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学校における働き方改革特別部会(第18回) 議事録

1.日時

平成30年10月15日(月曜日)13時30分~16時00分

2.場所

文部科学省 旧庁舎6階講堂

3.議題

  1. 時間外勤務抑制に向けた制度的措置の在り方について
  2. その他

4.議事録

中央教育審議会初等中等教育分科会
学校における働き方改革特別部会(第18回)
平成30年10月15日


【小川部会長】  定刻数分前ですけれども、もう既に皆さんおそろいですので、これから、18回目になりますけれども、学校における働き方改革特別部会を開催したいと思います。
 議事に入る前に、まず本日の配付資料について、事務局から説明をお願いいたします。

【鞠子初等中等教育企画課課長補佐】  お配りしております議事次第にございますとおり、机上には資料1から資料8-2までと、参考資料1から9までをお配りしております。併せまして、御参考までに前回までの配付資料を机上に置かせていただいております。過不足等ございましたら、事務局までお申し付けください。

【小川部会長】  よろしいでしょうか。
 それでは最初に、きょうの進め方について確認しておきたいと思います。議事次第には明示されておりませんが、最初に、本部会の審議にも関係しますので、初等中等教育分科会教育課程部会で議論されております、総合的な学習の時間における学校外学習の位置付けの明確化に関する報告を頂きます。その後に、あした10月16日付けで文部科学省の組織再編がありますので、これについて御報告を頂いた上で、その組織再編に伴い必要となる本部会の運営規則の改正について、委員の皆様にお諮りしたいと思います。
 これら2つの報告を受けた後に、前回に引き続いて、きょうの本題である時間外勤務抑制に向けた制度的措置の在り方についての議論を進めていきたいと思います。その議論に関係しまして、きょうは東京都の中井教育長と岐阜市の早川教育長にもお越しいただいております。後ほどお話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
 では最初に、教育課程部会で議論されております総合的な学習の時間における学校外学習の位置付けの明確化について報告を受けたいと思います。
 これは教育課程課からですね。よろしくお願いいたします。

【白井教育課程課教育課程企画室長】  教育課程課の白井と申します。
 それでは、資料1に基づきまして御説明をさせていただきます。「「総合的な学習の時間」における家庭・地域等と連携した学校外学習の位置づけの明確化について」ということで、教育課程部会の方で御議論を頂いているものでございます。
 まず資料の左の上の方を御覧いただきたいと存じます。これまでの総合的な学習の時間についてです。一般的には、教師の指導の下で、教室で行われることが多かったところですが、もちろん地域に出ていくこともございました。例えば地域調べ、商店街や町並みを調べたり、あるいは職場体験ということで、地域のいろいろな企業とか病院等にお世話になることも多かったかと思います。ただ、多くは、学校という場で先生が教室で行うということが通例であったかと存じます。
 そこで、この総合的な学習の時間について、これを活性化していくという観点から、その下の図になります、これからの総合的な学習な時間というところを御覧ください。教師の直接的指導だけでなく、家庭や地域と連携しながら様々な場を通じて児童生徒が主体的に探究を行うということを重視しており、具体的なところとしては、一番下の青い部分になります。例えば学校外の場において、夏季の休業期間とか土日といった時間を含めて、地域調べ、職場体験、職業調べ、こういったものを行っていく。場合によっては、図書館や博物館、公民館等で一定のプログラムが提供される場合もあるかもしれません。こういったものについても、必ずしも学校という場でなくて、また、時間においても、夏季の休業期間であったり、土日といった時間、こういったものを含めて総合的な学習の時間の一部にカウントしていってはどうかというものでございます。
 もちろん何でもかんでも学校外の学習が授業に認定されるということではございません。右側の方を御覧いただきたいと存じます。中段になりますけれども、以前から職場体験、地域調べ等、様々な形で地域と連携するということがあったわけでございますけれども、そうは言っても限定的な部分がございました。そこで、夏季休業期間、土日等に学校外で行う学習について、指導計画上にきちんと位置付けられ、目標、内容、活動、指導方法・体制、評価、こういったものが明確になっていることが条件となります。また、総合的な学習の時間の特質を踏まえまして、その一定の割合ということで、当然全てということではなくて、一定の割合、おおむね4分の1程度ということを考えておりますけれども、そういった活動については学校外での学習についても授業として認めていったらどうかというものでございます。
 こういったことを行いますと、例えば夏休み等を活用することを通じまして、ふだんの授業時間についてはある程度平準化をした中で、結果的に先生方の勤務負担を平準化するということにもつながるのかなと思っておりますし、また、総合的な学習自体、特にアクティブラーニングという観点からその活性化が見込まれるのではないかと考えているところでございます。
 こちらからは以上でございます。

【小川部会長】  ありがとうございました。
 今の報告について、質問とか確認があれば、少し時間を取りたいと思いますが、今の案件につきましては教育課程部会の所掌でもありますし、また、この後議論すべき多くの議題もありますので、この場でどうしてもという確認事項とか質問事項のみに限らせていただきたいと思います。どなたか一、二あればお受けしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 よろしいですか。では、嶋田委員どうぞ。

【嶋田委員】  実際に小学校においての総合的な学習の時間の地域での状況や家庭での状況といったときの趣旨は分かりますが、やはり時数のカウント、また具体的な方法、そういうところをまた御指示を頂ければと思っているところです。実際に教務主任は12月中には詳細な計画を大体立てて、1月には新年度計画ができるような状況になっていきますので、時間的なタイムスケジュールも含めて御検討いただければと思います。
 以上です。

【小川部会長】  ありがとうございます。
 冨士道委員。

【冨士道委員】  これはいつから実際学校では実施ができるのかというところを明確にしていただきたいと思っています。今、嶋田委員からありましたけれども、学校は既に来年度の予定を作り始めている。そういう中で、特に都道府県、それから、各市町村の教育委員会に説明をした上で学校に明確にしていただかないと混乱が生ずるとそんな不安がありますので、いつから、そして、あと、教育委員会等の説明をいつから始めるのかを含めて情報を頂きたいと思います。

【小川部会長】  ありがとうございます。では、このお二人だけで終わらせていただきます。今お二人からの要望とか質問もありましたけれども、この場で回答できる範囲でお答えいただければと思います。

【白井教育課程課教育課程企画室長】  ありがとうございます。具体的にどのような学習を認めることができるのかといったような細かい点につきましては、通知の中でしっかりと明記をしてまいりたいと思います。また、タイムスケジュールについてですけれども、来年から行うことがいいのか、それとも、移行期間が終わった全面実施の年から合わせていった方がいいのか、その辺りについては、関係の各団体ともよく御相談をさせていただきながら、また、ちょうど交替があったところですが、大臣の判断も仰ぎながらしっかりと決定していきたいと思います。

【小川部会長】  では、引き続きよろしくお願いいたします。この件はこれで終わらせていただきたいと思います。
 続きまして、明日10月16日付けの文部科学省の組織再編について御報告を頂きたいと思います。これは資料2でしょうか、初中企画課の森課長より御説明をお願いいたします。

【森初等中等教育企画課長】  失礼いたします。それでは、資料2に基づきまして、文科省の組織再編という、初中局に関連する再編の概要について御説明申し上げたいと存じます。
 このたび文科省の方では、教育政策の総合的・横断的な推進のための体制を整備するという観点から、生涯学習政策局を改組いたしまして総合教育政策局に改めるといった内容の改編を行うこととしてございまして、これに伴いまして初等中等教育局の所掌事務についても改編を行うこととしてございます。
 具体的には、資料2の左側の方にございますところ、緑色で示してございます事務が初等中等教育局内で再編される事務でございます。これを右側、財務課のところを御覧いただければと思いますが、学校における働き方改革の一元的な推進、これに関する事務を財務課の方に移すということを予定してございます。これは昨年末12月にこの特別部会で御議論いただき、中教審中間まとめをお取りまとめいただきましたけれども、この中で国が取り組むべき方策について様々な御提言を頂いたわけでございます。この中でその方策の1つと致しまして、文部科学省の中に教職員の業務量を俯瞰(ふかん)して一元的に管理をする部署を設置するということ、そして、学校に新しい業務を付加するような制度改正を行うなどの場合は、この部署と前広に調整するということを基本とするような体制を構築するようにという御提言を頂いたわけでございます。
 今回の組織再編では、この御提言を踏まえまして、これまで初等中等教育企画課において所管をしておりました、教育公務員の勤務管理等も含めた身分取扱いに関する事務、それから、これまで学校運営支援担当参事官が所管をしておりました教職員の勤務改善に関する事務、これを財務課の方に移管いたしまして、財務課の所管をしています教職員定数等に関連する事務等と一元的に推進するという体制を構築することといたしたところでございます。
 この組織再編は、先ほど御紹介ございましたように、明日10月16日から実施をされることとなってございます。こうした新しい体制の下で、引き続き省内関係各課連携を図りながら、学校における働き方改革の一層の推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 私からの御説明は以上でございます。

【小川部会長】  ありがとうございました。ただいま説明のあった組織再編に伴いまして、資料3ですけれども、本部会の運営規則の改正が必要になります。これについて、委員の皆様にお諮りしたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。

【鞠子初等中等教育企画課課長補佐】  資料3を御覧いただければと思います。ただいま御説明させていただきました組織再編に伴いまして伴います、運営規則の改正案につき御説明させていただきます。
 資料3の1枚目が新旧対照表、2枚目以降が本文になっておりますけれども、1枚目の新旧対照表で御説明をさせていただきます。先ほど御説明させていただきましたとおり、今般の組織再編によりまして、学校における働き方改革に関する業務は初等中等教育局財務課で担当することとなります。これに伴いまして、本部会本特別部会の事務局につきましても財務課で担当することとしたいと考えております。
 具体的には、お手元の新旧対照表にございますけれども、初等中等教育分科会学校における働き方改革特別部会運営規則の第3条に、事務局として、現行では「初等中等教育企画課」と書いてあるところにつきまして、「財務課」と改める。また、附則として、この施行ですけれども、明日の組織再編に合わせまして平成30年10月16日から施行するとしております。
 このような案についてよろしいか御確認をお願いいたします。

【小川部会長】  ありがとうございました。
 それでは、この案について、今の御説明のとおり運営規則を改正したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【小川部会長】  ありがとうございます。それでは、改めてこの運営規則にのっとりまして、この特別部会を運営していきたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、これから本題に入っていきたいと思います。最初に御説明しましたように、本日は、時間外勤務抑制に向けた制度的措置の在り方について、前回に引き続き議論を進めてまいりたいと思います。今回は、前回の議論を踏まえつつ、時間外勤務抑制に向けた制度的措置の在り方について議論をするために、現在実際に現場で働き方改革に積極的に取り組んでおられる教育委員会から御意見を伺いたいということで、東京都教育委員会の中井教育長と岐阜市教育委員会の早川教育長にお越しいただきました。
 最初にお二人から、本日の議題である制度的措置の在り方に関するお考えや、また現在取り組んでいる、それぞれの自治体の具体的な取組内容等について御説明を頂きたいと思います。そして、お二人の御報告終了後に、少し時間を取って質疑応答に移っていきたいと思います。
 それでは最初に、東京都教育委員会の中井教育長から御説明をよろしくお願いいたします。

