教員養成部会 教職課程の基準に関するワーキンググループ(第4回)議事録

1.日時

令和元年7月23日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省東館3階3F1特別会議室

3.議題

  1. 課程認定後も全学的に教職課程の質を保証し、向上させるための継続的な仕組み
  2. その他

4.出席者

委員

山口宏樹主査、坂越正樹主査代理、安部恵美子委員、大森昭生委員、加治佐哲也委員、北上正行委員、酒井朗委員、佐古秀一委員、添田久美子委員、本図愛実委員、森山賢一委員

(発表者)早田中央大学理工学部教授、小原玉川大学学長、高旗岡山大学教師教育開発センター副センター長

文部科学省

浅田総合教育政策局長、平野大臣官房審議官、柳澤教育人材政策課長、長谷教員免許企画室長、高田教員養成企画室長 ほか

5.議事録

【山口主査】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会の教職課程の基準に関するワーキンググループ、第4回を開催させていただきます。
本日は、御多忙の中、お足元の悪い中、御出席頂きまして、まことにありがとうございます。初めに、文部科学省において人事異動がありましたので、事務局から御紹介をお願いいたします。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 総合教育政策局長の清水に代わりまして、7月9日付で浅田和伸が着任してございます。

【浅田総合教育政策局長】 浅田でございます。その昔、ずっと昔ですが、20代の頃、ほぼ最初に配属されたのが大臣官房政策課というところで、当時、臨教審の取りまとめをしていました。それが今で言うと、うちの局の政策課とか教育改革国際課に当たるかなと。その次が放送大学に3年近く勤務をしました。まだ関東だけでやっていたときです。そのまた次が生涯学習局生涯学習振興課生涯学習係長という生涯学習のところで仕事をしました。あと、ずっと後で、高等教育局で教育大学室を持っていた専門教育課長もやったことがございます。それから、少し別ですが、自分で希望して都内の公立中学校の校長を3年務めた経験もございます。今回、縁があってこの総合教育政策局に来させていただきました。当然ながら、学校教育、教師、子供たちのことにも強い関心は持っているつもりでございます。先生方には大変大事なテーマについてお世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

【山口主査】 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
本日の会議では、前回に続きまして教職課程の質保証に関する取組について議論しますが、今回も委託研究を実施しておられる団体及び実際に取り組んでおられる大学の方々にも御出席頂いております。まずは、そのお三方を御紹介させていただきます。最初は、公益財団法人大学基準協会大学評価研究所運営会議委員であり、前教職課程の質の保証・向上を図る取組の推進調査研究部会の部会長であられました中央大学理工学部、早田幸政教授でございます。

【早田中央大学理工学部教授】 早田でございます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

【山口主査】 よろしくお願いいたします。
それから、実際に取り組んでおられる大学、2大学からお越し頂いています。まず、最初は玉川大学学長の小原芳明先生です。

【小原玉川大学学長】 小原です。よろしくお願いいたします。

【山口主査】 よろしくお願いします。
続きまして、岡山大学から、教師教育開発センター副センター長の高旗浩志教授です。

【高旗岡山大学教師教育開発センター副センター長】 よろしくお願いします。

【山口主査】 よろしくお願いいたします。
それでは、まず事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。

【尾白教育人材政策課専門官】 資料の確認をさせていただきます。お手元の端末に本日の会議資料であります議事次第及び議事次第に記載の資料1から資料5まで、また、参考資料の1から4までが表示されております。また、端末のデスクトップには前回までのワーキングの会議資料を格納したフォルダーもございます。このほか、基礎資料としまして、教職課程認定申請の手引きの冊子を机上に用意しております。不明な点等ございましたら、お近くの事務局員までお申し付け下さい。
以上です。

【山口主査】 ありがとうございました。
本日は、先ほど申し上げましたが、議事の1について行います。教職課程の質の保証に関する議論になりますが、事務局からまずはこの議事の内容について説明を頂いた上で、お越し頂いている大学基準協会、玉川大学及び岡山大学の先生方から現在の取組について御説明を頂きます。その後、委員の皆様から自由に御意見を頂ければと思っております。何とぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速議事に入りますが、まずは事務局から説明をお願いいたします。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 それでは、お手元の資料の1につきまして御説明申し上げます。資料1を開いていただきますと、このワーキングの第2回、第3回で課程認定後の教職課程の質保証・向上に関していただきました主な意見をまとめてございます。これはこのワーキングの委員の先生方、それから、ヒアリングで御参加頂きました専門家の方々の御意見を集約したものでございますが、抜粋、概要でございますので、正確な御意見は議事録を御確認頂ければと思います。
それから、今回、1から5までポイントを整理してございますけれども、本日のこの後のヒアリング、特に全学的に教職課程を実施する体制についてということですので、1を中心に御説明申し上げます。まず、全学的に教職課程を実施する体制の中で、上の二つがこういった体制の必要性についての御意見でございまして、この全学的に教職課程を統括する組織体制の充実は、これまで何度も提言されてきたことであって、これを実効性あるものにすることが必要。それから、今回、科目の共通開設の在り方等を議論していくわけでございますけれども、その際には共通開設した科目の質保証、責任体制との関連から、全学的に教職課程を統括する組織の検討が必要であるという御意見を頂いておりました。
下の三つにつきましては、そういった体制を検討するに当たりまして、各大学の状況への配慮でありますとか、組織というものが形式化しないようにという御意見を頂いておりまして、まず、この三つ目の丸のところにつきましては、専任教員を置かなければならないとなりますと、小規模の大学では困難であるので、兼任を認める形が望ましいということでありますとか、その全学の責任体制というのは大学によって状況が異なりますので、設置を義務化するとしても、その要件は必須のものと望ましいものなどを選択できるようにした方がいいということでありますとか、最後のところで組織の設置という形式を義務付ける規制というのではなくて、例えばPDCAを徹底してやるということ、チェック項目とするというように機能の面から規定することが適当ではないかという御意見を頂いておりました。
2.以下は説明を割愛させていただきますが、教職課程の自己点検・評価等の内部質保証の取組につきましては、ともかくこの内部質保証というものが基本であるということで御意見を頂いておりました。
次の2ページ目の方に入っていただきますと、3.のところで教職課程の第三者による評価、学外者による点検ということが、これに関して一番多くの御議論を頂いておりまして、本日の関係でいきますと、既存の評価等の関係の整理が必要であるということをかなり御意見を頂いておりまして、本日、大学基準協会様に御出席頂いておりますけれども、基準協会様の委託研究の中でもこういった点についても御検討頂いておりますので、後ほど御紹介頂ければと思っております。それから、FD、その他の点についても御意見を頂いていたところでございます。
資料1につきましては以上でございます。
それから、お手元に資料5を配付しております。質保証に関する論点例というものを挙げさせていただいております。これは前回の会議のときにお配りしたものと同じでございますので、本日は、説明は割愛させていただきます。
以上でございます。

【山口主査】 ありがとうございました。
それでは、早速ですが、大学基準協会の早田先生から御説明をお願いいたします。質疑応答は、全ての説明が終わってから、まとめて行いたいと思いますので御理解頂ければと思います。
それでは、早田先生、よろしくお願いいたします。

