3.障害のある子どもが十分に教育を受けられるための合理的配慮及びその基礎となる環境整備

○ 条約の定義に照らし、本特別委員会における「合理的配慮」とは、「障害のある子どもが、他の子どもと平等に「教育を受ける権利」を享有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、障害のある子どもに対し、その状況に応じて、学校教育を受ける場合に個別に必要とされるもの」であり、「学校の設置者及び学校に対して、体制面、財政面において、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」、と定義した。なお、障害者の権利に関する条約において、「合理的配慮」の否定は、障害を理由とする差別に含まれるとされていることに留意する必要がある。

○ 障害のある子どもに対する支援については、法令に基づき又は財政措置により、国は全国規模で、都道府県は各都道府県内で、市町村は各市町村内で、教育環境の整備をそれぞれ行う。これらは、「合理的配慮」の基礎となる環境整備であり、それを「基礎的環境整備」と呼ぶこととする。これらの環境整備は、その整備の状況により異なるところではあるが、これらを基に、設置者及び学校が、各学校において、障害のある子どもに対し、その状況に応じて、「合理的配慮」を提供する。

○ 「合理的配慮」の決定に当たっては、障害者の権利に関する条約第24条第1項にある、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするといった目的に合致するかどうかの観点から検討が行われることが重要である。

○ 「合理的配慮」は、一人一人の障害の状態や教育的ニーズ等に応じて決定されるものであり、設置者・学校と本人・保護者により、発達の段階を考慮しつつ、「合理的配慮」の観点を踏まえ、「合理的配慮」について可能な限り合意形成を図った上で決定し、提供されることが望ましく、その内容を個別の教育支援計画に明記することが望ましい。なお、設置者・学校と本人・保護者の意見が一致しない場合には、「教育支援委員会」(仮称)の助言等により、その解決を図ることが望ましい。また、学校・家庭・地域社会における教育が十分に連携し、相互に補完しつつ、一体となって営まれることが重要であることを共通理解とすることが重要である。さらに、「合理的配慮」の決定後も、幼児児童生徒一人一人の発達の程度、適応の状況等を勘案しながら柔軟に見直しができることを共通理解とすることが重要である。

○ 移行時における情報の引継ぎを行い、途切れることのない支援を提供することが必要である。

○ 「合理的配慮」の充実を図る上で、「基礎的環境整備」の充実は欠かせない。そのため、必要な財源を確保し、国、都道府県、市町村は、インクルーシブ教育システムの構築に向けた取組として、「基礎的環境整備」の充実を図っていく必要がある。

○ 共生社会の形成に向けた国民の共通理解を一層進め、インクルーシブ教育システム構築のための施策の優先順位を上げていくことが必要である。

○ 「合理的配慮」の観点について整理するとともに、障害種別の「合理的配慮」は、その代表的なものと考えられるものを例示している。示されているもの以外は提供する必要がないということではなく、一人一人の障害の状態や教育的ニーズ等に応じて決定されることが望ましい。

○ 現在必要とされている「合理的配慮」は何か、何を優先して提供するかなどについて、関係者間で共通理解を図る必要がある。

○ 複数の種類の障害を併せ有する場合には、各障害種別の「合理的配慮」を柔軟に組み合わせることが適当である。

○ これまで学校においては、障害のある児童生徒等への配慮は行われてきたものの、「合理的配慮」は新しい概念であり、現在、その確保についての理解は不十分であり、学校・教育委員会、本人・保護者の双方で情報が不足していると考えられる。そのため、早急に「合理的配慮」の充実に向けた調査研究事業を行い、それに基づく国としての「合理的配慮」のデータベースを整備し、各教育委員会の参考に供することが必要である。また、中長期的には、それらを踏まえて、「合理的配慮」、「基礎的環境整備」を充実させていくことが重要であり、必要に応じて、学校における「合理的配慮」の観点や代表的なものと考えられる例を見直していくことが考えられる。

○ 「合理的配慮」は、その障害のある子どもが十分な教育が受けられるために提供できているかという観点から評価することが重要であり、それについても研究していくことが重要である。例えば、個別の教育支援計画、個別の指導計画について、各学校において計画に基づき実行した結果を評価して定期的に見直すなど、PDCAサイクルを確立させていくことが重要である。

(1)「合理的配慮」について

○ 学校教育においては、学校の設置者及び学校により、個々の幼児児童生徒の発達や年齢に応じた個別の配慮が行われている。教育基本法第6条第2項においても、「(前略)教育の目的が達成されるよう、教育を受ける者の心身の発達に応じて、体系的な教育が組織的に行われなければならない。この場合において、教育を受ける者が、学校生活を営む上で必要な規律を重んずるとともに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視して行わなければならない。」とされている。

