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初等中等教育分科会(第112回) 議事録

1.日時

平成29年6月27日(火曜日) 14時~16時 

2.場所

東海大学校友会館 東海・三保・霞の間

3.議題

  1. 教員勤務実態調査(平成28年度)の集計(速報値)について
  2. 教員の働き方改革に関する関係団体・有識者ヒアリングについて
  3. 学校における働き方改革特別部会の設置について
  4. 高大接続改革の進捗状況について

4.議事録

【小川分科会長】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第112回中央教育審議会初等中等教育分科会を開催いたしたいと思います。
 本会議は、初等中等教育分科会の運営規則第5条により、公開を原則としております。また、第6条により、会議を撮影、録画、録音する場合は、事務局が定めた手続により申請するとともに、分科会長の許可を受ける必要があります。申請がない行為は行うことはできないことはもちろん、会議の進行や他の傍聴を妨げる行為があった場合は、退場を命ずるなどの適切な措置をとることもありますので、あらかじめ御了承いただければと思います。
 なお、個人を特定するような撮影及び録画は御遠慮くださるよう、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入る前に、まず事務局から、委員の交代がありましたので、新たに任命されました委員の皆様を御紹介していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 教育制度改革室長の常盤木でございます。
 では、今回新たに本分科会に御就任いただきました委員の先生方を御紹介いたします。なお、参考資料1に委員の皆様の名簿を御用意してございます。
 向かって左側になりますが、柏谷弘陽委員でいらっしゃいます。
【柏谷委員】 どうぞよろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 向かって右側になります。種村明頼委員でいらっしゃいます。
【種村委員】 よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 なお、本日は御欠席でございますが、直田益明委員も本分科会の委員に御就任いただいております。よろしくお願いいたします。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 続いて、本日の会議の配付資料及び前回の会議で委員から御質問いただきました事項について、事務局から説明をお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 続きまして、まず本日の配付資料につきましては、お配りの議事次第にありますとおり、資料として1から4まで。議事次第にございます資料1-1から資料4まで、そして参考資料1、2を御用意してございます。また委員の皆様に、机上配付といたしまして、地域学校協働活動の推進に向けたガイドラインの資料もお配りしております。不足等がございましたら、事務局にお申し付けください。よろしいでしょうか。
 それではまた、この場をお借りいたしまして、前回の分科会におきまして御質問いただいておりました地域学校協働活動推進員につきまして、社会教育課地域学校協働推進室長より回答させていただきます。
【渡辺地域学校協働推進室長】 それでは、前回の分科会において御質問いただきました地域学校協働活動推進員、それから地域学校協働活動の推進に向けたガイドラインについて簡単に説明させていただきます。お手元の参考資料2を御覧いただけますでしょうか。
 こちらの参考資料2の1枚目、スライドで言うと2番とページ数が書いたスライドでございますように、前回、分科会において報告がございましたように、本年3月の関連法の改正におきまして教職員定数の充実、学校事務職員の職務規定の見直し、学校運営協議会の設置の努力義務化などの改正と併せて社会教育法の改正が行われました。
 1枚おめくりいただけますでしょうか。スライドナンバー3と書かれたページにございますように、この今回の社会教育法の改正におきまして、幅広い地域住民の方々や保護者などの参画によって、地域全体で子供たちの成長を支え、地域を創生する活動を「地域学校協働活動」として規定した上で、この地域学校協働活動を実施する教育委員会において、地域住民等と学校との連携協力体制の整備、普及啓発活動等の措置を講じるということ。あわせて、教育委員会において、地域住民の方々と学校をつなぐ、いわばコーディネーターの役割として、地域学校協働活動推進員を委嘱することができるということが規定されてございます。
 おめくりいただきまして、4ページ、5ページに社会教育法の条文を記載してございます。5ページの第9条の7において教育委員会は、地域学校協働活動の円滑かつ効果的な実施を図るため、社会的信望があり、かつ、地域学校協働活動の推進に熱意と識見を有する者のうちから、推進員を委嘱することができると規定した上で、この2項において、その主な役割を規定してございます。
 より具体的な役割などに関しましては、本改正も踏まえまして、本年4月に教育委員会などの参考の手引としてガイドラインを策定してございます。
 おめくりいただきまして、スライドで申し上げますと7ページと書いたスライドでございます。本日、机上配付資料といたしまして、お手元に、こちら水色の表紙の「地域学校協働活動の推進に向けたガイドライン」を配付させていただいてございまして、こちらの4章におきまして、コーディネート機能の強化というところがございます。
 具体的に、この28ページから32ページあたりにかけまして、地域学校協働活動推進員の役割、資質、処遇、研修などについて、参考の手引としてガイドラインに記載させていただいてございます。
 そのほか、こちらの参考資料2の8ページのスライドにございますように、具体的な処遇などに関しては、それぞれの自治体によって決めていただくこととなりますが、文部科学省といたしましては今後、地域学校協働活動推進員の方々が中心となって地域学校協働活動を推進していくことができるよう、この「地域学校協働活動推進事業」といたしまして、29年度におきまして64億円の経費を計上させていただき、国が3分の1、都道府県が3分の1、市町村が3分の1の負担割合で支援させていただいてございます。
 こちらのポンチ絵の左側にございますように、この地域学校協働活動推進員の方々の活動に対する謝金といたしまして、予算上、1時間当たり1,480円を上限として、自治体の取組、具体的には推進員の方の謝金を支払う部分について支援できるという仕組みになってございます。
 以上でございます。
【小川分科会長】 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それでは、本日の最初の議題に入っていきたいと思います。最初に議題1の教員勤務実態調査の集計、速報値、及び議題2の教員の働き方改革に関する関係団体・有識者ヒアリングについて、これは1、2、まとめて事務局から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【伊藤財務課長】 財務課長の伊藤でございます。私から資料1-1及び資料1-2に基づきまして、教員勤務実態調査(平成28年度)の集計(速報値)について御説明をさせていただきたいと思います。説明は主に資料1-1、A4の縦の資料の方に基づいて、お話をさせていただきたいと思います。
 この教員勤務実態調査でございますけれども、「教育政策に関する実証研究」の一環といたしまして、教員の勤務実態に関する実証分析を平成18年以来10年ぶりに実施をしたものでございまして、4月28日に教員の勤務時間に係る部分の速報値を公表したところでございます。
 お手元(2)の実施方法のところでございますが、対象の日程は平成28年の10月の下旬から11月中旬にかけて、このうちの連続する7日間について、勤務実態の状況を調査させていただきました。対象は小学校400校、中学校400校を抽出し調査をしてございます。回答数にございますように、小学校教員で9,000名弱、中学校教員で1万1,000名弱と、こういった多数の教員の先生方から御協力を頂いたところでございます。
 なお、この調査でございますけれども、○1にございます学校調査票と○2にございます教員個人調査票ということでございまして、学校それぞれの取組の状況等について調査をするとともに、教員個々人の勤務実態の状況について確認をさせていただいたところでございますが、今回この○2の教員個人調査票の内容が速報としてまとまりましたので、こちらを先に速報値として公表をさせていただいているところでございます。
 なお、この教員個人調査票の中で、アスタリスクを付けてございますが、今回ストレスチェックを同時に掛けさせていただきました。これについては現在、集計・分析をしている最中でございますので、また、まとまり次第、公表させていただきたいと思ってございます。
 2ページを御覧いただきたいと思います。2ページ、調査結果の概要でございますが、前回調査、平成18年度と比較し、平日・土日ともに、いずれの職種でも勤務時間が増加をしているということでございます。なお、「18年度と比較」と言っている場合は、18年度の調査のうち、今回と同時期の10月下旬から11月の同じ学校の忙しさと推測できる時期の調査結果と比較をして出させていただいたというものでございます。
 平日に関しましては、御覧いただきますと、小学校副校長のところが12時間12分というのが今回の調査結果でございまして、これは10年前と比べて49分延びている、このような表の状況でございます。副校長・教頭については、今申しました小学校に加え、中学校でも12時間を超えてございます。また教諭については、小学校が11時間15分で、10年前と比べ43分延びている。中学校も11時間32分で、10年前と比べ32分延びているという状況でございまして、校長、副校長・教頭、教諭、講師、養護教諭、いずれも10年前よりも、より忙しくなっている状況が明らかになったところでございます。
 続いて、その下、土日の部分でございますが、土日のところでは、特に中学校の教諭を御覧いただきたいと思います。中学校の教諭、今回の調査で3時間22分ということで、10年前と比べて1時間49分の増加、要は倍増以上の忙しさになっているという結果が改めて示されたところでございます。
 その次の(2)でございます。今申しましたのは1日当たりの勤務時間でございまして、(2)は、それを教員、1週間当たりにして計算をしたものでございます。1週間の学内の総勤務時間が、副校長・教頭でいきますと、小学校63時間34分、中学校63時間36分、教諭は小学校57時間25分、中学校63時間18分ということで、いずれも10年前と比べ、かなり長時間化しているという状況でございます。
 次の3ページは、今申しました1週間当たりの学内総勤務時間を、個々の教員ごとの分布にグラフで示したものでございます。1週間当たりの学内総勤務時間が40時間未満のものから5時間ごとに記しているところでございます。
 このうち、御覧いただきますと分かりますように、小学校の教諭で見ますと、一番頂点、帯の長い部分は55時間~60時間未満のところが一番割合として多くなっているところでございます。中学校は、それよりも更に5時間長い60~65時間のところが一番頂点の山になっているという状況でございます。
 なお、これは週当たりの時間ということでございますが、週の法定労働時間、公務員の場合、今38時間45分となってございますが、労働関係の法規によると通常、週40時間というのが1つの標準になっているところでございます。週40時間が法定内の労働時間だと仮定をいたしますと、週60時間勤務をしているというと、1週間当たり20時間の、いわゆる時間外勤務が生じているという状況でございます。これが一月4週で計算をいたしましても、4倍ということで、週当たり20時間の超過勤務が生じている場合には、一月当たりで80時間を超える超過勤務の労働が生じている状況でございまして、この80時間を超える数が、小学校の教諭でいきますと約3人に1人、中学校の教諭ですと6割弱と、このようになっているという大変厳しい状況が、今回改めて明確になったところでございます。
