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教員養成部会 教員養成のフラッグシップ大学検討ワーキンググループ(第4回) 議事録

1.日時

令和元年8月1日(木曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省東館3階3F1特別会議室

3.議題

  1. 教員養成フラッグシップ大学における大学教員の養成・採用・研修について
  2. 教員養成フラッグシップ大学におけるガバナンスとマネジメントについて
  3. その他

4.出席者

委員

加治佐哲也主査代理,安藤雅之,戸ヶ﨑勤,牧野光朗,松田恵示,水落芳明,三村由香里,両角亜希子,山口宏樹,若江眞紀の各委員

文部科学省

浅田総合教育政策局長,平野大臣官房審議官,柳澤教育人材政策課長,髙田教員養成企画室長,長谷教員免許企画室長 他

5.議事録

(1)人事異動に伴い,浅田総合教育政策局長から以下のとおり挨拶があった。
【加治佐主査代理】  それでは,定刻となりましたので,ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会教員養成のフラッグシップ大学検討ワーキンググループの第4回を開催させていただきます。本日は御多忙の中,御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日は三島主査が他の公務の御都合により御欠席のため,主査に代わりまして,私が進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
 初めに,文部科学省において人事異動がありましたので,事務局から紹介をお願いいたします。
【髙田教育人材政策課教員養成企画室長】  7月9日付けで前任の清水に代わりまして,総合教育政策局長に浅田が着任いたしましたので,御紹介いたします。
【浅田総合教育政策局長】  浅田でございます。今までいろいろお世話になっている方が多いので,挨拶するのも少し恥ずかしい感じがしますが,7月9日付けで総合教育政策局に参りました。教員の養成・採用・研修も総合教育政策局で担当するということになります。
 私自身,中学校で3年間校長をさせていただいた経験もあり,当たり前ですけれども,学校教育を担う教員の仕事の大切さも,大変さも,魅力も少しは分かっているつもりであります。もちろん思い入れのある分野でありますので,先生方のお力をお借りして,是非少しでもいい方向に施策を持っていければと思っています。御協力をどうぞよろしくお願いいたします。


