教育課程部会 国語ワーキンググループ(第5回) 議事録

1.日時

平成28年3月14日(月曜日) 16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省 東館3F2特別会議室

3.議題

  1. 国語教育の改善充実について
  2. その他

4.議事録

【北原主査】
 定刻となりましたので、ただいまより中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会国語ワーキンググループの第5回を開催いたします。
 本日はお忙しい中、また悪天候の中、御出席いただきましてまことにありがとうございます。
 まず最初に、事務局の方から配付資料について御確認をお願いします。

【小林教育課程課課長補佐】
 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
 本日は、議事次第に記載しておりますとおり、資料1から5、その他机上に参考資料を配付させていただいております。不足等ございましたら事務局にお申し付けください。
 なお、机上にタブレット端末を置いております。その中には、本ワーキンググループの審議に当たり、参考となる関係する審議会の答申や関係資料等をデータで入れております。詳細は、次第の裏面の目次を御覧ください。
 また、本日、国語ワーキング第4回の主な意見を配付しておりますが、先週、11日にメールで同じものを送付しておりますので、期限までに御確認いただければと思います。
 以上でございます。

【北原主査】
 ありがとうございます。
 これから議事に入ります。初めに、本ワーキンググループの審議等について、初等中等教育分科会教育課程部会運営規則第3条に基づき、原則公開により議事を進めさせていただくこととともに、第6条に基づき議事録を作成し、原則公開するものとして取扱うこととさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 なお、本日は報道関係者から会議の撮影及び録音のお申出がありまして、これを許可しておりますので、御了承ください。
 それでは、本日は、資料の3、高等学校国語科の改訂の方向性(素案)でありますが、それと資料4、小中高を通じた伝統や文化に関する学習の改善の方向性(素案)について意見交換を行いたいと思っております。議事の流れといたしましては、最初に他のワーキンググループ等の状況の報告を事務局から説明していただきます。その後、資料3、資料4について意見交換をすると、そういう順序で参りたいと思います。
 それでは、事務局から他のワーキンググループ等の状況と資料3について説明を続けてお願いしたいと思います。では、よろしくお願いします。

