ここからサイトの主なメニューです

教育課程部会 特別支援教育部会(第6回) 議事録

1.日時

平成28年2月22日(月曜日) 13時00分~15時30分

2.場所

中央合同庁舎第7号館東館 文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 知的障害のある児童生徒のための各教科の改善・充実について
  2. 高等学校における通級による指導について
  3. その他

4.議事録

中央教育審議会初等中等教育分科会 教育課程部会特別支援教育部会(第6回)

平成28年2月22日


 【宍戸主査】  それでは、中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会特別支援教育部会の第6回を開催したいと思います。
 本日は堀江委員が所用でお休みです。田中委員は御出席の予定ですが、少々遅れて御到着の予定です。
 前回に引き続き、報道関係者より会議の撮影及び録音の申出がありまして、それを許可しておりますので、御承知おきください。
 初めに事務局より、事務局の人事異動の紹介、そして配付資料の確認をお願いします。
 【太田特別支援教育課課長補佐】  それでは、事務局の人事異動について御報告させていただきます。2月8日付で初等中等教育局特別支援教育課長に着任しました丸山でございます。
 【丸山特別支援教育課長】  2月8日付で特別支援教育課長を拝命いたしました丸山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 【太田特別支援教育課課長補佐】  あと、本日は所用で遅れて参りますが、特別支援教育課専門官に着任しました田井が出席予定でございます。人事異動は以上でございます。
配付資料の確認をさせていただきます。第6回の議事次第に記載しておりますとおり、本日は資料1から資料10までを配付させていただいております。不足等がございましたら、事務局にお申し付けください。よろしくお願いいたします。

【宍戸主査】  田中先生も今御到着ですので、これから本題に入りたいと思います。
まず資料9について、2月10日に開催されました体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループ(第6回)において、特別支援教育の観点からの議論が幾つか行われたと聞いておりますので、ワーキンググループでの主な意見につきまして、事務局から御説明をお願いします。
 【大杉教育課程企画室長】  失礼いたします。各教科を含めた特別支援教育の在り方につきましては、本特別支援教育部会で御議論いただきましたものを総則・評価部会を経由して全ての教科等別ワーキングにつながせていただいているところでございます。各教科等の特性に応じた議論が進められているところでございますけれども、今回は特に体育・保健体育ワーキングにおきましてかなり充実した議論を行っていただきましたので、この部会におきましても参考までに御紹介させていただきたいと思います。資料9をお手元に御用意いただければと存じます。
 資料9でございます。体育・保健体育における特別支援教育の観点から必要な支援等についてということで少し御紹介をさせていただきます。
 例えば、必要な支援を行う上での重視すべき視点について、体を動かすとき、健康を保っていくときに、多様な人たちがこの世の中に共存しているということを知識として子供たちに提供していくことが大切な視点ということ。
 健常者も障害者も一緒になってスポーツを楽しむことが求められていると思うが、特に健常者が障害者のスポーツに対する意識とか、本当に共に楽しむとか、相手の立場を思うということを伝えていかないといけないということ。
また、小・中・高と子供たちがどのように発達していくのかということについて、通常学級の先生も、特別支援学級の先生もしっかりと押さえて、なめらかにつながっていけるようにする必要がある。
 障害のある子供たちの健康課題や健康特性あるいは行動の特性はかなり様々であって、そのような特性を持っているということを子供たちも含めて理解する必要があるのではないか。
あるいは、健常者と障害者とを対立的に見ているけれども、それぞれできる力があって、できないというのではなくて、できないというのは、ある共通の目的があって、それに対してできやすい子とできにくい子とを区別しているだけであって、今そこにいる子供の存在ということから考えれば、何かできる力はあるといった視点で伸ばしていくということが必要ではないかということ。
1ページ目の一番下の部分ですけれども、個々の慢性疾患というところにも、ほかの障害と同じようにもっと焦点を当ててもいいのではないか。