【早田中央大学理工学部教授】 早田でございます。それでは、説明させていただきます。
まず、私たちは教職課程の質保証について議論をし、それを報告書にまとめたわけですけれども、それは昨今の大学改革の状況を踏まえたものであるということ。そして、それをもとに中教審で質保証等についてどういう方向性が示されているかということを確認したということで、本日は具体的にその調査の結果をまとめました報告書を基に、その報告書の取りまとめの責任者としての立場からお話をさせていただきたいと思います。
大学基準協会、まず、アンケート調査をし、訪問調査も行ったところですが、これは平成29年度の委託調査を基に行ったものということで、501大学、82.7%の回答を得たものであります。対象は学士課程ということになります。設置種別のほかに免許状取得率別、免許種類別にも調査をし、データをまとめていますが、今日は時間の都合上、設置種別の、しかも、全体を統括したものに基づいて説明をさせていただきます。
まず、教員養成教育に関わる情報の公表というものが、今、法的に義務付けられていますが、そのなかに教員養成教育の質の向上に係る取組の公表ということがございます。実際にその公表状況を調べたところ、68.7%で公表がなされているということです。多くの大学が公表しているということではあるのですが、まだ公表の準備に着手しているという段階にとどまっているところも少なくはございません。
次に内部質保証体制の構築状況ということですが、これについては、計のところを見ていただきたいのですが、教職課程のカリキュラム委員会等を通じて検証をし、改善・改革をしている。それから、シラバスを個別にチェックするという形で検証している、内部質保証を行っているという回答が多いわけです。この中でこれからも出てくるのですが、シラバスのチェックというのが教職課程固有かどうかというところは、そこまで詳細には見ておりません。この後も授業アンケート等のことが出てまいりますが、同様でございます。
それから、いわゆる育成すべき教職像として、どういう質、能力というものを培っていくべきか。そうした、いわゆるラーニング・アウトカムに基づいてアセスメントするためのツールとしての指標はどの程度設定されているかということですが、未設定というところが多数を占めております。
それから、研究成果、教育実践の成果を教職教育に反映させるということについても、特段の措置を講じていないというところが相当数に上っているということを示しております。
それから、その次、教職課程に特化したFDの仕組みということです。これについては、やはり61.2%の大学が特にそれを制度化していないという、回答になっています。FDを実施しているところでは、どういう内容のものについてこれを行っているのですかということなのですが、これは結論を出すのが微妙なところであります。授業アンケートを踏まえて授業内容・方法を改善しているとか、授業の相互参観をしているというところが比較的多いのですが、これは一応、教職課程に特化したFDということで質問はしているのですが、必ずしも教職課程科目固有のものかどうかということについては少し微妙なところがございます。教科専門については、こういうような回答になるかと思いますけれども、その教科専門という意識で回答されたかどうかということも不明です。教育内容・方法と現場の要請を乖離させないための配慮ということですが、これについても44.7%が特段の配慮措置は講じていないという答えになっております。
さて、教職課程の全学的なマネジメント体制についても、私どもで調査をしております。ここにありますように教職課程センターといった全学的な組織を持っているところは35.7%です。それから、全学教職課程運営委員会というような会議体を置いているところが非常に多いということになっております。小規模大学は委員会方式、大規模大学はセンター方式というように想定されなくもないのですが、必ずしもそういう傾向があるわけではありません。それから、両方設置しているというところも相当数ございました。では、教職課程センターの組織、体制についてですが、専任教員で運営されているというところ、それから、職員を配置しているというところが多いのですが、これは後でも述べますけれども、教職協働の運営がなされているというように傾向的には理解できるのではないかと考える次第です。
その次に教職課程センターの役割は、全学レベルでそれぞれの学内に設置されている教職課程の活動、それから、提供する教育について連絡や調整をしている。あるいは学生に対する支援もしているという、そういうようなものとして理解できるかと思います。また、この表には出ておりませんけれども、その他のところに、若干の大学から、質保証においてもこうしたセンターが能動的な役割をしていますという回答も頂いてはいます。
一方で、全学教職課程運営委員会の実態はどうなのかということなのですが、年に2回から3回、あるいは年に4回から6回と回答した大学が多く、年に四、五回程度行われているということのようであります。個人的には私も学内のこういう会議体の委員をしております。私どもの大学には、そういうセンターはございませんけれども、やはり運営委員会というのは、それぞれの部局や、そこに置かれている教職課程での決定事項を承認するということで年に3回、4回開かれるということなので、例えばそこで何か企画をしたり、それを実行したり、その検証をしたりというところまでは活動が及んでいないのではないか。もちろん、全てに当てはまるとは思いませんけれども、そういうところも相当数あるのかなという気もいたします。
教職課程の運営というのは、教職協働で行われているということは恐らくどこの大学でも共通しているのではないかと思うのですが、そこでもやっぱりやや問題が出てきます。我々、教職課程担当教員としては、教職事務に携わる人々の支援というのが非常に大事になってきます。法令上どうなっているのかなど、そういうことも含めてですが、そうした事務スタッフのSD、能力開発ですけれども、71.9%が個別職員の努力に委ねている、個別職員の努力に対して個別に大学が支援しているという程度にとどまっているということのようであります。
このように教職員、スタッフ、人材確保について幾つかの課題があるのですが、スライド19にございますように法令等に精通した人がいないということ。それから、この濃い橙色のところ、由々しいのですけれども、教職課程を担当している人々の教職課程の理解が不足している。それから、FD・SDの組織化が困難だ、こういうようなことが課題になっているということであります。
さて、教職課程に対する第三者評価ということが中教審答申でも言及されているけれども、スライド20はこの点についてどうお考えでしょうかということです。実は私もこれ、自由記述全てに目を通したのですが、反対の意見というのはそう多くはございませんでした。この濃い橙色、負担に見合う効果が期待できないというところは、これは明確な反対ですけれども、それ以外は反対という形ではございません。第三者評価は重要であるとか、実地視察や認証評価を活用すれば十分だということ。それから、その他というところが多いのですが、実は、これはそうした第三者評価というのを肯定した上で、評価基準とか評価者をどう確保するかということについて、自由記述を頂いたということで、第三者評価を行う際に具体的な提案がここで示されたというような形になっています。
このアンケート調査結果に基づく課題認識としては、内部質保証の取組が総じて漸進的な段階にとどまっているということや、FDが脆弱であるというようなことということで、教職課程担当者教員間で目的、目標が共有されていないとか、教職課程に対する理解がほとんどない方もその中におられるというような問題があるということでございます。
次に、マネジメント・システムです。教職課程の全学マネジメント・システムについては、今回、図は出しておりませんけれども、免許状取得率の高い大学は、センターや運営委員会両方を置く比率が高くなっていました。それから、教職課程センターを置いているところは、傾向的に教職協働の組織体制で、運営委員会については開催頻度が大体年2回から6回程度というのが通常だということでございます。課題としては、やはり専門人材が不足しているということ。それから、FD・SDの仕組みが、こうしたセンターを通しても十分に行われていないということ。運営委員会については年1回開催にとどまるなど形骸化しているところもたくさん見られたということ、などです。ですから、今後の課題としては、こうした教職課程固有のセンターや委員会を作るのも重要ですが、それと同時に全学の内部質保証を統括する組織との連携というのもより重要なのではないかなというようには考えております。
教職課程の内部質保証というのは、ここにいろいろ書いてございますが、要約すれば、教職課程の教育目標、どのような質、能力を育んでいくのかという、そうした学習成果ベースで内部評価をする。それもPDCAを内包した自己点検・評価を行っていく。その一環としてFD・SDについても実効性あるものを確立し、そして大学との内部質保証と教職課程の内部質保証というものを連動させていくということが重要ではないか、こういうように私ども報告書では意義付けております。
したがって、教職課程の内部質保証の構成要素としては、ここに示しているように、今のようなことを、いわゆる学位の目指す教育目標と、その免許状の基礎となっている教職課程の教育目標との関係性を追求していくこと。それから、PDCAの循環サイクルを内包した自己点検・評価活動を行っていく。その場合にラーニング・アウトカムを軸にこれを行っていくということ。それから、教職課程の教職員全員参加型というものが大事ではないか、こういうことがその構成要素として示されるのではないか、ということから、仮に教職課程の内部質保証をする場合、まずは全学マネジメント・システムの有効性をチェックする。ですから、評価指標としても今言ったような構成要素に対応したものを点検・評価項目に挙げるということが重要なのではないかというように報告書では結論付けております。
これを図示したものがスライド27でございます。ここではとりわけ、この一番上の輪の中ですが、教職課程の内部質保証というのは、教職課程を統括する全学機関が実施することになるけれども、それは大学全体の内部質保証、すなわち大学を対象とする内部質保証の推進体制という責任主体のもので効果的に行うべきだということと、例えば大学基準協会の場合は、内部質保証の基本方針を定めて、それに基づいて内部質保証を実施してくださいというようになっています。そういう中に教職課程の内部質保証の実施方針も位置付けていき、それに基づいて具体的にPDCAサイクルが内包された自己点検・評価を行うということを重視すべきだということでこの図を示しております。
スライド28では、それぞれの大学、教職課程では、内部質保証において、どういうことを行うべきかということで例を提案しております。大学レベル、教職課程レベル、それから、授業レベルで示してございます。これら全てを行うということではなくて、行うか、行わないかは各教職課程で考慮すべきことだと思いますけれども、しかしながら、教職課程の全学マネジメント体制の有効性というものは、内部質保証にとって重要だということである以上、全学レベルの内部質保証の対象項目というのは実際に内部質保証をする際は是非留意していただきたいなという、そういう項目でございます。
次に外部質保証についてですが、これについてはなかなか難しいという結論に報告書も至っております。理由は、件数が膨大であるということ。それから、教職課程の基礎となっている免許教科の種類等が多様、多岐にわたっているということ。それから、基準協会の場合、法令適合性というのは特に重視するのですが、教職課程のカリキュラムの法令適合性の検証に当たっては、今言ったように免許状の種類が多いため分野別評価の手法の開発が必要になるということで、これに直ちに手を付けるというのは、現状では難しいのではないかということになっています。
そうすると、可能性としてどういうことができるかということなのですが、これは最初の方に示しましたが、教職課程の教育に関わる状況を公表することが義務付けられており、その中に質保証のシステムがどう作られていますか、どうそれを運用していますかということも社会に向けて公表することが求められています。今、基準協会も、実はチェック的に公表されていますね、されていませんねというのを見るのではなくて、やや中に入って、実際にどのようなことを公表しているのかということについては、そのエヴィデンスを確認しています。ですから、仮に例えば何らかの形で、そうした内部質保証に関わることが法制化を見るということになれば、そうした各大学、教職課程が質保証についてどういう形のものを公表しているか、その際のエヴィデンスとして本当にそうした点検・評価の仕組みが作られているのかどうかということを見ていくという、資料等で確認していくということは不可能ではないと思います。
それから、最後でございますが、大学基準協会は評価結果を公表しています。それと同時に各大学には自己点検・評価の報告書を公表することを高度に基準協会として求めています。その際に教職課程の自己点検・評価に関わることについて言及がなされていれば、それは社会に公表されますし、それから、実は我々、この報告書作成のプロセスで、教員養成評価機構の責任者の方々ともお話をさせていただきました。その際に今のようなことを申し上げたところ、それは大変連携できる提案だと。
すなわち、基準協会は自己点検・評価、教職課程の自己点検・評価の中身にまで手を付けない、そこまで検証しないまでも、ネット等でそれが公表されると、教員養成評価機構さんは、その有意性を確認することができる。そして、そのグッドプラクティスを自ら今度は機構の手で検証して、それを社会に公にすることによって教職課程の質の向上を高めるという役割を果たすことができる。
そういう意味では、基準協会の質保証に関わる活動というのは、ささやかではあるけれども、それをそういう言葉ではなかったですけれども、大きく花を開かせる芽にすることは機構さんではできるということで、そういう相互連携の御提案も頂いたところでございます。外部評価については、図としてはスライド30のようなものを示しております。ということで、以上が私の説明でございます。どうもありがとうございました。