【東京都教育委員会(中井)】  ただいま御紹介を頂きました、東京都教育委員会教育長の中井でございます。本日は貴重なお時間を頂戴いたしまして、ありがとうございます。
 それでは早速、資料に基づいてお話をさせていただきたいと思います。資料4の1ページを御覧いただきたいと思います。東京都におきましては、本年2月に学校における働き方改革推進プランを作りました。その概要がこの1ページに掲げてございます。そして、2ページが、その中にございます都立学校での具体的な取組、3ページが小中学校における取組ということで用意をさせていただいております。お時間もございますので、概括的なポイントだけを御説明させていただきます。
 特徴と致しましては、1ページの左側下にございますとおり、当面の目標を立てまして、週当たりの在校時間が60時間を超える教員をゼロにするということを目標として掲げております。この背景にありますのは、4ページを御覧いただきたいと思います。昨年の6月から7月にかけて、連続する7日間である程度の小中学校、都立学校を抽出しまして、計105校で調査をいたしました。その結果、週60時間を超える割合が、小学校で37%、中学校で68%、高校で31%、特支で43%という、予想以上に厳しい実態が浮き彫りになったということでございます。これは文科省の方で28年に調査された全国の実情より更に若干悪い、長時間労働をしているという状況でございました。
 御案内のとおり、在校時間が週60時間というのが、要は、月80時間程度の残業をしているということで、いわゆる過労死ラインに相当するということでございます。この過労死ラインに相当する職員をゼロにするということが緊急的に取り組まなければならない最初の課題であろうということで、こういった目標を掲げたところでございます。
 具体的な取組は2ページ、3ページでございます。まず、在校時間を日々個人別に管理をするということができるようにするということでございます。都立学校におきましては、これはICTを活用して、カードで記録するというようなことで、昨年の10月から全校で始めております。これがスタートのまず前提ということになろうかと考えております。その上で、(2)にあるとおり、調査業務の縮減とか意識改革とかそういうことをやっていきながら、一方で人員体制の確保を図る、部活動の負担軽減を図るというようなメニューを用意したところでございます。
 区市町村についてもほぼ同様な内容となっております。区市町村について、それに加えて言えば、文科省で措置していただいたスクールサポートスタッフを早速活用させていただいているというところでございます。
 そういう面では、メニュー的には、特筆すべき都独自の取組が現在のところはまだないという状況でございます。私どもも働き方改革元年と今年を位置付けておりますが、その取組はまだ緒に着いたばかりということで、これから更に内容の拡充を図っていかなければならないと考えているところでございます。
 しかしながら、これは全国の自治体はどこでも同じ悩みを抱えているかと思いますが、やはり最も効果的、即効性のあるのは人的措置ということになろうかと思うんですが、なかなか現下の財政状況が厳しい中で、要は、これを思いどおりに措置していただくということはなかなか難しいという中で、そういう中で創意工夫をし、様々な対策を複合的に講じながら前に進めていくしかないというふうに考えているところでございます。
 という中で、では、どういう対策がこのほかにあるかというところで、私どもとして是非お願いしたいと考えているのが、通年、1年を通しての中での勤務時間の在り方を変えられないかということでございます。教員は学期中と長期休業中でかなり勤務の実態が違う、課される業務の量も質も違うというところが、教員の職務の一番の特徴ではないかと思います。それに対して、現在は1日7時間45分という勤務が通年になっている。勤務の実態と勤務制度がこれで合致していると言えるんだろうかという問題意識を私どもは持っております。
 5ページを御覧いただきたいと思います。これはある高校の職員のある日、同じ週の違う日を2日取ったものでございます。10時間在校しておりますが、これは今の東京都の高校の一般的な標準的なケースでございます。御覧いただきますと、上段の方は授業が午前中あって、授業準備を4時間目にやって、また午後授業をやって、成績処理をやって、生徒指導、その後、部活動ということでございます。下段の日は、やはり成績処理とか会議とか若干上段とは違うものもありますが、全体を通して言えることは、この中でどこを削れるだろうかというふうに考えたときに、なかなか削れるところが見当たらない。
 部活動について削れるのではないかという御指摘はあろうかと思います。当然私どもも部活動指導員を最大限活用したいと思って既にその取組は始めておりますが、やはり部活動というのは、教育課程外ではありますが、授業ではできない、授業とは違う教育的意義がそこには非常にございますので、これを望む保護者も生徒も、そして、教員自身も非常に熱意を持って取り組んでいるという実態がある中で、全てを外部化するということが現実に合っているんだろうか、あるいは教育の質を確保するという点でいいんだろうかという意識を持っております。そういう意味では、部活動の経験、その競技の経験のない、そういった教員、あるいは余りやりたくないという教員について外部化するということは私どもも進めていくべきだと思っておりますが、要は、強制的に全てなくしてしまうということについてはいかがなものかと考えます。
 そうすると、なかなか削れる業務がない。もし削っていくとなると、教育の質の低下あるいは生徒や保護者の異論を覚悟せざるを得ないという状況ではないかと思います。こういった状況は、これは高校の例ですが、中学校においては持ち時数が高校よりもっと多いわけでございますので、更にこの傾向は強くなるということだと思います。
 これが長期休業中だと、ここに掲げたようなもののうち、授業、そして、授業準備、成績処理も長期休業中はほとんどない、生徒指導も同様に少なくなるということで、相当の業務が長期休業中はなくなっているという状況でございます。
 現に6ページを御覧いただきたいと思いますが、これも高校の教員、これは全般的な平均的な数字でございますが、1年を通して在校時間はどうなのかというものでございます。8月が明らかに学期中よりも3時間から3時間半短いという状況でございます。こういった数字からも、業務の実情が長期休業中と学期中では大幅に違うということでございます。
 この状態に即した形で1日の勤務時間を考えていく必要があるのではないかと、そのように考えているところでございます。7ページを御覧いただきたいと思います。私どもとして例として考えてみたものが、学期中の1日の勤務時間を現在の7時間45分から45分延ばして8時間半にしたらどうなるだろうかということでございます。8時間半、45分延ばした分を長期休業中に休日として取るとした場合には、年間で18日休日を増やすことができるということでございます。こうすることによって、教員の心身の負担を軽減する、リフレッシュできる、そういった時間を与えるということで、よく言われる、教員は非常に疲弊しているということに対しての1つの対応策になるのではないかと、そのように考えているところでございます。
 よく言われるのが、長期休業期間中といっても、研修だとか部活とか補習だとか、もろもろ先生には仕事があると。ですから、そう簡単に、子供が休んでいても教員は休めないという実情だということがございます。これは今の実態は確かにそういうところが多分にあるわけでございます。
 例えば7ページの下段に書いてございますが、部活動については、このときには部活動指導員を大いに活用するというのが、学期中の場合は、夕方の2時間ぐらいということで、なかなかこの時間だけ仕事、業務をしてくれるという人は社会には余りいないと。学生を使うとかそういうこと以外はなかなかできないというのが実情で、現在も、部活動指導員の予算はあるけれどもなかなか人材が確保できないというのが初年度からあちこちに出ております。ところが、夏休みでまとまった時間ということになれば、ここは話が違ってくると思います。そういう面では、長期休業中に部活動指導員を大いに活用して、教員にはその間は休んでもらうということが考えられるだろうと。
 それから、研修については、これからの時代、やはりICTをフルに活用すべきだと思います。東京都においても、既に研修の講師の講演内容を動画で配信するというようなことも始めております。これからこういったことがますますできるようになると思いますので、ICTを活用して、時間が余ったところで研修を受講する。それも、研修センターに行くのではなくて職場において受講するというようなことを積極的に広げていければ、研修も時間を取らずにできる部分が多くなってくるのではないかと思っています。
 補習等については、教員のOBを大いに活用していくべきだと考えております。
 こういったことで、長期休業中の業務を大幅に減らしながら、そこに新たな変形労働時間制による休日層をうまく取り込んでいくということができるのではないかということでございます。
 8ページは別のパターンで、平日を1時間延ばした場合に、年間で休日が24日増える。逆に30分の平日の勤務時間増だと、年間で12日ということを示したものでございます。
 こういったことは、現役の教員の負担軽減、心身のリフレッシュにつながるものであると同時に、もう一つ大きな側面として、9ページでございますが、現在、教員のなり手が非常に少なくなってきているということが言われております。そこにあるグラフでございますが、棒グラフのところを御覧いただきたいと思います。これは東京都の小学校の採用選考の状況でございます。応募者数も受験者数も5年連続で減少しております。これは労働力人口が減っている中で労働市場が売手市場になっているということが背景としてもちろんありますが、もう一つはやはり教職という仕事がブラック視されているということがあるのではないかと、そのように考えております。
 東京都の場合、倍率が折れ線グラフですが、合格倍率、黒い方の三角の矢印のところを見ていただきたいと思いますが、年々下がっていまして、31年、今年については1.8倍まで下がっているという状況でございます。人材の質を確保するという面ではもう危機的水準に入ってしまっているということで、私どもとして非常に危惧をしているところでございます。
 右側を御覧いただきたいと思います。これは東京都に限ったことではなくて、全国の自治体でおおむね同様な傾向にあるということで、これは全国的な問題としてしっかりとどう対応するかを考えていかなければいけないわけであります。その中で、やはり教員の職場がブラック視される、それによってこれから就職しようとする若手の人たちが学校職場を忌避するということを何としても払拭していかなければならないんだろうと思います。右下にあるグラフを御覧いただきたいと思います。これは大学生が就労に当たって重視する点として、やはり給与のほかに、福利厚生の充実、休みの取りやすさ、残業の少なさ、そういったものが上位にあるわけでございます。こういった学生の意識からしても、やはりブラックというイメージは非常に大きなマイナスであると考えます。
 ということで、それを解消する一助として、やはりほかの職種ではない、教員ならではのメリットとして、長期の休みが取れる。サラリーマンであっても、学生に近いぐらいの長期の休みが取れて、そこの時間は自分がやりたいこと、それは自己啓発であってもいいし、趣味であってもいいしというようなことができるというのが教員の大きな魅力だと思います。それはかつて昭和の時代の早い頃にはやはりあったわけですけれども、それが環境が変わって今はそれがほとんどかき消されているという状況で、それをいま一度取り戻すということが、これからの教育の質を確保する上で非常に重要ではないかと考えます。
 私どもとしては、要は、こういった変形労働時間制というのは、やるかやらないかは学校長が判断することでありますので、決して強制ではないということにも安心感を持っております。これによって学校現場でそれぞれの学校の実情、教員の意向に応じて選択できる幅が広がるということでありますので、そういった点でこれを入れることについては、いいことはあっても、特にマイナスになるということはないと、そのように考えているところでございます。
 以上でございます。

【小川部会長】  ありがとうございました。今の御報告について御質問などあるかと思いますけれども、次の早川教育長の御説明の後、一括して行いたいと思います。
 それでは、早川教育長、御説明よろしくお願いいたします。

【岐阜市教育委員会(早川)】  ありがとうございます。岐阜市の教育長の早川でございます。働き方改革は、社会の理解を得ながら、国、教育委員会、学校がそれぞれの立場で実効性ある方策をもって総合的に取り組むべきことだと思っております。教育委員会も、できることから速やかに1つずつ改善していく努力が必要なんだろうということを思いますが、その際には、教育の質を維持しながら、長時間勤務を是正する方策を今こそ先駆けて進めなければならないという強い決意を持って取り組んでおります。
 スクールロイヤーの配置とか、データが処理できるタイムカードの導入など16項目から成る教職員サポートプランを作成し、改善を図ってきております。その中の1つが、16日間連続の学校閉庁日であり、この夏、行いました。平日の業務の縮小と併せて、年間を通じた勤務時間の縮減と年休の使用数の拡大を目指し、休みを取りやすい環境を作り、本市で勤務する教職員の仕事の新たな魅力として位置付けようとしたのがこの取組です。
 そもそもどうして思い付いたかということですが、本市は平成26年から土曜授業を年10回実施しております。その分の勤務の割り振りが確実にできるように、夏季休業中の8月4日から19日までは、県教委にも協力を得て、行事を持たない期間として従前から位置付けられておりました。一方、お盆期間の3日間程度は、日直を置かない学校閉庁日として独自に実施している学校が既に3分の1程度ございました。そうした下地があって、今でも行事を持たない期間になっているのだから、それならば、2週間程度日直も置かず、前後の週休日も合わせて16日間学校閉庁日にしようということにしました。本市で働く先生の新たな魅力になるのではないかと考えたわけです。
 このような施策は世の中には大胆な導入のように見えても、反対側で実は従前から下地があって、日直を置かないだけよと説明をしていたわけで、両方ともそれはうそではないわけです。教育委員会の会議でも、先生方が休息を取るためのものなのか、自己研さんのためのものなのかという議論になり、先生方には休むためにと言い、世間には、研修する先生もいるという説明になるんですが、これもどちらもうそではないということです。
 実施に当たって事前に検討したこととして、緊急時の対応には、保護者に市の緊急対応用の電話番号を知らせ、校長等に速やかに連絡を取れる体制を取りました。その上で、いろいろ考え得る課題点を洗い出しました。部活動の全国大会等への参加は校長が認めれば活動を可能にし、混乱はありませんでした。夏祭りができるのか、スポーツ少年団の活動ができるかなど地域から心配の声も上がりましたが、それは通常の土日と同じことなので、今までどおりであると説明しました。その他、プールの実施、動植物の世話、郵便物の回収、改修工事、放課後児童教室の開催など、事前に考え得る問題に対する全ての対応策は、校長や教頭などと何度も交流し、FAQにし、学校だけでなく、自治会、学校運営協議会など関係者に事前に説明していきました。また、PTA会長会、自治会長会、警察署、交番、消防署、教職員組合などには趣旨を説明し、理解と協力をお願いしてきました。
 次に、実施した結果、問題は起こらなかったかということです。ここからは資料5で説明させていただきたいと思います。本市は、小学校46校、中学校22校、特別支援学校1校、市立の高校1校の中核市です。1ページの2の表1にあるように、緊急連絡はその間21件、1日平均1.3件でした。生徒指導上の問題が2件、軽度の交通事故2件で、警察や救急が関わりましたが、ふだんの対応と同様で、市教委の対応で特に問題はありませんでした。その他、保護者からの相談・報告が12件、地域からの問合せが5件です。子供に関することは、緊急電話で速やかに対応できると考えておりました。
 私が一番心配していたのは、盗難とか火災です。閉庁日にしたから起こってしまう問題と、原因が閉庁日に関わらない問題は混同しないようにしなければならない。例えば夜間に盗難があれば、それは閉庁とは関係ないでしょうと言いたいわけですが、世の中そうは見ないわけです。もちろん防犯カメラやセキュリティーは導入しておりますが、それだけでなく、交番の警察官による巡視や、見守り隊の方々の散歩コースに学校を入れていただき、何時何分異常なしとポストに点検結果を投函(とうかん)してもらえることが多く、当番制にしてやっていただけたところもあります。
 事前に検討が抜け落ちていたなと思ったのは、急に学割が必要になった生徒がいたということです。学割は校長印が必要で、教育委員会では代行できません。この失敗が1件ありましたが、教育委員会でも今後JRに要望していきたいと思っております。
 教員の勤務状況についてですが、1ページの3では、実施後のアンケートを結果としてまとめてあります。教職員は、実質勤務日10日のうち、1,904名中、全く学校に来なかった者が942名、出勤した者が963名で、出勤した者は平均2.4日出勤しています。全く来なかった教職員は全体の約半数で、来た先生は複数回出勤していることになります。期間中平均で8.71日の休みを取り、夏季休に3.85日、年次休暇を3.64日、土曜日の振替休業等1.22日となっています。教特法22条2項の勤務場所を離れて自主的な研修を活用した教員も77名います。臨時的任用職員のうち、任用期間によっては年休が不足する場合もあり、研修を実施し、報告書の提出を求めました。
 2ページの表3にあるように、期間中出勤が多かった者の理由は、動植物の世話、郵便の確認など短時間の内容ですが、部活動に熱心でクラブ化している中、自分も参加した者もいます。管理職や主任が当番を割り当てて短時間学校に寄った学校もあります。
 表2の閉庁期間、実際に何をしていたかということは、複数回答で、休養、家族との触れ合いなどのほか、国内外合わせて約半数がこの期間旅行に行っています。これは多かったと思いました。その他、人間ドック、免許更新講習、介護、教員採用試験の勉強等有効に使ったことが読み取れます。
 2ページの(4)、学校閉庁日に対する教職員の支持率。図1で表れているように、大変評判がよかったと言えます。全体としては92.4%が支持し、来年度の希望について調査した図5では、76.4%が来年度も同規模で設定してほしい、10.9%が更に増やしてほしい、9.9%は短縮してほしいという結果です。この結果からも、来年は同規模で実施しようと思っております。
 年代別の支持率をまとめた図3では、特に若い世代は、気兼ねなく休めた、リフレッシュできたと歓迎の声を上げ、20代では97.2%の高い支持になっております。仕事と日常生活の境目が曖昧になりがちな先生方にとって、めり張りを付け、タイムマネジメントができたという感想が多く、今後、ふだんの働き方にも効果をもたらすことを期待しております。出勤した者も、たまった仕事が整理できた、2学期の準備ができたなど、閉庁日の出勤は仕事がはかどるという多くの意見がございました。
 反対意見はどうだったかということですが、興味深いことが分かります。2ページの図2のように、栄養教諭の支持が7割を切っております。閉庁日の前後の期間に休んで安く旅行に行きたかったのに、研修が集中して行けなかったことが不支持の理由でした。図5で、廃止希望の2.9%の人は、休みを設定してもらうまでもなく上手に今まで休みが取れていた人たちだと推測されます。事務職員も、教育委員会の文書は発出しませんでしたが、メールや他の文書の確認に定期的に来るという使命感があったと思われます。不支持の中にあるように、約3分の1の20校が、期間中工事が行われ、立会いが必要な場面があったことは、今後業者に時間指定をしてもらうなど要請をしていかなければいけないと思いました。また、部活に熱心な先生は、大変意欲があるので、やりたいばっかりで、反対意見が多うございました。
 PTAや運営協議会はどう評価したかということです。4ページ、図7、PTA役員からは96.1%という支持、図6、運営協議会からは96.2%という支持を得ました。一般の市民から取ればもっと批判的だと推測されますが、日頃から学校に関わりを持っていただき、事情をよく理解していただける関係者から賛同を得られたことは心強いことでした。岐阜市は、全学校がコミュニティスクールになっています。今回の取組で強く実感しましたが、コミュニティスクールであったことが、16連休実施には不可欠であったということです。
 内容を更に周知してほしい、8月はほとんど部活がなく体を動かさなかったなどの注文はありましたが、これを機会に、共に地域の宝を育てる機運を高め、日頃からの連携を深めたいなど、教員の働き方改革は、地域における学校の在り方を考え、見直すことだということが言えます。先生だけが指導者でなく、学校を支え支援するスクールコミュニティの形成です。さらに、地域全体を教育の場として、シニアをはじめ、地域の大人が子供たちに対して好ましい影響力を与え得る教育者としての自覚と協力を求め、地域ぐるみの教育をしていくことを次なる本市の中心課題に据えていきたいと考えております。
 余談ですが、今、夏休みは市町村レベルでは2つの方向に向かっております。冷房が入ったのだから夏休みを短縮する。実際に、隣接する市は9日間授業を実施しておりました。他方、本市のようにしっかり休むという方向です。教職員からは、うらやましいな、働くなら岐阜市でという声が大きく聞かれましたが、教育委員会が音頭を取ってくれたから動きやすかったという声も聞かれました。退職校長からは、自分が現役のときにやってほしかったと言われました。
 教員は楽をしていると言われたという人もいましたが、この期間に何かあれば、閉庁日のせいだと批判される心配は現実にあります。社会に向けて理解が得られるよう、引き続き説明が必要だと思っております。
 変形労働時間制の導入に関しては、本市の教職員の感想からすると、有効策になり得ると思います。これに関しては、一人一人の勤務の割り振りをする作業が大変だという話も聞きます。事前に割り振りの際には、細かく作業することなく、一定の基準以上の、学期中の超過勤務時間分を、夏季に限らず休業中の期間などまとめて使用することができるよう、簡易に時数を割り振りすることができる仕組みを作り実施することは、本市の経験からすると魅力的です。
 なお、導入の際には、勤務時間外の取扱いは、超勤4項目の対象外の教材研究や学級経営など仕事をしていた在校時間での管理を望みます。間違っても、まとめ取りができるんだから、ふだんは長時間になっても仕方がないというような事態が起きてはなりません。長時間勤務の改善を図るための抜本的方策は引き続き検討されなければなりませんが、それを待っていてはバーンアウトするわけですから、すぐに導入できる改善策の1つとしては有効です。
 あわせて、都道府県教育委員会にお願いしたいことは、既に先進県で導入しているように、年次休暇の使用期間を県費負担教職員等学校で勤務する者に関しては、暦年の取扱いはなく9月から8月の取扱いとし、夏季休業中に心置きなく使用できるよう、条例の改正をお願いしたいということを思っております。
 教育委員会は、閉庁日や準閉庁日的に集中取得期間など確実にリフレッシュできる期間を大胆に設定します。これはやる気さえあればできることだと思っております。それには社会の理解が欠かせません。時間外手当のない先生はその代わりに夏休みや冬休みがあるからいいだろうという一昔前の理解があれば、若者にとっての魅力になり、その間様々な体験をすることもでき、優秀な人材の確保も可能だと思います。優秀な人材を教育界にいざなう魅力ある取組の1つだと感じております。
 以上でございます。ありがとうございました。

