教員養成部会 教職課程の基準に関するワーキンググループ(第1回) 議事録

1.日時

令和元年5月7日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省東館15階15F特別会議室

3.議題

  1. 主査等の選任
  2. 複数の学科等間の複数の教職課程において授業科目を共通で開設する仕組み
  3. その他

4.出席者

委員

山口宏樹主査、坂越正樹主査代理、安部恵美子委員、大森昭生委員、加治佐哲也委員、北上正行委員、酒井朗委員、佐古秀一委員、添田久美子委員、本図愛実委員、森山賢一委員

文部科学省

清水総合教育政策局長、平野大臣官房審議官、柳澤教育人材政策課長、長谷教員免許企画室長、高田教員養成企画室長

5.議事録

委員の互選により山口委員が主査に選任された。
主査代理については,山口主査から坂越委員が指名された。

(傍聴者入室)

【山口主査】 それでは、教職課程の基準に関するワーキンググループの立ち上げに必要な手続は終了いたしましたので、これより議事を公開いたします。
改めまして、主査を務めます山口でございます。教職課程の基準に関するワーキンググループの発足に当たりまして、主査として御挨拶を申し上げます。
私は、埼玉大学の学長として教員養成系の問題について、このところ関わらせていただきました。そのことを踏まえて主査という大役を務めさせていただきます。例えば昨年の11月に中教審答申として出された「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」であったり、それから私がちょっと関係しています経団連の「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」であったり、さらには直近でいいますと、文科大臣から中教審に諮問があった新しい時代に向けた教員養成の在り方についてのことであったりと、どれもがこれからの新しい時代、2040年ということをうたっています。例えば、文科省が2040年という社会をどう設定しているかということを御紹介すれば、Society5.0であったり、グローバル化であったり、それから人生100年時代であったり、さらには少子高齢化を含めた人口減少であったり、そういったこれからの社会を想定しての議論がそこかしこで行われている状況にあると理解しています。
それぞれに共通するキーワードは、私自身理解していますのが多様性です。多様性という言葉は一見よく聞こえるのですが、往々にしてばらばらになりかねないということで、多様性を本当の意味での多様性として実現するためには、共通のビジョンをしっかり認識しないといけないだろうと思います。幸い、この教員養成に係る教職課程の基準に関するワーキンググループの目指す共通のビジョンというのは、私の理解ですが、よりよい、より質の高い教職課程の実現であるというふうに思っています。これについてはもう異論のないところではないかと思いますので、それを共通のビジョンとして本ワーキングに与えられた課題、検討事項が3つございますが、学内の授業科目の共通開設であったり、大学間での教職課程の設置であったり、さらには教職課程の質保証であったりといった検討事項を、しっかり共通ビジョンを踏まえた上で行っていければと思っています。
往々にして、各論に進むと、局所最適化といいますか、私は工学系なものなので最適という言葉を使わせていただくと、局所的な最適化はできるんですが、全体的な最適化が往々にしてないがしろにされてしまうというところがあります。そういう意味でも、共通のビジョン、より質の高い教職課程の実現ということを共通認識としてこの会議を活発に進めていけたらと思っています。私自身は教員養成の専門家でも何でもありませんので、そういう意味では私自身心配ではあるんですが、皆様の御協力を得てよりよい議論、よりよい成果を出したいと思っていますので、御協力のほど、何とぞよろしくお願いいたします。
それでは次に、主査代理の坂越先生からも一言お願いいたします。

【坂越主査代理】 主査代理に御指名いただきました坂越と申します。広島文化学園大学というところで教員養成に携わっております。
教職課程、教員養成、特にここ3年ぐらいですね、教職コアカリキュラムを策定して、それを共通基盤にしながら再課程認定を昨年行いまして、そういう面での基本的な基盤整備みたいなところは少し進めたかなというふうに思っています。ただ、昨年、再課程認定が全ての教職課程で行われたわけですけれども、そういう中で、組織というか仕組みというか教員免許の仕組み自体に、これからの時代に対応した形で考えていかなきゃならない課題もあるのかなと個人的に思っていたところです。とりわけ、先ほど主査の方から御紹介があったような検討課題ですね。また近年特に地方で教員不足の問題が生じており、都市圏、地方を含めて質のいい教員を確保するということがすごく大きな課題になっています。その課題に応える鍵はやはり大学の教職課程であり、そのありようというのがやっぱり今非常に大きな今日的課題だと思っています。このワーキンググループで次の時代の教員養成の仕組みというのが形をとれればいいかなと思っています。主査を少しでもお助けできるように、どうぞよろしくお願いいたします。

【山口主査】 どうもありがとうございました。それでは次に、文部科学省の清水局長から一言御挨拶をお願いできればと思います。

【清水総合教育政策局長】 文部科学省の総合教育政策局長の清水でございます。それでは、教職課程の基準に関するワーキンググループ第1回に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
改めて先生方にはこのワーキンググループの委員に御就任いただきましてまことにありがとうございます。また、それぞれの立場で日頃から我が国における教育の振興に様々な形で御尽力いただいております。重ねて御礼申し上げます。
先ほど、主査の山口先生から御紹介いただきましたとおり、教員養成、教職課程に関しては、これまでも様々な審議会の答申でありますとか、各種会議の報告の中で課題が指摘され、また、提言が行われてきているところでもございます。また、これも山口先生から御紹介ありましたが、先般、これは参考資料1ということで資料に付けておりますけれども、中教審に対して、新しい時代の初等中等教育の在り方についてという包括的な諮問がなされたところでございますけれども、この中でも、これからの時代に応じた教師の在り方というものが重要な審議事項の一つに位置付けられているところでございます。
そういった中、このワーキンググループでは、教職課程の基準に関してより具体的かつ専門的見地からの審議を行うために、教員養成部会の下に設置されたワーキンググループでございますが、教職課程の水準の維持向上や効果的・効率的な実施を図るために、これも山口先生から紹介された3つの課題についての御検討を頂くということを予定しております。繰り返しになりますけれども、1つ目が複数の学科間での授業科目の共通開設の仕組みについて、2つ目が複数の大学間が連携・協力して教職課程を設置する仕組みについて、そして3つ目が、課程認定後も全学的に教職課程の質を保証し、向上させるための継続的な仕組みについて、この3つでございます。これらの検討事項につきまして、教職課程の基準の見直しの方向性という形で、年内におまとめいただきたいと考えているところでございます。
委員の皆様におかれましては、今後の教職課程の質のさらなる向上に向けまして、闊達な御議論を頂戴できますようお願い申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。

【山口主査】 清水局長、ありがとうございました。
それでは、事務局から、本ワーキンググループの検討事項全体について説明をお願いいたします。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 教員免許企画室長の長谷でございます。それでは、お手元の資料1と資料2に基づきまして御説明申し上げます。
まず資料1の方を御覧いただきますと、検討事項ということで3つの大きな論点が出ております。これにつきましては、主査、それからただいま局長の方から紹介がございましたので、1つずつ読み上げるのは割愛させていただきまして、資料2の方に基づきまして、これらの検討事項が出てまいりました背景について少し御説明を申し上げたいと思います。
資料2の「教職課程の基準の見直しに関する提言」というものがございます。この中で、まず丸1のところとしまして、「教職課程の基準に関する検討事項について」、先ほど坂越委員の方からお話ございましたように、ここ二、三年の間、教職課程の省令、基準等の改正、それからコアカリキュラム等の策定がございまして、いわゆる再課程認定を行ってまいりました。その中で、課程認定委員会の方から、その審査を踏まえた上で、課程認定の基準についても検討した方がいいのではないかということについて御提案を頂いております。この中で、下線を引いておりますけれども、1ポツのところで、複数の学科等間の複数の教職課程における授業科目の共通開設の拡大について検討すべきではないかということが1点。それから2ポツ目のところですけれども、課程認定というのが教職課程を創設するときの入口の部分でありますので、その課程認定が終わった後も全学的に教職課程の質を保証し、向上させるための継続的な仕組みについて検討することが必要ではないかということが課程認定委員会の方からも提言が出されているところでございます。その観点としては、その上のリード文に出ておりますように、教職課程の水準の維持・向上及びその効果的・効率的な実施を図る観点からということで、この2つの論点というのを御提示いただいていたところでございます。
それから次の丸2の部分でございますけれども、もう一つ提言がございまして、免許外教科担任制度の在り方に関する調査研究協力者会議が、昨年の9月に報告書を出してございます。これはこのワーキングの委員でもございます加治佐委員が座長で取りまとめていただきました報告書でございますけれども、この中で、下線の部分がございますように、近隣の大学との連携・協力などにより採用数の少ない教科についても、養成・研修機能の強化・効率化を進めることが求められると出てございます。免許外教科担任が特に集中しておりますのが、採用数の少ない例えば技術ですとか家庭科といったような科目でございまして、こういった採用数の少ない教科につきましては、幾つかの県では、もう国立の教員養成系の大学でも教職課程が存在していないというところもございます。こうしたところを踏まえまして、下線部の残りの部分でございますけれども、こうした取組を促すため、文部科学省においては、教職課程の設置に関し大学間の連携・協力を促進する仕組みを検討すべきであるということを御提言いただいておりまして、この丸1、丸2で出ておりますそれぞれの提言を踏まえまして、今回の3つの主な検討事項を御提案させていただいているところでございます。
それから大きな政策的な背景となってまいりますのが、その次のページにございます丸3、これも先ほど主査の方から御指摘がございました「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」、中教審の答申がございます。この中でまず1つ目のところとしまして、多様で柔軟な教育プログラムというところで、従来の学部・研究科等の組織の枠を越えて、迅速かつ柔軟なプログラム編成ができるようにするということ。それから、複数の大学等の人的・物的リソースを効果的に共有することで、1つの大学では成し得ないような多様な教育プログラムを提供することといったことが提言をされております。
それから3ページ目の方に入っていただきますと、さらに、多様性を受け止める柔軟なガバナンス等という文脈の中で、国公私立大の枠組みを超えて大学等の連携や機能分担を促進する制度の創設ということが提言をされておりまして、いわゆるグランドデザイン答申の中でも、大学の中でのより弾力的な学部間での教育プログラムの開設を可能にすることですとか、国公私の枠組みを越えた大学間の連携・協力の仕組みということが提言をされておりまして、こういった高等教育政策の大きな流れということも背景としまして、今回のワーキングを設置させていただいているところでございます。
それからさらに丸4のところでございます。「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」ということで、平成27年12月の中教審答申でございますが、この平成27年12月の中教審答申は、先ほども申し上げました再課程認定につながるようないろいろな教職課程の基準の変更等についても御提言を頂いておったんですけれども、実はその中で、教職課程の質の保証・向上ということについても答申が出てございました。ここにございますように、全学的に教職課程を統括する組織の設置、自己点検・評価の実施、第三者評価、それからFD等につきまして御提言を頂いていたところでございまして、実はここに提言をされておりましたような努力義務化ですとか制度化といったことについては、まだ措置をしていないところがございますので、この提言も受ける形で、今回、質の保証についても御検討いただければと考えてございます。
事務局の方からの説明は以上でございます。

