○ 学校と地域との連携・協力体制を構築し、社会全体で教育を支える取組を推進しており、これらの成果として、子どもの学力や規範意識、コミュニケーション能力の向上や地域住民の生きがいづくり、地域の活性化などが指摘されている。また、震災等有事の際においても地域の力として効果を発揮。
○ 学校支援地域本部については、平成22年度において、全国1,005市町村に2,540本部が設置されており、市町村実施率は平成20年度が48.5パーセントであったところ、平成22年度には58.2パーセントとなっている。また、全国8,557の小中学校で実施されており、全小学校の27.9パーセント、全中学校の27.0パーセントをカバーしている。
○ 放課後子ども教室については、全国1,065市町村の9,280箇所で実施されており、市町村実施率は、平成20年度が56.5パーセントであったところ、平成22年度には61.7パーセントとなっている。小学校区あたりの実施率では、平成20年度:35.7パーセントが平成22年度は43.8パーセントとなっている。
○ コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)については、全国82市町村の629校(平成20年4月1日時点:341校)で指定されており、市町村実施率は平成20年には3.5パーセントであったところ、平成22年には4.7パーセントとなっている。
→ 実施にあたっての課題として、こうした取組に関する学校・教職員の理解の不足や必要なボランティアの確保、事業費の確保などが挙げられており、今後、さらなる全国的普及のために解決に向けた検討が必要。
○ 青少年の体験活動に関する国、地方、民間の役割と連携の在り方、地方における体験活動の推進のための支援策や今青少年教育施設のあり方等について検討。(平成23年2月に「今後の国立青少年教育施設の在り方について(報告書)」を取りまとめ。)
【参考】
→ スポーツ・青少年分科会に「青少年の体験活動の推進の在り方に関する部会」を設置し、同部会の検討状況等を踏まえ、方向性の定まったものについては、次期計画に位置づける必要。
○ 出会い系サイト以外のサイトで事件にあう児童生徒が平成22年度で1,239人、児童ポルノ事犯によって被害を受ける被害児童が618人と、現在もインターネットを利用した犯罪に巻き込まれる児童生徒が多数存在。
○ このような現状を踏まえ、有害情報等から青少年を守るための取組体制の構築、普及啓発活動の実施、必要な調査研究等を推進しているところ。また、平成21年4月に施行された「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」や同年6月に策定された基本計画に則り、特に携帯電話のフィルタリングサービスの普及や、青少年がインターネットを適切に利用できるよう情報モラル教育及び啓発活動を、関係府省や事業者等と連携して推進しているところ。
【参考1】
【参考2】
→ 引き続き、上記の取組を進めるとともに、青少年が携帯電話以外のスマートフォンや携帯ゲーム機地デジ対応テレビなどインターネットに接続できる機器を利用する上での課題とその対策などについて、緊急に調査研究を実施する必要。
○ 地域の子育て経験者や民生委員・児童委員、元教職員、保健師、臨床心理士など、地域の多様な人材と専門的人材が「家庭教育支援チーム」を構成し、学校や福祉関係機関等と連携して、保護者への家庭教育に関する学習機会や情報の提供、相談対応等を行う手法の開発等を推進(平成22年7月現在、全国で132のチームが活動)。
○ 手法開発等の成果を活かした家庭教育支援の取組は既に約2,000箇所で実施されているが、地域の実情や課題等に応じた取組がさらに広く各地で行われるよう、効果的な取組事例等を活用した全国的な研究協議を実施。
【参考】
→ 地域の子育て環境の変化や家庭をめぐる問題の複雑化等を踏まえ、引き続き、学校、家庭、地域、企業など、社会全体で子育てや家庭における教育を支援する環境を整備していくことが必要。
→ 現在、これまでの施策の効果や課題などについて評価検証等を行っているところであり、この踏まえ、更なる支援に繋げていくことが必要。
○ キャリア教育・職業教育について、例えば、企業等との協働による職場体験活動・インターンシップは、中学校において94パーセントを超えて実施(平成21年度)されているが、推奨する5日間を超えてその実施期間が推奨する5日を超えて実施する学校の割合は19.2パーセントにとどまっている。更に高等学校(全日制)においては、インターンシップを体験した生徒の割合が29.9パーセント、とりわけ普通科においては17.3パーセントにとどまるなど、学校ごとの取組に大きな差がみられる。また、キャリア教育は「新しい教育活動を目指すものではない」としてきたことにより従来の教育活動のままでよいと誤解されたり、「体験活動が重要」という側面のみをとらえて、職場体験の実施をもってキャリア教育を行ったものとみなしたりする傾向が指摘されるなど、一人一人の教員の受け止め方や実施の内容・水準にばらつきがあることも課題としてうかがえるが、これらを踏まえ、平成23年1月には、「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」を取りまとめた。
○ これまで、専門的職業人を育成するために先導的な取組を行う専門高校等に対する支援を行うとともに、社会人等の学び直しの機会の充実のため、学習者のニーズに対応した幅広い学習機会が提供されるよう、大学等における産学連携による実践的な教育プログラムの開発・実施・財政支援等を行った。
○ 専修学校においても、産学連携の下、実践的な人材養成を推進。
○ しかしながら、大学卒業者の数・質と労働市場が求める人材ニーズとの間にミスマッチが起きているおそれ。また、18歳人口は平成33年度から減少傾向に入る見込。
○ このため、有識者、関係省庁を中心に「実践キャリアアップ戦略」の基本方針を取りまとめるとともに、就職採用活動の早期化・長期化の是正等について産業界との意見交換を行った。さらに、大学については22年度~26年度までに取り組むべき事項をまとめた「大学の就業力向上プラン」を策定・実施。
【参考】
→ 上記の取組を着実に実施するとともに、中教審答申を受け、各学校段階を通じたキャリア教育・職業教育の方策を検討。特に、平成23年4月1日現在の大卒の就職率が91.1パーセントと過去最低の水準となる昨今の厳しい雇用情勢を踏まえ、既卒者等の学び直しの機会の充実、職業実践的な教育に特化した枠組み等について検討が必要。(大学での社会人の受け入れ促進方策についても検討)
→ 初等中等教育段階において、外部の組織や人材と連携・協働するにあたってのマッチングや態勢の整備、キャリア教育の意義・必要性に対する教員の理解の促進、高等学校(特に普通科)における教育課程に、「産業社会と人間」又はそれに類する教科・科目等のような中核となる時間を位置付けることなどについて検討が必要。
