社会・地理歴史・公民ワーキンググループ(第1回)における主な意見(未定稿)

1.小・中社会科及び資質・能力について
○ 小中高校の資質・能力のカギは、社会的な見方や考え方である。これは従来、社会科の課題であり、キーワードであった。しかし、現場には浸透していなかった。これを分かりやすく伝えることが必要である。
思考力・判断力・表現力の育成をどうしていくか。社会科として、統一的に説明する必要があろう。国研で示された評価規準の資料では趣旨が示されている。また、平成26年の中教審における高校教育に関する報告書では、身に付けるべきコアな能力として、考察力、構想力、説明力といったことが指摘されている。これらも踏まえて整理できないか。
学習指導要領の記述の仕方についても検討が必要。現在、小学校社会科では「~について~して調べて~を考える」で統一をしたことにより、何ができるようになればよいかが説明しやすくなった。中学校社会科でも同じような整理をすることはできないか。それができれば、資質・能力をわかりやすく伝えることができるのではないか。

○ 社会的な見方や考え方はこのように捉えるという定義がない。これを明らかにすると学校現場にはわかりやすい。ある事象を歴史的に、時間の流れの中で捉える、空間的な広がりの中で捉える、諸課題と自分とのかかわりの中でとらえるなど。考え方も、比べて、まとめて、関連させてなどが考えられる。
思考力・判断力・表現力の育成についても、表現力であれば言語活動をどのように活かしていくかなど具体的に考えていくことが必要。また、社会科においては、特に判断力の育成が必要ではないか。

○ 社会的な見方や考え方について、学習指導要領解説では、社会科で育てるもの、このような活動を通じて育まれるということは書いてあるが、具体的な中身が書かれていない。
社会的な見方や考え方の系統性を小中学校などでどのように確保していくのかも重要である。系統表の形で示せるとよいのではないか。その際、成長にあわせた系統性を考える必要があり、生活科の内容も踏まえて考える必要がある。

○ 社会的な見方や考え方について、小学校の授業では、社会的な事象の様子や仕組みの見方と捉えて指導に当たっている。これを中学校につなげていくかが課題である。その際、中学校の地理的なものの見方や考え方、歴史的なものの見方や考え方、政治・経済的なものの見方や考え方では、小学校の内容はうまく捉えることができない。時間的な流れ、地理的な広がり、関係的な捉え方として考えることが必要である。

○ 現行の中学校社会科では、対立と合意、効率と公正という考え方の基礎となる概念を例示した。これは斬新な試みで、社会的な事象を概念をもって体系的に捉えてみようという考え方と理解でき、このことが今後の検討の参考になるのではないか。
社会科でしか学べないことを整理することは非常に重要である。社会の中で生活していない子供はおらず、子供は社会の中で学ぶこともある。社会の中で自然と身に付けられることと、学校の中でしか身に付けられないことの違いを明確にする必要があるのではないか。

○ 子供が関係性をもてるようになる力を育むことが重要である。社会科で中心的に育むべきものとして、社会的な見方や考え方があるというが、それを踏まえて関わる力をあわせて育むことが必要である。
学習指導要領の記述の仕方について、目標、内容、方法の3つの柱で示すものと理解したが、資質・能力はこのうちの目標に入る内容かと思う。現行は目標の記載はコンテンツベースになっているので、これを、例えば課題をベースとしたものとすることが考えられる。
小中高校の内容構成の一貫性を考えることが必要である。小学校は同心円的拡大ということで、地域から日本へと広がるが、中学校ではいきなり世界地理から始まる。

○ 本WGでは、内容的なことも検討するのかどうか。前回改訂時の検討では、小・中学校社会科をつなぐ単元の検討も行われたが途中で終わってしまった。そのような内容も検討もあるのかどうか。