○ 今般、障害者の権利に関する条約の批准に向けた障害者基本法の改正により、障害者に対して合理的な配慮を行うこと等が示された。また、教育分野については、第16条第1項において、「国及び地方公共団体は、障害者が、その年齢及び能力に応じ、かつ、その特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするため、可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮しつつ、教育の内容及び方法の改善及び充実を図る等必要な施策を講じなければならない」とされた。さらに、第16条第4項において、「国及び地方公共団体は、障害者の教育に関し、調査及び研究並びに人材の確保及び資質の向上、適切な教材等の提供、学校施設の整備その他の環境の整備を促進しなければならない」とされている。(参考資料1:障害者基本法(抄))

○ 「合理的配慮」は新しい概念であり、また、上記のとおり、障害者基本法において、新たに「可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮しつつ」と規定された趣旨をも踏まえて、本特別委員会において、障害者の権利に関する条約の理念を踏まえた障害のある子どもに対する「合理的配慮」の観点について整理を行った。学校教育においてこれまで行われてきた配慮を、今回、「合理的配慮」の観点として改めて整理したことで、それぞれの学校における障害のある子どもへの教育が一層充実したものになっていくことを願ってやまない。また、「合理的配慮」については、教育委員会、学校、各教員が正しく認識して取り組むとともに、本人及び保護者に適切な情報提供を行うことが求められる。さらに、地域における理解啓発を図るための活動を進めることが求められる。

1.「合理的配慮」の定義

○ 「障害者の権利に関する条約」においては、 第24条(教育)において、教育についての障害者の権利を認め、この権利を差別なしに、かつ、機会の均等を基礎として実現するため、障害者を包容する教育制度(インクルーシブ教育システム;inclusive education system)等を確保することとし、その権利の実現に当たり確保するものの一つとして、「個人に必要とされる合理的配慮が提供されること」とされている。

○ また、第2条の定義において、「合理的配慮」とは、「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう」とされている。なお、「負担」については、「変更及び調整」を行う主体に課される負担を指すとされている。

○ さらに、同条において、「障害を理由とする差別」とは、「障害を理由とするあらゆる区別、排除又は制限であって、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のあらゆる分野において、他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を認識し、享有し、又は行使することを害し、又は妨げる目的又は効果を有するものをいう。障害を理由とする差別には、あらゆる形態の差別(合理的配慮の否定を含む。)を含む」とされている。(参考資料2:障害者の権利に関する条約(抄)、参考資料20:合理的配慮について)

2.本特別委員会における「合理的配慮」の定義

○ 上記の定義に照らし、本特別委員会における「合理的配慮」とは、「障害のある子どもが、他の子どもと平等に「教育を受ける権利」を享有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、障害のある子どもに対し、その状況に応じて、学校教育を受ける場合に個別に必要とされるもの」であり、「学校の設置者及び学校に対して、体制面、財政面において、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」、と定義した。なお、障害者の権利に関する条約において、「合理的配慮」の否定は、障害を理由とする差別に含まれるとされていることに留意する必要がある。

3.「均衡を失した」又は「過度の」負担について

○ 「合理的配慮」の決定・提供に当たっては、各学校の設置者及び学校が体制面、財政面をも勘案し、「均衡を失した」又は「過度の」負担について、個別に判断することとなる。各学校の設置者及び学校は、障害のある子どもと障害のない子どもが共に学ぶというインクルーシブ教育システムの構築に向けた取組として、「合理的配慮」の提供に努める必要がある。その際、現在必要とされている「合理的配慮」は何か、何を優先して提供する必要があるかなどについて、共通理解を図る必要がある。

4.「合理的配慮」と「基礎的環境整備」

○ 障害のある子どもに対する支援については、法令に基づき又は財政措置により、国は全国規模で、都道府県は各都道府県内で、市町村は各市町村内で、教育環境の整備をそれぞれ行う。これらは、「合理的配慮」の基礎となる環境整備であり、それを「基礎的環境整備」と呼ぶこととする。これらの環境整備は、その整備の状況により異なるところではあるが、これらを基に、設置者及び学校が、各学校において、障害のある子どもに対し、その状況に応じて、「合理的配慮」を提供する。(参考資料21:合理的配慮と基礎的環境整備の関係)