→ 専修学校においても、産学連携の下での実践的な人材養成をさらに推進するとともに、学習者のニーズにあわせたプログラムの提供等についても検討が必要。
○ 図書館の施設数は増加傾向(図書館:2,175館(平成5年)→3,165館(平成20年)、なお、市町村別の設置率は(市:98.0パーセント、町:59.3パーセント、村:22.3パーセント)、利用者数は増加傾向(100,500千人(平成4年)→171,335千人(平成19年))。また、博物館の施設数は増加傾向(861館(平成5年)→1,248館(平成20年))。利用者数については減少傾向(134,335千人(平成5年)→124,165千人(平成20年))。
○ 図書館や博物館が対応を求められている重要課題(指定管理者の実態分析、リスクマネジメントなど)についての調査研究を実施。司書や学芸員の資質向上を図るため、大学における養成課程について科目や単位数の見直しを実施(平成21年3月省令改正、平成24年4月施行予定)。
○ 「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」等に基づき、地域や家庭と連携し子どもの読書活動の推進のための取組を実施。
→ 図書館、博物館が、個人と地域の自立を支援する学習拠点として誰もが利用しやすく整備され、機能するよう、一層の取り組みを促すことが必要。
→ 平成24年度中を目途に次期「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」を策定予定。また、幼い時期から読書習慣を身に付けるための家庭における理解の促進や、依然として、中学生以上の読書離れが顕著であるため必要な施策を講じることが必要。
○ 公民館の施設数は減少傾向(17,562館(平成5年)→15,943館(平成20年))。社会教育主事や公民館主事など、社会教育担当職員は減少傾向(22,568人(平成5年)→18,424人(平成20年))利用者数は増加傾向(219,468千人(平成4年)→236,617千人(平成19年))。
○ 多様化する地域課題に対応した学習機会を提供するため、公民館等を中心として関係機関が連携協力し地域全体で社会教育に関する実証的研究を行うなど、公民館を活用した地域ぐるみの学習を推進するための環境整備を図った。
○ 今回の震災において、多くの公民館が避難所として大きな役割を果たした。
→ 各地の公民館における先進的な取組事例を収集するとともに、広く全国に情報発信し、地域の拠点となる質の高い公民館活動を推進することが必要。
→ 地域における生涯学習・社会教育の振興を担う人材の育成・確保の方策について検討が必要。
(人権教育)
○ 憲法及び教育基本法の精神にのっとり、学校教育・社会教育を通じて,人権尊重の意識を高める教育を推進しており、学校教育に関しては,「人権教育の指導方法等の在り方について」これまでに三次にわたるとりまとめを公表し,教育委員会・学校等に人権教育の推進を促してきた。平成20年度・21年度には、第三次の「とりまとめ」を踏まえた人権教育の推進に関する取組状況の調査を実施し,現状と課題の分析を行った。
また、社会教育に関しては、平成16年度から平成21年度は、「人権教育推進のための調査研究事業」において、調査研究、研究協議会開催により人権教育を推進した。また、平成22年度には、「社会教育における地域の教育力強化プロジェクト」において、「人権教育」をはじめとした社会における重要な課題について、地域社会それぞれの実情に合わせて、住民が主体的に考え、地域の課題を認識し、共同して解決していくことを促す「仕組みづくり」のための実証的共同研究を行った。
(男女共同参画社会の形成に向けた学習)
○ 女性が主体的に働き方・生き方を選択できるよう、結婚、妊娠、出産といったライフイベントを視野に入れ、長期的な視点で自らの人生設計を行うことを支援する「女性のライフプランニング支援総合推進事業」を実施(平成21~23年度)。
女性の生涯学習に関し、従来から女性の生涯学習の中心となっている女性関連施設に加え、高等教育機関においても、近年、男女共同参画の推進に向けた取組がなされていることから、女性関連施設及び高等教育機関の取組について調査し、今後の施策に反映するため、「女性の生涯学習に関する調査研究」を平成22年度に実施。
平成19年度間の女性教育施設における学級・講座の開設数は9,936件(平成16年度間:7,555件)であり、その受講者数は336,113人(平成16年度間:234,325人)となっている(社会教育調査)。
(消費者教育等)
○ 消費者基本法及び消費者基本計画に基づき、消費者の権利と責任について理解するとともに、消費者として主体的に判断し責任を持って行動できるよう、学校教育及び社会教育において消費者教育の推進を図っている。
消費者教育に関する教育(科目、ゼミ等)を実施している大学等は約半数(平成22年度:47.5パーセント)。また、社会教育における消費者教育に取り組んでいる教育委員会は約3割弱(平成22年度:26.9パーセント)(消費者教育に関する取組状況調査)。
→ 「人権教育の指導方法等の在り方について(第3次とりまとめ)」において示した人権教育の改善・充実方策の更なる定着を図るため、学校における人権教育の実践事例を収集し、情報提供することが必要。また、社会教育に関しては、「社会教育における地域の教育力強化プロジェクト」により実証的研究を推進するとともに、事業成果等の活用により、地域における人権教育を支援することが必要。
→ 男女共同参画社会の形成に向けた学習に関しては、上記のような状況を踏まえれば、我が国の男女共同参画の現状はまだ道半ばにあり、「第3次男女共同参画基本計画」に基づいて、引き続き、男女共同参画社会社会の形成を一層加速していくことが課題と考えられることから、学校、家庭、地域などの社会のあらゆる分野において、男女共同参画社会の実現に向けて、性別に基づく固定的な役割分担意識にとらわれず、人権尊重を基盤にした男女平等観の形成を促進するため、「女性の生涯学習に関する調査研究」、「女性のライフプランニング支援総合推進事業」の結果を踏まえた施策を検討することが必要。また、国立女性教育会館等を活用し、男女平等を推進する教育・学習の充実を図っていくことが必要。
→ 消費者教育等に関しては、若い世代や高齢者における消費生活のトラブルが増えているのに対し、大学等及び社会教育における消費者教育の取組が十分とはいえない。このため、大学等及び社会教育における消費者教育の指針の普及・啓発を図り、指針に基づいた取組が大学等及び地方公共団体で実施されるよう促すとともに、将来自立した消費者となるための基礎的・基本的な知識・態度を育成する場である家庭における消費者教育の充実を図ることが必要。
○ 週1回以上スポーツをする成人の割合は、平成21年で45.3パーセント(内閣府「体力・スポーツに関する世論調査」)。
