第2章 これからのコミュニティ・スクールの在り方と総合的な推進方策について 第3節 コミュニティ・スクールの総合的な推進方策

ポイント

  • 国として,コミュニティ・スクールの一層の推進を図るため,財政的支援を含めた条件整備や質の向上を図るための以下の方策を総合的に講じていく必要。
    • 様々な類似の仕組みを取り込んだコミュニティ・スクールの裾野の拡大
    • 学校の組織としての総合的なマネジメント力の強化
    • 学校運営協議会の委員となる人材の確保と資質の向上
    • 地域住民や保護者等多様な主体の参画の促進
    • コミュニティ・スクールの導入に伴う体制面・財政面の支援等の充実
    • 幅広い普及・啓発の推進
  • 都道府県の教育委員会においては,都道府県としてのビジョンと推進目標の明確化,知事部局との連携・協働,全県的な推進体制の構築,教職員等の研修機会・内容の充実,都道府県立学校におけるコミュニティ・スクールの推進等を図ることが求められる。
  • 市町村の教育委員会においては,市町村としてのビジョンと推進目標の明確化,首長部局との連携・協働,コミュニティ・スクール未指定の学校における導入等の推進等を図ることが求められる。

 本審議会では,第2節の制度的な見直しに加え,コミュニティ・スクールの拡大・充実のための総合的な推進方策について審議を重ねた。
 全ての公立学校をコミュニティ・スクールとしていくことは容易ではない。教育委員会や学校が抱いている不要感や不安感,負担感など,様々な課題に対して,真摯に向き合い,解決に向けた働き掛けや支援を行っていくとともに,社会総掛かりでの教育の実現に向けた大きなうねりを巻き起こしていく必要がある。
 なぜコミュニティ・スクールとしていく必要があるのか,どんなメリットがあり,導入によって,子供たちがどう変わっていくのか。教育委員会や学校が動くための糸口は「共感」を得ることであり,関係者が熟議を重ね,コミュニティ・スクールの導入によって,子供たちが変わり,学校が変わっていくという成功体験を積み重ねていくことが重要である。このためにも「地域とともにある学校づくり」のために重視してきた「熟議」,「協働」,「マネジメント」の視点(※1)を大切にしていく必要がある。
 コミュニティ・スクールをはじめとした地域とともにある学校づくりに関わる当事者にとって,それぞれの立場から関わる魅力は,以下のように整理することができる。

  • コミュニティ・スクールをはじめとした地域とともにある学校づくりの魅力
    • (子供にとっての魅力)
      • 学校に多様な人々が関わっていくことで,多くの大人の専門性や地域の力を生かした教育活動等が実施され,学校での学びがより豊かに,広がりをもったものとなり,子供たちの学びが充実する。
      • 信頼できる大人と多くの関わりを持ち,愛情を注がれることにより,自己肯定感や他人を思いやる心など,豊かな心が育まれる。
      • 地域の人々に支えられ学んでいくことで,地域への愛着が芽生え,地域の担い手としての自覚が育まれる。
      • 防災・防犯等の観点からも,平素からの学校と地域の人々との関係づくりが,子供たちの命や安全を守ることにつながる。
    • (教職員にとっての魅力)
      • (特に管理職にとって)学校運営に関する基本方針の承認等を通じ,地域住民や保護者等の理解・協力を得た風通しのよい学校運営が実現する。
      • 地域住民や保護者等が学校の状況を理解し,賛同してくれているという後押しを得られることで,安心して仕事ができる環境が得られる。
      • 相互理解に努め,共に成功体験を重ねるなど信頼関係を構築していくことで,地域の人々が学校の応援団となってくれている実感が得られる。
      • 地域の人々との交わりで得られる多様な経験を通じ,教員としての意欲が高まり,豊かな指導力の発揮につながる。
      • 教育や子供たちの成長に対する責任を分かち合い,学校がやるべきこと,家庭がやるべきこと,地域がやるべきことの役割分担が図られることで,教職員が子供と向き合う時間の確保につながる。
    • (保護者にとっての魅力)
      • 学校への関わりを通して学校や地域への理解が深まることで,子供たちが地域の中で育てられているとの安心感が生まれる。
      • 保護者が学校に関わっていくことで,保護者同士のつながりや地域の人々とのつながりが生まれる。
    • (地域住民にとっての魅力)
      • 学校運営や教育活動等への参画を通じ,子供たちと触れ合い,これまで学び培ってきたことを生かす機会が得られることで,自己有用感や生きがいにつながる。
      • 学校運営や教育活動等への参画を通じ,地域の人々が集うことで,学校が,社会的なつながりが得られる場となり,地域のよりどころとなる。
      • 地域のネットワークが形成されることで,地域づくりの輪が広がっていく。
      • 学校を中心につながった絆(きずな)は,地域の力を高め,地域の人々に安心と生きがいを与える。
      • 防災・防犯等の観点からも,平素からの学校と地域の人々との関係づくりが,地域の安全を守ることにつながる。
      • 企業やNPO,大学等が教育活動等に参画することで,その専門性を生かす機会を得ることができるとともに,社会的な信頼の向上につながる。