2ページ目の一つ目の○でございますけれども、何かいいものを伸ばしていくという見方、視点が大事ではないか。特別支援というものをくくって考えるのはいいけれども、特別支援学校と特別支援学級と通常学級と、指導環境は非常に違うのではないか。そのような中で、当然十分な活動の機会をしっかりと提供していくということは必要だけれども、そのまま現場におりていってしまうと、障害の特性を十分理解していないレベルで、必要以上のこと、やれる以上のことをやらせて、けがをしてしまうというようなことも心配になってくるので、そういった指導環境の整備ということとセットで考えていく必要があるということ。
 支援に関しては、最大支援から最少支援へというのがよく言われていて、支援がなくてもできるようになるような支援、まずは手厚い支援をしながら、最終的には自立していくということも重要ではないかということでございます。
 体育・保健体育で行うことによる意義等についてでございますけれども、まずは保健学習について、危険管理能力や危険予知能力であるとか、自分の発達や成長について事前に知っておく。そのような健康について事前に学んでおくといった意味において保健学習が非常に意味があるのではないかということ。
 健常者が障害者スポーツを経験する機会を増やしていく中で、いろいろな考え方や意識が広まっていくのではないか。
 体育の場合には、特に体を動かす技能というものを求められるので、それは難しいでしょうということになるけれども、よく考えてみると、3観点での観点別評価をやっている中で、スポーツに対しては多様な関わり方があるのではないか。そのいろいろな関わり方を評価していこうという考え方で言えば、技能だけを焦点化して考えるということではなくて、いろいろな観点でその子のいいところを評価していくといったことが大切ではないか。
3ページ目にまいりますけれども、得意な分野をどのように伸ばすかということでは、体育で行われておりますダンスの意義は高いと思われる。身体の内面から沸き立つような純粋な喜びを表現できるという点で役に立っているのではないかということ。
 将来に向かってどのように運動、スポーツと関わっていくかということが一番大事であり、アダプテッド・スポーツも含めた教材を検討していく必要があるのではないか。
オリンピック・パラリンピックのレガシーを子供たちに残していくという観点で言うと、今回の改訂の中で、特別支援教育の観点から学習指導要領の内容を身に付けるために配慮が必要という方向だけではなくて、スポーツにはスポーツそのものの価値、今持っている力でみんなが楽しめるという文化的な価値があるのだということを何らか示していくことができないかということであります。
3ページ目の中ほど、具体的な支援の方策でございますけれども、指導方法や教材の在り方の工夫が必要であろう。ICTの活用も含めて検討できるのではないか。
なかなか記憶に残らないという部分を補助していくために、記憶に残りやすいような写真や掲示の工夫なども考えられるのではないか。
3ページ目の下の○でございますけれども、運動は難しかったり、ルールが複雑であったりと、いろいろな配慮が必要になってくる。課題と条件評価という形で考えてみると、課題を変えるのか、課題は同じだけれども条件を易しくするのか、あるいは課題と条件は同じだけれども評価のところを易しくするのか、いろいろな配慮の仕方があると思うので、そのようなことも踏まえながら、アダプテッドというのは適合するとか適応するということで、スポーツの方に子供たちを寄り添うように近付けるのではなくて、子供たちの実態にスポーツが寄り添っていくような教材やルールの工夫も必要な支援ではないかということであります。
また、教員の在り方でございますけれども、若い時期に特に体育の専科の先生は特別支援学校に行って、その後、小中高に赴任するときに、特別支援学校での経験や情報の持込みがうまくできていない部分があって、それを具体的に共有していくような手立てを検討する必要があるのではないか。
 学習する場面における配慮について、通常の学級の先生も勉強するという機会をもっと持たなければいけないのではないか。
 大学の教員養成の中でこのことに関してきちんと指導して、体験していくことが必要なのではないか。特に介護実習ということは入っているけれども、その中でどんなことを学んでいくかということがきちんと整備される必要があるのではないかといった御意見でございます。
また、支援を充実させるための連携についてということで、特別支援学校では、かなり丁寧にチームで対応している。一方で、小学校のケースですと、学級担任だけで実施すると、その情報がほかの先生方となかなか共有しにくいと、お互いのサポート体制がつらくなるということが出たりする。そういう意味での教員サイドの情報共有のシステム、あるいは子供たちの中でお互いの理解を促すようなしつらえということを考えていかなければいけないのではないか。