○ 総合型地域スポーツクラブ(総合型クラブ)は全国に約3,000カ所整備(平成20年:2,768→平成22年:3,144)。しかし、法人格取得クラブは1割にとどまり、指導者が不足するなど、多くのクラブの運営基盤は確立されていない(法人格取得クラブ数 平成20年:253→平成22年:333。1クラブ当たりの平均指導者数 平成22年:22人。指導者の確保を課題に挙げているクラブ 平成20年:52.9パーセント→平成22年:51.9パーセント。総収入に占める自己財源(会費・事業費・委託費)率が50パーセント以下のクラブ 平成20年:53.4パーセント→平成22年:55.2パーセント)(文部科学省「総合型地域スポーツクラブに関する実態調査)。
→ スポーツ立国戦略(平成22年8月策定)では、成人の週1回以上のスポーツ実施率が3人に2人(65パーセント程度)、成人の週3回以上のスポーツ実施率が3人に1人(30パーセント程度)となることを目指しており、自らの会費等により運営される自立した拠点クラブ(拠点となる総合型クラブ)を増加させ(全国300カ所程度)、このようなクラブを中心とするスポーツコミュニティを形成することにより、スポーツ実施率をさらに高めていくことが必要。
→ 併せて、拠点クラブに通う者の数をさらに増加させていく観点から、トップアスリート等を活用した魅力あるスポーツサービスを提供するなど、トップスポーツと地域スポーツが互いに支え合う人材の「好循環」を創出していくことが必要。
○ 大学や専修学校等で社会人受入れを実施(平成21年度:大学6,969名、専修学校59,824名)している(しかし、25歳以上の高等教育機関への入学者の割合は、OECD平均20.6パーセントの中で2.7パーセントと低い)。また、大学における公開講座の受講者数は増加傾向にある。
○ 平成19年7月の学校教育法等の一部改正により、大学が社会人等を対象に体系的な知識・技術の習得を目指した教育プログラムを編成し、その修了者に履修証明書を交付する仕組みを創設(平成20年度39大学48プログラム実施)。あわせて、社会人の再就職やキャリアアップ等に関する短期間の実践的教育プログラムの開発・普及を支援するため、社会人学び直しニーズ対応教育推進プログラムを実施(平成22年度まで160件)。(再掲)
○ 放送大学では、多様な年齢層・職層の人が学習している(学生数 平成20年:83,870名,平成21年:81,521名,平成22年:82,856名)。また、平成23年10月よりBSデジタル放送による授業番組を放送開始予定。
○ 学習成果が生かされる仕組みづくりのため、「検定試験のガイドライン(試案)」についての検討をまとめた。また、ISOにおいては非公式教育・訓練サービスに関する基準を発行した。
→ 多様な要請に対応し、より多くの人が、キャリアアップや他の職業に関する知識・技能の習得、セカンドキャリア形成や新しい公共への参画等がてきるよう、学び直しの機会の質的・量的拡充が課題。このため、ライフステージや置かれている状況に応じた学習機会の充実や、安心して学ぶための学習の質の保証について検討が必要。また、学習成果の評価・活用の取組の充実についても、その方策について検討が必要。
○ 平成20年3月、平成21年3月に各学校段階の学習指導要領等を改訂、関係者への周知、補助教材の作成・配布等に取り組んだ。
児童生徒の学力や学習状況を把握し、教育施策や指導の改善に活用するため、全国学力・学習状況調査を継続的に実施するとともに、調査結果等を分析・活用して明らかになった課題等の改善のため、教育委員会における取り組みに対する支援等を実施。平成22年度は抽出調査及び希望利用方式にて調査を実施。
OECD「生徒の学習到達度調査(PISA:ピザ)」の平成21年調査の結果では、読解力を中心に我が国の生徒の学力は改善傾向であるが、トップレベルの国々に比べると下位層が多いなど更なる学力向上方策が必要。
【参考1】PISA調査における全参加国中の日本の順位
【参考2】同一問題に関する平成22年度調査と過去の調査の正答率の比較
※過去の調査とは、全国学力調査、教育課程実施状況調査、TIMSS等を指している。なお、対象学年や実施時期等が異なるため、単純に比較ができないことに留意する必要がある。
(全国学力・学習状況調査)
→ 新しい学習指導要領の全面実施のフォローアップと次期学習指導要領に向けた検討が必要。
(具体的な課題)
→ 引き続き、全国学力・学習状況調査の実施と調査結果を活用した教育の改善の取組による検証改善サイクルの構築を推進するなど学力向上策を進める必要。
○ 「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」指定校を拡充(平成19年度:101校→平成23年度:145校)するとともに、SSH指定校が地域の理数教育の中核的拠点として活動する機能を強化。
○ 国際科学オリンピック参加への支援により、日本代表選手の活躍とともに、国内参加者の増加(平成19年:5,883人→平成22年:9,899人)。
○ 一方、学年進行に従い理数の勉強が楽しいと答える子どもの割合が減少し、国際比較でも我が国は「科学について学ことに興味がある」と答える生徒の割合が低いなどの、いわゆる「理数離れ」の指摘。併せて、才能ある若者を見出し、伸ばす環境の整備の必要性。
【参考】
→ 平成26年度までに指定校を200校まで増やすなど、今後の理数教育の充実に向けた支援策について検討が必要。
○ 平成22年11月に「幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方に関する調査研究協力者会議」において「幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方について」を取りまとめ。現在、中教審初等中等教育分科会の「学校段階間の連携・接続等に関する作業部会」において、中高一貫教育制度の検証・改善方策等について審議を行っているところであり、その後、小中連携等について審議を開始する予定。
【参考】
(教育課程の編成に関し小学校と連携している幼稚園数)
平成20年度:2,987園 → 平成22年度:4,296園
(中高一貫教育を行っている学校数)
平成20年度:337校 → 平成22年度:402校
→ 同部会の検討状況等を踏まえ、必要な方策を検討することが必要。
○ 高等学校はその進学率が98パーセントに達し、国民的な教育機関となっているが、他方、中退・不登校生徒や学ぶ意欲に欠ける生徒の存在、内向き志向による海外への留学生の減少、産業構造の変化や雇用の多様化・流動化等に対応したキャリア教育等の全人的教育活動の必要性等、様々な課題を抱えている状況。
【参考】
→ 上記のような状況を解決して高校教育の理念を実現するためには、高等学校改革の取組を一層進め、教育の質の更なる向上を図ることが必要。