【大杉教育課程企画室長】
 失礼いたします。それでは、資料1と資料2について私から御説明申し上げた後、小林補佐から資料3ということにさせていただきたいと思います。
 資料1を御覧いただければと思います。学校段階等別・教科等別ワーキンググループ等の議論の状況ということでございます。
 総則・評価特別部会の方からおめくりいただきますと、目次がしばらく続いてございまして、少し見にくいのですが、3ページ目、4ページ目という、右下に小さな数字がついているところがございます。総則・評価特別部会の検討事項が1ページ目、2ページ目でございまして、3ページ目、4ページ目というところが、学習指導要領の構成と改善の視点というところでございます。小中高とございまして、ほぼ共通でございますけれども、社会に開かれた教育課程の理念の実現に向けて、小学校教育指導要領全体若しくは総則の構造ということでございます。現在、各教科で資質・能力の在り方を御議論いただいておりますけれども、これも最終的には小学校部会等で、小学校の教育課程全体を通じて、どのような育成すべき資質・能力として育んでいくかというおまとめをさせていただくことになります。それを総則の中にしっかりと構造化していくということ。
 それから、カリキュラム・マネジメントでありますとか学習指導方法の改善、アクティブ・ラーニングの視点、重視すべき学習活動、個に応じた指導の在り方、特別支援教育、学校段階の接続の観点、キャリア教育の観点、生徒指導、進路指導の観点などについても、総則の構造を抜本的に見直しまして、この中にしっかりと位置付けていくということで御議論をいただいているところでございます。
 6ページ目からは、アクティブ・ラーニングについてでございますけれども、これは後ほど別途御説明をさせていただきます。
 その後の資料は、既に御紹介をさせていただいたものですので飛ばして、失礼いたします、42ページでございます。
 42ページ目から幼児教育部会における検討事項ということでございます。少しおめくりいただきまして、45ページに図が載っていますけれども、幼児教育部会におきましても、45ページ目にございますような資質・能力の三つの柱ということを大事にしながら御議論をいただいているところでございます。また、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿ということを明確化していくということでございますので、これと小学校教育とのつながり、特に生活科を中心としたスタートカリキュラムの中でそういった力をしっかりと小学校教育の学びにつなげていくということを御議論いただく予定でございます。
 また、51ページ目、52ページ目に少しカラーの図が付いてございますけれども、これがアクティブ・ラーニングの「深い学び」、「対話的な学び」、「主体的な学び」という視点から幼児教育の学びの過程をイメージしたものでございます。遊びのプロセス例ということでございますけれども、遊びを選択して、それに没頭して、話し合い、次の学びへの見通しを持つということの中で、子供たちに小学校教育にもつながるような様々な視点、考え方ということが身についていくということでございます。
 52ページ目はそれをより具体的な形で、学びのプロセスの中でどのような、例えば数への気付き、空間への気付き、物の捉え方、達成感、充実感というようなことがどのように実現されているかということをイメージとしてお示ししたものでございまして、こういったものを通じて、小学校以上の先生方にも幼児教育の意義ということを共有していただくということを目指しているところでございます。
 続きまして、54ページ目以降は言語能力でございますけれども、これは既に御紹介をさせていただいております。その次は国語教育、これも本ワーキングでございますので割愛させていただきます。
 66ページ目からは外国語ワーキング、これも既に少し御紹介はさせていただいておりますけれども、68ページ目にございますような三つの柱ということで、外国語ワーキングでも御議論をいただいております。
 それから、71ページ目、72ページ目、これが高等学校で新設されます歴史総合のイメージでございます。歴史を考察する力ということを、機軸となる問いということに迫ることを通じて育んでいくということ、72ページ目にございますような現代的な課題につながるような事柄に関する機軸となる問いに見方や考え方ということで迫るということを通じて、歴史の学び方、歴史を考察する手立てということを身につけていくというイメージでございます。
 また、73ページ目にございますように歴史総合、それから、新選択科目で世界史に関わる探求科目、日本史に関わる探求科目、いずれも歴史総合で修得した歴史の学び方ということを活用しながら学びを深めていくというイメージでございます。
 それから、地理でございます。75ページ目にございますように、地理的な見方や考え方を身につける高等学校の新科目、地理総合でございます。これも76ページ目の右側にございますように、問いを重視した授業展開ということで地理的な見方や考え方を育むというイメージでございます。それらと新選択科目のイメージが77ページ目でございます。育成すべき資質・能力の三つの柱ということが78ページ目でございます。
 続きまして、79ページ目からが新科目の公共でございます。公共を通じまして、例えば社会に参画する中で必要な、選択判断に必要となる考え方というものを身につけ、そしてそれを実際に80ページにありますように、社会的事象の見方や考え方を働かせながら様々な事象について考察、追究をしていくということ。そして、81ページ目にございますように、より主体的な社会的事象に関する探求活動ということにもつなげていくというイメージでございます。また、82ページ目にございますように、公共ということを共通必履修科目としながら、選択科目、倫理と政経ということで考えていくということでございます。具体的な資質・能力の在り方等は、続けて御覧をいただいているところでございます。
 そうした新科目も含めまして、小中高の社会科系科目の資質・能力のイメージが88ページ目でございます。社会科系科目において育む思考力・判断力・表現力の育成のイメージでございます。マル1からマル4まで、小中高をつなげてということでございます。その中で育む思考力、判断力、表現力、そしてその中核となる見方や考え方ということに関しては89ページ目でございます。社会的事象の地理的な見方や考え方、歴史的な見方や考え方、現代社会を捉える見方や考え方ということで、様々な空間的な広がり、時間的な広がり、相互の関係性ということに着目して、社会的事象に関する探求を行うことによって、それらを自分の生活と関連付けたり、相互の事象間の関係性を、原因や結果、共通性などで関連付けることによりまして探求をしていくということ。そして、それによりまして、必要な知識等を概念的に獲得していくということが90ページ目のイメージでございます。様々な問いに見方や考え方を活用しながら迫っていくということでございます。そして、具体的な学びのイメージ、社会科系科目は91ページ目でございます。
 92ページ目、数理探求という高等学校の新しい科目でございます。93ページ目にございますような、教科の枠組みにとらわれない総合性という視点で、数学的な物の見方や考え方と科学的な物の見方や考え方を活用しながら、探求的な活動を行うことによって、創造的にものを作り出す、様々なアイデアを作り出すということの基になる力の基礎、粘り強く挑戦する力の基礎ということを培っていくということでございます。具体的な資質・能力のイメージは96ページ目の三つの柱でございまして、97ページ目にございますように、基礎の修得段階において、みずから探求プロセスを回していくために必要な知識や技能をしっかりと身につけていくということ、そして探求を深める段階におきまして、みずから課題を設定し、それに向かって探求を行っていくということでございます。いずれにしましても、様々な条件整備の在り方、大学での学びのつながりなど、98ページ目にありますようなことを視野に入れながら議論をしていく必要があるということでございます。
 100ページ目からが、算数・数学ワーキングでございます。101ページ目に小中高の発達段階に応じた育成、102ページ目にございますような三つの柱ということ。そして103ページ目、104ページ目にございますように、算数・数学の問題発見・解決のプロセスの中で必要な資質・能力を身につけていくというプロセスと資質・能力の関係性のイメージでございます。そして、それらが見方や考え方ということとして、様々な学習の広がりの中で身についていくということが105ページ目のイメージでございます。
 106ページ目が理科でございます。107ページ目が小中高の発達の段階。そして108ページ目が三つの柱ということ。そして109ページ目以降が理科における科学的な見方や考え方について、その内容と小中高に応じた育成ということを整理していただいているものでございます。111ページ目が学習のプロセスの在り方、そして112ページ目は評価の三つの柱について御議論をいただいております。
 芸術ワーキングについても同様でございます。114ページ目、三つの柱、これは書道でございますけれども、115ページ目が学習のプロセスのイメージ、書表現との出会いということからみずからの表現を工夫するということ、あるいは鑑賞の中で見方や考え方を広げるということ、共通となる事項を働かせながらどのように深めていくかということのイメージでございます。
 116ページ目は、これは美術・工芸でございます。図画工作、美術、工芸を通じてどのような資質・能力を育むかということ。それから、120ページ目にございますように、発想や構想をするということと、作品などの良さや美しさなどを感じ取り味わうということ、創造的な技能を働かせるということ、この3つを相互に行き来させながら学習のプロセスを深めていく、その中で資質・能力を身につけていくというイメージでございます。
 音楽が122ページ目以降でございまして、125ページ目が学習のプロセスでございます。
 126ページ目が家庭科、技術・家庭科、これも同様でございます。127ページ目が小中高、128ページ目が三つの柱、そして129ページ目が技術分野における見方や考え方の整理、130ページ目が学習のプロセスと、その中で育まれる資質・能力の関係性でございます。131ページ目は、技術分野の構造と、そうした資質・能力、見方や考え方の全体像を示したものでございます。132ページ目、家庭科、これも同様でございます。小中高、そして133ページ目、三つの柱、134ページ目が思考力、判断力、表現力等の育成イメージ、135ページ目が見方や考え方の成長、そして136ページ目が学習のプロセスということと育成すべき資質・能力の関係性、そして137ページ目以降が内容との関係性ということでございます。
 140ページ目は情報ワーキングでございます。情報ワーキングにおきましては、146ページ目を御覧いただけますでしょうか。資質・能力の三つの柱も整理をしていただいているところでございますけれども、情報1という新たに高等学校で共通必履修科目が設定されるところでございます。その中でどのような学習を進めていくかということ。そして、147ページ目は、これは選択科目で情報2というものが設定されることになっておりますので、そのイメージでございます。
 150ページ目が体育・保健体育でございます。これも同様でございます。151ページ目、小中高、152ページ目、三つの柱、それから、155ページ目以降が学習プロセスのイメージでございます。そして、見方や考え方については159ページ目のような整理でございます。これもまだまだ議論の最中でございます。
 160ページ目は生活・総合でございますけれども、総合的な学習の時間につきましては、161ページ目のようなカリキュラム・マネジメントのイメージ。生活科につきましては162ページ目にございますような三つの柱、そして幼児教育とも共通するような形で163ページ、164ページのような学習のプロセスと資質・能力の関係。165ページは総合の三つの柱と166ページ目、学習の探求のプロセスとの関係を整理していただいております。
 特別活動につきましても170ページ目のような小中高、そして、人間関係形成、自己実現、社会参画ということを重視していくということ、関係教科との関係性、三つの柱や各学習プロセスについて整理をしていただいているところでございます。
 一番最後に、産業教育のイメージということで付けてございます。
 なかなか分厚い資料でございますので、きょうだけで全部御理解くださいということはなかなか難しいと思いますので、御紹介にとどめさせていただきますので、また適宜御参照をいただければと存じます。
 それでは、資料2でございます。アクティブ・ラーニングの視点と資質・能力の育成の関係でございます。これは、各教科における御議論の状況を踏まえまして、総則・評価特別部会におきまして、各教科と共通のお考え方として整理をいただいた事項でございます。
 1ページおめくりいただきますと、アクティブ・ラーニングの視点と資質・能力の育成との関係について、特に「深い学び」を実現する観点からということでございます。現在、資質・能力の三つの柱、それから「見方や考え方」の明確化、学習プロセスの在り方、そうした資質・能力と指導内容の構造化について御議論をいただいておりますけれども、その際にはこのような考え方をお役立ていただきたいということでございます。
 まずは、資質・能力とアクティブ・ラーニングの視点の関係性でございます。1つ目の丸でございます。アクティブ・ラーニングにつきましては、そこにございますように、「深い学び」、「対話的な学び」、「主体的な学び」の3つの視点が「論点整理」で整理されているところでございます。
 この視点の重要性ということでございますけれども、2つ目の丸、子供たちが各教科等の内容的な理解を深めながら育成すべき資質・能力を身につけていくということの重要性。そして、それにより、学ぶことの意義や社会との関係性を実感できるということ、子供たちの内発的な学習への動機付けを高めるということでございます。
 次の丸でございますけれども、「論点整理」で指摘されているように、アクティブ・ラーニング、型に着目した理解がなされているのではないかということ。特定の型の在り方ではなくて、不断の授業改善の視点であることに留意をする必要があるということ。
 一方で、学校現場からは、理念だけではなく具体的な実践例を求められているところでもあるということ。こうした実践例については、様々な型や方法の種類の紹介ということではなく、アクティブ・ラーニングの視点に基づき、どのように授業が改善され、それにより子供たちのどのような変容につながったのかという授業改善に関する実践例の蓄積と普及がなされるべきであろうということでございます。
 2ページ目でございますけれども、様々な型や方法は、そうした授業改善の1つの手段としてその効果が検証され不断に見直されていくべきものであるということでございます。
 続きまして、「深い学び」の視点でございます。「深い学び」の視点ということについては、ほかの2つの視点、「対話的な学び」や「主体的な学び」の視点に比べて分かりにくいという御指摘があるところでございます。これは、各教科等の特性に強く関わるものでございまして、現在、本ワーキングを含め御議論をいただいている最中であることから、まだ具体的なイメージがつかみにくいということもその一因として考えられるところでございます。現在御議論いただいている中で、国語における「深い学び」の在り方ということの具体化を図るということが重要であるということでございます。
 議論の中では、複数の教科等別ワーキング、先ほど御紹介させていただきましたけれども、資質・能力の育成や学習の深まりの鍵となるものとして、各教科等の特性に応じ育まれる「見方や考え方」が重要ではないかとの検討がなされております。こうした「見方や考え方」を修得・活用・探求を見通した学習過程の中で働かせながら思考・判断・表現し、「見方や考え方」を更に成長させながら資質・能力を獲得していくことが「深い学び」であり、そうした学びと資質・能力の育成との関係性を分かりやすく示していく必要があるのではないかということであります。
 アクティブ・ラーニングの視点に基づく学びについては、深さを欠くことによる失敗時例も報告されているところであります。したがいまして、先生方には、こうした「深い学び」を通じて子供たちの教科の内容的な理解に責任を持ち、指導内容を組み立てる力量を高めていただき、先生方がしっかりと教えるということも含めて子供たちに関わっていくことが重要であるということの再確認でございます。
 そして、2ポツ、この「見方や考え方」についてでございます。この考え方自体は新しいものではなく、現行指導要領におきましても御覧のとおり記載があるところでございます。
 3ページ目でございますけれども、一方でこうした「見方や考え方」の具体的な内容については、現行指導要領では余り説明がなされていないということ。改めてそれが何かというふうに考えますと、様々な事象などを捉える各教科ならではの視点や思考の枠組みであるのではないかということ。そして、この「見方や考え方」ということがこの3つの資質・能力の柱ということの育成に大きく関わってくるということでございます。
 次の丸でございますけれども、子供たちが「見方や考え方」を働かせながら思考・判断・表現していけるような「深い学び」の実現を目指すということ。そして、視点を活用しながら思考の枠組みを用いるということを通じて、「見方や考え方」自体も成長していくということ。その際には、子供たち一人一人の「見方や考え方」の困難さを捉えていくという視点も重要であるということでございます。
 また、3ページ目下の3ポツでございます。教科横断的な視点や相互の関係性でございますけれども、例えば、国語科の特性に応じ育まれる「見方や考え方」は、言語活動等を通じて他教科の「見方や考え方」を広げていく役割も有するなど、「見方や考え方」は教科と相互に影響し合いながら成長していくものと考えられます。
 特に総合的な学習の時間等においては、教科横断的な学びを通じて、「見方や考え方」を総合化・統合化させながら育んでいくということ、それによって様々な事象を広範な視点で捉える、多角的、多面的に考察するということが可能になるのではないかということであります。併せて、各教科の「見方や考え方」も成長していくのではないかということでございます。
 こうした総則・評価特別部会の御議論も踏まえながら是非本日の御議論をいただければと存じます。
 それでは、小林補佐の方からお願いします。

