学校安全部会(第8期~)(第7回) 議事録

1.日時

平成28年12月14日(水曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 東館3F2特別会議室 【東京都千代田区霞が関3-2-2】

3.議題

  1. 第2次学校安全の推進にする計画の策定について(答申(素案))について
  2. 大規模災害時の学校における避難所運営の協力に関する留意事項(案)について
  3. その他

4.議事録

【小原部会長】  おはようございます。定刻となりましたので,ただいまから第7回中央教育審議会初等中等教育分科会学校安全部会を開催いたします。
本日は,皆様,お忙しい中,御出席いただき,ありがとうございます。
審議に入ります前に配付資料の確認を事務局からお願いします。
【中村健康教育・食育課課長補佐】  配付資料の確認をさせていただきます。議事次第に沿って確認をいたします。資料1といたしまして,前回からの主な修正内容について。これは前回審議の経過としてお配りしたものを答申の素案という形に今回修正してお配りしておりますが,そこの主な修正の概要のペーパーでございます。資料2-1が,その答申の素案という形。そして,資料2-2としまして,前回からの見え消しの形の資料でお配りしております。資料3-1といたしまして,11月14日に開催されました初等中等教育分科会における御意見。資料3-2といたしまして,安全部会の前回の御意見と,追加でメール等にて頂きました御意見の概要。そして,資料4といたしまして,これはまた後で御説明申し上げますけれども,大規模災害の発生時における学校の避難所運営の協力に関する留意事項というものを文科省として今,検討しておりますので,それについての資料。そして,資料5といたしまして,今後の日程でございます。
参考資料といたしまして,従前お配りしている学校安全に関する参考資料や安全部会委員の名簿,また,机上配付といたしまして,前回の議事録をお配りしております。過不足等ございましたらお伝えいただきますようお願いします。
以上でございます。
【小原部会長】  ありがとうございました。
また,本日は,報道関係者より会議の撮影及び会議内容の録音を行いたい旨の申出があり,これを許可しておりますので,御承知おきください。
それでは,議題に入ります。本日は,これまでの当部会での審議を踏まえ,第2次学校安全の推進に関する計画の策定について(答申(素案))につきまして,事務局から説明の後,御議論いただきます。
それでは,事務局から説明をお願いいたします。
【中村健康教育・食育課課長補佐】  資料の説明の前に,前回の部会以降の追加的な御意見と,初等中等教育分科会で出されました御意見について少し触れた上で御説明を申し上げようと思います。
資料3-1と3-2を御覧いただけますでしょうか。
資料3-1が11月14日の初等中等教育分科会において出されました御意見です。主なものを御紹介いたしますと,まず上から2つ目の○に関しまして,【児童生徒等の安全を取り巻く現状と課題】という部分ですけれども,組織自体が安全確保の備えをしているわけですけれども,それがマンネリ化したり,形骸化したりすることにより,場合によっては,当事者意識が失われ,危機に十分対応しきれないようなことが想定されるんじゃないかということ。
また,【学校施設及び設備の充実について】に関しましては,1つ目の○ですけれども,私立を含めた耐震化についても引き続き取り組むことが大事であろうと。さらに,【学校における安全に関する組織的取組の推進】ということで,全体の下から3つ目の○になりますけれども,学校安全計画について,しっかりと策定率が100%になるように徹底した対策をとることの必要性。さらに,その【安全に関する教育の充実方策】といたしまして,一番下の○ですけれども,安全に関わる教育について,特別活動の中の防災訓練や,具体的な教科の内容についての記載が必要であるということ。さらに,防災訓練を通して体験的に学ばせることの必要性や,高校生,大学生は,様々なことを早い段階から訓練して体験していくことにより,地域を支える人材としても成長していくんじゃないかということ。
さらに,【家庭,地域,関係機関との連携・協働】という視点に関しましては,家庭も子供の安全に対して,日頃からしっかりと注意を払って,教育をする責任を有するということや,さらに,通学路の安全ということですけれども,幼稚園に関しても当然のようにそうした問題は生じるわけですから,通園・通学路ということをしっかりと書いていくというようなことが主な意見として出されております。
そして,資料3-2を御覧いただけますでしょうか。こちらも前回の安全部会での御意見に追加で頂いた御意見を加えたものでございます。下線部分が追加で頂いたところですね。これを中心に御説明申し上げたいと思います。
1つ目,1ページの真ん中から下の段ですけれども,【児童生徒等の安全を取り巻く現状と課題】というところで,上から2つ目の○,学校安全というのは,幼少,子供,幼い子供だけの問題ではなくて,中高生とか青年期にある子供の問題としてもしっかり捉えていく必要があるだろうということ。また,次の○ですけれども,教員の意識の問題というものが学校の安全に大きな影響を及ぼすことがありますので,地域の世代間の差ということ,そういったものを解消して,全ての学校において安全を推進していくことが求められると。また,その次の○ですけれども,大人の入り口にいる中高生に対する安全教育の推進ということもこれまで以上に重要になってくるということであります。それを踏まえまして,その幼小中高の学校種間の系統性ということもしっかりと意識して,学校安全というものを構築していかなきゃいけないということ。さらに,そのページの一番下ですけれども,自然というものが,災害だけではなく,恩恵ももたらすという,そうした二面性についてもしっかりと伝えていくことが大事じゃないか,といったことを追加の意見として頂いております。
次のページにお移りいただきまして,上から4つ目の○でございます。【学校における安全に関する組織的取組の推進】というところでございますけれども,自然災害というのはどこでも起こり得るということでありますので,自分の勤務する地域の特性というものをしっかり認識しておくことが必要であろうと。そして,2つ下の○,大きな自然災害を経験していない若手教員が増え,危機意識の希薄化が懸念されているような状況にあるということ。さらに,2つ下の○,教職員が学校安全に関する研修を受けることができるようにするためには,校務の見直しとか負担軽減といった視点も重要であろうということ。こうしたことが追加意見として頂いております。
次のページに行っていただきまして,【安全に関する教育の充実方策】について,上から2つ目の○でございますが,「資質・能力の三つの柱」ということで,今回,新しい学習指導要領に向けた議論の中で,「知識・技能」,「思考力・判断力・表現力等」,「学びに向かう力・人間性等」が示されているわけですけれども,これに沿って安全教育として育んでいく資質・能力をしっかりと整理することが大事であろうということ。
そして,その2つ下の○について,東日本大震災以降にその安全の取組というのは強く推進されることになってきたわけですけれども,安全教育の効果的・効率的な教育方法やカリキュラムの構築,評価の問題というものは,まだまだ一般化するという上では課題が大きいであろうというようなことでございます。
そして,そのページの下から3つ目の○ですけれども,安全というものを深く理解していくというためには,その各教科の視点,知見というものをつないで,それを学び,各教科横断的に取り組んでいくことがやはり重要であろうということを頂いております。
そして,4ページの上から5つ目の○でございます。学校施設,設備の観点でございますけれども,例えば,校舎の外階段とか,滑り台みたいなものが設置されている場合もあるわけでございますけれども,そうしたものの震災時の破損対策というものも大事になってまいりますので,非構造部材だけに着目するのでなく,全体として対策をしっかり取り組んでいくことが大事であろうと,そうした意見を頂いております。
そして,5ページ目の一番下でございますけれども,子供の命を守るという観点では,一般的に国の方でモデル校を選定して施策を展開するというような方策をとっているわけですけれども,そういうことを通じて,先進的な取組事例というものが蓄積されていくというメリットがあるわけですが,一方で,そうではないところもありますので,その先進的な取組が進むところと,そうした取組が進まないところとの格差というものを広げてしまわないように,その成果というものが周辺校へも波及すると,そうした視点もしっかりと取り入れていくことが大事であろうと,こうした意見を頂いておるところでございます。
これを踏まえまして,資料の修正について御説明申し上げたいと思います。
まず資料1を御覧ください。今,申し上げましたような御意見を踏まえまして,全体として修正をしております。大きな構造といたしましては,資料1に記載しておりますように,「はじめに」の部分の記載を新たに追加いたしました。さらに,ローマ数字の1の現状と課題に関して,前回はこれまでの取組とかそうした取組上の課題などの記載をもう少し充実する必要があるだろうという御意見を頂いておりましたので,そういう観点での記載の充実というものをしております。
さらに,ローマ数字の2で,今後の学校安全の方向性ということで,前回は記載が空欄でお出ししておりましたけれども,皆様の御意見を踏まえまして,学校安全としての目指すべき姿とか施策目標といったものを新たに打ち出していけないかということを考えて記載をしております。
そして,ローマ数字の3,学校安全を推進するための方策についての部分に関しましては,現行の第1次計画の書きぶりに合わせながら,項目や体裁を整えるとともに,具体的な方策といたしまして,誰が取り組むのかという,その取組主体を極力明確化するということの修正をしております。
では,資料2-2を御覧いただけますでしょうか。こちらは前回お配りしたものからの修正の見え消しの形になっております。それで,これに沿って御説明申し上げたいと思いますけれども,1枚おめくりいただきまして,3ページから「はじめに」というところの記載があります。「はじめに」の部分では,現行の計画にも書かれているような普遍的な内容というものを取り込みつつ,今回の計画に当たっての視点というものが見えるようにということで,記載をしておるところであります。
例えば2つ目のパラグラフですけれども,児童生徒が安全に学べるようにするためには,児童生徒の安全の確保が保障されることが不可欠の前提となると。また,児童は,守られるべき対象であるということにとどまらず,自らの安全を確保するということの基礎的な能力を育成していくことが求められるであろうと。
さらに,その次のパラグラフですけれども,様々に社会的な情勢というものは変化していきますので,いかなる状況下でも自らの命を守り抜くということ。さらに,安全な社会を作るということで,主体的に行動する態度を育成するという,そういう意味での安全教育というものが不可欠であるということを書いております。