(2)事務局から,教員養成フラッグシップ大学における大学教員の養成・採用・研修について,資料に基づいて説明があり,その後,意見交換が行われた。
【加治佐主査代理】  続きまして,本日の配付資料の確認をお願いいたします。
【髙田教育人材政策課教員養成企画室長】  資料の確認をさせていただきます。端末に本日のワーキンググループの会議資料を入れております。座席表,議事次第,また資料1から資料8と参考資料を入れておりますので,御確認いただければと思います。
 そのほかに机上配付資料として,前回までの会議資料と有識者会議報告書を机上に置かせていただいております。よろしくお願いいたします。
 御不明な点がございましたら,事務局までお申し付けください。
【加治佐主査代理】  それでは,議事に入ります。
 本日は,まず前回の議論を振り返りつつ,一つ目の議事の教員養成フラッグシップ大学における大学教員の養成・採用・研修について御議論いただきます。その際,併せてフラッグシップ大学の指定の範囲と規制緩和の考え方のたたき台についても御議論いただきたいと思います。
 その後,二つ目の議事の教員養成フラッグシップ大学におけるガバナンスとマネジメントについて議論を進めていきたいと考えております。
 それでは,教員養成フラッグシップ大学における大学教員の養成・採用・研修について,そしてフラッグシップ大学の指定の範囲と規制緩和の考え方に入ります。
 まず,事務局から関係資料について説明をお願いいたします。
【髙田教育人材政策課教員養成企画室長】  それでは,まず資料1を御覧ください。資料1は,前回の主な意見をまとめたものでございます。前回は,教員養成フラッグシップ大学の教育課程と教育研究について御議論いただきました。それについての御意見や,その後,後半で議論いたしました教員養成フラッグシップ大学の大学教員の養成・採用・研修についての議論をまとめているところでございます。
 その際に,そもそも教員養成フラッグシップ大学の指定の範囲,例えばそれが学部の一部のコースだけなのか,あるいは学部全体なのか,教職大学院なのか,大学全体なのかといった質問等がございましたので,それについて別紙でまとめた資料を今回準備しております。
 資料1の内容については,おおむね資料2に反映しておりますので,資料2について説明いたします。赤字になっているところが前回から変更した部分でございまして,2ページの4番,教員養成フラッグシップ大学における教育課程と教育研究の部分から説明いたします。
 前回の議論の中で,特に教育課程と教育研究については,研究開発と実装を一体的に行うということが大前提といったような御意見がございました。また,その際きちんとした事前の確認や評価も必要だということもございましたので,そのような記述を赤字で追記しております。
 そして,括弧2で科学的手法に基づく研究開発の推進としていた部分は,前回の議論で,学校現場での実践といったようなことが重要だという御意見を頂きましたので,「実践的な」という文言を入れるとともに,前回の資料で,例えばビッグデータの標準化でありますとか,管理運用といったようなことについての記述が十分でなかったということがありましたので,新たに追加した記述をここに入れております。そのほか,文章表現を一部変えたりして組み直した形で整理しております。
 そして三つ目,教員免許制度及び教職大学院制度等に関する研究開発という部分について,様々な御意見を頂きまして,特に先ほど申し上げました指定の範囲と規制の特例の考え方について御意見を頂きましたので,それを別紙で簡単にまとめたものが,この五つの内容でございます。
 まず一つ目が,先端技術を活用した新しい学修環境や教育方法で,既存のカリキュラムといったものを刷新するような研究を推進すると。既存の課程について,全て新しいやり方でやっていくようなことをやってはどうかという内容でございます。
 二つ目が,教員免許制度に関して,コアカリキュラムの開発や更新を先導するとともに,今後の履修すべき科目・事項などについての在り方を研究するという,いわゆる免許制度の研究開発。
 三つ目が,教職大学院制度の研究開発といった内容を記載しております。
 四つ目が,前回,制度を思い切って見直すようなことも考える必要があるのではないかという御意見がございました。一方で,教職大学院制度そのものや,教職修士という学位を出すことに対して余りにも変わり過ぎるのはどうかという懸念もありましたので,もしそういったことを思考するのであれば,学校教育や教職の高度化に貢献するような新たな修士課程の研究開発といったようなものをやっていただいたらどうかという内容を入れております。
 五つ目が,はEd.D.プログラムの開発でございますけれども,これについてはそのような先生方が十分に一つの大学にいるのかというような御意見もありましたので,大学間の連携・協働によってそのようなプログラムを開発していくというような内容を入れております。
 続いて,前回の後半で御議論いただいた,教員養成フラッグシップ大学における大学教員の養成・採用・研修について赤字でまとめた部分でございます。これについては大きく養成と採用・育成といった形に分けておりますが,まず,前回の議論で多く出た教育実践と学術研究を融合できるような教員を意識的に育成していく必要があるのではないかというようなことで,そのような育成がきちんとできるサイクルみたいなものを確立させていくことですとか,再掲ですけれども,Ed.D.プログラムを開発していくことですとか,また,博士等の学位を持っていない実務家教員,あるいは実践経験を有しない研究者教員に対して,そのような経験を積ませるためのキャリア形成を支援するような取組を推進していくといったようなことをここに記載しております。
 そして,多様性に富む教員の採用・育成ということで,教員以外の実務家教員,これは具体的に言うと学校現場出身の教員以外の実務家教員といったような方を積極的に採用していくことだとか,クロスアポイントメントを有効に活用するようなことについて,それを推進していくような体制が必要なのではないかということ。
 そして,優秀な若手教員ですとか,外部人材,またコーディネート力とか,チーム力とか,ネットワーク力を発揮できるような人を採用し,又は採用した中でそういった能力に長けた人を登用できるような具体的な人事制度とか計画,採用,研修,あるいは人事評価や給与制度といったようなことに対しても積極的に策定し,活用していくような大学である必要があるのではないかといった記述をしております。以上が資料2でございます。
 資料3でございますが,「フラッグシップ大学の指定の範囲と規制の特例の考え方」ということですけれども,前回の議論であったとおり,研究開発から実装まで一体となって行えることが必要ではないかという御意見がございましたので,教員養成を主たる目的とする学部,大学院,そして附属学校を有する機関を一体として指定していくということにしてはどうかとしております。
 ただ,特定のテーマや分野については,部分的な連携・統合も可として,複数の大学・学部が連携して申請するような形も認めてはどうか,その場合,責任体制や取りまとめ大学というのを明確にする必要があるのではないかとしております。
 二つ目,規制の特例の考え方でございますが,前回も少し説明いたしましたが,まず,学部レベルについて,主に教員免許制度の規制が関連してくる部分でございますけれども,これについては,やはり教員免許を取るために必要な最低基準という考えがございますので,総単位数だとか,必履修事項については現状のままとしつつも,必履修単位数の範囲内において,研究開発課題に対応した特別の科目の開設・履修,例えばSTEAM教育に関連したような科目を設置するといったようなことを認めるような仕組みを検討してはどうかとしております。
 具体的に申し上げますと,例えば教員免許を取るために教育の基礎的理解に関する科目というのが10単位必要ということになっていて,それについては,このような内容を勉強しなければいけないということがかなり細かく規定されているんですが,それについてそれぞれ2単位必要というように設定すると,10単位全部埋まってしまって,新しいことをする余地がないということになりますので,そういった内容を取り扱うために,外すことはしないけれども,単位をぐっと圧縮して,その分で浮いた単位数分の新しい科目を設置してやっていくといったようなことを認めるというようなことが考えられます。
 二つ目,大学院レベルでございますけれども,ここについては,免許制度の縛りというよりは,むしろ教職大学院制度の基準が関係してくるところでございます。ここについては,例えば,実習の10単位について,これまでも一定の経験等に基づいて,大学が個別に免除できるという規定がございますので,そういったようなものを活用したり,共通5領域の単位数20単位について軽減する余地がございますので,そういったようなことを検討していくということでございます。ただ,更なる弾力化を求めるという場合には,新たな修士課程というのを改めて検討していただくということが望ましいのではないかと思っております。
 以上が規制の特例の考え方です。次のページで規制の強化ということですけれども,Society5.0に対応した教育環境や教育方法というのをしっかりやってもらうということで,例えば企業との連携・協働だとか,先端技術・科学的手法をしっかりやってもらうというようなことを指定の条件にしてはどうかということでございます。
 そういった中で,きちんとできているかどうかをどうやってチェックしていくのかということにつきましては,例えば,教員養成部会の下に常設の委員会を立ち上げて,そこで事前の確認だとか事後の評価を実施してはどうか。現在でも課程認定については,課程認定委員会という形でそういったチェックをしておりますけれども,それとは別にフラッグシップ大学として必要な研究開発といったことをやっているかどうかチェックする機関を設けてはどうかとしております。
 また,指定に当たっては支援事業とセットで,こういったことをチェックしてはどうかと思っております。