【小林教育課程課課長補佐】
 それでは、続きまして資料3の説明に移らせていただきます。資料3につきましてはクリップ留めをしております。これで横長のものと縦長の2つになっております。
 この国語ワーキングにつきましては、学習指導要領の改訂につきまして、どのような方針、方向性とするのかということを議論いただくものですので、本日は、前回に引き続きまして、高等学校の科目構成の方向性の議論をお願いしたいと思います。前回いただいた意見を反映しまして、今回の資料3というものをお示しさせていただいております。
 その他、改訂の方向性を議論する上で、参考となるような各科目についての具体的な改訂のイメージについても前回意見を頂きました。それらについては、カラーの資料の後ろに主な意見として付けさせていただきました。この主な意見につきましては、改訂の方向性が示された後、具体的な作業の際に参考とさせていただくものとなっております。
 それでは、横長の資料について説明させていただきます。
 資料の中の赤字部分につきましては、前回頂いた意見を踏まえて変更させていただいた箇所でございます。例えば、「言語文化(仮称)」、真ん中の右側でございますが、この科目につきましては、言語の文化的側面、つまり我が国の歴史の中で創造され、上代から近現代まで継承されてきた文化的に高い価値を持つ言語そのものへの理解や関心を深めることに主眼を置いた科目ですが、その点がうまく表現できていなかったということもありまして、この資料にありますように、「上代から近現代につながる」という言葉を書かせていただきました。
 また、単に言語文化を知識として知るという科目ではなく、生徒自身がそのことを意識して言葉を使えるようにすることがこの科目で期待しているところでございますので、資料には「これを継承していく一員として、自身の言語による諸活動に生かす能力」と書かせていただきました。
 そのほか、前回頂いた意見をほかの科目につきましても反映させていただいております。そういったこのほかの意見や補足の意見などを頂けましたら、そういったものを頂ければと思います。
 また、必履修科目の「現代の国語(仮称)」、「言語文化(仮称)」につきまして、前回、科目の分け方とそこで扱う文章のジャンルについて説明が少し不足しておりましたので補足させていただきます。現状ですが、これまで国語科の指導においては、一般的に小説の舞台や人物設定の効果、登場人物の心理の変化、登場人物の主張を支えている論理、情景描写の効果、また、小説からうかがえるメッセージ性などについて、場面の展開を追いながら教師の考えに沿って物語の全体をきめ細かく読み取らせることが多かったのではないかと思われます。しかし、今回の改訂においては、この教材は必ずこのような指導をするという考え方を見直して、指導事項に即して教材を選択したり、同じ教材であっても、指導事項に即して教材の特質を取上げて指導したりといった考え方を打ち出していきたいと思っております。
 例えば、古典を題材にとった小説を「言語文化(仮称)」で扱う場合には、原典である古典との比較などを通して、我が国の物語や民俗などの特色について考えたり、古典と近代文学との共通点や相違点などを考えたりする学習などが考えられます。また、同じ小説を「現代の国語(仮称)」で扱う場合には、例えば表現の工夫といったことや、物語の展開、特徴などに絞って、登場人物の心理の変化の描き方や情景の描写と人物の描写との順序や関係などについて、根拠に基づいて論述したり議論をしたりする学習などが考えられます。つまり、この教材だからこの指導を行うというように、教材によって指導が固定化するのではなくて、どのような教材であっても、どのような能力を身につけさせたいかという指導の目標を、教材を使って達成するという考え方を新しい科目構成によって行っていきたいと思っております。
 また、必履修科目の「現代の国語(仮称)」と「言語文化(仮称)」と選択科目のつながりについて少し補足をさせていただきます。
 今回の改訂では、必履修科目で身につけた能力がどの選択科目につながっていく能力として育成していくかということを考えております。逆に言えば、選択科目にも必要な能力であるから高校生全員が学ぶ必履修科目で育成する必要があるということでございます。
 具体的には、「現代の国語(仮称)」で身につけてもらいたい実社会・実生活に生きて働く国語の能力といったものは、その下の選択科目にあります論理国語や文学国語、国語表現でも必要なものと考えております。例えば、文学国語で現代小説を扱うといった場合、その文章は実社会・実生活を舞台として、人物同士の会話といったことや、様々な出来事、状況についての説明などから構成されております。また、古典探究で扱う古文・漢文においても、例えば文章の展開の論理性などを読み解く際には、現代の国語で身につけた力が必要となってきます。また、必履修科目の「言語文化(仮称)」では、今私たちが使っている言葉が昔の言葉とつながっているということを学んでほしいと考えておりますが、それは、論理国語や文学国語、国語表現で、例えば言語の豊かさや味わい、繊細な表現力として現われたりすると思います。もちろん古典探究というものとは密接につながっていると考えております。
 以上が必履修科目と選択科目の関係でございます。
 最後に資料3の部分でございますが、一番後ろ、1枚、高等学校国語科における読書活動の展開についてというものを付けさせていただいております。資料3、この1枚は、前回、高校生の読書活動が低調であるということについていろいろと御意見を頂きましたので、各科目においてどのような読書活動への展開が考えられるか、まとめさせていただいた資料でございます。
 高校生がそれぞれの読書の意義や価値を実感をもって認識することにつながるような指導の充実を図る必要があると考えております。また、そこに入れさせていただいているものでございます。
 以上、資料3の説明になりますが、また御意見等を頂ければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 大杉室長が最初に説明してくださった他のワーキンググループの検討については、随分進んでいまして、各教科等ともに、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の三本柱で議論されているということがあります。
 それから、55ページあたりから言語に関する資質・能力の部会のまとめが出ていますけれども、この辺が国語と外国語を重ねて関連しているところで、我々にとっては特に関心のあるところで、並行して行われているということを御承知いただきたいと思います。
 きょうは、先ほども申しましたように、資料3、それから後で資料4も出てまいりますが、まず3について意見交換をさせていただきたいと思っております。
 これは、前回の意見を踏まえて本日も御意見を頂くということにしたいと思います。
 例によって御意見のある方は、あらかじめ名札を縦にしていただいて、どなたもいらっしゃらないときにはお声を掛けていただくとありがたいのですが、そうしましたら私がお願いいたしますので、指名いたしますので、また発言が終わりましたら寝かせておいていただきたいと思います。それから、マイクを、私も時々忘れますが、押して、マイクを使って御発言いただきたいと思います。
 それでは、御意見のある方、どうぞよろしくお願いいたします。藤森さん、どうぞ。

【藤森委員】
 信州大学の藤森でございます。よろしくお願いいたします。
 この後の検討材料になるということですので、これは1点だけ申し上げますけれども、仮称の「現代の国語」ですが、私的には、「言語生活」という言葉で是非御検討いただければなと思います。
 それは置いておいて、2点申し上げます。北原主査から全体的な方向性の話ということでしたので、その方向性で2点申し上げます。1点目は、先ほど大杉さんから御説明いただいたこれをざっと拝見しまして、教科横断的な視点からの目標設定、それからもう1点は、言語感覚に関わる視点からの意見ということで、この2点をよろしくお願いします。
 まず1点目ですけれども、これを拝見していますと、例えば、資料1の80ページの公共の科目の中では、「様々な情報を発信・受信する知的主体となる私たち」とありますように、各部会で言葉を通じてそれぞれの考えや、あるいはそれぞれの課題を探求していくためのこういった項目がたくさんございます。それをこの共通必履修科目のどこでこれを担保していくのか。もう既に丸括弧で現代の国語を拝見すると、「根拠に基づいて論述したり議論したりするために必要な能力」とありまして、これは高木主査代理がジェネリック・スキルのことでお書きになっていますけれども、全て汎用的な言語能力としてこれは生かせると思います。そのあたりの視点がより強く出るような方向性が必要ではないかという印象を持っております。既に現行でも言語活動の充実がうたわれておりますけれども、各教科で国語がどういうふうに基幹科目としてそれを支えてくれているのか、それに向けてより充実したら良いかなと思いました。
 2点目は言語感覚です。既にもう小中高と言語感覚を養い、豊かにし磨くという、こういった側面が重視されてきました。今回のこの方向性を見ますと、特に「現代の国語」の中で、例えば言葉の美しさですとか、あるいは人の心を潤すような言葉ですとか、そういった言葉の美しさの側面、たしか以前、井田委員もおっしゃったように記憶していますけれども、例えば芸術の書道の今回の科目にも美しさに対する感覚というものがございますので、その側面も必要ではないかなと思いまして、この2点を申し上げたいと思います。よろしくお願いします。

【北原主査】
 ありがとうございます。
 その美しさは、特にどの科目かということはありますか。

【藤森委員】
 基本的に、言語文化の側面になりますと、これは美的な、芸術的な側面を扱いますので、否応なくその美しい言葉に係るものが出てくると思うんですが、現代の国語のこちらの側面を見ていますと、どちらかというとやや論理的な科学的な言語の方に若干重点が向いているかなという印象があるんです。特に高等学校を卒業していろいろ実生活の中で人と関わっていく場の中では、弁は立っても相手の心を揺さぶるような言葉というのは必要だと思うんですね。そういうときの言葉に対する感覚の鋭さ、それから感覚の豊かさ、こういったものを磨き上げるのもこの現代の国語の中で求められる側面ではないかなという、そういう意味で申し上げました。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 ほかに、次、いかがですか。西先生。

【西委員】
 よろしくお願いします。大きく2つでございます。
 必履修科目の言語文化のところの説明が少し丁寧にされているんですが、少し気に掛かるのは、丸括弧の中の、我が国の歴史の中で創造されてきた文化的に高い価値を持つ言語というのが、どういうニュアンスのものを語ろうとしているのかが少し明確でないのではないかという、私、印象を持っております。
 それと関わって、選択科目になる古典探究ですけれども、前回の会議のときには、古典としての古文・漢文という文言がここはたしかついていたかと思いますが、それに対して国語としての古文・漢文という、そういうニュアンスをきちんと打ち出すべきではないかということを私は前回申し上げました。今回それがさらりと消えていて、主体的に読むというところにとどまっているのが、少し後退しているのではないかという印象を私は持ちます。それが1点目でございます。
 2点目ですが、これに関わって高等学校国語科における読書活動の展開についてというこの1枚ものの資料ですけれども、言語文化、それから古典探究の読書活動の展開等という形で出されているので、その中に含むのだというのであればよろしいんですけれども、例えば、言語文化、あるいは古文・漢文といったような教材を扱おうとしたときに、資料としての絵画的な資料というものは、この中にどう読む、例えば絵巻と言われるような、そういったような資料というのはどういうふうに位置付けられるのかな。そういったところから古典に入っていく。小学校なんかでは、既に絵巻は教材にされているんですけれども、そういったものを読んでいくという読書活動のメッセージ性というのがあっても良いのではないかなと思いました。
 以上でございます。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 次にいかがですか。どうぞ、中村先生。