○ 学校の設置者及び学校は、個々の障害のある子どもに対し、「合理的配慮」を提供する。「合理的配慮」を各学校の設置者及び学校が行う上で、国、都道府県、市町村による「基礎的環境整備」は重要であり、本特別委員会において「基礎的環境整備」について現状と課題を整理した。

○ また、「合理的配慮」については、個別の状況に応じて提供されるものであり、これを具体的かつ網羅的に記述することは困難であることから、「合理的配慮」を提供するに当たっての観点を「合理的配慮」の観点として、1.教育内容・方法、2.支援体制、3.施設・設備について、それぞれを類型化するとともに、観点ごとに、各障害種に応じた「合理的配慮」を例示するという構成で整理した。

5.「合理的配慮」の決定に当たっての基本的考え方

○ 「合理的配慮」を行う前提として、学校教育に求めるものを以下のとおり整理した。

(ア)障害のある子どもと障害のない子どもが共に学び共に育つ理念を共有する教育

(イ)一人一人の状態を把握し、一人一人の能力の最大限の伸長を図る教育(確かな学力の育成を含む)

(ウ)健康状態の維持・改善を図り、生涯にわたる健康の基盤をつくる教育

(エ)コミュニケーション及び人との関わりを広げる教育

(オ)自己理解を深め自立し社会参加することを目指した教育

(カ)自己肯定感を高めていく教育

○ これらは、障害者の権利に関する条約第24条第1項の目的である、

(a)人間の潜在能力並びに尊厳及び自己の価値についての意識を十分に発達させ、並びに人権、基本的自由及び人間の多様性の尊重を強化すること。

(b)障害者が、その人格、才能及び創造力並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限度まで発達させること。

(c)障害者が自由な社会に効果的に参加することを可能とすること。

 と方向性を同じくするものであり、「合理的配慮」の決定に当たっては、これらの目的に合致するかどうかの観点から検討が行われることが重要である。

6.決定方法について

○ 「合理的配慮」は、一人一人の障害の状態や教育的ニーズ等に応じて決定されるものであり、その検討の前提として、各学校の設置者及び学校は、興味・関心、学習上又は生活上の困難、健康状態等の当該幼児児童生徒の状態把握を行う必要がある。これを踏まえて、設置者及び学校と本人及び保護者により、個別の教育支援計画を作成する中で、発達の段階を考慮しつつ、「合理的配慮」の観点を踏まえ、「合理的配慮」について可能な限り合意形成を図った上で決定し、提供されることが望ましく、その内容を個別の教育支援計画に明記することが望ましい。また、個別の指導計画にも活用されることが望ましい。

○ 「合理的配慮」の決定に当たっては、各学校の設置者及び学校が体制面、財政面をも勘案し、「均衡を失した」又は「過度の」負担について、個別に判断することとなる。その際、現在必要とされている「合理的配慮」は何か、何を優先して提供する必要があるかなどについて共通理解を図る必要がある。なお、設置者及び学校と本人及び保護者の意見が一致しない場合には、「教育支援委員会」(仮称)の助言等により、その解決を図ることが望ましい。

○ 学校・家庭・地域社会における教育が十分に連携し、相互に補完しつつ、一体となって営まれることが重要であることを共通理解とすることが重要である。教育は、学校だけで行われるものではなく、家庭や地域社会が教育の場として十分な機能を発揮することなしに、子どもの健やかな成長はあり得ない。子どもの成長は、学校において組織的、計画的に学習しつつ、家庭や地域社会において、親子の触れ合い、友達との遊び、地域の人々との交流等の様々な活動を通じて根づいていくものであり、学校・家庭・地域社会の連携とこれらにおける教育がバランスよく行われる中で豊かに育っていくものであることに留意する必要がある。

7.「合理的配慮」の見直しについて

○ 「合理的配慮」の決定後も、幼児児童生徒一人一人の発達の程度、適応の状況等を勘案しながら柔軟に見直しができることを共通理解とすることが重要である。定期的に教育相談や個別の教育支援計画に基づく関係者による会議等を行う中で、必要に応じて「合理的配慮」を見直していくことが適当である。

8.一貫した支援のための留意事項

○ 移行時における情報の引継ぎを行い、途切れることのない支援を提供することが必要である。個別の教育支援計画の引継ぎ、学校間や関係機関も含めた情報交換等により、「合理的配慮」の引継ぎを行うことが必要である。