 コミュニティ・スクールの拡大・充実のための推進方策として,有効と考えられる方策を以下に示す。国は,これらの推進方策を着実に実行するとともに,各地方公共団体等においても,これらの方策を踏まえた積極的な取組が進むことを期待する。


  • ※1 本答申案p.10に記載の視点

1.国におけるコミュニティ・スクールの拡大・充実のための推進方策

(1)コミュニティ・スクールの裾野の拡大

 コミュニティ・スクール未指定の教育委員会において,導入していない理由の多くが,学校評議員制度や類似制度があるから,地域連携がうまく行われているからといったコミュニティ・スクールに対する不要感である。
 学校支援等の取組や学校評議員,学校関係者評価,その他自治体独自の類似の仕組みは,学校と地域の協働関係・信頼関係の土台となる大切な取組である。学校支援等の取組や学校評議員,類似の仕組みを基盤とし,段階的にコミュニティ・スクールに発展していくことで,組織的・継続的な体制が構築され,従来の取組も一層充実していく。また,コミュニティ・スクールの機能として学校評価の機能を位置付け,学校運営協議会と学校関係者評価を一体的に推進することは,学校運営の評価・改善サイクルの充実につながる。このように,コミュニティ・スクールの推進に当たっては,これまで各学校が培ってきた実践の内容や方法,組織を効果的・効率的に生かしていく視点が必要である。
 地域独自の取組も含め,類似の仕組みは様々な形式があり,一概に比較することはできないが,類似の仕組みからコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度を導入した学校)に発展することによる主な魅力やメリットは以下のように整理できる。

  • 類似の仕組みからコミュニティ・スクールに発展することによる主な魅力やメリット
    • 事業としての類似の仕組みから,法律に基づく学校運営協議会を置くコミュニティ・スクールに発展することで,学校・家庭・地域の組織的・継続的な連携・協働体制の確立が可能となる(学校の人事異動に左右されない学校教育の実現)
    • 学校運営の当事者意識を有した委員の意見が得られることで,学校運営の改善・充実が図られる
    • 学校・家庭・地域において,共通したビジョンをもった取組の展開が可能となり,一方的な支援にとどまらない,主体的・協働的な取組が展開される
    • 学校運営協議会の機能である学校運営に関する基本方針の承認を通じて,地域住民や保護者等に対する説明責任の意識が向上するとともに,地域住民や保護者等の理解・協力を得た風通しのよい学校運営が可能となる
    • 学校運営協議会の機能である学校運営や教職員の任用に関する意見を通じて,教職員の意識の向上,学校の組織としての意識や力の向上につながりやすい
    • 類似の仕組みには,地域住民や保護者等の支援のみを求める例が見られるが,コミュニティ・スクールの場合には多様な人材の英知を結集することができるため,学校運営の改善を果たすより確かなPDCAサイクルを確立しやすくなる
    • 学校関係者評価の仕組みを生かしたコミュニティ・スクールにしていくことで,学校・家庭・地域の関係者が共に成果や課題を共有し,取組の改善に生かしていく学校運営のPDCAサイクルが有機的に機能していく

 学校や教育委員会が自らコミュニティ・スクールの意義や成果等を理解し,コミュニティ・スクールの道を選ぶことが最も大切なことである。ある県では,コミュニティ・スクールの導入に当たって,各学校が学校支援等の取組を通じ,家庭や地域と連携・協働しながら地域に開かれた学校づくりの推進に努めている現状を踏まえ,まずは,コミュニティ・スクールに指定されていない学校が主体的に地域住民や保護者等が参画する協議会を設置し,協議を通じて教育課題を共有し,その課題の解決に向けて一体となって教育活動に当たる仕組みを設け,段階的にコミュニティ・スクールへの移行につなげている。こうした学校の自主的・自律的な動きを後押ししていくなど,学校や教育委員会の主体的な環境整備を促していくことが必要であり,類似の仕組みを有している地域において,持続可能な仕組みとして,コミュニティ・スクールが推進されるよう,財政面等の支援を行っていくことが有効である。
 また,コミュニティ・スクールの裾野を広げていくことを目指して,平成23年度より「地域とともにある学校づくり」をもとに推進してきたコミュニティ・スクールの普及・振興策を継承し,一層発展させていく必要がある。