【山口主査】 ありがとうございました。ただいまの説明に関して御質問等ございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、本日の議事に移りますが、本ワーキンググループの検討事項のうち、本日は、1番目のテーマですが、学内での授業科目の共通開設が本日のテーマとなっています。では次に、事務局の方から、学内の授業科目の共通開設の検討の前提となる課程認定制度、それから学部等連携課程について説明いただき、その後に論点例に沿って御議論いただきたいと思います。ではまずは、事務局から課程認定制度について説明をお願いいたします。

【尾白教育人材政策課専門官】 失礼いたします。教育人材政策課専門官の尾白と申します。私の方からは、資料3の課程認定制度についてという資料を用いて説明いたしますが、やや複雑になってございますので、スライドを使って説明させていただきます。それで、申し訳ございません、スライド前の先生方、あちらの方にお席がございますので、ちょっと移っていただいた方が御覧いただきやすいかと思いますので。
失礼いたします。それでは、課程認定制度についてというところで、1番目に課程認定制度の概要、それから課程認定を受ける組織、それから3番目としまして、授業科目の開設ということで、教科専門科目の共通開設、それから教職専門科目の共通開設、そして最後に専任教員の配置に関して説明をさせていただきます。
まず1枚目のスライドでございます。まず、課程認定制度の概要でございます。1番目の教員免許制度というところを御覧いただければと思いますが、教員免許状につきましては、幼稚園、小学校などの公教育の直接の担い手である教員の資格を定めまして、その資質能力を一定水準以上に確保することを目的とする制度でございまして、これらの学校の教員になるためには、教員免許状を有することが必要であるということでございます。
それから2番目の教員養成の理念のところでございます。まず1つ目の四角のところです。教員養成におきましては、2つの原則がございまして、まず1点目が大学における養成の原則といたしまして、教員養成については、大学において行うということを基本とすること。それから2点目としまして、開放制の原則と呼んでおりますが、いわゆる教員養成系の大学・学部だけではなくて、文学部や経済学部などの課程におきましても教員養成を行うことができることでございます。この教職課程を履修した学生は、課程認定を有するどの大学を卒業したとしても、教員免許状を取得した以上、教員として最低限の知識、技能を有しているとみなされます。このため、課程認定を受け、教員養成を行う大学としましては、法令に定める最低限の基準は満たした上で、質の高い教員養成に向けた改革を不断に行っていくということが必要となります。
次のスライドに移ります。課程認定制度の概要の2番目です。まず、3番のところの課程認定制度の概要というところを御覧いただければと思いますが、課程認定につきましては、中央教育審議会に諮問いたしまして、その答申に基づき行うこととなっており、教職課程の審査につきましては、中央教育審議会の初等中等教育分科会教員養成部会の専決事項とされておりまして、この部会の付託を受けて課程認定委員会というところで行っております。
それから、その下の4番目の課程認定の審査のところです。まず、課程認定の審査におきましては、教育職員免許法、それから同法の施行規則のほか、教員養成部会の決定でございます教職課程認定基準等に基づき行っておるところです。主な審査事項としましては、認定を受ける学科等の目的・性格と免許状との相当関係、それから教育課程、教員組織などとなっております。
次のスライドに移ります。ここからは認定を受ける組織に関するスライドが幾つか続きます。まずは、課程認定を受ける組織単位、どの学部、学科を対象に認定するのかというところでございます。教職課程は、学科等を単位として認定するということとしており、この「学科等」は、学則において入学定員を定められた組織で、その組織のうちの最小単位の組織を対象として認定をすることとなっております。例えば、学則上、学部と学科で入学定員を定めている場合には学科を対象として、また、学科の下にコースを定めていて、学則上、コースにも入学定員を定めている場合にはコースを対象として課程認定を受けるということになります。一方で、学則上、入学定員を定める最小単位ではない学部あるいは学科につきましては、課程認定を受けることはできないということとなっております。
この学科等を単位として課程認定を行うということにつきましては、当該学科等における4年間の教育を通して修得された専門的知識を前提として、課程認定を受ける免許教科に関する教科の専門科目を修得させることによって、当該免許教科を担当する教員として求められる教科の専門性を確保しようとすることがその趣旨となります。
それで、このスライドの矢印の下のところですが、課程認定を受ける学科等につきましては、次の要件を備えることが必要となってきます。1つ目には、学科等の目的・性格と認定を受ける免許状との間に相当関係があるということ。それから、教職課程の授業科目については、原則として認定を受ける学科等で開設されているということ。それから、教職課程の専任教員は、原則として認定を受ける学科等に籍を有すること。そして最後に、配置すべき専任教員数につきましては、認定を受ける学科等の入学定員に応じて増員をさせるということが必要となってきます。
次のスライドに移ります。これも認定を受ける組織の学科等の目的・性格に関する資料です。まず1番目の学科等の目的・性格と免許状との相当関係のところです。課程認定におきましては、中学校等の教科を担当する教員の専門性につきまして、教職課程の科目として認定された教科専門科目も含めた学科等における4年間の教育を通して修得された専門的知識により確保することを基本的な考え方としております。このことから、認定を受けようとする学科等の目的・性格と免許状との相当関係が求められるということになります。この相当関係の審査の観点として、表の欄外のところですけれども、例えば免許教科と学位の分野の関係、教科専門科目やその関連科目を学位プログラム上、相当程度開設をされているか、また、それらの科目の卒業要件上の位置付けなどが示されておるところです。
それで、さらに2番の教員養成を主たる目的とする学科等というところを御覧いただければと思います。幼稚園や小学校につきましては、相当関係から更に進めて、教員養成を主たる目的とする学科等でなければ認定を受けることができないとしております。この審査の観点としましては、学科等の名称、学位の分野、教科専門科目だけではなくて、教職専門科目の卒業要件上の位置付けなどが示されておるところです。
次のスライドに移ります。同じく認定を受ける組織の学科等の目的・性格のイメージ図になります。この図につきましては、幼稚園、小学校の教職課程を設置する、教員養成を主たる目的とする学科以外の中学校等の教職課程を設置する学科の学位プログラム、卒業要件科目と教職課程の科目がどのような位置関係にあるかのイメージ図でございます。
それで、この緑のところが学位プログラムとして開設される科目です。他方、この青色の太枠で囲まれた部分が教職課程として認定される課程というイメージになっております。教職課程を設置する大学としましては、この学位プログラムの体系性と同時に教職課程としての体系性にも配慮して教育課程を編成するということが必要となり、そこの学科に在籍する学生は学位プログラムの履修と同時に、教職課程を体系的に履修するということが求められるというものです。この図で緑と青色の太枠の重複している部分、ここの部分が教科専門科目でございまして、学位プログラムを構成している一部の科目でございまして、いわば学科の専門科目の中に溶け込んでいるというようなイメージになります。免許状との相当関係が薄い学科につきましては、この教科専門科目のほとんどが緑の外に位置付けられていたり、緑の中にはあるものの、うまく溶け込んでいないような状態となっているというようなイメージになります。
それから、この図の右側の部分が教職専門科目でございまして、教職専門科目は学位プログラムの外側に位置付けられております。中学校などの教職課程では、教員養成を主たる目的とする学科に限らず、あらゆる学科で教職課程の設置を可能とする開放制の原則から、教職専門科目は一般的には学位プログラムの外に位置付けられ、当該学科に在籍する学生のうち、希望する学生のみが教職課程を履修するということとなります。このように、中学校などの教職課程におきましては、学位プログラムの中に教科専門科目、それから学位プログラムの外に教職専門科目が開設され、その両者を併せて課程認定を受けるということになります。
一方で、幼稚園や小学校の教職課程の場合、教員養成を主たる目的とする学科等であることから、この図の外側に出ている教職専門科目が左の方に、緑の部分に押し込まれるようなイメージとなります。教科専門科目と教職専門科目のほぼ全てが当該学科等の学位プログラムの中で開設されることとなり、当該学科等に在籍する学生は全員が教職課程を履修するというようなこととなります。
次のスライドに移ります。次のスライドからは授業科目の開設の関係のスライドが続きます。まず、1番目の授業科目の開設の原則というところでございます。教職課程に開設する授業科目につきましては、認定を受けようとする学科等で開設されていること。さらに、1つの授業科目については1つの教職課程でのみ開設されていることが原則となります。例えば中学校の国語と高校の国語であっても、原則としてはそれぞれで開設するという原則がまずございます。その上で、教科専門科目の開設に関連しましては、大学の4年間の学位課程、学位プログラムを通して教科専門性を確保しているということ、それから教職専門科目の開設に関連しましては、幼稚園、小学校の教員養成を主たる目的とする学科等とそれ以外の学科等では学位課程上、学位プログラム上の位置付けが違っているということ、これらのことが、次から出てきます科目の共通開設の際の教科専門科目と教職専門科目での取り扱いの違いとなって現れてきます。
それでは、2番の他学科等、他の教職課程との共通開設のところに入っていきます。一定の場合には、複数の学科等間で授業科目を共通に開設することや、他学科等で開設する授業科目を「あてる」、使うということができます。また、一定の場合には、複数の教職課程間で授業科目を共通に開設することができるというような基準となっております。これにつきましては、他学科等で開設する授業科目を「あてる」ことが、教職課程の科目内容の水準の維持向上等に資すること、あるいは複数の種類の免許状に共通して履修が必要な科目があるといったことから、共通開設などを可能としております。次のページ以降、共通開設の取り扱いについてもう少し具体的に見ていきます。