そして,その次のパラグラフですけれども,その安全に関する資質・能力を身に付けた児童生徒が社会人となることによりまして,社会全体の安全意識の向上に寄与することが期待されることや,中長期的な視点で考えた場合に,次代の安全文化を構築するという意義も担っているということを記載しております。
その後,「これまで」以降ですけれども,学校保健安全法や,学校安全の現行の計画に基づいて,各般の施策を講じてきたこと。一方で,取組状況には,地域差,学校差があること。また,東日本大震災から,時間の経過とともに震災の記憶の風化,取組の優先順位の低下といった危惧なども書いてございます。
これを踏まえまして,次の5ページから具体的な計画の本文に入ってまいります。前回お配りした資料においては,児童生徒の安全を取り巻く現状と課題ということで,飽くまで統計的なデータのみの記載となっておりましたところ,やはり具体的にどういった施策に取り組んできて,どういった課題がその施策上あるのかということをもっとしっかり書いていく必要があるということの御指摘を多く頂きましたので,そういう視点で加筆,修正をしているところでございます。
1ポツの学校安全に関するこれまでの取組というところは,これまで,実際にやってきたものを総論的に記載しているということでございます。2ポツのこれまでの取組を踏まえた課題ということで,事故のデータとかそういった統計的なものを見ていくと,全体的には,児童生徒とか巻き込まれる事故は減少しているところではあるんだけれども,いまだに安全が十分に確保されているとは言い難い状況にあるということ。
また,児童生徒の安全に関する課題は,幼い子供だけの問題じゃなくて,中高生の年代においてもそれぞれ特有の課題があるので,そうしたものを的確に捉えて対策をとっていく必要があるだろうということを記載してございます。
そして,次のページにお移りいただきまして,6ページでございます。ここからが,まずは安全を取り巻く現状ということで,前回お配りしたようなデータを中心に記載しておるわけでございますけれども,例えば日常的な学校管理下における事故という観点では,発生率で見ると,例えば中学校段階の発生率が高いことや,高校段階では,その発生率が増加傾向にあること。また,一方で,死亡や障害を伴う重篤な事故というものは,この30年間で見ると大きく減少しているという,少し場合分けをした記載を追加しております。
そして,○2の犯罪被害に関しましても,例えば強制わいせつの被害のような,高校生段階で増加してくるようなものも明記をするようにしております。
そして,○3ですけれども,例えば自転車事故などについては,中学生から高校段階へと上がるにつれて上昇していくという特徴を記載しております。
そして,○4の自然災害に関しましては,我が国の自然の風土について少し補足的に書きますとともに,次のページにお移りいただきますけれども,7ページ目の1行目から,気候変動に伴う極端な大雨とか災害の大型化といった懸念についても記載するようにいたしました。
そして,この下の○からがこれまでの取組ベースでの課題についての記載でございます。学校安全の取組というものは,東日本大震災の教訓を踏まえながら,第1次計画期間中に強く推進されてきたというところでございますけれども,いまだに学校安全に関する方法論とか体制等が確立していないこと。こうしたことをはじめとして,以下のような様々な課題が存在しているということで,○1から5までの形で,課題という形で記載をしております。
○1に関しましては,やはり安全教育や安全管理の推進に関して,地域間・学校間での差というものが大きくあって,継続的に取組が確保されていないような状況にあると。代表的なものとしては,やはり法律上の義務である安全計画とか危機管理マニュアルがいまだ策定されていない部分があるということもあって,全国,どの学校においても組織的に学校安全に取り組むための体制の構築ということが必要であるということを1つ目に書いております。
そして,○2といたしましては,教職員の資質・能力の観点から,教職員間における差というものをできるだけ解消していくことが必要であるということ。そして,○3が安全教育の課題ですけれども,その系統的・体系的な安全教育の実施のためには,教育課程の編成,実施,評価,改善の取組とか,指導方法の工夫改善の取組ということを極力どの地域においても差のないように進めていくことが必要だと。さらに,小学校に比べて,中学校や高等学校に関しては,取組が活発ではないんじゃないかというような御指摘も頂いておりますので,幼稚園から高校まで系統的に発展していくような安全教育の体系というのを作っていくことが求められていると。
そして,○4の学校施設に関しては,老朽化の問題とか,国公私の中で耐震化の進捗に差があるということについて記載しております。
そして,○5といたしまして,これまで様々な安全上の課題に関しては,危機管理マニュアルとか安全点検の実施ということがなされてきているわけですが,それらが形骸化してしまうことの危険性というものがございまして,その事故が発生した後の検証といったことがやはり不十分であるということの懸念が指摘されているところでございますので,関係機関との連携により,学校安全に関するPDCAを構築して,対策を着実に実行していくことが必要であろうと。また,スマートフォンとかSNSといったような,子供を取り巻く環境の変化などにも対応した新たな視点からの取組ということが必要であろうと,こういう形でこれまでの取組を踏まえた課題ということをここにしっかりと書くようにということでしております。
これを踏まえまして,次の9ページから,今後の学校安全の方向性ということで,新しく記載しておるところでございます。前回,施策の工程表のようなものもできるだけ示すことができればいいのではないかというような御指摘も頂きましたので,そうしたことを踏まえまして,まずはどういった姿を目指していくのかということと,それを実現していくために今後5年間でどういう目標に向かって,この学校安全の施策を進めていくのかというところをできるだけ明記していくということで,ここを書いているところです。
まず目指すべき姿としては,これはかなり普遍的な内容になると思いますけれども,(1)といたしまして,全ての児童生徒が,安全に関する資質・能力を身に付けることを目指す。そして,(2)といたしまして,学校管理下における死亡事故というのを限りなくゼロとすることを目指す。さらに,負傷・疾病の発生率については,特に重度の負傷を伴うようなものを中心に減少傾向にしていくことを目指すということで,お示ししております。
それらに向かいましての施策の目標ということですけれども,(1)から(5)まで,ローマ数字の3の各論に沿って並べております。まず(1)の学校における安全に関する組織的取組の推進という観点では,全ての学校教職員が適切に組織的な対策をとるようにすること。また,その管理職のリーダーシップの下で,学校安全の中核となる教職員を中心として,組織的な取組を的確に行える体制を構築することや,教職員がキャリアステージに応じて学校安全に関する知識・技能を習得することと,こういうことを目指すと。
そのために,施策目標の1といたしまして,まず,全ての学校において,管理職のリーダーシップの下,学校安全の中核となる教職員を中心とした組織的な学校安全体制を構築する。施策目標の2といたしまして,全ての学校において,学校安全計画及び危機管理マニュアルを策定する。施策目標の3といたしまして,全ての学校において,自校の安全教育に係る取組を評価・検証し,学校安全計画及び危機管理マニュアルの改善を行う。施策目標の4といたしまして,全ての教職員が,各種研修機会を通じて,各キャリアステージにおいて,必要に応じた学校安全に関する研修を受講する。こうした施策目標を並べております。
(2)の教育の部分に関しましては,まず学校における安全教育の質・量の両面での充実が不可欠であるということで,しっかりと安全教育の目標というものを明確化して,これに基づいてカリキュラム・マネジメントの確立など,系統的・体系的な教育の実施というものが必要であると。そのために施策目標5として,まずは,全ての学校において,学校教育活動全体を通じた安全教育を実施するということ。そして,目標6といたしまして,全ての学校で安全教育の充実の観点から,その取組の評価・検証して,学校安全計画の改善を行っていくということ。こうしたことを目標として掲げております。
そして,(3)の施設・設備に関しましては,非構造部材の耐震対策や老朽化対策,こうしたものを早急に取り組むということで,施策目標の7といたしまして,全ての学校において,耐震化の早期完了,また,緊急的に取り組むことが必要な老朽化対策等の安全対策を実施すると。目標8といたしまして,全ての学校において,非常時の安全に関わる設備の整備を含めた安全管理体制を充実すると,こうしたことを目標として掲げております。
そして,(4)で,学校安全に関するPDCAサイクルの確立ということでございますけれども,これも全ての学校において,外部専門家,関係機関と連携して安全点検を徹底することや,事故の未然防止から発生後の検証,また,再発防止のための取組というものを一連のPDCAサイクルとして実施していくと。そのための目標として,まず目標9でございますけれども,定期的に安全点検を行うとともに,三領域の全ての観点から通学・通園路の安全点検を行っていくと。そして,目標10といたしまして,学校管理下における事故に関しては,「学校事故対応に関する指針」というものを本年3月に策定しておりますので,それに基づく調査をしっかりと行っていくということを目標として掲げております。
そして,次のページにお移りいただきまして,(5)家庭,地域,関係機関等との連携・協働による学校安全の推進ということで,これも現行計画以来のかなり普遍的な内容になってくるかとは思いますけれども,保護者,地域住民,関係機関との連携体制をしっかり構築していくという観点で,その目標を2つ並べております。
それで,これらをどのように進捗状況を見ていくかということが,恐らく大事になってくると思いまして,なかなかすぐにできている,できていないが分からないような内容も含まれているのではないかとは考えておりますので,そうしたところも課題になってくると思いますが,別紙としてお配りしている,参考指標を御覧ください。
今,申し上げた施策目標を見ていく上での参考指標として,今こういったものが考えられるのではないかということで,既存の文科省で行っているような調査などに基づき考え得るものを掲げさせていただいているところです。全てこれで足りるということではないとは当然思いますので,またその指標自体の見直しということも今後並行してやっていかなければならないと思いますが,例えば参考指標の(1)の組織的な取組の推進ということでございますと,校務分掌上に中核となる教員を位置付けているという学校の割合であれば,これは97.9%ということで,ほぼ全ての学校において達成されているということなのかと思いますけれども,例えばそれが実際に組織的に機能しているのかということを把握する上で,その参考指標の校務分掌のちょっと下のところにありますけれども,全ての教職員が日頃の安全教育・管理,危機発生時における自分の役割をしっかり理解して活動しているかどうか。こうしたことも今後データとしてとっていく必要があるだろうということ。
