2009年5月18日
キヤノン株式会社
採用センター
標題の件につきまして、弊社の新卒採用活動における人材要件及び大学院教育における人材育成に関する受入企業側としての見解を記載いたします。
1. 三自の精神(弊社行動指針)
自発:何事にも自ら進んで積極的に行うこと。
自治:自分自身を管理すること。
自覚:自分が置かれている立場・役割・状況をよく認識すること。
2. コミュニケーション能力
自分の考えていることを相手に伝え、説得して、行動を起こさせる力。
チームワーク(人の和)を重視し、集団の中で自分も周りも活かすことができる力。
3. 「創造力」と「想像力」
クリエイティビティとイマジネーションを豊かにして仮設を立て、その仮説を様々な手段を用いて検証していく力。
1. 修士号取得者(技術職)
研究者としての学問的な知識だけでは無く、製品開発・設計といった企業活動における実務の担い手として必要な「ものづくりの基礎能力(※)」を求めています。
※弊社では入社一年次に専門基礎研修として、専門技術分野(機械・電気等)毎に技術者として必要な基礎知識、実務教育を実施しています。
2. 博士号取得者(技術職)
新しい未知の分野の開拓者として、指導者がいなくとも自ら率先して課題を抽出し、自身の高度専門知識を用いて解決することのできる、自律した強い個人であることが必要となります。
教育歴別に意識した採用活動を行い、初任給についても教育歴別としています。
研究部門:専門知識をベースに、新しい分野の開拓者としての役割を担うことから、博士号または修士号取得者を積極的に配属しています。
開発部門:チーム内での製品開発・設計といった実務が主体となるため主に学部・修士号取得者を配属しています。
日々の企業活動を支える製品開発行為を担うことのできる人材を積極的に採用したいと考えています。
将来の企業活動の源泉となる新しい分野を開拓することのできる研究者も継続して採用したいと考えています。
いずれにしても特定の時期に、特定の教育歴に偏って採用をするのではなく、経営の状況を鑑みながら弊社内の需要に基づくバランスの取れた採用活動を行うことが重要であると考えています。
現状では受入企業側の期待に対して不足する部分があると考えています。具体的には、多くの大学院生が企業への就職を選択する中で、多くのものづくり企業で期待されている「製品開発・設計といった企業活動における実務の担い手として必要なものづくりの基礎能力」が体系的・組織的に教育されている事例が十分では無いことが挙げられます。
また、企業側が求める「高度な専門知識を有する人材」とは「博士号取得者」レベルとなります。加えて、入社の段階で高度な専門知識を必要とする研究職は、日々の企業活動を担う製品開発職に比べて需要は多くありません。したがって、大学院教育に関しては、専門知識を基にした研究職志向の学生だけではなく、学部・修士課程を通じて企業活動の実務に必要な「基礎能力」に長けた学生を育成する役割を要望したいと考えています。
以上
大学院係
電話番号:電話番号:03-5253-4111(内線3312)
-- 登録:平成22年02月 --