次のスライドに移ります。まずは教科専門科目の共通開設に関する資料です。このグレーの図を御覧ください。左側にそれぞれ上から順番に、幼稚園の領域に関する専門的事項、教科、養護に関する科目、栄養に係る教育に関する科目と並んでおります。そして、この右側に、まずは同一の学科内での共通開設ができるかどうかというところ。それからさらに一番右側には複数の学科間での共通開設の取り扱いについて図に示しています。表の中で丸印のところが共通開設が可能だというところ。バツが共通開設ができないところ。横バーになっているところは該当する科目がないところです。それで、まず同一の学科内、複数の学科間ともに中学校と高校の教職課程では共通開設ができる場合がありますが、幼稚園、小学校につきましては共通開設ができないという取り扱いになっております。この履修が必要な科目につきまして、それぞれ幼稚園であれば領域に関する専門的事項、小学校は教科に関する専門的事項ということで異なります。また、小学校と中学校は、同じく教科に関する専門的事項となりますけれども、免許法施行規則において定められた履修が必要な科目につきましては、小学校の場合は国語、算数、理科等と定められておりまして、一方で、中学校や高校の場合は、例えば中学校の国語の免許であれば国語学、国文学といったように定められており、異なっているということがあります。というところから共通開設ができないということになっております。一方で、中学校、高校に関しましては、同じく国語の免許で見ますと、同じように国語学、国文学といったように同様に規定をされておりますので、共通して履修が必要な科目があるということから、共通開設を可能としているという取り扱いになっております。
それで、このスライドの真ん中あたりの、他学科等で開設する授業科目を「あてる」ことができるというところを御覧いただければと思います。教職課程の科目の内容の水準維持・向上を図るという観点から、免許法施行規則に規定する教科に関する専門的事項に関する科目の半数まで学部共通科目であるとか、全学共通科目も含めた他学科等で開設する授業科目を「あてる」ことができるという規定がございます。
それからその下の複数の学科等間の複数の教職課程で授業科目を共通に開設することができるというところを御覧いただければと思います。ここの規定に関しましては、4-3の(2)及び4-4の(2)の場合にはと規定されております。これが先ほど上で見た「あてる」ことができるという規定です。この「あてる」ことができる場合には、他の学科等の教職課程と共通開設をするということが可能となっております。これらに関しまして、次のスライド以降、イメージ図で説明をさせていただきます。
スライドは次に移ります。このイメージ図で、まず図の左側が学内規程上の授業科目の位置付けでございまして、この図では全学共通科目、A学科の専門科目、B、Cと分かれているというような授業科目の位置付けとなっています。それから、右側が課程認定を受けて教職課程を構成する授業科目となっております。それからさらに、この枠の中に色の付いているものと付いていないものがありますけれども、色付きの科目が、それぞれの学科の専門科目で教職課程の科目として認定を受けている科目となります。まず、この図の右側のB学科の教職課程の科目を中心に説明をさせていただきます。このB学科の教職課程におきましては、まず自分のB学科の専門科目であるb1からb3を用います。次に、他学科であるC学科のc7を「あてて」、さらにこのc7についてA学科と共通開設をするという状態になっているということです。それから、同様に全学共通科目の共1というのがございますが、これも全学共通科目から「あてて」、これを更にA学科、C学科と共通開設をするという状態になっているところです。一番右端のところを見ていただきたいんですけれども、A学科で課程認定を受けたa4という科目につきましては「あてる」ことができない取り扱いになっております。現状では、他学科で開設する授業科目のうち、教職課程の科目として認定されていないものや、全学共通科目を「あてる」ことが可能でありまして、この場合、当該科目を他学科の教職課程と共通に開設するということが可能となっています。しかし、他学科で開設する授業科目、他学科等の教職課程の科目として認定をされている科目につきましては、この「あてる」ということができない取り扱いになっております。
次のスライドに移ります。教科専門科目の共通開設の続きでございます。次に、他学科で開設する科目を「あてる」場合の上限について説明します。中学、高校の教職課程におきまして、他学科等で開設する授業科目を「あてる」場合は、免許法施行規則第4条などに定める各教科に関する専門的事項の半数まで可能ということとしております。この図の例としましては、C学科を例に挙げております。このC学科では、中学校、高校の国語の課程認定を受けておりまして、以下、このCというのはC学科、自学科の開設科目、それからA、Bは他学科の開設科目とします。まず、左側の中学校の国語の教職課程を見ていただければと思います。中学校の国語の場合、施行規則に定める専門的事項の区分が、国語学、国文学、漢文学、書道の4区分ございます。このうち半数までとなりますと、2つの区分まで、2区分まで他学科等で開設する授業科目を「あてる」ということが可能になります。このイメージ図では、国文学に他学科科目のa、それから漢文学に他学科科目のbの2区分に含まれておりますので、基準の範囲内となります。一方で、右側の高校の国語の場合、こちらは施行規則に定める専門的事項の区分が3区分でございます。このうち、中学校と同じように国文学、漢文学に他学科の開設科目を含めようとしましても、区分の半数を超えるということになりますので、基準に抵触することとなります。
次のスライドに移ります。ここからは教職専門科目の共通開設に関する資料が幾つか続きます。教職専門科目の共通開設につきまして、図の中央部分、同一の学科内では、幼稚園及び小学校の教職課程と他の教職課程との間を含めて共通開設が可能となっております。一方で、図の右側、右端の部分ですけれども、複数の学科間では、幼稚園及び小学校の教職課程を除いて共通開設が可能となっているということになります。教職専門科目につきましては、幼稚園及び小学校の教職課程を設置する、教員養成を主たる目的とする学科とその他の学科では、学位プログラム上の位置付けが違うことに配慮して、一定の共通開設を可能としているという基準になっております。
次のスライドに移ります。同じく教職専門科目の共通開設の続きになります。同一の学科内での共通開設に関する課程認定基準の4-8と、複数の学科間での共通開設に関する基準4-9を組み合わせて適用する場合について説明をさせていただきます。
まずは、左側の組み合わせて適用できない場合というところから説明をさせていただきます。この丸1番につきまして、A学科の小学校と中学校で共通開設をしまして、このA学科の中学校とB学科の中学校で共通開設をするということはできないという取り扱いになっております。この基準の4-8と4-9を組み合わせることにより、A学科の小学校の教職課程が中学校の教職課程を介してB学科の中学校の教職課程と共通開設できることとなりますけれども、幼稚園及び小学校の教職課程を設置する、教員養成を主たる目的とする学科とそれ以外の学科の学位プログラム上の位置付けの違いから、このような場合には基準4-8と4-9を組み合わせて適用はできないという取り扱いになっております。
また、この左側の下の欄、丸2につきましては、A学科の教育の基礎的理解に関する科目について、小学校と中学校で共通開設をしている場合、中学校の各教科の指導につきましてもA学科とB学科で共通開設をすることはできないというのが現在の取り扱いになっています。一方で、右側の組み合わせて適用できる場合というところを御覧いただきますと、A学科の中では幼稚園と小学校で共通開設して、中学校は共通開設されていないんですが、中学校に関してはA学科とB学科で共通開設をするといった取扱は可能ということになっております。ここまでが授業科目の共通開設の関係です。
次のスライドに移りまして、最後の専任教員の配置に関する資料でございます。専任教員につきましては、認定を受けようとする教職課程ごとに、当該学科に籍を有する専任教員を必要数配置することが必要となっております。まず、左側の図、必要専任教員数という表を御覧いただきますと、専任教員につきましては、教科専門科目、教職専門科目に分けて配置することが必要であります。また、専任教員の数につきましては、認定を受けようとする学科の入学定員に応じて増員することとなっておりますが、ここの表の場合には、最低限の数となっております。それで、ちょっと右側の、まずは一番目の幼稚園、小学校のところからいきますが、幼稚園、小学校の場合、左側の表では、最低限の入学定員が50人以下の場合の必要専任教員数となります。それで、入学定員が50人を超えるごとに、教科専門科目、教職専門科目それぞれについて1人ずつ増員することが必要となります。
次に、その下の2番の中学校、高校、養護教諭、栄養教諭のところですが、この場合、教職専門科目につきましては、入学定員が800人以下で2人、801から1,200人以下は3人、1,201人以上が4人以上というような規定となっています。
教科専門科目につきましては、入学定員にかかわらず一定数となっております。
次のスライドに移ります。専任教員につきましては、科目を共通開設する場合や、共通開設が認められていない場合であっても科目の専門分野に近接性がある場合には、他学科等に籍を有する教員や他の教職課程の教員を認定を受けようとする課程の専任教員とすることが可能となっております。まず1番目の同一学科等において授業科目を共通に開設する場合、それぞれの課程において専任教員とすることが可能です。それから2番目のところ、同一の学科において、幼稚園と小学校の認定課程がある場合でございます。幼稚園の領域に関する専門科目と、小学校の教科専門科目の共通開設は認められていませんが、科目の専門分野に近接性が認められることから、両方の科目を担当する専任教員を幼稚園、小学校の両方の教職課程において専任教員とすることが可能でございます。
続いて3番のところ、複数の学科等において授業科目を共通に開設する場合、教職専門科目につきましては、それぞれの課程において専任教員とすることが可能です。一方で、教科専門科目につきましては、中学校と高等学校についてのみ共通開設が認められておりましたが、専任教員については、それぞれの課程において専任教員とすることは認められておりません。
次に4番のところです。中学校又は高等学校の教職課程における教科に関する専門的事項に他学科等で開設する授業科目を「あてる」場合でございます。他学科等で開設する授業科目を担当する他学科の専任教員について、認定を受けようとする学科の専任教員とみなす、みなし専任教員ということが可能となっております。ただし、必要専任教員数の半数以上は、認定を受けようとする学科の専任教員であることが必要でございます。
ちょっとこの点について、先ほどのイメージ図で確認をしておきます。8ページの方に戻ります。これの右側の教職課程の授業科目のうち、また同じくB学科のところを御覧いただければと思います。例えば、他学科の専門科目のC7を「あてて」おります。この科目を担当するC学科の専任教員をB学科の専任教員としてみなす、みなし専任教員とすることが可能となっております。しかし、このc7につきましては、A学科の教職課程と共通開設をしておりますが、このみなし専任教員をA学科の教職課程でもみなし専任教員とすることはできないということになっています。みなし専任教員は1回だけということになっております。
以上で私の説明を終わります。

