中央教育審議会初等中等教育分科会 学校安全部会(第6回)における主な御意見

【構成について】

  • 学校は教育の場であり、生涯学習の入り口という観点からも、項立ては、「安全教育の充実」を「組織的取組の推進」の前に置いた方がよいのではないか。
  • 学校では、児童生徒等の命を守ることが最優先すべきことをしっかり示すことが重要。教職員の意識の高揚にもつながる。その意味では、「組織的取組の推進」が最初でもいい。「はじめに」として記載してもよい。
  • 2次計画全体を通じて、未来の担い手としてどのような子供たちを育成していくのかというビジョンを記載することが必要。
  • 全体を通した5年後を見据えた行程表のようなものが出せないか。ステップを踏んだ記載ができれば説得力が増すのではないか。

【児童生徒等の安全を取り巻く現状と課題】

  • 教員の意識の問題についても記入する必要がある。現状と課題の部分を子供の被害に関する内容だけではなく、もっと広くとらえて記載してはどうか。
  • 自然には、災害をもたらす危険性がある反面、恩恵も与えてくれるという二面性についての記載を追加することが必要。自然体験活動が少なくなっていることは、体験的認識の不足につながり、教育でどう補うかが現代的課題の一つとしてとらえることもできる。
  • 安全教育が充実しない原因を挙げて、その対策を示していかないといけない。例えば、教員の意識・指導力の差、校種の差、地域の差が大きいことが主な原因と感じており、この課題を打開するための方策を打ち出していくことがこの5年間では必要ではないか。
  • 中高生を対象とした現状(犯罪被害、自転車事故)についても記入することが必要。

【学校における安全に関する組織的取組の推進】

  • 学校においては、学校安全計画を作成する際、ただ作成するのではなく、学校の安全に対するしっかりとしたコンセプトが必要。
  • 学校安全計画や危機管理マニュアルの不断の検証・改善を行う上では、自分の学校だけではなく、他の学校での事故事例も取り入れることが必要。
  • 教職員は、学校が存在する地域の自然条件等の特性を理解することが重要であることを明記することが必要。
  • 学校安全に関する指導者育成の観点からも、教員が自主的に学び合える場を作ることが必要。
  • 安全教育に関して、防災主任を置くだけでは不十分で管理職のリーダーシップの下に教職員全体で学校安全についての共通理解を図ることが重要。

【安全に関する教育の充実方策】

  • 安全教育の資質・能力に関する表現にばらつきがあるため、整理することが必要。
  • カリキュラム・マネジメントのイメージが示されているが、学校でのカリキュラム・マネジメントの確立のためには、取組に必要な時間、どこで安全をやるのかなど具体的事例を示すことが必要ではないか。
  • 年間指導計画を見直し、各教科等の安全に関連するものをつなげることが、基本的なカリキュラム・マネジメントである。
  • 安全教育に係る時間の確保のための方策として、カリキュラム・マネジメントととしてとらえているところは、前進だと思う。
  • 安全に関する資質・能力の育成について、教科等横断的な取組が強調されているが、幼稚園からの学校種間のつながりについても考えることが必要。各学校段階における学習経験を積み上げていくことの重要性を記載すことが必要。
  • 文部科学省で4月から運用している学校安全ポータルサイトについて、子供たちが学ぶことができる、教員が学ぶことができるものにする等、学習教材、コンテンツを引き続き充実させていくことが必要。
  • 避難訓練は、教職員の防災管理の観点のみならず、児童生徒等にとっても実践的な場であり、「危機発生時対応学習」と呼んでいる学校もある。また、避難生活を体験する訓練も行われていることも踏まえ、避難訓練に代えて防災訓練という表現を使用することも考えてはどうか。

【学校安全に関するPDCAサイクルの確立】

  • 安全点検に関しては、学校による自己点検だけではなく、施設の安全性や危機管理体制などについて、それぞれ外部の専門的な視点からの点検も必要。
  • 学校事故などが発生した際、その検証や保護者対応を行う上では、学校だけに任せるのではなく教育委員会による組織的なサポート体制を整備することが必要。

【地域・家庭、関係機関との連携・協働】

  • 交通事故の発生に関して、大人がルールを守らない現状にある。大人の意識の改善についても伝えていくことが重要。
  • 自転車を運転しながらスマホを操作している生徒も見られる。事故につながる危険性があることから、ながらスマホの撲滅に向けて方策を書き込んでいくことが必要。
  • ルールやマナーを教えることについては、家庭も責任を持って学校と一緒に取り組んでいくことが重要であるという視点も必要。
  • 災害が多く発生する中で、学校は避難所運営に協力する場面が出てくることが予想されることから、地域と協働した避難所運営訓練の必要性についての記載が必要。

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初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成28年11月 --