 通常の学級の先生と特別支援の学級の先生との間の交流ということで、十分な意見交換をしながら理解していくということの時間を確保していく必要があるのではないか。
 障害や慢性疾患のあるお子さんたちの状況はみんな違うので、医療提供者側と教育の先生方とが密接な連携をとる必要があるのではないか。
5ページ目でございますけれども、学習指導要領の改善・充実に当たっての留意点について。実は、体育という中で、指導要領上、教材を自由に組み替えるということ、教材自体は可変性があるということで、子供たちに合わせてということが可能な範囲があるけれども、現行の指導要領が健常児に合わせた発想になっているので、そこをどのように特記事項として書き加えていくかという指導要領上の工夫が必要ではないかということ。
 教科ごとの配慮の点ということをおまとめいただきましたけれども、どのような子供たちを想定して例示の中に盛り込んでいくのかということについては、例示が固定化しないように慎重にしていく必要があるのではないかということ。
 教科ごとの様々な困難さということをしっかりと特性として配慮しながら、総則と教科が呼応し合うような形で作っていく必要があるということ。
 支援が必要な子供たちだけではなくて、周囲の子供たちにも理解できるような内容がどこに入っていると、自分たちにできることは何だろうというところで考えることができるのではないか。
そのような御議論をいただいたところでございますので、御参考までに紹介させていただきました。以上でございます。
 【宍戸主査】  ありがとうございます。体育・保健体育ワーキングの方では、今ここにありますように、5ページにわたる内容で細かくいろいろな議論がなされたということです。少しだけですけれども、時間をとりまして、今の御報告について御質問あるいは御意見がありましたらお出しいただきたいと思います。2~3人ぐらいで終われればと思いますが、前回同様、名札を立てて示していただければ有り難いと思います。よろしくお願いします。
 【横倉委員】  全特長の横倉でございます。御報告、ありがとうございました。全特長でも、オリンピック・パラリンピックをどのように特別支援教育の中でレガシーとして位置付けていくかということで、特別委員会を準備会として設置させていただいたところなんですが、3ページの前半の二つ目の○のところです。そこの議論の中で、現状で特別支援学校に在学している児童生徒は、体育的あるいはスポーツ的な活動は一定保障されている。ところが、卒業後、体育的あるいはスポーツ的な活動をしている卒業生にある財団が全国調査を掛けて、全特長もそれに全面的な協力をした結果があるのですが、惨憺(さんたん)たる状況で、ほとんどの卒業生はスポーツ、それから体育の恩恵に浴していない。その結果として、例えば循環器系の疾病であったり、あるいは健康の維持であったり、そういうところが非常に課題として挙がってきています。つまり、健康とスポーツ、オリンピック・パラリンピックのレガシーを言うのであれば、そこの部分は何らかのところで方向性は出す必要があるだろうと。その調査は始まったばかりでありますが、そういう問題意識というか、そういうものは広く共有していっていただきたいと思います。
 【宍戸主査】  ありがとうございました。また機会を見て、向こうの方でも話題に提供していただければと思います。
それでは、村上委員と野口委員の二人で、とりあえず御質疑は終わりにしたいと思います。村上委員からお願いします。
 【村上委員】  4ページの一番下のところに特に関わると思うんですが、病気の子供たち、慢性疾患の子供たちに関して、ある種のガイドライン、これはとても大事なことだと思うんですが、病気の子供たちの特徴として、日々の状態像が非常に変わるのです。そうしますと、ある日はできる活動が、ある日はなかなか難しいということになります。そこの部分を教員がきちんと把握しておかないと、あるときはできると言って、あるときはできないと言ったりするということの理解がなかなか、子供たちのわがままと捉えられかねないような状況にあります。外側から見ていて分かる障害、病状の子供さんもいますけれども、本人が、これは、今日これから先は危険かもしれないということをある種察知するような状況がありますので、そういう状況も踏まえて、健康に特に課題を抱えている子供さんに指導するという場合には、教員側がそのように変化するという性質をよく理解していただけるような対応が求められるのではないかと考えます。以上です。
 【宍戸主査】  ありがとうございました。野口委員、お願いします。