【山口主査】 ありがとうございました。課程認定制度についての御説明でした。質疑応答は、後ほどまとめて行いたいと思いますので、続けて事務局の方から、学部等連携課程について説明をお願いします。

【中村大学振興課専門官】 高等教育局の中村でございます。御説明させていただきます。
お手元の資料3、ファイル名で申しますと、05の資料4を御覧いただければと思います。まず内容について御説明をさせていただきます。冒頭、長谷室長の方より御説明申し上げました平成30年、昨年の11月に出されました「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」の答申におきまして提言されました学部等連携課程という制度につきまして、制度改正に向けた準備を現在進めておるところでございますけれども、この内容について御説明をさせていただきます。
資料4の2ページ目を御覧いただければと思います。まず、学部等連携課程の導入についての背景でございますけれども、いわゆる学位プログラムにつきましては、先ほど教職課程の説明の中でもございましたけれども、学位プログラムと申しますのは、先生方御案内のとおり、大学において学生に学位を取得させるに当たって、その学位のレベルと分野に応じて達成すべき能力が明示されていて、それを修得させるように体系的に設計された教育プログラム、教育課程のことを指すということでございます。現在の法体系においては、学生の所属する組織と、教員が所属する組織、また、提供される学位プログラム、これらが1対1対1の関係にあるということが大前提となってございます。そういうことでございますので、具体的には、学部に学生が所属して、先生方も所属されて、その中に1つの教育課程が構築されているといった構造になってございます。こうした制度の課題といたしまして、中教審での御議論の中で出されたものとしましては、ここに書いてございますとおり、学術研究であるとか大学教育を取り巻く環境は日に日に変化しておりまして、そうした教育研究のニーズに即応するために、1対1対1の関係がリジットにございますと、なかなか機動的な対応が困難であるという御指摘がございました。また、そういった組織がある意味リジットにございますので、組織間の協力であるとか、あるいは資源、これは人的リソースも含めて結集が困難となっておりまして、境界領域であるとか学際領域の教育研究に機動的に対応できていないのではないかというような御指摘がございました。こうした御議論を踏まえまして、答申の中におきましては、大学がみずからの判断で機動性を発揮して、学部横断的な教育に積極的に取り組むことができるような、この学部、研究科等の組織の枠を越えた学位プログラムを新たな組織類型として設置可能とすべしというような御提言を頂きました。
制度改正の現在検討している具体的な方向について、3ページ目以降で御説明申し上げます。3ページ目でございます。まずは大学は学部、大学院の場合であれば研究科、あるいは今、学部研究科以外の基本組織というものも置けるようになってございます。これらを総称して本資料では学部等と申し上げておりますけれども、これらの学部等に加えて、学部等が連携して編成する教育課程、これを学部等連携課程と申しますけれども、この学部等連携課程を置くことができるものとする、任意に設置できるようにするというような制度改正を予定してございます。ということでございますので、下の方にイメージがございますけれども、右下の図を御覧いただければと思いますけれども、ベースとなる学部等がある前提において、それらの学部等が連携協力して1つの学位を授与できる学位プログラムを編成し、そこで教育活動を行えるようにするという制度改正でございます。ということでございますので、この学位プログラム、学部等連携課程につきましては、学科ではなくて、いわゆる学部見合いの教育組織として制度設計をしてございます。
4ページを御覧いただければと思います。制度改正の具体的な内容でございますけれども、まず、教員組織の項目でございますが、この学部等連携課程の専任教員は、ベースとなる緊密に連携協力する学部等に相当数置くものとするというふうに記載してございます。また、その学部等連携課程の専任教員につきましては、教育上支障を生じない場合には、これがベースとなる緊密に連携協力する学部等の専任教員がこれを兼ねることができるものとするということを考えてございます。一方で、そうした兼ねることができるとしたときに、実際上、ベースとなる学部等との調整であるとか、あるいは運営管理というのが必要になってまいりますために、まずその学部等連携課程の運営管理を主に担う、専ら担う教員を置くようにすること、また、ベースとなる学部等と、また新たな学部等連携課程の双方に所属する先生方の勤務状況を、これは要は特定の先生に業務が集中したりすることのないように、エフォート管理などを通じて適切に行うことについて、これらのことについて改正の施行通知などを通じて周知してまいりたいと考えてございます。
次の学生組織のところでございますけれども、この学部等連携課程の学生の人数につきましては、このベースとなる学部等の収容定員の数を合計した数の範囲内において学則で定める、学則において規定をするというふうに考えてございます。
その次の施設設備、附属施設等のところは、書いてございますとおり、この緊密に連携協力する学部の協力の下でこれらを備えるものとするということを規定しようとしてございます。
次のページを御覧いただければと思います。5ページでございます。まず、いわゆる設置審査のところでございますけれども、これは従来の学部と同様に、学部等連携課程が学位の分野等の変更を伴う場合には、認可の対象となるということでございます。なので、その大学が全く授与していない学位分野を授与するといったことになれば、認可の対象になってまいります。ただ、そういった分野等の変更を伴わない場合には、これは届出でよしとすることに考えてございます。また、学部等連携課程が学内資源を活用して、要は既に学内に資源があるという前提で設置されるものでございますので、この前提の下で、この設置については審査プロセスを簡略化する、具体的には、下のモノクロの図にございますとおり、提出書類の弾力化、また届出の前には、届出時期について従来の学部新設よりは柔軟にできるように検討してございます。
次に、質保証、教学管理体制とございますけれども、当然、その学部等連携課程におきましては、ここである意味独立して学位を授与するということが可能になるわけでございますので、従来の学部等と同様に3つのポリシー、アドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシーを策定するとともに、緊密に連携協力する学部等と連携して、管理運営組織、これはカリキュラム委員会、運営委員会なのか、あるいは独立した教授会なのか、これは大学さんによると思いますけれども、こうした管理運営組織を設けること、その下で学位審査であるとか、あるいは学生の教育指導、成績評価を実施する教学管理体制を学部等連携課程として整備するよう、何らか施行通知等で周知してまいりたいと考えてございます。
非常に雑駁ではございますけれども、学部等連携課程の検討状況について御説明を申し上げました。現在の検討状況といたしましては、既にパブリックコメントにつきましてはこれを終了してございまして、来月6月の大学分科会において制度改正について諮問・答申をさせていただきたいと思っておりまして、答申を頂きましたらば、速やかに制度改正に着手したいと考えてございます。
以上でございます。