推進のための具体的方策

  • 国は,コミュニティ・スクールに対する不要感・抵抗感等を指摘する声に対し,同制度の付加価値や成果等について丁寧に説明し理解を促すとともに,以下の取組を推進する。
    • 「学校を核とした地域力強化プラン」を通じた,コミュニティ・スクールと「地域学校協働本部(仮称)」等の一体的な取組に対する重点的な支援
    • 学校評議員や類似の仕組みからコミュニティ・スクールに段階的に発展していく取組に対する財政的な支援
    • 学校関係者評価委員会を生かしたコミュニティ・スクールに対する財政的な支援
    • 学校運営協議会によらない形で,地域住民や保護者等が学校運営に参画する体制を構築している取組の収集と積極的な発信,段階的な発展プロセスの可視化

(2)学校の組織としての総合的なマネジメント力の強化

 コミュニティ・スクールを核として地域とともにある学校づくりを一層推進するためには,各学校が地域住民や保護者等に対する説明責任を果たし,地域の人々から一層信頼される学校運営を進めていく必要がある。そのためには,これからの学校は,地域との関係を構築し,地域の人々と一体となった取組を進めることができるマネジメント力(※2)を備える必要があり,学校が組織としてのマネジメント力を最大限発揮できるよう,体制整備を図っていく必要がある。この視点は,学校が「チーム学校」として教育力・組織力を向上させ,一人一人の子供の状況に応じた教育を実現させる観点からも重要な視点である。
 とりわけ,校長は,学校運営の最終責任者として,リーダーシップを発揮するために,まず,子供たちや地域の実態を踏まえ,学校のビジョンを策定し,教職員のみならず,地域住民や保護者等に対して,意識や取組の方向性の共有を図ることが重要である。その上で,校長は,子供の育ちを軸に据え,地域住民や保護者等の力を学校運営に生かし,地域との連携・協働を推進していく意識と能力を備えていくことが重要である。
 また,コミュニティ・スクールを通じ,地域住民や保護者等の力を学校運営に生かしていくことが,子供たちの学びを豊かにし,学校の組織としての力を高め,学校を一層活性化していく基盤となることを,現場の教職員全体の共通認識としていく必要がある。すなわち,学校運営が個人の能力に依存するのではなく,学校が組織として力を発揮していけるよう,教職員の負担軽減の視点を持ちながらも,コミュニティ・スクールに教職員全体が関わるという意識を醸成する必要があり,学校と地域の連携・協働を円滑に行うための資質を養成していくとともに,教職員に対する研修内容の充実が求められる。この際,課題を抱える子供たちを見守り支える観点からも,保健福祉部局等との連携・協働の視点や家庭状況を理解する視点等も求められる。
 一方,学校と地域の人々が全体として目標を共有し,役割分担を進めながら,取組にふさわしい組織的な体制を構築していく必要があり,学校の中で学校と地域をつなぐ役割を担うコーディネート機能の充実が重要となる。学校内の体制整備の事例として,学校と地域の連携に関する職務を担当する教職員を置く例や校務分掌に位置付ける例,事務職員をコミュニティ・スクールの運営の中心的役割に位置付けている例,社会教育主事有資格者の教員を地域連携担当に位置付けることを積極的に推進している県もある。こうした事例では,地域との協働による授業や体験活動等の調整が円滑に行われ,地域連携に関する情報発信が積極的に行われるなど効果を発揮している。また,教職員がチームとして学校運営に関わるという観点等から,事務職員が学校運営に積極的に関わっていく視点が求められる。


  • ※2 本答申案で言う「マネジメント力」とは,学校の有している能力・資源を最大限生かし,学校に関与する人たちのニーズに適応させながら,学校教育目標を達成していく力を指す。地域とともにある学校としてのマネジメント力とは,目指すべきビジョンの達成に向かって,学校内の組織運営を管理することにとどまらず,地域との関係を構築し,地域の人材や資源等を生かした学校運営を行っていく力を指す。

推進のための具体的方策

  • 国は,地域とともにある学校の組織としての総合的なマネジメント力の強化を図るため,以下の取組を一層推進する。
    • (教職員の養成・研修段階における方策)
      • 教員養成課程や教職員の研修(初任者研修,十年経験者研修,管理職研修,事務職員研修等)において,地域とともにある学校づくりの視点が適切に反映されるよう,大学と教育委員会との連携の下で,学校と地域の連携・協働を円滑に行うための資質を養成していくこととし,教職課程においてその取扱いの充実を図るべく,関係法令及び教職課程の編成に当たり参考とする指針(教職課程コアカリキュラム)の整備のための検討を進める。また,独立行政法人教員研修センターが実施するマネジメント力向上のための研修プログラムの充実(管理職層,ミドルリーダー層,学校事務職員)を図るとともに,各都道府県教育委員会等が実施する教職員の研修機会・内容の充実を促し,必要な支援を行う。
    • (地域連携を担当する教職員の明確化等教職員体制の整備)
      • 国は,学校と地域の信頼関係を構築し,地域の力を生かした学校教育の充実や,学校全体の負担軽減,マネジメント力の向上を図るため,学校内において地域との連携の推進を担当する教職員を法令上明確化することで,校内体制の整備を図る。この際,社会教育主事有資格者の活用を図ることも検討するとともに,授業時数や校務分掌等での負担軽減を含めた学校全体の業務の最適化や,教職員体制の整備充実を図ること等を通じ,当該職員が地域との連携に力を発揮できる環境の確保を図ることも検討する。また,事務職員については,学校運営事務に関する専門性を生かし,学校の事務体制を充実させるため,職務内容の見直し等を検討する。
      • 国立教育政策研究所や事務職員の研究・研修団体等と連携し,研修プログラムモデルの開発・普及を行うなど,地域連携の推進を担当する教職員や事務職員の育成を促す。