 次に,資料5について,関連で御説明いたします。資料5の4ページと5ページでございますが,先ほど支援事業とセットで指定の可否を判断してはどうかということを申し上げましたが,イメージとして,例えば4ページ,5ページで,国立大学経営改革促進事業というのがございまして,この中で支援対象の1として,大学間連携や産学連携の推進等による地域イノベーションの創出等に取り組む国立大学法人に対してはかなり大きな支援があり,例えば名古屋大学だとか,あるいは北海道の三つの国立大学がまとまったようなものについて支援がございます。こういったようなことの教員養成版みたいなものを思考してはどうかというようなことでございます。
 ひとまず前回の議論等,前半部分の説明は以上でございます。
 最後,参考資料を御覧いただければと思います。「諸外国における近年の教員養成の取組事例」という資料でございます。
 この資料は,本ワーキンググループの議論が始まった当初に,諸外国の教育では例えばSociety5.0だとか,ICTに関してどんな動きがあるのか,分かったら是非教えてほしいというような御意見がございましたので,それについてまとめたものでございます。
 まず初めに,ドイツの事例でございますが,ドイツでは卓越した教師養成プログラムに競争的資金をあてるような「教師養成質向上キャンペーン」という,5年間の助成事業を行っているというような内容でございます。
 次に,フランスでございますが,デジタル化を推進するために,教師の専門性向上の支援及び強化だとか,児童生徒のデジタル機能の強化といったようなことも取り組んでいるという例でございます。
 次に,イギリスの例でございますけれども,ICTについては,1995年から教科としてあったものが,2014年からICTという授業名をコンピューティングというものに変更して,より高度な内容に発展していっているということですとか,また,他の国々と違った例として,第一線で活躍する専門家を教員にするための取組ということで,慈善団体を公財政で支援するような,経験豊富な専門職従事者を教員にする取組に対する支援というようなものも行っているということでございます。
 次に,アメリカでございますが,指針とか先進事例を取りまとめた資料を公表しているという内容でございます。
 次に,中国については,初めは教員養成全体に対する内容みたいなものでございますけれども,中国は1,000万人ぐらい教員がいると言われておりますが,100万人の指導的役割を持つ教師を作って,更に10万人の卓越した教師を作り,更に1万人の教育専門家としての教師を育成するということをうたっております。下に注で書いてございますが,教育専門家としての教師というのは,自ら教育実践を行い,重要な教育の業績を作り出すとともに,教育思想や実践で重要な影響をもたらすような優秀な教師ということでございます。
 さらにその下のところで情報技術応用能力向上プロジェクトというものを中国で現在進めているということで,5年間で50時間以上の研修でありますとか,ビッグデータ,バーチャルリアリティ,人工知能,STEAM教育といった革新的な教育方法を創出できる学級組織の構築についても取り組んでいこうという内容が記載されております。
 最後に,韓国でございますが,ここについてはプログラミングについて積極的な強化事業をしているという内容でございます。
 以上,簡単でございますが,御紹介でございます。よろしくお願いいたします。
【加治佐主査代理】  どうもありがとうございました。
 お聞きのようにフラッグシップ大学の姿というのがかなり見えてきたかなという感じがいたします。特に指定の範囲と規制の特例の考え方に出ておりますように,どういう単位がどういう要件を満たせばフラッグシップになっていくのかということが何となくイメージできるような感じになってきたかなということです。
 この事務局作成の,特に資料2,資料3を中心に,御議論いただければと思っております。御質問,御意見,よろしくお願いいたします。
 安藤委員,どうぞ。
【安藤委員】  安藤でございます。よろしくお願いいたします。
 前回欠席しましたので,1点確認させてもらいたいんですが,今お話にあったフラッグシップ大学の指定の範囲のことについてお聞きしたいと思います。今のところ,学部,大学院,附属学校を有する機関を一体として指定という,そういう表現になっています。そうすると附属学校がないところは,当然その候補に挙がらないという発想なのでしょうか。三つのものが一体となっていないと,開発的な取組を一生懸命やろうとする大学があったとしても,そこは候補に挙がらないのかどうかということです。
【髙田教育人材政策課教員養成企画室長】  これはたたき台という形でお出ししたものなのですけれども,前回の議論の中で,研究開発から実装までもきちんと取組ができるようにということがありましたので,例えば大学で行っている研究開発の取組が,それがそのまま学校現場で子供たちに教えるという,そういったものに直結しているような内容であることが必要ではないかということで,ここでは附属学校という形で書いております。ただ,それが,例えば教職大学院などにおいては連携協力校という形で,附属学校に近い形で連携協力しているところがございますので,それはこれからの制度設計の中で詰めていきたいと思っております。
【安藤委員】  今お話ありましたように,特に教職大学院の場合は連携協力校がむしろ附属学校以上の役割を果たしていまして,固定された研究ではなく,いろいろな可能性を広げていって一般化していくような取組も可能になったと思いますので,この附属学校という言い方のように限定的にしないように,教員養成のネットワークの拠点となるハブ大学という表現もありますので,こうしたところを少し拡大解釈できるようなものになるといいなということを期待しております。【加治佐主査代理】 松田委員,どうぞ。
【松田委員】  今のところで少し思うところがございまして,一方でフラッグシップ大学が,Society5.0という時代の対応ということになっていきますと,附属学校自体がある種の社会実装されたような場になっている必要があるのではないかと思っています。逆に言いますと,公立学校ではできない実習が附属学校ではできるというような機能も持つ必要があるのではないかと思います。その辺は少し整理が必要なところもあるのではないかと思いました。
 あわせて,三つ伺っていて思うことがございましたのでお願いしたいのですが,一つ目は,教職大学院の弾力化というあたりで,例えば現職だとか管理職の方々には10単位の実習を免除する代わりに,そこに新しい授業科目が入ってくるという御説明がありましたが,確かに実際にはそうだと思うのです。その辺が,例えばSociety5.0ということで先端技術を利用した学習指導の在り方とか,例えば,人工知能概論みたいな授業を前提に考えますと,今の教職大学院のカリキュラムではそういうものがありませんから,そういうものが入ってくると非常に可能性が広がると思います。その部分は,例えば修士課程でそういう授業を用意して,教職大学院で一緒になって受講ができるというような,そんな柔軟性もあればいいのかなと思うところがございます。その意味では、フラッグシップ大学においては,修士課程も教員を養成する一つの課程なんだというような位置付けぐらいまで少し幅を持たせていただけると,動きやすいのではないかと感じるところがあります。
 二つ目は,そういうことを進めるに当たって,連携とか統合という大学間の問題があったのですけれども,例えば,ヨーロッパのライン川流域で国境を越えて大学が共同して進めているという,ライン川上流域ヨーロッパ大学連合という取組があったと思います。そこではコンフェデレーション(Confederation)という言葉を使っています。各大学の主体性を尊重しながら共同体に近い形で大学運営をしてお互いの強さをつなぎ弱さを補おうという,日本語でいう,連携と統合のちょうど間ぐらいの在り方なのかなというところがあります。このように大学の結び付き方というのは,現状イメージされている以上に, 柔軟性のあるそういう仕組みも含めて検討されればいいかなと思います。
 最後,三つ目は,人材の育成ということで,もちろん教師をまず育成するのですけれども,学生からのストレートというラインだけではなくて,外部人材とか社会人のリカレントというようなことも重要になっていると思います。例えばアメリカでティーチ・フォー・アメリカという団体があって,これは要するに2年間教職として人材を派遣することが企業側の評価になって,その2年間を原資として,企業にある種の認証を持って就職していくというような仕組みかと思います。少し目線を変えますと,そんなふうに様々なチャンネルで,様々なベクトルから教職,あるいは学校現場に,新しい資質を持った人材が流動していくということもハブ拠点の機能として,できるといいのではないかなという次第です。
【加治佐主査代理】  御意見,分かりました。牧野委員,どうぞ。
【牧野委員】  先ほどお話のあったフラッグシップ大学の指定の範囲をお聞かせいただきたいのですけど,フラッグシップと言っても,教育に求められる需要というのは多様化していて,いわゆる自然科学分野みたいなところで非常に深く研究をしているところが求められるような,そういう意味では,研究開発から実装までというのはそういうところもあると思うのです。一方で,骨太の方針にも出ていますが,大学改革の話もあるわけですよね。いわゆる産業界なり,地域なりとの連携をする中で,地域の将来を担うような人材育成みたいな話ですね。恐らく多様なニーズに応えられるようなものにしていく必要があると思うのですけど,そういった意味では,いきなり機関を一体として指定するというのは,研究開発的に深くやるという,そういったやり方がフラッグシップだと考えることは,もちろん間違っているとは思わないのですけども,他方で広く連携していくようなやり方をするときに,こういう考え方でいいのかどうか。フラッグシップも幾つかの型があって,そういったものを,松田委員が言うようにジョイントしたようなものなのか,あるいは分野別に考えて複数のフラッグシップということを考えていった方がいいのか,そこら辺の議論がどうなっているのか,教えてもらえませんか。