【山口主査】 ありがとうございました。ここで先生方、戻っていただいた方がよろしいですね。ありがとうございました。
これから議論に移るわけですが、その前に、事務局の方で論点例を整理いただいています。その説明をまずはお願いいたします。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 それでは、お手元の資料5で論点例を示させていただいております。こちらの論点例ですけれども、もうほとんど資料3と4の項目をなぞったような形ですので、少しその資料3と4に即しながら、御議論いただきたいポイントというのをお話ししておきたいと思います。先ほどかなり技術的な説明がございましたので、今回御議論いただきたいと思われるような、それぞれの制度の考え方の基本的なポイントのところについて是非御議論いただければと考えております。
まず、資料3の方を御覧いただければと思います。資料3の課程認定制度について尾白の方から説明させていただいた資料でございますけれども、この中で、1ページのところにございますように、認定を受ける組織、授業科目の開設、専任教員の配置というところが大きな論点になってくるポイントでございます。現状の制度としては、この資料3を用いまして御説明させていただいたところでございますけれども、この現状の制度を踏まえた上で、さらに先ほどの検討の背景のところで申し上げましたような高等教育改革の動向、それから、先ほど説明を割愛させていただきましたけれども、参考資料1ということで、「新しい時代の初等中等教育の在り方について」の包括的な諮問についても添付させていただいておりますけれども、ここに出ておりますような、例えば、人口減少の中で幾つかの特定の科目については恐らく教員需要が減少していく中で、どのようにその養成・研修機能を維持していくのか、あるいは足元では小学校教員の採用倍率が低下していて、その供給力を確保しなければいけないというところがあるといったような、社会の情勢を背景として、今のこの課程認定制度というのをどのように考えていくのだという観点で御議論いただければと思っております。
まず最初のところ、資料3で申し上げますと3ページ目のところになります。認定を受ける組織の単位が1つ目の御議論のポイントになろうかと思います。これは、考え方としては、教職課程というのは学科等を単位として認定を受けるということが大きな基本になっておりまして、この課程認定の単位というのが、その後の共通開設でありますとか専任教員の配置の全ての基本になってくるところであります。と申しますのは、大学の中の組織でどことどこの単位というのを捉えて共通化するのか、あるいは専任教員を配置するのかというところの基本的な概念になる部分でありますので、ここが一番大事な制度のポイントになってこようかと思っております。現状では、この米印の赤字にありますように、学則に定められた組織のうち最小単位を単位として認定するということになっておりまして、一方では、このワーキングを設置していただいたときの3月20日の教員養成部会で、大学を単位として認定するというような考え方も考え方としては提示をされておりまして、大学全体という大きな単位と、学則に定められた組織のうち最小単位というところの間でどのように組織の単位というのを考えていくのかということが一つの御議論のポイントになろうかと思います。
それから少しめくっていただきまして、今度は6ページ目のところに授業科目の開設というところがございます。まず、授業科目の開設の原則ということで、基本的には、それぞれの認定を受けようとする学科等で開設するということになっておりまして、その考え方が、学位課程の教育を通して教科の専門性を確保するということですとか、教員養成を主たる目的とする学科等とその他の学科等との学位プログラム上の位置付けということを配慮して、この原則がある一方で、その下のところでございますけれども、教職課程の科目の内容の水準の維持・向上に資するという場合でありますとか、免許状に共通して履修が必要な科目というものについては共通開設を認めているという例外がございます。この原則と例外の在り方についてどのように考えていくのかということがもう一つのポイントになろうかと思っております。
具体的には、教科専門科目の共通開設のところでございますけれども、その共通開設にも一定の制限が掛かっておりまして、その制限についてどう考えるのかというところがあろうかと思うのですけれども、7ページ目のところでいきますと、例えば一番上の薄い青色の箱のところですけれども、領域や全教科の専門科目を開設する幼稚園、小学校の教職課程では、他の教職課程・学科等と共通の開設は今できないということになっているということですとか、それから次の8ページ目のところでありますけれども、これも薄い水色の箱の中の2番目でありますけれども、他学科等で開設する科目のうち教職課程の科目として認定されているものについては「あてる」ことができないというふうにされていることですとか、あるいはその次の9ページ目のところ、これも薄い水色のところに書いておりますけれども、各教科に関する専門的事項の半数までという制限が掛かっているというような部分、こういった部分に関して原則との関係で例外である共通開設というのをどの程度認めていくのかというところが一つのポイントになろうかと思います。
それから次の10ページ目のところに入っていただきますと、教職専門科目の共通開設という部分がございまして、これも一定の制限の下で共通開設をされているというところで、一番大きなポイントになりますのが、この薄い水色のところの一番下のところですけれども、複数の学科等間では幼稚園、小学校の教職課程を除いて共通開設が可能ということで、この幼稚園と小学校の課程の学位プログラム上の位置付けということに配慮して、共通開設に関しては制限的に扱われているという部分、この点についてどのように考えるのかというところが一つあろうかと思います。
それに派生することとしまして、この11ページ目のところで、いわゆる基準の4-8と4-9というのを組み合わせて適用するかどうかというところが1つ出てこようかと思います。
それから、専任教員の配置のところでいきますと、12ページ目に書かれておりますのが原則でございまして、教職課程ごとに必要な専任教員数を配置するというのが大原則になっている下で、今度は13ページ目の下で、今度は例外の場合としまして、科目を共通に開設する場合については専任教員を共通化できるということ。あるいは専門分野に一定の近接性がある場合については、専任教員を兼ねることができるという例外が定められておりまして、原則、学科ごとに専任教員を配置しなければならないという原則と、学科等の間で専任教員を兼ねることができるという例外の範囲というのをどのように考えていくのかということがもう一つの御議論のポイントになろうかと思います。
それから、論点例、資料5の方に戻っていただきますと、一番最後の5ポツというところで、学部等連携課程に教職課程を設置する場合に課程認定を行う単位、科目の開設、専任教員の在り方ということを挙げさせていただいております。これは、先ほど中村の方から説明がございました資料4を御覧いただきますと、従来、それぞれの学科等ごとに教職課程の認定を行うということにしておりまして、それぞれに専任教員、科目を置くということが前提になっているわけでございますけれども、今回、大学設置基準の改正によりまして学部等連携課程というものが導入された場合につきましては、この資料4の4ページ目、改正の概要丸2を御覧いただきますと、教員組織という箱の中の2つ目のチェックのところで、括弧書きで教員のダブルカウントができるとなっておりまして、今回のこの学部等連携課程の一つの大きな特徴として、学部等連携課程と緊密に連携及び協力する学部等の専任教員が兼ねることができるということで、教員が兼ねられるということで、新しい一つの場合というのが大学設置基準の方で位置付けられることになりますので、その場合に課程認定の上でこれをどのように受け止めるのかというところが一つのポイントになろうかと思います。
それから、5ページ目の改正の概要丸3で設置審査のところでありますけれども、審査プロセスの簡略化を図るというのが一つの今回の学部等連携課程のポイントになっておりますので、これについても、教職課程を設置する前にこれをどのように受け止めるのかというようなところがポイントになろうかと考えております。
以上、資料で論点例を5つほど紹介させていただきました。それに伴いまして、幾つか基本的な部分になるところについて、今口頭で申し上げました。いずれも資料3の薄い水色で囲った箱の中のところが基本的な考え方のポイントになる部分でありますので、このあたりのところを中心に御議論いただければと考えております。
以上でございます。

【山口主査】 どうもありがとうございました。それでは、議論に移りたいと思います。ただいま長谷さんの方から御説明ありました論点例も参考にしていただき、適宜各資料に戻っていただき、リファーしながら、御質問等も含めて御意見を頂ければと思います。どなたからでも、どこからでも結構ですので、よろしくお願いします。いかがでしょうか。

【本図委員】 すいません、皆さんも急で困っていると思うので、ちょっと情報があったら教えていただきたいんですけど、次回でも結構です。平成24年度の中教審答申のときに出た資料で、いわゆるたんす免許といいますか、免許は取っているんだけれども教職に就いていないというような一覧がございまして、要するに免許の取得の数は増えているんだけれども教員に実際就く人は少ないというような資料を見せていただいたことがありました。そのデータ自体もたしか平成22年とか、そういうデータだったので、今後、先ほど小学校の採用の倍率が1割を前後しているというようなことも併せて、たしかその表は学校段階別にも整理してありまして、実際、免許のカリキュラムを経て取得自体はどんな推移になっているのかを、またの機会で結構ですので、教えていただけたらと思いました。

【山口主査】 その意図を教えていただけますか。

【本図委員】 はい、小学校では採用の倍率が1割なんだけれども、実は、免許を取得している人は増えていて、となると、なぜ免許を取っている人は多いのに教採を受けないのか。更にもう少しお聞きしたいのは、地域別に見るとどこの地域で1割を切って、でも近辺の大学は、恐らくこれまでどおり小学校の免許を出していると思うんですね。となると、なぜ教員にならないのかというようなところも視野に入れながら、養成の在り方を考えていく必要もあるのかなと思った次第です。
あと併せて、先ほど免許外のこともございましたけれども、希少教科と言われるような教科も既にあって、技術や美術のところの免許は現場では足りないと。そのあたりの労働の場でのアンバランスみたいなところも数値的には把握をしておけるといいのかなと思いました。

【山口主査】 分かりました。ありがとうございました。それはいかがでしょうか。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 推移ということでお示しをしておらないんですが、参考資料3の基礎資料の中で、10ページから12ページ目あたり、最後の方なんですけれども、10ページ目のところに教員免許状の授与件数ということで、平成29年度のデータが今文科省で持っている最新のデータになりますけれども、ここで学校段階別の授与件数の合計が出ております。次の11ページ目のところで中・高について教科別の授与件数を出してございまして、例えばこの中で、中学校の中の標準的な教科になっているところでいきますと、技術が特に614件ということで少なくなっていると。これが特に希少免許と言われる部分になってこようかと思います。
それから、12ページ目のところを御覧いただきますと、公立学校教員の採用状況、これは文科省の方で持っております最新のデータになりますけれども、ここで受験者数と採用者数というのが出ておりますので、10ページ目の免許状の授与件数と、この採用状況を比較していただきますと、授与件数がすなわち人数ではないんですけれども、ある程度授与の状況と採用の状況というのが比較できるようになろうかと思います。この件数だけで見ていきますと、例えば小学校につきましては、合計の授与件数というのが今3万2,000件程度でございますけれども、採用者数でいきますと、大体1万6,000人ぐらいが採用されているということになっています。それで競争率が3.2倍になっておりますけれども、一度教員採用試験に合格しなかった方がまた次の年に受験をされたりするので、単年度としては、免許が出ている件数としては3万2,000なんですけれども、受験者数としては5万人ぐらいいらっしゃるというような状況になっているところでございます。