【小川部会長】  ありがとうございました。
 それでは、これから20分ほど質疑応答、意見交換の時間を取りたいと思います。どなたからでも構いません。御発言の際、名札を立てていただければと思います。では、橋本委員。

【橋本委員】  今、年間の変形労働時間制について東京都の方から御説明もありました。決してこれが総勤務時間数を直接減らすものではない、これで全ての課題が解決する魔法の術ではないわけですけれども、当然その前提にはいろいろな時間外勤務抑制策、これまでこの特別部会で整理されたようなことをしっかりやっていく、とりわけ、教員定数の増とか体制拡充といった条件整備が最も重要ですし、それと、教員の意識改革を同時にやっていくことが最も大切だとは思っております。しかし、その中で今できることの1つという中で、この変形労働時間制を取っていくということはやはり一定の効果が考えられるんじゃないか、そんなふうに思います。
 大体、中井教育長さんがおっしゃったことと近いんですけれども、やはり京都府の状況を見ましても、夏季休業時間中には、まず生徒がいないというだけで、ふだんの月の時間外勤務と比べますと少ない、かなりの差があります。これを導入することによる1つの効果としては、今後ガイドラインを導入するとしても、その基準との差が実態として今大き過ぎる、なかなか大き過ぎてこれをしっかり意識して遵守していこうという意識が起こりにくい可能性もあるんじゃないかなと思うんですけれども、年間の変形労働時間制を導入することで、ガイドラインの時間数との乖離(かいり)がある程度小さくなる。それによって、これならいけるよということで達成に向けての意欲が高まるんじゃないかなと思います。
 それからもう一つ、先ほど来ありましたように、やはり教員の勤務がブラックな状況という評判も高まっております。競争倍率が低くなっていることも、明らかにその影響があるのかなと思っております。そうした中で、確かに昔、先生の仕事の魅力は何かと言われると、夏はゆっくり休めますよと。この期間を使って海外旅行とか登山とかに行ける。これで先生を選んだ方も多いのかなと思います。
 また、今、教育の質をどう高めるかということでいろいろな検討をしていますけれども、命令型の研修も大事ですけれども、ゆとりがある中で、様々な自己研さん、あるいはもっと広い人間性を磨くような機会が、夏を通じて磨かれると本当にいいんじゃないかなと、そんなふうに思いますし、そういう面での効果があるんじゃないかと思います。
 一方で、夏休みも忙しいということもよく言われるんですが、我々の方でも既に集合型の研修を整理する、あるいは市町村と府でダブっているような研修の整理を図る。ある程度、研修が今までは非常に夏は多かったんですけれども、かつてのように少しそれを減らしていくということは可能かなと思っております。
 ただ、その中でなかなか整理が難しいなと思うのが、やはり部活動関係かなと思います。先ほど中井教育長さんがおっしゃったように、むしろ夏はまとめて部活動指導員とかを入れて対応するという施策が1つあるかと思います。もう一つは、様々な大会関係が今のところ非常に多いということですので、ここをいかに整理していけるか。例えば吹奏楽関係のコンクールも8月ぐらいに集中していますし、全国の高校の文化祭もそうでしょうけれども、この辺りの整理ということができればかなり、夏に休めるようにしていくことは現実味があるんじゃないかなと思っております。そんなことで期待できる効果は幾つもありますので、導入するメリットは大きいと思っております。
 ただ、そのときに、制度設計をいろいろ考えることもあるのかなと思うんですが、家庭事情によりやはりふだんの月に勤務時間が延びると影響が出る、そういう先生もいらっしゃいます。あるいは、高校ですと、夏場は就職指導の一番佳境に入ってきますので、先生個々の事情という辺りをどう本当に反映する仕組みが作れるのか、ここら辺の整理さえできれば、本当によいことではないかと、そういうふうに思っております。
 以上です。

【小川部会長】  ありがとうございました。
 では、この後、妹尾委員、清原委員、そして、佐古委員の順でお願いいたします。

【妹尾委員】  発表ありがとうございました。東京都様は部活動指導員はじめ、ものすごく頑張っていろいろな施策を打っておられますし、岐阜市さんの16連休の話もすごく興味深かったです。そういう形でどんどん自治体さんの方でいろいろな試行とか思い切った施策があるというのはすごくうれしいんですが、あえてちょっと厳しめに申し上げますけれども、幾つか気になった点があったので申し上げたいと思います。3点か4点ぐらいあるかなと思います。
 1点目は、東京都さんの資料の中で、なかなか削れるものがないよというお話があったと思います。5ページ目でしょうか。やはり授業は削れませんし、授業準備ももちろん充実させていただきたい、成績処理ももちろん大事だというところ、生徒指導も部活動も大事だということで、なかなか削れるものがないですねというのはおっしゃるところはよく分かるんですが、これは正直言って、半分正しくて、半分間違っていることかなと思います。
 前回も、ひと月の時間外の上限の目安を何時間にするかというのはまだこれから議論ですけれども、相当思い切ったところにメスを入れないと月45時間なりにならないということを考えますと、例えば成績処理なんかはもう随分機械で採点だとかできることは思い切ってやっていくとか幾つかやらないと、これだけ掛かっていてそれはもう仕方がないよねという前提で物を見ていると、正直、改善にはなかなかならないと思います。もちろん削りづらいものもあるのも承知しておりますし、教育の質を維持・向上させたいというところもおっしゃるとおりだとは思いますけれども、今のやり方でいいんだという前提では余りいない方がいいんじゃないかなと思いますので、そこはお互いよくそれぞれの立場で考えたいなと思ったというのが1点目です。
 あと、2点目です。これは東京都さんも岐阜市さんも、あるいは岐阜県さんもですかね、市じゃなくて、本当は県の方だと思いますけれども、採用倍率の話につきましては、これは全国的ないろいろな悩ましい傾向だと思います。一方で、僕もちゃんと話を聞いていないので別に偉そうなことを言うつもりはないんですが、当の採用試験を受けるのをやめた人だとか、あるいは大学生だとかの声ももっと聞かないと判断を誤る可能性があるかなと気にはなっております。
 ぶっちゃけ申し上げまして、教育委員会の方とか校長先生たちだけで話をしていると、正直、感覚がずれる可能性もあると思っています。その辺りは、もちろんブラックだというような印象も大きいんだと思いますけれども、単にそういうふうな何となくで見ていいのかどうかというのはちょっと気になったので、申し上げておきたいと思います。
 例えば私が知っている限りで申し上げますと、ブラックだということにも関係するんですが、ツイッターなどを見ていますと、教師をもう辞めますというツイートがものすごく多いんです。そういうのを若い人は結構知っている方もいらっしゃって、正直、年間の変形労働制ももちろん選択肢としてありだと思いますが、前も申し上げたとおり、5月とか6月にやっぱりしんどくなって休むとか、正直、潰されるみたいな先生が多い現場では、いくら年間変形労働制なり、夏休みに16連休を取れたとしても、これは魅力にならないということであります。例えば一例を挙げますとそういうことなんですが、もう少し採用倍率の低下の背景を探ってほしいし、僕も知っていることはまた一緒にディスカッションしたいなと思っております。
 3点目です。東京都さんの方で年間の変形労働にした場合幾つかシミュレーションも示していただいて、これはなるほどなと思ったんですけれども、一方で高校の進学校等でも大学合格などの結果が求められて、部活動なんかでもやっぱりどんどん頑張っていこうという中で、8月とか12月にそんなに休み取れといってもなかなか取れないよというような方も一定数いらっしゃると思いますので、その辺りもどう考えるかというところです。いくら補助的なスタッフの方とか部活動指導員さんとかが来るといっても、いやいや、その人たちには任せ切れないよというような教師の声もあると思いますから、そこをもう少しどう捉えるかということを考えないといけないかなと思います。具体的には、オリンピックとの関係もありますけれども、思い切って夏の部活の大会はもう見直していくだとか何か具体的な措置を取らないと、なかなか変形労働だけにしてもしんどいんじゃないかなと思っております。これは3点目です。
 4点目です。これはどちらかというと事務局の方にお願いなんですが、年間の変形労働については、後の資料にもありますとおり、国立の附属学校で既にかなりの導入例もあるということなので、できれば、岐阜市さんもおっしゃったように、管理職の負担増にもなってないかとか、もちろんメリットもあるんだと思いますけれども、デメリットもあると思うんです。やっぱり4月、5月に疲労が蓄積されてとかですね。できれば教育委員会とか校長といった使用者サイドの声だけではなくて、当の先生方とか、あるいはいろいろな細かな管理が必要な教頭職だとかがどう考えているかというのも、できればそういう声も拾っていただいた方がより審議になるのかなと思います。
 これは変形労働に関係した話ではないですが、ある教頭先生がおっしゃっていたのは、働き方改革が進めば進むほど、私たちは忙しくなりますと。教頭職と事務職はですね。それは管理負担が強まるからで、多様な人材が来れば来るほどいろいろな事務手続も増えるし、あるいは財務課からエビデンスを出せと言われていろいろなデータも出さないといけなくなるということもありますので、その辺りも踏まえて、年間の変形労働制に限らないですが、いろいろなところを多面的な検討ができるようにお願いしたいと思います。
 以上です。