→ その際、社会経済状況も踏まえつつ、生徒一人一人が高い学習意欲を持ちながら、高等学校の3年間で何を身に付けてそれぞれの進路を実現していくか、という生徒の視点に立った検討が必要。
すなわち、すべての生徒に共通して身に付けることが求められる社会性や規範的意識の育成等を図るとともに、多様化した生徒それぞれの個に応じた教育の在り方を検討することが必要。
→ 高校教育の現状と高校生を取り巻く環境、これまでの高校教育改革の成果と課題、今後の高校教育の在り方について幅広く関係者の意見を聴取するため、リアル熟議、今後の高校教育の在り方に関するヒアリング、書面による各都道府県教育委員への意見聴取、職員によるインタビューを実施しており、これらにおいて出された意見を集約中。今後、この結果を踏まえ、必要な方策について検討が必要。
○ 新学習指導要領における道徳教育の充実(発達の段階に応じた指導の重点の明確化や道徳教育推進教師を中心とした指導体制の充実など)。「心のノート」をホームページに掲載し使い方の幅を広げるとともに、「心のノート」など文科省作成教材の冊子化、地域独自教材の作成、道徳教育充実のための外部講師派遣など自治体等における多様な取組を支援。
【参考】
「学校のきまりを守っている」と答えた児童生徒の割合:
平成19年度(小学校):86.2パーセント→平成22年度:89.1パーセント
平成19年度(中学校):85.3パーセント→平成22年度:89.7パーセント
「児童(生徒)は授業中の私語が少なく、落ち着いている」と答えた学校の割合
平成19年度(小学校):89.8パーセント→平成22年度:90.6パーセント
平成19年度(中学校):90.6パーセント→平成22年度:90.9パーセント
(全国学力・学習状況調査)
→ 新しい学習指導要領を踏まえた道徳教育の充実と平成22年度より実施している道徳教育総合支援事業のフォローアップ・成果の発信普及と次期学習指導要領改訂に向けた検討が必要。
○ 平成20年度から全国体力・運動能力等調査を開始。子どもの体力向上に関する普及啓発事業を実施するとともに、外部指導者の活用や運動場の芝生化等子どものスポーツ環境の充実を進めた結果、都道府県別の体力合計点の状況は、小学校女子を除いて、過半数の地域が平成20年度から向上。
○ しかし、昭和60年頃に比べて依然低い水準にあり、運動をする子どもとしない子どもが明確に二極化しているのが現状。
【参考】
(体力合計点の推移)
(昭和60年度との比較)
(1週間の総運動時間が60分未満の割合)
(全国体力・運動能力等調査)
→ 上記のような状況を踏まえれば、生涯にわたってスポーツに親しむ習慣や意欲、能力を身に付けることができるよう、専門的なサポートが不足している小学校の体育の授業等に対する支援を充実させることが必要であり、スポーツ立国戦略では「小学校体育活動コーディネーター(仮称)」を配置することを掲げている。
また、新学習指導要領の着実な実施のための環境整備を図るとともに、中高生の全国的な競技会の在り方について検討を進めることが必要。
→ 子どもの体力データの経年変化を分析し、その要因や実態について詳しく検証し、体力を向上させるための効果的な施策を講じることが必要。
○ 食生活の乱れによる健康への影響が問題となっており、食に関する指導の充実が喫緊の課題であるが、食に関する指導の中核となる栄養教諭の配置に都道府県差がある。また、学校給食における地場産物の活用を推進する体制整備が課題。
○ 栄養教諭の合計数は平成22年度は平成20年度に比べて1.8倍になっているが(平成20年度:1,897人 → 平成22年度:3,379人)、都道府県別にみると、20倍以上に増加している県もあれば、全く増加していない県もあるなど、配置に差。
○ また、学校給食における地場産物の活用状況は微増(平成20年度:23.4パーセント → 平成21年度:26.1)。
→ 栄養教諭の配置をさらなる充実と、学校給食における地場産物の活用を推進する体制の整備が課題。平成23年3月に決定された「第2次食育推進基本計画」等も踏まえ、栄養教諭の配置を促進し、学校給食に占める地場産物の供給体制の整備を促すための方策を検討する必要。
○ 様々な心身の健康問題に対応し、子どもが安心して学校生活を送ることができる環境を整備するため、学校、保護者、地域の保健部局や医療機関等の連携による健康教育を推進している。
○ 他方で、養護教諭未配置校等や経験の浅い養護教諭1人配置校に対し、スクールヘルスリーダーを配置。(平成20年:280人→平成22年:114人)
→ 引き続き、対象校へのスクールヘルスリーダーの派遣推進に向け、必要な方策の検討が必要。
○ 豊かな体験活動推進事業を実施し、小学校第5学年においては、全国の公立小学校のうち、平成21年度において約82パーセントが宿泊自然体験活動を実施(平成18年度:約89パーセント)。
○ 司書教諭の発令について、学校図書館法によって義務づけられている12学級以上の学校の発令割合は、小学校99.5パーセント(99.3パーセント)、中学校98.2パーセント(98.2パーセント)、高等学校94.4パーセント(95.2パーセント)である。11学級以下の学校については、小学校21.3パーセント(19.0パーセント)、中学校25.5パーセント(25.8パーセント)、高等学校23.4パーセント(26.2パーセント)と低い割合にとどまっている(括弧内は平成20年度の数値)。
→ 体験活動については、学校や教育委員会へ、体験活動における教育効果のさらなる周知等が必要。
→ 読書活動については、新学習指導要領の柱の一つである「言語活動の充実」という観点から、学校図書館の機能を十分に発揮させることが必要。そのために司書教諭の発令を促すとともに、負担軽減やいわゆる「学校司書」の配置についても促進することが必要。また、司書教諭については、現状を分析するため、学校現場における有資格者数の調査を行っているところであり、その結果を踏まえつつ、推進のための諸策を検討することが必要。
○ 平成21年度の調査結果では、いじめの認知件数は約7万3千件(平成20年度:約8万5千件)、暴力行為の発生件数は約6万1千件(平成20年度:約6万件)、不登校児童生徒数は17万4千人(平成20年度:約18万人)にのぼるなど、児童生徒の問題行動などは、依然教育上の大きな課題。
○ 児童生徒の人格の形成を図る上で大きな役割を担う生徒指導については、問題行動等に対する対応にとどまることなく、小学校段階から高等学校段階までを通じた組織的・体系的な取組が行われるよう、理論・考え方や実際の指導方法等に関する学校・教職員向けの基本書として、「生徒指導提要」を出版。
○ また、平成22年度において、スクールカウンセラーについては、全公立中学校及び小学校1万校への配置に必要な経費を措置しているが、小学校への配置については未だ十分ではない状況。スクールソーシャルワーカーについては、全国で1,056人の配置に必要な経費を措置。