また,施策目標2の安全計画や危機管理マニュアルの策定に関しましては,参考指標にありますように,これが100%になっていないということ自体もまた一つ大きくあるんですが,これも99%以上のところが大体はできておる中で,例えば危機管理マニュアルに盛り込んでいる3領域の割合で見ていきますと,例えば交通安全に関する部分がちょっと低かったりというようなことも課題が見えてきますので,こうしたところも含めて見ていくことができるのではないかというふうに考えております。
そして,その参考指標の3ページに,安全教育の充実に関する指標ということで掲げております。こちらも例えば生活安全について指導している学校の割合ということで聞きますと,99.7%ということで,大方はされているということでありますけれども,具体的に指導している教育活動の時間というところを見ていくと,教科で行っている割合が半分以下であったりとか,そうした課題ということも見えてきますので,こうしたところも引き続きウォッチしていくことができるかなというふうに考えております。
こうした指標自体の改善も図りながら,この5年間に本文に記載されているような施策目標の達成に向けて取り組んでいけないかということで考えております。
各論部分の御説明を申し上げたいと思います。資料2-2にお戻りいただきまして,ローマ数字の3の学校安全を推進するための方策ということで,ここからは各論部分になってまいります。先生方にいろいろと御意見を頂きましたところ,できる限り基本的にはほぼ全て反映できるようにということでやっております。主立ったところをかいつまんで説明申し上げたいと思いますけれども,例えば12ページの組織体制の推進というところでございますと,具体的な方策ということで,国の取組としてしっかりと教職員が担うべき役割というものや組織体制の在り方というのも提示していって,その検証を行うとともに,人的体制の整備に意欲的に取り組む学校の支援というものをしっかり行っていく必要があるだろうということ。さらに,その次の○ですけれども,学校や学校の設置者というところで,「管理職のリーダーシップのもと教職員全体で学校安全に取り組む組織体制づくりを進めることが必要である」ということを追記しております。
そして,13ページにお移りいただきまして,学校安全計画及び危機管理マニュアルの策定・検証の徹底というところでありますけれども,その一番下の具体的な方策の○ですけれども,学校安全計画や危機管理マニュアルを策定している学校が,不断の検証・改善が必要であるということで従前は書いておりましたが,その中で,学校の地域特性を踏まえて取り組む教育目標とか児童生徒像など,基本的な方針をその中でも明確にして,保護者,地域住民と共有していくことが重要であろうと。さらに,国,教育委員会は,こうした学校安全計画の策定の徹底や,その検証・改善を促していくことが大事であろうということを追記しております。
そして,14ページの○の2つ目では,JSC(独立行政法人日本スポーツ振興センター)が,災害共済給付による事故データの提供をやっておるところでありますので,これのデータをもっと整理・分析をしっかりしていき,学校現場に分かりやすく提供していくようなことも引き続き必要ではないかということ。さらに,その下の○ですけれども,学校安全計画や危機管理マニュアルの検証に当たっては,保護者の視点も取り入れていくことが大事であろうということを書き足しております。
そして,15ページにお移りいただきまして,教職員の資質・能力の観点ですけれども,1つ目の○のところで,近年の大量退職や大量採用の影響によって,過去に我が国で発生した災害とか事故の経験を持たない若手教職員が増加していることの課題意識ということをここで明確化いたしまして,さらに,一番下の○が,先般,改正されました教育公務員特例法の改正に基づきまして,今後,教育委員会と大学が教員の研修,養成のための協議会を構築することとか,国が指針を作ったり,教職課程のコアカリキュラムの作成などに取り組んでいきますので,こうした中でしっかりと学校安全の推進に関する問題についても位置付けられるように求められるということを課題意識として書いております。
その上で,具体的な方策のところでは,国は,指針や教職課程コアカリキュラムに学校安全に関する事項を盛り込んでいくことを検討することとか,教育委員会,大学というものが指針を踏まえて,その法律に基づく体制整備の中で学校安全に関する内容をしっかりと位置付けていくことが大事であろうと。こうしたことを期待しております。
そして,同じページの下から2つ目の○で,教職員のキャリアステージに応じた研修の必要性について書いている中では,上から4行目ぐらいからですけれども,その研修においてはしっかりと外部機関の知見も活用しながら,その地域特性を踏まえた安全課題,さらに,体育・部活動における適切な指導とか,アレルギーをはじめとする健康課題やAEDの適切な使用方法,こうした具体的な課題もここに可能な限り書いて,これらに適正な対応をしていけるような内容を取り入れてもらうということをこちらで明記しております。
そして,17ページからが安全教育に関する内容でございますけれども,18ページのところで,今の学習指導要領等の改訂に向けた議論の概要について触れているところがございます。一番下の○のところで,「上記の審議のまとめ」というところから始まりますけれども,学習指導要領の改訂に向けた審議まとめにおいて,整理されている三つの柱というものに従いまして,安全に関する資質・能力として,どういう整理になるかということを記載しておるところでございます。
さらに,19ページの上から1つ目の○でございますけれども,安全というのは様々な学問分野を横断する総合的な課題であるということから,各教科等に固有の観点から安全を学びながら,分野をまたいでそれらを統合していくような学習の重要性。そして,子供たちの興味関心を抱くきっかけが様々であることを踏まえると,教科等横断的な学習を進めることで,子供たちの興味関心の入り口の多様性を確保していくことができるであろうと。こういったことがやはり教科横断でやっていく必要性という大事なところになってくると思いますので,この部分を改めてこの方向性のところにしっかりと明記していくということを修正しております。
そして,20ページ以降が具体的な教育手法の改善に関する章でございますけれども,21ページの1つ目の○の,今後の課題・方向性の中で,例えば中高生に関して積極的に安全教育をしていくことの意義をここに追記するとともに,2つ下の○ですけれども,自然災害に関しての教育を行う上では,例えば自然のもたらす恩恵とか,あと,児童生徒の安全を守る地域の努力。こうした地域の努力とかいい面にも触れるようにということで,そういう意味でのバランスのとれた安全教育というものをこちらで追記するようにしております。
さらに,少し飛びますけれども,28ページに行っていただきまして,こちらから学校安全のPDCAの構築の重要性ということを記載しておるわけですけれども,具体的な方策の中で,29ページの1つ目の○のところでございますけれども,事故発生後の調査というものは当然重要であるわけですけれども,それを学校とか一部の教職員のみで対応するということではなくて,教育委員会による組織的な支援といったものがやはり大事になるということから,教育委員会が平常時より,事故発生後の調査体制や学校教職員に対する組織的な支援体制の構築ということにしっかり取り組むことが大事であろうという,こういった趣旨も追記しているところでございます。
そして,31ページにお移りいただきまして,家庭,地域の連携の中での具体的な方策というところでございますけれども,一番下の○で,学校は,安全計画,危機管理マニュアルを基に,学校の安全教育・安全管理の方針を関係者,保護者,地域住民との間で共有することが必要であるという記載の中で,しっかりと事故発生時に求められる対応について,保護者・地域住民への説明も行っていくことが大事であろうということとか,特に日常におけるルール,マナーの教育という観点では,家庭にもしっかりと責任を持ってもらった上で,安全教育に取り組んでいくと,そういうことが必要なんだという考え方を共有していくと,こういうことの重要性についても記載しているところでございます。
そして,最後の関係機関との連携というところは,その下の(2)から進みますけれども,最後の33ページのところで,この次の議題で御説明申し上げますけれども,災害発生時に学校が避難所となるということがかなりございます。そこで教職員が避難所運営に諸々協力をしていくということがあって,その中で避難所運営に関しての教職員の負担の問題とか,円滑な学校の再開に向けた課題とか,そういったものが様々ございますので,できる限り事前に防災部局や地域住民との連携を進めていくということに取り組んでいくことによって,しっかりと学校の早期の再開とか,円滑な日常生活への移行というものを進めていく必要があるんじゃないかと,そうした課題意識というものをここに一つ書かせていただいているというところでございます。
以上でございます。
【小原部会長】  ありがとうございました。
ただいまの説明を受けて御意見等がございましたら,どなたからでも結構です。発言をお願いします。
なお,本日頂きました意見等を踏まえて,答申案の作成へとつなげていきたいと考えております。したがいまして,ローマ数字1,2,3に分かれておりますので,まずローマ数字1,現状と課題に関して何か御意見がありましたら,名札を立てていただければと思います。
それでは,まず田村委員,中川委員,野津委員,今村委員,国崎委員,この順番でまいりたいと思います。
それでは,田村委員,お願いいたします。
【田村委員】  非常に前向きに作成していただいて,これは学校安全が進んでいく,計画並びに教育が進んでいくということに非常に役立つだろうなというふうに思い,感動してお聞きしていたようなところでございます。
その中で,防災に関しましては,割と全体的に書いていただいているのかなと。まず5ページのところの○2つ目で,地域特性に応じたハード整備ということ。学校施設の整備が進んだというようなことが一つ書かれているところが,目を引くのかなというところでございます。
あと6ページの4番目のところに,日本はプレートがひしめき合っていて,災害から逃げられないんだよというようなことも明記していただいているということ。それから,7ページの○1のところなんですけれども,とはいえ,まだマニュアルがないところがありますというようなこと。それから,資料2-2に基づいて話していますが,7ページの○5のところには,ただ,作ったところも形骸化してはいけないというような問題点も書いていただいているというところです。