【小川部会長】  時間もありますので、御意見については後で総括的に議論しますので、この場については、お二人の教育長の説明内容についての確認とか質問に限定してこれから御発言いただければと思います。
 では、どうぞ。

【清原委員】  ありがとうございます。三鷹市長の清原です。中井教育長、早川教育長ありがとうございます。簡潔に2点ずつ御質問させていただきます。お二人の御発表を通しまして変形労働時間制の有用性について一定の示唆を頂き、ありがとうございます。特に中井教育長を中心に今年の2月に東京都において『学校における働き方改革推進プラン』が策定されたことに御示唆を得て、三鷹市でもこの3月に『三鷹市立学校における働き方改革プラン(三鷹市教育委員会)』をまとめさせていただいています。このように都と市町村が連携をしていくということが極めて重要だと思っています。
 中でも、具体的な例として、スクールサポートスタッフや部活動指導員、副校長補佐等の専門スタッフを導入させていただいていて、昨年度から特に副校長補佐を採用させていただいて、一定の効果が上がっています。中井教育長におかれましては、こうした東京都が進めている、いわゆる「学校マネジメント強化モデル事業」の有効性について、三鷹市をはじめとする実施している自治体の効果についてどのように把握していらっしゃるか御紹介いただければ有り難いです。それが1点目の質問です。
 2点目は、やはり、「いい授業」をするというのが働き方改革で求められる教員の在り方の一つだと思っています。ところが、「いい授業」というのは、なかなか「いい教師」にとどまっている傾向がある中、例えば東京都におかれては、タイムマネジメントの意識を高めるためにICTを使っていらっしゃるとか、研修についてもICTを活用されている、いわゆるeラーニングを進めていらっしゃる。そうであれば、「いい授業」をされている方々の「いい授業」の中身についてデータベース化されたら、その個人にとどまらず、幅広い教員に広がることができると思うし、授業準備も少し負担が軽減化されるんじゃないかなとも思っていて、東京都におかれては、そういう「いい授業」のデータベース化というか、新人の教員が容易に身に付けられるようなものをお考えかお聞かせいただければと思います。
 早川教育長にも2点お願いします。プール指導についてです。夏、長期間休まれるに当たっては、プール指導も減らすということになったと思います。保護者の皆さんの御理解、児童の御理解、それはいかがだったのかということが1点です。
 2点目は、夏休み、エアコン整備や施設整備等どうしてもそうした工事が入ります。ですから、事務職員や担当の責任教員はやはり出勤せざるを得ないという状況があると思います。そういう意味で、休める教員、事務職員、しかし、仕事を適切にしていただくことで児童生徒の環境が整備されるということもありますので、出勤する教員も必要で、その辺の上手なバランスというんでしょうか、調整というんですか、工夫が必要だと思うんですが、その点について御示唆があれば有り難いです。
 以上です。よろしくお願いします。

【小川部会長】  では、これまでの質問について、教育長お二人から何か御発言いただけるでしょうか。

【東京都教育委員会(中井)】  それではまず、妹尾先生のお話についてお答えをしたいと思います。成績処理等、まだ正規の勤務時間内でも縮減できるところがあるのではないかというお話ですが、おっしゃるとおりで、特に授業や授業準備はなかなか難しいところがありますけれども、成績処理についてはおっしゃるところを私どもも感じているところでございます。東京都では今スマートスクール構想を進めています。そういう中で、定期考査みたいなものはまだまだ難しいかもしれないですけれども、日常やっている練習問題、ああいったものは、タブレット等を活用して自動採点できる、自動集計できるというような形にどんどんしていくべきだというように考えていまして、そういう中での時間の削減は当然できると思っております。
 私どもは、変形労働時間制で平日の勤務時間を長くするということと、トータルの在校時間を短くするということは両方やらなければいけないと思っています。要は、正規の勤務時間を長くしても、在校時間が短くならなければ何の意味もないわけです。在校時間を短くするということは、これはまた別のこととして引き続きどんどん縮減を図るという考えでおりますので、そこは誤解のないようにお願いしたいということでございます。
 それから、ブラック視されて教員が忌避されているのではないかということについて、より正確な分析が必要ということについては、これもまたおっしゃるとおりでございます。ただ、今の労働需給関係の中でどこも労働力不足という中で、その要素が強いのか、ブラック視されているという要素が強いのか、これを科学的に分析するというのはかなり本格的にやらなければいけないので、今まだそこまでは到達できておりませんが、今後の課題というふうには考えております。
 それから、進学に当たっての補習だとか部活動、そういったものでなかなか休めない教員もいるのではないかということについても、これは現場の実情としてそのとおりでございます。そこをどういうふうにしていくかということについては、一朝一夕にはいかないわけですけれども、先ほど申し上げたとおり、やはり外部の、とりわけスキルを持っているOB教員、OB教員はかなりスキルを持っていながらリタイアしてしまっている教員が世間一般の職業の人たちに比べても高いという現実があります。そういう面ではまだまだ働ける、スキルを活用できるという面では、そういったOB教員をこれからはもっと活用するべきだと考えております。
 それから、副校長が忙しくなるということについては、多様な職種を入れればいっときそうなりますけれども、やはり学校全体として見れば、かなり負担軽減になるということと、副校長については、やはりもともと忙し過ぎる、もう過労死ライン相当を超えている人が8割いるという状況でありますので、これ自体に対してやはり軽減策を入れるべきだということです。清原先生の方からありましたとおり、東京都では、副校長セクレタリーという形で、副校長に1人のサポート要員を、非常勤職ですけれども、入れるようにしております。まだ全体には広がっていませんけれども、今120校で入れておりますが、その効果は相当大きいものがあります。今、具体的数字は持ち合わせておりませんけれども、週1時間以上勤務時間が短くなっていくと、相当の目に見える形で減っているというデータも既に出ておりますので、有効性は高い。また、入れた学校、当該の副校長から大変好評を得ているというところでございます。
 それから、同じく清原先生の方から出ました授業準備について、いい授業をデータベース化したらどうかということについても御指摘のとおりだと考えております。若手の教員が増えている中で、若手の教員の長時間労働がとりわけ著しいという傾向があるということは私どもも把握をしているところでございます。それはやっぱり習熟していないという面での授業準備に時間が掛かるというところが大きいと思っております。という点で、やはり教材だとか、それから、授業のスキル、そういったものを共有化するということが非常に重要で、そのためのICT、データベース化というのは重要だと、そのように考えております。

【小川部会長】  ありがとうございました。
 早川教育長には、時間がありませんので、1点、夏休み中のプール指導をどうやっていたのという質問に御回答いただければと思います。

【岐阜市教育委員会(早川)】  岐阜市の学童水泳大会が8月の第1週にあって、閉庁日はその後で、水泳大会に向けて学校はプールをやっていますが、それが終わったらプールはやっていませんので、特に問題はございません。

【小川部会長】  よろしいですか。
 時間もありませんので、今、お二人の名札が上がっていますので、佐古委員と東川委員、質問を手短にお願いいたします。意見についてはまた後で時間を取りますので、よろしくお願いします。

【佐古委員】  
 1点は、東京都の中井先生にお願いしたいんですが、まず非常に先駆的なといいますか、先進的な取組を御紹介いただきまして、ありがとうございます。今後議論していく上で非常に参考になると思っております。ただ、今回御紹介いただきましたのは、主に高等学校の先生方の勤務状況についてのお話のように受け止めたんですけれども、特に小中学校でどのような見通し、お考えをお持ちなのかということを少し補足していただきたい。特に私が気になりましたのは、変形労働制を採用するかどうかは学校長の判断によるというお話があったので、その辺は小中学校でもそのようなお考えなのかどうかということを少しお聞きしたいと。
 それから、岐阜市の教育長さんの早川先生にお聞きしたいことは、閉庁日を設けるということが非常に有効な方策である可能性が見えたように思うのですけれども、また年間を通して勤務時間を管理し縮減するという考え方はなるほどと思ったのですけれども、一方で、妹尾先生おっしゃいましたように、平常時の時間をいかに管理し縮減するかということについても、何かこれというものがありましたら併せてお聞きしたい。2点です。

【小川部会長】  では、教育長、お一人ずつお願いします。

【東京都教育委員会(中井)】  まず小中学校についてどうなのかということにつきましては、同様な考え方を私どもとしては持っているということでございます。先ほど申し上げたとおり、中学においては、持ち時数自体が高校より多いということで、学期中の平日の多忙度、在校時間の長さというのは高校以上だという点でも、その必要性は高いと考えております。
 また、小学校についても、高校より在校時間が長いですし、小学校は基本的に部活がないので、そういう点では、学期中の、子供が帰るまでは絶対にほかのことは何もできないという状況で、その後、授業準備だとか成績処理だとかその他もろもろのことをやって、もう常態に正規の勤務時間を超えているというのも、小学校の方が高校以上に強いという実態がございます。逆に長期休業のときは、部活がない分まとめて取りやすいという要素もありますので、小学校についても高校以上にその必要性はあると考えているところであります。
 それから、学校長の判断でというふうに申し上げましたが、それは、今の勤務時間の設定の仕方が各学校単位で労使協議を経た上で学校長が定めるという形になっているので、それを前提とすると、この変形労働時間制度が法令上認められたといったときにもそういうふうになるのではないかということから申し上げているところでございます。
 以上でございます。

【小川部会長】  早川教育長、お願いします。

【岐阜市教育委員会(早川)】  ありがとうございます。年間を通して、平常時の時間管理はやっていかなければいけない当然のことであることは間違いございません。平常時の管理については、東京都さんがお話になったようにサポートスタッフの導入等同様にしております。それ以外としては、小学校1年生から中学校3年生まで毎時間の授業のカリキュラムの岐阜市版が出来ております。どこでICTを使うかとか、アクティブラーニングをどこでやるかとか、発問はこうやってすればいいよと、初任者も分かるようなカリキュラムが各学年用意してございますので、それを使うことで負担を少なくし、授業の質を高めていこうということでやっております。

【小川部会長】  では、最後、東川委員。

【東川委員】  失礼します。お二人の教育長、どうもありがとうございました。
 早川教育長にお伺いしたいところがあります。岐阜市は、全ての学校がコミュニティスクールだというお話から、日頃から地域、保護者との関係性、相互理解が非常にあるというところも相まって、この理解率というんでしょうかね、支持率、これが96%というようなお話でありました。16日間連続閉庁することによって先生方のメリットもたくさんあるのかなと思っています。
 特に私どもPTAとか保護者は、例えばですけれども、社会教育主事の先生方がもっと増えるといいなと思っているところが非常に大でありまして、それがあってこそ、学校教育の質の維持・向上も図れるのかなという一方で、この閉庁期間中の緊急電話の内容と件数の内訳があるんですけれども、留守番電話をまず設定したと。それから、市教委が24時間緊急電話で対応してということで内訳があって、そうは言っても、保護者による相談・報告がやっぱり一番多いんだなといったところを改めて認識しつつも、特にいじめなどの場合の非常に軽微なところから未然に認知をしていくというようなところはいじめ対策協議会等でも議論されているところでありますけれども、そういう軽微なところが、普段は保護者も、例えば先生方忙しいだろうから相談はやめておこうと。相互理解があるからこそ、逆に忙しいという理解があって、なかなか平日は相談できないところを、夏休み待ってみようかといったようなところから、逆に言うと、留守番電話対応等で直接的になかなかつながりにくいといったようなところはどのような対応をなさっていらっしゃるのか、あるいはお考えなのかといったところをお伺いしたいと思います。

【小川部会長】  では、お願いします。

【岐阜市教育委員会(早川)】  夏休みに入ってすぐに個人懇談をやる学校がたくさんございまして、そこでいろいろな情報は得ることができると思います。学校は閉庁でも、教育委員会や、それから、私どもは子供・若者総合支援センターというセンターを持っておりまして、子育ての悩みにどんなことでもワンストップで、相談に乗り必要な対応をするという組織があります。それらは機能しておりますので、そちらの窓口も利用できます。ここに、緊急電話はこれだけでしたが、実際に教育委員会などに来て、御相談になった方はこれ以外にもいらっしゃるということです。

【小川部会長】  よろしいですね。
 まだまだお聞きしたいことがたくさんあるかと思いますけれども、時間もありますので、この辺で終わらせていただきたいと思います。お二人の教育長、ありがとうございました。
 それでは、2つの報告内容を踏まえながら、これから、時間外勤務抑制に向けた制度的措置の在り方の全体的な議論に入っていきたいと思います。まずその議論に先立ちまして、まず事務局から資料6から8の内容を説明していただいた後に、意見交換に入っていきたいと思います。これは初中局の常盤木企画官からでしょうか。よろしくお願いいたします。