○ 東日本大震災で被災した児童生徒等の心のケアの充実を図るため、第1次補正予算において、スクールカウンセラー等を派遣するために必要な経費「緊急スクールカウンセラー等派遣事業」(30億円)を措置。
→ 児童生徒の抱える課題が複雑化・多様化している中、「生徒指導提要」の考え方を踏まえた生徒指導体制の一層の充実を図っていくことが必要。特に、生徒指導に関わる教員の力量向上等のための支援や、教育委員会から学校への支援が必要。
→ スクールカウンセラーについては全公立小・中学校への配置を、スクールソーシャルワーカーについては更なる配置の促進をそれぞれ目指して、その意義の普及促進や必要な予算の確保を図っていくことが必要。
→ また、依然として課題となっている不登校に対する今後の施策の在り方について検討を行う。
○ 教職員定数については、平成22年度予算において、教員が子どもと向き合う時間の確保等のために4,200人の大幅な改善を図ったほか、更に、学習指導要領の本格実施やいじめ等の学校教育上の課題に適切に対応ができるよう、平成23年度から小学校1年生の学級編制の標準を35人に引下げ、平成23年度予算において2,300人の定数改善を図ったところ。
○ 一方、初等教育の教員一人あたり児童数はOECD平均が16.4人であるのに対し、日本は18.8人であるなど、国際的に見て、日本の教育環境は低水準であり、引き続き教職員定数の改善が必要。
○ さらに、幼保一体化を含む子ども・子育て新システムの検討の中で、質の改善の観点から、職員配置の充実等が検討課題としてあげられている。
○ 加えて、平成22年3月時点で、公立学校の校務用コンピュータ整備率は、教員1人1台に近づき(98.7パーセント)、前年度(61.6パーセント)に比べ大きく伸長した。
→ 少人数学級の推進などに向け、改正義務標準法なども踏まえ、さらなる定数改善の推進や専門スタッフの充実が必要。また、校務の情報化を図り、教員が子どもに向き合う時間を確保する観点から、今後、特に校務支援システムの普及を図ることが必要。
○ 平成20年度より教職大学院を創設し、全国25大学(平成23年度)において、教員の学校現場における実践力・応用力など高度な専門性の育成を図っており、教育委員会や学校と連携し、学校現場の課題に即した授業内容や、実務家教員と研究者教員の協働体制による指導など、理論と実践の融合した教育を行っている。また、教員就職率が90.0パーセント(平成22年度3月卒業者)となっており、一定の成果を上げている。
○ 教員免許更新制については、教員が最新の知識技能を修得し、自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊厳と信頼を得るための制度として、平成21年度から実施している。
○ また、平成22年度の入学生から、教職課程において新たに「教職実践演習」を導入し、教職課程の授業科目の履修や様々な活動を通じて、学生が身に付けた資質能力が、教員として必要な資質能力として有機的に統合され、形成されたかを最終的に確認することとしている。
○ さらに、中教審「教員の資質能力向上特別部会」において、教員の資質能力向上方策の総合的な検討が平成22年6月より進められており、平成23年1月末に「審議経過報告」がとりまとめられた。
→ 中教審特別部会において、教員養成の修士レベル化、教員免許制度の見直しや「専門免許状(仮称)」の創設などの具体的内容について審議中。答申等を踏まえ、教職生活全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について、制度化に向けた検討を行うことが必要。
(学校運営の改善)
○ 学校運営の改善に関しては、学校・家庭・地域の連携・協力のもとに進める必要があり、平成22年4月1日時点で、コミュニティスクール(学校運営協議会制度)は629校まで増加(平成20年4月1日時点:341校)。
学校評価については、法令で実施が義務づけられている自己評価は概ねすべての学校が実施(平成18年:89.5パーセント→平成20年:92.4パーセント)。他方、努力義務となっている学校関係者評価は、8割以上の公立学校において実施(平成18年:49.1パーセント→平成20年:81.0パーセント)。また、第三者評価に係る内容を追加した学校評価ガイドラインを平成22年7月20日に改定。
さらに、実効性のある学校運営の改善方策等に関し、「学校運営の改善の在り方等に関する調査研究協力者会議」にて検討を行っているところ。
(教育委員会の在り方)
○ 教育委員会の在り方に関しては、市町村教育委員会における指導主事数や、点検・評価実施割合が着実に増加するなど全体として一定の進捗が認められるものの、権限と責任の所在が不明確、保護者や地域住民の意向が十分反映されていないなどの課題が指摘されている。
【参考】
→ 学校運営の改善については、「学校運営の改善の在り方等に関する調査研究協力者会議」の議論の結果を踏まえ、必要な方策について検討することが必要。また、学校評価については、引き続き、すべての学校において実効性のある学校関係者評価が実施されるよう、調査研究、好事例の収集及び情報提供を行っていくことが必要。
→ 地域住民や保護者と一体となった学校づくりを目指して、コミュニティ・スクール等により地域住民や保護者の学校運営への参画を促進するとともに、保護者や地域住民に最も近い市町村、更には学校へ権限を移譲していく方向で地方教育行財政制度全般の在り方について検討が必要。
○ 平成23年4月1日現在の認定こども園の認定件数は762件となっている。(目標:計画期間中に2,000件以上)
○ 「子ども・子育てビジョン」(平成22年1月29日閣議決定)等において、新たな次世代育成支援のための制度体系の検討等とあわせて、認定こども園制度の在り方など、幼保一体化の在り方についても検討し、結論を得ることとされている。
→ 幼保一体化を含む子ども・子育て新システムの構築については、関係閣僚で構成された「子ども・子育て新システム検討会議」及びその下に置かれた有識者・関係者等から成るワーキングチームにおいて、具体的な制度の内容について検討中。検討に当たっては、社会保障と税の一体的改革のスケジュールと併せて進めていく必要。
○ 特別支援学校の小・中学部に在籍している児童生徒と,小・中学校の特別支援学級及び通級による指導を受けている児童生徒の総数は平成13年度には約16万人であるのに対し、平成22年度には約27万人に増加している。
○ 教員の専門性の確保については、特別支援学校教諭免許状の取得率が特別支援学校の教員で約7割、特別支援学級担当教員で約3割となっている。
→ 教員の専門性向上への取組が喫緊の課題。
→ 小・中学校における特別支援教育の校内体制整備では、基礎的な支援体制はほぼ整備されたが、今後は特別支援教育の更なる質的充実が課題。特に、通常の学級に在籍する発達障害のある子どもを含め教育的ニーズの異なる様々な障害のある子どもや、障害があるとは周囲から認識されないものの学習面又は行動面で困難を抱えている子どもに対して十分な支援がなされていない場合があるなど、人的・物的な環境整備を行うことが課題。