 次の4ページを御覧いただきたいと思います。4ページの上は、先ほどの学内勤務時間でございますが、持ち帰りも加えて調査をした部分でございます。なお、持ち帰り時間については、10年前と比較しますと、わずかではございますけれども減少をしているということ。これは恐らく個人情報保護の条例等が各自治体において整備をされる中、個人情報を持ち帰って自宅で採点をしたり成績を付けたりということが、従来よりは少し減ってきていると。その分、逆に言うと、学内での勤務時間が延びているということではないかと分析をしているところでございます。
 その次に、業務内容別の学内勤務時間でございます。個々の先生方、これは教諭についてだけ取り急ぎ分析をしたところでございますけれども、どのような業務が、10年前と比較して、どの程度延びているかというものをまとめさせていただきました。
 主なところだけ御紹介をさせていただきますが、平日の教諭につきましては、授業の主担当と補助の担当のところ。10年前は、これを分けてございませんので、これを合わせた部分で比較をいたしますと、授業に当たる部分が、10年前と比べ1日当たり27分延びて、合計4時間25分になっているということでございます。なお、平日の1日27分ということですので、5日にいたしますと135分。小学校の授業が通常45分1コマでございますので、約3コマ分、平均で増えているという状況でございます。
 中学校の方は15分、これは1週間で75分です。中学校、50分授業標準でございますので、約1.5コマ分増えているというのが1つの特徴でございます。また中学校については、授業の準備や成績処理に当たる時間も、前回と比べて、かなり増えているという状況でございます。
 次に5ページを御覧いただきたいと思います。こちらは土日の教諭の勤務でございますが、この中で今回特筆する数字は、ちょうど真ん中より少し上の部分でございます。部活動・クラブ活動の部分でございまして、ここが10年前の、やはり倍増という形で、中学校の教員、土日の1日当たりの平均が2時間10分ということで、特筆して大幅に、この時間が延びていると、このような状況が、速報値として今回取りまとまったところでございます。
 なお、横表の方、資料1-2で若干だけ補足をさせていただきたいと思います。資料1-2の8ページをごらんいただきたいと思います。
 今回の調査、10年前と比較いたしまして若干、調査母体の中で留意をしなければいけない点があろうかと思ってございます。
 8ページを御覧いただきますと、年齢別の回答者の割合を示したものでございます。平成18年度と今回を比較いたしますと、今回の調査では、比較的若い方々の割合が多いということが特徴として、小・中とも共通して見えるところでございます。
 その上で11ページを御覧いただきたいと思います。11ページには、年齢別の小・中の勤務時間の長さを示したグラフを掲載させていただいてございます。いずれの年齢段階でも、10年前と比較し、かなり延びてはいる、長くはなっているわけでございますが、御覧いただきますと分かりますように、おおむね、やはり年齢が若い方の方が長時間勤務をしているという状況です。これは当然、ベテランの先生と比べ若手の先生は、授業準備等についても時間が掛かるというのもございます。それらも踏まえて、全体にこの若い人の割合が増えたということが、全体の比率の上げにもなっているわけでございますが、しかしながら、この11ページを御覧いただいても分かりますように、どの年齢層も、10年前と比べると、相当延びてきているということ。また今後、今、ベテランの先生が、これから更に大量退職、しばらく続きますので、若手がますます増えてくると。こういう中で、若い先生方が長時間を勤務するような状況は、このまま放置をすれば、今後ますます過酷な状況になっていくということも、可能性として高いと考えてございます。
 以上で勤務実態状況調査の速報値についての説明を終わりにさせていただきます。
【常盤木教育制度改革室長】 それでは、議題2の教員の働き方改革に関する関係団体・有識者ヒアリングについて御説明申し上げます。資料2をごらんください。
 1ページにございますとおり、5月17日から6月20日までの間に、関係団体27団体、そして有識者5名の方に対しましてヒアリングを実施いたしました。
 2ページをごらんください。まず、その中で出ました教員の働き方改革に関する主な御意見でございます。
 まず(1)の○1、教員の勤務時間の現状についてでございます。一番上、各県市で実施している勤務実態調査においても、国と同様に勤務が長時間にわたっている実態が明らかになっている。教員の勤務実態については都市の規模による大きな差はないといった御意見がございました。
 ○2、長時間勤務や多忙感の要因に関してでございます。授業時数の増加、いじめ・暴力行為等、特別な支援が必要な児童生徒、アレルギー疾患等の健康問題、新たな教育課題、新学習指導要領、部活動、保護者への対応等々が要因であるとして挙げられております。
 また、下の方に目を移していただきまして、保護者や地域への対応は勤務時間外にならざるを得ない、保護者からの問合せの電話や生徒の下校後の問題行動についても学校に連絡があるため、教員の負担増につながっている、教職調整額制度により勤務管理へのインセンティブが低くなっている長時間勤務でも仕事へのモチベーションや満足度が高い教員が多く歯止めが掛かりにくくなっている、との意見がございました。
 3ページをごらんください。(2)といたしまして、教員の働き方改革に関する取組の例や意見・御要望についても伺いました。
 まず○1、勤務時間の管理やマネジメントの強化に関することでございます。
 まず、取組といたしまして一番上出退勤管理システムの導入、少し飛ばしまして、副校長・主幹教諭の配置、その下、事務職員の職務内容の明確化や事務職員の配置による副校長・教頭等の事務補佐体制の充実。
 このほかに意見や要望といたしまして、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ICT支援員等の専門スタッフを有効活用できるマネジメント体制の構築、勤務実態に即した教職員の処遇改善、労働時間貯蓄制度の創設、「超勤4項目」等時間外勤務についての見直し等の意見を頂きました。
 ○2、業務の削減や平準化に関することに関しまして、取組として上から4つ目行事の実施時期・内容や日課の見直し、夏季休業の短縮、土曜授業の実施、一斉退勤日や長期休暇期間における学校閉庁日の設定などの取組例を頂きました。
 次の4ページをごらんください。意見・要望といたしまして一番上、学校の重要課題・ビジョンや優先順位の低い業務や教員が担わなくてよい業務の明確化、小学校外国語教育による授業時数増を踏まえた標準授業時数の見直し等について意見・要望がありました。
 ○3、業務の支援に関することといたしまして、取組の例として5つ目の丸、教諭等の事務補佐のための非常勤事務補助員の配置・充実、小学校専科教員の配置、保護者からの相談を受ける窓口の設置、夜間の保護者からの問合せ窓口を教育委員会に一本化、留守番電話対応の実施といった取組の例が御紹介いただきました。
 また意見・要望といたしまして、教職員定数の改善、専門スタッフ配置のための予算措置、こういった御要望がございました。
 最後、4番目、部活動に関することといたしまして、次の5ページでございますが意見・要望といたしまして、部活動顧問の教職員の処遇改善、部活動指導員配置のための予算措置、部活動の在り方の検討、ガイドラインの策定といった意見・要望を頂いたところでございます。
 ヒアリングにおきましては、以上のような御意見等を頂いたところでございます。
 説明は以上でございます。
【小川分科会長】 ありがとうございました。今の議題1の教員勤務実態調査並びに教員の働き方改革に関する関係団体・有識者ヒアリングの内容につきましては、恐らく委員の方から御質問とか御意見あるかと思いますけれども、この内容につきましては次の議題3とも関係しますので、議題3の説明の後、一括して質問とか意見交換をする時間を設けたいと思いますので、その場でお願いできればと思います。よろしくお願いします。
 それでは引き続いて、議題3の学校における働き方改革特別部会の設置について、移りたいと思います。6月22日に開催されました中教審の総会におきまして、文部科学大臣から新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について諮問が行われました。その際に、北山会長から、本件については初等中等教育分科会を中心に審議を進めていただきたいとの御発言を頂きました。諮問の内容、理由、また本分科会における審議体制の案、関係する文部科学省の取組について、これは矢野初等中等教育企画課長から説明をお願いいたします。
【矢野初等中等教育企画課長】 それでは、初中企画課長、矢野でございますが、資料3-1、3-2、3-3、3-4、3-5、3-6、6つの資料に基づきまして、私から御説明申し上げたいと思います。
 先ほど御説明いたしました有識者団体、有識者や関係団体からのヒアリングにおきまして、頂戴した意見を踏まえまして、今御紹介のございました中教審に、資料3-1にございます諮問を行ったところでございます。諮問を行うに至った教育の現状等を補足説明した上で、諮問の内容を御説明申し上げたいと思います。
 それではまず、少し分厚い資料ですが、資料3-2をお開けいただきたいと思います。
 まず1ページ目。本分科会でも御議論いただき、昨年12月に中教審から頂いた答申を受け、本年3月31日、新しい幼稚園教育要領、小学校学習指導要領及び中学校学習指導要領を公示するとともに、学教法の施行規則の一部改正を公布したところでございます。幼稚園は平成30年度から、小学校は移行期間を設けて平成32年度からと、多校種につきましても、御案内のとおり、随時本格実施していくということを予定しております。
 2ページ目をお開きいただきたいと思います。新しい学習指導要領のポイントとして、まず今回の改訂は、改正教育基本法の下での2回目の改訂ということになりますが、これまでの我が国の学校教育の実践や蓄積を生かし、子供たちが未来社会を切り開くための資質・能力を一層確実に育成することを目指すものです。子供の現状、課題を踏まえて、知識及び技能の習得、思考力、判断力、表現力等の育成のバランスを重視する現行の学習指導要領の枠組みや教育内容を維持した上で、知識の理解の質を更に高め、確かな学力を育成していくことと併せ、先行する特別教科化など道徳教育の充実や体験活動の重視、体育・健康に関する指導の充実により、豊かな心や健やかな体を育成していくということを考えているところでございます。
 そのために、子供たちが「何のために学ぶのか」という学習の意義を共有しながら、授業の創意工夫や教科書等の教材の改善を引き出していけるよう、全ての教科等において、その内容を、知識及び技能、思考力、判断力、表現力等、学びに向かう力、人間性等の3つの柱で再整理したところでございます。
 3ページ目をお開きいただきたいと思います。その上で、小・中学校においては、これまでと全く異なる指導方法を導入しなければならないと浮き足立つ必要はなく、我が国の教育実践のこれまでの実績に基づく「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を進めていくことを示しております。
 このような新しい学習指導要領を円滑かつ確実な実施のためには、教員の一人一人の力量が発揮されるよう、定数改善の指導体制の充実や教員の業務改善などを一層の推進を図るとともに、既に行われている優れた教育実践の教材、指導案などの集約・共有化による授業研究や授業準備等への実践が求められているところでございます。
 また、学習の基盤となる資質・能力や様々な現代的な課題に対応して求められる資質・能力を育成するためには、教科等横断的な学習を充実させることが重要であり、教育内容や時間の適切な配分、必要な人的・物的な体制の確保、実施状況を検証し改善していくことなどを通して、教育活動の質を向上させ、各学校によるカリキュラム・マネジメントの確立を進めていくことも重要でございます。
 以上の考え方に基づき学習指導要領を改訂したところでございますが、小学校、中学校の授業時数は、次のページ、4ページ、5ページに掲載しております。御参照いただければと思います。特に小学校は外国語教育について、現在5、6年生で外国語活動を週当たり1こま実施いたしておりますが、今回の指導要領の改訂により、3、4年生から外国語活動、そして5、6年生からは外国語科を導入することになり、これにより小学校の標準授業数は、当然のことながら増加するということになります。急激な社会的な変化が進む中で、子供が予測不可能な未来社会を自立的に生き、社会の形成に参画するために、資質・能力を一層確実に育成していくためにも、新しい学習指導要領が円滑に実施されることが必要不可欠でございます。