○ 社会科の課題としては、社会的事象を取り扱うことにとどまりがちで概念や能力の習得に至らないということがある。方法と目的を、教師がわかるように示していくことが必要なのではないか。
社会・地理歴史・公民では、社会的な見方や考え方に加え、社会とのかかわりをどのように組み込んでいくかが重要である。
社会的な事象は個別なのか、キュービックなのか。地域から日本、世界へと学習を広げるときに、そのような事象が広がるようにみせることが考えられる。
スーパーでバナナやパイナップルを扱えば、フィリピンが出てくる。地域学習の中でも外国との関わりが出てくる。これを通して社会的なつながりを学習することができる。子供がつながりを見つけてくる。それをどのように生かして指導していくかが重要である。

○ 資質・能力を分けることは可能か。態度目標が一番最後になっているのはなぜか。入れ籠構造の接続が重要である。社会科においては判断力の育成が重要だと思うが、この場合の判断とは「価値的な判断」も含まれるのか。

○ 概念の整理に当たり、小中高それぞれのレベルを考える必要がある。地域学習もそれぞれの段階で何をするかが全く示されていない。
これまでは内容があって、そこに社会的な見方や考え方をくっつけて説明をしてきたが、今後はコンピテンシーを中心に整理し内容を配置していく。
地理で公民的資質の育成につながることや歴史的な内容を扱うと、その学習は地理ではないという議論が出てくる。同じ社会科でありながら分野の壁がある。これらを兼ねるとするのか分けるとするのかを整理することが必要である。
最近は外国に出て行かない学生も多い。グローバル化で外国のものが入ってくるので、わざわざ外に行かないというのである。このような中、世界で活躍できる人間をどのように育てていくかを考える必要がある。

○ 小・中学校で社会科の非常勤講師を務めている。また、大学で日本国憲法を教えている。指導する中で思うのは、身近なことから考えることの重要さだ。学校は概念から教えていくため、生徒は自分とのかかわりが分かっていない。
消費者庁では、消費者教育を通じて育む能力やその内容を分類して体系的に示したイメージマップ作成した。これを通じて、小学校ではどのような指導をしたらよいかが分かりやすくなった。社会科としてもマップのようなものがあるとよいのではないか。
岡山では消費者庁の予算を使って、幼小中高の体系的な消費者教育の教材を作成した。幼稚園では約束を守ること、小学校ではオンラインゲームで課金を含めてやってよいかどうかを判断する力を育むもの。中高校では未成年者の契約の効果として、契約自由の原則、私的自治の原則がある中でなぜ未成年者を保護する仕組みがあるのかなどを学ぶ。

○ 養成大学の学生をみていると、志望する学校段階の授業は勉強するが、他校種の内容は勉強しない。同じことをくり返し学ぶことも重要だが、学校種ごとの目標の違いをしっかりと理解し指導に当たることが重要である。このため、分かりやすいものを示す必要がある。
問題解決的な学習といって授業が行われているが、なぜ問題解決的な学習をする必要があるのかが理解されていない。その意義を明らかにすべきである。


2.高等学校地理歴史科・公民科について
○ 研究開発校で地理基礎、歴史基礎という科目をつくり、学習内容と資質能力のバランスのとれた育成を重視し、生徒参加型の授業に取り組んだ。地理総合、歴史総合では、学習活動の段階として、知識を読み取る場面、知識を概念化する場面、別のものに当てはめる場面、知識を再構成する場面をつくり、そのどの段階において学力的なものが育成されているのか、どのような段階において資質や能力的なものが育成されているのかが明らかになるとよい。資質能力を重視した科目となる以上、そのような学習活動がしやすい構成になるとよい。

○ 検討事項4の条件整備についてであるが、学校現場では、歴史の教員が地理を教える、地理の教員が歴史を教える、これまでは相互の乗り入れはあまりなかった。新しい科目が設定されたとき、それを適切に教えられる教員がいるかどうかが課題である。地理で言えば、地図や地域等の研修体制を早めにつくったり、アクティブラーニングを研修したりすることも含めて、学習指導要領の改訂の前から必要になる。

○ 検討事項の2のアクティブラーニングについて、今回の改訂には、期待と不安がある。知識偏重から思考力・判断力・表現力の育成へ転換するという期待。現行の内容はそのままで新たに指導方法が増えることだけで負担が増すという不安。このあたりを現場にどのように示していくかが重要である。