→ インクルーシブ教育システムの構築という障害者の権利に関する条約の理念を踏まえた特別支援教育の在り方については、中央教育審議会の「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」の論点整理(平成22年12月24日)等を踏まえながら引き続き検討を行い、具体化に向けた取組を進める。
○ 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」において、1.学位授与の方針、2.教育課程の内容・方法の方針、3.入学者受入れの方針を各大学がそれぞれ明確化することを提言。
○ 大学に対する社会的要請を踏まえるとともに、学位プログラムの確立を促す観点から国公私立大学を通じた大学改革支援を実施。
○ 大学教育を通じた就業力の向上を図る観点から、「社会的・職業的自立に関する指導等」の制度化にあわせて、各大学における優れた取組を支援するため、平成22年度から「大学生の就業力育成支援事業」を実施している(当初予定件数(130件程度)を上回る180件を選定した)。
これらを含む「大学の就業力向上プラン」をとりまとめ、各大学における積極的な取組を要請した。
○ これらの施策の実施により、各大学の教育の質の保証と向上に向けた取組が進んでいる。
(改革の進展の例)
→ 体系性・一貫性ある学位プログラムの確立、公的な質保証システム(設置基準、設置認可、認証評価)の改善など更なる検討を中教審大学分科会において行う。
→ 大学の活動を支援する法人など、各大学の活動を支援する枠組みや大学改革の支援施策の再構築について検討。
→ 高校と大学等との接続の円滑化について、高等学校・大学関係者間における課題の検討を促していく。
○ 平成17年9月の中央教育審議会答申「新時代の大学院教育」を踏まえた「大学院教育振興施策要綱」(平成18~22年度)に基づき、グローバルCOEプログラム、組織的な大学院教育改革推進プログラム等をはじめとする各種取組、施策を実施。なお、グローバルCOEプログラムは150件程度支援の目標に対し、事業仕分け等の結果を踏まえ、140拠点の支援を実施。
○ また、上記取組・施策のフォローアップを継続的に実施。
○ 平成23年1月、中央教育審議会において、1.学位プログラムとしての博士課程教育の確立、2.グローバルに活躍する博士の養成、を柱とした「グローバル化社会の大学院教育」を答申。
→ 「グローバル化社会の大学院教育」(答申)を踏まえ、今後の大学院教育の改善の方向性、展開方策などについてまとめた、平成23年度以降の「第二次大学院教育振興施策要綱」を策定する。
→ 広く産学官にわたって活躍できる、成長分野等で世界を牽引するリーダーを養成するため、産業界等も含めた社会からの参画を得つつ、世界に通用する質の保証された博士課程教育を実施する「リーディング大学院」を構築する。これに伴い、平成23年度より「博士課程教育リーディングプログラム」を開始。
○ 平成21年度から開始した国際化拠点整備事業(グローバル30)により、英語で学位が取得できるコースの設置や留学生受入れ体制の整備、海外共同利用事務所の設置による我が国大学の情報発信の強化等、大学の国際化を支援。
○ 平成21年10月の日中韓サミットにおける合意に基づき、日中韓の3国において単位互換等の質の高い大学間交流を行う「キャンパス・アジア」を推進。
○ 平成22年5月1日現在で我が国への留学生数は141,774人(前年比6.8パーセント増)
○ 日本人学生の海外派遣においては、学位を目指し海外の大学に留学する学生や、短期留学する学生を支援。
○ 一方、我が国は、依然として、海外の有名大学と比較して外国人教員・学生数が少ないこと、日本人の海外留学者数の伸び悩み、情報発信等、大学の国際化に関して課題がある。
【参考】
→ 大学国際化の拠点形成およびネットワーク化、、米国大学等との協働教育プログラム開発等を通じ、大学の世界展開力を強化。日本人学生等の海外交流30万人、外国人学生の受入30万人を目指すため、長期留学の契機となるよう3ヶ月未満の短期交流の支援を拡大。
→ 「キャンパスアジア構想」の下、交流プログラムの実施及び中核的拠点の形成等を通じ、日中韓を始めとするアジアの大学間交流を推進。
これらの取組などを通じ、産業界とも連携してグローバル人材を育成。
○ 各大学の資源を一層有効活用しつつ優れた教育研究活動を支援する観点から、大学間連携の取組を促進。
○ 平成19年7月の学校教育法等の一部改正により、大学が社会人等を対象に体系的な知識・技術の習得を目指した教育プログラムを編成し、その修了者に履修証明書を交付する仕組みを創設(平成20年度39大学48プログラム実施)。あわせて、社会人の再就職やキャリアアップ等に関する短期間の実践的教育プログラムの開発・普及を支援するため、社会人学び直しニーズ対応教育推進プログラムを実施。
○ 放送大学では、多様な年齢層・職層の人が学習している(学生数 平成20年:83,870名,平成21年:81,521名,平成22年:82,856名)。また、平成23年10月よりBSデジタル放送による授業番組を放送開始予定。
○ 大学等で社会人受入れを実施(平成21年度6,969名)している(しかし、25歳以上の高等教育機関への入学者の割合は、OECD平均20.6パーセントの中で2.7パーセントと低い)。(再掲)
→ 大学の様々な機能に関する連携を促進する方策の在り方について、国公私立の設置形態を超えた大学間連携を一層促進する方策、地域の人材育成需要に対応した教育を推進することについて検討。
○ 医療を取り巻く情勢変化や社会的ニーズを踏まえた質の高い医療人材の養成が必要であるため、医学教育の指針となるモデル・コア・カリキュラム策定・改訂
を含む検討会最終報告(平成23年3月)。
○ また、総合的臨床能力の習得や基礎医学研究者の確保等大学の特色ある医学教育を支援。
○ さらに、地域の医師確保等に早急に対応するため、平成20年度以降医学部定員を増加(平成19年度7,625人→平成23年度8,923人)し、あわせて医学教育の定員増のための専任教員数と校舎面積の規定を整備(平成21年大学設置基準の改正)。
○ 深刻な医師不足や地域医療の崩壊に対応して、地域医療の最後の砦である大学病院の機能を強化するため、医師等の勤務環境の改善のための人員の雇用や周産期医療環境の整備を推進。
○ また、ドラッグラグ、デバイスラグや新たな医療の開発に対応するため、研究開発環境を強化。
→ 医学教育の機能別分化を促進するため、特定分野での拠点形成づくりを推進。
→ 医学教育の質保証に係る取組として、臨床実習等に係る評価システムや機関別評価システムについて検討
→ 総合医、研究医、がんプロフェッショナル人材の養成など社会的ニーズを踏まえた特色ある医学教育を支援。