【中村委員】
 資料1と2に関連してなんですけれども、資料2で「見方や考え方」というキーワードが大きく出されていて、資料1にも、例えば理科などでは、「見方や考え方」がかなり整備をされているわけですけれども、国語のこのワーキングでは、「見方や考え方」自体がどういうものなのかという議論は、これまでそれが表立ってされてきたことはなかったような気もいたします。1つは、国語科で扱う「見方や考え方」が、言葉を使って様々な内容について百科辞書的に全てについて見たり考えたりしていくわけですので、固定的に整理をするというのは難しいかもしれませんが、その反面、言語能力の向上チームで議論されているように、言葉そのものをメタ的に捉えていくということ自体は重要な「見方や考え方」になるかと思います。是非そのあたりを高等学校の科目編成にどのように位置付けることができるのか、これは全科目の中で扱っていくことになると思いますが、その位置付けだけは明確にしておく必要があるだろうと思います。
 以上です。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 吉田先生、お願いします。

【吉田委員】
 私も2つ申し上げます。
 その前提に、先ほど藤森委員がおっしゃいましたけれども、科目の名称でいけば、「現代の国語(仮称)」というのがありますが、私もできたら「言語生活」という名称が良いのかなと思っています。述べたいのは2つです。
 1つは、「言語文化」に関わるところですけれども、今、提示されているもので言いますと、「言語文化」が読むことに集中している感があるかなと思います。国語の文化ということになりますと、読むことだけではなくて、話し言葉の文化、話すこと、聞くことの文化というものも考えられるのではないかと思います。例えば落語だとか、あるいは漫才だとか、あるいは歌舞伎だとか、狂言だとかといったような形で、話すこと、聞くこと、あるいは話し言葉の文化、そういったものもこの「言語文化」の中に含めていく必要があるのではないかと思います。
 それから、科目のことですけれども、共通必履修科目は誰にでもという側面、それから、選択科目は必要に応じてということかと思いますけれども、高等学校の科目については、もう少し構造的には分かりやすく。共通必履修科目は「現代の国語」と「言語文化」の2つに分かれていて、選択科目は4つで都合6つの科目が示されていますけれども、もう少し構造的に分かりやすく、大きく2大別ぐらいにしてはどうかという案を持っています。
 それから、内容を少し専門的にしていく必要があるのではないかと。逆行しているように受け止められるかも分かりませんけれども、私は、一部で高校生が国語離れをしているその理由の中に、易しさにつまずくということを言っているのが少し気になっています。つまり、高等学校で学習することが、もう分かり切ったことを、例えば古典なんかでも分かり切ったところをもう一回先生がなぞるような形になっていて、どうも学ぶ実感に欠けているのではないかというような声を聞くことがありまして、共通必履修科目のところは、そういった総合的で一般的な、そういうところを出していけば良いのかもわかりませんが、選択科目になりますと、かなりある意味では専門的に、高校で学ぶ国語というような、そういうようなところが出されていくことによって、小中とは違う高校での学びというものが展開されていって、学習者がそこでの実感をつかんでいくという、そういった側面はないだろうかと思いまして、その面からのことでありました。
 以上、2点です。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 言語生活が良いという御意見がお2人から出ましたけれども、逆に、この科目の仮称を見ると、「国語表現」、「文学国語」、「論理国語」、「現代の国語」と国語が付いていて、「言語文化」だけが言語が付いているんですね。単なる言語文化というと、外国語にも言語文化はあるわけで、その辺は総合的に考えた方が良いと思います。ありがとうございます。
 それから、吉田先生の御意見で、高校生が国語、そんな言い方はされていませんけれども、こんなものは分かってるという感じにならないように、程度を上げた方がかえって効果的なのではないかという御意見、これは私もおもしろいと思います。
 高木先生、お願いします。

【高木(展)主査代理】
 お願いします。もう委員の先生方には言わずもがなのことかもしれませんが、どうしてもいろいろなところで議論をしていますと、内容のところで、例えば資料1の58ページから国語ワーキングの話が出てきているんです。ここでは、国語科で育成すべき資質・能力として、上のところに、「個別の知識や技能」、「思考力・判断力・表現力等」、それから「学びに向かう力、人間性等」という、これは教科を超えて今回の指導要領全体で各教科が目指す方向性が出ている。この議論をしていきますと、どうしても、今我々もそうなんだけれども、今度は国語の科目名としての議論になったときに、ここの内容との区別化、差別化というか、レベルの違いが混同されて出てくると、内容の項目のところに話が行かなくなるかなという感じがしているんです。
 それを意識するためには、18ページのところに、各教科等の評価の観点のイメージ(案)というのが既に出ておりまして、この観点のイメージのところは、特にポイントになるのは「思考・判断・表現」であって、「思考力・判断力・表現力」ではなくなっていますし、それから、「主体的に学習に取り組む態度」ということに例示の仕方が変わってきているということ。こういうことを意識しますと、教科、特に科目の内容を考えるときには、この観点に立って話をしていくと話がより具体的になると私は考えておりますので、是非そういった形で話を進めませんと、どうも空中戦で話が終わってしまうかなという気が少ししておりますので、意見を言わせていただきました。
 それから、言語生活が出ていますが、どうも言語生活というと、私は西尾実の言語生活に結び付いてしまうので、なかなか難しい名前かなとは思っています。一言だけ。

【北原主査】
 18ページの、これをもう少し説明していただけませんか。評価の観点のイメージという。

【高木(展)主査代理】
 要するに、これから授業をやっていくには評価をしなければいけませんので、教科の内容の中には当然評価項目があります。現行は、これは4観点で行っている評価なんですが、この評価が次には全ての教科でこの3観点の方向性が今出ていて、それぞれの各教科等がその考え方をこれから行っていこうという方向で話し合いが、これからですけれどもね、まだ出てないんですが、こういうふうに示されていますし、全体の2月24日の総則・評価特別部会でも配られた資料の中にも入っていますので、そのあたりを両にらみしていただけると内容の話が進むというふうに、抽象論から具体の。例えば、現代の国語の中で入れる科目の中で言うと、具体的なものがこれは入ってくるはずですので、そういった話ができると、大きな話ではなくて。そういう意味でこの評価の観点が大事ですよという話をいたしました。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 それでは、佐藤先生、お願いします。

【佐藤委員】
 佐藤です。よろしくお願いします。
 今、高木先生の方からお話があったとおり、私もその評価の観点からお話をしたいと思います。
 この資料5の方の41ページもあるんですが、恐らく国語においても思考・判断・表現の部分の、実際その指導内容として恐らく現行の3領域、話す・聞く・書く、ここには読む、見るも入れてあるんですが、恐らくそれ中心に指導していくことになると思います。それでこの科目の素案を見た場合には、必履修科目は2つあるので、恐らくその2つの科目で全ての領域、3領域をカバーしていくことになると思います。問題は、その選択科目の方で、実際これから多分そういったことを議論していくことになると思うんですが、見た上では、この科目の中で、私、個人的には、今言った、話す・聞く・書く、それから読む、見るといった、その全ての領域をカバーしている総合的な科目がないように感じています。実は、これは現行では、「国語総合」は当然総合的な科目になっています。実は選択科目の中の「現代文B」、これが総合的な科目になっているわけですね。ですから、選択科目においても総合科目が残っていると。ですから、このあたりは、実は、この新しい科目についても担保していかないと、実際に教育課程を高校で組んでいく場合になかなか難しい面も出てくるかなという気はしています。これが1点目です。
 もう1点目が、この科目を見ていった場合の「古典探究」です。先ほど何人かの委員からもお話があったんですが、今回、「主体的に」というふうに変わっています。これ、多分前回は、課題意識を持ってというような文言だったと思うんですが、私も個人的には少し弱くなっているなというイメージがあります。
 きょう、冒頭に、各教科の今のワーキングの状況を見て、各教科ともこういった探求科目を置いている上で言うと、国語における探求科目がこの「古典探究」というところで良いのかなという少し今疑問を感じています。といいますのも、ここにある探求のその素材としては、古文・漢文ということになっていますが、逆に言えば、国語としては古文・漢文はもちろん大事なんですが、近代以降のものについても取上げる必要があるかなと。そう見ていった場合、ここは「古典探究」ではなくてむしろ「国語探究」という形で、探求的要素を強めていった方が良いような気がしています。これは個人的な感想です。
 あと、最後なんですが、いずれにしろかなり国語については大きく変わると思います。そうなった場合、実際、困ってくるのは現場の教員です。これだけ急に変わったものを、例えばその指導要領を示されて、何年か後に本当に現場でこれを教えることができるのか、その辺は正直、私は疑問に思っています。もっと言うと、教職員の養成課程もそうですね。ですから、こうなった場合には、かなりそういった意味で言うと、研修であるとか、いろいろな資料の提示であるとか、そういった形で文科省の方もサポートしていただかないと厳しい面があるかなと感じています。
 以上です。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 では、酒井先生から。