【山口主査】 どうもありがとうございました。
先ほど申し上げました、質疑についてはまた後でまとめてということで、よろしくお願いします。
それでは、続きまして玉川大学の小原学長から御説明をお願いいたします。

【小原玉川大学学長】 それでは、玉川大学の取組についてお話をさせていただきます。
本日は次の五つのことを取り上げます。玉川大学全体で、単位の実質化と厳格なる成績評価の取組を行いました。その際に一部の学科から、これ以上教員養成を行うゆとりがないということで、二つの学科が免許制度を返上いたしました。単位の実質化の基本が1学期間、16週にわたって学習する際、1学期16単位は上限です。年間2学期で32単位とし、4年間で128単位の中に、教職関連の科目が全て入る仕組としました。当然、教育実習の単位もその中に含ませてあります。学生たちは、免許を取る学生も、ゼロ免の学生も基本的には128単位の履修を基本とした体制になっております。
その中で教職に関する専門の学習、教師としての資質、能力を身に付けるということで各学科のカリキュラムが構築されております。新たに芸術学部の中で音楽教育と美術・工芸教育の免許のコースを設立いたしましたし、文学部英語教育学科を立てて、従来三つの学科で行われていた英語の教員養成を一つにまとめました。同じように国語に関しても二つの学科で行われていたのを文学部国語教育学科に一本化しました。並行して教育現場からの要望もありますダブル免許取得も可能な体制も組んでおります。しかし、通常の32週の中では、二つ目の免許関連の科目を履修するのが難しいということから、夏休み期間にサマーセッション、それから、冬休み期間にウインターセッションをそれぞれ3週間設けて、3単位ずつ取れるような体制を構築しております。したがって、二つ目の免許、(主に小学校2種)取得希望の学生は追加してサマー、あるいはウインターセッションを取るようになっております。
現在、ここに示した学部で教員養成をやっております。ここにあるように文学部では、従来、社会と公民をやっていたのを本年度をもって終了し、これら二つを教育学部の方に移しました。それから、最後のリベラルアーツも国語を提供していましたが、これを文学部の国語教育学科に一本化しました。また経営学部においても英語教員養成をやっていましたがリベラルアーツ学科と共に、文学部英語教育学科に一本化しました。
免許課程にいる学生たちは、1年次から何らかの形で教員養成に関わっていきます。1年生のときに参観実習を近隣の公立学校、あるいは学内にある併設されている初等、あるいは中等教育部門で行い、実際どのようなものが教員として求められているかというのを、触れる機会を提供しております。実際、1日ではありますけれども、参観実習を通して、自分たちが描いていた学校像とは違うという意識を持つ学生もおります。その場合は、そこからゼロ免に行く学生も出ます。早い段階で学校現場の実態が分かることによって、将来の選択ミスマッチが起きないように手を打っております。2年次はより具体的に免許取得に必要な科目を履修できるようなカリキュラム体制です。
学科としては、ゼロ免の学生たちのカリキュラムと教員養成課程の学生のカリキュラムというのをはっきりと分けて、履習上、間違いがないようにしておりますし、これも学年を追って進路選択で間違いが起きないような仕組みとするために、早い段階から教職関連科目が履修できるようにしております。3年次、4年次と進んでいくに従って、学生たちはより現場に即した教育を受けられるような体制をとっております。現在、現在、2,000名ほどの1年生のうち600名が教職課程に属しております。彼らが1年次にやらなければいけないのがここに示されている五つの項目です。
本学の体制ですけれども、教師教育リサーチセンター(従来教職センター)では、このようなリサーチセンターを設置して、より質の高い教員養成実施に向けて研究を行うように心がけております。センターは教職課程の履修、免許申請に関わる支援を中心に行っております。昨年度までは教員がセンター長を担っていましたが、今年度からは職員がセンター長を担っており、キャリア形成の支援を行っています。
ここに示したように、従来、多くの大学でも行っている相談、支援、具体的なテスト対応、採用試験対応、面接対応といった支援を行っております。加えて、全学教職課程運営委員会をリサーチセンターが中心となって推進しております。教職課程委員会の運営もセンター長が委員長を担い、各学科の教職担当教員と運営を行うような仕組みです。こうすることによって大学全体として教職課程の質を担保しようと試みております。全学に共通する、教職に関する科目の多くは教育学部に設置されていますが、他学部の学生も教職科目を履修できます。教科に関する科目は、それぞれの学科の開設科目ですが、シラバスのチェックはセンターが中心となって行っております。
このほかにセンターが担っている業務というのは、ここにリストアップされています。教員養成の評価ですが、東京学芸大学が開発した試行評価を受審いたしました。農学部、教育学部と工学部で受けました。結果、国立大学が開発したものですから、私学の開放制と少しうまく合致しないというか、評価されると不利な立場にならざるを得ないという観点もありましたし、コストの面でもかなり負担がかかるという結論です。現在、全私教協の方で私学の開放制に即した教員養成の評価、在り方について検討しておりますが、本学としては、どの評価機関で行うのかまだ最終的な結論は出していません。学科のばらつきがないように教員養成の情報の共有化、あるいは方向性といったものを確認しながら検討しております。現在行われている教育委員会との望まれる教師像の協議会にもリサーチセンターが加わって、そこで得られた情報を各学科に配るような体制となっています。
こういうことで、全学を挙げて教員養成の質を高めると同時に、採用試験合格率を高める努力を払っております。当然、この後、採用実績の低い学科はカリキュラムの見直し、あるいは担当する教員の見直し、更には、場合によっては免許課程返上ということも考えております。全体としてPDSAを回しています。その項目としては、こういった五つの項目を観点に、どのように改善していくか検討をしているところです。ただ、このPDSAが、実際問題として、「誰が」「いつ」「どれだけの労力をかけて」検討するのかがまだ解決されていません。実際にやれる時間というと夏休みです。そうすると年度の中間ですから、そこでどんな意見が出ても、それを後期に反映することができませんし、次の年にというのも今度は、それを準備する時間はありません。4月始業、3月修了の日本の学事日程の中でPDSA実施となると、時間と労力からしても実際厳しいというのも私の個人的な意見です。
ちなみに、CでなくSを使っているのは、Cはチェックですから、極端な話、PマイナスDということになります。したがって、その差をAでやるということに対して、どうして差が出たのか、それはPに問題があったのか、実施体制に問題があったのか、深く立ち入って調査をするという意味で、玉川ではS、スタディーという文言を使用しています。これはASQというアメリカの品質保証の会の教育部門でも使われている標語ということで、我々もPDCAからPDSAという表現に切り替えたところです。
最後になりますが、教職センター、教師教育リサーチセンターの位置付けとは、図のようになっております。学長の直轄と同時に、学部、大学院とは一応、横並びになっております。これで問題がないわけではありません。というのは、やはりまだ日本の大学の伝統的な考えの中に教員がトップで、職員はその下という観点がありますから、このように横並びにすると、何で教員がリサーチセンター職員の言うことを聞かなければいけないのだという学内の力のバランスの問題というのが現にあります。このような位置付けであったとしても、必ずしもスムーズに回転しているとは言えないのも現状です。今後、これを少しずつ直していって、教員は実際の教育を担当し、教職リサーチセンターは、それに必要な支援活動、あるいは情報提供といった役割分担ができるような体制を考えているところです。
これが玉川の現状ということで、また何かございましたら、この後の質問でお答えさせていただきます。どうもありがとうございました。