○ 2030年の世界、世界の中の日本、グローバルな世界で生き抜いていく力を育成していきたい。日本の若者は内向きになっているという危機感を持っている。

○ 1つの課題、例えば、難民というものを考えるときに、地理的な知識、歴史的な知識、公民的な知識を総合的に組み合わせて考えていく力。これがグローバルな世界で生き抜いていく力ではないか。

○ アクティブラーニングについて、生徒はかつてに比べて発表することや表現することはうまくなってきている。小・中学校からの積み上げの成果が表れていると思う。ただし、いろいろな教科で同様の試みを重複させて、生徒がアップアップにならないようにしたい。知識とのバランスが必要。新聞、インターネット等の資料から情報を活用していく、情報リテラシーについても考えていきたい。

○ センター試験に代わるテストの導入についての時期や関係についても気になるところ。

○ 地理歴史科の免許について、改訂の後も変わらないとなると、地理的な技能、スキルを教えるための仕組みを作ることが必要である。技術的なことであるが、いろいろな学校で、いろいろな先生が、同じようなことができるようになることも考えないといけない。

○ 地理歴史科のB科目、公民科の政経や倫理という既存の科目は、中教審の論点整理を踏まえつつ、基本的に各学問、ディシプリンのリテラシーをより深めていく。例えば地理ならGISを利活用するとか、歴史なら一次資料を、提示の仕方はいろいろあるにしても、読解する方向で、より歴史認識を深めていくというふうになっていくのではないか。

○ 地理の専門でないと教えられない地理総合とか、歴史の専門家でなければやれない歴史総合では、地理歴史科の総合科目にならない。地理総合、歴史総合、公共は、社会系の教員みんなが教えることができるようにしたい。総合というのは、専門家を育てるのではなく、グローバルな時代にどんなスキルが必要でどんな力を付ける必要があるかということから力を付ける教科にする必要がある。

○ 一つは大学入試に象徴される評価が、はっきりと変わった、これは従来のような授業ではだめだなと思っていただく評価に変わらないとだめ。もう一つは教科書がはっきりと変わることが必要。

○ 知識をどうするかについて、論点整理にあるとおり、主体的に社会に参画すること、考察すること表現すること等ができて分かっているということ。知識、理解については、子供に育てる知識とは何か、知識と思考は対立しないという認識に立ちたい。世界の子供たちの学びについて、評価される学びを高等学校でもやるということ。いい教育をやっている先生方を生かしていくことを考えたい。

○ アクティブラーニングの実践をどう評価するかを課題として論じたい。また、実践を大学入試でどう生かすか、評価するか。極力知識だけを問うことのない入り口を作っていくようにしていきたい。

○ アクティブラーニングをどう評価するかは課題である。公立の中高一貫校では、適性検査を実施しており、そこでは論理的に説明する力をみている。これは採点に時間がかかる。評価することをどのように取り入れていくかが課題となる。

○ 大学入試を変えていくことが必要。地理総合、歴史総合を学んでいないととけないというようにしたい。

○ 社会科といって各教科が1つになっていくときに、掲げるテーマというのが必要である。そのときに、日本発、地球規模で、世界規模で生徒が学んでいく、世界で活躍していくときに、やはり平和の問題、人権の問題、環境の問題をきちっと掲げられるような社会科であってほしい。その下で歴史や地理や公民というのが改善あるいは創造されていけばいい。

(歴史教育)
○ 歴史科目においては、通史が一次資料から成り立っているということを何か意識させたい。

○ 歴史科目では、一次資料の見せ方が大事であろう。資料、例えば風刺画などを活用し、生徒に一次資料を見せて議論し、通史が身に付くようにしたい。

○ 課題として、資料8-1の5ページの歴史教育に関する現状と課題について見ると、課題解決的な授業について、観察、調査、研究について、数値的にはかなり厳しい。これをどうやってアクティブラーニングや生徒主体の授業を実現していくようにするのか考えなくてはならないだろう。

