特別活動ワーキンググループ(第4回,平成28年2月24日)における主な意見(未定稿)

1.特別活動において育成すべき資質・能力について

○ 「人間関係形成」,「社会参画」,「自己実現」という言葉に違和感がある。自分らしい生き方などの方が,特別活動として目指す在り方に近いのではないか。
○ 完成され得ない人格に向かって成長していくことの志向性を示した概念として,自己実現というキーワードを使うということであれば理解できるのではないか。
○ 自己指導と自己啓発によって,自己実現といったものが象徴的に書かれているということが,何らかの形で示されればよいのではないか。
○ コミュニケーションそのものを学ぶ場が特別活動である。
○ 主体性を小・中・高で育んでいくことも特別活動で大事なポイントである。
○ どのような社会に向かっているのか,どのようなビジョンをもっているのかという最終的な道筋を示すことで,様々な力を統合するような議論ができる。
○ 合意形成や,価値観の違う多様な他者の個性を理解など,全体としてまとまるというところに力点が置かれているように感じた。もちろん,それは重要だが,対立を恐れず自分の意見を全体の前で述べることなども含めて示すべきだ。
○ 気の合わない人も気の合う人もおり,それでも集団で何ができるかを考える機会をもつことが,特別活動の意義である。
○ キャリア教育というのは,何か特別なプログラムではなく,理念や方向性であるので,それを中核にできるのは特別活動である。
○ 集団宿泊活動において,想定しないことに直面したり,困難な場面に遭遇したりした際に対処できるような粘り強く取り組む態度,応用力・適応力,柔軟性,あるいは感動体験を共有することによって生まれる連帯感や所属感が育成される。効果を上げるためには,一定の活動期間を確保することが必要。
○ 話合いの過程やその結果を振り返り,分析する力が重要。
○ 付けたい力が明示され,その到達の段階としてルーブリックが最初に明示されていると,このように進んでいけばよいのだということが生徒に見えて,その評価基準やルーブリックは生徒の意欲を高めるものになるのではないか。

2.特別活動の意義や役割について

○ 特別活動の質を全体的に上げるためには,特別活動で児童生徒が活動したことについての適切な評価が必要。少なくとも自分の成長を認識できるような自己評価ができて,自分の成長を振り返り,今後の見通しを持つことのできる評価が必要なのではないか。また,それが自分にも他者にも見える化されることが大事。
○ 小・中・高等学校によって特別活動の実態には差があり,教師が他の学校種の取組を実際に見ることが重要。
○ 小・中・高等学校で一貫したものを目指すのは重要であるが,学校段階によって重点化するものは変わってくる。
○ 児童会選挙を活発にすることが民主的な主権者教育にもつながりうる。
○ コミュニティ・スクールとして子供自身のポートフォリオを学校種の間で共有する取組などを行っている地域では,特別活動などにおいて,子供たちが積極的に話したり取り組んだりできる雰囲気ができている。
○ 授業時数の確保の観点から,行事などの準備のための時間が減らされている実態もあり,柔軟な運用が必要ではないか。
○ 高等学校の特別活動が充実していないという指摘が生まれる背景には,特別活動の意義が高等学校の教員に伝わっていないということがあるのではないか。
○ 身に付けさせたい力と,その評価の一体化をどのように示していくかが重要。
○ 道徳や社会科とうまく関連を図ることが必要。
○ 特別活動の中で望ましい集団の在り方ができていると,各教科におけるアクティブ・ラーニングも進みやすい。例えば,グループ活動とか話合い活動がうまくいくことが,各教科での話合いがうまくいくことにつながり,今度はまた特別活動の方にも生かされていく。このようなアクティブ・ラーニングが,各教科等の往還の潤滑材となりうる。
○ キャリア教育の要の時間は特別活動であると言い切れるのであれば,明確に示すべきである。そのぐらいしないと,学校は大事だと思わないという現状がある。
○ 各教科等との往還の前に,特別活動の中での往還ができていない現状がある。

3.その他

○ 特別活動で一番の課題となっているのは,教材がないということ。例えば,ポートフォリオ的なキャリアパスポートなどが必要ではないか。

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