 【野口委員】  先ほど横倉委員からお話がありましたけれども、例えば卒業した後のスポーツの機会等々に関しまして、実は私は知的障害のある方とのサッカーを15年ほど続けておりまして、私は監督をしているのですけれども、どういう子供たちが来ているかというと、中学生以上の子供たちですので、放課後のスポーツ活動若しくは、上は40歳代までおりますので、卒業してからのスポーツ活動ということになるのかなと思います。そういった活動をどうして始めたかといいますと、特別支援学校あるいは特別支援学級の中でなかなか運動に関わる機会が余り多くないということがありまして、そういった機会をなるべく作ってあげたいということがありまして、そういう活動を始めています。
 今、サッカーに関して言いますと、全国的な動きの中で、特別支援学校の子供たちを対象とした、もう一つの高校選手権ということを最近始めております。もちろん、知的障害者サッカーに関しましてはワールドカップというのもございまして、本来のワールドカップの後に同じ場所で開催するということを行っておりますけれども、そういった大会もあるということで、実はかなりいろいろな活動が行われているわけです。ただし、その中でちょっと気になるのが、どうしてもトップアスリートといいますか、非常に上のレベルの人たちの活動ばかり注目されてしまう。今度のパラリンピックに関しましても、多分どうしてもそういう方向に行きがちなのかなという気がいたします。もちろん、スポーツをしている以上は、上を目指す。私たちのチームなどもそういったことも目指しているわけですけれども、参加している人たちの技術の幅と言ったらいいのか、それはものすごく広いです。ですから、本当にサッカーを楽しむ。見ていると危なっかしいなということもたくさんあるのですけれども、自陣のゴールに見事なシュートを決めたりとか、そういったこともあるような子供たち、人たちなんですけれども、そういったことでもサッカーを楽しみながらということができています。地元でも、バリアフリーサッカーといって、障害のある方とない方が一緒にサッカーをする機会なども設けておりますけれども、そういった方向の中で、先ほど最後の5ページにありましたけれども、共生、協働、インクルーシブ教育ということが叫ばれている中で、どういった子供たちを想定して例示の中に盛り込んでいくかといったときに、そのトップアスリートということだけでいいのか。実際にはもっと本当にスポーツを純粋に楽しんでいるという人たちのことも含めるべきなのか。そのあたりの議論は必要になってくるのではないかなという気がいたします。以上です。
 【宍戸主査】  今3人の方から、いろいろな現状あるいは調査の状況等について御報告がありました。トップアスリートに限らずスポーツを楽しんでいる実態などについても、事務局を通じて体育・保健体育のワーキングの方にもまた何らかの形で御報告していただければ有り難いと思います。
それでは、きょうは大きく二つの議題があります。一つは、知的障害教育の教科の改善・充実、もう一つは、高校通級に関わる事柄ということで、この二つについて本日は議論をお願いしたいと思います。
 最初に、知的障害のある子供たちのための各教科の改善・充実についてということで議論を進めたいと思います。こちらの方は、予定として3時を目安に議論を進めていきたいと思います。
 最初に、尾崎委員から話題提供としまして、知的障害のある児童生徒のための各教科等の指導の現状と課題ということで御発表をお願いしております。
では、最初に配付資料につきまして事務局から御説明をお願いします。
 【太田特別支援教育課課長補佐】  皆様のお手元の資料2から5まで、簡単に御説明したいと思います。
 資料2につきましては、この会議で何度も見ていただいている資料でございますが、「特別支援学校の教育課程に係る検討課題例」ということで、本日はその、丸3知的障害のある児童生徒のための各教科の改善・充実について御議論いただきます。
そこで、ここでは五つの検討課題例を示しておりますが、このうち四つ目の小学部の外国語教育、それから五つ目の高等部の道徳教育につきましては、現在、外国語ワーキンググループないしは小学校部会、それから今後設置予定の道徳のワーキンググループ等で検討予定でございますので、これらの部会やワーキンググループの検討状況を踏まえて別途今後検討していきたいと思っておりますので、きょうはこの二つの前の三つの検討事項・課題例を中心に御議論いただければと思っております。
 続きまして、資料3を御説明させていただきます。資料3も、以前に特別支援学校の教育課程の中で少し御紹介させていただきましたが、そこから知的障害のある児童生徒のための各教科について抜き取ったものでございます。