【髙田教育人材政策課教員養成企画室長】  恐らく前々回もそういう議論があったかと思います。今回たたき台の資料3は基本的な型というような形で提案いたしましたので,フラッグシップの指定をどの範囲でやるのかということについては,更にこの場で議論を深めていただければと思っています。
 場合によっては,例えばAタイプ,Bタイプのようなものもあるかもしれませんし,それだとかえって目的や焦点がぼやけるのではないかというような意見があるかもしれません。そこは目的・役割に立ち返って,制度の細部を我々としては設計していきたいと思っています。
 なお,フラッグシップ大学の在り方の中の,新たなモデルの提示というところで,地域教育課題や地域連携への高度な実践と応用の取組ということも入れておりますので,そこについてはフラッグシップ大学の中でやっていくことを想定はしております。
【加治佐主査代理】  
 資料2の3のところでフラッグシップ大学の目的と役割について,研究開発大学であるとか,あるいはハブ大学であるとか,基幹大学であるという位置付けをしているわけですよね。そうするとやはり今おっしゃった連携・協働もそれなりの強さを持たないと,資源を集約して機能を発揮することはできないのではないかということで,しかも,開発だけじゃなくて実装も伴うということですので,かなりのしっかりした機関があって,それと様々なところが連携するということが構想されたということだと思います。
【牧野委員】  要するにフラッグシップ大学は深くも行くけれど,広くも行くということですかね。
【加治佐主査代理】  そうですね。ですから,そういうのを許容していいのだと思うのですけれども,私の考えでは,申請するときに,そこらをどううまく書いて,どのくらい実現性があるか表現していって,それが審査されるということではないかと思います。
 先ほど説明もありましたように,地域に貢献する人材の育成もフラッグシップ大学の機能の一つに入っておりますので,申請のときには多分そういうことを書かれるところもあるのだろうなと思います。戸ヶ﨑委員,どうぞ。
【戸ヶ﨑委員】  前回どなたかの御意見にあった,「理論と実践を架橋し融合したことがある経験」という言葉や,資料3のフラッグシップ大学の指定の範囲の話でも触れられている,「フラッグシップ大学は研究開発から現場への実践までを行う大学」という御意見は非常に重要なのではないかと思っています。
 私が今更言うまでもありませんが,教育の世界に限らず,理論と実践の中にはかなりギャップがあって,特に教育分野というのは,理論と実践が融合されていないとなかなか難しいものがあるわけです。ちょうど本日もある大きな企業と,非認知スキルの分析等をAIを使ってどうにかならないかという話をしてきました。その中でいざ進めていこうとすると,企業の知見と学校現場の実証の場と,更にそれを結び付ける大学等の専門的な知見というものがないとなかなか進まないものもたくさんあって,できればそういうものが一体化してできるようなものであるとよいと思います。
 学校現場というのは,往々にしてハウツーものを求める傾向にあって,具体的な手立てとか,最新というより最善の処方箋というようなものを早く提示してほしいという傾向があって,なぜ,どうしてというようなことは余り考えないのです。そういう中で典型的なのは,効率性とか生産性という言葉は余りなじまないというか,そういう言葉を使うと反感を買って,何が教育現場に効率性だ,生産性だというようなことになるわけですけれども,大事なのは,今やっていることが,一生懸命やっているけれど本当に効果があるのかとか,もっといい方法があるのではないかとか,何でそのことをすべきなのかとか,経験と勘によらない普遍的な法則性や一般論といったものがもっと議論されていいのではないかと思います。これが現在の働き方改革の根幹にもあって,ICTを使えば,間違いなく効果がこれだけ出ているというようなことが示されれば,学校現場の教員は皆さん真面目な人が多いので,一気に進むのではないかと思います。そういうものに余り触れてこなかった,触れられなかったというところがあるのかもしれませんが,是非理論と実践の融合を進めていっていただきたいと思います。
 今までのやり方はどちらかというと,文部科学省などが自治体に研究してもらってベストプラクティスを出して,それを全体に共有化していくという流れが非常に多かったわけですけれども,これからはできるだけ一体化した実践の場と併せてベストプラクティスを初めから出していくというものがもっとあっていいのだろうと思います。それぞれが主体的に研究していくということは理論と実践がきちんと融合されたものがあって,それが示されれば,より良い方法が,こういうやり方でやった方がいいのではないかという新しいアイデアがその中からどんどん湧いてくるのではないかと思います。そこが実践だけでも駄目だし,理論だけでも駄目だということでセットになってそういうものが示されていけば,新たな生産を生んで,より良い取組がそれぞれの自治体からも出てくる可能性があるのではないかと強く感じています。
 「良い理論ほど実践的なものはない」という言葉がありますけれども,正にそのとおりで,こういう融合されたものをどんどん出してくれるフラッグシップ大学であるとよいと感じました。
【加治佐主査代理】  ありがとうございます。役割としてそういうものを強調してほしいということですね。若江委員,どうぞ。
【若江委員】  ありがとうございます。戸ヶ﨑委員のおっしゃるとおりで,教育の実践と研究の両立なのですけれども,研究が終わってから実践をするというよりも,同時多発的に起こっていくということがフラッグシップ大学には必要で,お話にもありました生産性とか効率性とかということが,今まで教育の視点の中には欠けていた。でも逆に言うと,今までなかった視点を一番中心に据えて考えてみるぐらいのダイナミズムがないと,フラッグシップ大学にはならないのではないかなと思います。
 ですので,機能とか,連携の在り方,カリキュラムの考え方も,今の単位や,時間数にとらわれず,どうすれば一番効率良く,今必要な人材を効果的に育成できるのか,そのためには何をしなければいけないのかということを考えるべきだと思います。その上でそれは既存のある科目の単位に該当するのか考えてみることで,今あるものの有効性というようなものも検証できるのではないでしょうか。仕組みを作るにしても,まず,既存の制度は置いておいて,本当にどうするべきなのか,どうあるべきなのかということを考えないと,どうしても後戻りぎみになってしまうのではないかと思います。
 それともう一つ,企業の場合にはいろいろな産業の仕組みがあって,例えば企画,制作,流通,販売みたいなことがあったとすると,少し大ざっぱな例ですけれども,今までそれぞれが分業されていましたが,今はサプライチェーンで一元化されています。それぞれ専業・分業にしていくと時間もかかっていくし,コストもその都度少しずつ積み重なっていって無駄も多いので,一元管理するということで言えば,それが実践と研究の両立かもしれません。もう少しドラスチックに頭を切り換えないと,今のままだと余り変わらないように感じました。
【加治佐主査代理】  ありがとうございました。要するにゼロベースで始めるべきだということなのですかね。ただ,このたたき台のところにありますように免許を出すとか,教職修士(専門職)の学位を出すということになると,やはり最低限のものは押さえた上での開発になるということが書かれているわけですよね。そこら辺,いかがですか。
【髙田教育人材政策課教員養成企画室長】  制度を所管する方からはなかなか言いづらいところもあるのですが,一方で,やり方の問題もいろいろございます。例えば今,未来の教室の実証事業で,本当は学習指導要領でこれだけやらなければいけないと決められていた内容を,先端的な端末を使ったアダプティブラーニングによって半分ぐらいの学習時間で済んで,その代わり残りの半分ぐらいの時間を探求に充てるといった取組も行われております。そういったことも一つベースに考えて,我々としてもいろいろなやり方によって,これまで必要と言われた資質能力といったものを,より短い時間でできる場合もあるのではないかと。そしてその分を,正にアクティブ・ラーニングであるとか,あるいはICTを活用したような授業に充てられるのではないかという趣旨でこのような資料を作ったつもりです。ただ,作った内容が余りぱっとしないように見えたということですので,我々としてももう少しイメージしやすいような,どこまで思い切ったことができるのかというようなことを改めて検討して,この場でお示しできればと思っております。
【加治佐主査代理】  もう一つ,一元管理のところは,この後,ガバナンスやマネジメントの部分でまた議論になるのかなと思います。安藤委員,どうぞ。
【安藤委員】  資料2と資料3を拝見させていただいたときに,一番私が気になったのが,大学側のシステムとか方法という話はいっぱい出ているのですが,これからSociety5.0の中において求められる教員像というものは一体どうなっていくのかということが,きちんと具体化して議論しておかないと,結局,大学のやり方とか,あるいは環境を整えることばかりに話が行ってしまって,本来,どのような教員を養成しなくてはいけないかという議論がこのペーパーにはないのではないかと思います。
 そういう意味で,今先生がおっしゃったように,いろいろな条件が出てくると思うのですが,そういうところを統合して,これから求められる教員像というものをきちんと踏まえた上での議論をしていかないと,方法的な話で今進んでいってしまっていることを,私は非常に危惧している部分がありまして,これについて,どこを見れば分かるのかということを教えてもらえればと思います。
【髙田教育人材政策課教員養成企画室長】  まとまって書いているところはありませんので,そういったようなことも含めて検討したいと思います。
【加治佐主査代理】  文部科学省でもこれまでいろいろな取りまとめがあって,抽象的には,Society5.0時代の先生方にはこういう力が必要になるんだということは出されていますよね。ただ,その具体的なものとか,あるいはそれを育成するためにはどうしなければいけないかというところになると,まだこれからという段階ですよね。私は,そういうこともこのフラッグシップ大学で出していくのかな,研究開発して出していくのかなとは思っていました。ただ,ある程度の指標のようなものがフラッグシップ大学の提案を審査する際に必要になるのかもしれません。山口委員,どうぞ。