具体的には9ページの施策目標3のところで,学校安全計画や危機管理マニュアルの改善を行うというふうに書いていただいて,私の理解では,この手引きも含めてこれに入っているのかなという認識なんですけど,それは大変有り難いなというふうに思うところ。
13ページの一番上の○のところには,危機管理計画の策定率と,それから,その下側のところには未作成のところがあるということは書いていただいているところと,14ページの1個目の○のところに,学校安全計画の見直しですね。ちゃんとしなさいというようなことを書いていただいていることと,あとは網羅的に捉えなさいというようなことが14ページの下から2つ目のところに書かれているというようなところかと思います。
「学校防災マニュアル作成の手引き」等を読んでいて,すごく気になることが,いわゆる外力,自然災害を引き起こす力について,地域特性を事前に検討しなさいということは少量しか書かれておらず,いろいろ供えなさいということはたくさん書いてあります。
このままでいくと,例えば大川小学校や池田小学校のイメージで,災害や事案のイメージを,皆さん考えられても,別に地域特性からいって,大川小学校だったり,池田小学校だったりというところではなくて,例えば専門家による「ここはこんな災害が起こるんじゃないか」「津波があるよ」「雨が危ない」「川が近い」,例えば犯罪率も警察などに来ていただいて,地域特性にあった話をしていただく。実は計画が作られているところが大半でリスクを評価して,そこでどのようなリスクがあるかという想定をして,じゃ,うちの学校はその中でどういう地域特性を踏まえて立っていて,組織の人数はこんななので,こういうように備えていこうというふうにしない限り,やっぱり形骸化してしまう。なので,ここまで書き込んでいただいたことはすごく有り難いんですけど,そこが何かもうちょっと明確に。ばらばらと全体に書いてあって,今みたいに私がずっと言うことをつなぎ合わせると,そう読めますということなんですけど,少しそこを一緒にやっていきましょうというところを書いて,それを安全教育としてお教えしていくと,別にその方がおうちでもできますし,例えば卒業されてからもそれは人間力としてついていくんだというようなことが非常によく分かるので,一つそれがお願いということで,もう一つ踏み込んでいただけませんかというようなお願いでございます。
それと,これはもう一点なんですけど,教育の観点からいうと,バランスのとれた安全教育というのは,防災の方からすると,いつも最悪シナリオの方でやはりバランスをとって,恐れてばかりもいけなくて,自然は有り難いんだということも教えましょうということも,すごく学校教育の観点からすばらしいなと思います。これで国民の防災,全ての安全教育に対して非常に進んでいくことが期待されるというふうに思いました。
【小原部会長】  それでは,中川委員,お願いします。
【中川委員】  中川です。ローマ数字1のことと「はじめに」のところでお話しさせていただきます。
前回,もともとの第1次の計画が,最初に教育があってというので,ひっくり返っているんじゃないかという議論をして,ただ,そのときに「はじめに」という文がないので,「はじめに」でちゃんと書けばよいんじゃないかという話もさせていただいたと思うんですが,結果的に「はじめに」ができたことで,かなり位置付けが明確になったと思います。
ただ,1点だけ,「はじめに」のところで,学校が「教育の場」であるということが書いてあるように思うんですが,特に今村委員も私も東日本大震災の前にやらせていただいた防災教育支援に関する懇談会で,中間取りまとめの題を「『生きる力』を育む防災教育を支援する」とさせていただいたように,この懇談会で「生きる力」の再発見させていただいた教育の素人だったんです。「生きる力」の言葉が持っている力というか,教育の目標はそこなんだというところをこの言葉を使って書いていただくというのはいかがでしょうか。例えば2段落目のところを,「学校は,児童生徒等が集い,人と人との触れ合いにより,人格の形成がなされる場であり,生きる力を育む学校という場において」というような形にすると,このキーワードそのものが教育の目標でありますから,「ああ,教育の場なんだ。だから『生き生きと活動し,安全に学べるようにするために』というようなことにつながってくるのかな」と理解していただけるのではないか。この「生きる力」の言葉がどこかにあるかなと思って見当たらなかったので,どこでもいいんですけど,入れるとよいかなというのが,「はじめに」とローマ数字1のところに対しての御要望でございます。
全体的には,後でもう1か所,ローマ数字2以下で注文を付けたいところはあるんですが,ほぼほぼ全体的にはとてもよくまとまっているというのが田村委員と同じ感想でございます。
以上です。
【小原部会長】  それでは,野津委員,お願いします。
【野津委員】  ありがとうございます。私も「はじめに」のところについて意見を述べたいと思います。「はじめに」の前半のところです。「これまで」という前のところまでなんですが,全体として,教育にやっぱり偏っていて,ほかのところが抜けているのではないか。「はじめに」は読まれないことも多いわけですが,やはりそこは顔ですので,全体を位置付けるような書きぶりが必要です。そうしたときに,最初の2行は,「安全の確保を保障することが不可欠の前提となる」として,全体を言っていますね。その後の「能力を育成することが求められる」から後はずっと教育で終わってしまっています。「また」というところからは,現状の「その課題も次々顕在化している」という内容にとどまっているので,できればこれに「今後の深刻化も懸念される」という,将来的な見立ても述べた方がいいと思います。また,この文章は,最初の2行,「願いである」という次のところに,現状及び将来のリスクといいますか,危機意識といいますか,その重要性の状況説明ということで,前に位置付けてもよいと思います。
したがって,その「また」のところは,むしろ「そのため」というような,意味合いのことで受けて,そして,組織体制,組織的な取組とか,施設整備とかうんぬんというようなことも含めて,前半の安全の確保の保障ということを取りまとめて,その上で教育のことを述べるという文脈ではどうかと思いました。
また,「社会全体の安全意識の向上に寄与することが期待される」というところですが,意識だけではなくて,「意識等の安全な社会づくりに寄与する」というふうに広げた書きぶりにしてはどうか。
あとは細かいことですが,「資質・能力」と書いてあるところと,「能力」だけでとどまっているところがありますので,「資質・能力」で統一した方がいいと思います。
さらに,最後のところは,社会全体で,あるいは家庭や地域等が連携してみんなで学校安全を推進していく,確保していくんだということを述べて,まとめるということでどうか。
以上,全体の構成をもう少し整理して,目次や内容に応じた「はじめに」の書きぶりにもっと工夫できるのではないかという意見です。
【小原部会長】  それでは,今村委員,お願いします。
【今村委員】  私のコメントは非常にシンプルでございまして,6ページのところに,○4,ここで,以前の会議での要望もあり東日本大震災の具体的な数字を入れていただいております。児童生徒600名以上,この点ももちろん重要でありますけれども,加えて,教職員の方が犠牲になっている。これは40名を超えておりますので,並列して記載いただければと思っております。あとは,2万名,死者・行方不明ということでございますが,実は発生後から現在まで,関連死の方々が3,000名を超えていると。これの現状についても括弧付けで関連死3,000という表記になるのか,ちょっと分からないのですけれども,発生直後だけでなく大震災の影響はまだ継続しているという意味で入れていただければと思います。それぞれの数字は非常に重要な意味合いを持っていると思います。
以上です。
【小原部会長】  それでは,国崎委員,お願いします。
【国崎委員】  ローマ数字1の児童生徒等の安全を取り巻く現状と課題というところで,主に資料2-2の6ページの○2に該当する意見です。現在,取りまとめがなされている中で,新しい課題をお伝えするのは恐縮ですけれども,とはいえ,今後の新たな5年間の施策の基本方向性という中に入れておくべきではないかと思いますのが,教職員の犯罪です。聖職である教職員の犯罪は報道でも大きく取り上げられ,社会的な信頼の喪失という影響があります。教職員による(言葉や身体への)暴力,児童ポルノ,売春などの風俗犯等は昨今報道で後を絶ちません。この問題点を○2の部分にわずかでも結構ですから,触れていただき,対策を講じていくことが必要だと思います。
具体的に加筆箇所を提案しますと,赤く「また,強制わいせつの被害は」と書かれていますが,この後に,教職員における加害者としての犯罪防止という視点に立って,研修又は適性検査等の何かしらの対応をとっていく必要性があるということを明記してはいかがでしょうか。
ただ,これにつきましては,今までの議論にはありませんでしたので,ほかの委員に御意見をお諮りいただければと思います。
以上です。
【小原部会長】  次に,今後の学校安全の方向性ということで,ローマ数字の2に関して,どなたか意見がございましたら名札を立てていただければと思います。
それでは,中川委員,お願いいたします。
【中川委員】  中川です。ローマ数字2の9ページのところ以降で,「学校安全」という言葉と,「安全教育」という言葉の使い方の問題です。「学校安全」という言葉に,概念としては全て含まれているといえば含まれているとは思いますが,「安全教育」という言葉が別に使われています。
施策目標4のところに,「学校安全に関する研修を受講する」とあって,それのモニターで,施策目標4の参考指標を見ると,ここでやっていることは,安全指導であるとか危機管理であるとかいう部分ですよね。安全に関する教育ということで,例えば今回,「防災教育」は教科教育にはなっていないわけですけれども,カリキュラム・マネジメントの中で教科と関わりを持ったりとか,総合学習でとか含めてやっていくことが求められていると理解しています。ただ,参考指標の3ページにあるように,実態として学校行事と書いてあるのは,訓練のことだと思いますけど,訓練をやっていることがほぼほぼやっているということになっているぐらい。本当は,教科教育との関わりとかが求められている。どんなことが安全教育なのかということについて,現場の先生方もよく分かっていないときに,ここで施策目標にある「必要に応じた学校安全に関する研修を受講する」という言葉だけでは,安全教育ということに関して学校現場の先生方が,よく理解していくとか,学んでいくとか,主体的に子供たちに伝えていくような中身を自分たちで作っていくとかというような方向だと理解しにくいのではないでしょうか。先ほど田村委員がおっしゃったような,「地域特性に応じた」のようなことになると,更にいろんな人たちのサポートも必要になる。そういうことを考えると,この施策目標4のところにある「学校安全に関する研修」という中に,「学校安全や安全教育に関する研修」というふうに入れていただけないかというのが1点です。