 6ページ目をお開きいただきたいと思います。その一方で、こちらで、この場で何度も御紹介いたしておりますが、不登校の子供の割合、暴力の件数は、いまだ高い水準にあり、日本語指導が必要な子供、通級指導による子供、そして特別支援学級、特別支援学校に在籍する児童生徒数、子供たちは増加傾向にあります。また子供の貧困が指摘されているところでございますけれども、要保護等の子供たちも増加傾向にございまして、学校現場が抱える課題は、生徒指導をはじめとして、まだまだ非常に多く存在すると考えております。
 こういう状況の中で、先ほど御紹介いたしましたとおり、教員の勤務実態調査の実証分析を10年ぶりに実施したところでございますが、これまでも文科省としては、学校現場に対する様々な支援を行ってきたところでございます。
 7ページをお開きいただきたいと思います。本分科会でも御議論いただき、中教審から一昨年に3つの答申が出ました。学校と地域の連携・協働の在り方、チームとしての学校の在り方、そして教員の資質能力の向上についてと。その3つのテーマの答申を頂戴いたしました。この3つの答申を踏まえて文科省では、学校現場を取り巻く環境が複雑化・困難化する中、教員が子供と向き合う時間を確保して、子供たちに新しい時代にふさわしい教育を保障するために、教員の資質向上と併せて学校指導体制の授業が不可欠という認識の下、「次世代の学校・地域」創生プランを策定、発表したところでございます。
 このプランを踏まえて昨年秋に、教育公務員特例法の改正を11月に行ったということと、また教職員定数の改善、あるいは事務職員の職務及び協働学校事務室に係る規定の整備、学校運営協議会についての学校運営の必要な支援に関する協議を行う等の役割の見直し、地域学校協働活動に関する連携協力体制の整備などを内容とする義務標準法や学教法等の改正を本年3月に行ったところでございます。この義務標準法の改正により、実に16年ぶりに法律改正を伴う計画的な定数改善が行われ、一部の加配定数の基礎定数化を実施したところでございます。
 続きまして8ページをお開きいただきたいと思います。今回の義務標準法の改正により、8ページ記載のとおり、例えば発達障害等にある児童生徒や日本語に課題のある児童生徒に対する指導の充実のための整備が、充実が図られたものと考えております。この基礎定数化を10年間着実に実施していくということで、このページ記載の教育が更に進むものと考えているところでございます。
 併せて加配定数についても、小学校における専科指導の充実、貧困等の起因する学力課題の解消、統合・小規模校への支援、いじめ・不登校等への対応強化などの改善を盛り込んだところでございます。
 次に9ページ目をお開きいただきたいと思います。学校現場の業務改善についてでございますが、学校現場における業務改善のためのガイドラインを一昨年の7月に公表し、そのための取組を力強く進めていくため、資料にありますとおり、今年の1月でございますが、学校現場における業務の適正化に向けてという大臣のメッセージを発信し、1つは業務改善に集中的に取り組むモデル地域を指定し、学校現場の業務改善を加速するためのプロジェクトの実施。これが1ポツの赤い文字のところでございます。2番目に、部活動指導員の制度化、運動部の部活動の総合的なガイドラインの作成の検討など、部活動の適正化の推進を進めていく。また3つ目といたしまして、業務改善等に知見のある有識者や教育関係者を業務改善アドバイザーとして派遣する仕組みの創設。その大きく分けて3つの点で現在進めているところでございます。
 10ページ、11ページをお開きいただきたいと思います。本年度の教育委員会における学校の業務改善のための取組状況の調査の速報値の概要です。先般これも公表したばかりでございますが、都道府県、政令市教育委員会につきましては、そこの数字ございますとおり、おおむね業務改善の取組に着手している、あるいは進みつつあるという状況でございますが、大変残念ながら市町村教育委員会につきましては、まだ取組の状況は薄いと。御案内のとおり、教育、学校の含む監督権は地教委が有しておりますので、今後この市町村教育委員会の取組が非常に大きな課題になるであろうと考えております。
 以上が学校現場の状況と、これまで文部科学省が取り組んできた学校現場に対する様々な支援ですが、今ごらんいただきましたように、その効果はまだ不十分だと考えております。
 今後、新学習指導要領の円滑な実施をはじめとした学校や教職員が本来期待されている業務にしっかり取り組むことができるように、調査で明らかになった課題やヒアリングを頂戴した意見等を踏まえ、具体的かつ実効性のある取組を更に強力に進める必要があることから、今回3つの事項について審議をお願いすることといたしております。
 3つの審議事項については、資料3-1の諮問文の3ページの中ほどから記載がございます。資料3-1の3ページの中ほどと資料3-2を並行してごらんいただければと思います。
 まず1つ目の資料3-1の3ページの中ほど、「第一に」と書いてあるところでございますが、併せて資料3-2の12ページもお開きいただきたいと思います。資料3-2の12ページの表に示しておりますように、諸外国に比べますと、我が国の学校に期待される役割は非常に大きく多くなっているということでございます。その一方で、教育基本法13条では、学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとされているわけでございますが、これらを踏まえ、学校が担うべき本来の業務は何であるか。学校・家庭・地域・行政機関等の役割分担の在り方、連携・協働を進めるための条件整備等の在り方について御検討いただきたいと考えているところでございます。
 併せて法令で義務付けられている学校関係書類や、行政機関、民間団体等から依頼される各種調査業務等の精選の在り方についても御検討いただければと思います。
 次に資料3-1の4ページの頭あたりでありますが、2つ目は教職員及び専門スタッフが担うべき業務の在り方及び役割分担についてでございます。教員が本質的に担うべき業務は何かについて御検討いただきたいと考えております。
 その上で、それ以外の業務については事務職員や、資料3-2の13ページをお開きいただければと思いますが、資料3-2の13ページの表にあるような様々な専門スタッフや支援人材の役割分担及び連携の在り方について御検討いただきたいと考えております。
 そのほかにも新学習指導要領等を円滑かつ確実に実施するために必要な方策をいかに講じるかといった、学習指導や生徒指導等の体制強化の充実の進め方、あるいはICTの効果的な活用なども含めた更なる業務改善、その効果的な実施体制を構築するための方策についても御検討いただければと思います。
 続きまして3つ目でございますが、資料3-1の4ページの中段ぐらいをごらんいただければと思います。教員が子供の指導に使命感を持ってより専念ができる学校の組織運営体制の在り方及び勤務の在り方についてですが、教員が限られた時間の中で子供の指導に使命感を持って専念できる体制を整えるためには、組織としての学校運営体制の強化・充実を図ることが必要でございます。
 資料3-2の14ページ、15ページをお開きいただきたいと思いますが、現在、学校に置かれている教諭以外の職と主任等をまとめております。学校運営体制の強化・充実を図るため、副校長、主幹教諭、指導教諭等の役割や主任の在り方、そして学校運営を支える事務職員など、学校組織運営の体制の在り方、また管理職の意識等も含めた効果的な学校マネジメントの体制の構築の在り方について御検討いただきたいと考えております。
 あわせて、現在の学校内における教職員の役割分担として決められている校務分掌の在り方や各種委員会等の整理・合理化に向けた方策の在り方についても御検討いただければと思います。
 また、資料3-2の16ページでございますが、教員は勤務態様の特殊性から、一般行政職と同じような勤務時間の管理にはなじまないとされ、その特殊性を踏まえて「超勤4項目」として、原則、時間外勤務を命じないこととし、時間外勤務手当を支給しない代わりに給料月額の4%に相当する教職調整額を支給しているところでございます。
 あわせて、教員に支給される手当等について、その下の17ページの表でまとめておりますが、このように教員の勤務時間の在り方、その管理の在り方、勤務状況を踏まえた処遇の在り方はどうあるべきかについても御検討いただきたいと考えております。
 以上、諮問内容と、その補足説明でございました。
 続きまして、資料3-3をお開きいただきたいと思います。先日開かれました中教審総会において、今回の諮問につきまして非常に活発な御議論を頂戴いたしました。頂いた御意見のうち主な御意見を資料3-3にまとめさせていただいております。特に学校・教員の業務は非常に増えており、業務の縮減、改善を行うとともに、必要な条件整備等を行う必要があるという趣旨の御発言が非常に多くございました。
 また、部活動の在り方や地域・外部機関との連携についての御意見や、専門スタッフについては教員と対等の立場となるためにも、専門性が認められ、キャリアとして確立することが必要ではないかという御意見も出されました。
 さらに勤務の在り方については、教員の業務量と時間をしっかりと管理する体制を作ることが必要とする御意見とともに、変形労働時間制の導入や教職調整額の廃止し、一般の労働法制を適用させることも含めた見直しも検討すべきとの御意見も出されたところでございます。
 続きまして、資料3-4及び資料3-5をごらんいただきたいと思います。文部科学省では教員の長時間勤務の見直しを進めていくために、中教審の議論と並行いたしまして、各教育委員会においても学校現場の業務改善に向けた取組を早急に実施していただくことが必要であると考えております。このため、今回の諮問と併せまして、資料3-4、資料3-5にございますとおり、教育委員会における学校の業務改善のための取組状況調査の結果の速報値の周知とともに、教育委員会における所管する学校に対する業務改善方針の策定、勤務時間の適正把握、労働安全衛生管理体制の整備、そして部活動の適切な運営等につきまして、学校現場における業務改善に係る取組の更なる徹底をお願いしたところでございます。
 最後に資料3-6をごらんいただきたいと思います。これまで御説明申し上げましたとおり、教員の長時間勤務は、今後の学習指導要領本格実施を踏まえると、看過できない深刻な状況でございます。今般の諮問を受けて、新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導運営体制の構築をするために、働き方改革の総合的な方策をスピード感を持って御検討いただくため、本初等中等教育分科会の下に、資料3-6の3をごらんいただきますと、学校における働き方改革部会を設けさせていただきまして御審議いただきたいと考えておりまして、スケジュール感としては、年内に一度、その時点までの議論を取りまとめていっていただきたいと考えております。
 またあわせて、文科省としても、その取りまとめを踏まえ緊急対策を講じていきたいと考えております。
 私の方からは以上でございます。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 それでは、今の議題3に関係する説明を含め、議題1、議題2で報告のあった勤務実態調査並びに関係団体・有識者からのヒアリングの内容に関わって御質問、御意見を委員の方から賜りたいと思います。委員が、きょうも出席が多いですので、恐縮ですけれども、御発言の際には前の名札を立てていただければと思います。
 それでは貞廣委員、そして清原委員、横倉委員、米田委員の順に、まず進めたいと思います。貞廣委員、どうぞ。
【貞廣委員】 御丁寧な御説明ありがとうございます。本来でしたら現場の方から、まず御意見があった方が良かったようにも思うんですけれども、私から口火を切らせていただきたいと思います。
 勤務実態調査でございますけれども。もちろん速報値も拝見していまして、またその以前からも、現場の状況を見ると、やはりというような感じはするんですけれども、大変深刻な状況だと思います。こういうデータの形で、その深刻な状況が世に出たというのは、これからきっちりと対応しなさいということだと思います。
 こうなってしまった理由というのはいろいろあると思うんですけれども、その1つの大きな理由は、やはり労働基準法を基礎とした合理的な制度をこれまで作り上げてこなかったというところが大変大きなところなのだと思います。子供のためというマジックワードで働き続けてしまう先生方の心性とか、今の教育現場の課題の複雑化ということを考えますと、給特法は、そもそも教師の役割を大変評価をして作られたという側面もあるのだと思うのですけれども、今の状況を考えますと、この給特法の在り方というのが、無定量労働を助長する、まさに土壌になっているのだと思います。政府で働き方改革というのを呼び掛けている今こそ、労基法とどのように教員の働き方をつないでいくかということを根本的に検討しなければいけないのだと思います。
