新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について(答申(案)) はじめに

 平成27年4月14日に文部科学大臣より中央教育審議会に対し,「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方について」の諮問が行われた。諮問においては,社会情勢の変化や教育改革の動向等を踏まえたコミュニティ・スクールの在り方や,今後全ての学校がコミュニティ・スクール化に取り組み,地域と相互に連携・協働した活動を展開するための総合的な方策,学校と地域をつなぐコーディネーターの配置のための方策,地域の人的ネットワークが地域課題解決や地域振興の主体となる仕組みづくり等について審議が要請された。
 これらのうち,コミュニティ・スクールに関わる事項に関して専門的な審議を深めるため,初等中等教育分科会の下に「地域とともにある学校の在り方に関する作業部会」が設置され,地域における学校との協働体制の在り方に関わる事項に関して専門的な審議を深めるため,生涯学習分科会の下に「学校地域協働部会」が設置された。両部会は,平成27年4月以降,必要に応じて合同審議を行うなど緊密な連携を図りながら,学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策に関し,集中的に審議を行った。

 本答申案全体を流れている理念は,未来を創り出す子供たちの成長のために,学校のみならず,地域住民や保護者等も含め,国民一人一人が教育の当事者となり,社会総掛かりでの教育の実現を図るということであり,そのことを通じ,新たな地域社会を創り出し,生涯学習社会の実現を果たしていくということである。

 この理念を実現すべく,本答申案では,これからの教育改革や地方創生の動向を踏まえながら,学校と地域の連携・協働を一層推進していくための仕組みや方策を提言している。
 具体的には,まず,第1章では,学校と地域の「パートナーとしての連携・協働関係」への発展の必要性とともに,これからの学校と地域が目指すべき連携・協働の姿を示した。
 次に,第2章では,学校が抱える課題の解決を図り,子供たちの教育活動等を一層充実していく観点から,地域住民等と目標やビジョンを共有し,地域と一体となって子供たちを育む「地域とともにある学校」に転換していくための持続可能な仕組みとして,コミュニティ・スクールの仕組みの制度的な見直しや推進方策を提言している。
 さらに,第3章では,より多くの,より幅広い層の地域住民が参画し,子供たちの成長を地域で担うとともに,持続可能な地域社会を構築する観点から,社会教育の体制として,地域住民や団体等のネットワーク化等により学校との協働活動を推進する「地域学校協働本部(仮称)」の整備を提言している。
 最後に,第4章では,コミュニティ・スクールと「地域学校協働本部(仮称)」が相互に補完し,高め合う存在として,両輪となって相乗効果を発揮していくための在り方について提言している。

 本審議会としては,本答申案が,子供たちの豊かな学びと確かな成長の保障と,子供を軸に据えて人々が参画・協働していく社会の実現に寄与することを切に願う。

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初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成28年01月 --