特別活動ワーキンググループ改善の方向性について(案)

「論点整理」で示された方向性に沿って,これまで特別活動ワーキンググループで検討してきたことに基づき,以下のような点を中心に改善を図る。

<課題とさらなる期待>
○ 特別活動がこれまで果たしてきた役割,各学校等における特色ある取組,国際的な評価を踏まえつつ,以下のような課題について対応。→資料9 p1.1
  (1)特別活動を通して育成する資質・能力の視点
      学級活動・ホームルーム活動,児童会活動・生徒会活動,学校行事や小学校のクラブ活動の時間で育成する資質・能力,教育課程全体の中における特別活動の役割,機能を明確にすることが必要
  (2)学習指導要領における特別活動の内容の示し方の視点
      各活動の関係性や意義,役割の整理が十分でないまま実践が行われている。特別活動が果たしている役割,機能が暗黙知となっていて特別活動として意識されていない。
  (3)複雑で変化の激しい社会の中で求められる資質・能力の視点
     
<改善の方向性>

【見方・考え方】
○ 特別活動の指導において重要となる三つの視点(「人間関係形成」「社会参画」「自己実現」)を踏まえ,特別活動の特質に応じ育まれる見方・考え方(P)を明確化する。→資料2,資料3,資料9 p6.2(1)

「各教科等の特質に応じて育まれる見方や考え方を総合的に活用して,集団や社会の形成者という視点から問題を見いだし,よりよい人間関係の形成,よりよい集団生活の構築や社会への参画及び自己の実現の視点からその問題を解決するために考えること」

【育成する資質・能力の整理】
○ 特別活動で育成する資質・能力を,各教科共通の三つの柱(知識・技能,思考力・判断力・表現力等,学びに向かう力・人間性等)と特別活動の三つの視点(人間関係形成,社会参画,自己実現)に基づき整理。→資料2,資料4,資料9 p6.2(2)1

○ 特別活動が教育課程全体の中で果たす役割を明示。→資料3,資料5,資料9 p11.2(2)2
(1)特別活動の各活動を通して資質・能力を育むこと
(2)各教科等におけるより主体的・対話的で深い学びの実現に寄与すること
  (3)教育課程外も含め学校文化の形成等を通して学校全体の目標の実現につなげていくこと

【資質・能力の育成に向けた教育内容の構造化】
○ 学校生活を送る上での基礎的な生活の場であり,授業時数が示されている学級活動・ホームルーム活動を中心とし,その他の活動及び学校行事において育成すべき資質・能力が明確となるよう構造化を図る。→資料4,資料9 p14.3(1)

◆ 学級活動・ホームルーム活動の内容構成を,小・中・高等学校を通じて育成すべき資質・能力を育む観点から整理。→資料8,資料9 p14.3(1)
・ 小学校の学級活動の内容に(3)を設け,キャリア教育の視点からの小・中・高等学校のつながりを明確になるよう整理する
・ 中学校,高等学校において,学級・ホームルームの課題を自分たちで見いだして解決に向けて話し合う活動として(1)の内容を重視する視点から,(2),(3)の内容を整理する

◆ 各活動の構造を整理するに当たっては,総則の構成の見直しや,現代的な諸課題(キャリア教育,防災を含む安全教育,食に関する視点,主権者教育の視点,障害者理解・国際理解,集団宿泊活動,情報活用能力等を踏まえて整理。→資料8,資料9 p16.3(2)

○ 教育活動の全体の取組をつなぎ自己のキャリア形成につなげていくための中核的な時間として,特別活動を位置づける。→資料9 p24.4(3)
・ キャリア教育は学校の教育活動全体で「基礎的・汎用的能力」を育成するものであり,わい小化して捉えられないよう留意しつつ,特別活動がキャリア教育の中核を担うことを明示。
・ キャリア教育に関わる活動について,学びのプロセスを記述し振り返るポートフォリオ(「キャリア・パスポート」(仮称))的な教材を作成し,活用することが考えられる。

【学習・指導の改善充実】
○ アクティブ・ラーニングの三つの視点「深い学び」「対話的な学び」「主体的な学び」の視点に即して特別活動の授業改善を整理。→資料9 p21.4(2)

【必要な条件整備】
○ 教員の研修,「チームとしての学校」の視点,学校間の連携,地域や家庭との連携・協働,小規模校における工夫などが求められることを示す。→資料9 p25.5

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