 その上で、ただ、それについては議論に時間や手間が掛かることだと思うのですが、もうそれを待ってられないぐらい、すごい大変な状況なわけですよね。緊急避難的手立てが必要だということで、総会などで出ている御意見や、有識者の方々のヒアリングで出ていた御意見、まさに緊急避難的な手立てについても多く御指摘くださっていますけれども、これは学校単体では無理だと思うのですね。先ほども申し上げたとおり、学校の先生って、子供のためと思うと、ずっとやってしまうのですね。かつ隣の方がやっていると、もう帰りなさいと言われても、自分もやはりやってしまって。部活動もまさにそうだと思うのですけれども。
 ですから、きっちりと設置者が、ガイドラインどころか相当強制力を持ってキャップを掛けていく緊急避難ということをきっちりとやっていただいて、先生方の善意に、もうこれ以上甘えない枠組みを真剣に作っていかなければいけないと考えます。
 以上でございます。
【小川分科会長】 ありがとうございました。清原委員、どうぞ。
【清原委員】 ありがとうございます。三鷹市長の清原です。今回、文部科学大臣より、「持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策」について諮問されましたこと、大変重く受け止めています。特に何のために持続可能であるべきかといえば、「新しい時代の教育に向けた」とあります。すなわち何よりも子供たちのために教育の質の向上を目指して、この働き方改革が位置付けられているということです。その基礎となる、この教員勤務実態調査の速報、それから有識者のヒアリングの内容を拝見いたしましても、問題の所在はかなり明確になって、皆さんと共有することができていると思います。
 その上で、私といたしましては、今回諮問に掲げられております3つの項目、それぞれが「教員の働き方改革」というふうに収れんする前に、「本来、学校が担うべき業務の在り方について」でありますとか、あるいは「教職員や専門スタッフの業務の役割分担」ですとか、さらには「教員が教育に専念できる組織運営体制の在り方」ですとか、教育そのものの質とともに、学校はどういうものなのか、あるいは、そのマネジメント、ガバナンスはどうすべきかという、かなり本質的な問題提起を頂いたものと思っています。
 そこで、本日、有識者のヒアリングの中でも、教員の勤務実態については都市の規模による大きな差はないのではないかとか、そういう問題提起もありますが、一方で、今日頂きました教員勤務実態調査の速報値によりますと、11ページには、1日当たりの勤務時間について年齢差はありました。相対的に30歳以下の人は勤務時間が長い傾向があると。そしてこのことは、一定の年齢の人が退職した後、若手の人が多くなると、やはりこのままでは長時間化は避けられないということでもありますが、それでは本当に地域差はないのか、あるいは学級数による差はないのか、性差はないのかということについては、今後、今回は速報値ですが、せっかくの貴重なデータですので、クロス集計などをされて、実態について、本当に、更に更に貴重なデータを分析して、実像に迫れればと提案いたします。
 併せて有識者の皆様、それから前回、私は欠席させていただきましたが、中央教育審議会総会で、かなり今後の解決に向けての視点が出されていると思います。これからは、貞廣委員もおっしゃいましたけれども、長時間勤務や多忙感の要因についても、かなり明らかになっていると思うんですが、では、それをどのように解決することができるのか。教育委員会の取組に対して、私は市長でございますので、市長部局として、どのような支援ができるのか。国や都道府県が教員の確保、加配等をしていただく中、改めて地域の実情に応じて、市町村はどうすることによって、より、あくまでも「教育の質の向上」のために条件整備ができるのかということについて、できれば今後は具体的なアイデア、具体的な取組の事例の集約をされているようですので、それの共有化、そして全国への普及が、検討のプロセスとともに必要です。最終的なときにそれが知らされるのではなくて、この検討のプロセス、特別部会のプロセスのところで、是非幅広く周知され、できることから取り組んでいければなと感じたところです。
 いずれにしましても、学校における働き方改革特別部会の設置は極めて有用であると思いますので、是非、教育課程部会、教員養成部会と連携をしながら、望ましい方向性を出していくべく、この初等中等教育分科会の一員として協力させていただければと思っております。ありがとうございました。
【小川分科会長】 ありがとうございました。今、清原委員から出されたような事務局に対する要望として、この前の勤務実態調査の速報値に加えて、更なる分析のデータも出してほしいというような、そんな要望がありましたので、一括して事務局の方から後ほどお答えいただければと思います。
 では続けて横倉委員、よろしくお願いします。
【横倉委員】 学校保健会の会長をしております横倉でございます。先ほど子供の教育のために先生方は我が身を忘れるというお話がありました。我々の世界とよく似ているなという思いでありますが。
 この20年の間に学校の先生方、休職される先生方が3倍になっていらっしゃる。またその中で、精神疾患でお休みになる方が非常に多くなっている。この20年の間、5倍以上になっているということを私どももお聞きをしていたのでありますが、きょうの働き方の調査で、さもありなんという思いで聞かせていただきました。これだけ長時間労働が続くことになれば、当然のことながらメンタル面でのいろいろな問題が起きてくる方がいらっしゃるだろうなということであります。そして以前の調査では、やはり精神疾患でお休みになる先生方の半分が、先生になられて1年以内の方に見られるというようなことで、初任者研修がどういうふうにやられているのかということも含めて課題があるのかなという思いであります。
 学校の現場の健康を守るということが学校医の1つの役割でありますので。子供たちの健康は学校医の仕事でしっかり守っておりますが、当然のことながら、学校の先生方の健康管理という面では、通常の企業であれば産業医という立場の先生方がやるわけでありますが、そういうことが十分にやられていないのかなということで、やはりいろいろな相談、健康の相談ができるような体制づくりが必要かなと思いました。
 今後の働き方改革、やはり非常に重要ですね。子供を教育していくというのが我が国の将来のため非常に重要であるわけでありますので、その教育に携わる先生方の健康ということ、働き方をしっかり変えていかなきゃいけないと。
 そのためには、1つは、やはり、きょうもお話がありましたが、社会で支える学校、社会に開かれた学校というものを、もっと地域ぐるみで作っていく必要がないかなという思いであります。
 先ほど御説明がありました地域学校協働活動ということがございましたが、実は私どもの分野では、介護の世界が初め、家庭で介護するのは当たり前だということでありました。それが20年近く前から議論をされて、社会で支える介護というふうに考えを社会全体が変えていったんですね。それで現在、家庭の介護から社会の介護ということ、介護保険というものが作られていったこととつながってまいりましたので、そういう意味でも今回の働き方改革の中で、社会に開かれた学校、社会で支える学校という考えを入れられたらいかがかなという思いでありました。
 以上です。
【小川分科会長】 ありがとうございました。それでは米田委員、お願いします。
【米田委員】 ただいまの資料等の説明、大変私自身、よく理解できる、そしてよくイメージできるし、また思い当たる部分もたくさんありました。私も20年以上学校におりましたので、いろいろな状況をぱっと想像できました。それと、教員の働き方がこのように大きな問題として今取り上げられているということは非常に私にとってもありがたいことであるし、これを機に思い切った改革をまずやっていく必要があると思っております。
 今度新しく学校における働き方改革特別部会を設けて、年内に取りまとめて緊急対策を講ずるということですが、それと併せて、この6月に「経済財政諮問会議がまとめた経済財政運営と改革の基本方針2017」の中でも、教育の質の向上等の中で、教員の厳しい勤務実態を踏まえて、いろいろ対策を講じていかなければいけないということが述べられております。これも年末までに緊急対策を取りまとめるとなっております。
 また教育再生実行会議の第10次の提言の中におきましても、学校の教育力の向上のための教師の働き方改革についてということが述べられておりまして、並行して、いろいろ対策を検討していくのだろうと思いますが、最終的に、どういうふうに収れんしていくのか、まとめて、どういうプロセスを経て、年末あるいは年度末に対策を取りまとめるのか。もし、その辺り、具体的なイメージをお持ちであれば教えていただければありがたいということが1つです。
 それから財政運営と改革の基本方針の中で、学校の指導、事務体制の効果的な強化・充実や、その後に「勤務状況を踏まえた処遇の見直しの検討を通じ」という部分がありまして、「勤務状況を踏まえた処遇の見直しの検討」というのが、具体的にどういうことを意味するのか。もし今、何か具体的なイメージをお持ちであれば、そこも教えていただければありがたいということ。
 以上でございます。
【小川分科会長】 では、ここまで、幾つか御質問とか御要望がございましたので、先ほどの勤務実態調査の速報値に加えて、それ以降の更なる分析等々について御要望がありました点と、今、米田委員からお話のあった経済財政諮問会議や再生実行会議等々でも働き方改革等々についての緊急提言が出るなど、動きもあるので、その辺、政府全体として、どういうように今後進められていくのかということ、また、処遇改善等々についての御質問というか、御要望などもあったのですけれども、今の時点でお答えできる範囲で、事務局から何か御説明があれば、よろしくお願いいたします。
【伊藤財務課長】 では、まず勤務実態状況調査に関しまして御説明をさせていただきます。
 冒頭申し上げましたとおり、今回の調査は28年度、29年度の2か年年で実施するという、2か年の、まだ実は全体としての調査研究は途上の段階でございますけれども、取り急ぎ教員の個人の勤務実態の状況調査だけ速報でまとめたところでございますが、現在それらを含めつつ、また学校調査票という形で、個々の学校についての調査と、まさに今御指摘いただきましたようなクロス分析等もしながら、どういう取組をしたところ、どういう効果が出ているか、若しくはどういうことをやっていないと長時間勤務になっているのか等々、詳細な分析を早急に進めたいと考えてございます。
 最終的には、この2か年の調査研究で委託をしてございますので、結果としては29年度末までにはなるのですが、この中教審の特別部会でこれから御審議を頂く上で参考になるデータについては、随時取りまとめて特別部会の方で数字を御公表、御報告をさせていただきながら審議を深めていただけるよう、私ども準備を進めてまいりたいと思ってございます。
 なお2点だけ、先ほど御質問いただいた中で、ちょっと時間の関係で端折(はしょ)ってしまったわけでございますが、お手元の資料1-2の17ページで、男女別については示させていただいているところでございまして。男女別、お手元の17ページですと、年齢別も含めていますので、ちょっと分かりにくいところ等ございますが、女性よりも男性の方が長いというような傾向は出てございますが、逆に女性は持ち帰って、家庭の中で持ち帰り仕事を少ししている、そちらは長いというようなところも出てございます。
 また同じく、この資料1-2の21ページを御覧いただきますと、いわゆる都市や地方という分け方ではございませんが、学校の先生、小学校で担任の児童生徒数、中学校のもございますが、何人ぐらい持っている先生が、より忙しいのかというような形でも分析をさせていただいてございます。予想どおりではあるわけでございますが、やはり1つのクラスの人数が多いほど、特に平日は勤務時間が長時間化しているということ。逆に土日については余りそこの差はないというようなことも分かっているところでございまして、さらに様々なデータをクロス分析し、御審議に役立つような情報、資料の提供をさせていただきたいと思ってございます。
【清原委員】 ありがとうございます。よろしくお願いします。
【矢野初等中等教育企画課長】 先ほど米田委員からの御質問に対しまして、お答え申し上げたいと思います。