それを後ろの方に持っていきますと,16ページの一番上のパラグラフの下から2行目の「これらの中で学校安全に関する内容を適切に位置づけ」というところに,学校安全や安全教育に関する内容と。それから,具体的な方策のところの2行目から3行目の学校安全の後に学校安全や安全教育。それから,ここだと○の3つ目ですね。パラグラフ4つ目の3行目のところの「学校安全」の後に「安全教育」。それから,17ページの上の1パラグラフの学校安全への対応に関する内容というのが,学校安全や安全教育,それから,その2つ目のパラグラフのところも「学校安全」の後に「安全教育」という言葉を入れてはどうか。若しくは,概念として含まれていることを,どこかに前にちゃんと書いてあればよいように思うんです。「安全教育」を明記してあげた方が,現場でいわゆる安全教育を充実させていくときに,先生方が徒手空拳でやるんじゃなく,文科省や大学の現場などを含めて,安全教育とはどういうことをやっていけばいいのかを一緒に考えていくことが回っていくことになるんじゃないかと思っています。ちょっとくどいかもしれませんが,是非,「安全教育」という言葉を入れていただければと思います。
それと,ちょっと細かいことですが,16ページの下から2つ目の○のところで,食品アレルギーとありますが,先ほど消費者庁のホームページなど見たところ,大きな概念だと食物アレルギーの方がいいのかなと思って,そこは言葉でございますので,より適切な言葉がどっちか,ちょっと確認していただければと思います。
以上です。
【小原部会長】  それでは,尾上委員,お願いします。
【尾上委員】  私は10ページの(4)に関してですが,ここに,学校安全に関するPDCAサイクルの確立ということで,一連のサイクルの取組を実施するという流れですが,これに関しては,今までにいろいろな事例が出てきていると思うので,改めて作るのではなく,例えばひな形やフォームを持つことによって,いろいろな解決方法とか説明には役立つと思いますので,これをうまく活用するということが大事というように思います。
また,中段にもありますように,「全ての学校において,外部の専門家や関係機関と連携した安全点検を徹底する」ということからして,外部の専門家とともに,この5年の間に一緒に安全点検できるのかということがすごく気になりますし,これのやり方が不明瞭なところがあると思いますので,その辺しっかりした書きぶりが必要であると思います。
以上です。
【小原部会長】  渡邉委員,お願いします。
【渡邉副部会長】  ローマ数字2の今後の学校安全の方向性のことなんですけど,ここに上がっていることはもうこれで結構だと思うんですけれど,読んでいて,ちょっとだけ気になったのは,実施主体が書いていないということです。これは誰が実施する,推進するかということは,その次の方策を見ていくと分かるものではあるんですが,例えば9ページの2行目のところに,今後の学校安全の目指すべき姿として掲げ,各種の施策を推進するのであれば,これはやっぱり国もやらなければいけないことですし,学校設置者も,学校もやらなければいけないことですので,その言葉が実施主体にあった方がいいと思います。
というのは,何となく読んでいると,これは全部学校がやらなければいけないというふうに,ちょっと誤解されなくもないということですね。「全ての学校において」という書き方をしていますので,「全ての学校が」じゃなくて,「おいて」ですので,そういう誤解はないと思いますけど,やっぱり国ももちろんやらなければいけないことがありますし,設置者もやらなければいけないこともあるし,学校がやらなければいけないこともあるということで,全部で取り組んでいくという姿勢を,その実施主体として書き込んでいただくとよいのではないかと思います。最初の方にあればいいと思うんですね。全部一つ一つは必要ないと思います。
【小原部会長】  遠藤委員,お願いします。
【遠藤委員】  私も渡邉委員と同じで,学校だけじゃなくて,教育委員会等の部分で,きちっと進行管理できていくと,より教育委員会としても明確になってくるかなというふうに思っておりました。
以上です。
【小原部会長】  私の方からも一つあります。9ページの(1)学校における安全に関するところで,「学校管理下」ですが,この「管理下」というのはどこまでなのかがはっきりしていません。たしか私の理解では,登校時は,学校へ着くまでが親の責任。下校時の場合は,児童生徒が自宅に着くまでが学校の責任というようなことは聞いたことがあります。その辺が曖昧になっているという点が一つ気になりました。
それからもう一つ,10ページの(4),先ほども出ましたが,PDCAサイクルの確立。これで文を止めてしまうと,PDCAサイクルを確立するのが目的になってしまいます。これは何のためにPDCAをやるのかというところをもう少し具体的にはっきり書いておかないと,学校の教職員には伝わらないという感じがします。
それから,このPDCAは,欧米ではもう使っていない表現です。「C」の代わりに「S」になっています。それは,Cはチェックですから,○×を付けて,○が多い,×が多いというだけで済んでしまいます。それに対して,Sはスタディ,つまり,調査ということがそこに含まれているので,プラン,ドゥーの計画と実施を実際に統計をとって,調査して,更にどうすればいいかという研究をして,次の修正に持っていくことになります。そういうことで「PDSA」という表現を使っています。ですから,文科省も「PDCA」を使うのか,「PDSA」を使うのか,この辺もはっきりさせて,それで何のためにこれを行うのかを明示しておかないと,学校管理職の人は作ると思うんですけれども,それを見て,一般の教職員はそのまま棚の上にしまってしまうおそれがあります。ここの言い回しを更に精査していっていただきたいと思います。
それでは,次のローマ数字3の学校安全を推進するための方策に関して,何か御意見がございましたら名札を立ててください。
藤田委員,安武委員,それから,小川委員,佐々木委員の順番でお願いします。
それでは,藤田委員,お願いいたします。
【藤田委員】  藤田でございます。私の方からは2点です。
1点は,まず学校における教職員の研修,養成等の単元の,いわゆる具体的な方策の部分で,後では出てくるのですが,いわゆる地域連携ということは出ていますので,地域学校安全委員会の設置という,そういった組織の担い手になる教員の育成というものをやっぱりこの中で,教育委員会や学校等の対応の中で,文言として入れていただいた方がいいのかなという感じはしました。例えばこれは先ほどの2の今後の学校安全の方向性の最後のところ,5の連携・協働による学校安全の推進というところ,ここに,既に中教審の方で出されている地域学校安全委員会等の制度を導入するというような形で入れていただくのがよりいいのかなと思いました。どちらというのは分かりませんが,御検討いただければというふうに思います。
それともう一点ですが,いわゆる優れた取組の普及による指導の改善。安全教育のところですが,それで,具体的な方策の中で,安全教育を効果的に実施する上で,資料2-1の21ページのところになるのですが,ここでいわゆる教育課程,指導方法等の重要性ということで,改善につながる方策について引き続き検討する必要があるということを明記していただいているのですが,その際,既にある各都道府県や研究開発実践校等で行われた優れた安全教育プログラムや,また,今後のICT教育との連携ということで言うならば,いわゆるデジタル教材等の活用,普及を通じて,国内の学校の地域差,また,学校間の格差などを補うような安全教育の実践と保障を充実していく取組が必要であるというふうな形で,いわゆる優れた取組,そういったものを学校間,地域差というものをなくすような形での普及を更に国の方で支援していただくというような表現で,触れていただく必要があるのではないかというふうに思いました。
以上でございます。
【小原部会長】  安武委員,お願いします。
【安武委員】  安武です。よろしくお願いします。最初はちょっとしたところですが,お願いします。
前へ戻ってしまいますが申し訳ありません。5ページの○の2番目のところの2行目に,「学校教育活動全体を通じた」とありますが,7ページの○3は,「学校の教育活動」と,「の」が入っています。どちらかに統一した方がいいと思います。
それから,6ページの自然災害のところですが,「モンスーン地帯」という記入がありますが,温帯モンスーンと熱帯モンスーンの地帯があり,気候的なものが違うと思いますので,限定した方がいいのではないかと思います。
本題です。27ページの通学・通園路の安全点検についてです。これについては,10ページの安全に関するPDCAサイクルの確立のところにも付してあるのですが,「全ての学校が通学路の安全点検をしましょう」となっています。実際に私立の学校とか,学区域が広い学校では,学校から最寄りの駅までなどの安全点検は実施していると思いますが,自宅近くの通学路の安全点検はしているのだろうかと思います。学校全てというふうに掲げるのであれば,特別支援学校を含む学区域の広い学校の対応を文科省としてどうするのか。市町村が各小学校とか中学校の通学・通園路安全点検情報を掌握して,全体に知らせていくのかなど点検方法が分かるようにしてほしいです。
それから,32ページです。原子力のところで,原発事故に対応する避難訓練をやっている学校が31.9%ありますというところですが,具体的に原発事故に対応する避難訓練というのはどのような内容になるのか知りたいです。例えば校舎内で避難をするような形にしても,放射能が飛んでくるという想定も考えられます。そうなると,マスクの段階ではないような気もします。原子力発電所とかが近い学校については,防護服の準備も必要ではないでしょうか。起こったら大変な原発事故の備えがすごく懸念されます。
それから,東日本大震災のことが33ページにありますが,その中で,真ん中のところに,「体制を整えることが困難」だという言葉があります。「困難」だと書いてあるのですが,その前にやはり体制を整えるようにやりますよと,言わないと学校としてはやりにくいんじゃないかなと思います。このような体制をして整えますよ。だけど,多分,実際起きたときには間に合わないことがあるんじゃないかと。だから,協力をお願いしますというような書き方の方がいいのではないかと思いました。
特別支援学校は福祉避難所もやるだろうし,帰宅のステーションも実施するようになっています。大規模な災害が発生したとき,児童・生徒が学校等に折る場合は,児童・生徒の対応もあります。学校ですので,一般の方も避難してこられると思います。特別支援学校の役割というのは非常に大きいと思っていますので,よろしくお願いいたします。
以上です。
【小原部会長】  小川委員,お願いします。
