留学生を受け入れるべき重点地域というふうに考えておるところでございまして,こうした国との教育制度上の接続といったことも視野に入れていく必要があるということがございます。
 参考2の次の資料では,国別の留学生のランキングを示させていただいております。中国,韓国が非常に多く,それに次いでベトナム,台湾,ネパール,インドネシア,タイ,マレーシアといったような国が続いているというような状況がございます。こういった国,あるいはここにない国も含めまして,こういった国の留学生をいかに円滑に接続していくのかということが課題でございます。
 恐縮でございますけれども,最初の資料の3番,最初から2ページ目のところにお戻りをいただきたいと存じます。先ほど申し上げましたように,12年あるいは大学院の場合には16年の教育課程というのが基本になっているわけでございますけれども,そうでない国,今の我が国の制度にフィットしない国も現にあるという状況でございます。そういった国の方がじゃあ今どうしているのかということでございますけれども,若干ちょっとどうかなというところはあるのですが,そういう場合どうするのかというと,当該国の大学・大学院等に一旦進学をしていただいて,その国の正規の学校教育を16年なら16年満たしていただくというのが1つのやり方でございます。それから,入学時に大学では22歳に達するのを待って,それから個別入学資格審査を利用するということでございます。それから3つ目としては,飛び入学を利用するという制度もございます。ただ,この場合,上記の1つ目,2つ目,16年の教育課程を修了するあるいは個別入学資格審査を利用する,いずれの場合も,学生にとっては若干待ちのような状況が生じてしまうということがございます。当課にもいろいろなお尋ね,お問い合わせを頂くことがございますけれども,以前,外国の方で日本の大学に進学したいんだけれども,1年待たなければ入学できないという御相談がございました。そういった場合に,結局その方も,1年待つのであれば日本でなくて,別な国の大学に行くという御判断をされたというふうに聞いたこともございますけれども,日本離れが生じるケースも実際にあるということがございます。
 また,個別入学資格審査,飛び入学という制度もあることはあるのですが,これも大学によって導入状況がまちまちでございますし,特に飛び入学はまだ活用事例も少ない状況でございますので,なかなか一般的に活用するという意味ではハードルが高いという状況がございます。
 こういった中で質の保証も伴いながら,当然ではございますけれども,国際化・グローバル化を進めていくといったために,この教育再生実行会議の第5次提言がなされたものと考えております。
 今後の検討に当たっての論点,課題でございますけれども,こういった学制が異なる国の留学生を円滑に受け入れていくためには,一体どういった要件というものが必要だろうかということがございます。その場合にも,例えば教育課程の相当性といったものを個別に判断するということも1つの考え方でございますし,あるいは学生個々人の学力に着目するといったようなやり方もあろうかと思います。1つシンプルな考え方としましては,現在,大学院の博士後期課程につきましては,修士又は専門職相当の学位を授与されているということが要件になっておりますので,その場合には,一定の年限であるとか年齢は問われないということがございますので,それに倣うとしますと,例えば大学院の博士前期課程に入る場合にも,学士課程,学士の学位を持っていればよいというふうなやり方も1つの考え方としてはあろうかと思います。これについて,また本格的な審議は大学分科会の状況を見ながらお願いしたいと思っておりますけれども,以上,御紹介させていただきました。

【有信部会長】
 これは今後また議論を続けるという意味ですね。

【白井大学振興課課長補佐】
 はい。

【有信部会長】
 それから1つ,ヨーロッパのボローニャプロセスベースで言うと,バチェラー3年,マスター2年,ドクター3年という標準のレファレンス学位を決められていると聞いていますけれども,そのベースでいうと,やっぱりヨーロッパ,EUレベルで言うと,やっぱり1年足りないということになるわけですね。

【白井大学振興課課長補佐】
 はい。

【有信部会長】
 分かりました。何か質問,御意見ありましたらどうぞ。

【井上委員】
 今,ロシア語圏の留学生のお話が出ました。実は,うちの会社に1人ウズベキスタンの出身者で,文部科学省さんの国費留学生で,一橋大学に通った後,外資系の企業に就職した後,うちに今来ているという人間がおります。非常にコミュニケーション能力なんかも高くて,ああいうところから来られる方というのは,コミュニティーがやはりもう既にOBの人たちの中できちんとしたものがあって,そういうところにもうまく協力をしてもらうというのも1つの考え方じゃないかと思います。マーケティング力が非常に強いんじゃないかなというふうに思ったりします。