【酒井委員】
 いろいろ名称が議論になっているところで、少し気になるのは、こういう、特に必履修科目の名前というのは大切ですし、四字熟語をみんな付けていくのは良いんですけれども、そうすると後に来る2文字の方が日本語というのは大切なわけなので、「言語生活」というと生活になってしまうんですね。それから、「現代の国語」は良いんですけれども、後に来る方が大事なので、「言語文化」というと文化になってしまうので、国語という基幹の科目でありながら文化と生活を習うのかというのは少しそぐわないと思います。
 例えば、そういう意味では、「生活言語」というふうにした方が座りは良いわけですし、「文化言語」という言い方は余り使わないけれども、まあそういうことになるのかなというのが1つですね。ですから、選択の方は割とこなれていて、「論理国語」とか「文学国語」というふうに主たるものが後に置かれているので、若しくは、「国語表現」で国語から表現へ発展するというような、先ほど国語探求という言い方もありましたけれども、そういう方向はまあ良いと思うので、必履修科目の方は、もう少し後半に大事なものが来るという意味で練った方がよいというのが1点目です。
 2点目は、国語と言語の使い分けなのですが、もちろん国語なんだから全部国語で良いというのはよく分かるんですが、方向性として、既に言語能力の向上に関する特別チームからもいろいろ意見がおりてきているように、必履修としては少し広めに言語として捉えるという方向性もあるのかなと思います。ですから、そういう意味で、選択でより日本文学や、現代文や、そういう個別なものに触れるという意味では、国語という二字熟語が最後に来るのは適切だと思うんですが、むしろ広い必履修の方は言語で修める。例えば、「生活言語」、要するに言語という言葉を入れる。これが逆に「国語生活」では、余りぴんとこないような印象が私はあるんですね。「言語生活」と言わんとしていることはすごく分かりますが、「国語生活」というと、一体何だろうかなという感じがします。ですから、むしろ基本的な言語の力という意味で、言語というのを基礎に据えていただきたい。
 3番目は、この内容を説明している中で、例えば言語文化であれば、文化というキーワードと言語というキーワードがはっきり示されているのですが、現代の国語と書かれている仮称の方が、国語というのが何回か出ているだけで、言語としての位置付けがないので、そこに言語としての国語の重要性といいますか、母語と考えても良いですし、様々な言語を対比した上でというような、そういうものが位置付けられるという意味では、私は言語という言葉をこの枠の中に入れるということが意義のあることだと思いました。

【北原主査】
 ありがとうございました。貴重な御意見だと思います。
 北村先生、お願いします。

【北村委員】
 前の方で、高等学校国語科の科目構成の検討について、主な意見のところを見ておりまして思ったことですので、多少前に返るかもしれませんが、言語文化のまとめのところと古典探究のまとめのところに、「文法嫌いが生む古典嫌いの問題を解決するためには、文語のきまりや訓読のきまりなどに歯止めをかけ」とありますが、きまりに歯止めをかけるのは少しおかしいのではないか、意味は分かりますが。これは、文語のきまりや訓読のきまりの学習重視、あるいは学習偏重に歯止めをかけて、文法中心の科目にならず、そういうしらべを大切にするということではないかということを思いました。意見のまとめですので、余りこだわらなくても良いかと思うんですが、少し文章的にどうかなと思いました。
 それは、確かに上の方で「漢文の書き下し文の語調なども学んでほしい」というようなところ、私、この前少し申し上げたんですけれども、そのときは余り勇気がありませんで。というのは、要するに、漢文御専門の先生から言うと、書き下し文を載せてしまうのは後退であると思われるかもしれないと。中学の教科書などで見ますと、書き下し文があって漢文があると、絶句なんか。次のところで漢文があって書き下し文、漢文があって書き下し文。入門期の補助といったような感じで書き下し文になっていますが、この前少し申し上げましたとおり、専門の出版社の方などでも漢文の、日本語の大事な要素である漢文の書き下し文の語調が身についていないというようなことなどを考えますと、書き下し文も古典の一部なので、そういうものを取り入れてはどうかと。小学校、中学校かもしれませんが。
 というのは、ある程度の長さが、我々の頃は「捕蛇者説」とかいろいろ漢文をやりましたけれども、漢文が割と端の方にありまして、絶句と、それから故事成語ぐらいをやって終わりという形だと、漢文の口調というものが身につかないので、これは大事な国語の要素なので、漢文専門の方には非常に抵抗はあるかもしれませんが、そういう漢文書き下し文、訓読文の形をそのままある程度の長さをもって入れていくということもこれから考えられて良いのではないか。そうすると、私は、あれが終わった後、家へ帰りまして読んでいた文章の中で、すぐに「猿のごとく」というのが出てきまして、「のごとし」と「がごとし」の問題がありましたけれども、確かに文章の中にありますので、そういうことを少し考えました。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 荒瀬先生、お願いします。

【荒瀬委員】
 先ほど御意見のありました教員の養成とか研修とかとのつながりというのはとても大切だと思うんですけれども、それをここで具体的にどうしていくのかというのはよく分からないんですが、少なくともほかの部会等でも出ているのを聞いておりましたが、要はこういう新しい科目構成をしても、大学入試がどうなっていくのかということからもすごく影響を受けて、結果的には、ここに書かれていることが生きないということになってしまっては、それは本当に困りますので、だからいかにして国語の力をつけていくのかということをきちっとした書き込みをする中で考えていかなければならないのだろうなということを思いながら承っておりました。
 私は、この現代の国語(仮称)に関して1つ申し上げたいことがあります。それは、この中で説明があるのは、「根拠に基づいて論述したり議論したりするために必要な能力」というふうにありますが、あるいはまた、その後に「多様な資料等を収集して解釈する能力」とありますが、これは高等学校でも相当に必要になってくるのが、まずその根拠に基づかないけれども、何か気付いたことを言語化していく中で、根拠を見付けていくとか、あるいは具体的になぜそれに対して自分が変だと思ったかとか、気付いたかということを論理的に説明していく力というのが多分非常に重要なのではないかと思います。言語の活動のスタートというのは、全てが根拠に基づいてということにはならないのではないかということを思っています。ですから、疑問であるかと、あるいは自分が気付いたことを言語化するような力ということを考えていくと、それは先ほど高木先生がおっしゃいました18ページのこの評価の観点のイメージとかにも私は重なっていくような気がいたします。
 もう1点、言語文化について申し上げますと、これは番組名を定かに覚えておりませんが、多分NHKの幼児番組で、それこそ様々な日本の詩でありますとか、漢文でありますとか、そういったものを題材にして、歌って踊って、あるいは何度も何度も口ずさんでということを子供たちが実際に出演してやっていて、それを子供たちが見ていて非常に興味深く感じていると。私の世代は、かつてそれがアメリカのセサミストリートという番組で、英語圏ではありませんので疑似体験ですけれども、高校のときに見て大変感動したことを覚えておりますが。
 要は、何を申し上げたいかといいますと、言語文化という形で高等学校でこのようなことをしようと思ったら、その基礎になる部分というのが非常に重要で、ですから、今は高等学校の国語科の改訂の方向性ではありますけれども、この高等学校国語科の改訂の方向性をある種決定するような部分が、小学校とか中学校とか、あるいは幼児期のそういう体験にあろうかと思います。「にほんごであそぼ」という番組だそうです。ありがとうございました。そういうところにつながっていくような流れというのを一方では考えなければならないなということを感じた次第です。
 以上です。

【北原主査】
 ありがとうございました。

【島田委員】
 島田です。必履修科目でありますけれども、こうして目標、内容などを見ますと、随分今とは変わるなという印象もあります。その一方で、本当にこのようなドラスティックな変化に現場の先生方が対応できるのかということ、それから、大学入試が変わらないと何も変わらないのではないかというような危惧も一方にはあります。
 ネガティブに見ようとすると、共通必履修科目のうちの現代の国語の方は、今の国語総合の中の非文学的な文章を集めて教えるような内容の教科、一方の言語文化の方は文学的な文章を集めて教える科目ということになってしまうと元も子もありませんので、目標あるいは指導事項でこれははっきり区別していくんだということを最初にお話しいただきましたが、そのあたりは是非最後まで指導要領の中にも書き込んで、是非ともそのあたり、明確な違いというのが出るようになったら良いと思います。
 また、先のことですけれども、その指導要領を基に教科書を編集するというようなこともあって、実際にはどういう教科書ができるかということも学校でどういう授業がなされるかということには影響は大きいのだろうと思います。そうしたときには、何でしょう、検定基準のようなものも少し見直される必要というのもあるのかなと考える次第です。
 以上です。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 では、児玉先生。