【本図委員】 すいません、きちんとしたデータが、最新のがあったんですね。ありがとうございます。割り算も頑張ります。ありがとうございます。

【山口主査】 ありがとうございました。じゃあこれも御参考にしていただきながらということで。
ほかに。大森先生どうぞ。

【大森委員】 ありがとうございます。大森です。質問が1つと、あと意見なんですが、最初にちょっと質問というか、私も、教職課程を自大学で小・中・高と設置していて、という観点では教職課程を勉強してきましたけど、教職の専門ではないので、この間の議論ということを知らないので、余りにも基礎的なことをお聞きするやもしれませんが、資料3のところ、いわゆる共通開設について御説明を頂いて、資料3の11ページの図が非常に分かりやすくおまとめいただいていたかなと思うんですが、御説明の中で、学位プログラムの位置付けが、主たる目的とする学科等とその他の学科では違うので、共通開設ができないという御説明が幾つかあったように思います。確かに、その1つの科目の位置付けは、学位の中に位置付くのか、そうではないのかという意味では、確かに学位プログラムの側から見れば違うということはよく分かるのですが、その科目の教職課程にとっての意義というものに関して言えば、そんなに大きく違うものなのかどうかというようなことを考えたときに、組み合わせが適用できる場合というところで、A学科で中学校の科目B学科と共通することはできるのに、同じ学科の中で小・中ができないというのは、でもこの小・中の科目は学位プログラム上は同じはずであるので、さっきの御説明とちょっと矛盾が生じてしまうのではないか。それからもう一つは、このA学科に属している学生さんにとっては、これが2つ開設されるということは、小・中の免許を取るときには同じような科目を2つ取るという、これは開設と履修が分けて考えるべきなのか、みなしていくということなのかとか、その辺のことを、学位プログラム上が違うんだということであれば、このA学科とB学科の中学校の基礎理解の科目も共有は絶対できないはずじゃないのかと思うんですが、その辺の説明をもう少し教えていただけたらありがたいなと思うのがまず質問です。

【山口主査】 はい、いかがですか。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 ありがとうございます。まず、教員養成を主たる目的とする学科等とそれ以外のところで学位プログラム上の位置付けが異なっているところにつきましては、基本的な考え方としては、教員養成を主たる目的とする学科等にとっては、教職の専門科目というのは非常にコアな科目である、学位プログラムの中心的な科目であるという一方で、それ以外の一般学部につきましては、一般学部の学位プログラムの中には必ずしも位置付けられていない科目であるという位置付けが違うということが基本的なところでありまして、それが現象面として考えていきますと、例えば教員養成を主たる目的とする、仮に教育学部と申し上げますと、教育学部ではこの教職の専門科目というのが例えばコアな時間帯に開設されていて、比較的専任教員も手厚く配置をされている中で学習環境が維持されているという部分がある一方で、一般学部の中では必ずしもコアな科目ではないですので、必ずしもコアな時間帯には開設されていないという履修の時間帯の要素でありますとか、あるいは専任教員の配置自体も、課程認定基準上はかなり大まかな決め方をしておりますので、履修する人数もかなり多くなっている可能性がありますので、そのあたりの時間割の置き方でありますとか、履修環境といったことが現象面としては違いとして現れてくるということになろうかと思います。確かに一方で、教科の内容としては共通している部分が非常に多くございます。
それから、少し大森先生もお話がございましたけれども、参考資料3の7ページ目のところを御覧いただきますと、単位の流用というのが可能になっている部分がございまして、例えば小学校の教職課程を履修していた方が中学校の免許を取ろうとするときに、一部小学校の単位を流用したり、逆も可能になっているというようなことがありまして、単位を流用するという形で相互の乗り入れが可能になっている部分もあるところがありますので、もう御指摘のように、学位プログラム上の位置付けが違っているというところと、教科の内容としては実際には共通していて流用もできるということとのバランスの上で今の制度が成り立っているわけでありますけれども、そこのバランスのとり方が今の形でよいのかどうかということに関しては、まさに大森先生に御指摘いただいたように、御議論のあるところではないかなとは思っております。

【山口主査】 じゃあ続けてどうぞ。

【大森委員】 ありがとうございます。私の観点としては、こういうこと、つまりそういう実務的な部分での困難さというものがもし背景にあるのだとすれば、十分に克服をしていけるだろうと感じるところで、むしろ、より質の高い教職課程を目指すということは、教育学部の専門の先生が教えてくださる授業を他学科の学生が取るべきであって、教科に関してはその逆もあり得るかもしれませんけれども、そういう意味で、初等中等の壁というものも余り必要ないのかなというか、他学科での共通開設というのもしていくべきではないかというふうにも思っています。
というのは、やっぱり地方において1つの大学の規模というのは非常に小さいところがほとんどですので、そういったところできちんと教員養成の機能を維持していこうといったときには、そういうことを可能にしていかないと、もしB学科が学位プログラムの外にあるんだという認識を持っているとすれば、じゃあなしにしようというのは簡単に経営上考えることだと思うんですね。今回の再課程でも本学は情報と商業は再課程申請しませんでした。それはもうこんな小さい大学では無理だろうということです。それが複数の学科等があってほかと共有していければ持てたかもしれない、そうすると群馬県でその免許の出せる大学は1つ減ったということになるわけですけれども、より多くの環境を整えていくためには、今後多分、地域での連携ということも次の機会に議論があると思うんですけれども、そもそもそっちまで考えるんだとすると、学内のということのハードルはかなり低いんじゃないかなというふうに感じているところです。分かりづらいお話だったかもしれませんけれども、ありがとうございます。なぜだめなのかという理由が分かったので、議論が進みやすくなりました。

【山口主査】 ありがとうございました。まさにその辺が論点になると思いますし、1つポイントは、私が冒頭に申し上げました質の話だろうという気がしています。可能であると先生は簡単におっしゃいましたけど、なかなかうちの大学を思うとそう簡単ではなさそうだなとも思う部分もあるんです。ただ、やらないといけないという事実もあってというところかと思います。すいません、私が余り言っちゃいけないですね。いかがでしょうか。今の点でもほかの点でも構いませんが。はい、お願いします。

【北神委員】 よろしいでしょうか。論点例の部分のところで、組織単位、課程認定の単位の問題と共通開設の問題というのは、1つは単位を限定しているというのは、責任の問題だと思うんですね。現在の仕組みでは、どこが教員養成に責任を持つ主体になるのかという点で、定員を置いているところに加えて学科等と免許の相当性という形で、この学科やコースでどういう免許を出すのかという免許の相当性を課程認定で審査しており、その部分のところがまさに単位という問題を見ていかなければいけない。それを拡大することによって、例えば学部とか大学全体になったときに、複数の免許が出てくると、その免許の相当性というのは、大学自体として担保できる責任の組織をちゃんと作ってもらわないといけない。いきなり学科等から学部・大学全体にその単位を上げたところで、質の保証に向かうのかどうかという点で、まず責任の主体をどう設定するのかという問題がある。その中で、もう一つがまさに質保証という点です。大学が持っている資源を教員養成にフル稼働するという形で考えれば、共通開設、それぞれ持っている資源を教員養成というところに投入していくという部分では必要な一つの措置だろうと。その兼ね合いをどういう形で制度設計するのかと。今は学科等の最低・最小単位に課程認定の責任を置いて、そこで全ての科目を用意してもらって、専任教員も配置するという一番コンパクトというかリジットな形の単位でやっていると。それを広げることによって出てくる質保証に向かうプラスの部分と、責任主体が、悪い言葉を使えば不明確になってしまうという危険性をどんな形の制度設計の中で落とし込むことができるのかどうか、そこに、恐らく今、大学部会の方が検討している学部を超えたところでの新たな学位プログラム設定みたいなところも多分似たような議論がなされているんだと思うんですね。だから、必ず管理運営の責任主体を置いてくれと。恐らくそれは教員養成でも一緒ではないかと。そこらあたりをどう整理しながら議論していったらいいのかということが出されている論点の1から5に関わるような部分ではないかと思っています。

【山口主査】 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。はい、森山先生。

【森山委員】 今、北神先生のお話にもありました点と非常に共有する部分があるんですけれども、やはり論点の1番のところで、大前提はやはり教職課程を設置する基本的な組織単位の在り方のところを一番ポイントに置くべきであろうと思います。それに関わって、やはり学部等連携課程の設置は、これは基本組織に加えて設置するということがきょうお話にありましたとおりですが、一方、教職課程の場合は努力義務化として全学的センター、全学的な組織を置くという、そういう組織のことも出てくるし、また、課程認定等を受ける場合は、学科等の組織が基本となるということです。加えて、学科と免許状の相当関係というのを議論しているわけですので、そういう意味になりますと、なかなか学部等連携課程の設置と、それから一方、教職課程のいわゆる組織の、あるいは設置の考え方が全く違うような形で動いているというようなこともあろうし、教職課程自体が全学的な組織ということを言いながらも、また学科等で課程認定を受けるという、そういう二重になっているところがあるわけです。そういう意味では、やはり学部等の今後の議論としては、学部等の連携課程とある程度の連動なり共有化を図らないと、教職課程はこういう形でいきますよ、学部等の連携、高等教育の方はこういう形でいきますよという形で、別々に余り共有を持たないでやっていくと、恐らく設置とかあるいは今後の質保証についても、教職課程はオプションみたいな形でどうしても違う議論が出てきてしまいます。むしろ共有化をなるだけ連動するような形を、今後示すということが質の向上にもつながるのではないか、そういう感じがします。一応、大前提といいますか、そういうところでお話をさせていただきました。
それに加えて、学部等連携課程との連動、共有化はある程度必要ではないかと思うところで、どのように今後考えておられるのかということもちょっとお伺いできればありがたいと思います。
以上です。