【有信部会長】
 ほかに御意見ありますでしょうか。まあこれは,突然これでさあどうだと言われても困るので,特に議論の方向性としてどういう観点で,つまり16年というのを堅持していると,いわば留学生を呼ぶという意味で様々不利益が起きる可能性があると。しかし,大学院の入学者に対して必要な能力というか,それはきちんと確保しなければいけない,そういう中でどういうやり方があり得るか,こういう観点で議論を,できれば,多分ここの16年という枠は取り外しつつ,大学院入学者の質をどう確保するか,こういう方向の議論をやってほしいということだと思います。

【永里委員】
 質問ですが,日本でも飛び級が認められていると思いますが,あれはどういう資格要件になっているんでしょうか。

【有信部会長】
 飛び級の資格要件について。

【白井大学振興課課長補佐】
 飛び入学については,法令上,学校教育法において規定をされてございます。基本的には,各大学の方において卓越した能力があるかどうかということを御判断いただいて,認められた場合に飛び入学できるという制度になってございます。

【有信部会長】
 飛び級とそれから早期卒業と,これは多分違うと思うんですよね。飛び級というのは,例えば学部3年から大学院に進学を認めるということを各大学ごとに,一様の条件の下に認めているというケースはあって,それはただし学部の卒業資格はないんですよね。そのまま大学院の入学はあって,大学院の卒業というのはあるんだけれども,だけど早期卒業という仕組みは多分卒業資格はあると。そういう理解でいいんですよね。

【白井大学振興課課長補佐】
 はい,結構でございます。

【有信部会長】
 だから,逆にいうと,学部の要するにバチェラーを持っていない人の入学も大学院としては認めていると。つまり大学院の入学条件を満たせば,日本の学生に対してはそれは認められているということになっているわけですね。

【永里委員】
 そうです。それを外国の学生に認めるかどうかというようなことも検討すべきですね。

【有信部会長】
 そうですね。
 どなたかほかに御意見ありますか。はい,どうぞ。

【加治佐委員】
 この大学院への入学資格を認めるというときに,これはそれまでの教育年数とか,あるいはカリキュラムとか,そういうところに着眼されているわけですけれども,もう1つ,例えば社会人が大学院に入学するとします。その職業経験というんですかね,例えば本学の場合ですと,短期大学卒業者であっても,一定の短期大学を出て,教員免許を得て一定の経験年数を持っておれば,大学院入学資格を認めていました,資格審査をして。だから,それは職業経験といいますか,そういうことも1つあり得るのかなという気はします。先ほどからドクターを出た人材が役に立たないということがいっぱい出ていますので,そういう点でもむしろ経験がある者を入れた方がいいわけですから。

【有信部会長】
 そういう意味では,少なくとも国内の学生に対しては大学院の独自の判断で幾つかのパスがあるんだけれども,海外から来る学生に対しては,法律上の規定があって,その規定を満たさなければ一応入学資格なしと,こういう体裁になっているのをどうするかということですよね。

【白井大学振興課課長補佐】
 もう少し厳密に言いますと,海外の学生についても,その個別入学資格審査等を使いますと,いろいろなパスは可能ではあるんですけれども,ただ,年齢要件とかそういったものが掛かっていますので,場合によっては何年か待たなければいけないということが生じているという状況でございます。
 

【加治佐委員】
 それをカバーすると。

【有信部会長】
 それを法律を変えてでも緩和しましょうかという,こういう話で,そのときの基本的な条件として何を考えますか,こういう話ですね。

【中村委員】
 海外,アメリカとかヨーロッパ諸国というのは,このパターン3とか4の学生なんかも随分採っているんじゃないかなと思うんですが,そうでもないんですか。海外の大学はどういうポリシーでやっているんですか。教えていただけたらと思います。

【白井大学振興課課長補佐】
 海外の大学が外国の学生をどのように対応しているかということですか。

【中村委員】
 そうですね。16年課程を厳密にやっているのか,あるいはもう少し折衷案のようなものもやっているのかですね。

【白井大学振興課課長補佐】
 ちょっと今その詳細なデータの持ち合わせがないんですけれども,いろいろ聞くところによりますと,必ずもそういった年齢要件,あるいは教育課程の年限要件というようなものが必ずしも要求されていない場合もあるというふうに伺って,もう少しフレキシブルな採り方をしているというふうには聞いております。