【常盤木初等中等教育局企画官】  失礼いたします。資料6、意見のまとめ及び今後の方向性という資料を御覧ください。最初に、この働き方改革の目的を記載してございます。こうした目的の実現に向けまして、これまでもこの部会の場で御議論いただいてまいりました業務の役割分担・適正化、組織運営体制の在り方の改善、労働安全衛生管理の徹底、勤務時間管理の徹底、そして、ガイドラインの策定や、学校指導・事務体制の効果的な強化・充実といった取組を総合的に進めることが求められるわけでございます。今回の時間外勤務抑制に向けた制度的措置の在り方の件につきましてもこの総合的な取組の一環として取り組むべきものであり、こうした認識の下で、以下、今回の資料を御用意させていただいたところでございます。
 1でございます。これから議論いただく制度的措置を検討する前提となる教師の専門性、期待される働き方について、以下の方向で考えてはどうかと考えてございます。まず、教師は、一人一人様々に異なる子供たちの発達の段階に応じまして授業やコミュニケーションを行うことができるという専門性を持っております。これが教師の専門職としての専門性であり、時代が変わっても相対化されないものでございます。こうした教師の専門性を共有した上で、この専門性にふさわしい職場環境を整える必要があるということをまず記載してございます。
 次に、今申し上げたこうした専門性が求められる業務こそ教師が本来業務に専念するべきものであり、こうした業務に専念できるようにすることが、本来前提とすべき教師の業務の在り方であるとしております。
 次でございますが、こうした教師の働き方といたしまして、日々の教育活動に当たりましては、一つ一つの業務全てを管理職からの命令に従って勤務するのではなく、日々変化する子供に直接向き合っている教師がその専門性を発揮し、学校の現場が運営されることが期待されてございます。この点で給特法の制定当時の考え方は現在も当てはまるものと考えております。
 一方、教師にこうした専門性があるからといいまして、勤務時間管理が曖昧なままで長時間勤務となっている実態は看過すべきではございません。
 次のページをおめくりください。今申し上げた考え方に基づきまして、2と致しまして、勤務時間管理の在り方と時間外勤務の縮減方策について、以下の方法で検討してはどうかと考えてございます。
 1番目でございます。勤務時間管理につきましては、現行制度におきましても、管理職等の責務となってございます。今般の働き方改革推進法におきましても、勤務時間の把握が使用者の義務として法令上明文化されました。常に勤務時間が明確化されていることが前提だと考えております。
 次でございます。今般の働き方改革推進法によりまして、民間企業では、勤務時間の上限を罰則により遵守させる仕組みとなってございます。こうした制度改正は、国家公務員や一般の地方公務員と同様に教育公務員には適用されておりません。強行法規とした場合には、勤務時間の解釈に厳密さが求められることになり、教師による専門性を生かした臨機応変な判断や対応がかえって阻害されることも考えられるため、強行法規とすることは慎重であるべきと。
 そのため、超勤4項目以外の業務も把握の対象とする勤務の時間の上限目安を含むガイドラインを国が策定し、さらにこれを教育委員会や学校単位でも策定することとし、管理していくようにすることが必要。このガイドラインが働き方改革の要となるような制度上の工夫が必要。
 次でございます。給特法の超勤4項目につきましては、新たな項目の追加、またこれの廃止、こうしたことは共に教師の働き方としてはふさわしくないということで、超勤4項目を前提とした上で教師が担うべき業務の精選を進めるべき。なお、この際、超勤4項目以外の業務につきましても、教師が自らの業務として行っているものであることを明確にすべき。
 教師の働き方改革において、民間企業と同様に時間外勤務手当を出すということに関しましては、学校の設置者かつ教師の服務監督権者でございます市町村教育委員会が、政令市を除きまして給与負担者ではないため、こうした給与面での措置については業務の抑制には直接的にはつながりにくい。
 教職調整額の水準につきましては、今の業務の総量や長時間勤務を抑制することを優先し、長時間勤務となっている現状を追認することのないようにすべき。これらの取組の上で、教職調整額の在り方は中長期的課題と考えるべき、としております。
 3ページを御覧ください。一日一日の業務負担の軽減を図ると同時に、学期中と長期休業期間中の繁閑を踏まえまして、学期中の業務の縮減と長期休業期間中の確実な休日の確保を図るために、1年間の変形労働時間制を導入するための検討を行うべき。
 なお、この点につきまして、一部で提唱されております調整休暇制度、こうしたお話がございます。この点、この調整休暇制度につきましては、現在我が国におきましてはいまだ制度化されていないものでございます。一方で、この1年間の変形労働時間制につきましては、労働法制上既に位置付けられている枠組みでございまして、休日の増加による労働者のゆとりの創造、時間外・休日労働の減少による総労働時間の短縮を実現することを目的とするものでございます。こうした1年間の変形労働時間制を地方自治体の判断により導入することができるような制度改正を検討すべき。その場合、種々の課題を把握した上でその課題を解決するために、文部科学省や各主体がなすべきことを明確にすることが必要である。
 最後になりますが、先ほども触れましたが、今般の働き方改革推進法におきましては、民間企業においては勤務時間の上限を法定し、罰則によりこれを遵守する仕組みとするなど、労働法制の大きな転換が図られたところでございます。中長期的な課題と致しまして、こうした労働法制のみならず、社会の構造的な変化による教師の専門性の在り方や公務員法制の動向等を踏まえつつ、必要に応じて今後とも検討を重ねていくことが必要であると考えてございます。
 続きまして、資料7を御覧ください。先ほど資料6でも触れさせていただきました1年単位の変形労働時間制について、制度の主な概要をまとめたものでございます。資料7の1ページ目でございます。変形労働時間制は、御案内のとおり、1年以内の期間を平均して、1週間当たりの労働時間が40時間を超えないよう労働時間を配分するものでございます。
 対象とする労働者の範囲、期間、労働時間等につきましては、労使協定で定めて実施するものとされております。1年280日までという限度がございまして、1日につき10時間、1週間につき52時間まで、更に48時間を超える週は3か月で3回まで、こういった制限がございます。連続労働日数は6日まで。対象期間中全て労働日や労働時間を定める方法と、対象期間を区分して、各期間が始まる30日前までに定める方法とがございます。この際、育児・介護を行う者、その他特別の配慮を要する者については、必要な配慮をしなければならない旨明文で記載されているところでございます。
 この制度は、地方公務員については適用除外とされております。一方、御参考に、この制度で対象となっております国立大学の附属学校につきましては、現在、約9割の学校で導入されているというデータがございます。
 1ページおめくりください。先ほど中井教育長の御説明の中にもございましたが、変形労働時間制を導入した場合のイメージをここに図示させていただきました。一番上の棒グラフは、今年度のカレンダーに沿って勤務時間を割り振ったものでございます。これが中段ほど、例1でございますが、週に3日間1時間勤務時間を延ばした場合、年間15日間のいわゆる勤務時間が振られない日、休日に相当する分の時間が出ることになります。下の例2でございます。週4日1時間延ばした場合です。7時間45分を8時間45分にした場合です。これは各月のグラフは御覧のようになりまして、年間20日分、長期休業時間中に学校閉庁日、すなわち、休日を生み出すような計算となります。
 次のページは、関係条文ですので、御説明を省略させていただきます。
 さらに、変形労働時間に関しまして資料8を御用意してございます。まず8-1を御覧ください。長期休業期間中の業務についてでございます。1ページおめくりください。今般、平成28年度勤務実態調査におきましては、長期休業期間中のデータはございません。そのため、更に10年ほど前の平成18年度のデータを参考に考えさせていただきました。その際、まだ勤務時間が8時間だったときでございますが、小学校教諭では、夏休み期間中、8時間3分、中学校教諭では8時間28分という時間。その下で、小学校の先生は、そのうち1時間45分を研修に費やしております。また、中学校の先生方は、研修1時間7分に加えまして、部活動・クラブに2時間22分費やしているというデータがございました。
 この研修と部活動に着目いたしまして、2ページを御覧ください。その下でございます。これは今年のある県におきます実例を調べました。特に研修等の時間が長いと考えられる法定研修の対象者や免許状更新講習の対象者、新任の管理職の皆様に実態を伺ったものです。小学校A教諭、初任研の対象者でございますが、法定研修として夏休みにあった研修日が6日でございました。時間は39時間。その後、教育委員会独自の法定外研修等がございましたので、合計は7日ということになります。C教諭は免許更新対象者でございまして、これが5日間30時間ございました。新任のE校長は、法定研修はございませんが、教育委員会等の法定外研修が10日間40時間強。中学校ですと、新任のF教諭は法定研修が5日、法定外研修が10日、合わせて15日。1日平均4時間弱研修が行われていました。また、J校長につきましては、法定外研修が8日間行われているという実態が分かりました。
 次のページを御覧ください。部活動でございます。まず初めに、部活動は長期休暇期間中についてもスポーツ庁のガイドラインが定められております。基本的に活動日は学期中に準じた扱いといたしまして、さらに、長期休業期間中につきましては、ある程度長期のオフシーズン休養期間を設ける旨、記載されてございます。
 こうした中で、平成29年の結果でございますが、そのページの下の方でございます。運動部部活動を担当されている方は、夏休み中、主に20から25日程度部活動に従事し、その時間は33.4時間程度。文化部の方も10日から15日が一番多くなっていますが、その程度従事し、2時間から3時間程度というデータになってございます。
 先ほども御発言ございましたが、その下のページにございますように、長期休業期間中は部活動の大会が数多く開催されます。中体連などに関係しますいわゆる全国大会は7月から8月にかけて、8月の後半からは、新しく新チームになりました新人戦が始まります。そのため、夏休みの部活動に先生たちが関わる日数につきましても、先ほど申し上げたようなデータになっているものと思われます。
 最後のページでございます。先ほどお話ございました学校閉庁日の状況につきましても、先般発表させていただきました我々の調査で、取組が進んでいるという旨をお示しさせていただいております。
 最後、資料8-2でございます。A3の大きな資料になってございます。資料8-2は、長期休業期間中におきまして学校が実施する業務や研修等で、国、もちろんこれは主に文科省でありますが、文科省から出されているものについて全体を調べたものでございます。1ページ目が概要で、2ページ目以降はその詳細でございますので、概要で御紹介させていただきます。
 まず、学習指導要領で定められているものでございます。一番上、学習指導要領では、弾力的な時間割編成のために、そうした授業を特定の期間、こうした長期休業期間に行うことができるという旨定められております。
 次が、学校図書館の開館に関しまして、これは平成30年度の閣議決定なんなのですが、子供たちの読書活動を推進する観点から、長期休業日中にも学校図書館を開館することが有効という旨定められております。その下は通知等でございます。平成14年の通知では、夏休み中の研修の実施支援、教材研究・教育活動等の実施を通知しております。また、10年経験者研修につきましては、あくまでも参考として、個々の教員ごとに異なる日数を定めることが可能だとする中中で、長期休業期間等に20日間程度研修を実施することを想定。また、自殺予防につきましても、長期休業期間中における継続的な様子の確認や、特に長期休業終了前の組織的な対応を求めているところでございます。就職支援につきましても、企業から高校への文書募集の開始時期が7月1日以降、そして、高校から企業への推薦が9月5日となされておりますので、言ってみれば、夏休み期間中、担当の先生方はこの業務に従事することが想定されているわけでございます。
 初任者研修も同様でございます。初任者研修の実施日数は、弾力的に設定するとされている中で、年間25日以上、そのうち長期休業期間中は9日以上とされているところでございます。その他、必要な指導時間を確保するための工夫としての長期休業期間中の活用、全国学力・学習状況調査結果の夏季休業期間などを活用した分析。全国高等学校総合文化祭につきましては、文化庁長官の決定で、原則として毎年8月上旬の1週間程度の開催と示しております。最後、学校環境衛生基準に基づきまして、ネズミ・害虫等の検査につきましては、夏休み中の長期休暇に駆除を行う等の配慮を求めているところでございます。
 資料についての説明は以上です。よろしくお願いいたします。
【小川部会長】  ありがとうございました。今の事務局からの説明に基づきながら、これからちょうど1時間時間がありますので、時間外勤務抑制に向けた制度的措置の在り方について意見交換をしていきたいと思います。議論に先立って、先ほど資料6の説明で、資料6の3ページですが、1年単位変形労働時間制を地方自治体の判断で導入できるような制度改正を検討すべきというふうな御説明の際に、その1年単位変形労働時間制に対する批判を踏まえた1つの対抗案ということで、調整休暇制度みたいな考え方もあるというふうなことを事務局の方から説明がありましたが、その点について少し専門家の御意見を伺えればと思います。
 これについて、労働法の専門の川田先生にお聞きしたいのですが、川田先生はきょう3時半に退出しなければならないということもありますので、最初に専門家としての御意見を伺いたいと思いますが、御存じのとおり、調整休暇制度という考え方は、時間外勤務を時間外勤務手当で措置するのではなくて、振替休暇として取得できるようにするというような制度で、ドイツの労働時間貯蓄口座制度などを参考にしていると思います。日本の労働法の原理原則とは大分違うようなものだと労働法の門外漢の私にも感じられるので、なかなかこういう調整休暇制度みたいな考え方を日本で今すぐに導入するというのはハードルがかなり高いのではないかというような印象を持つのですが、そのことも含めて川田委員の方から少し専門家としてお考えを聞かせていただければと思います。よろしくお願いします。
【川田委員】  それでは、今お話にありました調整休暇制度について私なりに今の話を踏まえて考えたことを述べるとともに、あと、これもお話がありましたように、私、本日早めに退席してしまいますので、その後でできるだけ手短に、資料6の点を中心にこちらについても意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず調整休暇制度ですが、これは先ほどの説明の中にもありましたように、日本では現行の中でそれに相当するようなものがあるわけではなく、あえて挙げるとすると、一番近いものとして、労働基準法37条の中に、現時点では、中小事業主以外の事業主について、月の時間外労働の時間が60時間を超えた場合に、割増賃金を支払う際の割増率の最低限度が引き上げられるという制度があるわけですが、その引き上げられた部分については、これは割増賃金の全体ではなく、あくまでも引き上げられた部分について、賃金という形ではなく、労使協定等の必要な手続を踏んだ上で、有給の休暇という形で払うことができるというような制度があります。この制度は一定の時間数の時間外労働に対して、同じ時間数をまるまる休暇という形で措置するというものとは違いますので、そういう意味ではこの後述べる調整休暇に相当するものは、日本の現行法にはないといえると思います。
 こうしたことを踏まえると、調整休暇制度については、制度上確立した概念があるわけではないので、通常の労働時間法制と同じような形で時間外勤務の時間を測定・把握することを前提として、その測定・把握された時間外勤務の時間、あるいは場合によっては、そのうち一定時間を超える時間数というような形で一部を取るということも考えられますが、測定された時間外勤務の時間の全部又は一定限度を超える一部の時間について代償休暇という形でその時間数に応じた休暇を付与するという、そういう制度だというふうに理解して、以下話を進めていきたいと思います。
 このような制度のポイントは、時間外勤務が行われた具体的な状況に応じて、その後の勤務の時間を減らすことで長時間労働等に歯止めを掛けていこうという考え方に基づく制度という点にポイントがあると思います。それをどう考えるかですが、まず1つ言えるであろうと思われるのは、教員の時間外勤務というのは、業務のスケジュールで予定されているというよりは、結構その場の突発的な状況に応じてそれに対応してというような形で行われるなど、時間外勤務に対して、事前にコントロールするということが難しい面があると考えられ、そういうものに対して、突発的な状況で時間外勤務が発生した後にその後の時間を調整することで働き過ぎに歯止めを掛けていくということは、発想あるいは考え方としては一定程度参考になる面があるかと考えております。
 ただ、その一方で、このような発想、考え方に基づいて、先ほど述べたような調整休暇という制度を設けることについては、幾つか懸念すべき点、問題として考えなければいけない点があるのではないかと思っております。1つは、このような制度と、この部会の中で議論されてきていて、資料6にも触れられている、学校の教員の働き方における専門性、あるいはその専門性に伴うと考えられる一定程度の自由度との関係が問題になるのではないかということです。
 この調整休暇の制度は、先ほど申し上げたように、通常の労働法制と同じように時間外勤務の時間を把握する、あるいはそれを前提とする時間管理をするというものであるとすると、時間外勤務を行うということについては、例えば時間外勤務命令を明示的に行うとか、それに準じたような形で働き方の中身をある程度細かく見ていくような措置が必要になってくるのではないかと考えられます。
 あるいは、それを踏まえて、時間外勤務の時間が長くなり過ぎると、調整休暇として与えなければいけない時間も増えてしまい、それが学校の円滑な業務運営を阻害するようなところまで行ってしまうようであれば、そこまでの時間外勤務はさせてはいけないとして、強制的に勤務を打ち切るということも考えられることになると思います。このように様々な場面、時間外勤務を命じたり、中身について管理をしたり、あるいは場合によっては勤務を打ち切るというような場面で、かなり細かく個々の教員の働き方を管理したり、命令したりということが必要になってくるのではないかと思います。
 この点は通常の労働時間制度の下ではそういうことになると言えるわけですが、ただ、教員に関しては、この部会の中でずっと述べられてきたように、私としても、直接子供と向き合うような場面などを中心として、発達過程にある子供に関する知見等を踏まえた、かなり高度なその場の状況に応じた判断、私はこれはかなり高度な判断だと思うのですが、そういう判断をするといったような意味での専門性、あるいはそういう専門性と結び付いた形での働き方についての一定の自由が重要であり、この部会の中でも、働きすぎに対して歯止めを掛けるということは基本として重要であるんだけれども、そういう中で、今挙げたような専門性とか、あるいは自由度といったものは重視して、できるだけ尊重していくようなやり方を考えるべきという形で議論をしてきたと考えています。そういう観点からすると、今述べたような専門性とか、自由度を重視する、尊重するということと両立していくような形で調整休暇制度を考えていくということについてちょっと難しいところがあるのではないかと感じているというのが1つです。
 それから、あと1点、問題意識として、現行法全体を見てその中で体系的に考えたときに、公立学校の教員についてだけ仮にこういう制度を導入するということを考えた場合に、その根拠をどう説明していくのかということについてちょっと難しいところがあるのではないかと考えております。
 あと、すいません、できるだけ手短に、資料6に関して意見を述べたいと思います。大きなところに限りますが、まず一番申し上げたいのは、3ページの一番最後の点が重要ではないかということです。今般検討する内容に関しては、今の状況あるいは今現時点での法制度を出発点として、できるだけ早急に重大な点を中心に問題に対応していくという点が大きいと思います。
 この点については、例えば実際に何かをやってみて、その結果であるとか、あるいは今後想定される、一般の民間部門を対象とした法制度の動き、あるいは教員以外の公務員、特に地方公務員を対象とした法制度の動き等を通じて、中期的あるいはより長期な視点の下では見直していくことが重要であろうということです。
 そういう中で方向性としては、調整休暇制度について先ほど述べたところと重なりますが、1ページ目の1の項目で挙げられているような捉え方は、私は全体としては適切なものだと思います。要するに、教員の専門性あるいはそれに伴う自由度を重視しながら、同時に、より、ある意味重要な点として、長時間労働への歯止めを考えていくということです。
 それから、そのための方策としては、特に2ページ目の中では、3番目と4番目に挙がっているような考え方について、現行法の状況を出発点として、また当面の方策としては、現在の超勤4項目に入らないものの中にも、業務としての性質があることから働き過ぎ防止という観点から捉えるべき時間があり、そういうものを捉えるものとしてガイドラインを考えるということが適切なのではないかと思います。
 最後に、具体的な点で3点できるだけ簡単に述べたいと思います。1つは、そのようなガイドラインを設けることを前提とした場合、これは3点ともそのような前提での話ですが、1つは、時間数を見て、その時間数が長くならないようにチェックすると同時に、現行の労働法制の下では、時間外労働の時間の状況に応じて、医師による面接指導とか健康診断というような医学的なチェックを掛けるような制度設計が安全衛生法制等でなされていますので、このガイドラインの使い方についても、そういう医師の判断を現実に受けに行きにくいような状況があるという話が既に出てきていることも踏まえて、そういう状況を解消するということも含め、把握された時間の状況に応じて、医学的判断によるチェックに結び付けていくという視点が1つ考えられるのではないかと思います。
 それから、2点目として、これはさっきちょっと言いましたが、既に行われた労働時間の状況に応じて、その後の労働時間をできるだけ短くするような手だてを考えるということも検討に値するのではないかということです。
 それから最後に、変形労働時間制については、前回も少し意見を述べましたが、私としては、結局、変形労働時間制を使うことで、ある程度現実的な目標、勤務時間をこの期間にこれだけ削減することを目指すというような現実的な目標を設定するということにつながるかどうかというところがポイントで、いずれにしても給特法のような考え方、あるいはガイドラインを使うというような考え方の下では、民間企業と同じような変形労働時間制とは若干性質の違うものになるとは思うのですが、その中で、今言ったような現実的な目標を設定するということに資するかどうかが重要で、そこのところをこの後の審議等で検討していければと思っております。
 すいません、長くなりまして。