 経済財政運営と改革の基本方針2017、いわゆる骨太の方針の中で、先ほど御指摘いただきましたとおり、教員の厳しい勤務実態を踏まえ、適正な勤務時間管理の実施や業務の効率化、精選を進めるとともに、学校の指導、事務体制の効果的な強化・充実や勤務状況を踏まえた処遇の見直しの検討を通じ、長時間勤務の状況を早急に是正することとし、年末までに緊急対策を取りまとめると、こういう記述がなされておりますが、当然この文章の作成過程では我々もコミットいたしておりまして、他省庁と一緒に作り上げてきたものでございますので、この中教審の考え方と軌を一にするものでございます。
 それで、大体先ほど御説明しました特別部会を二月で3回ぐらいのペースで、年末までにずっと開催いたしまして、年内には頂いた意見を整理して、その時点までの議論を取りまとめ、予算も含めて結論の出たものから緊急対策として取りまとめる。それで終わりというわけではもちろんなくて、先ほど貞廣先生から時間が掛かるものもあるというような御指摘があったとおり、来年以降も議論を尽くさないといけないという重要な事項もかなり残るものと考えているところです。
 以上でございます。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 では、この後の発言の順番ですけれども、鶴羽委員、若江委員、八並委員、堀田委員、善本委員と吉田委員、その後、帯野委員、天笠委員の、この順番でやらせていただきたいと思います。それでは鶴羽委員から、どうぞ。
【鶴羽委員】 教員の多忙化というのを、はっきりとデータで見せていただいて、本当に深刻だということが実感できました。実際、資料を3-2の12ページを見て、私は保護者の立場で驚いたのですけれども。登下校の時間の指導・見守りは当たり前だと思っていたのですけれども、諸外国と比較して日本だけだったのだということ。ただ、ここがないだけでも時間がとれるのではないかなということで、やはり先生方の、どこまでやるのが仕事なのかというところ、はっきりと明確に打ち出すことが大事なのだなということの確認、感じました。
 また教育委員としての立場で学校訪問をする中で、やはり現場の意見を聞きますと、今、北海道の場合は、教頭のなり手がいないという深刻な問題を抱えています。多忙感という負担感、ここが一番大きな問題ですが、現場で幾ら伝えても、やはり業務を減らさなければ、ここは改善できないということは分かっていますので、是非お願いしたいなと思います。
 また、道の教育委員が、いろいろな国から下りてきた事業を市町村に下ろしたときに大変評判が悪いというのもあります。それは200%、書類が多いということです。ここを何とかしてほしいと。これがなければできるのにという声を何度聞いたか分かりません。せっかくいい事業があっても、いいきっかけになったというプラスの評価もある一方で、大変だった、さらに大変なだけではなくて、3年たったら事業が終わり、はしごを外された気分だというような意見も聞きますので、ここの負担減、簡素化というところは至急やるべきではないかなと感じました。
 また小学校の場合、資料3-2の6ページにありますけれども、学校現場が抱える課題がここまで深刻な中で、1人の教員に掛かる負担の大きさも深刻だということが、はっきりと分かっています。私の子供が小学校低学年のときに、熱心な先生は、クラスがなじむようにと、20分の休みも外に出て一緒に遊んでいました。一体いつ休むのだろうということを感じたことがあります。
 PTA活動の中でも感じたのですけれども、例えば大変なスキーの授業でPTAが今ボランティアで入ったり、水泳の授業で水中の見守りをしたりといったボランティアに入るだけでも助かったという意見が聞こえてきます。そういうボランティアに参加したPTAや地域の方々がおっしゃるのは、こんな先生が大変だと思わなかった、何とか役に立ちたいと、そういうふうにいい結果が出ていますので、外部の活用ということも求められているのではないかなと思います。
 一方、中学校の先生の多忙感は、やはり部活だと思うのですが、これは保護者がよく言うのは、部活に入らなければ大会に出られないと。地域にいろいろなクラブ活動というか、クラブはあるのですけれども、そこに入ったら大会に出られない。そんな決まりがあるので部活にしているという声と、本当はいろいろなことをやりたいけれども、部活に入らないと内申点が上がらないと。それで部活に入っているという声もたくさん保護者からは聞かれますので、中学校の部活の在り方ですとか、そういう整備の部分も、時代に合ったものを取り組んでいくこともあるのかなと感じます。
 以上です。
【小川分科会長】 ありがとうございました。発言の方が大分いらっしゃいますので、少し発言のお時間は御配慮いただきながら、お願いいたします。
 それでは若江委員。
【若江委員】 ありがとうございます。では、御提示いただいた内容についての感想は割愛をさせていただいて、感じたことを述べたいと思います。
 働き方改革で、実はこれ、産業界も非常に喫緊の問題として取り上げられておりまして、学校の状況というのは多分、産業界の大企業ではなくて中小零細の業態とよく似ているのではないかなと感じました。
 つまり、経営の要素であるヒト、モノ、カネ、情報、時間をいかに効率的にマネジメントするかということが重要で、それがうまく、大企業であれば、それなりにいろいろなことがすぐ対応できるのですけれども、なかなか中小零細って、それができない。
 でも、今日、いろいろな説明をお聞きしていると、この学校教育に関わる問題という、課題解決の道筋は、意外と出ているなと感じました。例えばヒトで言うならば、校長の裁量権の問題であるとか、チーム学校のことですね。それが初中局のことだとか、社会教育のことだとか、いろいろな連携で、既にいろいろな手は、昨年度の審議会なんかでいろいろ打たれ、また、今日御発表いただいた協働活動なんかのところも出ていますし、モノについても、ICTというツールのものであったりだとか、スクールマネジメントシステムというソフトの問題ですとか、そういうことも既に議論されていて、こんなことを使えばいいのだということも挙がっていますし、お金も予算を付けていこうだとか。これも公的な資金だけではなくて、いろいろな産業界だとか代案なんかの予算も付いてきていますし。情報はというと、まさにどうすればいいかということで、日本の国がやっていたことがちょっと異常だった。異常というか、ほかの国と比べてこうだったというデータもいろいろと出ていますし、今回のアンケートの結果も出ています。そして最後の時間ですけれども、やはり大事なことは、いつまでにという、そのデッドラインを切るという、そこがなかなかなくて、やれるために最低の努力をしましょうだけというでは結論は出しにくいと思いますので。その情報の中には、先ほどからお話がありましたように、やはり権限を持っている人がきちっと、指導だけではなくて、こうやっていこうというような明確な意思表示をするだとかということが大事で。
 つまり、既にいろいろなことが出ているので、方針、手法は提示されているので、まさに思考、判断、表現で、決めて、トライ・アンド・エラーをやっていくべきだなと感じました。
 以上です。
【小川分科会長】 ありがとうございました。では隣の八並委員。
【八並委員】 私の方からも一点、生徒指導の観点からお願いしたいと思います。資料3-2の6ページと7ページです。6ページでは,不登校児童生徒の割合や暴力行為の発生件数の増加と書かれています。これ以外に、文部科学省でいじめ調査も行っています。いじめについては、平成25年にいじめ防止対策推進法ができて、漸減すると思いきや、現状は22万件を超えて過去最高です。
 私はアメリカにいましたが、アメリカの教員と違って日本は分業が進んでいません。つまり、生徒指導関係に関しては、スクールカウンセラーが担い、インストラクションに関しては教員という分業化がなされていません。
 7ページのチーム学校も、図の下の方で教員をバックアップする多様なスタッフとして、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの絵が描かれています。しかし、こうした非常勤の専門家を増やすことで、問題解決がなされるのかということです。その点で今後、生徒指導関係を担うスタッフ、具体的にはスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの常勤化ということを議論しないと解決しないのではないか、と個人的には思っています。
 他方で、文部科学省から教育相談体制の報告書が出て、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの業務内容は明確になっています。しかし,あくまでも非常勤スタッフなので、なかなか解決できないと思います。いじめ防止対策推進法以前もありましたが、校長が民事訴訟の対応をしながら、学校運営を行うという苦しい状況もあります。今後、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの常勤化による分業を少し検討に入れていただけるといいのではないかと思います。さらに、国家資格で公認心理師ができました。それも含めて、教員と専門家の分業化を検討の視野に入れてはどうか、というのが意見です。
 以上です。
【小川分科会長】 ありがとうございました。堀田委員、どうぞ。
【堀田委員】 東北大学の堀田でございます。私、教育の情報化の立場から1点だけ申し上げたいと思います。
 欧米の学校等を参観に行きますと、私どもを受け入れてくれたりするのも含めて、全て事務方の方がやられます。先生たちは教えるということに専念できるような体制になっていて、事務的な部分はほぼ、事務のスペシャリストやパートの方など、たくさんの事務員で、そこを賄っていて、先生たちが専門的なノウハウを使って教えたり生徒指導をしたりするというところに特化できるように分業化が進んでいると思います。
 そういう状況を見ると、日本の教員は、やはり何でもやってしまう、そういう親性もあるわけですけれども、何でもやる羽目になってしまっているということがありますので、第一義的には、やはり教員の職務の範囲を、ある程度国がしっかりと見せるのが大事なのかなと思います。
 情報化の観点から言えば、例えばICTを導入するというのも、先生方、余りの忙しさで、とにかく何か新しいことをやる余裕がなくて先送りになっているところもあります。教育委員会も、お金がないという理由で、先生たちもそんな欲しがっていないしみたいな感じになって、どんどん先送りになっています。そのために、例えば海外でいえばデジタル教材を見せて興味関心を引くような、そういうことも、先生方は一つ一つ教材を紙で自作したりしながら一生懸命苦労して、日本ではやっていると。教材の共有化もデジタルなら簡単にできることを、それもできないような、そういう状況になっていまして。
 つまり、これはICT環境の整備が、先生方に授業負担を強いているということを、教育委員会が暗黙に認めてしまっているという状況かなと思います。これについては、かなりトップダウンで、やはりICT環境の整備を進めていくべきではないかと私は思います。
 事務仕事においては、校務支援システムの導入が進んでいますけれども、先ほども言った欧米では、職制の違う方々が学校には勤めているので、いろいろな人たちが情報共有するためのマルチユーザーデータベースとしての校務支援システムが活用されています。もちろん権限によって見られるデータの範囲とか書き換えられる範囲は当然守られていますけれども。
 そういうものを日本で導入しようとしている例はたくさんありますが、どこも学校ごとに帳票の形が様々で、それに合わせるためのカスタマイズにコストが掛かって、結果的に導入できない、あるいは中途半端な導入になって使いにくいみたいなことになっています。これはシステムの問題ではなくて、むしろ帳票の形式等の標準化やデジタル化が後れていることによるローカライズが進み過ぎてしまったと、そういう部分があるかと思います。
 これについては、ICTの導入を強く推奨すると同時に、国がどこまでできるかは難しいのですけれども、教員の業務の標準化と帳票の標準化みたいなことを強く推進していただいて、それに合わせたシステムの導入を推進するような形で学校の先生たちを支援できる部分があるかなと思っております。
 以上でございます。
【小川分科会長】 ありがとうございました。では続けて吉田委員、お願いします。
【吉田委員】 ありがとうございます。今回の諮問資料3-1で言いますと、3ページの真ん中辺に、以上のような観点から、国公私立学校を通じということになっていますが。これ、私立学校の立場というのは全く違うものですが、それを言い出しますと切りがありませんので、そのことは考えずに、きょう今諮問というか、発表のあった公立のことについてで意見を言わせていただきますけれども。