【児玉委員】
 では、2点ほど気付いたことを意見として申し上げたいと思います。
 私は、主として選択科目の方が少し気になって見ておったわけでございますけれども、例えば、今回お示しいただいた資料の中で、主な意見の2ページのところの「国語表現(仮称)」の2つ目のポツのところで、「映像を含む多様なメディア表現を扱うことは非常に重要である」という御指摘がございます。この扱うということの中身が、読むため、理解教材として扱うというだけではなしに、表現するものとしても扱うという意味で私はまずは捉えたいと思っていて、その理解で良いかどうかということはまず確認したいところです。それと同時に、これを決して「国語表現」だけの問題として捉えるのではなくて、「現代の国語」、「言語文化」、「論理国語」の全部に関わる、要するにメディアというものを理解したり表現したりするもの、音声や動画などというものを、言葉が含まれていればそういうものも国語の教材として取上げたり、表現の対象としたりするというようなことを積極的に推し進める必要があるのではないか。従来よりもより強めに書いておく必要があるのではないかと思いました。これが1点です。
 それからもう一つは、先ほど吉田先生から御指摘があったんですけれども、選択科目の中の「古典探究」とかもそうなんですが、もっと難しくといいましょうか、難しいという言い方がどうか分かりませんけれども、もっと専門的にといいましょうか、文学部日本文学科に進む学生さんたちももちろんこの科目を受けるわけですけれども、そういうものにもつながっていくような、そういうことというのはとても大事ではないかと思っていまして、そういう点から申し上げたいこと、これが2点目なんですが、「文学国語」の中にこんな文言がございます。「小説、随筆、詩歌、脚本等に描かれた人物の心情や情景等を読み味わい、表現の仕方等を評価するとともに」という言い方をしているので、これは揚げ足を取っているわけではないんですけれども、読み味わう対象が人物の心情や情景で、評価する対象が表現の仕方というふうに分けてやっているように読めるんですけれども、これは決して分ける必要はないわけで、文学研究では、鑑賞と批評ということは、内容に対しても表現に対してもどちらでもあるわけですから、例えば読み味わったり評価したりするということで、この2つのものを一元化する。と同時に、これは文学国語だけの問題ではなしに、「古典探究」においても「読み深める」ということの中身がこういった批評や鑑賞といったものを含む、そういう専門的なものに届いていくような、そんなものでありたいなと思いました。
 以上、2点です。

【北原主査】
 ありがとうございました。貴重な御意見です。
 氏原先生と横山先生、お願いしたいと思います。

【氏原委員】
 それでは、短く1点だけお話しします。前回、私は小中高を言語運用と言語文化の二つの柱で整理できるのではないかということを申し上げたわけです。今、委員の先生からもお話がありましたように、言語運用の能力を高めていくために、小学校段階ではどうするのか、中学校段階ではどうするのかというようなことが全部積み重なっていくと思います。冒頭、藤森委員がおっしゃったように、その汎用能力ですね。いろいろな教科で言葉を使って発表する、あるいは発表しているのを聞いて、それから自分で理解するとか、これは全部、言語運用能力ですよね。そういった汎用的な能力をきちっと育成する「現代の国語」と、文化を中心とする「言語文化」という形にして、なおかつこれらは、いろいろな意味で関連性がありますよね。言語運用能力が高まることによって、当然、言語文化の学びも深まっていくわけです。まず、言語運用を主とするところと、言語文化を主とするところというような形で分けて、それを2本の柱として小中高を通していくというような整理の仕方が分かりやすいのではないかなと考えております。
 以上でございます。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 では、横山先生。

【横山委員】
 幼児教育の立場から、この2つの「現代の国語」と「言語文化」というのは、子供たちの姿のどういうところから発展していくのだろうなというのを考えていたところです。荒瀬委員も言われていましたけれども、「現代の国語」を今を生きる言葉と考えていくと、多分「根拠」という前に言いたいことを見付けるとか、思いを伝えるということがある。資料1の方で、社会科の新しい科目で「問いを立てる」ということがありましたけれども、小さな子供たちにとってみると、根拠を持つ前に自分で何に疑問を持つかという「問い」や、自分は何を伝えたいかというところから始まっていくのかなと思ったところです。
 もう一つ、「言語文化」は、言葉の歴史ということなんだと思うんですけれども、言葉だけれども、先ほど「にほんごであそぼ」の話がありましたけれども、子供たちにとっては、まず体で表現してみたり、昔話も言葉だけではなくて絵本で絵とともに経験したりということで、文化、言葉の前に体を使ったり絵を使ったりという、その辺も多角的に捉えていただければ、小さな子たちの文化とつながっていくのかなと思った次第です。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 いろいろ良い御意見が出ておりますけれども、次の議題に移らせていただくので、この議題は終わりにさせていただきたいと思います。
 次の議題は、先ほども申しましたように、資料4についてですが、これはまだ御説明がありませんでしたね。では、小林補佐、お願いします。

【小林教育課程課課長補佐】
 それでは、資料4につきまして説明をさせていただきます。
 先ほど、荒瀬委員等からも御発言がございましたとおり、小中学校を通じた伝統や文化に関する学習の改善の方向性ということで、これも素案ということで示させていただいております。
 実際、この資料では、下に言語文化、古典探究とありますように、伝統と文化、高校の科目とありまして、その上の部分でございます。この資料では、小中学校、特に現行の学習指導要領におけます伝統や文化に関する学習の内容を3つに分けて整理をさせていただきました。「古典を楽しむ、古典に親しむ、言葉を手掛かりに、昔の人のものの見方や感じ方、考え方を知る」、また、「現代に受け継がれてきた言葉に親しむ」、「文字文化(書写を含む)に触れる」ということで、この3つに分けて整理をさせていただきました。
 この資料の中に下線が幾つかございますが、現在、実際の小中学校の授業の中でやっているものもあるかと思われますが、今回、現行の学習指導要領には明示的には示されてない内容でございましたので、下線を引かせていただきましたということでございます。
 その小中学校の内容と、実際にそこにつながる高校の科目、その科目の言語文化の点線の下の部分が小中学校の中身と点線の下の方につながっているというふうに読んでいただければと思っております。
 特に高等学校につきましては、古典に親しむとか、そういった親しむ、触れるという段階ではなく、高等学校は特に理解する、読み取るといった古典を学習するという内容になってきますので、そういった書き分けといったことをさせていただいております。
 以上、説明を終わります。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 これも方向性についての提案です。今まで高校の「言語文化(仮称)」と「古典探究(仮称)」を議論してきたんですが、小学校や中学校では、この伝統や文化に関する学習はどうあるかというのがこの案、資料4でございます。御意見がありましたら。では、大野先生、お願いします。

【大野委員】
 小学校の立場からお話をさせていただきます。
 前回の提示していただいた資料の中に、高等学校の生徒さんの中で古典を必要としないと、そういうふうに考えている生徒さんが三十数%もいるということがありまして、とても驚いたところでした。現在、小学校では、例えば、俳句、短歌、詩はもちろんですけれども、百人一首を覚えてそれを自分なりにアレンジしてみたり、あるいは、枕草子を読んで、その中の一部の言葉を使いながら、どういうところが自分に関心が持てたのかとか、そういったことで簡単な子供枕草子のようなものを作ってみたりとか、そういったものをやっているところもあります。また、漢文も子供たちに提示をすると、漢字は習ってきたものばかりではないんだけれども、そこから類推して、どういうことを言わんとしているものなのかといったことを考えて、興味を持ってまた自分なりにこれから調べてみようと思ったり、そういった子供たちもかなりいます。ということですので、これから5年後、三十数%ではなくて、古典を必要としない子供がもっと少なくなると思っています。
 改めてこの資料を拝見させていただいて、どうして子供たちが古典といったものを遠く感じてしまうのか。例えば、小学校で言えば、何かを親しむということで、音読をしたり、暗唱をしたりすることはあるんですけれども、それでとても興味を持って調べ学習などにつながる子供たちも大勢いますが、そこで終わってしまって、自分の生活と、あるいは自分の今とどうつながっているのか、1つの言葉が自分の生活のどこにつながっているのか、あるいは、自分が故事成語、あるいは慣用句といったもので元気をもらう、こういうふうな言葉は良いな、こういう言葉で生き方をより良くしていきたい、そういったところで自分の生活にどう生かしていくのか。親しむだけで終わってしまって、それを生かすと、あるいは自分の生き方につながっていくと、そういったところまでいくことが少ないので、もしかしたら関心が薄らいでいってしまうのかな、小中高と進むにつれて薄らいでいってしまうのかなと、そんなふうに思いました。
 ということで、こちらの方にありますけれども、小学校では「成り立ちや意味を知り、使う」とありますけれども、中学校では「文章を書く」というところでとどまっておりますが、このあたりをもう少し親しむだけではなくて、自分の生活や生き方につながるといったようなことも少し含めていただくと、昔の人のものの見方や感じ方、考え方を知って、自分との違いを比べてみたり、自分に生かせることを学んでいってくれる、そういった中学生、高校生になっていってもらえるのではないかなと、そんなふうに思っているところです。
 以上です。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。こちら、たくさんいらっしゃいますね、西先生から行きますか。西、藤森、宮澤先生。

【西委員】
 4点申し上げます。
 まず、今回のこのきょうの資料で、上の項目分けが一体どういう観点で立てられているのかが明確ではありませんでした。しかも、一番左の項目は内容が2つ入っているのはなぜなのかというところを少し補足していただきたいと思います。それがまず第1点です。資質・能力のことを言っているのか、それとも指導する内容のことをこの項目として示そうとしているのかが明確ではありません。
 それに関わって、小学校、中学校の楽しむ・親しむと、見方・考え方を知るという内容が、それぞれ混在していますので、例えば導入として、先ほど出てきたように、音読をするとか、朗読するとかというような形のものがそれぞれ小学校、中学校、2項目ずつあって、その下が見方・考え方を知るというような内容になっているので、であれば、項目は別に立てて、指導内容等に関わって別立てで考えていく方がより分かりやすくなるのではないのかと思います。
 中学校に関して言いますと、下から2つ、「古典を読む」、「文章を読む」というふうに切っていますけれども、それを通して考え方、見方を知るということになるのかどうか、そのあたりが少し明瞭に示されていないと思われます。
 2つ目でございます。真ん中のコラム、「現代に受け継がれてきた言葉に親しむ」の「言葉」という言い方に少し違和感を覚えました。例えば、考え方、思想というようなものに触れるとか、これは、現行の指導要領では、「見方、考え方に触れ」という言い方で出てくるので、ここのところを明確に、する必要があるのではないかと思いました。
 それから、3つ目ですが、「言葉を手掛かりに」というのは、文字言語だけのニュアンスがするんですね。逆に言うと、この言葉を手掛かりにしなくても、古典とどう接していって入っていくのかというところを少し間口を広く取っておくことが必要なのではないかと思いました。
 4点目です。文字文化のところですけれども、「書く」、「理解する」という言い方で全体をくくっていらっしゃるようですけれども、今は多様な書記手段というのがあるのであって、書記言語としての文字というのはどういうものなのか。そこに、例えば書くということだけではなくて、どう使うかという、そういった観点も必要になってくるのではないかなとこの資料を見て考えたところでございます。
 以上です。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 大分時間が押してきましたので、端的にお願いいたします。