【小川部会長】  ありがとうございました。
 それでは、ほかの委員の方、発言の際には名札を立てていただければと思います。どなたからでも構いません。いかがでしょうか。
 では、相原委員、どうぞ。

【相原委員】  ありがとうございます。大きく3点申し上げたいと思います。
 1点目は、公立学校の教員について、労基法37条を適用して、ICT、タイムカードによる客観的な勤務管理を徹底し、36協定を締結して時間外労働に対する割増賃金も支払うこと、これを原則として、議論のベースに置くべきではないかと思っています。
 論拠は2点あります。1点は、働き方改革関連法案には47の附帯決議が付きましたが、その11に教員の働き方についても言及がなされています。ICTやタイムカード、勤務時間の客観的な把握を行いなさいということが1つ。それと、学校における36協定の締結届出、時間外労働の上限規制は法令遵守の徹底を図ると明記されたことが1つです。給特法の関係についても、既に国立大学や私立の小中学校の教員には給特法は適用されておらず、労働基準法が適用されています。したがって、給特法を維持する観点からすると、職務と勤務対応の特殊性があるということは裏付けになりにくいということを申し上げたいと思います。
 2点目は、川田先生もおっしゃいましたが、国家公務員と地方公務員の関係について視野に置いておくべきと考えます。具体的に申し上げると、地方公務員である公立学校の教員、ガイドラインの実効性をどう高めるかという議論が中心課題となりますが、法的拘束力を担保した上で、時間外勤務の総量規制を行って、長時間労働を是正する必要があると考えています。また、超勤4項目を廃止して、時間外に従事している業務が自発的行為とみなされている状況を改善し、在校時間全体を勤務時間とすべきだと考えます。
 さきほど資料6の中で、自らの業務として行っているものだと整理する一文がありましたが、状況をなおさら悪くするのではないかと心配をするところです。したがって、ガイドラインを議論する際には、今後、地方公務員、国家公務員に一定の法的拘束力が掛かる可能性があるということを視野に置いた上での議論とすべきだと考えます。
 最後、もう一点です。1年単位の変形労働時間制についてです。1点目として、変形労働時間制を導入する際には労働組合との協定を結んだ上で、労基署に届け出る必要があります。地方公務員法において、教員を含む非現業の公務員は労使協定を締結することが認められておりませんので、事実関係として、1年単位の変形労働時間制を導入することはできないというのが現状であることをまず押さえたいと思います。
 その上で、東京都や岐阜市の先進的な事例を御報告いただいたところなので、全ては否定しませんが、変形労働時間制は、1日10時間、1週間52時間が労働時間の限度とされていますので、現状の学校の働き方では休憩時間をなかなか取りにくいとかいうことを考えると、健康リスクへのはね返りということを危惧いたします。
 ICTやタイムカードによる勤務時間管理について、先々回に資料提示いただきましたが、2018年4月時点で大体4割か4割5分の教育委員会で導入されております。したがって、仮に変形労働時間制の導入を議論するのであれば、45%といっても、4から9月までの勤務実態のエビデンスは既に全国にありますから、それをベースにして議論することもいいのではないかと考えます。
 私ども連合が公立学校の教員1,000名にアンケートを採りました。変形労働時間制の導入については否定的な意見が多いというのが事実であります。学校現場の実態に基づいて勤務実態に関する議論をすることが望ましいということを申し上げておきたいと思います。

【小川部会長】  ありがとうございます。
 では、この後、天笠委員、佐古委員、妹尾委員、善積委員の順でお願いします。

【天笠委員】  失礼します。前の議論からやや飛んだような話になってしまうかもしれませんけれども、お許しください。それは1つ、2学期制とか3学期制とか、この国がとりわけ小学校、中学校が取っている学期制について少し申し上げさせていただきたいと思います。
 大方、この国の小中学校は大体3学期制を取っているというのは御承知のとおりかと思います。ただ、10年あるいはもうちょっと前から、一部の自治体で3学期制を2学期制にするという、そういう動きがあり、また、2学期制を3学期制に戻すという、そういう動きがこの10年、15年の間ある意味で目まぐるしく動いたところもあります。片や、全体としては3学期制が維持されていると。
 こういう全体的な状況の中で、その3学期制から2学期制になろうとしたときの、私の知っている一部自治体の動因というんでしょうか、動かしたそれというのが、総合的学習の時間の形態がそれを動かしていったと。要するに、年間2つのテーマぐらいを追求していくことが、総合的学習の時間の趣旨とか中身的にふさわしいことなんだと。ついては、それを実施していくということからすると、3学期制というのがそれとうまく整合し切れない。ついては、3学期制を2学期制にという、そういう自治体が、現在も存続しているところと、そうは踏み込んだものの、今度は授業時数の確保とかそういう話がそこに付いてきて、結果的に授業時数は学期制を変えたところで確保できないんじゃないかと、そういうことでまた元に戻すというふうな、そんな少し混乱状態を含めまして動いているという、こういうことなんです。
 何を私がここで申し上げたいかというと、学校の1年間の学期の在り方ということをもう少し見つめ直すところに来ているんじゃないかと、こういうことであります。慣行的な1年間ということが前提になって、そしてというふうな形で進んでいるわけですけれども、私はそういう意味でいうと、2学期制を更にそれぞれ半分ずつにするという意味において、およそ3か月を単位にした、年間を4学期にしていくという、1つの学校の1年間の区分の仕方。地域によって、気候によってその辺りのところに前後するところは北と南であるということはあるかと思うんですけれども、およそ3か月を一単位にした学期制で、年間4つの区切りで、そして、めり張りを付けて、1年間の学校のプログラムというんでしょうか、計画が進められるということの見つめ直しということも必要じゃないかと思っております。
 夏休みだけに集中させるということよりも、もっと年間バランスの取れた取り方と、もう一つは、そういう意味における学期のめり張りということ、あるいは夏休みも1つの学期という捉え方をするのかしないのかというようなことも含む、夏休みを含む、8月を含むという、そういう捉え方をするのかどうなのかということですけれども、ここまで議論してきているそういうことについて、法令遵守とかというのは、これは極めて私は当然だと思っています。
 そういうこと等が、今申し上げた、それぞれの学校における1年間を、もう一度自らの学校の1年間を見つめ直してみようという、そういう動きの学校支援としての動きになってくるということが大切なんじゃないかというふうに思っております。ですから、言うならば、旧態依然たる1年間のその中でという形で行くのか、学校の教育活動、教育課程、そういうものの在り方を学校自らがもう一度設計し直すというんでしょうか、そういうことの支援策として、ここで話をしているような教師の働き方の在り方とか勤務時間の在り方ということを連動させていく必要があるんじゃないかということを1つ申し上げたいと思います。
 続いて、今回出てきた資料6の先ほど御説明いただいた3ページですけれども、私はこの3ページの最後のところに、社会的な構造の変化という、こういうキーワードがあるかと思うんですけれども、この趣旨に私は基本的に賛成したいと思いますし、全体として、ここに提起されたことについては、この方向でまとめていったらいいんじゃないかと思います。とりわけ、社会の構造的な変化ということについて、ここのところに丁寧に着目して、ここのところをしっかりと掘り起こしていくことが大切だというのがあるんじゃないかと思います。
 このままで行くと、学校あるいは教師の働き方というのは、社会の構造的な変化から取り残されていくという、そういうふうなこととして捉える視点というのも、また大切なんじゃないかと思いますし、また、社会の構造的な変化から教師の働き方の在り方を整えていくということの視点もまた大切なんじゃないかと思うんですけれども、いずれにしましても、ここで出てきている社会の構造的な変化、これは大切なキーワードとして受け止めさせていただきました。
 その上で、最後になりますけれども、そういう点ではきょうのこれが全体的なまとめのたたき台ということになっていくんじゃないかと思っております。中間まとめというところを踏まえた上で、その上で、ここに示されたことを基本的な方向として、そして、全体をまとめていくというふうな、その方向性を打ち出すということを御検討されているんじゃないかと拝察しておりますので、基本的に是非、次回以降、このまとめてとしてある意味で全体的な姿を提示していただくということをお願いできればと思います。
 以上です。