【山口委員】  第2回の会議だったと思うのですけど,このフラッグシップ大学の規模ということが話題になったかと思います。本日の資料3で見えてきたのは,機関を一体としてという機関というのは分かるのですけど,部分的なグッドプラクティスの寄せ集めでは機能しないと,前回も若江委員がおっしゃっていたようなところがあって,それはもっともだなと思ったのですが,機関としたとしても,その機関はもともとの教員養成をやらなくてはいけないですよね。ですから,ある日突然フラッグシップ大学の指定を受けたからといって,全部新しくはできないはずなのですよ。そうすると選定された大学はどのぐらいの規模でやるのだろうかということとか,一大学ではできないから他大学などと連携するということも当然出てくると思うのですけど,それもどのぐらいの規模でやるんだろうといったことが逆に見えなくなってきて,現時点ではこれをどう考えたらいいですかという質問になります。
【髙田教育人材政策課教員養成企画室長】  本日の資料も試行錯誤しながら作っておりますが,例えば教育環境とか教育方法といったことであれば,一遍に全部入れられるような中身もありますし,具体的な新しい教科を入れる,入れないというものですと,それが小学校教員の養成なのか,あるいは中学校教員の養成なのかということによって,全体に行き渡る内容なのか,それとも特定の教科の内容なのかということが分かれてくると思うのです。そこについては,もう少し委員の先生方の御意見や御議論が必要かと思っております。また,実際に申請してくるフラッグシップ大学の申請内容によって,変わってくる部分もあろうかと思っております。一方で,機関一体となって指定をするということを考えると,多くの機関を指定するということは余り想定できないのですが,例えばある免許教科のここの部分だけ研究開発したいというようなものまでを認めるか認めないかということも含めて,もう少し委員の先生方に御議論いただきたいと考えておりますので,もうしばらくお待ちいただければと思っています。
【加治佐主査代理】  水落委員,どうぞ。
【水落委員】  私も今,山口委員がおっしゃったことと同じところを考えていました。このフラッグシップ大学の議論が始まったときに考えていたのは,新しい教員養成の課程の在り方みたいなものが生み出されるのかなというように考えて,今も考えているわけですが,本日の話を伺っていると,何となくかつてのGP事業とか,プロジェクト事業のようなものに似たイメージを受けるのです。大学を一体として指定したときに,そのどこかの一つのチームがこの研究をやって,何年間かの期間の後に,こういう成果を出しました。そういうふうにしていくと,何年かの間に幾つかのグッドプラクティスができて,もしかしてそれで終わってしまったら,少しもったいないのではないかなというふうに思うのです。
 なので,一つの専攻だとかなり大きいところもありますが,例えばこれがコースだとかいう単位であれば,例えば教員採用試験の合格率で何%を維持しているコースだとか,先ほど戸ヶ﨑委員もおっしゃいましたが,理論と実践を融合した教員が何%そろっているコースの教員であれば,これだけのカリキュラムマネジメントを認められるようなカリキュラムをやってもいいでしょうというような形になっていくと,幾つかのグッドプラクティスが出て終わりというのではなくて,新たな教員養成の在り方を何年間かの後に提案できる形になるのかなと思うので,かつてのグッドプラクティスのようなもので終わらないようにしていくことが必要なのではないかと感じました。
【加治佐主査代理】  牧野委員,どうぞ。
【牧野委員】  フラッグシップ大学の在り方で,取りあえずこういうふうに設計したとしても,その後どうするかという問題があると思うのですね。フラッグシップ大学を指定したところをそのまま,後はお任せしますという話なのか。それともある程度の期間を区切って,PDCAをきちんと見て,こちらが期待していた評価を上げているかどうか確認して,場合によっては入替えもあるよというように,緊張感を持たせていくのか,そこはいかがでしょうか。
【髙田教育人材政策課教員養成企画室長】  おっしゃるとおり,資料3の4番目のところで,常設の委員会を立ち上げて,事前の確認,事後の評価を実施したり,その後,評価に基づき,指定の取消しや延長等を決定していくというようなことを想定しております。
【加治佐主査代理】  水落委員から,これまでのGPと同じじゃないかという御意見がありました。確かに大学はたくさんGPの指定を受けて研究をして,新しい取組をやったわけですけれども,それが実際に,実装が実現したかというと,あるところもあるし,ないところもあるのですね。ただ,私としては,大学そのものが研究開発して,新しいものをまさしく実装する。そういうところまでが審査の対象になっていて,今,牧野委員がおっしゃったように,それが実現できるかどうかは教員養成部会の下に専用の委員会を作って常にチェックされるということかなと思います。本当にがらっと変わる大学ということがイメージされているのだと思います。それもまた連携しながらということですけど。
【水落委員】  ありがとうございます。私も正にそういうチェックの部分をしっかりやって今後に生かしていくということ,そこまで含めていくということが大事なのだろうなと感じます。
【加治佐主査代理】  松田委員,どうぞ。
【松田委員】  フラッグシップ大学の機能として議論の中であったのは,むしろ全体の教員養成を下支えするというイメージがあったと思うのです。その下支えという意味が,革新的な技術が先導する新しい社会の創造だとか,それに対する教育の在り方ということがあって,そのような新しい段階に全体で動いていくためには,しっかりとした先導的な支えがないと日本全体の教育が改革されにくいというような,そういう問題意識があったのではないかと思うのです。
 そういう意味では,例えば先ほどの附属学校の件でも,そういう先導的な学習指導などが附属学校のレベルで教育に実装されていて,場合によっては近隣の大学の教育実習をそこで引き受けていくだとか,あるいは全国の教員養成大学・学部の教員がフラッグシップ大学に3年周期で人事異動しているだとか,そういうほかの大学との関係で,ある種,そんなしんどいのであればフラッグシップ大学なんかやりたくないというようなレベルのことができる大学にならないと意味がないのかなと思います。
【加治佐主査代理】山口委員,どうぞ。
【山口委員】 おっしゃることよく分かったのですが,そのときに若干気になってくるのは,先ほど一法人複数大学の例も引き合いに出されたように,これが下支えになってきて,全ての教員養成を同じような方向で強化していくとなったときに,指定された大学が,連携が前提のところがほとんどになってくると,将来の日本の教員養成はこうあるべきというのが決まってしまいそうな感じがしますが,その方向を当然考えるべきだと思っています。一方,別の議論は当然あるべきだよねという気がしました。
【加治佐主査代理】  若江委員,どうぞ。
【若江委員】  ちょっと先ほどの松田委員がおっしゃったことに対して,私の勘違いなのかもしれないのですけど,私の理解としては,フラッグシップ大学を考えるというのは,今の教育大学の下支えではなく一大転換を牽引(けんいん)するものであるという概念なのですね。ですので,言葉一つかもしれないんですけれども,今ある教育大学を下支えするというのであれば,フラッグシップ大学ではないと思うのですね。本当にこれから教育が変わっていかなければいけない。だから,教員養成が変わらなければいけないときに,どのようにこれまでの教員養成大学を変えていくのかという,そのためのリーダーフラッグになる大学ですよね。
 ですので,うまくいろんなところにすぐにインプリメンテーション(実装)できるようなことを考える必要もないと思いますし,何が大事なのかを考えないと,いうことを感じた次第です。私の理解が違っていますでしょうか。
【加治佐主査代理】  松田委員,簡潔にお願いします。
【松田委員】  趣旨は一緒です。むしろ教員養成全体がそういうふうに変わっていかないといけない。改革されることがスタンダードで,それを支えるというような意味合いで言っているので,改革のために先導していくということと同じことを言っているつもりです。少し舌足らずでうまく説明ができなかったのだと思いますけれども。
【加治佐主査代理】  非常に議論が盛り上がってきたのですけれども,もう一つ議題がありますので,戸ヶ﨑委員と,牧野委員。このお二人で一応前半を終えて,次へ行きたいと思います。
【戸ヶ﨑委員】  では,できるだけ短くお話しします。このワーキンググループが創設された理由に原点があるのだろうと思います。Society5.0の時代に対応した教員養成,その教員養成を先導する大学の創設について検討するというのが趣旨だったと思います。そこで考えていったときに,これは私の個人的な考え方ですけれども,教員というのは,過去を語ることは得意なのですけれども,将来を語れない。だから,できるだけビジョナリーというか,将来に展望を持って語れるような教員をどんどん育成していこうではないかというようなイメージを私はもっていたので,先ほど来,お話しに出ているような一般の大学で今やっていることを更に充実させるというのは,少し違うのではないかと思います。
【加治佐主査代理】  牧野委員,どうぞ。
【牧野委員】  全くそのとおりで,Society5.0に対応できる人材育成こそ,このフラッグシップ大学が求めているものだと私も思います。だから,今までのように座学で記憶力とか論理性だけでやっていけたような,そういったものではなくて,正に探求力とか発想力とか,人間関係の構築力,そこから事業構想をしっかりできる事業構想力,あるいはプレゼン力,こういったAIに代替されないような力をどれだけフラッグシップ大学で教えられるか。そういった教員養成ができるかというところが私は一番大事ではないかと思います。
【加治佐主査代理】  ありがとうございました。