【山口主査】 小原先生、大変ありがとうございました。
それでは、続きまして岡山大学の高旗先生から御説明をお願いいたします。

【高旗岡山大学教師教育開発センター副センター長】 岡山大学の高旗です。貴重な機会を頂き、ありがとうございます。今から我々のセンターの取組を御紹介します。論点例を頂いておりましたので、それに従ってまとめましたが、その手前で我々のセンターがどういう経緯で発足し、そして現状どうあるかをお話しする必要があると思いましたので、これをゼロ番としてお話します。
我々のセンターは、同じ敷地に全ての課程認定学部がございまして、そこに教員養成を主とする教育学部・教育学研究科があるという地の利を生かした国立大学のセンターだと捉えていただくと良いと思っています。そういう点で、教育学部や教育学研究科の教員養成教育に係る知見を全学展開するセンターとしてでき上がっております。平成21年度に文科省の大学教育推進GPに採択されました。本学は七つの課程認定学部と三つの研究科で教員免許を出しているわけですが、センター設置以前は様々な課題がございました。養成する教員像が不明確ですとか、実践的指導力の育成が不十分ですとか、あるいは各課程認定学部の先生方、事務の方も含めて教職課程への認識が不十分ですとか、教職への就職支援が不十分ですとか、こうした課題が山積しておりました。
その課題解決のためには全学的組織体制の整備が不可欠であろうということで、いただいた予算に基づきながらセンターを設立し、翌年の2010年の4月に発足したということです。母体となりましたのは、教育学部の附属教育実践総合センターです。したがいまして、全学から何かポストをもらったわけではなく、ある意味では教育学部が自前で全学組織を作ったことになります。内容的には、本学の教職課程のミッションを明確にし、カリキュラムの体系整備を行うことに取り組んだわけです。折しも教職実践演習が必修化されるタイミングでありました。つまり、それは単に教職課程の授業科目を取っていけば自動的に教員免許が出るという、ある種の「履修主義」から、「取得しようとする教員免許にふさわしい力を身に付けたか?」という質保証にしっかり取り組んでいく、そういう「修得主義」に舵を切ったと捉えました。
当時も「将来的にアクレディテーションという言葉が来るであろう」ということを想定しておりましたので、それに対応できる全学組織として作っていこうとした経緯がございます。内容的に申しますと、やはりFDとSDを充実させるということに尽きるわけです。ただ、それは「各課程認定学部の教員養成にかかる負担をセンターが肩代わりしましょう、ということではない」ということは明確にしました。どちらかと言えば、教職課程に対する各課程認定学部の主体性を引き出していくということに尽きる、ということです。とりわけ、「教科に関する科目」を各課程認定学部は持っており、それが中心なのですが、その専門性が教職課程全体の成熟や充実につながるような、そういうセンターでありたいと考えておりました。
そうなるためには、やはりデータに基づいて議論することが必要だろうということで、センターはそういう意味での課題発見や原案作成機能を担うことになるということです。
現状のセンターの組織体制ですが、先ほど申し上げましたように教育学部との緊密な連携がございます。教育学部長がセンター長を兼務し、センター運営委員会の構成も教育学部から複数の教員が出る形をとっております。事務体制も大変充実しておりまして、主査を1、常勤の事務職員を1、非常勤3を充てていただいております。このような状況の中で、いわば教育学部が持っている教員養成教育のノウハウ、あるいは知見というものを全学展開する出城であると我々は自分たちを位置付けております。
四つの部門がございまして、そこに1から4までお示ししている部門と、それから、スタッフですけれども、前身の附属教育実践総合センターを全学展開しておりますので、専任は教授が2、准教授が2です。この准教授2のうちの1は岡山県教委との人事派遣交流協定に基づく3年の期限付きで入れ替わる形をとっていて、あとは、県、市の教育会で貢献された、素晴らしい実績を持っておられる先生方を特任という形でお招きしております。それぞれ部門がどういう仕事に取り組んでいるかについては、そこにお示ししているとおりでございます。教師教育開発部門が教職課程のカリキュラムに関わる中心的な役割を担っております。教職支援部門は、教職への就職支援に手厚く取り組んでおります。コラボレーション部門は体験活動、ボランティア活動などを県、市と共同して連携、実施していくことを中心にしております。センターができた翌年にCSTの関係がございまして、これが独立した部門として配置されました。この四つの部門体制で進めてきております。
取得可能な教員免許状につきましては、本来学部ごとに示すべきでしたけれども、開放制のものを挙げております。うちの規模であれば、もう少し教職課程の履修者がいてもいいのではないかと思われるかもしれないのですが、同一学年で履修者数がどう推移するかを見ますと、近年ですと1年次の説明会をしたときに、これは入学当初に行いますが、230名、1年次の教職課程の必修プログラムで「母校訪問」というのを用意しておりますが、ここで150名になります。2年次は割にそれが継続するのですが、いよいよ実習が近づいてくる段になって、あるいは就職活動が本格的になる段になって、3年次の初めに教育実習のエントリーをしますので、そこでエントリーしたものは、ほぼ4年次の教職実践演習まで行くということで、大体100名規模と御理解頂ければいいかと思います。
教員採用試験の受験状況、これも後ほど詳しくグラフで確認いたしますが、大体、免許状取得希望者の30%から40%が、開放制の方に限ってですけれども、教員採用試験を受験いたします。その内訳を更に見ますと、岡山が大体4割、兵庫が2割、それを除く中国地方が1割という比率になっています。受講者の9割は高校免許取得希望者です。ですから、開放制から中免を出していくことは、免許法が変わって特に今後はしんどくなると思いますので、履修者がいるかなという心配をしております。開放制に軸足を置きながら中学校教員を輩出するというのは、うちの場合はしんどいのかなと思ったりもしております。
教員就職者ですが、現役で2次を突破していく学生は、大体、学部生と院生を合わせて例年20名程度にとどまっています。そこに臨時的任用を加えれば大体例年50名前後の中等教育教員を輩出しているのが本学の開放制教職課程でございます。
以下、論点の枠組に沿ってお話をしてまいります。これは全学の教職課程を実施する体制です。七つの課程認定学部がございまして、そこからお1人ずつ委員を拠出していただいています。この委員は、それぞれの学部の副学部長クラスであったり、教務員長クラスであったり、あるいはFDの委員長を務めておいでの先生が兼務の形で出てこられます。一方、教育学研究科、教育学部の方からも、それから、センターの方からも当然、委員が出てまいりまして、真ん中のオレンジ色のところの全学教職課程運営委員会を構成しております。委員長はセンター長、すなわち教育学部長が兼務をいたしまして、月1回、夏休みを除いて年間11回開催しております。
先ほどもお話ししましたように、開放制教職課程を動かしていくに当たっての様々な課題発見や原案作成機能をセンターが担い、それを審議、議決していくというのがこの「全学教職課程運営委員会」になります。
こちらが大雑把なカリキュラムマップです。この赤い帯のところ、ここを我々、全学教職コアカリキュラムと呼んでおりまして、教育実習系のカリキュラムを並べております。あとの枠組は免許法に従った書きぶりで整理をしておりますが、ブルーの色をつけておりますところをセンターの教員が担い、オレンジを教育学部の教員が担っております。緑の教職実践演習に関しては、これは本当にありがたいことに各課程認定学部の先生方とセンターの教員とのTTが、部分的ですけれども実現しております。
本学の教職課程、特に開放制教職課程のミッションは、「課程認定学部の専門教育が支える、優れた研究的実践力を有する中等教育教員の輩出」です。どうしても「教職、教職!」といいますと、各課程認定学部の専門教育と対立するように受けとめられがちになるのが、一般的な傾向だと思うのですが、うちは絶対そうはしないという決意表明でもあります。つまり、課程認定学部の専門教育があってこその中等教育教員の輩出なのだというスタンスです。先ほどのコアカリの方、教職課程のコアカリキュラムを下から順に上に上がる形で、大きく第1期、第2期、第3期に分け、折々に「教職実践ポートフォリオ」という、本学が独自に作っている教材に基づいた自己課題の確認を積み上げていくスタイルをとっています。
その特色をもう少し詳しくお話しいたします。まず、1年次のプログラムの充実を図っております。入学時に教職課程履修説明会を120分の1回物ですけれども行っています。1年次から教職科目がありますので、履修登録をミスらせないということも含めて開催しています。それから、新入生対象の全学教職オリエンテーションを5月に120分のものを2回物で実施します。その中身ですが、9月に1日間、出身高校へ返しまして、授業観察と、それから、恩師へのインタビューをしてレポートを提出させることをしております。母校との交渉も自分たちで、電話で連絡をしなさいという形をとっておりまして、その事前指導的なことをこのオリエンテーションで行っております。少し抜けておりますけれども、この3、母校訪問の後に実は4というのがありまして、母校訪問へ行った後のアフターフォロー、すなわち「母校訪問事後指導」も行っております。
それから、本学の教職課程では一貫性と系統性を重視しております。積み上げ方式で、前の学年のものがとれないと次へ上がれない仕組みです。ただ、そうしますと、実は学生は本気で将来の進路を考えるのは大体3年生です。そうなりましたときに、3年次以降で教職を目指し始めた学生を初めから排除することになってしまう。しかしながら、3年次以降に教職を目指し始めた学生は、ある意味で言うと本気の学生さんたちですので、それをいかにしっかり巻き込んでいくかということで、面接指導や特別履修許可のような形をとっています。それはもう一つは現実的な理由もありまして、理学部等では3年次編入の学生さんが非常に多うございます。そうした学生さんたちの中には、教員免許を取ることを目指している学生さんも相当数おられます。そういう学生さんをしっかり追いつかせる仕組みも用意しているということです。はしょりますが、「教材をいろいろ作って用意しています」ということが次に書いてあります。
続いて内部質保証の取組です。ラーニング・アウトカムという形になるかどうか、いろいろご意見はおありかと思いますけれども、ここに大体A4で3枚物を我々のセンターのアニュアルレポートといいますか、この1年、教職課程がどうだったかということを検証するデータを毎年整理をしています。授業終わりごとに教職に向かう自己課題の発見や省察ですとか、あるいは教職志向がどう変化しているかということを意識調査で検証するというのもありますし、卒業間際に採用試験の受験動向や進路状況調査を行ったりもします。また、教職課程を履修している学生さんのGPAがどうであるかという検討も行いながら、「各課程認定学部にとって教職課程履修者を抱えるということがどういう意味を持っているか?」ということを把握したりもしております。
これが一つの数字です。過去3年について、それぞれ教員免許を何名が取得され、そのうち教員採用試験を何人が受験し、そして現役で2次試験を突破した方が何人いるかということを数字で示しています。決して良い数字ではないのですけれども、現役の2次の合格というのは、高校受験、高校の免許を取って高校を受験する方が多いものですから、開放制の場合はどうしても低くなる部分があります。これを過去10年に遡って確認をしますと、更新講習が始まって以降、教員免許状の取得者はガタッと落ちます。それから、センターが発足したのがここです。ずっとフラットに行くのですが、教職実践演習が始まりますとまたガタッと落ちまして、ここが、センターが設立した最初の学年ですので、ひょっとしたら教職実践演習が始まったということよりも、センターができて厳しくしたつもりはないのですけれども、丁寧にしただけのつもりなのですが、減っておりました。
その後、少し増えるのですけれども、ここ最近、民間への就職が好調であることや、本学が「60分クォーター制」をはじめたりしたものですから、そのこともあって少し減っているのですが、幸い、現役の2次合格者の実数は割とフラットに推移しているのです。ここに非常勤での採用等を含めますと、例年四、五十の中等教育教員を輩出しているということなんです。
これがGPAでして、教職課程を履修しておられる学生さんは、この青です。3.0以上の学生さんがかなりの比率を占めるんですね。つまり、各課程認定学部にとっても、教員免許を出すということが、それなりのまじめな良い学生さんを集める装置として機能していると言えるのではなかろうかということを、各課程認定学部にお伝えしたりしています。
以上のようなことをFD・SD研修として実施しております。FD・SD研修は、基本的に各学部の要望に応じて実施します。30分から1時間で、教授会の前後にしております。SDはこれとは別に全学対象に実施しているのですが、主には教師教育開発部門に所属している私たちが行います。センターが発足して10年ですけれども、文学部、理学部は履修者も多いこともあって、毎年実施してくれというお声がかかります。一方、工学部、環境理工、農学部が次いで多いのですけれども、こちらについては、結果的に大体隔年で開催しております。内容的には先ほどここでお話ししたようなことでございます。
教員免許制度の概要をお伝えしたり、最近ですと新免許法になりましたので、その趣旨や変更点をお伝えしたり、あるいはそもそも意識改革ということがございますので、「先生方は、実は教員養成も担っておられるんですよ」ということを分かっていただく。そのためには、御担当頂いている科目が教員免許を取るために必要な科目であって、そのための教科専門科目、担当教員であるんですよ、というようなことを認識していただいたり、あるいは学部ごとに免許取得状況や受験動向がどうであるかということをお伝えする。最近ですと教員育成指標の問題ですとか、あるいは日本学術会議による分野別質保証のために、それぞれの学問分野で教員養成に触れていたりすることもありますので、それを御紹介したりすることも進めております。
こういったことを地道に重ねてきた成果としては、しようもないことかもしれませんけれども、全学共通のシラバスに「教職課程該当科目」という欄を置いていただくことができまして、その中に対応する免許教科・校種を明示していただくことができました。それから、各課程認定学部が学生向けに配布しております学生便覧のなかの、「教員免許状取得の方法」に関するページフォーマットを統一したりとか、そういうことができました。ただ、残念ながら、玉川大学さんのように、シラバスチェックというところまでは、我々、十分にできておりません。そこは課題かなと思っております。次のスライドは、ただのイメージ図ですけれども、こんな様子で研修をしているということでございます。
続いて第三者評価、学外者による評価ということですが、先ほどの玉川大学さんと同様に、我々も東京学芸大学の教員養成教育認定評価に参画しました。国立大学が中心で作ったというご意見もあるのですが、であるがゆえに、まず開放制の学部にとってどう見えるのか?ということをしっかり検証する必要があると判断しまして、先に本学の文学部、理学部に受けてもらいました。その際、やはり単独で自己評価書を作るのは困難でしたので、センターと共同で作る形をとりました。ありがたいことに非常に高い評価を頂くことができたわけですが、そこからいろいろな課題も見えてまいりました。その課題について細かくお伝えすることは難しいのですが、一般論として、では、センターってどういう役割を果たすべきなのかということを次のスライドで見ていただきます。センターの役割は、やはり教員養成教育のカリキュラム管理・運営とFD・SDであったり、あるいはコアカリキュラムのコーディネートであったり、キャリア支援であったりすると思います。
同時に、認定評価を受審した結果、どういう課題を我々が感じたかというと、やはり課程認定学部の専門教育の視点から、その教職課程の特色や課題を明らかにし得なかったということです。どうしてもセンターと共同で取り組み、センターが中心で自己評価書を書きましたので、どうしても「教職に関する科目」の視点からの自己評価に偏りがちになったということです。その結果、逆に各課程認定学部の主体性や自律性を見えにくくしてしまったということです。一般学部が教職に特化した自己分析を行う際には、それなりの用意を事前にしておく必要もあって、そこをフォローアップしていくことがセンターの役割だなとも思いました。あと、成果としては、そこにお示しした三つのことです。こういうことが大事かなということです。
最後に認定後の質保証・向上の在り方ですが、これまで取り組んできたことを今後も継続していくことは当然なのですけれども、やはり次にセンターが見なければいけないところは、養成教育と現職教育とをつなぐということかと思っております。今、実は若手教員の授業力向上支援事業にセンターとして取り組んでおります。県教委と共催の形で、県教委が進めております校内OJTチームを活用していくということ、それを若手の授業力向上へ繋げながら進めています。結局、それは我々にとりましてはアフターケアなんですね。アフターケアとしての若手教員の授業力向上支援につないでいくということ、そこに育成指標も絡んでいくことが大事かなと。既にこの取組自体は、それこそ文科省から頂いた予算で平成25年度から進めてきておりまして、現在は県北を中心に校内OJTチームを活用した若手教員の授業力向上支援事業を展開しております。
済みません、時間を長くとってしまいました。最後のスライドには、URLで得られる資料を挙げておきました。そちらも併せてご覧頂ければと思います。御清聴頂きありがとうございました。