○ 発達や年齢に応じた配慮を意識することが必要である。子どもの精神面の発達を考慮して、家族や介助員の付添い等を検討する。また、年齢に応じ、徐々に自己理解ができるようにし、その上で、自分の得意な面を生かし、苦手なことを乗り越える方法を身に付けられようにする。さらに、自己理解に加えて、状況に応じて適切に行動することができるように指導することも大切である。特に、知的発達に遅れがある場合には、 小学校段階では基礎的な能力の育成、年齢が高まるにつれて社会生活ス キルの習得に重点化するなど、卒業後の生活を見据えた教育を行うこと が重要である。

○ 高等学校については、入学者選抜が行われており、障害の状態等に応じて適切な評価が可能となるよう、学力検査の実施に際して、一層の配慮を行うとともに、選抜方法の多様化や評価尺度の多元化を図ることが必要である。また、自立と社会参加に向け、障害のある生徒に対するキャリア教育や就労支援の充実を図っていくことが重要である。

○ 国立大学法人附属の学校や私立学校に在籍する幼児児童生徒についても、公立学校と同様の支援が受けられることが望ましい。

9.通級による指導、特別支援学級、特別支援学校と「合理的配慮」の関係について

○ 「合理的配慮」は、各学校において、障害のある子どもに対し、その状況に応じて、個別に提供されるものであるのに対し、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校の設置は、子ども一人一人の学習権を保障する観点から多様な学びの場の確保のための「基礎的環境整備」として行われているものである。

○ 通常の学級のみならず、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校においても、「合理的配慮」として、障害のある子どもが、他の子どもと平等に教育を受ける権利を享有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことが必要である。

○ 通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校それぞれの学び場における「合理的配慮」は、前述の「合理的配慮」の観点を踏まえ、個別に決定されることとなるが、「基礎的環境整備」を基に提供されるため、それぞれの学びの場における「基礎的環境整備」の状況により、提供される「合理的配慮」は異なることとなる。

○ 障害のある子どもが通常の学級で学ぶことができるよう、可能な限り配慮していくことが重要である。他方、子どもの実態に応じた適切な指導と必要な支援を受けられるようにするためには、本人及び保護者の理解を得ながら、必ずしも通常の学級ですべての教育を行うのではなく、通級による指導等多様な学びの場を活用した指導を柔軟に行うことも必要なことと考えられる。例えば、通常の学級に在籍している障害のある児童生徒が在籍する学校に支援員を配置したものの、本人の学習上又は生活上の困難が改善されない場合には、本人の成長を促す視点から、通級による指導を行ったり、特別支援学級や特別支援学校と連携して指導を行ったりすることなども効果的と考えられる。

10.その他

○ 障害のある保護者との意思疎通を図る際の配慮や障害のある教職員を配置した場合の配慮についても、必要に応じ、関係者間で検討されることが望ましい。また、同じ障害のある子ども同士の交流の機会についても、情報提供が行われることが望ましい。

(2)「基礎的環境整備」について

○ 「合理的配慮」の充実を図る上で、「基礎的環境整備」の充実は欠かせない。そのため、必要な財源を確保し、国、都道府県、市町村は、インクルーシブ教育システムの構築に向けた取組として、「基礎的環境整備」の充実を図っていく必要がある。その際、特別支援学校の「基礎的環境整備」の維持・向上を図りつつ、特別支援学校以外の学校の「基礎的環境整備」の向上を図ることが重要である。また、「基礎的環境整備」を進めるに当たっては、ユニバーサルデザイン(※1)の考え方も考慮しつつ進めていくことが重要である。(参考資料22:基礎的環境整備について)

○ 現在の財政状況に鑑みると、「基礎的環境整備」の充実を図るためには、共生社会の形成に向けた国民の共通理解を一層進め、社会的な機運を醸成していくことが必要であり、それにより、財政的な措置を図る観点を含めインクルーシブ教育システム構築のための施策の優先順位を上げていく必要がある。

○ なお、「基礎的環境整備」については、「合理的配慮」と同様に体制面、財政面を勘案し、均衡を失した又は過度の負担を課さないよう留意する必要がある。また、「合理的配慮」は、「基礎的環境整備」を基に個別に決定されるものであり、それぞれの学校における「基礎的環境整備」の状況により、提供される「合理的配慮」は異なることとなる。


※1 ユニバーサルデザイン:バリアフリーは、障害によりもたらされるバリア(障壁)に対処するとの考え方であるのに対し、ユニバーサルデザインはあらかじめ、障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方。障害者の権利に関する条約第2条(定義)において、「ユニバーサルデザイン」とは、調整又は特別な設計を必要とすることなく、最大限可能な範囲ですべての人が使用することのできる製品、環境、計画及びサービスの設計をいう。ユニバーサルデザインは、特定の障害者の集団のための支援装置が必要な場合には、これを排除するものではない、と定義されている。