【小川部会長】  ありがとうございました。
 佐古委員、どうぞ。

【佐古委員】  まず資料6でトーンとして少し気になるところが幾つかあります。
 1点目は、1ページの2つ目のドットのところです。この2行目のところに、専門性が求められる業務に加えて、関連業務について範囲が曖昧でという話があるのですけれども、前回のこの特別部会の中で資料が出されまして、実は勤務時間の増大に寄与している要因は授業や授業準備であるということが明らかになっています。そうすると、むしろ我々は、教師にとって授業や授業準備等の本来的な業務が肥大化しているということの認識に立って考えることが必要かと思います。その点が少し曖昧になっているのではないかというのが1点目です。
 2点目は、これは2ページ目の下から3つ目のドットによく表れているんですけれども、これも前回からの議論で、基本的に教師の専門性があって、それはなかなか勤務を測定しづらいというか、勤務時間の範囲を明確にしづらいという特質を持っていると。これは恐らく合意はできていると思います。その中で、先生が進んで業務を行っていると、すなわち自主性・自発的な職務遂行という特徴、今回はその言葉は出ていませんけれども、基本的な業務の遂行とすればそういうことがなされているという話があって、私も前回からずっとその言葉に引っ掛かりを持っていたんです。
 というのは、そういうことも言えるけれども、まさにこれは見方によるかも分かりませんが、教師がやらざるを得ないという状況に置かれているということが、1つやっぱり押さえるべきことではないかと思います。これはもちろん仕事の量が多いというわけではなくて、学校における様々な慣習的なものを含めて長時間労働をやらざるを得ないような状況にあるということが1つ、これからガイドラインを作っても、それを実効的なものへ転換していく上でそういう認識が必要ではないかと思います。
 それで、ガイドラインのことについては2ページ目の3つ目のドットに出てきまして、その最後に、このガイドラインが働き方改革の要として機能するような制度上の工夫ということがあります。これもずっと議論がここでもされていると思いますが、国や教育委員会がガイドラインを定めても、それが学校で働くかどうかについてはちょっと距離があるというふうに思います。
 基本的に、これは天笠先生がよくおっしゃっていることですけれども、例えばどの日に学校を閉めるかというようなことについては、一応の目安は出せても、そのことについては学校それぞれで確定していくというか、管理職と教職員が学校の現状、実情を踏まえて決めていくという作業が必要なので、そうすると、学校のガイドラインを実効的なものにするためには、制度上の工夫ということとともに、学校運営上の管理職と教職員による検討が必要だというようなことも言及すべきではないかと思います。
 もうちょっと踏み込んで言うと、私はこれはどの県でも教職員の人材育成等で校長先生が面談を行って評価を行うというサイクルが今動いていると思いますけれども、面談・評価のサイクルの中に、勤務時間の把握に基づいて校長先生が適切に勤務時間の削減をリードするようなそういうこともやっていかないと、なかなか学校の、働かされているという状況は変わらないと思います。そういうことも少し踏み込んで方向付けをしていただいて、できるだけ学校の現状に沿うような改革案になればいいかなと思っています。
 以上です。

【小川部会長】  ありがとうございます。
 妹尾委員、どうぞ。

【妹尾委員】  ありがとうございます。資料6の1ページ目の下から2つ目のポチなんですが、教師のこういった専門性なりがあって、この点は給特法制定当時の考え方は現在にも当てはまるというふうに書かれてあります。これについてはそんなに別に反対はないんですけれども、この箇所もそうですし、その後もそうなんですけれども、給特法をはじめ、現行の制度についての問題意識がちょっと薄いというか弱いというか、そういうちょっともやもやがあります。
 僕の方で、素人ながら、一部誤解もあるかもしれませんが、幾つか問題点もあるんじゃないかということもちゃんと踏まえた上で議論をしないといけないんじゃないかと思いましたので、参考資料の最後、9に私の方でペーパーを作ってまいりました。時間も限られますので要点のみ申し上げますけれども、後で詳細は読んでおいていただければ結構です。給特法の問題点としては様々な方が様々なことをおっしゃってはいると思いますし、僕よりも小川先生の方がよっぽどお詳しいとは思うんですけれども、後で補足があればしていただければと思いますが、幾つか問題点が言われております。
 1つ目の問題点としては、いわゆる時間外手当が付きませんので、残業抑制のインセンティブが働いていないんじゃないかという説。
 2番目は、超勤4項目以外の時間外については教師の自発的な業務というふうにされていますので、それに伴って、極端なケースでは、過労死とか病気とかになられた場合にも、それは先生が勝手に残業していたのであって、校長の指揮命令の下ではございませんから公務災害ではありませんというふうな事案が多発しているということ。これは裁判をやっても、勝てるケースもあれば、勝てないケースもあるということでございます。
 あるいは、給特法は決して教師の残業を増やしたいという意図は多分なかったとは思いますけれども、事実上、超勤4項目以外の時間外については、歯止めとなる措置がないということです。
 あるいは、2-3)として、事実上のアンペイドワークになっているというようなことがあるかなと思います。もちろんこれもどう考えるかというのは、後で議論したいところですが、幾つかこのように問題視されるべきところもあるんじゃないかなと思います。
 判例についても、これ、僕の能力では網羅的には調査しきれていないんですけれども、幾つか特徴的なものを挙げますと、この1ページ目の最後の京都市の事案では、授業準備とか、新卒採用採用への支援、あるいはテストの採点、部活動指導等を時間外にやっているという事案なんですけれども、最高裁によりますと、こういったものは各自が職務の性質や状況に応じて自主的に従事していたということになっていて、つまり、校長の指揮命令下ではありませんというような判例になっております。
 あるいは、次の北海道の事案では、校務分掌とか部活動とか年間指導計画に付随する業務についても、これは教師が自らの意思に基づいて受けたというもので、自主的に行ったものと評価をしております。
 あるいは、次の名古屋の判決を見ても、進学に必要なもろもろの業務については、校長は「よろしく」みたいな感じがあったわけですが、これは激励にすぎずに、指揮命令ではないと。あるいは、テストの採点等につきましても、これも自発的な業務だというようなことです。
 これらは一部なんですが、つまり、司法の場でも、司法の批判をする場では今回はございませんが、現行の制度の下では、超勤4項目以外の業務についての位置付けが甚だ、教師の自発的なものということで、非常に時間外に実態的には仕事をしていても、仕事とみなされていないような実態があります。これについてどう考えるかというのは、よくよく議論しないといけないと思います。
 あるいは、3番目、そことも関係しますけれども、給特法の原則としては、正規の勤務時間の割り振りを適正に行って、時間外勤務は超勤4項目かつ臨時、緊急時以外はしないということになっておりますが、そういった割り振りが今日の実態からするとほとんどできようがないような実態になっているので、約47年前の法律でございますので、本当にこのままでいいのか、この建前のまま行っていてもいいのかどうかというのは、要議論だろうと思います。
 4点目、調整額の性格が曖昧であるというような批判もあります。これについては細かくは言いません。
 次の3ページ目です。最初の時間外へのインセンティブが働いていないんじゃないかについては、そうかもしれないなと思う反面、そもそも労基法とか労安法が公立学校の先生にも適用されておりますので、そっちをしっかり守らないことも大きな問題だろうなと思います。つまり、給特法固有の問題なのかどうかはペンディングといいますか、よく考えないといけないんじゃないかなと思います。本当に時間外の手当が抑制に働くのであれば、国立の附属学校等はそうしている場合もありますので、本当にそうなのかどうかという調査・検証された方がいいのかなとは思っております。問題点1点目については否定はしませんが、本当にどうなのかなというのはちょっと疑問ですということを申し上げておきたいと思います。
 あと、次の2点目と3点目、問題点2)、3)については、これはかなり問題が大きいんじゃないかなと思っております。そもそも先ほど申し上げたような種々の業務を、教師の自発的な業務で、校長は命令しておりませんからというふうに言うのはいろいろ無理があるんじゃないかなと思います。民間の事例ですが、3ページ目の真ん中の方に書いております三菱重工の事件だとかいろいろなところでは、明示的な指揮命令がなくても、仮眠だとかヘルメットの着脱とかいろいろなそういった細かいところも労働として認定しているというのがあります。そういった実態を考えますと、公立学校の先生だけ、テストの採点とか何とかというのが、別に明示的に命じていないからといって、これは労働じゃないでしょうと言わんとしているような行政とか司法になっているというのは、民間と比べてもかなりちぐはぐというか、問題があるんじゃないかなというところが気になっております。この辺りをどう考えるかというところは大きな論点じゃないかなと思います。
 一方、4ページ目にもう飛ばしますけれども、超勤4項目はもうやめてしまって、全部、労基法の原則に沿わせた方がいいんじゃないかなという説も、相原先生もおっしゃいましたし、そういった考え方をする方もいらっしゃると思います。一方で、本来的な超勤4項目というのは、明示的な職務命令を発することができる要件を限定的に定めているもので、これは本当は超過勤務について抑制する措置なので、これを維持するのは一定の理由がまだあるかなと思います。とはいえ、先ほどの裁判例等もありますので、うまくこれで理屈が通るのかどうかというのはもっとよく考えないといけないかなとは思ってはおります。この辺りはもやもやしたままではありますが、申し上げておきたいと思います。
 以上のこと、何が言いたいかというと、次の点なんですけれども、いろいろな裁判例とか事件もある中で、超勤4項目以外の時間外を公務として認める場合、本当にこういうものがガイドラインとかで本当に済むのかなというのが非常に疑問であります。法律を改正していただくなり、超勤4項目を定めた政令を改正していただくなりというのが本筋でありまして、ガイドラインでちょっと何かやるのも、本当にそれでいいのかなというのが、そういった整合性等も今後検討課題としてあるんじゃないかなと思います。
 一方で、先ほど国立の附属学校の話をしましたけれども、そことの違いとして、公立学校の先生は公務員なので、やむを得ず、時間外をやっぱりやらざるを得ない。一番極端な例は、災害時に避難所として機能するだとかいろいろな事情がありますので、なので、一定の時間外についてはある程度仕方がないとみなすのも分かります。しかし、だからといって、余りにも法制度上、教師の時間外について抑制する措置が弱いというのは問題じゃないかなと思っております。
 1番目は、先ほどの時間外手当の抑制がない。これは普通の地方の公務員にはございますが、教師にはございません。2番目は、先ほど申し上げたように、超勤4項目以外の業務は、事実上割り当てられてしまう。それで司法判断も支持をしているという問題があります。ただ、労使による合意がないというのは、地方公務員も共通ではあります。3番目、これも読んでいただいたとおりですが、これは地方公務員も同様ですけれども、こういった罰則はない。4番目は、先ほど申し上げたような、司法上も救済されない。5番目は、労基署に当たる機関も、今、東京都の教育長がいらっしゃる中で言うのも何なんですが、人事委員会もスタッフが2名とかそういった中ですので、非常に脆弱であるということ。
 これはほかの地方公務員も同様ですけれども、このように何重にも先生たちの時間外を抑制しようという法制度が弱いのを、我々としては本当に放っておいていいのかどうか。中長期的な課題ですというふうに文科省さんのペーパーではあるんですが、中長期的な課題ですとだけ書くと、今はやりませんというようなことにもなりかねませんので、本当にそれでいいのかなというのは、よくよく皆さんの御意見も伺いたいところであります。
 それから、5ページ目の上の方です。現行でも、これは地方公務員共通ですが、措置要求という制度がございますので、何か不服等あれば、そういった制度が、救済措置があるわけなんですが、これが本当に機能しているのかどうか。機能している例があるんだったら教えていただきたいですし、機能するための検討がもっと必要なのであれば、しないといけないかなと思います。そういった辺りも含めてよくよく考えないといけないかなと思います。
 問題点4)はもう読み上げませんけれども、こういった、非常に曖昧ですねというような指摘もあります。
 あと、ここには、ごめんなさい、書かなかったんですが、今回の資料6全体として専門性を強調しておりますが、教師の専門性とかプロフェッショナルだと言えば言うほど、もちろん時間に応じてそんなに成果が決まるわけじゃないよねという意味では、高プロとかと似たような性格かもしれませんが、一方で専門性があるんだったら時間外について無給でやっていいのか、無償でやっていいのかというのは大いに疑問でして、プロだからこそきちんとした対価を払うべきというような考え方も普通にはある話だと思います。もちろん財源がすぐにはないとかいう事情もよく分かりますし、教職調整額を上げるよりは教員定数を上げてくれと僕自身は思っておりますけれども、とはいえ、そういった、本当に無給でいいのかというところも論点かなと思っております。
 すいません、いろいろ言いましたけれども、今の法制度上、ガイドラインだけでは耐えられないんじゃないかなというような疑問をお伝えしたくて、ペーパーを作りました。
 以上です。

【小川部会長】  ありがとうございます。時間外勤務抑制に向けた制度的な措置を今後どう図っていくかということを考える前提として、現行制度でそういう時間抑制の仕組みが機能していない、その現状と問題点をもっとしっかり書くべきだというのは、まさに私もそう思いますが、そういう現行制度の問題点などについては中間まとめではある程度書き込んでおり、それを前提に今後の制度的措置の在り方を議論していると認識しています。きょう出てきた資料6のところでは、現状認識のところの分析というか、その辺の記述というのはそういうことを前提としていますので、少し薄れた感はあるかと思いますけれども、現状認識のところは中間まとめでも、今、妹尾委員が説明されているようなことは、基本的には私は押さえていたというふうに感じておりますので、あとは、これ、最終答申まとめでどういうふうな全体の中でバランスよく書き込んでいくかというふうなことだと思います。
 あと、最後強調されていた、ガイドラインの強制力をもう少し強化すべきだという話については、これは先ほど相原委員もおっしゃっていたように、地方公務員法の改正の動向と密接に関係することだと思いです。それとの絡みでその辺のところは見通しを持った制度設計をしたいというふうなことは文科省、事務局としても考えていると思いますし、相原委員からの御意見としては地方公務員法の改正の動きなども想定しそれと抵触しないような書き方が必要という御指摘にもなっているのだと思います。地方公務員法の改正がない限り、文科省の判断だけで教員のガイドラインに、法的な罰則規定を設けるというのは、これは法的に無理であるということですので、そういうふうな趣旨でこのまとめについては考えて書いていくというようなことになるかと思います。
 あと、時間も限られていますけれども、善積委員、清原委員、冨士道委員、そして、最後、青木委員の順でお願いします。