 基本的に、この分科会作って協議するにしても、やはり根本にあるものは、この10年間で何が変わって、何でこれだけ勤務時間が増えたのかという原点があると思います。それにつきましては、先ほどの資料2のヒアリングの中に、2ページに長時間勤務や多忙感の要因の中に、学校の担うべき業務の範囲や優先順位が明確でなく、「児童生徒のため」という言葉の下で際限なく業務が増えているとか、そういういろいろなヒアリングの意見が出ていますけれども、実際に、やはり、この10年間で教員に負担が来たことは事実なんだと思います。
 ただ、それに対して今回こうやって部会作ってお話しするのはいいのですが、今の堀田先生のICT環境のこともそうなのですけれども、国の方で教育再生実行会議等でいろいろ出してきた意見、そしてそれに基づいて、こういった部会とか中教審とかで話されている中で、せっかく話がまとまっても予算が付かなかったら何にもなりません。現実に今付いていないものというのは、すごくたくさんあると思うのです。
 今回も、これ勤務形態云々と言うのであれば、一番簡単なのは、やはり教員の人件費を、もっとちゃんと付けてあげるということなのだと思いますけれども、それを本当にしてくれるのかどうか。
 それと、私心配していますのは、きょうの3-2の資料の、これは13ページですか、を見ていただければ一番あらわだと思うのですけれども。例えばスクールカウンセラーとかスクールソーシャルワーカーみたいなものにしても、国の方で出すのは、あくまでも3分の1なのです。各都道府県、市区町村の負担が、ただ増えていくだけなのですね。それでいながら、例えば、この下の外国語指導助手、JETプログラムなんかは、国の方策として今回、外務省、総務省と絡んでやろうとしたときには、地方交付税で全額措置するというようなことがあるわけであって、やはり国の方針として教員の働き方を変えていこうというためには、前提として、諮問するのはいいですけれども、諮問で出てきたことにはお金を付けてくれますと言ってくれないと、矢野課長がさっきおっしゃっていたような闘いに向けてという話になっていくのかなと。ですから、そういう意味で、しっかりと予算付けをしていただけるようにお願いしたいと思います。
【小川分科会長】 ありがとうございます。では、ちょっと急ぎます。善本委員、どうぞ。
【善本委員】 現場の声をということもあろうかと思いますので、中高一貫教育校の校長として発言をさせていただきます。
 私ども学校現場では、やはり働き方改革、業務縮減が教育サービスの質の低下ととられないようにということを非常に思います。それが質の低下とならずに、なおかつ仕事を減らすということは大変難しい連立方程式だと思います。
 そういった意味では、よりよき教育をしようとすればするほど時間が掛かるということがあるので、その中で、やはり質の低下にならずに、どうやってやるかということだと、私たちとしては、それを思っています。
 それから、時間的なことももちろんそうなのですけれども、何により負担を感じているかという、負担感のこともある。あるいは負担感というのは、イコールを言えば、現場サイドの立場では、それは無駄ではないか、あるいは効果が低いのではないかと思うけれどもやっていることは何なのか。その中には様々な背景があって、そういうことが行われていますけれども、そういった部分を明らかにしていくことが非常に大事かなと思います。
 それから、様々な教育課題に応じて新規の事業や施策が打たれます。そのときに掛かる時間のコストを明確にしていくということが重要ではないかと思います。
 一例を挙げさせていただきますと、私ども東京都でも十数年前に人事考課制度を始めて、これは制度自体は大変すばらしいもので、非常によくできているのですが、ちょうど十数年前、私は副校長でいましたので、副校長として人事考課制度が導入されたときに、自分の業務がどのぐらい増えたかということを積み上げで試算をいたしました。そうしたところ、400時間増加していました。すごい数字です。10週間分です。それだけの、もちろん意味があるから、それをやること自体はいいわけですが、そうすると、要するに400時間分、今までやってきた仕事をカットしなければいけない。そういう発想でやっていかないと、どんどん、どんどん仕事が積み上がっていくと思います。
 ですから、新たなことを始めるときに、それが時限期間がどれだけであるかとか、これに掛かる時間のコストはどのぐらいであるかということを、設置者なり施策打ってくださる側が明確にしていく。そして、ここの部分を減らして、これをやりなさいという御指示ができるようなマネジメントサイクルが明確になっていただくことが非常にありがたいし、大きいかなと思います。
 あと部活動について言えば、私はずっと高等学校畑でしたので、中高一貫校の教員になって、やはり気付いたことは、部活動に関しても、中学と高校では全く文化の背景が違う。
 例えば中学校の場合は、練習も含めて付きっ切りになるというのが中学の部活動文化です。これが高等学校であれば、もちろん大会等には引率は当然いたしますけれども、練習等については、ある程度生徒の自主性を尊重してできるような部分もありますが。子供の発達段階が違うので、中学については、とにかく練習のときにはずっと付いていなければいけないというようなものが部活動文化の中に非常に根強くあります。
 そういった意味で、私どもの学校でも中高に両方に部活動があるのですが、中学の部活動の方が、より教員としては負担感が大きく、中学校の部活動の顧問には、なかなかなり手がないという状況もございます。
 そういった個別具体的な事例を細かく見ていただきながら、様々対応を考えていただけると大変ありがたいと思います。
 一方で、学校の努力でまだまだできることも私はあると思っておりますので、そういった中で、よりよき優れた事例をたくさん紹介していただくことで、それをどんどん取り入れていくような体制にしていきたいなと思っております。
 以上です。
【小川分科会長】 では帯野委員。
【帯野委員】 先日の総会のときに、教員の業務の効率化を外部のコンサルを入れて図ってはどうか、そして小さな時間を積み重ねていけばどうかということを申し上げたのですが、第三者の目を入れるときに、もう一つ明らかにしたいのは、教員が担わなくてもよい業務です。教員が担わなくてもよい業務というよりは、アドミニストレーションの担当者が担うべき業務、これを明確にする必要があるのではないかと思います。
 有識者ヒアリングの方でも事務職の明確化であるとか、事務の改善、効率化、資質向上がうたわれております。ただ、これは平成19年の答申のときにも、取り上げられた問題で、あのときは、たしか学校マネジメントとしてどういう業務があるのかを洗い出して、その結果、事務長という職を設けたはずです。
 今回また同じような意見が出るのであれば、この10年間で学校の事務がどれぐらい効率化できたのか。その検証も是非していただきたいと思います。
 今回の勤務実態調査で、教員の勤務時間は測られていますけれども、事務職の勤務実態は数字としては表れていません。教員の超過勤務がこれだけ増えているのであれば、事務職も増えているのか、あるいは事務職の方は余り変わっていないのか。勤務時間だけで、その勤務内容、業務内容というのは測れないところもあると思うのですが、もし、教員が多忙になっていても、事務の方は新しい業務も増え改善されていないということであれば、これは学校の中でうまくパートナーシップが組めていないということでもあるかもしれないので、事務職の方も、この10年間でどれぐらい改善したのか、それを測っていただいて、うまく機能していないのであれば、なぜ機能しなかったのかということも考えていく必要があると思います。そのあたりのエビデンスも少し頂ければと思います。
【小川分科会長】 ありがとうございました。では天笠委員。
【天笠委員】 どうも失礼いたします。この問題を今後検討していくに当たって、1つは私は学校がこの問題に対して主体的であるという、その視点が、やはり大切なのかなと思っております。その主体的であるという中身は、基本的には先生方が授業に多く専念できるような、そういう学校の環境、在り方ということの実現、あるいはそれに向けての現状の改善というのを、学校がそれぞれ主体的に対応し、自らが自らの姿を改善していくのだと、そういうことが基本的に押さえられることが、この問題の1つ大切な点かなと思います。1点目がそれです。
 それから2つ目は、学校と教育委員会の関係を一体的に捉えていくということの、その視点が、やはり大切なのかなと私は思っております。そういう点では、学校をサポートする機関としての教育委員会が、一体学校との関係の中で、この問題について、どういうありようなのかどうなのか。そのことを常に押さえていく必要があるのではないかと思っております。それが2つ目です。
 最後、3つ目でありますけれども、そういう中で、学校を支援する、業務を支援する、いろいろなチーム学校ですとか、先ほど来いろいろ話が出ているような専門スタッフ、その充実というのは基本的にすごく大切なのではないかと思っております。
 有識者のヒアリングの中にはカリキュラム・マネジメントのためのアドバイザーの云々と、そういうことも出ているのですけれども。喫緊の課題になりつつある、そのカリキュラム・マネジメントのアドバイザーというのもということなのですけれども。そういう文脈から見たときに、改めて学校をサポートするもろもろの立場の中には、指導主事というお立場の方も、その中にいらっしゃるのではないかと思うのですけれども、各種のいろいろなデータですとか分析等々で、そのお立場の方が、十分このあたりのところに一角を占めていないというのか、あるいはこういう先生方の勤務の関係の中で、どういう絡みがあるのか、どういう存在としてあることが先生方の、この問題の業務の改善につながっていくのかどうなのか。そういう視点で捉えていくということの必要性もあるのではないかと思いますので、今後いろいろなデータを出していただけるならば、申し上げたような点についても、またお願いできればと思います。
 以上です。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 この後の発言の順番ですけれども、伊藤委員、渡邉委員、寺本委員、時久委員、篠原委員、そして田中委員、最後、柏谷委員という順番でお願いいたします。それで、恐縮ですけれども、時間もかなり迫っていますので、御発言の時間については御配慮いただければと思います。
 それでは伊藤委員、どうぞ。
【伊藤委員】 失礼いたします。先ほど善本委員さんから部活動のお話がありましたけれども、そもそも部活動が実質勤務時間外での業務を前提としたものになっていると。ここに問題があるということです。
 例えば平日の話で言いますと、6時間授業の場合、授業が全て終わり、終学活が終わるのが多くの学校で4時過ぎぐらいになるだろう。教員の勤務時間の終了が大体5時前後としまして、今の時期だと6時半ぐらいまで部活動を、どこも練習しているだろうと思いますから、1時間半ぐらいは、勤務時間が終わって、部活動の指導を行っているということになるわけです。
 ですから、働き方改革ということであるならば、まず、こうした業務内容と、それから勤務時間のミスマッチを解消していくこと、これがとても重要になってくるだろうと思っています。そういう意味で、法律改正によって部活動指導員に関する規定が設けられました。これは大きな前進であるだろうと思っています。ただ、身分とか任用、勤務形態、報酬等については、学校の設置者が定めるということになっています。部活動指導員に対する研修も設置者あるいは学校が行うということになっています。これでは地域差も出てくるだろうと思いますし、各自治体の推進体制によるところが大きく、制度としては少し弱いのではないかという気がいたします。
 この制度が確実に広がって、実体を伴ったものになるためには、財政措置を含めた国の支援のようなものが、やはり必要になってくるだろうと思うのですけれども、もしこの件に関しまして、お答えをしていただけることができましたら、お願いできたらと思います。
 以上です。
【小川分科会長】 事務局への御質問については最後の方で、お答えできる範囲でお願いしたいと思います。
 それでは先を急ぎたいと思います。渡邉委員、どうぞ。
【渡邉委員】 私の方からも、やはり部活動の外部指導員のことなのですけれども。ちょっと前のニュースで、これ高校の例ですけれども、外部指導員が体罰を働いたということが取り上げられたことがありました。外部指導員には技術指導を求められているわけですけれども、やはり部活動、教育の一環ということもありますから。