1.ネットワークの形成・連続性のある多様な学びの場の活用

(ア)現状

 義務教育段階においては、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった多様な学びの場を確保している。幼稚園、高等学校段階については、通常の学級、特別支援学校により対応している。
 また、各教育委員会が専門家による巡回相談を行っているほか、特別支援学校はセンター的機能として幼・小・中・高等学校等への助言・援助を行っている。
 さらに、「特別支援連携協議会」の開催等により、教育機関のみならず医療、保健、福祉、労働等の各関係機関との連携が進められている。
 一部の自治体では、特別支援学校に在籍しつつ副次的な籍を居住地の学校に置く、又は、居住地の小学校等に在籍しつつ副次的な籍を特別支援学校に置くなどの弾力的な取組を行っている。
 通級による指導、特別支援学級、特別支援学校への就学等の特殊事情を踏まえ、障害のある児童生徒等の保護者の経済的負担を軽減するため、通学費、学用品費等の必要な経費について「特別支援教育就学奨励費」として、各自治体等において給付しており、国はその国庫負担等を行っている。

(イ)課題

 障害のある子どもが十分な教育を受けられるようにするためには、個別の教育的ニーズのある幼児児童生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる多様で柔軟な仕組みを整備していく必要がある。

2.専門性のある指導体制の確保

(ア)現状

 文部科学省の平成23年度体制整備状況調査によれば、全体として体制整備が進んでおり、とりわけ、公立の小・中学校においては、「校内委員会の設置」、「特別支援教育コーディネーターの指名」といった基礎的な支援体制はほぼ整備されている。また、各教育委員会の巡回相談、特別支援学校のセンター的機能等外部の専門家を活用した専門性のある指導体制の整備が進められている。

(イ)課題

 専門性ある指導体制を一層確保するため、各校長が特別支援教育について理解を深めるのみならず、自らリーダーシップを発揮して体制を整えるとともに、それが機能するよう、教職員を指導する必要がある。また、幼稚園、高等学校における体制整備や国立・私立の学校における体制整備を一層進める必要がある。さらに、公立の小・中学校においては、体制整備の一層の充実を図っていく必要があり、具体的には、専門性のある教員の活用、指導方針の共有化、チームによる指導等による充実が挙げられる。

3.個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成等による指導

(ア)現状

 特別支援学校においては、個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成することが学習指導要領等に明記されている。特別支援学校以外の学校についても、指導についての計画や家庭、医療、福祉等の業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどにより、個々の子どもの障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的、組織的に行うよう、学習指導要領等に明記されている。

(イ)課題

 個別の教育支援計画、個別の指導計画については、現在、特別支援学校の学習指導要領等には作成が明記されているが、幼・小・中・高等学校等で学ぶ障害のある幼児児童生徒については、必要に応じて作成されることとなっており、これを特別支援学校と同様に、障害のある幼児児童生徒すべてに拡大していくことについて検討する必要がある。また、個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成・活用について、一層の質の向上を図っていく必要がある。

4.教材の確保

(ア)現状

 小・中・高等学校及び特別支援学校等では、教科書を使用するほか、各学校の判断により有益適切な教材を使用することができ、自治体が整備する教材の費用については、所要の地方財政措置が講じられている。また、文部科学省により、小・中学校及び特別支援学校について、それぞれ教材整備指針が示されているところである。
 教科書については、文部科学省において、視覚障害者用の点字教科書、聴覚障害者用の言語指導や音楽の教科書、知的障害者用の国語、算数・数学、音楽の教科書を作成している。
 また、「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律」に基づき、教科書発行者の発行する小・中学校用検定済教科書に対応した拡大教科書が、平成24年度から全点が発行されている。さらに、同法に基づき、教科書発行者が保有する教科書のデジタルデータを、文部科学省等を通じて、ボランティア団体等に対して提供することにより、拡大教科書等の作成に係る負担の軽減が図られている。

(イ)課題

 視覚障害のある児童生徒のための音声教材の整備充実、高等学校段階の拡大教科書の発行の促進が求められる。また、発達障害のある児童生徒が使用する教材等の整備充実を図ることが求められる。さらに、様々な障害の状態に応じた支援機器(※2)の充実を図る必要がある。
 また、教育の情報化を推進するに当たっては、デジタル教科書・教材について、障害の状態や特性等に応じた様々な機能のアプリケーションの開発が必要である。さらに、情報端末等については、特別な支援を必要とする子どもにとっての基本的なアクセシビリティ(※3)を保証することが必要である。