【中村委員】
 パターン3で見ても,我が国にもっともっと来てほしい国がいっぱいあるように思うものですから。やっぱり外国はどうしているのか,ちょっと調べていただきたいと思うんですけれども。

【有信部会長】
 いや,パターン3はもっと増えますよ,数がヨーロッパの国は。
 はい,どうぞ。

【川嶋委員】
 済みません,1点だけ補足ですけれども,先ほどのボローニャプロセスが導入されたときに,アメリカのいくつかの大学院が学士課程3年では1年足りないというので欧州からの留学生をどうするかという,そういう議論があったというふうに記憶しています。

【有信部会長】
 そうですね,はい。アメリカは基本的にはボローニャプロセスを無視すると言っているんだけれども,ただこれが大勢になったらどうするかもう1回考える,こういうスタンスのようですね。だから,それぞれ違うんだけれども,多分欧州はみんなボローニャプロセスの方向で,ここで言うとパターン3ですけれども,その方向で共通に人の移動を,資格を認めるという方向で動いていると理解しています。
 それでは,一応ここのところですぐいろいろ考えると言われてもどうかということもありますので,今の出た御意見をまとめて今後の議論のベースにしていきたいと思いますので,よろしくお願いします。
 それでは最後に,報告になりますけれども,教員の養成・採用・研修の改善について,教員養成部会で議論をされています。そのときの大学院段階の教員養成分野の専任教員数について,報告という形で報告をしていただければと思います。よろしくお願いします。