【山口主査】 この時点でありますか、文科省の方から。まだ言いにくいですかね。もう少し議論してからで。はい、どうぞ。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 すいません、まさにこちらでの御議論を踏まえた上でということになろうかと思うんですけれども、まさに森山先生、北神先生御指摘いただきましたように、教職課程に対してどこが責任を持つのかという責任の主体があって、それを単位として課程認定というのをやっておりますので、学部等連携課程というものが出来たときに、それをどこの単位で課程認定をしていくのか、そのときに、密接に関連する学部と学部等連携課程との間での例えば科目の開設ですとか、専任教員のカウントの仕方といったものをどうしていくのかというところが、具体的な制度設計に落とし込んでいったときにどうなるのかというところが議論のポイントになってくるんだろうと思います。そのときに、森山先生御指摘のように、大学設置基準の考え方と乖離した形ではなかなかやりにくいだろうと思いますので、そちらの設置基準の方である程度専任教員のダブルカウントができるという方向になるのであれば、それも踏まえた上で、学部等連携課程に関する教職課程の基準というのは考えていく必要があるのかなというふうに思っているところですけれども、ちょっとまだ具体的には、御議論を踏まえてということになろうかと思います。

【山口主査】 この場の議論が重要ということですので、是非引き続き御意見を頂ければと思います。
ほかにいかがですか。佐古先生。

【佐古委員】 ちょっと話変わってよろしいですか。

【山口主査】 はい、もちろん。

【佐古委員】 認定を受ける単位の問題は私も重要だと思っていますし、北神先生おっしゃるように、責任の主体をどこに置くかということの議論に行き着くんだろうと思います。もう一点、きょうの話をお聞きしていまして、幼・小と中・高の課程認定の取扱いがかなり違う。これが教職課程の共同開設ということを、困難にしている要員ではないかと思っています。おそらく、初等教育段階の教員と中等教育段階の教員に求められるものが違うという大前提があって、そのような措置になっていると思うんですけれども、一方では、小学校の教科担任制の議論のように、小学校教員にも教科の一定程度の専門性が要求される傾向が見られる。逆に中・高の教員にも生徒指導上のより細やかな配慮が求められる。このような教育課題に対する対応を考えると、むしろ幼・小と中・高を区分して教職課程を区分することがよいのかどうか、むしろそれぞれに必要な資質能力を重視しつつも、相互に活用できる授業科目を認めていく方向で考えるべきではないかと思っております。

【山口主査】 ありがとうございました。はい、どうぞ、大森先生。

【大森委員】 何度も申し訳ありません。今の佐古先生のお話にちょっとのっかるんですけれども、義務教育学校みたいな制度も出てきているし、それから、群馬県の場合だと、これはいいのかどうかは分からないんですけど、古くから小・中の人事異動というのは当たり前にあって、本学の学生も、中学の免許を取って初任が小学校だったりもするわけで、その逆もありますけれども、それはどんどんそういうことになってきている中で、小・中の、まあ高までいくと、ちょっと小と高というのはあれかもしれないですけど、少なくとも小・中の両方の免許を取らせてやりたいし、そこで共通して学んでいくことの意義というのは現場ではすごく感じているのに、そこにすごく大きな溝があるように感じているところなので、それは大きな検討課題じゃないかなというふうには思っています。すいません。

【山口主査】 ありがとうございます。はい、どうぞ、酒井先生。

【酒井委員】 酒井でございます。今の点なんですけれども、確かに、幼・小と中、義務教育学校が一番の連携で、そこの垣根をある程度柔軟にしていかなければ対応できないというのは、確かにそうなんですけれども、一方で、実態として今どういう動きになるだろうと、これをもし柔軟化させるとどうなるだろうということをちょっと考える部分があるんですが、現在、例えば教育学部があって他学部があるという構成の大学ですと、教育学部は教育学部で目的養成、そこだけとしている。それ以外の他学部の担当の教職の教員が動いているという、多分そういう構成で動いているんですが、この垣根を外しますと、結局教育学部が全ての学部の教職科目を全部担当するということが十分予想される。それはどういうことかというと、他学部の学部は関心がどんどん低下していくのではないかと。要するに、教職の担当者が1学部が担当することで、ですからその部分を要するに全学教職センターをうまく活用すれば乗り越えられるのかもしれませんが、現状は、全学教職センターは、この開放制の中学・高校の免許のところを管轄し、教育学部は別管轄でやっているという、私が前の大学でその担当だったものですから、そういう動きをしているところで何とか維持されていたんですが、その形を大幅に変えることになっていくわけで、うまく制度設計しませんと、開設の質が担保できないようなことになりかねない、それが非常に懸念される部分があるんじゃないかなとちょっと心配しております。ですから、先生方がおっしゃるとおりで、柔軟にする必要性があるものですから、そうしますと、それをどううまく大学全体で責任を持って運営するかという仕組みを考えませんと、軽々にこれを外してしまうだけですと、かなり危ないことになるんじゃないかと思います。

【山口主査】 ありがとうございます。本図先生。

【本図委員】 その点では酒井先生がおっしゃる点もごもっともで、基本的にはもう少し複数免許が取りやすくなるような課程認定の仕組みを検討できていくと。なかなか中・中も取りにくいし、そこが何でもありではなく、恐らく近接であれば、理念もきちっとしていれば、例えば数学と技術は取りやすくなって、共通のものがいいとか、そういうことはまだまだ検討の余地はあるのかなというふうには思っています。
また別の点なんですけれども、この中で、教科教育のところをどうしていくかというのも論点かなと思っていまして、教員配置のところに関わるんですけれども、専門の先生方は何とか見付けることも可能なんでしょうけれども、質という点では教科教育の先生を幼・小で見付けるのか、中・高で見付けていくのか、ここのところも併せて論点かなと思っております。

【山口主査】 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。お願いします、添田先生。

【添田委員】 今、本図先生がおっしゃったことは本学でも課題になっておりまして、例えば、教科教育の場合、小学校と中・高ではかなり違いますが、両方を配置するというのはなかなか困難です。ただ、その一方では、学生は小学校と中学校の両方の免許を取りたいということで、そういう意味では教科教育では別々に習った方がいいのかもしれないけれど、学生は両方の免許を取りたいというようなことで、かなり矛盾がそこにもあります。ただ、本学のような地方都市におきましては、子どもの数もどんどん減っていますので、義務教育学校にしたいからとかいう以前に、もうせざるを得ないところも出てきておりますので、やはり小・中の免許をかなり単位の負担を減らして取らせてあげることが学生の学びの深化にはいいんだろうと。もう今は単位を取ることできゅうきゅうとなっているというところがあります。ですので、先ほど来御指摘のありますように、小・中は一緒に取れるものが多ければ多いほどいいのかもしれないけれど、教科教育法のように専門性が異なるのではないかと思われるようなものについてはどう考えていくのかというようなところの識別みたいなものが必要なのかなと考えております。

【山口主査】 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。どうぞ、佐古先生。

【佐古委員】 今の御意見に少し重ねるようですけれども、教員養成課程の学生が、他学部の授業科目で専門科目を補っていくということが可能になった場合、それでいいのかどうかということも気になるところです。つまり、教員養成にとっての専門科目というのは、例えば理学部で行っている授業科目を持ってくれば、授業科目が類似しているから使えるのかというと、多分そんなものでないと思います。そうなってくると、やはり教員養成としての専門科目の在り方をどう押さえていくかということが非常に重要で、そこの議論が必要ではないかと思います。

【山口主査】 ありがとうございます。はい、森山先生。

【森山委員】 今までの議論に関わってですけど、やはり学位プログラムとの連動の観点からいけば、恐らく例えば中・高の教員養成については、先ほども議論になりましたけれども、特に例えば教科専門の科目についてある程度、例えば大学の1年次から共通開設ということを考えるのであれば、共通開設をするべきではないのかという考え方はあってもいいのではないか。それは例えば工学部であっても何であっても、数学なら数学の免許を目指すのであれば、それはその中でコース制の形をして、そのかわり、学部の枠を越えて1年次から教員養成の科目をそこで履修するという形であるならば、質保証の観点からもある程度の成果が上がるのではないかと思います。ただ、この場合に学位プログラムの科目から教科専門科目の体系を独立させるわけですから、そういう意味では中・高の専門科目に必要な教科専門の、例えばコアカリキュラムという言葉がいいかどうか分かりませんけれども、ある程度のカリキュラムの中で一定のコアカリキュラム的な教職課程が中心に求められてくるというようなことも考えられるのではないかと思います。
以上です。

【山口主査】 ありがとうございました。はい、大森先生。

【大森委員】 森山先生のお話に、ちょっと逆の立場というかあれなんですけれども、教職課程としてはそれが私も望ましいと思っているんですが、そうすると、課程を置く学科はどんどん減っていくだろうなという気がいたします。これは現場の私学の経営の観点からいくと、今の学位プログラム自体のほかに更に教職コアを置かなければならないと言われたら、じゃあやめようということになっていくのが現状なんじゃないのかなとは感じますので、そこは実際の運用のところというか、つまり、教員免許を取る学生を多くしたいのかどうなのかという、何か最初の目的のところのことも大きく絡んでくるのかなとは思うんですけれども、ちょっとそこは、例えば地方の小さな工学部なんかで、そのほかに置きなさいよと言われたらとかというのはちょっと懸念があるかなという感じは。でも、そうじゃなきゃだめなんだということであれば、ちょっと開放制そのものをもう一回考え直すところまで行っちゃうかもしれないなというぐらいに、地方の大学の現場というのはかなりしんどいんじゃないかな、それでもまあ頑張って課程を設置しているというところが現状なんじゃないかなと。学位プログラムにないところでも教職の専任の先生をプラスで採用しておいてやっているというところでも本当に頑張っているという部分があると思うんですね。
もう一つ、私も今、高等教育の方では、グランドデザインのところで教学マネジメントの委員会で議論をしていますけれども、余り科目が多くなったときに、その一個の科目の質保証というところで、やはりCAP制の問題とかをあちらでは議論しています。そうしたときに、うちでも教職の初等の学生はCAPを外すみたいなことになっているのですけれども、一個一個の授業の質というものはどうなのかという観点も考えていく必要が出てくるかなと思います。済みません、ありがとうございます。