(3)学校運営協議会の委員となる人材の確保と資質の向上

 コミュニティ・スクールが実効力をもって機能するためには,学校運営協議会の委員として,自らが学校の運営に積極的に参画することによって,学校をより良いものにしていくという当事者意識と意欲を持ち,学校と共に行動していける人材を確保していく必要がある。
小規模の自治体等においては,学校運営協議会の委員の確保が難しいという声や,地域の会議に出てくる人はいつも固定化されているといった話が聞かれる。学校運営協議会が活力を持ち,持続的に運営されていくためには,委員の流動性を確保しつつ,継続的に人材を確保していく仕組みを構築することが必要である。
 学校運営協議会の委員としての資質を備えた人材を最初から求めることは難しいが,地域には学校に協力的で,子供たちとの関わりに熱心な人材は少なからず存在する。そうした人材を将来の学校運営協議会の委員の候補として,熟議や研修等を通じて資質の向上を図ることにより,育てることができる。例えば,学校行事に積極的に参加・協力している者や,地域イベントの実施に携わり子供たちの育ちを見守る者,PTAの役員等を協議会の委員候補としていくことで,人材を確保すること等も有効である。また,各地域で活躍している地域コーディネーター等が学校運営協議会の委員として参画することが有効であり,学校運営協議会に対する理解を深め,推進の要となっていくことが期待される。
 取組が継続的・安定的に発展し,活性化していくためには,関係者間で目標や課題意識を共有し,その地域の特色を生かしたコミュニティ・スクールの文化を地域に定着させていくことが重要であり,学校運営協議会の委員が,学校関係者や地域住民,保護者等と共に学び合い,教育の当事者としての意識を醸成する研修等の機会や熟議の場の充実が必要である。

推進のための具体的方策

  • 国は,学校運営協議会の委員に求められる資質能力の明確化と育成システムの整備を促進する。また,各都道府県教育委員会等における学校運営協議会の委員等に対する研修機会・内容や熟議の場の充実を促すとともに,必要な支援を行う。

(4)地域住民や保護者等の多様な人々の参画の促進

 コミュニティ・スクールを核に,地域とともにある学校づくりを一層推進していくためには,学校運営協議会の委員のみならず,地域住民や保護者等にも,自らが学校の運営に積極的に参画することによって,自分たちの力で学校をより良いものにしていくという当事者意識を高め,学校と地域住民や保護者等が力を合わせて学校の運営に取り組むことが重要である。
 コミュニティ・スクールの導入・運営に当たっての課題の一つに,「学校運営協議会の存在や活動が保護者・地域にあまり知られていない」といった認識がある。また,地域人材による参画も学校支援ボランティアなど一部の人々に限られており,必ずしも地域全体の動きに発展していない状況もある。地域の一部の人々だけが参画し,協力するのではなく,地域全体で子供たちの学びを展開していくために,地域住民や保護者,関係機関・団体など多様な主体の参画を促進していくとともに,当事者意識の醸成を促していくことが必要である。
 例えば,幼児期から中学校卒業程度までの子供たちの育ちや学びを地域ぐるみで見守り,支援するための取組を県全体で推進するなど,学校を核として,地域の様々な人材や資源を結びつける動きが各地で広がっている。地域のボランティアや保護者など個人としての関わりにとどまらず,自治会やPTA,おやじの会等の地域の団体や,企業,大学,NPO,地域人材を中心として構成する家庭教育支援チーム(※3)など,地域の多様な主体との連携を深めることにより,地域とともにある学校づくりに対し,参加から参画へ,協力から協働へと,具体的な行動を働き掛けていくことが求められる。また,多言語・多文化社会の理解に資する観点から,日本語指導が必要な外国人児童生徒の保護者等が参画することも重要である。
 また,コミュニティ・スクールの取組は,学校運営の改善のみならず,地域コミュニティを持続的に発展していく観点からも有効である。例えば,コミュニティ・スクールを基盤とし,ふるさとの未来を託せる人材の育成を目標に,村役場や農協等の関係機関等との連携を図りながら,村の特産物生産の体験学習や,村の課題を探求する学習等を取り入れている事例や,高等学校において,コミュニティ・スクールを基盤に地元自治体との協働関係を築き,地元企業やNPO,町役場等との協働による課題解決型学習を実践し,地域の課題解決・活性化に大きく寄与している事例もある。
 地方創生という課題をはじめ,教育委員会・学校と首長部局等の関係者が,地域と地域の将来を担う子供たちの将来像を共有した上で,協働により課題解決の取組を推進していくことで,活力ある学校づくりと地域の活性化を図っていくことも重要である。この際,小・中学校における取組にとどまらず,高等学校においても,地元自治体や地元企業・団体等とのつながりを深め,地域課題の解決に貢献する取組を支援すること等を通じ,小・中学校で育まれた地域への愛着や興味・関心を更に発展させ,地域を担う人材へと成長していくことを促進していくことも重要である。
 さらに,子供たちが地域の一員としての自覚と意識を高める観点から,地元の大学生や高校生等の若者を積極的に巻き込み,主体的・実践的な活躍の機会・場を設けていくことも重要である。コミュニティ・スクールを通じて地域に育てられ,成長した若者が,次の世代の子供たちを育成する担い手となっていくことで,自身も育ち成熟していく「人づくりと地域づくりの好循環」につながっていくことが期待される。これは,学校運営協議会の委員の育成・確保の観点からも有効である。