1ページ目の2番目にありますとおり、知的障害のある児童生徒の学習上の特性等としまして、知的機能の発達に明らかな遅れと、適応行動の困難性を伴う状態が、発達期に起こるものという形で定義しております。また、認定や言語に関わる知的機能が著しく劣っていたり、他人との意思交換、それから適応能力なども不十分であるといったことが言われてきております。
また、学習上の特性としまして、学習によって得た知識や技能が断片的になりやすく、実際の生活の場で応用されにくいこと、生活経験が少ないことなどによって、活動に取り組む意欲が十分に育っていないことなどが挙げられております。また、実際的・具体的な内容の指導が必要であり、抽象的な内容の指導よりも効果的であるということが、これまで言われてきております。
3.の各教科の構成等でございますが、知的障害の特徴や学習上の特性等を踏まえ、児童生徒が自立し社会参加するために必要な知識や技能、態度を身に付けるためとして、以下のような教科を編成し、それぞれ目標・内容を示しているところでございます。
 詳しくはちょっと省略させていただきますが、2ページに行っていただきまして、ページの真ん中ぐらいにちょっと紹介させていただいておりますが、それぞれの部段階において、児童生徒の障害の特性を考慮して、内容を学年別に区別するのではなくて、小学部は3段階、中学部は1段階、高等部は2段階といった形で示しております。
 特別の教科道徳、外国語活動、総合的な学習の時間、特別活動の構成については、2ページの下の段に掲げているところでございます
 それから、3ページ目の真ん中ぐらいの4.にあります、各教科、道徳、特別活動及び自立活動の全部又は一部を合わせた指導ということが特徴として挙げられます。これは、知的障害の子供たちのためだけではございませんが、知的障害がある児童生徒、それから複数の障害を併せ有する児童生徒に対する教育を行う場合、特に必要がある場合には、各教科、道徳、外国語活動、特別活動及び自立活動の全部又は一部について、合わせて授業を行うことができるという形になっております。そこで、知的障害のある児童生徒に対する教育を行う特別支援学校におきましては、下の表に掲げてありますように、日常生活の指導とか、遊びの指導、生活単元学習、作業学習などを各教科等を合わせた指導として行っているのが現状でございます。
4ページ目の真ん中あたりでございますが、重複障害者等に関する教育課程の取扱いということで、知的障害の特別支援学校のみならず、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、病弱の特別支援学校におきましても、知的障害を併せ有する児童生徒につきましては、小中高の教科の目標・内容に関する事項の一部を、知的障害のある児童生徒の教科の目標及び内容に替えて実施することができるということになっております。
それから、5ページに行っていただきまして、6番として掲げておりますが、小中学校における特別支援学級におきましても、特別支援学校の学習指導を参考にして、例えば各教科を知的障害のある児童生徒に対する各教科に替えるなどして、実情に合った教育課程を編成することができるということを学習指導要領の解説の中で示しているところでございます。
6ページ目以降が、実際の知的障害のある子供たちのための各教科の例として、小学部の算数から中学部・高等部の数学の例を示しております。
 続きまして、資料4を御覧いただければと思います。こちらは、「知的障害のある児童生徒のための教科用図書について」でございます。このような形で、文部科学省の著作教科書として教科書を編集・作成し、子供たちに供給しているところでございます。
 本日はその例を用意しております。1冊ずつでございますが、後ほど皆様のお手元に国語、算数、音楽の教科書と、それから教科書用解説といった教師のためのものを作っておりますので、こちらを回覧させていただきますので、適宜御覧いただければと思います。
 続きまして、資料5を御覧いただければと思います。こちらは、資料3で御覧いただいたものを図表に示したものでございます。本当にページのあらましだけ御紹介しますが、3ページ・4ページ目は、各教科等の構成について、知的障害の教育課程と小中高等学校の教育課程を並べておりますので、御覧いただければと思います。
それから下の段は、学習上の特性について、もう少し詳しく示したものです。
それから6ページは、先ほど教科の段階を御紹介しましたが、小学部3段階、中学部1段階、高等部2段階というのはこのような形になっているというものを示したものです。
6ページの下の段は、教育課程の構造ということで、上の方に示してありますのが、教育課程の基本的な内容として構成されているもので、下の段にありますのが、実際に指導の形態としてこういったものが行われているということを紹介したものでございます。