【小川委員】  14ページの上の○の2つなのですけれども,学校を取り巻く状況や,子供たちの置かれている状況について,そのリスクを事故データや災害データで把握しておく必要性があるということで,ここではJSCのデータ活用のことが述べられています。それはそれで,私はいいと思うのですが,給付金データというデータの性質上,全てを把握できなくて,特に交通事故は実態を反映していないと思っていまして,私は余り活用できないと思っています。
交通事故データを見るとき,交通事故総合分析センターが提供している事故統計をいつも参考に見ていますし,時々,イタルダインフォメーションという特集記事を出していただいていますので,非常に参考にしています。本当はもう少し細かいデータが欲しいのですけれども,例えば,年齢別データはいつも,交通事故分析センターから統計データとして出ていますが,学年別に見たらどうなのかとか,登下校中だったらどうなのか,自転車事故を学年別に見て,登下校でどうなのかとかですね。雨の日に多いのかどうかとか,いろいろ細かいところを見たいのですが,そうすると,加工しないと分からないので,そこまでのデータがありません。子供に教育する際もそういうデータを示した方が子供も納得するし,また,教育することの意義を考える上で,そういう事故リスクに関するデータがあると非常に有り難いです。追記するかどうかは検討していただいて,もう少しいろんな関係機関から情報を得て,共有するような仕組みを考えていただけたらと思います。
学校安全のポータルサイトで,共有できるものがあれば共有するし,加工しないといけないようなデータでしたら,関係機関と協力していただいて,データを加工したものを役立つような形で共有する,提供するということがあればいいと思いました。
以上です。
【小原部会長】  それでは,次が佐々木委員,お願いします。
【佐々木委員】  まず今回,19ページにありますように,「安全は様々な学問分野を横断する総合的な課題であり,一つの分野において解決できる問題ではない」ということや,それから,21ページですね。「自然がもたらす恩恵」,そして,「地域の人々の努力」,さらには,23ページにある「防災キャンプ」等の文言が入ってきたということはとてもいいことだなというふうに思いました。
ただ,19ページにありますように,「系統的」とか「体系的」というふうな言葉がどうなのかなということなんですが,例えば小学校の先生が,子供たちがこれから中学校,高校で学ぶことまでも体系的に,系統的に考えるというのは,多分無理だと思うんですね。ですから,ここは教育委員会等が体系的,系統的なものを示すことが必要で,小学校教員だったら,自分たちはその中の小学校の部分をきちんと指導することによって,次につながっていくのだという意識をもって取り組んでいくことになるのだと思うんですよね。
ですから,各学校が体系的で,系統的なものを作るというのではなくて,そういうものを示した上で,自分たちがその中の一部を担っていくのだという意識をきちんと持つということが必要ではないかと感じました。
それから,先ほどから委員の方々から出ているのですが,学校の現場にいると,学校安全というのは何か当たり前のような言葉に感じるのですけれども,ほかからは「学校安全って何?」,「安全教育っていうけど,どっちが大きい?」,それから,「安全管理というのは何?」と言葉がよくわからないと言われます。また,資料を読んでいくと,「学校の安全」とか「学校における安全」とか,非常に多くの言葉が使われていますので,ここら辺もきちんと整理していく,定義付けをしていく必要があるのではないかというふうに感じました。
以上です。
【小原部会長】  それでは,渡邉委員,お願いします。
【渡邉副部会長】  私から2点ほど。
1つは,21ページの下から3つ目の○なんですが,ここは資質・能力の方でちょっと書かれているんですけれど,前回,資質・能力というのを是非書き込んでほしいということで,その18ページ,19ページに掛かって,安全に関する資質・能力を書いていただいたんですが,これは中教審の審議のまとめに沿った形になりますので,若干含まれていない部分があります。
できれば,この21ページの上から3つ目の○の5行目のところなんですが,「適切な行動に結び付けられるようにすると同時に」,その次,「安全な社会づくりに」とあるんですけれど,この流れで読んでいきますと,むしろ17ページに載っている安全教育の目標のところの中の2番目にある,「自ら危険な環境を改善できるように」という言葉があるんですけれど,それを付け加えて,「安全な社会づくり」の前に,「自ら危険な環境を改善するなど,安全な社会づくりに」というふうな言葉を入れた方がよいのではないかなということがありました。
もう一点,31ページなんですが,一番上の○,いろんなところとの連携・協働ですけれど,その4行目に「様々な関係機関やボランティア等」と書いてありますけれど,ここにもしかしたら「ボランティア等」が含まれるのかもしれませんけれど,やはり企業ですね。例えば企業のCSRとして安全に対する取組をやっているところもありますので,そういうことの活用というのも一つ考えられるのかなというふうにも思いました。
企業ですと,やっぱりいろいろ,いいところとそうでもないところもあるかもしれないので,書きづらいところもあるかもしれませんけど,それは検討いただければと思います。
以上です。
【小原部会長】  それでは,田村委員,お願いします。
【田村委員】  32ページの上から2つ目の私立学校と国立学校のところなんですけれども,学校の通学圏が広いことによる保護者の引き取り,通学時の安全確認など,特に気を付けるべき事項が多いことを,保護者や児童生徒と事前に共有するとか何か,そういうのが一つ要るのかなと。
もう一点は特別支援学校なんですけど,特別支援学校は,災害防災対策において,要配慮者に当たる児童生徒を有しているということを平時から認識し,計画づくり等に取り組む必要がある。及び関係機関との事前調整があることが望ましいというようなのを少し書き加えていただくのはいかがでしょうか。
【小原部会長】  遠藤委員,お願いします。
【遠藤委員】  33ページの避難所の部分になります。この部分で,この避難所の運営ということになったときに,学校,市町立の小学校,また,県立の学校,全てを読み取れるかなというふうなところがありました。防災部局のところ,基本的には市町村というふうに言っているので,もう最後まで市町村というふうに言ってしまってもいいのかなというふうに思っておりました。
あと,多分,後からの説明でもあると思うんですが,東日本のときも,熊本地震のときも,県立学校で指定になっていない学校で,実際に避難所としてなった学校がやっぱりありました。そういった部分も全ての学校が対象として,こういったところを整備していかなければならないというふうに読み取っていくべきだとは思うんですけれど,その辺ちょっと確認したかったなというところと,それから,ここで全て避難所になる場合を想定したというふうに言い切ってしまっていいかなと思いました。というのは,地域住民が学校へ避難してきたときの対応。誘導も含めてなんでしょうけれど,その辺は考えていかなくていいかなというふうに思いました。
以上です。
【小原部会長】  それでは,太古委員,お願いします。
【太古委員】  「はじめに」の部分が入って,すごく分かりやすくなったと思っています。学校は安全安心が最優先され,学校での学びの一番の目的は安全教育であり,一生涯を安全で生きていくということを学ぶところであることを考えたときに,この「はじめに」の部分がスッと入ってくると思います。中ほどの「学校教育において安全に関する指導を行うことは,次代の安全文化を構築する」というところが,ああ,そうだなと思いました。
その次の現状と課題が入って,ここを読んで次に進むと分かりやすいと感じました。私は学校に勤めていますので,この内容を,生徒に指導していくためには学校教育の中で実行に移すということを考えたときに,高校の場合は主たる分掌がそれぞれ担当していくことになりますので,例えばカリキュラムであれば教務,通学や防犯であれば生徒指導,防災であれば総務,体育や運動の事故防止であれば保健体育や部活動,食物アレルギーであれば保健部と,と思いながら内容を見ていました。これは教育委員会の関連部署も基本になっているところです。
そのことを含めて,どうやってこれらの内容を読み解いていくのかというところですが,その関係する教育委員会の部署が,県の具体的な内容を示しながら,それぞれの学校におろすことになっていくのかなと思いました。だから,それで分かりやすくなっていくのだろうなと思います。今,私は委員としてこの流れを見ているので分かる部分があると思うけれども,これを学校でとなると少し難しいと思うので,教育委員会の指導の下で連携しながら学校が取り組んでいくとうまく進んでいくと思っています。
それと施策目標が示されて,具体的になったのでこれもすごく分かりやすくなったと思っています。また,それぞれの県でも施策目標がありますので,それとも関連させ,学校が進めやすいような形でお願いできたらいいなと思います。全体を見てすごく分かりやすくなったと実感しています。
以上です。
【小原部会長】  次,国崎委員,お願いします。
【国崎委員】  27ページですが,上から2つ目の○の交通安全の観点からというところですが,「警察,道路管理者等による緊急合同点検」という文言があります。気になるのは,子供の登下校時の安全について,取り組みが「点検」だけでは不十分ではないかと感じております。
点検をした後の改善策,例えばガードレールの設置というハード面の整備や登下校の時間帯の通行規制などの対応策を迅速に実施できるよう,積極的に関係機関と連携し対処していくという記載があるといいと思いました。
現在の表現ですと,「点検が重要」という読み方ができます。しかし,点検の後の具体的な対策を実施していくことの方が最も重要だと思いますので,その点を踏み込んで記載した方が良いのではないかと思います。
それから,33ページで学校の避難所運営の関わりについて記載していただきまして,ありがとうございました。文言全般に満足はしておりますが,ここまで書いていただいたのであれば,もう一つ付け加えていただきたいことがあります。それは,仮設住宅の設置につきまして,学校の校庭を利活用することが地域防災計画に記載されている,又は予測できるのであれば,事前に自治体と協議して,設置期間中の学校行事への影響と代替対策を検討しておくということも考えていただきたいと思います。
東日本大震災では,多くの学校の校庭が仮設住宅に使われました。学校の校庭が仮設住宅になった現在の小6の児童は,一度も校庭で体育の授業や運動会ができないまま卒業します。こういった状況がそもそも教育にとって,又は,子供の心身への影響を鑑みて正常な環境なのかということを考えなくてはなりません。 仮設住宅の設置は原則2年なんですが,東日本大震災からも長期にわたり使用されるという点からも,仮設住宅の設置場所に学校の校庭を使用する際の対応も検討すべきと記載しておくべきではなかろうかと思いました。
以上です。
【小原部会長】  中川委員,お願いします。