○ 小・中・高の連携、特に歴史では、同じことを繰り返すのでなく、学習スタイルを大きく変えていくことが可能なのか、そうしないのかを議論することが必要である。

○ 新科目を時代の要請に合わせてつくろうとするとき、学校現場に実際に置かれたときのことを考え、新科目以外の科目のことも考え、新科目との整合性を考えないと失敗する。今、世界史の用語は戦後の70年で2倍になっている。日本史も同様である。知識を教えることが限界にきている。その中で、育成すべき資質能力は何かと言うことを考えていきたい。

○ 学校では、アクティブラーニングに取り組もうとしているが、それが何なのかまだ分からない。全部の授業でやることは無理であるから、それ以外の授業をどのように組むかということや、知識をどこまでやって、どこまで身に付けさせたらよいのかということが課題となっている。どこまでを教えて思考力・判断力・表現力を伸ばすか。また、受験という問題もある。

○ 歴史については、小中学校で世界史をどう教えるか。小中一貫校で、特に実践事例を考えていきたい。

○ 日本史の中で近代化、大衆化、グローバル化で再構成することについて、世界史と連動して長いスパンで考えていくことも大事である。また、政治の変化だけでなく庶民の日常の変化を捉えたり、科学的に見る目として文化財や資料の提示をしたり等の工夫が必要である。

(地理教育)
○ 地理はあまり人気がなく、正当に評価されてこなかった。今回、地理総合を学ぶことになることはよいこと。情報化、GISはどんどん進化していくものをどのように取り組んでいくかであるが、地域調査、分析技能、様々な情報をリンクさせることが必要で、より現実的なものにしていくことが大事である。

○ 今やっている研究がその先の社会、生活にどのようにつながっていくか。グローバルな課題と日常生活が結び付いていることを感じ取れるようにしたい。知識の量と分析の技能のバランスをどのようにとっていくかが大事。地理は、自然、人文、政治的等の課題を地球規模で考えていくことができる。

(公民教育)
○ 一次資料の読み取りは大事だと思う。哲学、倫理では硬い文章も多いので、生徒が興味を持てるように見せ方が大事である。特別チームの資料8-2の6ページのご意見に、文献を基にした教育は興味が持たれない、応用倫理の分野が大事ではないかとある。しかし、一次資料に興味を持てる資料の見せ方を工夫することが大事なのではないか。応用倫理を考えるためには基本が大事。両方大切にすることが必要である。

○ 公共では、公民的資質を身に付けるということで、具体的な態度形成やスキルを身に付けることが大事になっている。例えば消費者教育において、契約などを扱っているが、法理論的なことを分かった上でやらないと、非常に底の浅いものになってしまうおそれがある。理論的なことや原理原則的なこと、基礎基本をどこまで学習をして、スキルを身につけていくのかバランスを考えていくことが大事ではないだろうか。

○ お金や金融、経済について学ぶことを通じて、よりよい生活やよりよい社会を作っていく態度の育成に取り組んでいる。金融や経済については社会、公民、家庭科が中心になると思うが、特に政治・経済では、マクロ的な視点から生徒一人一人が自分たちの人生、生活、社会をよくしていこうということついて、よく分かり考え、発言、行動できる力を身に付けられるよう考えていきたい。

○ 18歳選挙権年齢引下げということがあり、社会の大きな変化に際し、若者たちは自分たちで主張していかなければいけない。その力が付いているのかというところについて、今回の改訂において重視したいと考えている。

○ 先哲の一次資料を学ぶとき、比較的身近な問題を取り上げて、基礎的基本的な部分を学ぶのがよいのではないかと考えている。

○ よりよい人生を送るかという事があげられている。人生は死がやってくる。死というものについて学ぶことは必要ではないか。アクティブラーニングで扱っていただきたい。人間は必ず死ぬということを盛り込みたい。可能であれば、ホスピス、畜殺の現場等、社会の中で隠蔽されがちなところを扱いたい。触れる、言及できる教育を盛り込んでいただけるとよい。

○ 高等学校における道徳教育、人間としての在り方生き方に関する教育であるが、公民として整理する必要がある。小中の「特別の教科道徳」とどう接続するのか、距離をおくのかどうかを考えなければならない。