(3)事務局から,教員養成フラッグシップ大学におけるガバナンスとマネジメントについて,資料に基づき説明があり,その後,意見交換が行われた。
【加治佐主査代理】  フラッグシップ大学の目的,役割を再確認していただいたところで,取りあえず1番目の議題を終わりまして,2番目の議題である教員養成フラッグシップ大学におけるガバナンスとマネジメントについて入ってまいりたいと思います。
 まずは事務局から資料の説明をお願いいたします。
【髙田教育人材政策課教員養成企画室長】  ガバナンスとマネジメントを議論するに当たっての参考資料という形で幾つか資料を紹介したいと思います。
 まず,資料4はガバナンス等の在り方に関する近年の提言をまとめたものでございます。初めに,平成29年の国立教員養成大学の有識者会議の報告書で,ガバナンス,マネジメントそのものについての記載というわけではないのですが,例えば質の保証,評価などについての記述がございます。この中で,例えば教員養成大学・学部の成果や実効性を示すための統一的な指標の作成や活用が期待されること。2ページ目あたりにそういった実態把握のためのIR機能の充実といったようなことについて述べられております。
 また,外部との連携についてでございますが,教職大学院を中心に教育委員会や学校現場などとの連携を強めていくべきであるといった記述がございます。
 次に,4ページでございますが,これは昨年の「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」(以下,「グランドデザイン答申」という。)という中央教育審議会からの答申でございますけれども,ここで多様性を受け止める柔軟なガバナンスというのは,どういうものがあるのかということについて書かれた部分を抜粋しております。
 その中で,下線でございますけれども,「教育研究及び財務情報の分析等を通じて各大学のマネジメント機能や経営力を強化させることが必要である」とございまして,それに加えて,複数の大学等の人的・物的リソースを効果的に共有すると同時に教育研究機能の強化を図るため,一法人一大学となっている国立大学の在り方の見直しであるとか,私立大学における学部単位等での事業譲渡の円滑化,国公私立の枠組みを越えて大学との連携や機能分担を促進する制度の創設などについて提言されております。
 次のページに移りまして,多様な人的資源を活用するために,関係する産業界や,地方公共団体などと連携し,必要とされる教育研究分野,求人の状況,教員や学生の相互交流などについて,恒常的に意思疎通を図るような体制として「地域連携プラットフォーム(仮称)」の構築などが提言されております。
 また,経営力を強化していく観点に加え,客観的・複眼的な外部からの意見を反映することで運営の透明性を確保し,社会への説明責任を果たしていくこと,そのために学外理事を少なくとも複数名置くことなどが提言されております。
 そして,具体的な方策として,例えば国立大学の一法人複数大学制の導入とございますが,これについては法改正が終わりまして,制度が導入されることになりました。また,私立大学の連携・統合の円滑化に向けた方策。さらに,次のページで,国公私立の枠組みを越えた連携の仕組みということで,これは大学等連携推進法人(仮称)という形で,国公私立の設置形態の枠組みを越えて,最終的には教育研究や事務の連携を進めるようなことについて提言されております。以上です。
 さらに,教育の質保証と情報公表ということで,6ページ以降に教学マネジメントの在り方などについての提言がございます。
 以上が資料4でございます。
 続いて,ポンチ絵などをまとめた資料として資料5がございますが,こちらはガバナンス中心にまとめた資料でございます。これについて,まず1ページで,先ほどございました一法人複数大学の制度などについて,国立大学法人法の一部改正などが行われたところでございます。
 2ページで,これによりまして,現在国立大学法人は学長と法人の長を兼ねていたわけですけれども,例えば,一法人一大学であっても法人の長と大学の長を分けるということができるといった形で新しいガバナンス体制を構築することができるということでございます。
 4ページ,5ページは先ほど紹介した資料でございます。6ページには,国公私を通じた大学の連携・統合の在り方として,地域連携プラットフォーム(仮称)と大学等連携推進法人(仮称)のイメージが記載されております。地域連携プラットフォーム(仮称)はもう少し緩やかな取組で,文部科学省の方でガイドラインを策定することになっておりますけれども,大学等連携推進法人(仮称)は,一般社団法人として,それを文部科学大臣が認定するという形で,教育研究や事務の連携といったことができる制度を置こうというものでございます。
 次に,資料6に移りまして,こちらの方はマネジメントに関する資料でございますけれども,1ページ目に教育の質保証と情報公表ということで,昨年の答申で全学的な教学マネジメントの確立だとか,学修成果の可視化と情報公表の促進ということが提言されております。
 2ページ目に具体的な中身がございまして,組織的に大学の教育について点検して評価して,そして質の向上を図るような取組をしていくための内容が書かれております。これは全ての学部分野に対して共通に出されているものでございますけれども,これを教員養成に当てはめたようなマネジメントの仕組みというものが,フラッグシップ大学には必要ではないかということを考えております。
 3ページに移りまして,教学マネジメントに係る指針に盛り込むべき主な事項として,例えば学修目標の具体化,授業科目・教育課程をどう改善していくのか,成績評価,学修成果の把握や可視化,FD・SDの高度化,IR体制の確立などがここに例示されております。
 以上がこれから御議論いただくガバナンスとマネジメントに関する参考資料でございます。
【加治佐主査代理】  ありがとうございました。このフラッグシップ大学のガバナンスとマネジメントについて,今,大学制度全体の改革が検討されていますが,そういう資料をお示しいただいたということです。
 今,御説明いただいた国立大学の一法人複数大学であるとか,あるいは国公私立大学を含んだ大学等連携推進法人(仮称)であるとか,あるいは地域におけるプラットフォームの形成であるとかいうものを選択してフラッグシップ大学を構成する大学の連携というかネットワークができるというイメージでよろしいのでしょうか。
【髙田教育人材政策課教員養成企画室長】  このような在り方も御参考にして,フラッグシップ大学にふさわしいガバナンスやマネジメントの在り方ということについて御議論いただければということでございます。
【加治佐主査代理】  安藤委員,どうぞ。
【安藤委員】  一つ質問ですが,例えば現在,教職員支援機構と教職大学院の連携を強化しようということで,いろいろな大学が協定を結んで取り組んでいるのですけども,そういう協定を結んでいる大学においては,例えば今の御説明でいくと,大学等連携推進法人(仮称)みたいなものを今後確立していくという方法も考え得るということでしょうか。その辺のところを教えていただければと思います。
【髙田教育人材政策課教員養成企画室長】  どういった形態が一番ふさわしいのかということではないかと思っています。もちろん,こういった形態をとらないと指定しないという話ではなくて,恐らく目的なり目標とする成果があって,そのためにもしかしたらこのような制度を活用する場合もあり得るでしょうし,何か別の,あるいは中間的な制度を独自に作って,そのような形でやるとか,いろんなやり方があると思いますけど,できるだけいろいろな大学のいろいろな資源を結集して,できるだけ高度な教員養成をしていくということが最終的な目的だというふうに考えております。
【安藤委員】  ということは,そういうパターンを,フラッグシップ大学として提案していくというか,チャレンジしていけば,それはそれでいいということでしょうか。
【加治佐主査代理】  ただ,これまでの議論もありましたように,どういうことをするか,教育内容とか方法とか,あるいは教育課程とか,研究内容といったことについては自由に考えていただくということが基本だと思いますけど,ただ,そういうことを遂行するためのガバナンスの形やマネジメントについては,効果が上がるような,あるいは有効に資源が集約されるような一定の基準の強化はすべきだと,こういう意見はあったわけです。
【安藤委員】  今回の資料で,何か連携や統合をしなくてはいけないような感じが見えてしまうと良くないと思って見ていたので,目指すフラッグシップ大学のイメージとこの連携・統合という問題のすみ分けやその辺の仕掛けを整理しないといけないのではないかと思っております。
【加治佐主査代理】  山口委員,どうぞ。
【山口委員】  今の大学等連携推進法人(仮称)については,今議論されている段階なので,なかなかお答えしにくいかもしれないのですが,例えば,目的を明確にしてフラッグシップ大学をイメージして教員養成だけを強化すると,そのために連携しましょう,だから大学等連携推進法人(仮称)を作りましょう,こういう発想はあっていいとは思うのですけど,大学によっては教員養成以外にも,他の部分を強化するために他の大学と法人を作りたい,というときに,一大学で幾つも法人を持っていいのですかという,疑問も出てくると思いますがどうなのでしょう。あり得ますよね。
【安藤委員】  あり得ます。
【山口委員】  それは今審議中だから何とも言えないのだと思いますが,今考えているのは,一法人複数大学の例で言えば,名古屋大学と岐阜大学は全部を含めて法人化しており包括的ですよね。教員養成の今ここでの議論に限るとすると,目的特化した法人化になってしまい少し違うのかなという思いもあっての質問です。
【髙田教育人材政策課教員養成企画室長】  現時点では何ともお答えができないところです。
【加治佐主査代理】  教員養成大学の博士課程は連合の形をとっています。東京学芸大学と総合大学の教育学部ですね。東京学芸大学の場合は,単科大学として,構成する埼玉大学や千葉大学,横浜国立大学は教育学部としてですよね。我々のところもそうです。上越教育大学と兵庫教育大学は単科大学で,あとは教育学部が加盟しているということがあるわけです。そういうところが例えばこれで組んでいくとしたときには,東京学芸大学や兵庫教育大学は大学全体になりますけれども,総合大学は当該学部だけ,あるいはその上にある教職大学院などが一緒になっていくのかなというふうに思います。
【山口委員】  ただ,現行でやっているのは法人化ではなく,連合方式ですよね。大分違いますのでお聞きした次第です。
【加治佐主査代理】  両角委員,どうぞ。
【両角委員】  このフラッグシップ大学のガバナンスとマネジメントを論じるということは,結構難しいのではないかという気が個人的にはしています。最初のころに安藤委員がおっしゃったことと私も同じようなことを感じていまして,Society5.0ではどういう教師を求めたい,どういう専門性を持った人たちを育てたいのかというところの議論がそもそも余りないのに,そのための条件であるとか,組織とか規制の在り方の議論に進み過ぎている印象を抱いています。どういう人材を育てたいから,ここに特例を認めたらというのも内容によりけりのような話で,どこまでここで議論できるのかということに少し疑問を感じます。どういう人材を育てるために,それぞれの大学がどういう資源で協力し合うのか。あるいは山口委員がおっしゃった規模の部分も,指定された大学が一つ大きく展開するという感じには余り聞こえなくて,一部だとしたら,それをどういう体制でやるのか。何をやるか分からないのに,その体制を議論するということはかなり困難なのではないかというような印象を受けています。
 例えば国立の一法人複数大学に乗ってくれというのも,何をやるかも分からない中で賛同しないでしょうし,地域連携プラットフォーム(仮称)も,グランドデザイン答申の議論をしたときに,例えばここの法人間では単位の自ら開設の原則を緩和するという案もあるというところで止まっていて,単位互換するときに,全部自分のところで出した上で単位互換ではなくて,連携したところでもう少し認められるような制度になるのか,といったことがこの地域連携プラットフォーム(仮称)でどうなるのか分からないと,それをどう使うかという議論にはなかなかなっていきづらいと思います。それもこのフラッグシップでこういう教育をしたいから,自分のところにはこういう資源があって,こことはこういう資源を活用しながらやろうという話にならないと,なかなかガバナンスとマネジメントだけを取り上げて議論するということは,私は難しいなと思います。