【中川委員】  ローマ数字3の5.家庭,地域のところで,1点だけちょっと気になったところがあります。課題・方向性の4つ目の○で,「家庭は全ての教育の出発点」という言葉が平の文で入っています。この言葉は,そもそも,「家庭の教育力の向上」で「家庭教育支援チーム」とかで書かれているように,家庭に全部突き放すのではなく,家庭のサポートを地域でしながら,というような概念の言葉だと私は理解しました。できれば,「家庭は全ての教育の出発点」というのを鍵括弧でくくっていただいて,それが文科省の生涯学習の家庭教育支援室でやっている,みんなで家庭を支えなきゃいけないんだということ,家庭任せに限界がある前提の上での「家庭は全ての教育の出発点」という言葉だと思うので,そこをちょっとフォローしてあげた方がいいかなと思いました。この部分だけを読んじゃうと,「家でやれよ」という話だとみんなが言い出すと,間違った認識で広がってしまう恐れを感じましたので,そこを鍵括弧でくくるなどしていただけるなど,どういう表現が適切か,ちょっと御判断,御検討いただければと思います。1点,ちょっと気になったところでした。
以上です。
【小原部会長】  それでは,最後になりますが,野津委員,お願いします。
【野津委員】  ありがとうございます。19ページの1つ目の○のところに関しての,「安全は様々な学問分野を横断する」と,そのところなんですけれども,まず1つ目として,「学問分野」,あるいは「分野」という言葉がここで使われているんですが,正確にはこういうことだろうとは思いますが,現場の先生方の読みやすさからいくと,「各教科等」という言葉に置き換えた方が,意味が引き取りやすいのかなと思います。
それから,2つ目としまして,「統合する学習が重要である」という表現で,正にそうなんですけれども,もう少しここを具体的に,例えばそれぞれの教科等での学習内容を関連付けて考える力とか,正解が見えない,あるいは正解が1つでない課題に対して適切に判断する力とか,人に伝える表現力とかの表現で,もう少しここは書き込んでもいいのではないか。
それから,3つ目としまして,「理解」という言葉が,2行目と下から3行目の「理解が一層」という言葉が使われているんですが,これは多分,広い意味の理解で,単に知識だけを指しての理解ではないと思うんですけれども,誤解される可能性もあるので,「学び」という表現にしてみたらどうか。「深い学びを得るために」,あるいは「学びが一層深められる」という表現を使っていくと,これからはその学びと次の学習指導要領の改訂における考え方とも結び付きやすいのではないかというふうに思いました。
以上,3点でございます。
【小原部会長】  ありがとうございます。
続きまして,大規模災害時の学校における避難所運営の協力に関する留意事項(案)につきまして,事務局から説明をお願いいたします。
【中村健康教育・食育課課長補佐】  資料4を御覧いただけますでしょうか。本年の熊本地震などにおきまして,地域のコミュニティの中心である学校というものが避難所になるケースが,指定避難所等々ありまして,その際に学校の教職員が避難所運営に協力するということが多々あるわけですけれども,やはり運営の協力に当たって,多かれ少なかれ混乱というものが生じていたという状況がありました。
それを踏まえまして,そうした災害発生時の混乱を最小化し,学校教育活動の早期の正常化ということに資するために,文科省といたしまして,学校が避難所運営に協力する際の留意事項というものをあらかじめ検討して,各教育委員会や学校等にお示しすることができないかということを考えております。
検討に際しまして,これまで過去にも阪神・淡路大震災であるとか東日本大震災とかそういった大規模災害が起こることを契機にしまして,様々な有識者会議があったりとか,検討内容とかがございますので,そうした内容も踏まえつつ,また,熊本県など実際に災害に見舞われた地域のヒアリング等も行って,今,資料4としてお示ししているような形での留意事項というものを今まとめているという状況でございます。
これに関しまして,また学校安全部会の委員の皆様方からも少し御指導いただければということで,今回,議題としてひとつ挙げさせていただいたところでございます。
内容を簡単に御説明申し上げます。まず,「0.はじめに」ということでございますけれども,まずはそもそも学校教職員が担う役割といたしましては,これは当然のことながら,大規模災害発生時は児童生徒等の安全確保とか安全確認というものが大事になってくるかと思います。その上で教育活動の早期の正常化に向けて様々な課題をこなしていくということでございまして,避難所運営そのものについては,まずは市町村の防災部局が責任を負って取り組まれることであるという,これは大前提としてあると思います。
ただ,しかしながら,これまでの大規模な災害の経験を踏まえたときに,発災直後にはなかなか市町村の防災部局の担当者もすぐに学校避難所に来られないといった状況もあって,一定期間,学校の教職員が避難所運営に携わらなきゃいけないという状況が実際に生じているところであり,今後もそれが予想されるというところでございます。
ですので,避難所運営というのは教職員の役割じゃないという,そういうふうに言い切るのではなくて,その避難所運営に協力していくことによって,防災部局とか住民の自主的な運営に移行を積極的にして促進していきまして,早期の学校再開とか,児童生徒の日常生活の平常化というものにいち早く資するようになっていくのではないかということで,以下の留意事項というものをまとめているところでございます。
まず1つ目,1ページの1ポツで書いてありますけれども,学校が避難所になった場合の運営方策ということで,大規模災害が発生した場合は,避難所と指定されているか否かにかかわらず,実際に避難者が来るということも想定されます。こうしたことは,既に課題として指摘されているところでございまして,文科省としても従前より学校が避難所になる場合の運営方策などについての取りまとめを行ってきております。そしてまた,学校防災マニュアルにおいても,避難所運営方策などが盛り込まれているところもありますし,文科省で作成している手引きにおいてもそうした記載はしているところでございます。
今こうした状況にありますけれども,また改めて今後のことを考えた場合に,防災部局としっかり連携して,2ページ目の(1)から(2)に示すような留意事項を踏まえて,改めて運営方策の検証とか整備を行っていく必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。
具体的な留意事項といたしまして,例えば(2)において,○1から9の中に列記しておりますけれども,教職員の具体的な参集・配備の在り方や役割分担とか,○2のように,避難所になった場合の組織の立ち上げだとか,○3にあるように,教育活動の円滑な再開を見据えた施設の利用計画。こうしたことをあらかじめやはりしっかり想定していることが重要であろうと。
さらに,(3)といたしまして,日頃からこうした運営方策そのもの自体を,防災部局と協力して,地域住民や医療機関とも共有を図っていくということがやはり重要になってくるんじゃないかと。また,(4)といたしまして,これらを実践的かつ実効性のあるものにしていく上では,類似の災害が予想されるような学校間での相互検証とか,有識者,外部人材による検証,また,訓練の反映など,そうした見直しに日頃から取り組んでいくことが大事であろうというふうに考えてございます。
これらを実際に取り組んでいくためには,やはり学校の組織体制をしっかり整備して取り組んでいくことが当然大事だろうということで2ポツに記載をしております。
具体的には(1)にあるように,教職員の参集・配備の在り方,また,教職員自身が被害者となってしまって行動がとれない場合にどうするのか。そして,(2)にありますように,各学校において,安全とか防災を担当する教職員や組織を校務分掌上に明確化していくというようなことも有効な取組ではないかと考えておりまして,この部会でも以前御紹介がありましたけれども,宮城県においては,防災主任の配置とかそういったことも行われているところでありますので,こうした取組も参考にできるのではないかというふうに考えております。
そして,3ポツが災害時の教職員の避難所運営の協力業務と教職員の意識の醸成ということでございますけれども,まず(1)に書いていますように,そもそもやはり第一義的な避難所運営の担い手というのは防災部局になることでありますから,しっかり教育委員会が構成者としても,防災担当部局に速やかに担当職員を派遣できるように調整することが大事であろうと。
また,(2)に書いていますように,これまでの大規模災害を踏まえますと,避難所運営の際の協力業務といたしまして,例えば名簿の作成であったりとか組織の立ち上げ,関係機関との情報伝達,こうした業務が実際に行われているということがありますので,これらを円滑に行うための準備というものもあらかじめしておくことができますし,さらに,どこまでを学校現場の判断として,実施することができるのかということを,やはり教育委員会が防災部局と連携をして,調整をしていくということも重要じゃないかというふうに考えておるところでございます。
そして,4ページの4ポツには,実際に避難所運営に協力する場合の教職員の服務上の取扱いということも,また改めて明確化しておるところでございます。実際に(1)に書いていますけれども,避難所運営に当たる場合には,それはもう通常の学校の管理業務の一環として担って差し支えないということで,例えば公務災害補償の対象となるというふうにまた改めて法に明記しておりますし,いわゆる超勤4項目と言われる,超勤をさせられることというのは教職員は限定的になっておりますけれども,それも超勤をさせることができる項目に該当するということ。また,(2)にありますように,自分の学校以外の学校,他県を含めてですけど,行く場合には,公務出張の扱いとすることも可能であること。さらに,(3)といたしまして,避難所運営に関わる業務が非常に長期間に及ぶような場合には,その負担の軽減ということも配慮しなければいけないということを期待しております。
さらに,5ポツから,防災部局との連携・協力体制ということを,しっかりと教育委員会が中心になって担っていくということをここに記載させていただいております。
5ページに移りますけれども,(1)でございますが,教育委員会は,市町村の防災部局に対して,どの場合にどの学校が避難所になるのかというのをしっかり担当を決めておくということを促すでありますとか,あと,定期的に学校と協議を行ったり,訓練を行うようなことというのもしっかり防災部局としてもやっていただくということを教育委員会から促すというようなことを書いております。
また,(2)にありますように,実際に学校施設の利用に当たって,必要になる施設の整備や避難用物資の備蓄などに関しましては,これは防災部局の担当の協力が不可欠になりますので,例えば総合教育会議という,首長部局と教育委員会が協議を行うような場を活用して,こうしたことも議題に上げていくということが有効じゃないかということで書いております。