  • ※3 子育て経験者,教員OB,民生委員,児童委員,保健師,臨床心理士,社会福祉士等の地域の様々な人材や専門家で構成され,保護者への学びの場の提供や,地域における親子の居場所づくり,訪問型家庭教育支援等の業務を行う任意の組織。文部科学省では登録制度や補助事業により家庭教育支援チームの取組を推進している。

推進のための具体的方策

  • 国は,コミュニティ・スクールと一体で,「地域学校協働本部(仮称)」など学校と地域が連携・協働して教育支援に取り組む仕組みを促進するとともに,学校と地域をつなぐコーディネーターの育成・機能強化を促進する(「地域学校協働本部(仮称)」や地域コーディネーターの在り方については第3章参照)。
  • また,学校・家庭・地域の関係者を広く集めた「地域とともにある学校づくり推進フォーラム」等を開催し,普及・啓発を図るとともに,各都道府県教育委員会等が開催する,地域住民や保護者等の多様な人々の参画を促進するための研修や熟議,フォーラム等に対する支援を行う。この際,地域で活躍する様々な教育関係機関・団体等の全国組織との連携を図る。
  • 首長部局等との連携・協働による課題解決学校モデルを構築し,その成果の普及と全国への発信等を行う(高等学校のコミュニティ・スクールの推進をはじめとする高校魅力化の取組への支援等)。

(5)体制面・財政面における支援等の充実

 前述のとおり,コミュニティ・スクールの導入・運営に当たっての課題認識として,管理職や担当教職員の勤務負担が大きい,委員謝礼や活動費等の資金が十分でないといった課題が示されている。学校運営協議会の設置に伴い,会議の開催そのものの業務のほか,委員との連絡調整や協議事項等の調整など,運営に係る様々な業務が生じることから,課題を踏まえた適切な支援が求められる。
 コミュニティ・スクールの推進に当たり,継続的・安定的な運営を可能とするためには,教職員の勤務負担の軽減も含め,教職員体制の整備等の人材面や財政面での支援の充実を図っていく必要がある。導入の状況には地域差もあることから,とりわけ,未導入の地域を中心とした支援を着実に推進することが必要である。また,継続的・安定的な取組を保障するための財政支援の仕組みが必要である。
 学校の中で学校と地域の人々をつなぐ役割を担うコーディネート機能として,教職員を地域連携担当として校務分掌に位置付ける事例以外にも,地域人材をコーディネーターとして校内に配置する例や,学校支援地域本部の地域コーディネーターを学校運営協議会の委員と位置付け,両者の橋渡し役を担うだけでなく,運営の中核も担っている例もある。こうした学校では,地域との連携・協働が円滑に行われるだけでなく,教員が子供と向き合う時間を確保する観点でも有効であると感じており,こうした取組も含め,体制面での支援の充実を図っていく必要がある。平成27年度予算から,学校運営協議会の運営に係る様々な業務を担う地域人材として,CSディレクターの仕組みを創設したところであり,積極的な活用を一層促進する必要がある。
 さらに,学校が複雑化・困難化した課題を解決し,子供たちに力を身に付けさせていくためには,学校や教職員一人一人の業務を見直し,改善していくことが求められる。文部科学省では,平成27年7月,各教育委員会における学校現場の業務改善に向けた支援に資するよう,「学校現場における業務改善のためのガイドライン」を作成・公表した。国や教育委員会は,このガイドラインも活用し,教職員が業務を効率的・効果的に進めることができるような支援を行うことが必要である。
 このほか,コミュニティ・スクールの運営をより効果的なものとするためには,学校の創意工夫を生かした様々な取組が可能となるよう,校長裁量予算や学校財務における校長権限の拡大など,校長の裁量権を拡大することが重要である。