【山口主査】 高旗先生、ありがとうございました。
それでは、御発表、全て終わりましたので、これから議論に移りますが、先ほどもありました事務局で整理頂いた論点例、それが資料5にございます。それを参考にしながら、今、御発表頂きました早田先生、小原先生、高旗先生からの御説明についての御質問も含めまして、御意見がありましたらよろしくお願いいたします。どなたからでも結構ですので、よろしくお願いします。いかがでしょうか。佐古先生。

【佐古委員】 ありがとうございました。3人の先生方から貴重な報告を聞かせていただきまして、大変参考になりました。3人の先生方の報告で強く感じましたのは、大学教育において教職課程をしっかり位置づけることが、教職課程の質保証の何よりの前提ではないかということでした。あえて言いますと、教職課程というのは、これまで免許を取るための付加的な教育というように認識されていたところもあったのではないかと思いますけれども、今回の報告をお聞きしていますと、修得主義という言葉も使われましたように、免許を取るための教育から、大学で教師を育てるための教育という形にしっかりと位置付けて、全学的に取り組むことの重要性を示していただいたように思います。教職課程を、免許を取得するための付加的な教育ではなく、大学で責任を持って教師を育てるための教育であることを確認しておかなければならないということを感じました。
それで、特に高旗先生にお聞きしたいのですけれども、岡山大学のセンターの先進的といいますか、しっかりとした取組をお聞きしたのですけれども、一つは教育学部と他学部の教員養成の関係はどうなっているのかが、気になりました。教育学部でも恐らく中等教育の免許を出しておられると思いますけれども、その部分と専門学部で出す中等教員の免許の教職課程ということの区分というか、位置付けといいますか、もう少しはっきり言うと、教育学部の教科専門の先生方はどんなふうに動いておられるのかということが気になりましたので、教えていただきたい。
それから、これはもう1点、これは全体に関わることなのですけれども、今の話と多少関連するのですが、教科の専門というものを教職課程の中で体系的に位置付けて運用するというときに、恐らく今日のお話のようなセンター的な、あるいはそういう全学的な組織が必要だということは分かったように思うのですが、教科の専門科目を教職課程の体系の中に位置付ける場合、そのセンターが果たさなければならない役割と権限はどうあるべきか、という点です。具体的には、専門学部の教科の専門科目に関して、教職課程の科目としては不十分であるという場合もあるかと思いますが、そのような場合、センターの果たすべき役割やそのための体制や権限はどうあるべきか、その点については何かお考えがありましたらお聞きしたいと思っています。

【山口主査】 ありがとうございました。
では、まず高旗先生から、教育学部と他学部との関連といいますか、その辺についてお知らせを。

【高旗岡山大学教師教育開発センター副センター長】 御質問頂き、ありがとうございました。まず、教育学部のすみ分けということですけれども、先ほどプレゼンの中でもお話ししましたように学生の志向性がまず全然違うということですね。うちの場合、開放制の方は明らかに高校教員への志向性が非常に高いということです。これはもうはっきりしている。
それから、教科専門の教員の、その前に教科の指導法について言いますと、先ほど言いました、うちは教育学部のノウハウを全学展開しておりますので、開放制の学生さん向けの指導法の授業科目は、クラスを分けて教育学部の教員が全部担っております。そういう点で理科が大変なんです。実験等もありますので開講数も増えてしまいますので、そういう点で教育学部の教員、教育学部の先生方が開放制の中等の教育法の授業を持ってくださっている実態があります。だから、免許法が変わってそれが増えたというのは、実はうちのところ、ものすごく大事(おおごと)だったりするわけです。
もう一つ、では、教科専門の先生方、教育学部におられる教科専門の先生方が開放制にどうかということで申し上げますと、そこは明確に授業担当者としてはありません。教科専門の科目については、基本的に各課程認定学部の先生が開いてくださっています。なのですが、では、そこで本当にそれぞれの教科専門の中身が、特に一般的、包括的なもので、教職に振った中身にしていただいているかどうか、してくださいというお願いをこの10年、FD研修等の機会を通じてお願いしています。例えば社会学の概論などで御自分がいくらジェンダーの専門家だからといって、15回全部をジェンダーでしてはいけないんですよ、というような、そういうところからお話をするわけですけれども、その点についてはかなり理解をしていただいていると思います。ただ、先ほど申しましたように、シラバスチェックは十分できておりません。こういう点での質がどうかというところは、今後の大きな課題かと思っております。
もう一つは、私、教職実践演習を通じて開放制の先生方とTTをさせていただくことが多いので、特にこのように思うのかもしれないのですが、各課程認定学部の先生だからこそ、むしろ、学習指導要領ですとか、高校は何を教えているのかということについては、それぞれ入試問題を作る仕事をなさっていたりする方もいらっしゃるので、実はものすごく関心をお持ちであったり、御自分で調べておられたりというケースが、実はかなりあるんですね。教職実践演習では学生が活動したり発表したりすることに対して、それぞれコメントするわけですが、各課程認定学部の先生方の方が、教職系の我々よりも厳しいことを言うこともあったりして、そういう点では、言葉は適切かどうか分かりませんけれども、侮るべからずといいますか、そういう側面もあるなと。
ですから、各課程認定学部で教職課程を大事に思っていただく雰囲気を作ることと、我々が仲良くするということと、そのことによって良いものが引き出せる関わりができればなというところで動いている実態があります。そういう良好な関係を築いていくことが我々の仕事かと思って動いています。

