必要な支援,条件整備等にかかる家庭、技術・家庭ワーキンググループにおけるこれまでの主な意見の概要(未定稿)

【指導体制(少人数、TT等)、地域の教育力、地域人材の活用等】

○ 現実的には、子供たちの生活経験が下がっており、実際には危険な状態で調理実習が行われていたりするので、調理実習はティームティーチングで行ったり、クラスを半分に分けて少人数で行ったりすることができるような環境を求めたい。
○ 学習内容が盛りだくさんであることから、大綱化することなどが必要である。カリキュラムマネジメントの在り方を、教員全体で共通理解を図っていくことが重要である。
○ 小中連携の一つとして、教科の専門である中学校の家庭分野の教員が小学校に出向いて家庭科の授業を学級担任とティームティーチングで指導ができるとよい。
○ 技術教育の課題としては、授業時間が少ないことと、教員が少なく、教材研究がしにくいことである。
○ 家庭において自立に必要なことが、様々な家庭状況の中、伝承されにくくなっている。小学校の家庭科の授業で初めて針と糸や包丁を持ったり、中学校で初めて洗濯機を使ったりしている。今の家庭では、昔は当たり前であった、うどんをうったり、出汁をとったり、ミシンを使うといった経験が積めなくなっていることから、学校で教育することは生活文化の理解につながる。その際、地域人材の活用が大切である。家庭科は社会と関わりをもつことができる教科である。
○ 高校では、関係機関と連携して、地域の課題に取り組んでいる例も見られることから、主体的に地域社会に参画しようとする態度を一層身に付けさせることが重要ではないか。
○ 地域の中での異年齢・世代の方との交流から、コミュニケーション能力が育ったり、学びに向かう力を育んだり、柔軟な発想力が育ったりする。そのためには地域の教育力を活用することが大切なのではないか。
○ 確実な技能習得、作る楽しさの享受、作品へのオリジナリティの付加のためには一層の指導の工夫や人的・物的な環境整備を行うことが必要。例えば少人数のグループで相互に協力・協働しながら技能を確実に身につける、家庭や地域との連携による指導ボランティアで個別指導が可能になるような指導体制をつくる、小学校と中学校の連携により複数の教員による指導を可能とするなど。
○ 特別な支援を必要とする児童生徒への対応もあり、また、実習等で危険を伴う道具を扱うこともあることからできるだけ少人数での授業が望ましい。また児童生徒の生活体験の不足への対応にも少人数での指導の効果が期待される。
そのため、1クラスを二つに分けるなどして、20人程度の規模で学習することを一般化する、また、特別な支援を必要とする児童生徒が実習等を行う場合には支援員を配置する、ことを検討していただきたい。
○ 全国小学校家庭科教育研究会の全国調査によると、特別な支援が必要な子供達への安全面での配慮や個に応じた指導の必要性から「補助指導等のための人的配置が必要」と35%の教員が回答しており、地域人材を活用するなど指導体制の整備が必要。また、小学校は学級担任が家庭科の授業をしているため、校区の中学校の専科教諭とティームティーチングができれば専門的な指導が可能となる。

【他教科等との連携】

○ 他教科等との連携について、特に小学校の生活科、図画工作科、理科、特別活動、総合的な学習の時間、中学校の数学、理科、社会、総合的な学習の時間や学習活動として、ものづくりやプログラミング、設計、制作図等との連携に意を用いる必要がある。
○ 家庭科で学習した内容を他教科等で体験したり、また他教科等で体験したことをもとに家庭科で学んだりということが必要。

【教員等の配置、研修】

○ 日進月歩の内容を取り扱う教科の特性、学校内に担当教員が通常1人という状況を踏まえると、自主的な研修では限界があり、経験年数や専門性を考慮した研修を充実させる必要がある。また臨時的に指導する教員への研修、非常勤講師への研修は安全かつ適切な授業に必要不可欠。
○ 情報の指導に関して指導スキルの問題と研修機会の不足が課題であり、しっかりとした研修と指導が必要。またプログラミング学習をきちんと指導できる教員の指導力向上が課題。
○ 少子化により学校規模が小さくなり、定数として配置される教員数も減少傾向にある。授業時数が少ない技術・家庭については免許を有する教員の配置が難しく、免許外教員や非常勤講師で対応している学校も少なくない。技術・家庭は社会の変化とともに内容も変遷してきており、学習指導要領に示された目標・内容に沿った授業を実施していくためには研修は重要。特に非常勤講師や免許外担当教員は必要性が高い。また、実践的・体験的な活動が多い教科であり、準備等にも大きな労力が必要。
そのため、校区内の小中の兼務や隣接する中学校同士を兼務する技術・家庭科の教員を定数外で特配として配置できるようにしてほしい。また非常勤講師の研修機会を確保してほしい。
○ 指導主事配置調査においても30年前の218人と比べると現在は94人となるなど、指導の受けにくさや研修の機会が十分ではないと考えられる。

【教材等】

○ 全国小学校家庭科教育研究会の全国調査によると、「ICT機器やソフト教材」の整備状況は32%、「ICTを活用した授業」は37%で、教材教具は子供達の学習に大きく影響するので、計画的に整備・充実し、授業での活用を図ることが必要。
○ 施設、設備、教具の不足について、学習指導要領で示された指導内容について、どの学校でも必要とされる教材については、基準等を設けて、各教育委員会に促すようにすると自治体による格差が少なくなる。プログラミング学習が可能な環境を整備できるような支援も必要。

参考
~その他、関連するご意見~

【交流活動】

○ 身近に幼児や高齢者がいない家庭で育っている生徒も多い。少子高齢社会を踏まえて、中学生というまだ成長過程にある時期に幼児との触れ合いや高齢者との交流などの学習を取り入れることは、とても大事なことである。忙しい生活の中で、全くそのような年代の人たちと関わらずに、学校と家庭の往復だけで終わってしまうところもあるので、このような学習をこれからも充実させていくことが必要である。
○ 少子高齢化で豊かな長寿社会を目指していくためには、地域の教育力を生かし、子供が高齢者と関わる機会も大事なこと。

【キャリア教育】

○ 職業に対する関心はとてもいいキーワードだと考える。今、幼・小・中・高とキャリア教育に関する取組がされているが、中学校での職場体験にはある程度制限があって、サービス業などが中心で、技術開発などの体験のチャンスは少ない。その点、技術教育の中で、技術とともに、技術開発に携わる者やテクノロジーそのものを尊敬する態度などが育成できるとよい。

【生活の課題と実践】

○ 小学校段階においても高等学校のホームプロジェクトのような問題解決的な学習を取り入れることが必要ではないか。子供が価値判断を自然と身に付けられる取組などが重要である。

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