→ 規模・地域の医療状況等を踏まえながら、総合医の養成等各大学病院の特色・特性に応じた支援を行う。
→ 若手医師や看護師等への教育に関する取り組みを支援する。また、地域における対応が難しく、社会的要請が高い産科・小児科等に関わる専門スタッフ育成を支援。
→ 医師や看護師の過重な勤務環境の改善を図るため、コ・メディカルスタッフや医師事務作業補助者の充実を図る。→ 先進医療や治験及び医療機器の開発を支援し、イノベーションの推進を図る。
○ 我が国の大学教育の質を保証し、社会からの信頼の向上を図るため、「中長期的な大学教育の在り方について」諮問(平成20年9月)し、具体的な結論に至ったものは、随時提言を行い、制度改正や予算・事業を通じて具体化されている。
○ 大学分科会の審議を踏まえ、公的な質保証システムの改善について、随時必要な制度改正を実施した。
(設置基準等)
(設置認可審査)
○ 認証評価については、平成22年度までに全ての大学が実施するとともに、認証評価機関のない専門職大学院に関し、認証評価機関の整備を推進した(平成20年度15分野→平成22年度9分野)
○ 大学は公的な教育機関として、その活動や取組について、社会への説明責任を果たすことが求められることから、学校教育法施行規則により全ての大学について教育情報の公表を義務付けを行った(平成23年4月から実施)。グローバルに教育研究活動を展開する大学については、全ての大学に公表が義務付けられる項目に加えて、大学の国際的な情報発信の観点から公表が期待される情報例を「ガイドライン」として公表した。
○ 新たなに設置等する大学については、設置等の認可又は届出を受け、文部科学大臣が公表するものとして、基本計画書、校地校舎等の図面、学則、設置の趣旨等を記載した書類、教員名簿を追加した(平成21年3月から実施)。
○ 財務・経営情報の情報公開については、文部科学省のホームページに実施状況を公表するとともに、平成22年度から文部科学省のホームページから各学校法人のホームページ上の財務情報へリンクできるようにした。なお、私学団体が学校法人の財務・経営情報の公開に関して、情報公開の項目例等に関する自主的な取組目標をとりまとめ、各加盟校に対し周知している(平成22年7月日本私立大学団体連合会、日本私立短期大学協会)。
○ 国公私立を通じた大学教育改革支援を通じて大学教育の内容・方法の充実を図り、学生や社会からの多様なニーズに対応するとともに、大学教育・学生支援の質保証につながるリーディングケースや大学生の就業力育成の向上、国際的に卓越した教育研究拠点の形成などを支援するなど、各大学の特色を踏まえた質の向上の取組を支援。
→ 体系性・一貫性ある学位プログラムの確立、公的な質保証システムの改善など更なる検討。(再掲)
→ 大学の活動を支援する法人など、各大学の活動を支援する枠組みや大学改革の支援施策の再構築について検討。(再掲)
→ 大学の機能別の分化や連携に関する推進方策について
(1)学生・社会からの多様なニーズに対応するため、各大学が、そのミッション(使命)を明確化しながら機能別に分化・連携することに関する政策の方向性
(2)各大学のミッション(使命)を明確化する観点から、各大学が重視する役割・機能等を積極的に発信するための方策(大学プロファイルの可視化)
(3)各大学のミッション(使命)を明確化する観点から、各大学が重視する役割・機能に着目した評価や支援の在り方(各大学が、多様な役割
・機能を持ち、また、それが時代や環境に応じて可変的であることを踏まえた対応)
○ 国立大学については、法人化以降6年が経過し現状分析や今後の改善方策を検討する「国立大学法人の在り方に係る検証」を実施し、「中間まとめ」を取りまとめ。当面は、現状の制度の根本を維持しつつ、必要な改善や充実を図ることが必要であり、1.教育研究力の強化、2.ガバナンスの強化、3.財務基盤の強化の三点から改善方策を整理。
○ 私立大学については、現下の厳しい経営環境にかんがみ、経営改善に努力しようとする学校法人に対し、より一層きめ細かい支援を行うことが必要であることから、文部科学省と日本私立学校振興・共済事業団の経営支援機能を充実し、「自立・発展」、「連携・共同」、「撤退」といった、将来の方向性を早期に判断できるようにする方針を示した。
○ 私立大学等経常経費補助(特別補助)の未来経営戦略推進経費等により、経営改善に取り組む大学を支援。また、日本私立学校振興・共済事業団において、リーダーズセミナーを開催し経営相談機能を強化するとともに、経営状況の分析、経営改善計画の策定・実施、自主的な撤退に当たっての留意事項、経営基盤強化の事例などをまとめた「私立学校運営の手引き」を作成。
○ 大学を支える基盤的経費への支援に関しては、平成23年度予算において、平成17年度以来6年ぶりに大学関係主要経費の拡充し、国立大学法人化以降の基盤的経費の削減に歯止めをかけるとともに、平成23年度予算において、私立大学等経常経費補助は、一般補助のウエイト拡大など内容面の充実を図った。科学研究費補助金は、研究現場の声の後押しを受け、基金化による研究費の複数年度使用を実現するとともに創設以来最大の増額を確保した(平成20年度1,932億円→平成23年度2,633億円)。
一方、国立大学法人運営費交付金は、平成16年度との比較では887億円の減少、私立大学等経常費補助金は、平成18年度との比較で104億円の減少となっており、教育研究面での深刻な影響や、地域の発展の大きな障害となっている。
○ 国立大学施設については、老朽化・狭隘化が進行し、高度化・多様化する教育研究に十分対応できていない状況にある。
→ 国立及び私立大学の課題の検証を行いながら、1.基盤的経費を充実するとともに、2.大学のガバナンス強化、社会の要請に対応した教育研究組織の見直しを行う。
→ 私立大学については「自立・発展」「連携・共同」「撤退」の方向性を早期に判断し、対応できるよう引き続き支援を行う。
→ 各国立大学法人等の目指す将来のビジョンに基づき、教育研究環境の質的向上を図るとともに、安全・安心な教育研究環境を確保するため、「第3次国立大学法人等施設整備5か年計画(仮称)」(平成23年度~)を策定し、計画的かつ重点的な整備を行う。
○ 学校施設の耐震化の早期推進を図るため、補助率の引き上げや、数次にわたる補正予算、予備費の活用により、耐震化を進めてきたところ。
○ ただし、東日本大震災の発生により、耐震化の重要性が再認識されているが、未だに耐震性のない公立小中学校施設は約17,000棟ある(平成23年度補正予算執行後の見込み)。
○ さらに、耐震性の確保されている学校も含め、建築後25年以上経過し、老朽化が進行している公立小中学校施設が全体の約7割となっており、第2次ベビーブーム期に建設された公立学校施設の老朽化が深刻な状況にある。
○ また、教育の質を高めるために、教育条件の一つである学校施設に関し、教育活動をより円滑に行う観点から、その整備の在り方等についての検討を有識者会議において進めている。