1枚めくっていただきまして、7ページと8ページ目でございますが、こちらは、先ほど御紹介しました各教科等を合わせた指導について例示をしているものでございます。各教科、道徳、特別活動及び自立活動の一部又は全部を合わせた指導ということになっておりますが、例えば生活単元学習では、児童生徒が生活上の目標を達成したり、課題を解決したりするために、一連の活動を組織的に経験することによって、自立的な生活に必要な事柄を実際的・総合的に学習するものということで指導形態がとられております。また、後半に各教科の内容が扱われております。
 学習指導要領を下の段に赤字で示しておりますが、こういった指導を行う際には、「各教科、道徳、特別活動及び自立活動に示す内容を基に、児童又は生徒の知的障害の状態や経験等に応じて、具体的に指導内容を設定するものとする」ということを示しております。
 下の段はもう少し具体例を紹介させていただいておりますが、このような形で、各教科等の内容にはこういったものが含まれるとして、生活単元の学習が行われております。これは、国立特別支援教育総合研究所の研究報告の中で、実際に愛媛大学附属特別支援学校の事例を基に紹介させていただいているものです。
9ページにありますとおり、ここの学校では、具体的に評価規準を設定して、観点別評価をするといった取組を行っております。
 御参考までに、10ページにありますとおり、現在の知的障害のある子供たちへの学習評価につきましては、文部科学省が示している要録の中では、目標に準拠した評価を行うことにはなっておりますが、観点別に評価するということにはなっておらず、また学習評価において観点というものを示していないのが現状でございます。具体的な様式は、10ページに示しているとおりでございます。
あと11ページから21ページまでは、具体的な教科の内容の例を示しております。12ページにちょっと算数・数学の例を示しておりますが、算数・数学の内容として四つの内容を示しておりますが、数量の基礎、数と計算、量と測定、図形・数量関係、そして実務といったものを知的障害のある児童生徒のための教科の中では示しております。このような形で各教科の内容を21ページまで紹介しております。
22ページは、これまでの昭和38年からの各教科の変遷を掲載しております。
 以上、ちょっと駆け足で御紹介させていただきましたが、説明は以上でございます。
 【宍戸主査】  今、事務局から資料3、4、5に基づいて、知的障害教育のあらましについて報告がありました。それらを踏まえて、現状と課題につきまして、尾崎委員から御発表をお願いしたいと思います。10分から15分程度でおまとめいただきますようお願いいたします。
 【尾崎委員】  それでは、資料6を御覧ください。この資料は、教育課程企画特別部会の論点整理を踏まえて、先ほど言われた課題について、知的障害のある児童生徒のための各教科等の指導の現状と課題についてまとめたものです。
 検討課題1については、幾つか項目を立ててまとめております。一つ目は各教科の目標と内容ですが、これについては、論点整理では、新しい時代と社会に開かれた教育課程というところに私は注目しました。そこでは、学校そのものが一つの社会でもあり、障害の有無に関わらず、様々な人と関わりながら学び、その学びを通じて、自分の存在が認められることや、自分の活動によって何かを変えたり、社会をよりよくしたりすることなどの実感を持つことができる。こうした実感を持つことが、社会づくりを担っていこうという意欲にもつながるといったことが書かれております。
 知的障害教育の現状と課題ですけれども、知的障害教育の各教科は、子供たちが自立し社会参加するために必要な知識や技能、態度などを身に付けることを重視しています。各教科の目標・内容もそれによって示されています。例えばということで、先ほど御紹介があったとおりです。特に職業・家庭科では、「職業生活や家庭生活に必要な基礎的な知識と技能の習得を図り、実践的な態度を育てる」ということを目標にしております。そして、人と関わりながら社会生活や家庭生活に必要な事項を学ぶ実践が各特別支援学校で行われているところです。現行の指導要領についても、こういった指導計画の取扱いが示されております。
 今後は、小学校等の各教科の改善・充実や教育課程の改訂の動向を踏まえながら、知的障害教育の全ての教科で育成すべき資質・能力を、今示されている三つの柱に沿って、各教科の目標・内容を検討するということが必要であると考えます。また、各教科を合わせた指導の形態である日常生活の指導や生活単元学習、作業学習等においても、各教科等で求められる資質・能力を育成できることを明確に示す必要もあるのではないかなと思います。二つ目の教育課程の編成についてですが、論点整理では、今後は、教育課程全体で子供にどういった力を育むのかという観点から、教育課程全体の構造を明らかにしていくことが重要であるとしています。