 体罰はもちろん不適切だというのは当然のことなのですけれども、これから少し気になってくるのが、運動部での事故の発生なのですね。今でも学校管理下のけがというのは、中学校の場合は半分以上が部活動でなっています。ほとんど運動部なわけですけれども。こういったことがありますと、やはり指導員自体が、そういう事故防止であるとか、事故発生時の対応がきちっとできるのかどうかというようなことが危惧されまして。要するに、そういう外部指導員が、技術指導の方は優れているのかもしれないけれども、事故防止のことが果たしてちゃんと理解できているか、又はできるのかというような資質の問題ですね。
 それで、私も研修のことになるのですけれども、やはりそういう方が担当していただくためには、そういう子供の安全のこととか、そういったことをちゃんと理解できるような研修は必ず、例えば受けてもらうとかいうことを踏まえてやっていただかないといけないのだ。ただ勝てばいいということではなくて、やはり教育の中の一環だということをしていただければということです。
 以上です。
【小川分科会長】 では寺本委員、どうぞ。
【寺本委員】 総会の場だとか、またヒアリングの場で、PTAとしての立場でもお話をさせていただきましたが、そこで、まだ申し上げたいところを少しお話しさせていただきます。
 きょうも資料3-2の10ページ、11ページや、資料3-5でも出していただきましたが、教育委員会だとか、また具体的には県だとか政令市、市区町村の話で、業務改善の取組状況調査の方の数字を頂きました。これ、あくまで速報値ということで、今後数字は変わっていくのであろうと思いますし、いろいろと手を着けていこうと思っていらっしゃるところもあるかもしれませんが、随分と県と市町村の乖離があるということになると、幾ら一生懸命、学校の校長先生を始め現場が一生懸命取組をされていても、教育委員会の方がサポートできる体制がないと、これが進んでいかないのではないかということを思っています。
 ですから、ここをきちっと各市区町村に至るまで、この体制が整備されていくようなところも、具体的にどうしたらいいかというところを議論を頂けるとありがたいと思っています。
 それから勤務時間の関係で言うと、若い方が非常に長い時間をという先ほどの資料にもありました。では具体的に、どれぐらいの時間を使っているのかという、これから分析をされるのだと思いますが、どの部分を改善したら時間が減ると教員自身が思っているのかというところの視点も入れて、この部分を減らしてくれれば、もう少し時間は短縮できますよという、まずは現場目線の部分も取り入れて議論をしていただくとよろしいのではないかなと思っています。
 あとは、全体に教育というと、全ての教育は教員がやらなければならないと、真面目な先生方ですから、教員の方々、思われるのですが、一方では、社会と一体となったという点でいけば、社会教育だとか、地域だとかという観点も持っていないと、なかなか学校現場は、これから前に進まないということがあります。
 となると、今は学校の方を先生として、教員として採用する以前に、教員養成大学の中で学校教育以外、教科専門以外の社会教育や生涯学習の部分について、きちっとした指導、また教育をしていないと、そういった場面がないと、周りの方々をどのようにお願いしていいのか、社会教育的視点をどのように活用していいのかというところが欠けてしまう可能性が高いと思っています。これは研修の中でもやられるとは思うのですが、やはり教員になる前から、しっかりとその部分もやらなければいけないという点では、高等教育にも関係してくるのではないかと思います。
 以上です。
【小川分科会長】 では時久委員、よろしくお願いします。
【時久委員】 私の方は、きょうも御説明を頂きました国のいろいろな施策ですけれども、これは非常に大事な施策で、取り組んでいけば、業務改善にも随分反映をしてくるものだと、いつも思っているところです。
 例えばコミュニティ・スクールの設置であったりとか、それから地域学校協働本部の設置であったりとか、そういうところがあると、学校の方が随分支えられてということがあるような施策が、次から次から法の改正でもって行われていますので、ここをどんどん取り組んでいっていれば、かなりの部分が反映できているのでないかと思うのが1つあります。
 ところが、一番言いたいのは、現在、多くのこの課題に取り組むのに、国の施策もそういうふうに出してくださってはいるのですけれども、市教委も学校の方も、その対応というか、それを反映させて取り組むのに間に合っていないのではないかということを一番思います。
 それで1つデータの中で、小学校では授業、そして学年・学級経営の時間が多くなり、中学校では授業、授業準備、成績処理とかいうふうに、学級経営ということが出ていましたけれども、この資料の最初の4ページ、5ページぐらい見ていると、そういう授業とか授業に関することは増えているのですけれども、先生方の研修の時間というのは全く前と変わらない。10年前と同じということは、新しい課題がたくさんできて、どんどん先生方が研修していかないといけないのに、10年前のときと今とでは、本来だったら、もっと研修時間が要るのではないかなと思って、このデータを見せていただいていました。
 ということと併せて、先ほど言ったように、研修の時間が少ないということ、イコール今の課題に対応できる施策をいっぱい出してくださっているけれども、それを順次行っていくのに間に合っていないのではないかということを思うのです。
 学校の実態を見ていたら、苦労しているのは、発達障害の子供たちの状況に先生方の研修が間に合っていなくて、結局うまく対応ができないので、そのことで学級の経営がおかしくなったり、家庭訪問がたくさんになったり、専門家とのいろいろなやりとりが多くなったりということが、日々たくさん行われています。
 ここのあたりは、研修をしっかりすることで先生方の専門性が上がれば、そういうばたばたしたところは随分改善されると思うのですけれども、実際は、そういう研修が間に合っていないのではないかというようなことを思っているところです。それが主なものです。
【小川分科会長】 ありがとうございました。それでは次、篠原委員、田中委員、柏谷委員で終わらせていただきたいと思います。
 では篠原委員、どうぞ。
【篠原委員】 教職員の働き方改革というものを考えるに当たって、私、1つ大事な視点が抜けているというか、余り明確になっていないところがあると思うのです。それは子供たちや生徒にとってどうなのかということです。この点も常に考えておく必要あると思うのですね。
 例えば先ほど鶴羽委員から見守りの話が出ましたけれども、先生方がそういうものはやらないということになれば、では地域ではボランティアでどういう方々がやってくれるのかという、代案がどうしても要ると思うし。
 一方で、先ほど来部活の話が随分出ていましたけれども、例えば家に帰ってくるのが、部活をやって、夜9時、10時になったりする例もあるようです。しかも翌日、朝練がある。土日も目いっぱい部活。こういうようなことをやっている実例って結構多いのではないでしょうか。子供たちは物すごく疲れちゃっている。何か学校や先生たちの方が義務感みたいなものでやっているのではないかなという感じが私はしますので、そういう点からも、子供たちにとってどうなのかという視点を常に一方で考えながら、この論議を進めていただきたいなというのが1点。
 あと1点は、先ほど吉田さんがおっしゃっていたけれども、そもそも私立を入れているのですか、この働き方改革というのは。公立だけを対象にしているのか。そこをはっきりさせていただきたい。私は公立だけでやるというのは、おかしいと思うのです。学習指導要領も全部、私立まで係るわけですから。先ほどの速報値の調査も、公立だけなのか、私立も入った学校から選んでいるのかも、よく分からない。それは、後で御説明をよろしくお願いします。
【小川分科会長】 はい、分かりました。田中委員。すみませんけれども、手短によろしくお願いします。
【田中委員】 私、幼稚園連合会ですので。そもそも私立の場合には労基が入りますので、何を今さらというのが実感です。この実態で私立を運営していたら、労基が黙っているはずないというのが実感ですね。
 まず私、幼稚園の立場ですので、全体の国の、例えばクラス定員であるとか、園スケールに対する教職員であるとか、そういう全体の基準自体が、もう時代後れなのだと思っています。
 私たち運営する立場から言いますと、国基準の教職員配置でやっていたら、保護者は選びません、もうその時点で。保護者に選ばれる幼稚園にもしなろうと思えば、国基準よりもかなりの人数を増やして、一人一人の子供がちゃんと見て、そのケアをちゃんとできる体制を園自体が持っているという姿を示さない限り、もうあり得ない時代なのですね。それを本気で議論するかどうかということも、私は非常に大事なことだと思います。
 幼児教育の立場で言いますと、アメリカの縦断研究で、クラススケールが小さくなった方が、やはり総合的な、長期的に見た学力が高くなる。こういう証明がある時代に、何をエビデンスにしながら、でも、どういう教育の体制を作るのかという。これはすぐにはできないとは思いますけれども、この根本議論がないと、小手先のことだけでは解決しない問題なのではないだろうかと思います。
【小川分科会長】 では最後、よろしくお願いします。
【柏谷委員】 実態調査が明らかなように、私は現場の勤務時間は長く多忙であると本当に思います。それで、曖昧な職務規定と労働基準法との正誤、これは何とかして正していかなければいけないだろう。
 それで、いろいろ今までやってきたわけですけれども、私たちはコミュニティ・スクールの必置化、これを必ずやってくれと。今は努力義務になっていますけれども、それをしっかり進めるということと、家庭教育の大切さ、エビデンスの明確化をしっかりと明文化して、家庭教育の大切さをしっかり、まず訴えていくという視点も、私は大事だと思っています。
 それから時間給を発生させること。それから罰則規定をどこまでやればいいのかというのはあると思いますが、働き過ぎたらこういうふうになりますよということも、基準をしっかりと設けるべきだと。これだけ私は働いている方々が大変危険信号を出しておられるのに手を打たないというのは大変なことに結び付くのではないかと思いますので、議論を尽くして、そういう視点も大事にしていくべきと述べさせていただきます。
 以上です。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 事務局の方に、御質問とか、御要望が幾つかあるのですけれども。基本的には予算の話が幾つかあったような気がしますけれども、その辺、今の段階でひっくるめて一言何かあれば。いかがでしょうか。
【伊藤財務課長】 予算に関しても様々な御意見を頂戴いたしました。特に部活の外部指導者の予算の状況というような御質問も頂戴いたしました。現状におきましては、部活の外部指導者については、それを直接の目的とするような国の支援はございませんが、学校に様々な外の力、多様な人材を活用するという事業は補助をしてございまして、この国の補助事業を上手に活用しながら取り組んでいる自治体が一部あることは事実でございますが、全体としては、実は支援は大変薄い部分でございますので、そうしたものの在り方についても、今回、中央教育審議会のこの特別部会等で御議論いただきながら、私ども必要な予算措置は今後しっかり取り組んでまいりたいと思ってございます。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 
【伊藤財務課長】 1点よろしいですか。私立学校の件。
【小川分科会長】 では矢野課長、お願いいたします。
【矢野初等中等教育企画課長】 諮問の中にも国公私立を通じてと明確に書かせていただきましたとおり、私立についても今回議論の対象にさせていただきたいと考えております。ただ、田中先生がおっしゃったとおり、労基法が適用されるのか、あるいは給特法の適用かという、結構決定的なところもございますので、おのずと全て同一線上にあるものとは考えておりませんが。とはいうものの、新しい学習指導要領については国公私立の別はないわけでございますので、特別部会においては国立学校、私立学校も検討対象に含めて、これらの学校にも参考となるような検討をしてまいりたいと、かように考えているところでございます。
 以上です。
【篠原委員】 調査の速報値は、これ全部公立なのですか。それ、全然分からないです。
【小川分科会長】 調査は、あれは公立……。
【伊藤財務課長】 申し訳ございません。公立だけでございます。
【篠原委員】 資料に、そういうふうに、ちゃんと書いておいてください。
【伊藤財務課長】 はい。
【小川分科会長】 よろしいでしょうか。それでは、時間も迫っていますので、この辺できょうの議論は終わらせていただきたいと思います。