○ 公共では、キャリア教育の視点もある。現代社会と同様に公共が高等学校における道徳教育の中核的指導場面として設定されるのか、別にするのかの議論も必要。公共と倫理の整合性を検討していきたい。県によっては総合的な学習の時間で道徳教育を実施しているところがある。そのような県の取組と公共との整合性を検討していかなければならない。

○ 法教育という立場から模擬裁判、ロールプレイング等の活動を学校で行っている。活動をする学習、答えが一つに定まらないことについて考え解決していく学習に取り組んでいる。生徒は、自由に考え、活発に活動している。主体性が育まれ、社会参加につながる。課題解決的学習、アクティブラーニング等の方向性はよい。

○ 課題を解決することの工夫が必要。生徒にどう視点を与えるかということ、判断の枠組みをつくることについて考えたい。

○ 課題をやってもらって、そこから概念を抽出するやり方なのか、先に概念を与えた上で、それを使って課題を解決するのか。その枠組みの整理が必要。

○ 法は、社会のルールであり、判断の枠組みといえる。

○ 公共と既存の教科との関係性について、「現代社会」で理解させることになっている幸福、正義、公正という枠組み、視点は変わらないのかどうか。方向性を知りたい。幸福、正義、公正という視点を使って、問題を解決していこうという取組はあまり行われていない。ある意味、知識は知識である。けれども、その活動は活動で別にある。あるいは活動をやっていないという感想を持っている。

○ 公共について、少子高齢化、人口減少社会、そしてグローバル化が進行し、経済社会環境が大きく変わっていく中、労働力の質の向上と量の拡大が求められている。女性の活躍推進と言われ、女性も働くような、働く社会になってきていることがひとつ。仕事についても、家庭を持つことや、多様化している中で自ら主体性を持って生きていくこと。働き方の多様性のあり、キャリア教育。18歳選挙、政治に参加するということで、政策の中身をしっかり分からないと判断できない、そういった知識を押さえておくこと。理念や概念を押さえて知識を身に付けることが重要である。

○ 公民科の在り方について意見を述べさせてもらう。公民科の学習をどう考えるかは、3つのことが基本となるであろう。第1に、1人の人間として、各自が自己の在り方や生き方について考えるということ。第2に、自己が存在する社会の在り方について考えること。そして第3に、自己の社会に対する関わり方について考えること。3つをどの順序で考えるかは、重要な思想的な課題である。そして、うまく循環させて実践につなげていくことが、国家・社会の形成者として必要な知識、判断、そして行為する能力の育成につながる。

○ 人間としての在り方、自己の生き方を考える出発点として、人間の尊厳や個人の尊重をしっかり考えていく必要がある。それを基礎として社会の在り方を考えれば、その際に重要になる1つのキーコンセプトとして、協働、協力といったようなものがある。なぜ、人は協働していく必要があるのか。協働関係を通じて何を実現しようとしているのか。協働関係を妨げる要因を克服するために、どういう知恵や仕組みが必要になるのかということを考えていくことが大事である。

○ 家族、地域、国家、国際社会という協働関係の単位があって、それぞれにどういう役割を果たしているのか。政治プロセス、市場、法システムというような協働関係を現実に動かす仕組みとしてどういうものがあって、どういう役割を果たしていくのかということを学んだ上で、自分自身が協働関係の中でどういう役割を果たしていくのかを考えてもらうというのが大事である。

○ 原理原則に基づいて現代社会の諸問題を考える。そして、手法、ノウハウを身に付ける。バランスよく学ぶことに課題があるのではないだろうか。

○ 公民を考えていく際、家庭科、情報科などの他の教科との関係、あるいは総合的な学習の時間、特別活動とどう連携を図っていくかを考えていく必要もある。例えば、協働を妨げる要因がどのようなものがあるのか、それを克服するためにどういう方策を考えるべきかということを検討するために、歴史、地理で学んでいるということを前提にしていかなければならない。新科目については歴史、地理との連携を重視して、その新しい必履修科目が全体として人間社会を総合的に考えることができる科目にしていく必要がある。

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