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資料1 |
義務教育に係る諸制度の在り方について
(初等中等教育分科会の審議のまとめ)(案)
はじめに
中央教育審議会初等中等教育分科会は、平成15年5月15日に、中央教育審議会が文部科学大臣から受けた諮問「今後の初等中等教育改革の推進方策について」の具体的な検討を付託され、現在審議を進めている。
このたび、諮問の際に示された当面の検討事項のうち、義務教育に係る諸制度の在り方について、本格的に審議を開始した平成16年4月以降の本分科会における審議の概要を公表することとした。その性格上、今回の「まとめ」は、審議した論点の多くについて、一定の結論を提示するものとはなっていない。
義務教育は、国民一人一人が、個人としても、また、国家・社会の形成者としても、充実した、実り豊かな生涯を実現するために必須の基盤を培うものであり、その成否は我が国社会全体の在り方を大きく左右するものである。このような義務教育の意義に照らし、その制度の在り方を考えるに当たっては、専門的な見地からの検討のみならず、幅広い議論と国民的なコンセンサスが不可欠と考える。
今後、このまとめについて、国民の皆様からも幅広く御意見をいただきながら、新しい時代にふさわしい義務教育制度の実現に向けて、更に検討を進める必要がある。
1 | 我が国の義務教育制度をめぐる課題 |
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我が国の義務教育は、憲法、教育基本法、学校教育法等に基づき制度化されている。具体的な仕組みとしては、保護者にその子どもを満6歳から9年間、小学校、中学校、又は盲・聾・養護学校の小学部、中学部に就学させ、普通教育を受けさせる義務を課すとともに、義務教育に係る学校の設置を地方公共団体の義務とし、また、経済的な理由で就学困難な学齢児童生徒の保護者に対する援助を市町村の義務としている。さらに、国としても、教育課程の基準である学習指導要領を定めるとともに、義務教育費国庫負担制度や教科書無償制度等の制度的措置を講じることにより、国内のどの地域に住んでいても、すべての国民が一定水準の教育を受けることのできる制度が構築されている。 こうした堅固な義務教育制度は、戦後の我が国社会の発展の基盤として国際的にも高く評価されてきた。 しかしながら、一方で、近年、義務教育をめぐっては、例えば、いじめ、不登校、校内暴力、学習意欲や学力の低下といった様々な課題が生じるようになっている。 このような義務教育の課題について、本分科会の審議においては、主に次のような指摘があった。 |
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また、以上のような課題に対応するための検討の視点について、主に次のような意見があった。 |
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今後、世界的な規模で「知識基盤社会」への移行が一層急速に進むことが予想されている。こうした中で、一人一人が豊かで充実した生涯を送るとともに、我が国社会がその活力を維持し、国際社会に貢献していくためには、国家・社会の形成者として最低限求められる基礎的・基本的な資質・能力の上に、豊かな創造性や高度な専門能力等を身に付けた人材の育成が不可欠である。 そのためには、人材育成の基盤である義務教育制度が現在直面する様々な課題を克服し、新しい時代にふさわしい教育を実現することが急務である。 このため、まず、国家・社会の形成者として最低限身に付けることが求められる基礎的・基本的な資質・能力とは何か、言い換えれば、義務教育の目的、目標とは何かについて明確にした上で、こうした目的、目標をより良く実現するための制度の具体的な在り方を検討し、必要な改革に取り組む必要がある。 同時に、学校や行政だけの取組では教育改革は成し遂げ得ない。子どもたちが将来に夢を持ち、健やかに育っていくためには、彼らを取り巻く家庭や地域が、学ぶことや努力を大切にする公正・公平な社会であり、かつ、人間性にあふれた社会であり、更には子どもたちを見守り育てていくことの責任を共有する社会でなければならないことを、すべての大人が今一度認識する必要がある。 |
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2 | 義務教育の目的、目標 |
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3 | 義務教育制度の改革の方向 |
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義務教育において求められる目標を明確化し、そのより効果的な実現を図るためには、義務教育に係る現行の諸制度について改めて見直しを行った上で、改革のプラス面、マイナス面を十分に吟味しつつ、必要な改善策を講じていく必要がある。 その際の基本的な考え方として、国民の教育を受ける権利を保障するため、教育の機会均等、水準確保、無償制といった義務教育の根幹については、国がその責任においてしっかりと担保した上で、具体的な教育の実施に当たっては、保護者等の意見も踏まえつつ、各学校や教育委員会が可能な限り柔軟に取り組むことができるような方向を目指すことが重要と考える。 このような観点から、本分科会では、主に
なお、これらはいずれも一定の結論に至る前の論点の整理にとどまるものであり、今後、外部の幅広い御意見も伺いながら、更に検討を進める必要がある。 |
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