 この辺で、先ほど議題3にもありましたように、学校における働き方改革特別部会の設置について、委員の皆様にお諮りしたいと思います。事務局からの説明にもありましたように、今回の諮問に関して調査審議を行うために、資料3-6のとおり、この初中分科会の下に学校における働き方改革特別部会を設けることとしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
                            (「異議なし」の声あり)
【小川分科会長】 はい。ありがとうございます。
 それでは、この働き方改革特別部会を設置し、以後、この特別部会を中心に調査審議を進めていきたいと思っております。
 また、この特別部会に属する委員については、規定により分科会長が指名することになっております。部会の委員の人選等々については、分科会長である私の方に御一任いただければと思います。よろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 最後の議題に移りたいと思います。議題4、高大接続改革の進捗状況について、これは濱口主任大学改革官より説明をお願いいたします。
【濱口主任大学改革官】 では失礼いたします。時間が押しておりますので、ごく簡単に申し上げます。資料は、お手元の4、カラー刷りのこの資料をごらんください。
 幾つかポイントがありますけれども、総論的には、この高大接続改革は三つの要素から成る学力をトータルバランスで育成、伸長していくということが一つです。その上で、個別の項目を見ていただければ分かりますとおり、中にはいろいろなものがございます。それぞれの進捗状況については、幾つかの幅がありますけれども、おおむね進めるべきものを今着実に進めている途上ということでございます。
 本日お話をしたい各論的項目というのは、この中の黄色の箱である1ポツ目の高等学校教育改革の中の、矢印で言うと3番目、多面的な評価の推進の中の最初のポツにもある「高等学校基礎学力テスト(仮称)」が一つです。それともう一つは、二つ目の大きな緑の箱である大学入試改革の状況ということでございます。
 これらにつきましては、いずれも6月末をめどとして、実施方針等と言っておりますけれども、これら検討しておるテスト等の骨格を具体的に決めるということを当面の目標にしてございます。もちろん細部につきましては、その後もいろいろ引き続くわけでございますけれども、当面のゴールとして、そこがあるという部分でございます。
 この資料の1枚目の裏面ですが、横長になっておるポンチ絵が出てまいりますが、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」についてというペーパーがございます。
 これを見ていただきますと、ここのポイントは、一番上の箱にもありますとおり、導入のねらいと目的というのがありまして、かいつまんで申し上げれば、テストという仮称で付けておりますけれども、点数がどうこうということを主眼にしているわけではありませんで、あくまでも、やってみた結果で、どこができる、できないということを振り返って、きちっと今後に生かしていただくことを一つの目的にしているというのが大目的でございます。
 具体的に見ていただきたいのは、この1ページ目の右の下の方の欄、実施の方向性(案)と書いてある部分でございます。ここに幾つか赤字がありますけれども、今申し上げたような目的に沿った適切な名称の在り方として、1つは、ダイヤマークの冒頭にもありますとおり、名前をまだ仮称のままでございますが、「高校生のための学びの基礎診断(仮称)」とするという部分がポイントの一つ目。
 それから二つ目のポイントは、その下のダイヤマークですけれども、実施主体として、これは国を直轄してやる形なのか、あるいはそうではないのかということを中心に議論をしてまいりました。結論的には、ここにもありますとおり、国が一定の要件を示して、民間の試験等を認定するスキームを創設するという形でございます。認定に際しては、一つに絞るということを考えているわけではありませんで、幾つかのものが複数入って来得るであろうと思ってございます。
 ですので、ここで言うところの、この基礎診断のイメージは、全国学力・学習状況調査のように一つの共通テストがあってそれを同一期日で全国一斉にやるというものではなくて、いろいろなものが入ってき得る中で、各学校の主体的な判断で、自分に合ったものを、その時々で選んでもらって、その時々でやっていただくと、こういう柔軟性のあるものをイメージしているものでございます。
 この制度の開始時期につきましては、今見ていただいている実施の方向性の一番下のところにポイントが少し小さくなっておりますが、平成30年度の認定制度の開始を目指すと。こういうスケジュール感で現在、詳細を詰めている部分でございます。当面のところは、先ほど申し上げましたとおり、6月末をめどに実施方針を固めるということが各論の1点目です。
 それからもう一つ大きな各論として、大学入試改革の部分がございます。こちらにつきましては、もうちょっとページ数が飛びまして、8ページ目をごらんください。これも横長の紙でございます。
 8ページ目も同じようなポンチ絵になっております。目的の部分は飛ばしますが、ここの中には大きく共通テストと言われる部分と、それから各大学の個別入試の部分がございます。
 真ん中辺のところに共通テストがあります。名称につきましては、これまで「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」と言っておりましたが、これもまだ仮称ですけれども、「大学入学共通テスト(仮称)」に変えるというのが、まず一つございます。
 そのうち、中身的には2つほど大きな論点がありまして、中ほどを見ていただければ分かりますとおり、一つは問題でございまして、現在のマークシート式も改善をいたしますけれども、それとともに、思考力、判断力、表現力等をきちっと育成していくという部分での重視の点として、一つは条件付きの記述式問題を入れていくと。
 問題例はウエブページで公開されていますので、別途そちらを見ていただければと思いますけれども、小論文のように何百文字の自由記述をさせるというものではなくて、情報を幾つか取り出して、それらを整理統合し、論理的に推論できる内容を問うというようなものを一つのイメージとして問題を作るということでございます。
 具体的な制度設計につきましては、この右欄にもありますとおり、平成32年度以降ということになっておりますけれども、作問と採点と出題、これはセンターが担い、採点には知見を有する民間事業者を使っていくことで、短期間の採点を実現するということを考えてございます。
 当面の対象教科につきましては、従前申し上げておりますとおり国語と数学ですので、ここに書かせていただいているような文字数等々でやるということを考えており、平成36年度以降は地歴・公民あるいは理科等の分野でもこういうものを導入することを検討するということが一つございます。
 それから共通テストの二つ目として、英語の4技能評価というのがございます。現行学習指導要領でも、これをきちっと進めるということになっておりますけれども、ここにつきましては、右欄を見ていただければ、点線で書いてありますとおり、A案とB案という形で、現在併記をした状態で対外的にお示しをしており、これも6月末の実施方針を確定させるときに一つの案に固めるということで考えております。
 A案とB案の違いは、大きく言えば、どちらも英語の4技能の評価をするときに、民間の、現在社会的に定着して評価がされている検定試験等々を活用することになっておりますが、A案につきましては32年度から、こちらの方に全面的に切り替えるという部分になっておりまして、B案については、急激な変化を避けるために当面、35年度までの間は、現在のセンター試験でやっている2技能の部分、読むという部分と聞くという部分ですが、これを併存させるという案で書いている。いずれにしても、A案でも、B案でも、高校3年生の4月から12月までの間の2回受検で一定期間区切るということで共通している、こういう案でございます。
 最後に個別入試の改革につきましては、特にこの現行の課題の部分を見ていただければ分かると思いますけれども、学力の3要素を適切に評価をする入試である必要性と、それから早期合格による高校生のための学習意欲の低下という問題に対して、詳しくは申し上げませんが、調査書の内容の改善、あるいは合格発表時期の検討というような改善で進めようとしております。
 以上でございます。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
【吉田委員】 1点だけ質問が。
【小川分科会長】 では1点だけ。手短にお願いします。
【吉田委員】 時間がないところすみません。今、6月末までに案をまとめるって、きょう27日なのです。案をまとめると言いますけれども、今の8ページの高大接続改革の共通テストの英語のところだけ、是非これは消していただきたいと思うので言いたいのですが。この高3時の2回までというところなのです。
 現実に12ページを見ていただきますと、ここに英語の4技能試験というのがありまして、今、国としてグローバル化そして、そういった流れの中で、国際通用性というものが非常に強くうたわれている。そして今、現実に、大学等の入試においても、100校前後が既に、このCEFRの基準を利用した4技能試験をやっているわけです。
 今、高校3年生の4月から12月の2回とおっしゃるのですけれども、例えば日本で言うところの英検、それからケンブリッジ英検というのは、これは永久資格です。文部科学省も御推奨なさって、海外の日本人学校等で、例えば中3で、うちの学校に日本人学校から来る子で、準1級取っている子とか、たくさんいます。その子たちは、準1級持っていても、資格として一生涯続くのに、高3のときにもう1回受けなければいけないということの理由が分かりません。
 ここに、その理由として、例えば具体的に以下の方法により実施するの○1に、受検者の認定試験受検料の負担軽減方策やとかありますし、○3のところに、受検者の負担、高等学校教育への影響等を考慮し4月~12月とありますけれども、高等学校教育の影響を考慮するのだとしたら、一度取った資格をなしにさせるということが、よっぽどひどいと思います。
 それから、御存じだと思いますけれども、TOEFL、IELTS、TEAPもそうですね。受検から2年間有効です。そうすると、その2年間、せっかく高校2年生で、例えばB2レベル取った子が、今度の新しい教育課程の目標のB2というレベルを取っているにもかかわらず、再度、高3でもう1回やる。それも、もしかして高いTOEFL等でやらないと、自分たちの将来のためにならないと思ってやるのだとしたら、もっと負担が増える。
 これを一方的に文科省サイドで6月末に決めるといって、この高校3年時の2回と決めたことが私は理解できませんので、それだけは強く申し入れさせていただきます。
【小川分科会長】 この時点で何か御説明ございますか。
【濱口主任大学改革官】 2つあります。1つは、実施確定時期は6月末めどと言っていますので、若干幅があるということが1つです。それから吉田委員から御指摘いただいている点、吉田委員の御意見も含めて、いろいろな団体から、この英語の4技能についてもいただいていますので、それを踏まえて、きちっと我々としては判断させていただきたいと思ってございます。
 以上です。
【小川分科会長】 この場で、もう意見交換する時間ありませんので、今の御意見については事務局の方で引き取っていただいて、更なる検討を進めていただきたいというふうにお願いいたします。
 すみません。時間が少しオーバーしてしまいましたけれども、この辺で終わりたいと思います。
 最後に次回以降の予定について、事務局から御説明お願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 次回の分科会の日程につきましては、また分科会長と御相談の上、追って御連絡させていただきます。
 また本日の資料につきましては、机上に置いておいていただければ郵送させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 それで、きょう予定した議事は全て終了しましたので、この辺で閉会といたします。ありがとうございました。

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初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成29年10月 --