【善積委員】  ありがとうございます。この変形労働制の話は、休日を増やすというメリットが見えるというところなど分かりやすい制度ではあるかなとは思いますが、私も学校の現場を幾つか拝見している中で、全ての人が遅いわけでもないということも一方であると思っています。定時で仕事を終えている人たちもいらっしゃるので、その方たちからしたときに、変形労働制という考え方で枠が広がってしまうことを前提にされることをどう受け止められるのかなというのはちょっと気になったところです。
 あと、地方でそこまで業務量等が余り問題になっていない学校種もあると思います。もちろん先ほどの話の中で、運用を一律にするということはないという、学校長の判断だということがあったんですが、その学校長の判断にしても、先生方が転勤をされていったときに、仕組みが違うことで待遇が変わるということについて抵抗感があって、例えばその学校に行きたくないとか、そういうケースもある可能性があるのかなと思いました。
 変形労働制自体を選択肢として考えるのはありかなとは思ったんですが、ガイドラインを書かれるときに、いろいろなケースをきちんと書き込んでほしいです。こういったことをやる場合に、例えば自校の先生方がこういうニーズがあるとか、こういう勤務意向というか形がある場合には適さないといった判断をそれぞれの学校長がもしされるのであれば、できるような流れまではしっかり書いていかれないと、変形労働制というフレームで出てくる、休日が増えていいというような話だけの問題ではないところが明らかにされるべきではないかなということを1点思っております。
 あと、それとは別に、長期休暇の仕組みというのも私はありかなと思っています。意図的にそういった日程を設けることにすごく意味があると思っています。ただ、このときに、長期休暇というか閉校日を設けることの意味を大事にする一方で、なかなか先生方は、有休を取ってらっしゃらない、消化ができていないということがあります。閉校日を作ることが有給の消化とつながればいいのですけれども、それぞれ事情があって取れていないのだとすると、一律同じ期間に閉校日を設けることが、意味がある施策になるのかどうかという疑問があって、選択の幅をもう少し広げて取り込めないかと感じた次第です。ただ、長期休暇時じゃないと変形労働制の対応する時期が見つからないということでこういった形になっているのだとは思いますが、そういう感想を持ちました。

【小川部会長】  ありがとうございます。
 では、清原委員。

【清原委員】  ありがとうございます。清原です。今回資料6の冒頭にありますように、「学校における働き方改革の目的」として、「新学習指導要領を円滑に実施するとともに、児童生徒に接する時間を十分確保して、教師が充実した総合的な指導を持続的に行う」ということにするならば、根本的な解決というのは、私は「適切な教員定数の確保」が不可欠であると、このように考えています。しかしながら、今はそれまでの過渡期だと思っていますが、その中で中井教育長、そして、早川教育長が示唆されたのは、「教師の勤務の実情を踏まえた勤務時間制度改革において、1年間の変形労働時間制が一定程度有用ではないか」という実践に基づいた御示唆ではなかったかなと思います。そういう御示唆をきょう頂きました中で、3点意見を申し上げたいと思います。
 お二方とも、教育長は、学期中の勤務時間の縮減に向けても努力をされています。少なくとも「教育の質」を下げずに勤務時間を減少させるには、例えばサポートスタッフが必要である、部活動指導員が必要である、スクールソーシャルワーカーが有用であるというようなことで、そうした学期中の縮減に向けて、様々な代替機能や補助機能を付加しながら、少なくとも縮減するということを第一義的に進めてこられていると思いますし、それは有意義だというふうに思います。
 そこで、2点目ですが、今回夏休み期間中をどのように有効に活用して、教員のライフ・ワーク・バランスを取るかということが提案されました。ところが一方で、夏休み期間の有効利用をするには、ほかに関連して幾つかの課題があるということもあります。1つにはもちろん、恒常化している、一般化しているプール指導ですが、猛暑の中、プール指導もなかなか暑くなっているので厳しいなというお声もある中、思い切って集中的に7月にされるということを岐阜市の事例から学びました。
 三鷹市では、新学習指導要領の完全実施に伴う小学校英語の教科化等に向けて、三鷹市の教育委員会から、夏季休業日の最後の5日間を授業日とする提案があります。現在、授業時数の確保のために、土曜日の授業や平日の7時間目の授業を行っている状況ですが、2学期の始業式を8月25日として、31日までの5日を授業日とすることで、授業時数の確保を図るというものです。おかげさまでエアコンは普通教室、特別教室に整備されているので8月25日に始業でも大丈夫だと思いますし、夏季休業日を短縮して授業日を増やすことによりまして、年間を通して土曜授業の減少や、学期中にも余裕のある教育活動の展開を可能とすると、そのように示されています。
 しかし、そうであるならば、更にこのようなことを踏まえると、夏季休業日を短縮することになるわけですから、早く授業を開始するなら、なおさら教員がしっかりと休養を取れる、そういう取組と併せていく必要があると実感しています。今年から8月の山の日を中心に、全教職員が出勤しない日、学校閉庁日が三鷹市でも小中学校全22校で実施されました。(岐阜市のように)16日ではなくて5日から9日間のものでしたが、教員からも一定の評価があり、また、保護者からも特段の苦情等がないまま、PRのおかげさまで推移いたしました。教員については、学期中は授業で平日の休みが取りにくいという状況がありますから、年間を通した勤務の割り振りなどとともに、更に長期間の夏休みが集中して取得できるようにしていくことも重要です。
 きょう冒頭で、総合的な学習の時間において、夏季休業期間や土日等も含むということが提案されたので、これは一方で教員の負担ではなく、4分の1は生涯学習、社会教育の分野とか、そうした他の担い手でということも含めてのことだと思うんですが、やはり夏休みは有効ですが、中井教育長も言われたように部活動指導員が活躍されるのはひょっとしたら夏休みかもしれない。そうであるならば、夏休みの期間のどこまでをそうした総合的学習とか部活動等に使い、しかし、一定程度しっかりとした集中した休暇を教員が取れるようにするかという、減り張りをどうするかということは改めて課題になるなと感じました。
 最後に3点目です。岐阜市さんもそうですが、三鷹市も「コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育」を進めておりまして、コミュニティ・スクールが全国で広がっています。その推進のためには、一定程度学期中の土日の地域行事への積極的な教職員の参加、児童生徒の参加も有用です。そこで、そのようなものを保証していくためには、学期中も一定程度の平日の代休も保証していきたいななどと考えていますが、時間割の関係で難しいことがあるかもしれません。しかし、やはりコミュニティ・スクールのメリットを生かすためには、学期中の代休が取れるような時間割の組み方とかそういうものも必要です。中学校ではできるかもしれませんが、小学校では難しいかもしれない。
 しかし、教育を中心に、「教育の質」を中心に置いたとき、やはり1年間の変形労働時間制を活用しつつ、減り張りのある1年間をどう創造的・主体的・自主的に教員の皆様が取り組んでいかれるか。そのための幾つかの視点をきょうお話しさせていただきましたが、是非少なくとも学期中の業務を縮減し、長期休業期間を再評価して、繁忙期とそうでない時期とを両極に分けるというのも好ましくないとは思いますが、望ましい1年間を視野に置いたタイムマネジメントを提案していくこと、それは現場の問題解決に資するのではないかなと痛感した次第です。中井教育長、そして、早川教育長、ありがとうございました。
 以上です。

【小川部会長】  ありがとうございました。終了時間の4時に近付いているんですが、あと2人、手短に発言をよろしくお願いします。冨士道委員と青木委員、よろしくお願いします。では、冨士道委員から。

【冨士道委員】  では、短めにお話をします。きょうは特に後半は1年間の変形労働時間制という話がずっと盛り上がってきたんですが、私もこれはやっぱり抜本的な解決ではなくて、今までいろいろな、例えば業務の見直しをしたり、そして、一部、人の配置を考えたり、そして、多分ガイドラインも今回考えましょうという、つまり、トータルパッケージで考えていかないと、これだけでということではあり得ないと思うんです。
 さらに、先回も話をしましたが、調査をしてみると、学校間でも在校時間、いわゆる滞在をしている、勤務時間が違う結果がみられた。一体、その背景には何があるのだろうか。具体的なその背景にヒントがあるのではないかなと、考えています。
 今回、特に年間の変形労働時間制については、きょう資料も出ていますが、私は不安が2つあります。部活動と研修です。部活動についても、今回、資料では、どこが主催してどのようなものがあるのかが示されていますが、実はこの主催をしている部活の試合に向けての練習があります。かつそこに今度は練習試合という、顧問同士の更にここに見えてこない練習が入ってくる。そういう点からは、学校側の実態をもう少しヒアリングをしていただきながら、こういうものが開催されているということではなくて、そこにさらに、開催と開催の間にどんなことがあるのかという、学校の実態ももう少し調べていただきたい。
 それから、今日、研修も、国、主に文科省から出されているという資料がございました。しかし、学校というのは、実際には都道府県、そして、各市町村から来る研修もたくさんございます。学校側の方ではどんな研修が来ているのか、そこももう少し実態を把握しないと、さあ、夏休み、ここでオーバーした分しっかり取りましょうといっても、これは本当に絵に描いた餅になってしまう。そこはそうさせないためにも、もう少し実態の中で何ができるか。今申し上げましたけれども、トータルパッケージとしての考え方、そこが重要だと思っています。

【小川部会長】  最後に、青木委員。

【青木委員】  資料6について幾つかお話ししたいと思います。黒い四角が冒頭2つありますけれども、これに関わって言いますと、今ここで議論している対象というのは恐らくは公立の小中学校の教員が中心ですけれども、そう考えると、地方公務員として雇用されている教員という対象で、それは65万人ぐらいいて、地方公務員の中、今もう300万人切っていますが、その中の大きなウエートを占めている存在であるということで、そのことをどう考えるかというのが恐らくこの黒い四角に込められる必要があるのかなというのが1つです。
 次に、2ページ目の一番下の黒ポツで、教職調整額の在り方は中長期的課題と考えるべきと。要するに、これ、教員の処遇改善ということの文脈でもここは議論すべきで、だからこそ処遇改善はすべきだというふうに私は思っていますので、この部会の射程としては少し外れてくるかなと思います。
 ここからお話しするのは簡単な話で、法制度と実施過程は分けて考える必要があるということです。法制度に関して言うと、今議論されているのは、ガイドライン、それから、変形労働時間制ですが、これに関して言いますと、文部科学省としてそういう制度を作るということ自体は私は賛成しています。ただ、問題は、実施過程というと、それは都道府県と市町村の教育委員会、あるいは学校により実施上の責任があります。この間の教員の長時間労働の問題に対して文部科学省に対する批判が非常に多く出ていますけれども、実際は学校の管理職であったり、都道府県や市町村の教育委員会にも責任は分有されるべきであると考えます。
 そこで、私の専門である教育行政の国と地方の関係、これ、政府間関係論という分野ですが、その観点からしますと、ガイドラインや変形労働時間制に関して言えば、地方自治体の判断に属することが大きい仕組みです。つまり、国としてできることは、制度上の選択肢としてそれを設けるということであって、それを動かすのは地方自治体、学校であるということです。
 では、文部科学省は選択肢を示してそれで終わりということでいいかというとそうではなくて、恐らく給特法成立後教員の長時間労働が問題になっているということを考えると、文部科学省として今後必要な措置としては、やはりこういった看過できない政策課題については、領域、それから、時期を限定的にしつつも、国は地方の政策実施に踏み込んでいく必要があるんだろうと私は思います。これは前例があって、学校施設の耐震改修はそういうことをやっていったわけです。
 そうしますと、この学校における働き方改革という政策課題に関して言えば、参考になるなと思うのは、厚生労働省の事業で国民健康保険の保険者努力支援制度があります。これは市町村が保険者として住民の健康増進事業をきちんとやっているかどうかというのを国として評価し、それで、財政上のインセンティブを与えるという仕組みがあります。
 こういったようなことを参考にしつつ、文部科学省としては、市町村や都道府県に直接アプローチをしていって、人でもお金でもいいんですけれども、2020年度予算編成ぐらいに向けて、国が地方の取組をきっちり、この部会の議論が収束した後制度が出来ると思いますけれども、その後、評価する仕組みをきちんと設け、ある一定の期間は少なくとも地方自治体に対してアプローチをしていくべきである。それに加えて、地方自治体の状況についても公表していくというようなことが必要であって、国と地方の協議の場の教育版みたいなものをこのテーマで設けてでも、地方自治体の状況をくみ取りながら、国としても今以上に踏み込んで関わっていく必要があるかなと思います。
 以上です。

【小川部会長】  ありがとうございました。予定の時間を5分ほど過ぎてしまいましたけれども、きょうもまたたくさん御意見いただきました。これをまた整理して、次回継続して審議を進めていきたいと思います。本日はありがとうございました。
 次回以降の予定について、事務局から御説明があれば、よろしくお願いします。

【鞠子初等中等教育企画課課長補佐】  次回の日程につきましては、追って御連絡させていただきます。
 本日の資料につきましては、机上に置いていただければ、郵送させていただきます。

【小川部会長】  ありがとうございます。
 それでは、きょう予定していた議事は全て終了しましたので、これで閉会といたします。ありがとうございました。

―― 了 ――



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初等中等教育局財務課

-- 登録:平成30年11月 --