【藤森委員】
 2点にします。
 1点目ですけれども、上の欄のところで「昔の人のものの見方」とありますね。この「昔の人」という言葉に若干抵抗を覚えます。これは、現代につながってくる日本人の伝統的なものの見方、価値観等ですから、この「昔の人」という表現を再考していただければと思います。
 2点目ですけれども、これは前から感じていたんですが、中学校以降が事項と言いながら、これはほとんど読むことに関わるような内容で、実際、教科書を見ると、小中高でかなり多くの教材がかぶっているんですね。先ほど小林課長補佐から大事な言葉がありました。民俗という言葉です。これは、あくまでも古文・漢文という大前提があるんですけれども、実は、伝統的な言語文化に関わるものは、祈りだったり、暮らしだったり、なりわいだったり、人々のこれまでの様々な生活場面を支えてくる、民俗学で言うところのこういった事項が関わってくると思うんですよ。そういった視点から、これを抜本的に再考する余地があると思います。そうでないと、結局、古文・漢文を読む授業という形は消えないのではないかなという印象があります。その意味で、ベースは合意なんだろうなと思っています。合意をどう育てていくのかということがポイントだと思いました。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 では、宮澤先生。

【宮澤委員】
 若干各論になるかもしれませんが、よろしくお願いします。
 先ほど来、科目の、「現代の国語」とか、「言語文化」とかというようなお話がありました。私の専門的なところは、書き文字というところからお話しさせていただきますと、前回も出ましたように、前回の科目構成の検討について、主な意見の中で、「現代の国語」の中に社会に出て困らない程度の日常生活の書式云々というのがあります。そういう観点からしますと、「現代の国語」というよりも、生活の中でどう機能していくかということが重要なのであって、生活というような言葉が少し前面に出てくれるとありがたいなと思います。
 それから、資料4でございますけれども、小中学校の内容をうまくまとめてくださって、更に高等学校につながるということで、これは、下線は新たなものということで理解してよろしいでしょうか。更に敷衍させたものとしてこれから入る可能性があるという。

【小林教育課程課課長補佐】
 現状でも、学校現場においては行われているのですが、明示的に学習指導要領には記載されていない部分ということでございます。

【宮澤委員】
 そういう意味で、今もあるのかもしれませんが、非常に更に進んだ捉え方だと思います。例えば、文字文化の中学校のところでは、「文字文化の多様性や表現の豊かさ」と、この「表現の豊かさ」というところに下線が引かれておりますけれども、これは1つのパラ言語としての要素を私は考えています。今、中学校では、まだここまでは、やられる方はやっているかもしれませんが、非常に限られているだろうと。この要素は、高等学校の芸術科書道につながる部分だと思いますので、こういう要素をこれからも考えていってほしいなと思います。
 それから、その下に「漢字の由来、特質について幅広く理解する」とあります。これはもうもちろんだと思いますが、文字というと、その1字1字をどうする、どう書くかというようなところに特化しがちなんですが、もっともっと言葉をどう書くかという、そういう視点をもっと持つ必要があるのではないか思います。
 それから、言語文化の必履修科目のところに、我が国の多様な文字文化について考察するとございますけれども、今申し上げましたように、言葉というものとどう関連付けるかということが大事だと思いますし、また、単に文化だけではなくて、他の要素もいろいろとあろうかと思います。例えば、古典だとか、そういうものとどのようにリンクして文字文化を捉えていくか、そういう視点も大事だろうと思います。
 以上です。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 それでは、高木さん、お願いします。

【高木(ま)委員】
 それでは、大きく1点だけ申し上げたいと思いますけれども、先ほどの科目名とか科目の内容にも関わってはくるんですけれども、改めまして国語の資質・能力の「学びに向かう力、人間性等」というところをもう一度読み直してみますと、以後、書いてあると思うんですけれども、つまり、社会の在り方とか、自分の生き方とか、そういうことについて向かっていくという、そういう部分があると思うんですけれども、先ほどの改訂の方向性、実は含まれているのだといえばそうなのかもしれませんけれども、そういう文言がその科目の内容とか名称とか、そういうところから十分に伝わるのだろうかというのは少し気になっていたところでありました。
 そういう意味で名称なんかはどうなのかなと思っていたのですが、改めて今回またこの古典の方を見てみますと、読み取ったり継承したりというところに比重がどうしてもあるような気がしますけれども、この古典というのは、昔から受け継がれてきたプロセスでは、自分の今の生活に生かすという側面が非常に強かったと。だから継承もされてきたのだと思うんですけれども、そういうものを改めて古典の中に位置付ける必要があるのではないかなと。先ほど、大野先生がおっしゃっていたと思いますけれども、生活や生き方につながっていくということを、改めて高校でしっかりと押さえておくということが必要なのではないかなと思いました。
 例えば、日記系の文学でしたら、自分を見つめるとか、今で言う自分を見つめるとは少し違うと思いますけれども、自分に向かってくる言葉。それから、文学としての、昔の古典は恐らく政治的なものでもあったでしょうから、そういう面で見ますと、社会とのつながりというようなこともあると思いますけれども、そういう古典のというか、文章の働きというものをもう一度古典を通しても学び直すというようなことがあっても良いのではないかと。それが古典の例えば探求とか、言語文化のところにそれぞれその学年に応じた形で入っていくということを意識して、教科、名称と内容、考えていく必要があるのかなと思いました。ということです。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 それでは、島田先生、お願いします。

【島田委員】
 それでは、資料4に限って1点申し上げます。
 資料4の右端のコラムに文字文化というところがありまして、実はここに含まれているのかもしれませんが、先ほど何人かの委員から、文字をどう使うかということも意識したいと、あるいは、言葉をどう書くかということも意識したいと。実は、小学校の学習指導要領の中では、今はもう3・4年生のところに既に平仮名、片仮名などをどのように交えて書くかという表記に関する指導事項が1点入っておりますので、ここにもそういう表記、どのように漢字仮名交じり文を書き表すかというような観点があると良いかなと思います。中学校のところで「効果的に文字を書く」というのは、きれいに早く書くということもありましょうけれども、文章あるいは文を漢字と仮名を使って、それをどう交ぜ合わせると一番読みやすいか、あるいは書きやすいのかというようなことになってこようかと思いますので、そのあたりも少しあると良いかなと思いました。
 以上です。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 急がせて済みませんが、荒瀬先生、児玉先生と行きますね。

【荒瀬委員】
 ありがとうございます。
 先ほどの西委員がおっしゃったことが私も全く同じでして、今後、検討していく中で、三つの柱に応じた形でどのように変えていくのかということを検討しなければならないのではないかなと思います。少し荒っぽい言い方で大変恐縮ですが、少なくともこの小学校、中学校に書かれているこの内容を読んで、果たしてその小学校、中学校で国語がおもしろいとか楽しいというふうに児童生徒が思うだろうかということが、多分この三つの柱、資質・能力の三つの柱に向けて考えていくときには、非常に重要なポイントではないかなということを思いました。
 以上です。

【北原主査】
 ありがとうございます。大事な観点だと思います。
 児玉先生、お願いします。

【児玉委員】
 今回のこの資料4を拝見したときに、前々から思っていた、感じていたことでもあるんですが、伝統的な言語文化といったときに、何かが欠けているような印象を持ったんですね、それはずっと思っていたんですけれども、それは何かというと地域という観点なんですね。空間と時間というのがクロスしたところに言語文化があるというふうに、そういうふうにトータルに考えてみますと、例えば、この伝統的な言語文化をできるだけ子供たちが我がこととして学ぶためには、地域というキーワードを入れていく。小学校なんかでも地域の例えばカルタがあるとか、方言カルタがあるとか、地域にそういう文学館があるとか、そういったものを積極的に活用していくような学習がこの伝統的な言語文化の学習の中の1項目として入ってくる、それが非常に必要になってくるのではないかなということをかねがね思っておりました。
 とりわけ今回の表で申し上げれば、ちょうど真ん中のところ、「現代に受け継がれてきた言葉に親しむ」というあたりに地域の問題に入れるとか、あるいは小学校のところに入れるとか、何かその辺の工夫は今後検討する必要があるかと思いますが、いずれにせよ地域というキーワードをどこかに入れることで学びがより実感的になるのではないかと思いました。
 以上です。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 余り時間がありませんので、特にここで付け加えたいという御意見がありましたら。
 よろしいですかね。なお、きょう御発言できなかった方もどうぞペーパーで事務局の方に御意見をお寄せいただきたいと思います。あるいは、きょう御発言になっても、もう一度念を押したいという方もどうぞペーパーでお願いしたいと思います。
 まだ議題がありまして、最後に、次回以降の議論に関係しますけれども、先ほども問題になりましたけれども、学習評価の改善に関する今後の検討の方向性の説明をいただく資料5がございますので、それからもう一つ、参考資料というのがありまして、常用漢字表の字体・字形に関する指針、これは今、文化庁の文化審議会で議論されているようですが、学校教育における漢字指導の在り方についての説明を事務局からお願いしたいと思います。大杉室長、お願いいたします。