【加治佐主査代理】  分かりました。今後の進め方としてはどうですか。
【髙田教育人材政策課教員養成企画室長】  本日御意見いただいた,そもそもSociety5.0時代の養成にどういったことを求めていくのかということについて,改めて整理したいと思っておりますし,どういったことをするためのガバナンス,どういったことをするためのマネジメントなのかという話がつながるような資料作りに努めたいと思っております。
【加治佐主査代理】  そういうことにつながる御意見はございませんか。松田委員,どうぞ。
【松田委員】  Society5.0という枕詞(まくらことば)があるわけですが,これはSociety4.0から5.0という社会段階のイメージ像の提示で,第4次産業革命というような呼称が与えられる,特にAIやIoTやブロックチェーンという技術に先導される社会における教育の在り方を考えるという前提に立っているのだと思うのです。
 ですから,そういう意味では,啓蒙雑誌レベルではそういうときの教員養成像,あるいは教育者像というのは幾つか出てきていて,私の理解している範囲では,従来の教育分野の専門力,これは教科指導もそうですし,生徒指導もそうですけれども,それに加えて,先端技術の利活用の企画提案力というものがまず一つあるということと,もう一つは,データ分析をエビデンスとして教育の内容と方法に反映させていくというデータ収集分析力というもの。あとはいわゆるコミュニケーション構築力だとか,あるいはチーム構築力,特にチーム学校というような文脈もありますけれども,そういうものとチャレンジ精神,教職というものに対しての主体性のような,五つぐらいの観点で教師像というのは言われているようなところがあるのかなと思います。そういうものが今の教員養成でできているかというと,これは難しい面があって,その辺に焦点が当たってくるのかなと感じたりはしています。
【加治佐主査代理】  分かりました。牧野委員,どうぞ。
【牧野委員】  両角委員のおっしゃることはすごくよく分かるのですけれども,実際に地域の現場で先生方がかなり模索しているのは,教科書に書かれていることを教えるようなものではなくて,答えがないもの。むしろ課題に対し,自ら探求して,その課題をどうやって解決していくかということを,いろんな関係者の方々と話をしながら見つけていく。そうした課題を探求し解決できる人材をどうやって育成していくのか,これは教科書どおりにはいかないと思うのです。だからこそ,みんなそれに対して,こういうことを考えたらどうだとか,いろいろ模索しながら進んでいく。恐らくそのプロセスこそ,フラッグシップ大学において探求されていって,そしてこういう教職員を広げていくことがSociety5.0に対応できるような力をつけていく人材育成につながるというイメージだと思うのですよね。だから,初めからこうあるべきという感じにならない部分は,どうしてもあるのではないかという気が私はします。
【両角委員】  ただ,それはSociety5.0というか,既に今の状況でそれに対応できていない方が問題ではないかという気がします。新しい時代だからというよりも,もう既にそういう時代になっていて,フラッグシップ大学だけの問題ではないという感じもします。それは教員だけの問題でもなくて,この先どうなるか分からなかったり,様々なデータとかエビデンスに基づいて判断しなければいけないとか,そのためにどういう教育したらいいのかというのは,この分野に限らずみんなやっていることではないかと思います。だから特に教員養成というところで何をしなければいけないのか,あるいはそこでいろいろできていないことがあるとしたら何が問題なのか。それこそ,今,牧野委員のおっしゃったようなことが本当は先生たちにはできていてほしい,そういう専門性を持っていてほしいけれど,できていないのだとしたら,それはなぜなのか。
 例えば,こんなことを言ったら怒られるかもしれませんけれど,免許主義みたいなものが強過ぎて,その科目を全部やるということに過度に集中し過ぎているから,肝心なことができていないのではないか,と傍から見ると見えたりもしたりするのですけど,その理由はなぜなのか。逆にどこを変えたらいいのか,規制を変えたらいいのかとか,逆にもっとこういうサポートがあったらできるのにというところまで,ここで全部提案し過ぎるのがいいのかどうか。あるいはそれさえも幾つかのアイデアがもしかしたらあるのかもしれないという気もしています。つまり,余り形式的なことをここで決め過ぎてしまうと,いろいろなアイデアが出にくくもなるような危惧もあります。おっしゃることは本当によく分かるのですが,そうだなと。なぜそれができないんだろうと本当に思うのです。
【加治佐主査代理】  三村委員,どうぞ。
【三村委員】  お二人の言われたこととも関連するのですが,やはりこの先のSociety5.0というような時代の科学技術への対応というのもあるかと思うのですけれども,例えばフラッグシップ大学が3年間なら3年間の期間であったとして,当初想定していたことと,その3年後の世界は変わらないのか。今,これを目標にしていても,3年後には課題が変わっている可能性も考えられると思います。そういう意味では,牧野委員が言われたように,その場その場の課題を見つけて,それを解決できるという,そのような力が教員には求められるのではないかと思いますし,もっと言えば,それが新しい時代を生きる子供たちに求められるのであれば,そういったことをできるような子供に育てるような,そのようなことが必要なのではないかと考えています。
 フラッグシップ大学がどうあるべきかという目指すところは,根本的なところでは共通のものが出るのかもしれないのですけれども,多様な方向性もあって良いと思います。現在の教員養成は,免許制度ということもあり,どの大学に行っても大きくは変わらない教員が養成されているのではないかと思いますが,例えばフラッグシップ大学が考える,その時代に活躍できる教員ということでそれぞれが特色を出し,フラッグシップ大学が先導するような形で幾つかの教員養成のパターンというものができれば,教員志願者は,居住地を中心とした大学選択というよりも,こういう教員になりたいのでその特色を持つ大学に行くといったようなことも広がっていくのではないかと思います。もちろん最初のアイデアは必要だと思いますが,画一的な今考えられるフラッグシップというよりは,フラッグシップ大学になった大学が,どんどん時代に合わせたフラッグシップ大学の在り方というのを模索していくような,そういうことも求められるのではないかと思って発言させていただきました。
【加治佐主査代理】  だから指定期間というのはそんなに長くはできないということになるのでしょうね。物すごく変化が激しいので,常設の委員会が常にチェックしていて方向性を修正させるとか,場合によっては新しいものに置き換えさせるとか,そういう機能を持っていかないと難しいのかもしれないですね。
 ただ,先ほどからの議論になりますけど,教員養成を先導するわけですよね。引き上げていかなければいけないとなると,本当に早くやって,一定の成果をいつまでに示すということを明確にするということをしないと,多分時代後れになっていくというか,機能が発揮できなくなるのではないかという気がします。先ほどGPというお話もありましたけど,まだGPの頃は何となく悠長だったような気もします。フラッグシップ大学はそういうイメージではないのでしょうね。そこも気をつけなければいけないところかなというのは,三村委員がおっしゃるとおりかなという気がします。戸ヶ﨑委員どうぞ。
【戸ヶ﨑委員】  Society5.0の時代について百家争鳴というか,未来像を様々な人が色々なことを言うわけですけれども,本当にどうなるかというのは誰しも分からないわけです。そういう時代の教員は,自ら考えて主体的に行動できるアクティブラーナーでなければなりません。では,そうなっているかと言ったら,まだまだほど遠い部分があって,やはり決められたことをきちんとやるという方々が多いわけです。
 Society5.0の時代に何が必要かと言うと,学校も教育委員会も研究できるということだと思います。教育委員会は,何か研究しようというところとはほど遠い部分がありますが,今後は大学や企業とも積極的にタッグを組んでいく必要があると思います。先ほどの理論と実践の融合ということに関連して申し上げますと,大学が幾ら頑張ったってそれを実証する場がなかったら融合できないですよね。だからそういう意味で,資料4の2ページ目で少し言葉が引っ掛かったのが,「国立教員養成大学・学部は,形式的になりがちな教育委員会との間の連携を実質化するため,人事交流や事業の共同実施など」とか,3ページ目に「国立の教職大学院は,教育委員会と協働して研修を企画・実施し」うんぬんというような言葉があるのですけど,ここで触れられていることというのは,教育委員会との連携というのが人事交流や研修にとどまっているということです。現状を考えていったときに,一般的には都道府県の教育委員会とそれぞれ設置されている大学とでやるとすると,様々な研究とかというよりは人事の交流や研修はあると思います。
 それから研修そのものも,中核市も任せられていますので,大学が都道府県だとか中核市の研修の中で一緒にやるということがあります。しかし,基礎自治体との関わりがほとんどないわけですよね。よほど特別な場合を除いて考えると,一般的に基礎自治体と教職大学院とかが連携しているという場面というものはなくて,こういうものも今後は自由にできるようにしていかないと,先ほどの理論と実践の融合というのはなかなか進まないのではないかと思います。だから人事と研修だけでなくて,本当に事業の実施といった場合に一緒に共同研究ができるような組織みたいなものも,プラットフォームも含めて議論していく中にセットとして入れていく必要があるということを感じました。
【加治佐主査代理】  安藤委員,どうぞ。
【安藤委員】  指定の範囲の話に絡めての話なのですが,4番目の新たな措置というところで評価の問題が提示されていたと思うのですけれども,今回,先ほどのガバナンスとマネジメントの話と絡めて考えると,評価を進めていく中では,教学マネジメントというのは欠かせない話になってきて,特に学修成果の可視化というところについては,やはりフラッグシップ大学だからこそ,きちんと出していかなくてはいけないだろうなと思います。そうすると,いろいろな新しい取組がたくさん出てきたときに,学修成果の可視化に対して,どういうチェック機能を持つかというのは非常に実は大事なところで,それが指定機関にも関わっていたり,あるいはそれが一般化していくような取組に広げていったりというような中で,それを評価する機関がどうしても必要になってくるのだろうなと思っています。ですから,自分たちはこういうことをやっていますよとただ言うだけではなくて,そこをきちんと認めたり,そこに対して評価を加えたりというような部署がどうしても必要になってきます。ですから,各フラッグシップ大学の方は,教学マネジメントということはきちんと整えていかないとならないのではないかなということを,改めて先ほどの説明で感じた次第です。そういう意味では,学修成果の可視化という問題を無視して議論はしてはならないなということも改めて感じたということを申し添えておきたいと思います。
【加治佐主査代理】  若江委員,どうぞ。
【若江委員】  今はガバナンスとマネジメントのことについてのところですので,そこに対しての意見を述べさせていただきます。
 先ほど加治佐主査代理もおっしゃったように,限られた期間に最短で最高の効果を出さなくてはいけない。それがGPとの違いでもあるということです。そうなってくると,ここに書かれているマネジメントというのは絶対に必要なことなので,これをわざわざ議論する必要は全くないと思います。これがクリアできること,これがすぐにやれることが条件であるはずです。そして,一番大切なことはガバナンスだと思うのです。企業ではガバナンスが利くか利かないかという言い方を私たちはするのですけれども,何か方向転換をするときにはやはりトップの強烈なリーダーシップが必要で,それがきちんとピラミッドの上意下達ではなくて,それが機能する組織かどうかということがガバナンスの意味だと思うのですね。