推進のための具体的方策

  • 国は,コミュニティ・スクールの導入に伴う体制面・財政面等の負担解消に向け,以下の取組を推進する。
    • コミュニティ・スクールの仕組みの導入に伴う教職員の負担を軽減し,子供と向き合う時間を確保するための体制の整備充実(事務の共同実施の促進など事務機能の強化や,コミュニティ・スクール導入に伴う教職員の加配措置等)
    • コミュニティ・スクールの運営や分野横断的な活動の総合調整など総括的な立場で調整等を行うCSディレクターの配置促進
    • 学校と地域の連携・協働の中核となる地域コーディネーターの配置促進
    • コミュニティ・スクールの導入等に伴う財政的な措置の充実(コミュニティ・スクール導入を目指す地域における運営体制づくりの支援,コミュニティ・スクールの取組の充実を図るための支援の充実(※4))
    • 高等学校や特別支援学校等の特性を踏まえたコミュニティ・スクールの実証研究に対する支援
    • 「学校現場における業務改善のためのガイドライン」等を活用した研修の実施や業務改善の取組に対する財政的な支援の充実
    • 学校裁量の拡大のための好事例の普及等(教員公募制等人事面での裁量拡大,使途を特定しない裁量的経費等予算面での学校裁量の拡大)

  • ※4 「コミュニティ・スクール導入等促進事業」において,国が1/3を補助。2/3の地方負担部分については,地方財政措置されている。

(6)幅広い普及・啓発の推進

 前述のとおり,コミュニティ・スクール未指定の教育委員会において,導入していない理由として,コミュニティ・スクールに対する不要感や,任命権者の人事権が制約される,特定の委員の発言で学校運営が混乱するといった不安感を挙げる声がある。
 こうした指摘に対し,コミュニティ・スクールが学校と地域との連携・協働体制を持続可能にする仕組みとして有効な手段であるという意義や,法的な権限についての正確な解釈のみならず,校長がリーダーシップを一層発揮し,特色ある学校づくりを進めていく上でも有効な手段であることなど,その付加価値や成果,運営上の課題に対する工夫等について丁寧に説明し理解を促していく必要がある。
 特に,コミュニティ・スクール指定の決め手として,「教育委員会からの働きかけ」を指摘する学校は約8割と,教育委員会の姿勢,とりわけ,教育長の姿勢が鍵となる。コミュニティ・スクールは,地域住民や保護者等の参画によって学校の意識や力を高め,組織的・継続的に学校運営の改善等を果たす有効な仕組みであり,子供たちや学校の抱える様々な課題の解決に生きてくる仕組みであるということを,教育長の意識にこそ働き掛けていく必要がある。
 さらに,コミュニティ・スクールは,地域コミュニティの再生,まちづくりにもつながる取組であり,市民参画の有効な手段として,首長にも働きかけていくことが求められる。
 他方,これまで小・中学校においてコミュニティ・スクールが進んできた状況であったが,小・中学校のみならず,幼稚園,高等学校及び特別支援学校におけるコミュニティ・スクールの推進を積極的に働きかけていく必要がある。
 このほか,コミュニティ・スクールの更なる発展のためには,子供たち,教職員,保護者,地域の変容等の観点から,各校の取組を客観的に評価し,その結果を共有・発信する必要がある。

推進のための具体的方策

  • 国は,コミュニティ・スクールの普及・啓発を図るため,以下の取組を推進する。
    • 都道府県教育委員会に対し,域内市町村の教育長のための研修と熟議の充実を促すなど,教育長への働きかけの促進
    • 全国都道府県教育委員会連合会や全国市町村教育委員会連合会,全国都市教育長協議会,中核市教育長会,全国町村教育長会,各種校長会・園長会等の関係団体と連携した,コミュニティ・スクールを推進する運動のネットワーク化を促進
    • 関係団体等との連携により首長への働き掛けを促進し,総合教育会議の活用を促進
    • 地域とともにある学校づくり推進フォーラム等の開催
    • 各都道府県教育委員会等の開催する推進フォーラム等への財政的支援
    • コミュニティ・スクール推進員(CSマイスター)の配置充実と未導入地域に対する重点的な支援,各都道府県におけるコミュニティ・スクール普及のための体制構築を支援
    • 学校種の特性を踏まえたコミュニティ・スクールの取組の収集と積極的な発信
    • コミュニティ・スクールの成果検証や導入に当たっての阻害要因の解消に向けた取組に関する実証的研究を支援