【山口主査】 ありがとうございます。安部先生、お願いします。

【安部委員】 すみません、先ほどからのお話をお聞きしまして感じたことなのですが、いわゆる戦後の教員免許の開放制が進んで、色々な大学で教員免許が取れるようになった歴史がありますが、一方、それこそ2040年とかを考えたときには、学校教育の現場の教職自体、免許を持っている人だけではなく、例えば情報だとか外国語の担当とか、あるいは教員ではないのかもしれないけれどもスクールカウンセラーだとか、そういう多様な人材を教育の現場に迎える可能性が出てきていると思います。そして、教員志望者が減っている中、若者が減る日本中で、質の高い若者を、質の高い、非常に教職希望に燃えた人たちを教育の現場に送らないといけない状況を考えると、教職課程をどう考えていくかということに関しては、細かいいろんなテクニックはあるかもしれませんけれども、大事なのは教員養成の大学が、全体としてのガバナンスをとることではないか、例えば大森先生が言われたような、地域でどれだけの良質の教員を確保していくかという、それこそ教員養成のグランドデザインみたいなものを前提にした上で、教員養成を、どう変更していけばいいかということを考える視点が必要じゃないかと思うことが1点です。それから私は、短期大学で幼稚園の教員の養成をやっていますが、先ほどから幼・小と中・高の間の隔絶というお話がありましたが、実は幼稚園と小学校の間にも非常に溝がありまして、幼稚園に関しては、御案内のとおり、保育教諭等の構想もなされていることから、幼稚園教諭と小学校教諭の溝というものをどう埋めていくかを考えることも必要ではないかなと日頃考えている次第です。そういう検討もお願いできればと思います。
以上です。

【山口主査】 どうもありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。じゃあ、加治佐先生。

【加治佐委員】 今いろいろお話を伺っていまして、全てなるほどという感じがします。それで、少し大きい話になりますけれども、この中にも資料が出ていますけれども、ついこの間、中教審の諮問が出たわけです。その中では、抽象的にしか書いてないから読み取るのは難しいんですが、免許を抜本的に改革しろというふうには読めるわけです。きょう出ましたけれども、小・中に共通する免許を創るとか、あるいは中・高に共通する免許を創るとか、あるいは中・高の複数教科の免許をもっと取りやすくするとか、何かそういうものが入っていると思うんです。さらに、我々の業界以外の人は、むしろ免許のない教員をもっと採用しろと主張しています。こういう圧力は非常に強いんです。我々は業界内で、質保証の仕組みの議論をしているわけです。これは極めて大事なことです、当然です。医学界だってみんなそういうことをするわけで、それは大事なんですが、外はそういう雰囲気ではないわけです。教員は、免許がない人もできるんだとか。特にこれからSociety5.0になるともっとそうなんだとか、そういうニュアンスなんです。そこは乖離を感じるんですけれども。要するに、そういう大きな改革をしなければいけないというふうな方向が出ているように見えるんですが、このワーキングでは、それとは別に、現行の原則や制度、例えば今の相当免許状主義を完全に前提にして、あるいはきょう皆さんおっしゃるように、幼・小と中・高で完全な分離がありますよね、そこを前提にしたような議論を今後もするのか。そういうところの判断をしないと、ここで結論を出しても、教員養成部会ではその大きいところを議論することになると思うので、そこがどうなっていくのかなというのがあります。だから、そこの整理が必要なのではないかという印象ですね。

【山口主査】 ありがとうございます。まさに加治佐先生の発言に期待したのは、あとは部会の方の議論がどこまであって、その下のワーキングですから、どう連携をとってやるのかというのは、さっきからお話を聞いていて一番気になったところなんですが、何か現時点でありますか。

【柳澤教育人材政策課長】 今の時点でも明確にこうというのはないですけれども、おっしゃるように、教員養成部会では非常に大きな立場からの御議論を頂くんだろうと思っています。ここのワーキングは、きょうのお話を伺っていても感じますけれども、今の教職課程の認定に非常にお詳しい方々の中での専門的な御意見というのがすごく多いと思うんですよね。だから、そういう方々でないと逆に分からない課題ですとか、やはりここは留意しないといけないんじゃないかというところをここでは出していくんだろうと思っています。なかなかそういうところまで入っていないと分かりにくい部分というのもしっかりここで明示をして、こういう専門的観点、あるいは今までやってきている教職課程という観点からいった場合に、こういう改革をするということがこれだけのメリット・デメリットがあるというところが、大きな判断をする材料としてのメリット・デメリットの提示だとか、やるならこういうところに留意しないといけないというところ、まさにきょうのお話を伺っているだけでもすごくいろんな材料を頂いたと思っていますけれども、その辺を出していった上で教員養成部会でどこまでそれを判断するかという、そんな役割分担かなと思っています。実際、教員養成部会では、3年ぐらい前でしょうかね、一回このような検討もしています。で、小・中の免許だとか一貫の免許の話とかもしてはいますので、もちろんそのレベルはしっかり同じような議論はしていく必要があると思っているので、そこを避けていく必要はないと思っています。そういう大きな議論もしていくんだと思っていますけど、まずはそれに至る部会として検討を、あるいは判断できる材料をしっかりここでお出しいただくということをまず目指していただけたらなと思っております。

【山口主査】 ありがとうございます。もう時間も来てしまったので、坂越先生、何かあればお願いします。

【坂越主査代理】 皆さんの多様で貴重なご意見を全然まとめる気はないのですけれども、お話を伺っていて、本当にいろいろな論点があって、で、これはまだそんなことを言うのは早いかなと思いつつ、伺っていて感じた主観なのですが、冒頭、長谷室長が、やっぱりある程度のめどは年内に出したいということを言われたので、今お話に出たみたいに大きな射程の論点と、もちろんそれは論点整理してメリット・デメリット、もしやるならということは整理しなければならないと思うのですけど、この1年間でどこをどう変えればここがよくなるという、そのレベルの話もやっぱり詰めていかなきゃいけないのかなと思います。
もう時間がない中で、中村さん、1つだけ質問です。学位プログラム制は学内的な教育プログラムとしては、すでに複数の大学で既に行われたりしていてある程度イメージしやすいし、定員も張り付ける、CP、DPもちゃんとできる。で、このワーキングの最初の項目立てに大学間連携という見出しがあったのですが、複数大学間の話となるとまたちょっとこれは大きくなってきて、これはもう設置審の方がどう進むかにかなり関わると思うのですが、そのあたりはどうなんでしょう、すいません。

【中村大学振興課専門官】 ありがとうございます。おっしゃるとおり、中教審の大学分科会の答申の中では、まさにその大学間の連携についても議論がされてございまして、ただ、いわゆる大学間の連携推進法人制度であるとか、地域連携のプラットフォームであるとか、そういった仕組みについて提言がされているところなんですけれども、そちらの方は目下制度改正へ向けた検討を今進めているところでして、本年中、恐らくこちらのワーキングと並行して議論、検討が進められていくと思いますので、そういった内容についても随時当局の方から御報告させていただきたいと思ってございます。基本的には、やはりリソースを共有して教育をできるようにしていこうと、ただ質保証はちゃんとやろうという方向で議論を進めているところでございます。ありがとうございます。

【山口主査】 はい、どうぞ。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 今の関連ですけれども、まさに今申し上げましたように、大学間連携推進法人の制度設計については今まさに検討中のところでありまして、こちらのワーキングの方で御検討いただきたいと考えております大学間での教職課程を設置する仕組みというところも、かなり大学設置基準の考え方をベースにしないといけないところがあると思っております。ですので、設置基準の方での大学間連携推進法人の制度設計の方と、こちらのワーキングの方での大学間の検討というところは、相互に一緒になって進めていかないといけないと思っておりまして、ですので、同じようなスケジュール感で進めていきたいと考えております。

【山口主査】 どうもありがとうございました。はい、どうぞ。

【本図委員】 すぐ終わります。設置審のことまで言っていいようでしたら、6年制も含めて学部と大学院もどうしていくのかということも規制緩和の大きな流れの中と質保証であるのかなと思っております。

【山口主査】 ありがとうございました。時間が参ったのでそろそろ終わりにしたいと思いますが、本日の議論はまとめる必要はないと事前に言われておりまして、まあまとまるわけもないというのが実感です。ただ、本当にたくさん、いろんな視点から御意見を頂けて、今後これをうまく整理していけば、それなりのものが出るだろうと思っています。私自身感じたのは、やはり教員養成というか、求められる教員というのはどんなのだというのが、質量ともに、やっぱり相変わらず不明確なような気がします。将来の話ですよ、現時点ではなくて、まあ2040かそこは分かりませんが。それが一つと、もう一つは、大学を運営している身としては、先ほどありましたガバナンスの話といいますか、大学の制度をどうやって設計するか、やっぱりその両極端の部分が整理できないで混在した議論をしているような気がしています。これにここで答えを出すのは難しいんですが、少なくともこの規程、基準を変えるんだったら、大学のガバナンスがこうならないといけないとか、そういう問題があるよねということだけでも出せたらいいんだろうなときょう1回目として感じた次第です。すいません、私の勝手な感想を言わせていただきました。ありがとうございました。
では、時間となりましたので、本日の審議はこれまでといたします。事務局において本日の議論を取りまとめて、次回の会議で各論点の方向性について御議論いただきたいと思っています。
今後のスケジュールについては、事務局から説明をお願いいたします。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 資料6に今後のスケジュールを掲載してございます。次回第2回は、令和元年5月31日の10時から開催の予定でございます。場所につきましては追って御連絡をさせていただきます。

【山口主査】 それでは、本日はこれで閉会といたします。長時間ありがとうございました。

── 了 ──

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