 もしかしたらよく理解してないことによる発言になるかもしれませんが,大学には,学長とか理事長とかがいらっしゃいますが,このフラッグシップ大学を受けるのであれば,きちんとしたそういう腹積もりを学長や理事長が持つことが重要です。それがガバナンスが利くか利かないか,フラッグシップ大学としての価値が見いだせるかどうかという大きなところですので,単にここを強化したいとか,こんなことでやってみたいとかということよりも,きちんとガバナンスの責任を出すということを条件として明記しなければいけないですし,マネジメントについては,ここに書いていることは当然のこととしてやれることが前提だ,というぐらい,はっきりとうたわなければいけないのではないかなと思います。
【加治佐主査代理】  分かりました。牧野委員,どうぞ。
【牧野委員】  先ほどの三村委員が例えて言われていた3年で実績が出せるかどうかというのは,何をもってということだと思うのですけれども,私は出せると思います。実際に高等学校の地域人教育をずっとやってきていて,今8年目ですけど,3年で十分成果は出てきていたと思っています。
 先ほどの両角委員のお話にあった,そういうのは今まで問題があったではないかということも,そのとおりです。先生方の中にそういう問題意識を持っている方はいらっしゃるのですね。ただ,その先生方が少数で場合によっては一人かもしれない。そこが非常に大きな課題なのです。例えば高校において,地域人教育を始める前に自らリヤカーを引っ張って,教え子たちと地域に出ていった先生方は,多分全国にいるのですよ。飯田市にもいました。でも,その先生方のやっていることを,学校の中できちんとそれが大事なんだと認知されたかというとそうではない。むしろ変わり者みたいに見られた。けれども今,地域人教育として自治体とプラットフォームを作って,こうした教育をやっていくようになると,むしろそっちの方が将来の地域の人材養成のために必要なんだというふうに変わってきているのです。
 ではこの先生の跡継ぎになるような先生方,あるいはこの先生と同じようなことができる先生方が同じ高校の中にどれだけいるかと言ったら,申し訳ないのですけれども本当にいないのですよ。問題はそこなのですね。たまたまその先生はそういう問題意識を持っていて,こうやって地域に入っていこうと考えて自らそういうことを学んでこられた。けれども,ほかの先生方は教職課程においてそういう教育を受けていないから,何をやったらいいか分からない。それが現状だと思うのです。
 本当はSociety5.0でこっちの方へ行かなきゃいけないというのは分かっているのだけれども,何やったらいいのか分からない。そこのところを突破するためにフラッグシップ大学が頑張らなければいけないと私は思うのです。こういう方向に進むというモデルになるようなものができて,こういうことを教えていけばいいのだなということが分かってくれば,私はかなり効果が出てくると思うのですね。
【加治佐主査代理】  水落委員,どうぞ。
【水落委員】  ありがとうございます。指定期間や成果の評価や審査のお話が出てきましたが,これまでの議論の中で,日本の先生方が忙しくなってきたというのは,例えば学生時代に百何十単位と単位を取る。それで学校現場に行って,足し算足し算足し算で成果をいろいろ出したことにする。結局やったことにする。成果があったことにするということによって,ビルドアンドビルドアンドビルドによって忙しくなっていくということがある,ということを常々,ここでも申し上げてきましたが,結局,今回のフラッグシップの成果の審査や評価についても,先ほどもこれまでのGPと同じにならないようにということも申しましたが,この事業に取り組んだ主体者が,例えば大学の教員が3年でこれをやりました,こういう成果がありましたというふうにそれを報告し,成果を審査する。これももちろん大事なのですが,その結果,その育てた学生が教員になって,どのような教員として活躍したかという,その後の成果の審査ということが大事になってくると思うのですね。
 今回の学習指導要領は「何をしたか」から「何ができるようになったか」が問われるようになりました。これは私たち常々現場の先生方と話すのは,今度はやったことにできないのですということです。今までのようにこれを頑張りました,だからこういう成果が出たことにするではなくて,子供たちが実際にこれができるようになりましたというエビデンスを出していくということが今回の改訂の一番大きなところであり,怖い部分でもあると。でもそうしていかなければ,本当に世界で太刀打ちする人材育成ができないのだという話をしているわけですが,このフラッグシップ大学についても同じことが言えるのではないかなというふうに思います。
 そう考えたときに,例えば資料5の2ページ目ですが,国立大学法人法の一部改正とあって,例えば学長や理事長をどういうふうに置くのか。やったことにするということから,本当に背水の陣で,これが本当にできるようになったという体制にしていくのであれば,A,B,C,Dとなったときに,Aのパターンが一番,先ほど若江委員がおっしゃった覚悟なりということを問われる形になるのかなというように感じました。
【加治佐主査代理】  両角委員,どうぞ。
【両角委員】  今議論を聞いていて感じたことが二つあります。教師になる人を育てるということもそうなのですけれど,皆さんの議論をお聞きしていると,現場でいろいろな問題があるというのは,例えば学校現場の問題であったり,教育委員会の問題であったり,いろいろなものを同時に解決していかないと,人材を育てるというだけでは駄目で,だから実践と理論の架橋だとか,研究機能をフラッグシップ大学に持たせることが大事だということなのだろうということで,先ほど戸ヶ﨑委員が現場の研究をできるということを要件に入れた方がいいというのは,本当にそうだなと思って聞いていました。ただ,そうした場合に3年で成果出して終わりというよりも,むしろそれがずっと続いていくことが当たり前になっていくような変化が起こるように仕掛けていくことが必要なのかなということを一つ聞いていて思いました。
 それと,ガバナンスについては,確かに学長や理事長が背水の陣でやることも大事なのですけど,結局は個々の教員,教育の最前線に立っている教員がどこまで同じような方向を向いて,協力してそれができるかということの方がむしろ大事かなという気がしていて,それを要件として書くのは意外に難しいわけです。学長に,何かあったら責任取りなさいとなって,「はい」と言っても任期が終われば終わりですから,そういう問題ではなくて,むしろ個々の教員に浸透させてやらせるということが重要ではないかと思います。そこを余りぎちぎちにやり過ぎると,それこそ教員養成の大学の現場もかなり厳しくなっているところなので,ただやれと言うだけでは少し難しいかなという,ガバナンスが重要だというのはそうなのですけれど,企業とは違うので,大学はそれだけでは良くならないのではないかなというふうに思いました。
【加治佐主査代理】  分かりました。山口委員,どうぞ。
【山口委員】  2点あって,まず,ガバナンスについて,最初に問題提起したのは私ですが,結局は一法人複数大学もあるし,大学等連携推進法人(仮称)もあるし,地域連携プラットフォーム(仮称)もあるし,いろいろなスキームがあり得ますよということを提示するだけであって,結局このフラッグシップ大学に申請する大学,あるいは大学群が責任取れる体制を自ら提案するのがベストだろうと,それに尽きるのだろうということを再認識しました。だから,やはりいろいろな形態があり得るのだと思いますというのが一つ目です。
 それから二つ目は,先ほどのお話ですが,結局3年うんぬんの話でいうと,最終的には全教員養成系の組織が方向性としては同じことをやるが,それをどのぐらいのスパンで考えるかという話で,のんびりはしていられませんねという話だったと思います。それもやはり先導してそれを普及させるということをどう捉えるかで全然考え方が違うんだなということを感じた次第で,では具体的にどうするかという妙案はないというのが正直なところです。あるとき決断しなくてはいけないのでしょうねというところだと思いました。
【加治佐主査代理】  いかがですか,よろしいですか。
 今,ガバナンスが焦点になっているわけですけれども,これは教育再生実行会議の第十一次提言の中では,フラッグシップ大学の後に括弧書きで教員養成の指定大学制度等と書いてあるわけですね。既にある指定国立大学法人について三島主査に聞いたら,規制や利得よりも名声のためだとかいうことを言われたのですが,多分,それでは駄目だと思うのですね。両角委員がおっしゃるように,教育大学はかなり人的にも財源的にも厳しい状況にあります。ですから,その資源を集約するということを本当にうまい具合にやらないといけないと思います。本当に経営の効率化が求められます。おっしゃるような教員が同じ方向を向いてやるというのを作り上げなければ,絶対効果は上がらないわけですね。それをどこまでここで議論するのか。それとも文部科学省の方で申請の段階で,それをかなり厳しくチェックしていくのかということになると思うのですね。だけど,私自身は,また次回以降になると思いますが,資源の集約の在り方とか,経営の効率化とか,あるいはベクトルを同じ方向に行かせるとか,リーダーシップの問題になってきますけど,そういうところもここでやらないといけないのではないかと思いますね。
 これまでの歴史を見て,当事者の私が自分で言うのもおかしいですけど,放っておいても多分できないですね。有識者会議もそういう趣旨だったと思うのです。そういうことがありますので,やはりそこは任せてしまうと,任せる部分は当然なければいけませんが,ただ,それだけではなくて,一定の効果を保証するような規制の仕方とか,あるいは申請の際の審査要件というのを考えなければいけないのかなとは思います。そういう議論がまた次回以降できるといいのかなと思います。
 また,ガバナンスについては次回も議論していただきたいと思います。
  それでは最後に,浅田局長,一言どうぞ。
【浅田総合教育政策局長】  すみません。少し中座しましたのでお聞きできなかった部分もあり申し訳ありません。本日も大変大事なテーマについて御議論,御意見を頂きまして,どうもありがとうございます。
 私は,このワーキンググループとの関係でいうと御議論を正にお願いしている立場なので,いわばこのワーキンググループを下支えというか,お助けする立場なので,余り個人的な考えや感想というのは言うべきではないと思いつつ,どうしてわざわざフラッグシップ大学のワーキンググループを立ち上げさせていただいて議論をお願いしているかということを私なりに考えると,それは,今までの教員養成大学ではなかなかできなかったというか,今までの教員養成大学で少し頑張ればできることであれば,わざわざフラッグシップ大学なんて言う必要は本来ないはずなので,だからそのフラッグシップ大学なるものに期待されることというのは,本日も御議論に出ていましたけど,先導的な役割なんだと思うのです。普通の大学ではなかなかできないようなことにあえて取り組んでいただくということなのではないのかなという感じを持っています。
 そうすると,そのためにそういうことに取り組めるようにするための何か仕組みの上での担保というものがどうしても必要であって,そういうことまで含めて考えていかないと,このフラッグシップ大学というものをあえて作る意味が生かされてこないのではないのかなという感想を本日の御議論を伺いながら感じました。ただ,何度も言いますけれども,それは本日の私の感想にすぎないのであって,それで決めて掛かるつもりは全くありません。委員の先生方の御意見を十分にお伺いしながら,私もまた勉強させていただいて,是非先生方と一緒にいいものを作り上げていきたいと思っていますので,今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
【加治佐主査代理】  浅田局長,ありがとうございました。
  それでは,本日はこれで閉会としたいと思います。長時間ありがとうございました。


── 了 ──

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