2.都道府県・市町村の役割と推進方策

 これまでの提言を踏まえ,今後,各地方公共団体は,全ての学校がコミュニティ・スクールとなることを目指し,一層の拡大・充実が必要との認識に立って,積極的な姿勢で取組を推進していくことが求められる。
 そのためには,教育長をはじめとする教育委員会関係者や校長の意識が重要である。地域住民や保護者等の参画を得ることが学校運営の改善,教育改革の実現のための大きな力となるというビジョンと,学校や地域の理解を得るためのリーダーシップの発揮が不可欠である。
 コミュニティ・スクールに対する不要感や不安感等の課題認識は,指定により大きく解消され,その先に新しい学校の姿を見いだすことができる。課題認識を乗り越え,未来に視点を持って一歩を踏み出すことを期待したい。踏み出さなければ,何も変わらない。
 コミュニティ・スクールを核に地域とともにある学校づくりを一層推進していくためには,都道府県,市町村における学校教育部局と社会教育部局の連携・協働の強化が不可欠であり,両者の連携・協働による取組の推進が必要となるとともに,総合教育会議の活用等を通じた首長部局とのパートナーシップを構築していくことも重要である。
 なお,各教育委員会及び校長においては,コミュニティ・スクールの取組が学校運営の改善・充実に生かされ,子供たちの成長につながっていくよう,実効性のある運営に力を尽くすことが必要である。

(1)都道府県の役割と推進方策

 都道府県教育委員会(以下,本項目において「都道府県」という。)においては,広域人事など市町村間の調整や小規模市町村に対する支援にその役割を重点化し,市町村の自主性を尊重しつつ,教育の質の保証・向上に責任を果たしていくことが求められる。
 その前提の上で,都道府県の中には,教育振興基本計画にコミュニティ・スクールの推進目標を掲げ,県下100%の指定を目指し,域内市町の教育委員会を積極的に支援しているところもある。また,まずは学校と地域との信頼関係の構築から始めるために,学校を主体とした類似の仕組みを設けつつ,コミュニティ・スクールへの移行を促すなど,段階的な取組を進めているところもある。さらに,域内市町村の教育委員会や学校関係者等を対象とした協議会を開催したり,学校経営の基準として,コミュニティ・スクールの視点を位置付け,新任校長の研修等の充実を図るなど,コミュニティ・スクールを積極的に推進しているところがあるが,そうした取組は一部にとどまっている。
 今後,都道府県においては,コミュニティ・スクールをはじめ,地域とともにある学校づくりを一層推進するため,教育振興基本計画への位置付けをはじめ,都道府県としてのビジョンと推進目標を明確に示すことが必要である。また,域内市町村の教育長等への研修の充実を図るとともに,「地域とともにある学校づくり推進フォーラム」(仮称)等の開催により,域内市町村の教育委員会や学校・家庭・地域の関係者等に対し,広くコミュニティ・スクール等への理解促進を図ることが求められる。また,学校の管理職等への研修会の企画・実施,マネジメント力をもった管理職・教職員の育成及び配置とその積極的な評価等を推進することが求められる。
 さらに,地方公共団体内の学校教育担当者と社会教育担当者との連携・協働を密にしながら,コミュニティ・スクールと「地域学校協働本部(仮称)」等の一体的・効果的な取組を促すとともに,地域コーディネーター等の地域関係者と学校運営協議会委員等の研修を合同で開催するなど,関係者が共に学び合い,課題や目標等を共有し,ネットワークを深めることができる機会を充実していくことが求められる。

推進のための方策

  • コミュニティ・スクールの推進についての都道府県教育振興基本計画への位置付けなど教育委員会としてのビジョンの明確化と推進目標の明示
  • 知事部局と連携・協働した施策の策定・実施
  • コミュニティ・スクールと「地域学校協働本部(仮称)」等の促進とその一体的・効果的な推進に向けた地方公共団体内のチームとしての連携・協働体制の強化
  • 指導主事や社会教育主事の意識の向上と連携強化のための研修と熟議の充実
  • 都道府県としてのコミュニティ・スクールの推進の在り方等を協議する「コミュニティ・スクール等推進協議会」(仮称)の教育委員会内への設置
     ※現在の学校支援地域本部等に係る推進委員会を活用することが有効
  • 域内市町村の教育長及び教育委員のための研修と熟議の充実と,学校単位の指定から市町村全域への指定の促進
  • 域内市町村教育委員会や学校関係者等に対する研修と熟議の充実
  • 域内市町村におけるコミュニティ・スクールの導入の促進や取組の充実のための財政的な支援
  • 都道府県立学校におけるコミュニティ・スクールの推進
  • 域内市町村教育委員会や学校関係者等に対する積極的な普及・啓発
     (域内市町村教育委員会や教職員等の学校関係者,地域関係者等を対象とした「地域とともにある学校づくり推進フォーラム」(仮称)の開催,国の制度等活用説明会の積極的活用など)
  • 学校運営協議会委員や学校関係者,地域関係者等の研修機会・内容や熟議の場の充実
     ※地域コーディネーター等の研修との合同開催も有効
  • 地域連携の推進を担当する教職員の明確化(社会教育主事有資格者や事務職員の積極的な活用)
  • 教職員のマネジメント力向上等のための研修機会・内容の充実
     (初任者研修,十年経験者研修,事務職員やミドルリーダー等研修における地域との連携・協働に係る講座や熟議等の演習の実施,地域連携・協働に係るマネジメント力の向上のための管理職研修の充実)
  • 「学校現場における業務改善のためのガイドライン」等を踏まえた業務改善の推進