そして,6ポツは,地域との連携・協力ということで,これは従前から言われていますように,日常的に地域連携が図れていたところは,避難所運営が円滑に進んだということもあるので,日頃からこうしたことが大切であろうと。
さらに,7ポツといたしまして,教育委員会間の連携・協力といたしまして,例えば別の都道府県や市町村から人を派遣するとか,あと,同じ都道府県下においての市町村の間の人のやりとりみたいなものを,特に都道府県教育委員会は広域的な観点を踏まえて,あらかじめ様々な検討を行っていくことが必要であろうということで書いております。
6ページ目,次のページに移りますが,6ページ目の(3)で,こうした取組を進める上では,例えば地方公共団体間で締結される相互援助協定等なんかを活用して,あらかじめ体制の整備を図っていくと。例えば兵庫県においては,いわゆるEARTHと言われるような教職員が実際に被災地に入って,避難所運営を支援するような,そうした取組もございますので,そうしたことも参考にしていくということがあるのではないかということでございます。
そして,8ポツに関しては,教育活動の再開ということで,例えば(2)ということですけれども,早期の教育機能の回復を図る観点から,学校再開の見通しを早めに防災部局,避難所と決めて共有を図ることと。特に,いきなり明日から別の場所に行ってくださいというふうになると,避難者がなかなかスムーズに動いてくれないということもございますので,学校再開の時期というものをあらかじめ防災部局と慎重に調整を行いながら,避難所の理解を得ていくような必要があるであろうということ。
また,(3)に書いていますように,教育活動の再開と避難生活というものが同居する場合においては,やはり両者の動線の在り方とか施設利用の在り方などについても,しっかりと取り組んでいかないといけないんじゃないかということで記載しております。
こうした内容でございます。また,これは実際に防災部局の協力というものも不可欠な内容でございますから,内閣府の防災担当からも各自治体の防災部局にもこうした文科省の検討,留意事項を伝達いただいて,各地域における協力を促していきたいというふうに考えておるところでございます。
以上でございます。
【小原部会長】  ありがとうございました。
残り,あと10分ほどしかありませんけれども,意見がございましたらお願いいたします。
まず中川委員からお願いします。
【中川委員】  中川でございます。こういうことを作っていただきまして,まずはありがとうございます。たくさんここに課題があって,どうするかなと思って,一々挙げると切りがないので,また細かいことはメールでお伺いしたいと思っているんですが,現実として,これだけ教職員の方の問題意識が進んでくると,災害に遭っていない地域のところで,実は実際の防災部局よりも教職員の方の問題意識が先に行く可能性があります。これまでも,地域の方の問題意識が進んでいるところで,「学校はどうするんだ」と問われて学校が困るときに,こういう通知を出しておいていただくのは大変いいことだと思います。現実に防災部局の意識が高くない自治体は少なからずあって,そこをどうするかが大きな課題です。そんな中で,現実に学校の取り組みレベルが自治体より先行しているところもたくさんあります。そういうときに,防災部局がしっかりしていただくためにも,こういうものがきっと必要なんだろうなと思います。
ただ,冒頭に書いていただいているように,基本的には防災部局や避難所担当部局ですよということを書いてありますし,住民の自主運営に移行とありますので,この辺の理解をうまくしておかなきゃいけない。そこは,冒頭に書いてあるので,みんな分かっていただけるかなと思うんですが,防災部局が責任を負うというのは,お金の責任とか最終的な責任であって,現実には市民の生活の場であるというところで,自主運営への移行が一番いいというところが,なかなかこれというのは時間が掛かる問題です。留意事項として,全てこれをすぐにやりなさいという話じゃなくて,この方向を目指しましょうということであるのであれば,よいのかなと思っています。
それと,細かいことですが,職員が被災した場合どうするか,それはちらっと書いてありますが,職務分掌上,明確にするということもそういうところにちゃんと向き合っていないと,阪神・淡路大震災のときからずっとそうなんですが,頑張る職員だけが疲弊して潰れていくということのないようにしてあげないといけない。それはやっぱり文部科学省側から言ってあげないと,現場はきっと疲弊するかなと思います。
それから,参考として最後に書いてあることともつながるかと思うんですが,避難所ということは,今どういうものが望ましいかというような文書が内閣府で,熊本地震なども踏まえて作られていたりすることもそうでしょうし,その背景にある災害救助法の理解も,実際には自治体でできていないのも現状で,どこまで学校の先生に分かってもらうか。すごい難しいんですけど,施設管理者として,特に校長先生とか悩まれる場面があるかと思いますので,そういうところもどうするかというのも,この留意事項を出すことで,整理できればと思います。内閣府との議論もしておかないと,学校に「全部頑張れ」という話はまたしんどいなと思っています。全体的な印象としては,こういうところを述べていきたいと思います。また詳しいことはメールで細かいところを御指摘させていただければと思います。
【小原部会長】  次,田村委員,お願いします。
【田村委員】  内閣府には避難所運営ガイドラインというのが出ておりまして,それを是非読んでいただきたいなということ。避難所は,開設,運営,解消という各フェーズがありますので,それにわたっての記述が必要であるということ。それから,これは全体的に,現場で活動していただける先生をイメージされて書いておられると思うんですけど,実はマネジメントの方がかなり大変で,本部体制をとってもらって,例えば通信機材の貸出しだと,大体校長室を貸し出してしまうような羽目に陥ったりしているのが現実のところなので,そういったいわゆるマネジメント機能のところも現場の先生だけがやるんじゃなくて,実は管理者の方が大変なんだということも書かなければいけないというようなことがちょっと抜けて,あと,夜間の安全確認なども必要。それから,やはり学校ですので,そのところの学校の生徒さんが避難者になったらどうなのかみたいなことの視点も必要かなというふうに思いました。
それとあと,もう一点,大きくありますのは,これは地震だけを書いてあるんですけど,実は指定避難所になってしまうと,というか,御協力いただくと,実は,水害が起こる,避難準備情報が出るたびに開設をしなければいけなくなりますので,それもやっぱり触れなければいけないと思います。
【小原部会長】  渡邉委員,お願いします。
【渡邉副部会長】  時間がありませんので,ちょっと一言だけ。2ページ目の(2)の学校避難者運営方策の中に,○1から9まで入っているんですが,一つ考えていただきたいのは,学校が避難所になりますと,例えば保健室が救護室になるということが多々あります。そうしますと,例えば学校内に,子供たちへ,災害に遭いますと心のケアとかいろいろ関わらなきゃいけないような場所がなくなってしまう可能性があるわけですね。ですので,救護室の設置の際には保健室をどうするのかということと,その運営方法のことを,ここの中に盛り込んでいただいて,検討をしていただきたいというふうに思います。
以上です。
【小原部会長】  安武委員,お願いします。
【安武委員】  よろしくお願いします。私の方は,「特別支援学校においては」というところ,1ページの真ん中辺りですけれども,「障害者や高齢者等の配慮を要する者のための」というふうにありますが,ここのところに「乳幼児」という言葉も加えた方がいいと思います。理由としては,福祉避難所の確保・運営ガイドライン,平成28年4月に内閣府が出したものには,「乳幼児」という言葉が入っております。その他,「特に配慮を要する者」というところまで入っておりますが,「乳幼児」という言葉を入れていただくと良いと思います。
実際に私は,特別支援学校は福祉避難所を100%やった方がいいと思っています。高齢者で動けず自分で避難できない方は,誰かが来て避難所まで連れていってくれるというふうに思っておられると思います。実際には避難所までの移動を補助する体制が取れていないのも事実です。現在,民生委員の方が中心に,人数把握をしているようですが,かなりの動けない方がおられると言っておられました。その辺も含めて適切な言葉を入れてほしいです。
以上です。
【小原部会長】  最後になりますけど,国崎委員,お願いします。
【国崎委員】  私が伝えたい視点は2つありまして,1つは,学校避難所運営方策を平成8年に取りまとめていらっしゃいますが,これをもう一度,東日本大震災や熊本地震等の最近の情報を踏まえた改訂版を作られてはいかがかということです。近年の災害で学校が避難所運営で対応をしてきた最新の事例を盛り込み,さらに,行政とのやりとりや保護者からの質問などをまとめたQ&Aもあると参考になるかと思います。実際に私が経験したのが,保護者から「避難所や仮設住宅から学校が遠く離れているので,通学も大変。転校すべきか」「スクールバスは出してくれるのか」というような質問です。このような保護者や地域の方から学校に対しての様々な質問に回答するQ&Aを加えて新しく作られるといいのではないかと思いました。
2つ目は,前回もお伝えしましたが,校舎とともに給食センターの耐震性も非常に重要です。さらに,被害に遭ったときには,近隣の自治体の給食センターとの相互援助できるように協定を締結しておくことについても記載しておく必要があるのではないかと思いました。
以上です。
【小原部会長】  ありがとうございます。少し時間が過ぎましたけれども,このあたりにいたします。
なお,答申素案については,12月16日の初等中等教育分科会,21日の中央教育審議会総会にも報告し,御意見を頂くことになっておりますので,御承知おきください。
次回は,本日の御意見及び分科会,総会での意見を反映したものを再度,提示させていただきます。
追加で御意見のある場合は,12月21日まで,事務局の方にメール,又はFAXにて御連絡いただければと思います。
最後に,次回の予定について,事務局からお願いいたします。
【中村健康教育・食育課課長補佐】  資料5を御覧ください。今後の日程(案)ということで,第8回は1月18日の10時から,場所はここと同じ場所,3F2の特別会議室でございます。次回で学校安全部会としては最後の回になりますので,何とぞよろしくお願いいたします。
また正式な出欠確認は追って送らせていただきますので,御返信いただきますよう,お願いいたします。
以上でございます。
【小原部会長】  それでは,本日予定していた議事は全て終了いたしましたので,これで閉会といたします。
ありがとうございました。

お問合せ先

初等中等教育局健康教育・食育課防災教育係

(初等中等教育局健康教育・食育課)