【山口主査】 ありがとうございました。
今のことと若干絡むと思うのですが、2番目の御質問でセンターの権限といいますか、センター、全学的な立ち位置と各部局といいますか、そこのフリクションが必ずあるのではないか、そのときにセンターはどこまで強く出られるかというようなことかと私は認識したのですが、まずは高旗先生からお願いして、小原先生、その後、お答え頂けますか。

【高旗岡山大学教師教育開発センター副センター長】 制度的なところで権限というふうになると、少し私もよく分からないなというところが正直あります。先ほど申し上げましたように、うちの場合はシラバスの中に教職課程該当科目という欄を作っていただいたということ自体がすごくありがたいことだなと、そういう御理解を頂くような状況を作ってきたなとは思いますけれども、そこから更に踏み込んで質を上げていくためにいろいろなことはしなければいけないだろうとは思うのですけれども、今のところは、そういう形で協力頂いているというところで、今後、更にそれをどういうふうに踏み込んでいくかということは、当然、考えなければいけないかなと思います。ごめんなさい、十分なことが言えなくて。

【山口主査】 ありがとうございます。
では、小原先生、お願いします。

【小原玉川大学学長】 専門科目も含めて、科目のオーナーシップの問題があります。学科か、それとも中学校、高等学校のものなのか。例えば、大学の先生の言う専門と中高で求められる専門性とでは、内容とレベルが違います。そこに今まで誤解があったのではないかなということから、できるだけ玉川としては現場が求める専門性というものを前面に出して、それを教職センターにいる現場から来た先生方を中心にチェックして、できるだけ内容が教員養成、現場に即した内容にするようにしています。
というのは、私も小中高の学校長でもありますが、採用時に悩むのは、大学での専門性というのが余りにも高等学校、あるいは中学校から離れてしまっていて、教員として適しているのかどうか、判断が非常に難しいということです。我々現場が求めているのは、小学校、中学学校、高等学校のレベルで言う専門性であって、決して大学の先生が求める専門性でないということをはっきりさせて、それを教員養成の方でも反映させて、できるだけセンターの方でシラバスまでチェックする。それが嫌ならば外れていただいて、それを担当してくれる先生に置き換えるということを心がけています。

【山口主査】 ありがとうございます。ということは、一番大きいのはシラバスチェックになりますか。そこで。

【小原玉川大学学長】 そこにセンターが果たす役割というのは大きくなってきております。

【山口主査】 はい。ありがとうございました。
ほかにございますか。御質問でも御意見でも。大森先生。

【大森委員】 ありがとうございました。玉川大学の小原先生に御質問申し上げたいのですけれども、2点ありまして、1点目は、今、高等教育で求められている教学マネジメントの観点と、この教職課程というのですごくお取組をお聞きして、例えば全学部の、例えば国語教育学科とか英語教育学科って、いわゆる教員養成を主たる目的とする学科に近いものを文学部の中にお作りになって、そこで集中するのだという、だから、ある意味、開放ではない方に向かわれるのが一部と、それから、芸術系とかは既存の学部でされている。
そういう中で、教職課程、科目、全科目が卒業単位に含まれていくといったときに、そのキャップ制であるとか、それから、今後のディプロマを達成するためのカリキュラムというのはどんどん圧縮していって、より深みを持たせていくという方向に行くのだろうと思う中で、学部の達成目標と、その教職の例えば専門も卒業単位に入ったときに、多分、五十何単位とかを取らなきゃいけない、128におけるインパクトってすごく大きい。そこの学部の中でのコンフリクトというか、あるいはディプロマ達成と教職課程の関係性をどういうふうに納得したというか、整合性というか、されたのか。これは学生にとってはすごくうれしいことではあると思うんです。教員を目指す学生にとってはですね。そこのところをお聞かせ頂けたらありがたいなというのが一つ。
それから、この委員会でも科目の共通開講みたいなことをずっと議論してきているわけなのですけれども、先ほど少し触れられた教職に関する科目は全学で共通で開講していますという表現をされたと思うのですけれども、学部が違ったり、その学科が違った場合に、例えば初等と中等とかでは、それぞれ別々に開講しなければいけないことに多分なっていると思うのですけれども、そこら辺のことをどういう仕組みでされているのかという理念的なところが1点と技術的なところが1点、2点お尋ねいたします。

【小原玉川大学学長】 従来の教員養成からすると、学科128単位に加えて別に66単位という合計200単位は、学長の立場からすると、「ついでに」免許を取っているとも言えます。中には本当に教職をやりたくてではなくて、免許を持っていると何かとプラスアルファの恩恵があるという、中途半端に見えます。それならば教職免許を取るかそうでないか、入学のときにはっきりさせようということでディプロマポリシーもある意味二つ用意せざるを得なくなってきております。英語教育学科、国語教育学科は、ディプロマポリシー一つで行くべきですが、それだけでは定員充足に至らない不安もありゼロ免の科目を用意してあります。教員養成の場合のディプロマポリシー、カリキュラムポリシーとゼロ免の場合は違うということで、二つ立てております。それを選ぶのは学生です。
もう一つ、共通科目、教職は中学校、高等学校、それぞれ共通する科目であれば学科を問わず取れるようにしているのは、これは単純にコストの問題です。国立大学のように潤沢にお金が使えるわけではありませんので、限られた予算の中で学科が抱え切れない部分が教職科目であれば、教育学部で提供している共通科目を履修することにしています。本来ならば各学科で全部そろえなければいけないのですが、そこには経営と教学とを両立させる難しい問題があります。共通の科目であれば学科を問わず履修してもらうことによって、それぞれの学科、教科に関する専門の教員を増やすことも可能になるという実務的な考えがあります。

【山口主査】 よろしいですか。ありがとうございました。
ほかにございますか。ほかの件でも。本図先生、お願いします。

【本図委員】 御報告、どうもありがとうございました。早田先生にお尋ねしたいのですが、今回の御報告の背景のところで、聞き逃していたら大変恐縮なのですけれども、文科省からの委託調査ということだったとは思うのですが、協会の方でそもそも課題意識があったり、評価者の方々から問題意識が出ていたりというようなことはあったのでしょうか。

【早田中央大学理工学部教授】 端的に申しますと、ございませんでした。ただ、実は私、大学基準協会に20年いて仕事をしていたのですけれども、認証評価の前に第三者評価の努力義務化がございまして、あの頃から基準協会の評価というのは変わっていくわけですよね。大学に現状を説明していただいて、それを分析してもらって、そして分析結果で自身が良いところ、課題を示して、そして将来展望を提示するという形の自己評価書を作ってもらうことにしたのですが、それ以前は基準協会が指定した項目について、主として数値を示してもらう。そして、説明は全て注記してもらうという、そういう形だったんです。
それに対して国の設置基準を中心とする国の法令と、それから、基準協会自身が向上基準というのを文書で明確化したものも持っていました。それとの関係で、そのそれぞれの項目ごとにどの程度満たしているか、数値基準に整合しない管理・運営組織についても基準協会の方で、こういう管理・運営体制を敷いていれば、これは良好ですよというようなことで段階別にそういうものを、数値とは言いませんけれども、そういうように定量的に評価するものを持っていて、それだけでやっていたんですね。そのときに、実は各大学、多くの大学が教職課程についてもデータを出してきていただいていたんですね。
それと同時に基準協会は、いわゆるかつての一般教育、これについてもデータを出していただいていたのですが、基準協会としては専門教育と、それから、旧一般教育は設置基準等を踏まえて判定を行っていました。それから、基準協会はもともと成立の経緯が、いわゆる教養教育の充実を図ろうというところから出発したので、そこのところは見ていたのですが、教職課程については、実はデータは出してもらうけれども、それを特に見ていくという状況にはなっていなかったんですね。ですから、データの蓄積自体はあったのですけれども、それを見る体制というのはなかった。
ただし、例外的な事象として、設置基準を満たしているかどうか微妙なところで、基準協会の中で協議して、この教職課程の専任教員として出されている、この人数をどう読むかというようなことで検討をしていた。年に数件だと思いますけれども、そういうことはございますけれども、その中身について見るという過去の経験もございませんでしたし、今回の文部科学省さんの調査を受けるに当たっても、特にそれについての問題意識というのはなかったと思います。ただし、私、もう基準協会から離れていますけれども、基準協会の方々の間では、そうした専門職大学、教職大学院制度ができる、そういう前後の段階で、どこまでそういう専門職大学院の学位課程の認証評価に踏み込むかということについては、議論はなされていたはずで、そのことは聞いてはいますけれども、特にこの学部段階の教職課程の質保証についての議論というのはなかったというように私は承知しております。

【本図委員】 ありがとうございました。その上でなのですが、是非、小原先生にお尋ねしたいのですけれども、学芸大の試行の方に御参加された上で、先ほど先生から私学としてはちょっと不利になるかなというお話がありまして、差し障りのない範囲で、こういう点が不利になって、やはり私学としては、私学の頑張りを評価してもらうのだったら、私学教協だということなのだと思うのですが、その質という面では、どういう点が私学にとって、私学の頑張られようを評価できない国立目線の評価なのでしょうか。