(2)市町村の役割と推進方策

 子供たちに最も身近なところで教育活動を担っているのは学校であり,市町村である。市町村教育委員会(以下,本項目において「市町村」という。)においては,自身の設置している学校の将来像を校長と共有するとともに,地域との連携・協働体制を確立するため,コミュニティ・スクールの推進を支援することが求められる。地域住民や保護者等に対しても,取組の必要性や成果を広く周知するなど,学校への理解と参画を促す環境づくりが重要である。
 また,都道府県と同様,地方公共団体内の学校教育担当者と社会教育担当者との連携・協働を密にしながら,まずは地域住民による学校支援,学校・家庭・地域の連携・協働体制の構築から始め,学校運営への参画に発展していく,あるいは,学校評議員を機能化・活性化し学校運営への参画に発展していくなど,コミュニティ・スクールを核とした地域とともにある学校づくりを推進していくことが求められる。
 このため,市町村は,国による実践研究の支援を積極的に活用するなどにより,教職員と地域の人々,保護者との熟議を重ね,校内及び地域との協働体制づくりを進めることが求められる。
 今後の少子化の更なる進行に伴い,学校統合や小規模校の存続など,活力ある学校づくりを目指した市町村の主体的な検討がなされることとなるが,コミュニティ・スクールを導入し,学校と地域のより密接な連携・協働関係を構築することは,魅力ある学校と地域づくりの推進につながる大きな契機となり得る。また,学校と地域が連携・協働した取組や,地域資源を生かした教育活動を進めること等により,地域に誇りを持つ人材の育成を図ることも求められる。
 なお,中学校区内の複数の学校が連携した運営体制は,地域とともにある学校の運営体制としてふさわしいものと考えられる。このため,コミュニティ・スクールの推進に当たっては,中学校区を運営単位として捉え,複数の小・中学校間の連携・接続に留意した運営体制づくりを進めていくことが期待される。

推進のための方策

  • コミュニティ・スクールの推進についての市町村教育振興基本計画への位置付けなど教育委員会としてのビジョンの明確化と推進目標の明示
  • 首長部局と連携・協働した施策の策定・実施
  • コミュニティ・スクールと「地域学校協働本部(仮称)」等の促進とその一体的・効果的な推進に向けた地方公共団体内のチームとしての連携・協働体制の強化
  • 指導主事や社会教育主事の意識の向上と連携強化のための研修と熟議の充実
  • 教職員等の学校関係者,地域住民,保護者等に対する積極的な普及・啓発(国の制度等活用説明会も活用したフォーラムや研修会等の開催,学校・家庭・地域の連携・協働体制の構築に向けた熟議の場づくりなど)
  • コミュニティ・スクール未指定の地域・学校における導入の推進
     (国の支援事業の積極的活用による学校・家庭・地域の連携・協働体制づくりの推進,事務機能の強化など教員の負担軽減も含めた効果的・効率的な校内体制の整備等)
  • 複数の小・中学校間の連携・接続に留意した運営体制づくりの推進
  • 管理職等のマネジメント力向上のための研修機会・内容の充実
  • 学校を核とした地域づくりの視点によるコミュニティ・スクールの展開
     (例:地域の魅力を発見する体験活動,地域の課題を知り探求する学習,児童生徒と共に活動する場の提供等)
  • 学校施設の積極的な開放等による地域の学び・集いの場づくりの推進
  • 地域住民や保護者等の参画の促進,関係機関・団体等の連携・協働の促進
     (自治会,PTA,婦人会,青少年団体,NPO,家庭教育支援チームなど地域組織との連携)
  • 地域連携の推進を担当する教職員の明確化(社会教育主事有資格者や事務職員の積極的な活用)
  • 「学校現場における業務改善のためのガイドライン」等を踏まえた業務改善の推進
  • コミュニティ・スクールとしての取組の充実を図るための,学校裁量で支出できる運営経費の措置

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成28年01月 --