※2 「支援機器」とはアシスティブ・テクノロジー(技術的支援方策)において活用される様々な機器のこと。

※3 障害者を含む誰もが、情報機器やソフトウェア等に支障なくアクセスでき利用できること。

5.施設・設備の整備

(ア)現状

 各学校の設置者が、施設・設備の整備を行っている。公立の幼・小・中学校及び特別支援学校等の施設整備に要する経費については、国がその一部を補助している。また、文部科学省により、幼・小・中・高等学校及び特別支援学校について、学校施設を計画・設計する際の留意事項をまとめた学校施設整備指針が示されているところである。

(イ)課題

 各学校においては、障害のある幼児児童生徒が安全かつ円滑に学校生活を送ることができるよう必要なバリアフリー(※4)対策を推進することが求められるとともに、学校は地域コミュニティの拠点であり多様な人々が利用することからユニバーサルデザインに配慮した整備に努めることが重要である。また、特別支援学校については、幼児児童生徒数の増加に伴う教室不足を解消することが求められる。


※4 バリアフリー:障害のある人が社会生活をしていく上で障壁(バリア)となるものを除去するという意味で、もともと住宅建築用語で登場し、段差等の物理的障壁の除去をいうことが多いが、より広く障害者の社会参加を困難にしている社会的、制度的、心理的なすべての障壁の除去という意味でも用いられる。

6.専門性のある教員、支援員等の人的配置

(ア)現状

 公立の小・中学校の国の学級編制の標準は、通常の学級について40人(小学校第1学年のみ35人)とされているが、特別支援学級については、8人とされている。さらに、特別支援学校の学級編制の標準は、小・中学部において6人、高等部において8人、重複障害児童生徒の場合は3人とされている。都道府県教育委員会はこれらを標準として学級編制基準を定めているが、児童生徒の実態を考慮して特に必要がある場合は、これを下回る数を基準として定めることができることとなっている。この基準により算定される教職員定数に基づき都道府県教育委員会が教職員配置を行っている。
 また、学級数等の客観的な指標に基づいて算定される教職員定数とは別に、通級による指導のためや特別支援学校が地域の特別支援教育のセンター的機能を果たすためなど特別支援教育の実施に係る教職員定数の改善も進められている。国は、これらの教職員定数に係る給与費の3分の1を負担している。
 さらに、特別支援教育支援員の配置に係る経費について所要の地方財政措置が講じられているところである。
 また、専門性を確保するための研修については、国、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所においては指導者層の研修のための研修を計画・実施している。また、都道府県及び市町村教育委員会においては、経験年数や課題に応じた研修を計画・実施し、学校においては授業や児童生徒の事例を通した校内研修を行っている。

(イ)課題

 公立小・中学校における少人数学級の推進や複数教員による指導など指導方法の工夫改善は、子ども一人一人に対するきめ細かい指導の充実や家庭との連携を緊密にする効果があることから、特別支援教育の推進にも資するものであり、一層の教育環境の充実を図っていくことが求められる。また、今後のインクルーシブ教育システム構築の状況を勘案しつつ、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校における指導の在り方を検討していく必要がある。さらに、このような特別支援教育を実施するために、特別支援教育支援員を含めた教職員体制の充実が求められる。
 また、教員、支援員等の一層の専門性の向上を図るための研修等の実施や学校としての専門性を確保していくことを考慮した人事上の配慮が求められる。

7.個に応じた指導や学びの場の設定等による特別な指導

(ア)現状

 小・中学校については、個別指導、習熟度別・少人数指導に加えて、通級による指導、特別支援学級における指導が可能である。通級による指導、特別支援学級においては、特別の教育課程による教育を行うことができる。
 特別支援学校については、障害の状態に応じた自立活動の指導を教育課程の中で行うこととなっている。その上で、個別指導に加えて、特別の教育課程による教育を行うことができる。

(イ)課題

 通常の学級で指導を行う場合、各小・中学校においては、小・中学校の学習指導要領に基づく教育課程を編成・実施する必要がある。通常の学級で学ぶ障害のある児童生徒一人一人に応じた指導・評価の在り方について検討する必要がある。その際、各学校段階の学習指導要領の総則等において、障害のある児童生徒の指導について、教育課程実施上の配慮事項が示されているが、更なる配慮事項を示すべきかを今後検討していく必要がある。