○ 教育現場において、地球温暖化による猛暑対策が急務となっており、児童・生徒等が授業に集中できる快適な教室環境の整備が求められている。
○ 学校と地域の連携の進展や「新しい公共」の理念にも関わらず、ボランティア等との連携により地域ぐるみで学校安全の体制整備を図るための、スクールガードリーダーの配置は現行計画の目標値を下回っている。学校保健安全法の改正を踏まえ、学校安全計画や危機管理マニュアルの策定や学校管理職の組織的危機管理能力向上が必要である。
【参考】
→東日本大震災の発生により、耐震化の重要性が再認識された中、国公私立を通じ、できるだけ早期に耐震化事業が完了できるよう、引き続き必要な予算を確保する必要がある。また、老朽化した公立学校施設についてエコ改修や再生可能エネルギーの導入など環境に配慮した計画的、効率的な再生整備や適切な維持管理を推進し、安全・安心かつ質の高い教育環境を実現する必要がある。そのためには、安全・安心かつ質の高い教育環境整備の方策について検討を行い、得られた成果に基づき推進していく必要がある
→ 地震等の災害発生時に地域住民の応急避難場所としての役割を果たす学校施設については、貯水槽、備蓄倉庫、トイレ、自家発電装置等を整備することにより、防災機能の強化を図ることが必要である。
→ 学校保健安全法に基づき検討中の学校安全推進基本計画を踏まえ、学校において組織的な危機管理の体制が整えられるよう、学校安全計画・危機管理マニュアルの策定、教員研修センター等において管理職の事件・事故災害発生時の組織的対応能力を向上させるための研修内容見直しを行う。
→ 平成23年度に実施する「学校内で安全を見守る支援的スタッフに関する調査研究」により学校と地域との連携進展などの実態を把握し、常駐型など新しい形態の検討を含め、スクールガードリーダーの配置の促進など学校安全の推進方策を検討する必要。
→ 学校安全に関して、東日本大震災の実態についての調査研究及び同震災を踏まえた、防災教育に関する教師用指導資料及び教育教材の見直しを行う。
○ 学校図書館資料を充実させるため、平成19年度から23年度までの5年間で総額約1,000億円の地方財政措置を行う「学校図書館図書整備5カ年計画」を策定し、学校図書館図書費への予算化を促しているところ。しかし、学校図書館図書標準の達成状況については、平成21年度末現在において、小学校50.6パーセント、中学校42.7パーセントとなっている
○ 教育の情報化について、学校におけるICT環境整備及び教員のICT活用指導力ともに、これまで策定された国家戦略に掲げられた政府目標を十分に達成するには至っていない。(例えば、教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数は6.4人(平成22年3月)であり、諸外国と比較しても依然として低い。)
【参考】
→ 学校図書館図書標準の達成に向けて、引き続き図書の整備が必要であり、平成23年6月に公表予定の平成22年度「学校図書館の現状に関する調査」の結果等を参考に、平成24年度からの新しい計画に策定について検討する。
→ 今後、教育の情報化を実効的に推進するため、、総合的な実証研究を実施し、ソフト・ヒューマン・ハード面での整備を総合的かつ計画的に推進していく必要がある。
○ 建学の精神に基づく個性豊かな活動を積極的に展開して、我が国の学校教育の発展にとって、質・量共に重要な役割を果たしている私立学校の振興のため、経常的経費への補助や施設等整備に係る補助等の振興策を講じた。
○ 大学については、私立大学等経常経費補助は、一般補助のウエイト拡大など内容面の充実を図った。(再掲)
○ 高等学校・中等教育学校・中学校・小学校・幼稚園については、私立高等学校等経常費助成費等補助は、一般補助の生徒等1人あたり単価を増額するとともに、障がいのある幼児が在園する私立幼稚園への支援や授業料減免を行う学校法人への支援を充実させた。また、私立幼稚園における預かり保育の拡充のための経費を増額した。
○ 経済状況の悪化を受け、平成21年度第一次補正予算により、高校生修学支援基金を各都道府県に設置し、都道府県が実施する私立高校の行う授業料及び入学料減免への補助事業や奨学金事業に対し支援している。
○ また、学校法人の財源の多様化や経営基盤の安定化を図り、私学の社会貢献を一層促すため、学校法人に対する個人からの寄附について、平成18年度以降、所得控除の対象となる寄附金額の下限の引き下げを行うなど、寄附金税制の拡充を図っている。
○ 私立学校施設の耐震化については、補助率の引き上げや、補正予算の活用により、耐震化を進めてきた。
○ 国公私立大学を通じた研究水準向上に向けた改革の支援の中で、特色ある共同研究拠点の整備、大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム、大学教育・学生支援推進事業、グローバルCOEプログラム、組織的な大学院教育改革推進プログラム等を通じて私立大学についても支援。
○ 18歳人口の減少等により、入学定員が未充足の私立大学等が増加するなど、厳しい経営環境にある学校法人が増加。経営改善に努力しようとする学校法人に対し、より一層きめ細かい支援を行うことが必要であることから、文部科学省と日本私立学校振興・共済事業団の経営支援機能を充実し、「自立・発展」、「連携・共同」、「撤退」といった、将来の方向性を早期に判断できるようにする方針を示した。(再掲)
○ 財務・経営情報の情報公開については、文部科学省のホームページに実施状況を公表するとともに、平成22年度から文部科学省のホームページから各学校法人のホームページ上の財務情報へリンクできるようにした。
なお、私学団体が学校法人の財務・経営情報の公開に関して、情報公開の項目例等に関する自主的な取組目標をとりまとめ、各加盟校に対し周知している(平成22年7月日本私立大学団体連合会、日本私立短期大学協会)。
(再掲)
→ 各学校法人が「自立・発展」「連携・共同」「撤退」の方向性を早期に判断し、対応できるよう引き続き支援を行う。
○ 厳しい経済雇用情勢が続く中、経済格差や教育格差、格差の固定化等が指摘。
○ 具体的な方策については、これまで平成21年度において「安心社会実現会議」「教育再生懇談会」「教育安心社会の実現に関する懇談会」等において検討。
○ また、平成22年度から子ども手当の支給、高校授業料実質無償化、高等学校等就学支援金の支給を開始したところであり、国私立大学の授業料減免の拡大や大学奨学金の充実等の対応を行った。
【参考】
○ しかしながら、以下の点について、なお課題が残る。
→ 社会保障改革との整合性も勘案しつつ、高校の実質無償化等の着実な実施に加えて、授業料減免や大学奨学金を引き続き充実していく必要がある。
初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室
-- 登録:平成23年11月 --