【大杉教育課程企画室長】
 それでは、まず、私の方から資料5について、学習評価の改善に関する今後の検討の方向性でございます。
 先ほど、議論の中でも既に御紹介をいただきましたけれども、これにつきましても、各ワーキングで三つの柱に基づく資質・能力の整理を進めていただいていることを受けて、総則・評価特別部会におきまして共通の考え方を御整理いただいているものでございます。
 1枚おめくりいただきますと、1ページ目でございます。「目標に準拠した評価」を資質・能力との観点から実質化していくために、以下のような方向性に基づいて御検討いただきたいということでございます。
 育成すべき資質・能力を踏まえた目標や指導内容の明確化でございますけれども、既に御議論いただいておりますとおり、各教科等の目標、資質・能力の三つの柱に基づき構造化するということ。そして、本日も御議論いただきましたけれども、各教科等の特性に応じ育まれる「見方や考え方」について明確化すること。ここにつきましては、先ほど御指摘いただきましたように、メタ言語という観点と、もう一つは、それによって他教科の「見方や考え方」にもかなり深く基幹教科として関わってくるというような2つの考え方が必要かと思いますけれども、そういったことも踏まえながら、今後「見方や考え方」についての明確化についても御議論をいただきたいと考えております。それから、指導内容につきましても、資質・能力の考え方に基づき構造化していくということ。また、三つの柱で御整理いただいておりますけれども、これらはばらばらということではなくて、相互に関係し合いながら育成されるものでございますので、これは共通の方向性として総則などで示していく方向で検討していくということでございます。
 続きまして、観点別評価でございます。観点別評価につきましては、前回改訂時に既に学力の3要素と評価の観点の関係性を整理していただいているところでございます。これを受けまして、観点別評価の実施率も高い状況であるということ、難しいとされてきました思考・判断・表現の評価の在り方に関する様々な実践も進展しているということがございます。一方で、子供たちの資質・能力の育成ということに向けて、指導と評価を一体化していくといった観点からは、まだまだ質的な改善の余地があるのではないかという指摘もあるところでございます。「目標に準拠した評価」の実質化、あるいは教科・校種を超えた共通理解に基づく組織的な取組みということを促していく観点からは、別添イメージを踏まえつつ観点を御検討いただきたいということです。具体的な観点の書きぶりや趣旨の記述については、各教科の特性を踏まえた表現ぶりを御検討いただきたいということでございますが、5ページ目にございます知識・技能、思考・判断・表現、そして主体的に学習に取り組む態度、この3つに基づきまして御整理をお願いしたいということでございます。
 1ページ目に戻りまして、観点別評価については、毎回の授業で全てを見取るのではなく、カリキュラム・マネジメントの考え方の下、単元や題材を通じたまとまりの中で評価の場面を適切にデザインしていく、設定していくということでございます。
 また、2ページ目でございますけれども、現在御検討いただいております学習活動の在り方、学習プロセスの在り方ということの中で評価の場面との関係性も明確にしていただきたいということでございます。複数の観点を一体的に見取るということも考えられるのではないかということでございます。
 3つの観点それぞれについてでございますけれども、「知識・技能」については、事実的な知識のみならず、構造化された概念的な知識の獲得に向かうことや、一定の手順に沿った技能のみならず、変化する状況に応じて主体的に活用できる技能の習熟・熟達に向かうことが重要であるということ。一方で、こういったことについては、発達の段階に応じた重点ということも出てこようかと思いますので、その発達の段階に応じて、どのような知識・技能を獲得することが求められるのかを明確にできるように工夫いただければということでございます。
 また、「思考・判断・表現」につきましては、各教科等の特性に応じ育まれる見方や考え方を用いた学習のプロセスということを通じて評価することになろうかと思います。そういった、どういった思考・判断・表現というものを見ていくのかということを明確にするということ。そして、思考力・判断力・表現力は一足飛びに成長するというよりは、一定の時間をかけて成長していくものでございますので、学年等を超えた整理ということについても考えていく必要があるのではないかということでございます。
 「主体的に学習に取り組む態度」でございますけれども、これと資質・能力との関係性でございます。「学びに向かう力・人間性」の柱でございますけれども、この柱の中には、「主体的に学習に取り組む態度」として観点別評価を通じて見取ることができる部分と、評定等にはなじまず個人内評価を通じて見取る部分があるのではないかということでございます。また、「主体的に学習に取り組む態度」につきましては、挙手の回数やノートの取り方などの評価ということではなく、子供たちが学習に対する自己調整を行いながら、粘り強く資質・能力を獲得しようとしているかという意思的な側面を捉えて評価するということでございます。実際、このことは現行の「関心・意欲・態度」についても、本来は同じ趣旨でございますけれども、なかなか誤解が払拭し切れないという問題点が長年指摘され、現在に至るわけでございます。これを踏まえまして、「関心・意欲・態度」を改めまして、「主体的に学習に取り組む態度」としたということでございます。こうした趣旨に沿った評価が行われますよう、適切に評価の場面を見通し、振り返りなどを設定していくということが必要であるということでございます。
 観点別評価、3つの観点について、現在示されていない観点がある教科等につきましては、各教科等の特性を踏まえながら明確化の御検討をお願いしたいということでございます。
 3ページ目でございます。指導要録の在り方につきましては、総則・評価特別部会の議論を踏まえながら引き続き専門的に検討していくということ。
 また、指導要録に加えまして、子供たち一人一人がみずからの学習状況やキャリア形成を見通し、振り返ることができるようにするための何らかの仕組みを検討していくということでございます。これを通じて、子供たちが自己評価を行うというようなことも学習活動の重要な一部として位置付けていくこと、そして、教員が対話的にそれに関わることの重要性ということでございます。
 こうしたことの中で、学びのポートフォリオや個々の学びの特性が校種を超えて共有されるような仕組みの在り方も検討していくということでございます。
 こうした点を含めまして、学習評価に関する残された論点については、総則・評価特別部会において引き続き検討させていただくということとしております。
 それでは、引き続きまして漢字の件につきまして、小林補佐からお願いします。

【小林教育課程課課長補佐】
 それでは、続きまして、本日の参考資料になります。学校教育における漢字指導の在り方についてという資料でございます。
 まず、資料について1枚おめくりいただきまして2枚目でございますが、常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)(文化審議会国語分科会)の概要ということでございます。これについては、本日、文化審議会で報告がなされている事項でございます。
 この指針は、漢字の字体・字形に関して、常用漢字表の「字体についての解説」の内容をより分かりやすく周知しようとするものでございまして、「手書き文字と印刷文字の表し方には、習慣の違いがあり、一方だけが正しいのではない」また、「字の細部に違いがあっても、その漢字の骨組みが同じであれば、誤っているとはみなされない」となっています。また、この指針は、常用漢字表、2,136字全てに対して、印刷文字と手書き文字のバリエーションを例示するものになっております。
 1枚目にお戻りいただきまして、この指針が出まして、テレビ、新聞等でもいろいろ報道等もなされたところでございますが、学校教育においても触れられておりまして、この国会におきまして、文部科学大臣から発言がございましたので、そちらを紹介させていただきます。
 馳文部科学大臣のところでございます。その下の方の2段落目になりますが、「そのため」ということで、「今回の指針(案)によって、これまでの学校教育における漢字指導の在り方が変更されるものではありません」ということ。また、すなわち、学校教育における漢字指導の際には、学習指導要領にあります学年別漢字配当表の字体を標準として指導を行うこととなっていること。また、更に段落が2つ下がりまして、「一方」ということで、児童生徒の書く文字を評価する際には、「文字を一点一画、丁寧に書く指導が行われる場合など指導の場面や状況に応じて、指導した字形に沿った評価が行われる場合もあることは勿論であります」ということで、国会において、大臣が答弁をいたしております。
 また、こういった、実際いろいろ報道等がなされておりますが、こういった形での紹介ということで、本日は参考資料で紹介させていただきました。
 以上でございます。

【北原主査】
 ありがとうございました。
 今、2つの、資料5と参考資料ですが、学習評価の改善に関する検討は、今後やっていくわけですね。これは予告というか、勉強しておいていただきたいという資料ですね。
 それから、漢字指導の在り方というのは、国語分科会で決めたことを文化審議会の全体会議で、きょう報告されているという、そういうものでございます。

【小林教育課程課課長補佐】
 今回の漢字指導の在り方については、学校教育においては、従来の漢字指導の在り方と変わるものではないということを強調させていただきたいと思います。

【北原主査】
  以上をもちまして、本日予定しておりました議題は終りです。
 次回以降の日程などについて、事務局から説明をお願いいたします。

【小林教育課程課課長補佐】
 次回の日程につきましては、後日、連絡させていただきます。また、主査からもお話がありましたように、ペーパーによる意見等も頂戴いたしたいと考えております。ファクス又はメール、郵送でも結構です。
 なお、本日の配付資料につきましては、机上に置いておいていただければ、後ほど郵送させていただきます。

【北原主査】
 よろしいですか。
 それでは、本日の国語ワーキンググループを以上で終了いたします。ありがとうございました。

―了―

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