8.交流及び共同学習の推進

(ア)現状

 学習指導要領に基づき、交流及び共同学習の機会等を設けることとされている。

(イ)課題

 改正障害者基本法の理念に基づき、障害のある子どもと障害のない子どもが可能な限り共に学ぶことができるように配慮する観点から、交流及び共同学習を一層推進していくことが重要である。また、一部の自治体で実施している居住地校に副次的な籍を置くことについては、居住地域との結び付きを強め、居住地校との交流及び共同学習を推進する上で意義がある。居住地校交流を進めるに当たっては、幼児児童生徒の付添いや時間割の調整等が課題であり、それらについて検討していく必要がある。また、特別支援学級と通常の学級との交流及び共同学習も一層進めていく必要がある。

(3)学校における「合理的配慮」の観点

○ 「合理的配慮」は、個々の障害のある幼児児童生徒の状態等に応じて提供されるものであり、多様かつ個別性が高いものであることから、本特別委員会において、その観点について以下のとおり整理した。

○ 障害のある幼児児童生徒については、障害の状態が多様なだけでなく、障害を併せ有する場合や、障害の状態や病状が変化する場合もあることから、時間の経過により必要な支援が異なることに留意する必要がある。また、障害の状態等に応じた「合理的配慮」を決定する上で、ICF(国際生活機能分類)を活用することが考えられる。(参考資料23:ICFについて)

○ 各学校の設置者及び学校が体制面、財政面をも勘案し、「均衡を失した」又は「過度の」負担について、個別に判断することとなる。その際は、「合理的配慮」を決定する際において、現在必要とされている「合理的配慮」は何か、何を優先して提供するかなどについて関係者間で共通理解を図る必要がある。 

○ 障害種別に応じた「合理的配慮」は、すべての場合を網羅することはできないため、その代表的なものと考えられる例を本特別委員会において以下の「合理的配慮」の観点ごとに別表により示している。ここに示されているものは、あくまで例示であり、これ以外は「合理的配慮」として提供する必要がないということではない。「合理的配慮」は、一人一人の障害の状態や教育的ニーズ等に応じて決定されるものである。また、障害種別に応じた「合理的配慮」を例示しているが、複数の種類の障害を併せ有する場合には、各障害種別に例示している「合理的配慮」を柔軟に組み合わせることが適当である。

○ 「合理的配慮」は、一人一人の障害の状態や教育的ニーズ等に応じて決定されるものであり、すべてが同じように決定されるものではない。設置者及び学校が決定するに当たっては、本人及び保護者と、個別の教育支援計画を作成する中で、「合理的配慮」の観点を踏まえ、「合理的配慮」について可能な限り合意形成を図った上で決定し、提供されることが望ましい。例えば、設置者及び学校が、学校における保護者の待機を安易に求めるなど、保護者に過度の対応を求めることは適切ではない。

<「合理的配慮」の観点1.教育内容・方法>

<1-1 教育内容>

1-1-1 学習上又は生活上の困難を改善・克服するための配慮(別表1)

 障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するため、また、個性や障害の特性に応じて、その持てる力を高めるため、必要な知識、技能、態度、習慣を身に付けられるよう支援する。

1-1-2 学習内容の変更・調整(別表2)

 認知の特性、身体の動き等に応じて、具体の学習活動の内容や量、評価の方法等を工夫する。障害の状態、発達の段階、年齢等を考慮しつつ、卒業後の生活や進路を見据えた学習内容を考慮するとともに、学習過程において人間関係を広げることや自己選択・自己判断の機会を増やすこと等に留意する。

<1-2 教育方法>

1-2-1 情報・コミュニケーション及び教材の配慮(別表3)

 障害の状態等に応じた情報保障やコミュニケーションの方法について配慮するとともに、教材(ICT及び補助用具を含む)の活用について配慮する。

1-2-2 学習機会や体験の確保(別表4)

 治療のため学習空白が生じることや障害の状態により経験が不足することに対し、学習機会や体験を確保する方法を工夫する。また、感覚と体験を総合的に活用できる学習活動を通じて概念形成を促進する。さらに、入学試験やその他の試験において配慮する。

1-2-3 心理面・健康面の配慮(別表5)

 適切な人間関係を構築するため、集団におけるコミュニケーションについて配慮するとともに、他の幼児児童生徒が障害について理解を深めることができるようにする。学習に見通しが持てるようにしたり、周囲の状況を判断できるようにしたりして心理的不安を取り除く。また、健康状態により、学習内容・方法を柔軟に調整し、障害に起因した不安感や孤独感を解消し自己肯定感を高める。
 学習の予定や進め方を分かりやすい方法で知らせておくことや、それを確認できるようにすることで、心理的不安を取り除くとともに、周囲の状況を判断できるようにする。