【小原玉川大学学長】 それに関して、私が聞いた範囲では、例えば教員の数です。この面で開放制と教員養成系とを等しく評価すると、開放制が若干不利に評価される嫌いがあるのです。つまり、ベンチマークが教員養成系になってくると、ゼロ免の学生も含めた開放制の場合ですと、ほかの教員も用意しなければいけない。それを全部経営していかなければいけないとなると、どこかで妥協しなければいけない面が出てきます。ベンチマークを、教員養成系とすると、開放制はより良い評価は得られないというリスクがあります。
それから、そのためのコストです。私学の場合、コストを無視できない。どこかで妥協しなければなりません。一つが教員数です。あるいは科目の数、選択科目の多少になってきます。本来ならば、教員養成ですから、共通の質の尺度で測るべきだと私は考えております。というのは、特に採用する側からすると、同じAでも、国立と私学とで違うAだと、それぞれのAの違いは何なのかという、採用側が決めなければいけないという不便さはあります。ですから、採用側からすると1本の尺度でやるべきだろうというのが私の考えです。ただ、それが耐えられる私学と必ずしもそうでない私学があったときに、玉川が耐えられたから、では、ほかの私学もというと、今度、場合によっては他の私学は、「玉川余計なことをするなよ」と言わざるを得ないのが出てくるリスクもあります。
私学の立場としては、自分たちだけではなくて、他の大学のことも踏まえやはり2本の尺度にならざるを得ないのかなという気もしないでもありません。ですから、本来は1本ですけれども、いろいろ私学の事情を考えると2本かな。他には経費の面で、各大学評価疲れを来しています。大学の認証評価の中に教員養成を組み込まれていると、7年に1回の審査で済みます。用意するのは、膨大なコストがかかります。できれば大学全体の中でやれればいいかなというのが私たちの望みでもあります。

【山口主査】 どうもありがとうございました。
今の最後の御発言は、前回のこの場での議論の中心の一つであったわけですね。つまり、内部質保証と第三者評価、あるいは法律で決まっている、機関別認証評価と第三者評価の関係、この辺をどう整理していくかというのは一番大きなポイントだろうという話では皆さん共通認識を得ているとは思っています。関連してでもほかでも結構ですが、何かありますか。ほかに。では、安部先生。

【安部委員】 皆様方、先進的な取組につきまして、詳細な御報告ありがとうございました。玉川大学の小原先生にお聞きしたいのですけれども、教師教育リサーチセンターのセンター長が職員でいらっしゃるというお話でしたけれども、マネジメント等する場合に、その職員の活躍が必要だと思うんですね。それで、教師教育に関するその職員の方の専門性や経歴等々がどういうものなのかということをお聞きしたいと思います。併せて、このセンターが教師教育のPDSAサイクルを回すためにスタディーということを主な機能に置いていらっしゃるという御説明もございましたので、センターの中で職員が長であるということ、そしてセンターの長をはじめとしてのスタッフのありようというのを教えていただければと思います。

【小原玉川大学学長】 従来、玉川も経理部長、総務部長、人事部長、学生センター長、全て「長」と付くものは教授がやっていました。しかし、授業をしなければいけない、研究日もありますから、いざというときに長がいないことが多々ありました。そうすると業務も止まってしまいます。9時-5時で仕事をしてもらえる人ということで、各部署の長は教授ではなくて内部から引き上げてきました。当然、今のセンター長も他から落下傘ではなく、今まで係長、課長そして次長からずっと上がってきております。カリキュラムのチェックは、彼が行うのではなくて、センターにいる現職上がりの先生方もいますし、それから、教職課程委員会で教員養成を担当している教員もいますので、それをコーディネートしながら各シラバスチェックが行われるようになっています。
単純に、こう言っては何ですけれども、人件費の問題もあって、教員をあっちこっちに配属するというのは非常に難しいし、また、いわゆる働き方改革で先生方の時間もいろいろ制約を受けるようになってきております。教育は教員、支援部門は職員できちっと分けていこうということです。

【安部委員】 ありがとうございました。

【山口主査】 ありがとうございました。
ほかにございますか。お願いします。

【酒井委員】 ありがとうございます。早田先生にこの調査のこと、少し基礎的なことについてお伺いしたいのですけれども、今回、全学的に教職課程を実施する体制ということで、それで調査によりますと、センターの設置が私学は4割ぐらいあるのですが、国立が少し低い、26.5%ということなのですけれども、これがどうしてなのかなというのが、お聞きしたかったのですが、国立の中には、多分、御回答頂いた中に、いわゆる単科の教員養成系の大学があると思うのですけれども、そういうところは、もしかしたらセンターは必要ないというところもあるかなと思いまして、どういう御見解といいますか、センター設置が国立が低かったというところについて少し御意見を頂ければ。要するに大学によって随分状況が違う、この全学的な措置を設置する必要のある大学とない大学があるのではないかというのは少しありまして、それでお伺いしたいというのが1点です。

【早田中央大学理工学部教授】 その理由、原因まで私たち調べてはないのですけれども、今、先生がおっしゃられたような理由だというように思います。国立も確かに低いのですが、公立が……。

【酒井委員】 そう。公立が低いですよね。

【早田中央大学理工学部教授】 ええ。公立の場合は全体的に、積極的に回答がされていないというか、教職課程ってそれほど重視されていないんですね。一見、地域との連携ということで熱心なようですけれども、そうではないということ。それからあと、国立について、これは恐らく言えることは、規模の大小はあまり関係がないような気はします。

【酒井委員】 そうですか。

【早田中央大学理工学部教授】 実は円グラフで示したところで、要するにいいスタッフを集めることができない、困難性のところで、国立大学の旧帝大の有力な一角を占めている大学なのですが、そこは教職課程のセンターはございません。理由は、それが全てではないと思うのですが、最近の国立大学に対する支援、財政的な支援が削られている中で、教職課程の質保証というのは非常に大切だというように思っているけれども、それができない。どうしても配分されたお金というのは理系重視の方に行ってしまうので、作りたくてもなかなか作れないのだということと、それからもう一つは、センターを作るという、そのモチベーションの高い人たちが、これは大きな国立大学、それから、伝統的な私立がそうなのですけれども、要するに職員の方、3年とか5年でどんどん代わっていかれるんですね。ということで、なかなかセンターを作ろうという機運が生まれない、そういうこともあるのではないかと思っています。

【酒井委員】 ありがとうございます。もう一つ。

【山口主査】 どうぞ。

【酒井委員】 今の御説明も踏まえて、これは感想みたいなことなのですが、やはり内部質保証は、大学によって判断、質保証を充実させていこうという大学と、そこまでできない、今、先生がおっしゃったような様々な事情でそこまでできないという大学が多分分かれていく。要するに質保証を充実させていこうとすると、大学、選択を迫られるのではないかなという気がいたしまして、要するに教職を一つのこの経営の柱として考えていこうという大学、それから、それはやはりある部分、あくまで付加的な部分として課程を置いているというみなしの大学、その後者の方はやはり、質保証をかなり強めていきますと、どうしても淘汰されていくというような、多分、ことになるだろうなと。
それから、学生の方も、岡山大学でどんどん学生がかなり限定的になっていくというのは、要するにその課程に本気で頑張る学生だけが残るということになっていく。そういう形のすみ分けが学生、大学全体との両方にあるのですけれども、そういうことを想定して内部質保証を強めていく、考えていくのが全体方向としていい部分もあるのですけれども、少しリスキーな部分もあるかなという気がいたしております。
以上です。

【山口主査】 ありがとうございました。
加治佐先生。

【加治佐委員】 どうもありがとうございました。大変勉強になりました。いろいろ考えさせられました。それで、今議論しているのは、教職課程を、もちろん開放制を含めてどう質保証するかということです。これまで出ていますように、自己点検・評価による内部質保証が当然中心なのですが、ただ、今日のお話を伺うと、岡山大学とか、あるいは玉川大学はちゃんとセンター的なものを作られて、いろいろ課題があったにしても、しっかりされているとは間違いなく言えると思うんですね。そういう大学は、むしろ、積極的に学芸大が始められた第三者的な評価も受けておられる。これはこれで大変結構だと思います。ただ、こういうことは今のお話にも関わるかもしれない、全ての大学がそういうことができるのか。
モデルなのですが、モデルとして汎用性を持つかというと、必ずしもそうも言えないということになると、早田先生、なかなか大学基準協会も認証評価の一環として教職課程をもっと細かく、詳しく評価する意欲というか、感じないですよね。といったときに現実的にどうすべきか考えなければいけないわけですよね。早田先生がおっしゃったのが、基準協会では、教職課程のデータも取っているんだと。それを公表して、教員養成評価機構の教員養成評価に見せたら何らかのことができるのではないかということをおっしゃったのですが、もう少しそこのところを現実的な可能性ということも含めてお話し頂けるとありがたいかなと思うのですが。

