資料2 学校安全部会(第5回)における委員からの主な御意見

○ 学校は、危機管理、防災を通じて地域と連携をしているところが増えてきている。学校は地域の中に存在することから、教員は地域を理解し、PTAだけではなく、地域住民の方と一緒に活動することについても養成段階から学ぶことができれば、学校と地域の連携がスムーズになるのではないか。

○  学校安全の取組は、管理職の熱意によって進められているところもある。養成段階や現職研修などで学校安全の内容が担保されると、しっかり役割として認識される。

○ 学生たちが津波の実験装置を作り、それを用いて小・中学校で実際に授業を実践したりして効果を上げている例もあるが、より実践力を養成するためには、防災教育に関する教材開発を行う授業も必要。

○ 学校安全に関して、現職教員の研修等において、学校や地域の取組による差や内容の偏り、指導者がいないなどの課題がある。

○ 大学において、学校保健安全法の趣旨や内容と学校安全及び危機管理に関する意識の向上を図り、必要な資質や能力を身に付けられるようにすることが必要。

○ 文部科学省の学校安全に関する資料を、教員養成課程を持つ大学においても活用していくことが必要。

○ 心肺蘇生やAEDの使用法等、少なくとも教員になる学生には応急手当について学ぶことが必要。

○ 教育実習を終えた4年生に対し、子供たちの命を守る義務、教員としての使命感、今後求められる能力について話をすると、関心を持って聞いている。どの段階で説明をするかによって、学生の理解度が違ってくるのではないか。

○ 大学で各専門の先生が、防災の授業のために専門を超えてつながっていることがすばらしい。教科の様々な要素をつなげ、応用し、生きる力を身に付けさせていくことは重要。

○ 大学の教職課程において、学校安全が位置付いた際、指導者の確保、シミュレーションが必要。

○ 教育実習の場における学校安全に関わる教員養成の取組、工夫ということも視野に入れておくことが必要。

○ 大学で学校防災の授業を組み立てる際、地元の気象台や大学の地質学や自然地理学の先生と連携したり、現職校長を講師として招き、実際の学校防災の現場での話を聞いたりするなど、実践的な取組を行っている大学もあり、大学における関係機関等との連携も重要。

○ 特別支援学校においても、避難訓練は様々な災害種を想定して計画的に実施することが必要で、訓練を重ねることによって児童生徒が避難の必要性について理解することができる。

○ 特別支援学校において、安全に関する取組の推進のためにも、個別指導計画の中に、安全教育の欄を設け、指導に当たることも必要。

○ 教員が特別支援学校教諭免許を取得する際の認定講習の中で、特別支援学校での安全教育について学ぶことも必要。

○ 近隣の特別支援学校と防災についての共同学習を実施している高校では、お互いの知識、理解が高まり、学んだことを行動に移すことができるようになってきている実例もあり、異校種間での共同学習も有効である。

○ 防犯面において、知的障害の子供たちが自分の身を守れるようになるためどのように指導するのか、性犯罪やネット犯罪に巻き込まれないようにするためにどうしたらよいか指導するためのカリキュラムが必要。

○ 特別支援学校において、防災のみならず、犯罪に巻き込まれる事案等に対しても、どう対処していくのかという問題に社会がしっかりと向き合っていくことが必要。

○ 特別支援学校においては、スクールバス乗車中に災害が発生した想定で訓練が行われている。統廃合が進み、小・中学校においてもスクールバス運行の増加に伴い、スクールバス乗車時の対応について教員の研修が必要。

○ 教員は、目の前の子供たちに迫る危険を察知する力がなければ、子供たちを守ることができない。そのため、学生のうちから各学校における避難訓練等を実際に経験し、危機を自分で探すような力を付ける機会も必要。

○ 教員は、学校周辺の自然災害についての知識や認識が求められる。赴任先の自然災害リスク、交通事故リスク、防犯リスクを見極める目を養成していくことが重要。

○ 学校が行政や地域、保護者と深く関わる事案は、学校が避難所になったときである。災害が起きて学校が避難所になった際に、教職員側に避難所の運営についての知識やマネジメント能力がなければ、被災した地域住民を前に大きな負担を強いられることもあるため、そのような教育又は研修内容についても議論が必要。

○ 大学の教職課程において、学校安全を指導する際に、取り扱う内容としては、学校保健安全法の理解は外すことはできない。また、学校安全の指導要領の位置付けについても省略はできない。学校安全の取組は、全て家庭や地域と連携しなれば成り立たず、この点も重要な視点である。

○ 学校安全に関して、学生にとってどのような視点が必要か絞り込み、幅広く教員養成段階では教える必要がある。その際、学生が主体的になるような仕掛けが必要。

○ 学校は地域の中に存在することを学生のうちから意識させ、あらゆる教科をどのように子供たちに教えていけば実際に身に付くのかということを指導するかが重要。

○ 地域には、学校安全を推進する上で有効な資源(消防団等)が多くある。学校安全計画の中にも、地域と連携して実施する項目について記載し、地域に伝えておくことも重要。

○ 教職課程で学校安全を指導しようとすると、授業担当者についての課題が出てくる。担当者がいないとの理由で、学校安全を扱う時間を減らすとなるのは間違った方向性であり、学校安全や危機管理を扱うことは必要である。学校保健安全法の内容は必ず学ばなければならない。

○ 大学での学校安全に関する指導者の確保については、例えば、現職の学校管理職に講師を依頼するなどの工夫をしながら、授業ができる人材を育成していく方法を考えることが必要。

○ 教員にとって、目の前の危機について五感を研ぎ澄ませ、状況を把握、それを回避するための行動をとることが重要。そのためには、経験を積むことが重要であり、大学の教職課程の講義に演習を取り入れるなどの工夫が必要。

○ 総合大学において、それぞれの分野の専門家の育成を行っているが、学んでいる学生が学校安全に対して貢献できる場が必要。

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初等中等教育局健康教育・食育課防災教育係

(初等中等教育局健康教育・食育課)