<「合理的配慮」の観点2.支援体制>

2-1 専門性のある指導体制の整備(別表6)

 校長がリーダーシップを発揮し、学校全体として専門性のある指導体制を確保することに努める。そのため、個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成するなどにより、学校内外の関係者の共通理解を図るとともに、役割分担を行う。また、学習の場面等を考慮した校内の役割分担を行う。
 必要に応じ、適切な人的配置(支援員等)を行うほか、学校内外の教育資源(通級による指導や特別支援学級、特別支援学校のセンター的機能、専門家チーム等による助言等)の活用や医療、保健、福祉、労働等関係機関との連携を行う。

2-2 幼児児童生徒、教職員、保護者、地域の理解啓発を図るための配慮(別表7)

 障害のある幼児児童生徒に関して、障害によって日常生活や学習場面において様々な困難が生じることについて周囲の幼児児童生徒の理解啓発を図る。共生の理念を涵養するため、障害のある幼児児童生徒の集団参加の方法について、障害のない幼児児童生徒が考え実践する機会や障害のある幼児児童生徒自身が障害について周囲の人に理解を広げる方法等を考え実践する機会を設定する。また、保護者、地域に対しても理解啓発を図るための活動を行う。

2-3 災害時等の支援体制の整備(別表8)

 災害時等の対応について、障害のある幼児児童生徒の状態を考慮し、危機の予測、避難方法、災害時の人的体制等、災害時体制マニュアルを整備する。また、災害時等における対応が十分にできるよう、避難訓練等の取組に当たっては、一人一人の障害の状態等を考慮する。

<「合理的配慮」の観点3.施設・設備>

3-1 校内環境のバリアフリー化(別表9)

 障害のある幼児児童生徒が安全かつ円滑に学校生活を送ることができるよう、障害の状態等に応じた環境にするために、スロープや手すり、便所、出入口、エレベーター等について施設の整備を計画する際に配慮する。また、既存の学校施設のバリアフリー化についても、障害のある幼児児童生徒の在籍状況等を踏まえ、学校施設に関する合理的な整備計画を策定し、計画的にバリアフリー化を推進できるよう配慮する。

3-2 発達、障害の状態及び特性等に応じた指導ができる施設・設備の配慮(別表10)

 幼児児童生徒一人一人が障害の状態等に応じ、十分に学習に取り組めるよう、必要に応じて様々な教育機器等の導入や施設の整備を行う。また、一人一人の障害の状態、障害の特性、認知特性、体の動き、感覚等に応じて、その持てる能力を最大限活用して自主的、自発的に学習や生活ができるよう、各教室等の施設・設備について、分かりやすさ等に配慮を行うとともに、日照、室温、音の影響等に配慮する。さらに、心のケアを必要とする幼児児童生徒への配慮を行う。

3-3 災害時等への対応に必要な施設・設備の配慮(別表11)

 災害時等への対応のため、障害の状態等に応じた施設・設備を整備する。

(4)「合理的配慮」の充実

○ これまで学校においては、障害のある児童生徒等への配慮は行われてきたものの、「合理的配慮」は新しい概念であり、現在、その確保についての理解は不十分であり、学校・教育委員会、本人・保護者の双方で情報が不足していると考えられる。そのため、早急に「合理的配慮」の充実に向けた調査研究事業を行い、それに基づく国としての「合理的配慮」のデータベースを整備し、各教育委員会の参考に供することが必要である。また、中長期的には、それらを踏まえて、「合理的配慮」、「基礎的環境整備」を充実させていくことが重要であり、必要に応じて、学校における「合理的配慮」の観点や代表的なものと考えられる例を見直していくことが考えられる。

○ 「合理的配慮」は、個別に対応していくべきものであるため、その幼児児童生徒の状態に応じて変わっていくものであり、技術の進歩や人々の意識の変化によっても変わっていく可能性が高い。また、一人一人の障害の状態や教育的ニーズ等に応じて「合理的配慮」が決定されることが望ましく、現在例示しているもの以外の「合理的配慮」についても、広く情報共有されていくことが重要である。 

○ 「合理的配慮」は、その障害のある子どもが十分な教育が受けられるために提供できているかという観点から評価することが重要であり、それについても研究していくことが重要である。例えば、個別の教育支援計画、個別の指導計画について、各学校において計画に基づき実行した結果を評価して定期的に見直すなど、PDCAサイクルを確立させていくことが重要である。 

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初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室義務教育改革係

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室義務教育改革係)

-- 登録:平成24年09月 --