【早田中央大学理工学部教授】 基準協会として、教職課程の質保証に対して及び腰ということでもないのですが、ただ、今申し上げられることは、分野別評価にまでは関与することは相当難しいのではないかなという、こういうことなんですね。基準協会は現時点では、教職課程の教育活動等の公表義務に対応させて、果たしてその法令遵守というのがきちんとできているかということを認証評価の際にチェックする。それもただ公表されているかどうかのチェックだけではなくて、もう少し内部に入って実質的に公表しているというように理解されるものなのかどうかを見ているという、こういうことなんですね。現時点では、それ以上のことはしていないわけですけれども、しかしながら、仮に内部質保証に関わる自己点検・評価の努力義務化等も含めた法制化等がなされることになると、基準協会としても、教職課程の教育情報公表義務の中の質保証の仕組みをどう構築し、運用しているかというところについてもより明確かつ客観的に検証しやすくなる。
というのは、そうした一連の法制化に基づく内部質保証に関わる対応、各大学がどうされているかということが見やすくなるからと、こういうことなんですね。大学の中には、そういう状況になると、私たちのところは自己点検・評価の仕組みを持っています。そこでFD・SDもやっています。それは全学的な教職課程統括組織の中で運営していますということにとどまらずに、そのエヴィデンスとして実際にどういう自己点検・評価をやっているかということを内部質保証の活動の一環として、自己評価書に書き込んでくる大学が相当増えてくるだろう。これは現在ではなくて、そういう制度化がなされた後ということなんですね。その場合に教員養成評価機構さんは、そうした基準協会の機関別評価の部分に着目したい。基準協会だけではないかも分からないです。
機関別認証評価機関が、そういうところに着目して、そして教員養成評価機構さんとして、その中身を見ながら、あ、これはグッドプラクティスだと思えるようなところに対しては、先方の同意も得るのだと思うのですけれども、その中身の検証をさせてもらって、そしていい活動をされている場合は、それを積極的に機構さんとして公表していく。それによって全国の教職課程の質の向上の手助けをしたい。そういうような御提案を頂いていまして、それは機構さんが考えられることなのですけれども、基準協会としては、そういう法制化が仮に努力義務としてなされることになれば、各大学が自主的に内部質保証システムの実効性を担保する一環として、そういうものを提示してくることがあるでしょうと、こういうことなんです。ですから、基準協会として深く立ち入ることは現時点では考えていない。分野別評価にも関わることだからという、こういうことなんです。

【加治佐委員】 はい。分かりました。

【山口主査】 ありがとうございました。大変重要な論点だと思います。
時間も大分差し迫ってきました。まだ発言されていない添田先生、森山先生、いかがでしょうか。済みません、北神さん。

【北神委員】 今の話にも関連するのだと思うのですが、情報公開が内部質保証と外部質保証をつなぐものだと思うのです。内部でどういう点検をしたかというのは情報公開しなければいけない。その情報公開をすること自体が外部評価を受けることだというのが評価の一つの役割としてあるわけです。外の目にさらすというだけでも外部の意見が入ってくる。そうすると、このつなぐものとして、今、制度的には教員養成に関わる情報は公開が義務化されている。その部分の中でどういう中身をその情報公開の項目として提示していくのか。その部分の整理を例えば今日、基準協会さんの方から出していただいた内部評価の項目例とか、前回、お話を伺った教員養成評価機構の方で出している項目、そこらあたりを何かうまく精査しながら、共通に公表すべき部分と選択的に何かうちの特色を表すものとして選べる項目みたいな、何かそういうものを構造化していくみたいな作業が今後必要になるのかなと、そんな感じを持ちました。ありがとうございます。

【山口主査】 大変貴重な御意見、ありがとうございました。
添田先生、お願いします。

【添田委員】 いろいろ勉強になりました。ありがとうございました。今日もお話を聞いていて思ったのですが、質を保証するということと本ワーキングの課題でありますところの緩和するというところ、ありますよね。というところが、どっちか一方だけをするということは、まずできないのかなということと、あと、大学によって大分立場というか、様々だということであれば、内部質保証をどこまで求めるかということについても制度を緩和してもらうということとの兼ね合いを大学の方で選択頂くとかいうこともあるのかなと。つまり、制度を緩和するという方を選んだ場合には、大学側が内部質保証をちゃんとしていますよというのを自ら説明責任があるわけですから、しっかりと説明する。
ただし、その緩和策というものをとらない、これまでどおり規制の中でやるということであれば、その規制がある一定の内部質保証というか、質の保証を担保しているということというふうに考えるのであれば、そこを選んだ大学さんには、そういった形の内部質保証を強く求めるということではなく、今まで、今現在の情報公開程度のことでとどめるというような形もあるのかなと少し思うのですが、それが制度的に可能なのかどうかというのは、私には分かりませんが、かなり何か大学さんによっても状況が違うので、一つの方策というのはなかなか難しいのかなという気がしました。それで、公平性とか平等性が保てるのかという問題はあるかと思いますが。

【山口主査】 ありがとうございました。
森山先生。

【森山委員】 私の方から3点申し上げたいと思っています。教職課程の内部質保証ということについて、まだまだ進行中で、具体的に大学の中では、まだまだ進んでいない状況もあると思います。ただ、そうは言いながらも公開ということについては、今、教職課程の情報の公開は進んでいるわけで、このあたりのところをもう少し検討する必要があるのではないかと思います。
例えば東京学芸大学の受審、評価について、玉川大学も受けたわけですけれども、私自身も審査、いわゆる評価者になったりもしました。この中で特色ある項目を明確に抽出するという、そういう作業もしているわけです。これは全私教協の方も、この評価とは別に特色ある事例集を発行しています。小原会長の下で全国の小さな大学から大きな、いわゆる総合大学まで、特色ある教職課程の取組についての抽出をこの数年間行っているわけです。
ですから、こういうものをある程度整理をして、その中で先ほど北神先生からもお話がありましたけれども、今のような項目、あるいは内容について精査する必要があるのではないかと思いました。そのことからやはり最終的には教職課程の質をどう捉えるのかというところに移るわけです。いろいろな形での捉え方があったり、あるいは情報の公開もいろいろな形で進んでいたり、あるいは教職課程の内部質保証という項目についてもいろいろな観点があります。そこをある程度、公約数的なものを制限、制約して、そこから質保証ということを見ていかないと、なかなか現実的には進んでいかないのではないかとも思いました。そういう意味では、今日の3人の先生方の報告について、具体的に示唆をいただき、大変参考になるものがあったと思います。
以上です。

【山口主査】 ありがとうございました。
では、最後ですね。

【坂越主査代理】 3人の先生方の御報告、貴重な御報告を頂いて、改めて勉強させていただきました。ありがとうございます。早田先生からはすごく広範な調査データを出していただきまして、これは私的感想ですけれども、組織体制はある程度形はできているけれども、でも、中身はばらばらだし、よく分からないねというところもあったりするのかなと思いました。それこそ本当に今日出た話ですけれども、いろいろな大学がある中で、それぞれの質をどうやって保証していくかというのは、これはもうずっと続いていく課題だろうなと思いました。
小原先生は、何か先生を前にしてこんなことを言うのも恐縮なのですが、本当に全学体制で教員養成をやっていくぞという見本みたいなもので、なかなかこっちの教職課程をやめてこっちに持ってきなさいなんていうことは、まあ、できないのではないかと思うのですけれども、やっぱりそれだけ学長がトップで、こういう教員を養成するのだ、それにはこういう組織なのだという、そこまで腹をくくらないと全学体制というのはできないのかなということを、改めて感じました。
高旗先生のお話は本当に具体的というか、よくここまで緻密に体制を組み込まれてやっていらっしゃるなというところで、それから、悩みはやっぱりどうしても開放制の他学部教科専門と、それから、教職専門の関係というところがありますよね。最後にこんな注文をしたらいけないのですけれども、また機会があれば学生さんがどんなふうに受けとめていて、例えば卒業生調査とか、そんなあたりがどんなデータが出ているのかなというようなことも聞きたいなと思いました。
3件の御発表、とても勉強になりました。これも一括りにしてはいけないのですけれども、前回出ていたような議論でもありますが、幾らセンターを作ったり、組織を作ったりということをやっても、内部質保証というのは機能で見ていかないと、基本的には駄目なのだろうと。その機能というのは多様な形であって、情報公開のこととか、センターももちろんそれを裏打ちするものなのですけれども、センターがどういうふうに機能を回していっているのか、果たしていっているのかという形で見ていかないと、質保証にはつながらない。そんなような思いで今日いろいろと勉強させていただきました。ありがとうございました。

【山口主査】 大変ありがとうございました。若干時間を過ぎていますが、最後、私から一言言わせていただいて終わりにしたいと思います。
そもそもこのワーキンググループは、教職課程の基準を緩和するといいますか、教員養成の効率化、高度化を考える会であって、それをやるに当たっては質保証が絶対的に必要である。そんな絡みで前回、今回、ヒアリングをさせていただいて意見交換をしたということだと思います。そのときにどうしてもキーワードとして出てくるのが内部質保証なのですが、内部質保証という言葉のとらえ方が委員の方々で大分違うかもしれないと思い始めています。つまり、最低限の質保証という理解もできるし、ちょっと上の質保証をイメージされている方もいそうな気がしていて、その辺は整理した上で本当に教職課程の質保証って何なのだというところが明確になっているといいのかなという気がしました。
いずれにしても、大学自体は内部質保証を絶対にやらなくてはいけないマストの項目ですから、それと教職課程の質保証と早田先生の御指摘ではないですけれども、どう連関させていくかというのはかなり重要な課題だと思いました。そんな課題を整理した上で、この元々のワーキングの指針に沿った議論を今後も続けていければと思っています。本日は長時間にわたりまして、ありがとうございました。時間となりましたので、この本日の審議は、これで終わりにしますが、事務局においては本日の議論の取りまとめをお願いしたいと思います。
それから、次回の会議では、ワーキンググループの検討事項の2番目になります。大学間の連携、協力により教職課程を設置する仕組み、大学間です。今までは大学内の連携ですが、次回からは大学間の連携、協力による教職課程を設置する仕組みについて御議論頂きたいと思っています。今後のスケジュールについて事務局から説明をお願いします。

【尾白教育人材政策課専門官】 次回の日程につきましては、改めて御連絡をさせていただきます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

【山口主査】 それでは、本日は、これで閉会いたします。長時間にわたりまして、ありがとうございました。

── 了 ──

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