【佐藤教員養成企画室長】
 
教員養成企画室の佐藤でございます。貴重なお時間を賜りましてありがとうございます。資料6-1,6-2に沿いまして御説明をさせていただきたいと思います。
 今ございましたように,先般,教員養成部会のワーキンググループで論点整理というのがまとまりまして,その中で教職大学院あるいは大学院段階での学びに関しても言及がございましたので,御紹介をさせていただきたいと思います。
 まず,この論点整理でございますが,これは教員養成部会の下にワーキンググループを設置しまして論点を整理したというものでございまして,これ自体をもって直ちに制度改正等を行うということではありません。先般,新たに中教審に対して諮問がなされまして,これから教員の在り方につきましても教員養成部会を中心に議論が進められていくことになろうかと思いますが,そのための論点整理という段階でございます。
 ,参考資料6で本文を付けておりますが,そちらはお時間のあるときに御覧をいただければと思います。まず,検討の背景,改善の必要性と方向性として,中教審で示されました,学び続ける教員像の理念の確立とその実現をめざすこと,大学が教員養成をみずからの社会的使命として再確認し,質保証に取り組む仕組みを構築すること,その中で,養成・採用・研修の各段階において大学と教育委員会,学校等の緊密な連携・協働の実現を目指すことが重要ということを基本的なスタンスといたしました。その上で,養成・採用・研修の改善の視点ですが,概要では省略をされておりますが,本文の方では,この中で教職大学院等の積極的な活用を求めたことというのも1つ視点として入っているところでございます。
 具体的な改善について大きく3点に分けてありますが,特に教員養成課程の改善に関し,大学院段階について,教職生活全体を通じたキャリア形成と資質向上の取組の中に,教職大学院等,大学院段階の学びを明確に位置付けることが必要とされています。このことに関し,本文の方には,例えば管理職等の教職生活の各段階で求められる資質能力を明らかにした上で,教育委員会と大学・大学院との連携・協働の下に,大学院段階,特に教職大学院等についてより高度な実践的指導力や学校の経営管理力等を養成するものとなるよう検討していくことが重要であると言われています。
 併せて,これは必ずしも大学院段階ではございませんが,教育課程の改善の中で,学部・学科段階のポツの3番目に,「教科専門」と「教科の指導法」の融合を実現する「教科内容構成科目」の開設ということがありますが,いわゆる教科専門の在り方についても言われているところでございます。
 2番の教員免許制度の改善で,いわゆる専修免許についても指摘がされていますが,それについては省略をさせていただきます。
 それから3番目の採用と研修の改善では,概要にありますとおり,進学者・修了者を対象とした取組の促進,例えば選考等における特例措置,あるいは教職大学院等を活用した研修の高度化ということについても論点が示されています。
 これは,先ほど申し上げましたように,論点を整理したということで,今後さらに教員養成部会を中心として議論が進められていくことになろうかと思います。また,大学院に関わる部分で議論が進んだ場合には,適宜御報告,御紹介をさせていただければと思っているところでございます。
 続きまして,資料6-2「大学院段階の教員養成分野の教員数について」でございます。平成24年8月の中教審答申におきまして,教職大学院の設置促進という方針が示されましたが,それを踏まえまして協力者会議で議論を進めて,昨年10月に報告が出たところでございます。その中で,大学院段階の教員養成に関し,特に国立の教員養成系修士課程は,原則として教職大学院に移行していくこと,またそれに合わせて必要教員数についても提言を頂いたところでございます。教育再生実行会議の方でも,教員養成に関して量的拡大から質的充実への転換ということで,組織編制の見直しや実践的なカリキュラムへの転換などが言われています。今般,ミッションの再定義におきましても,教職大学院への重点化等を推進するというということで各大学のミッションの再定義が行われてまいりました。これらを踏まえまして,教職大学院への移行,これにシフトしていくということをにらみつつ,新たな組織体制として必要な教員数の基準を定めようということで検討しているものでございます。
 こちらにつきまして,告示の改正を検討しているところでございます。具体的な改正案につきましては調整中であり,今日はお示しをしておりません。見直しの概要でございますが,大学院に専攻ごとに置く教員数に関しまして,教職大学院において教科領域に係る教育を実施する場合の教員数並びに修士課程において分野をくくった複数教科の内容を含む専攻を置く場合の教員数につきまして,適切な規模の編成ができるようにということで検討しているものでございます。具体的には,教職大学院につきましては,修士課程の学校教育専攻に必要な研究指導教員数の1.5倍の数に,必要な研究指導教員数の3分の2以上の数を加えた数の専任教員が必要となっていますが,教職大学院が教科領域の内容を含む場合には,資料の下に書いてございます数式のように,教科ごとに1名ずつを加えた数の1.5倍と3分の2の算定を行い,必要な専任教員数を算出するということで検討しているところでございます。
 めくっていただきまして2ページ,修士課程でございますが,教科ごとに必要な研究指導教員の数が定められているわけでございますが,複数教科をくくって1つの専攻とする場合には,そのくくる中で必要な研究指導教員数が最も多い教科の専攻に置くべき数に,それ以外の教科ごとに1名ずつを加えたものを必要な研究指導教員数とし,必要な研究指導補助教員については同様に3分の2以上ということで考えているところでございます。そのようなことを検討してございます。
 3ページ以下にイメージとして,今の考え方に基づいて実際にシミュレーションした資料をお付けしておりますが,これについては時間の関係上省略をさせていただきます。
 また6ページに,このような措置を進めた場合の教科領域を含む教職大学院の組織イメージを併せてお付けしておりますので,御参考にしていただければと思いますが,詳細な説明は省略をさせていただきます。
 これにつきましては,今後パブリックコメントを含め御意見を頂戴しながら,引き続き検討してまいりたいと考えております。具体的には,28年度設置のものにつきましては若干審査過程が前倒しになり,27年3月までに28年度設置に向けたものに関する書類を提出することになってございますので,それに間に合うように検討を進めて,お示しできるようにと考えているところでございます。
 以上でございます。

【有信部会長】
 どうもありがとうございました。本件については一応その報告を受けるということなので,もし何か個別に疑問点,御質問等ありましたら,それぞれ個別に事務局宛てに質問をしていただければというふうに思います。ということでよろしくお願いします。
 本日の検討をすべき案件はこれで全てだと思いますので,事務局から何か連絡事項がありましたらよろしくお願いします。

【猪股大学改革推進室長】
 次回の大学院部会は9月の後半以降で日程を仮置きさせていただいておりますが,確定しましたら,追って各委員に御連絡をいたします。よろしくお願いいたします。

【有信部会長】
  本日の部会はこれで閉会とさせていただきます。ありがとうございます。

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-- 登録:平成27年04月 --