 次のページへ行きます。目指す方向として、教科等を学ぶ本質的な意義を大切にしつつ、教科間の相互の関連を図る。そして、互いの関連が図られた、全体としてバランスのとれた教育課程の編成が課題であると言っています。
また、学校生活において子供たちが身に付ける資質・能力全体に目を向け、教育実践の工夫や改善を図っていくことができるよう、そのための手掛かりとなり得る学習指導要領が必要だと言っております。
これに対する知的障害教育の現状と課題ですけれども、知的障害教育の各教科の目標と内容は、学校生活、家庭生活、地域生活、職業生活等に必要な知識、技能、態度等を養えるように体系化されております。また、知的障害教育においては、各教科等を合わせて授業を行うことが、先ほどの紹介のとおり、できることになっております。その際、各教科等の内容を踏まえて、具体的に指導内容を設定するということも必要だと述べております。学習指導要領の解説においても、それぞれの日常生活の指導、遊びの指導、生活単元学習、作業学習の定義や考慮することについても説明しております。先ほどの資料の中にも入っております。
 今後は、教育課程を可視化するという視点から、教科間相互の関連を図る教育課程にするためにも、学習指導要領に、各教科等を合わせた指導である日常生活の指導、遊びの指導、生活単元学習、作業学習を教科間の相互の関連を図って展開するに当たっての留意事項などについて記述することが必要かなと思います。また、合わせた指導においても、各教科間の関連を重視した上で、合わせた指導と各教科で示された目標や内容との関連を示す方法とか、教育課程や学習・指導方法の改善と一貫性を持つ形で、学習評価の在り方、合わせた指導における学習評価の在り方についても検討する必要があるかと思います。
 知的障害のある児童生徒の指導方法については、論点整理のアクティブ・ラーニングに注目しました。論点整理では、身に付けた個別の知識や技能も、学習経験の中で活用することより定着する。そして、こうした学びのエンジンとなるのは、子供の学びに向かう力であり、これを引き出すためには、実社会や実生活に関連した課題などを通じて動機付けを行うことが必要だといったことを言っております。
そして、三つの視点に立って学び全体を改善するということで、学習過程について述べております。一つ目が、問題発見・解決を念頭に置いた深い学びの過程、二つ目が、他者との協働や外界との相互作用を通じて、対話的な学びの過程が実現できるかどうか。そして三つ目が、子供たちが見通しを持って粘り強く取り組み、自らの学習活動を振り返って次につなげる、主体的な学びの過程があるかどうかということです。
 次の3ページ目に行きます。それに対する現状と課題ですけれども、知的障害教育においては、体験的な活動を通して、児童生徒が将来、自立し社会参加をするために必要な知識、技能、態度等を育成する指導を行っています。また、解説書においても、学習上の特性等を踏まえると、実際的・具体的な内容の指導が重要である、あるいは教材・教具や補助用具の活用を含めた学習環境を効果的に設定することが必要であるということが言われていまして、それらを踏まえて実践を積み上げているということでございます。
 今後は、実社会や実生活に関連した課題に注目して、基礎的・基本的な知識・技能等の確実な定着や活用を図る学習活動の充実を一層重視して、学びへの興味と努力し続ける意思や意欲を喚起するということが、知的障害教育でも必要だと思います。
 例えば、論点整理で言っています問題発見・解決を念頭に置いた学びの過程との関連では、生活に結び付いた技能や知識を活用し、これまでの経験を踏まえ解決策を探究するという学習プロセスの中で、生活上の課題の発見・解決を通した学びの過程が見られる授業をこれから推進する必要があるのではないかなと考えます。二つ目の対話的な学びの過程との関連では、学習集団の中で話し合いながら協働したり、あるいは周りの人の意見を聞いたりなどしながら、自分の果たすべき役割について考え、対話的な学びの過程が見られる授業が必要かと思います。
そして、三つ目の主体的な学びの過程との関連では、知的障害教育においても、自分の目標を立て、それを達成するための取り組み方を考えたり、自らの学習活動を振り返ったりして、いつも自分からする主体的な学びの過程が見られる授業を展開する必要があるのではないかなと思います。
このような学びの過程を充実させる際には、障害の状態や特性等を十分に考慮していくことが必要であり、指導上の配慮事項に係る記載内容を充実させていくことが必要ではないかと思います。四つ目の学習評価の件ですけれども、論点整理では、学習評価が重要であると言っていて、教育課程や学習・指導方法の改善と一貫性を持った形で改善を進めるということを言っております。
また、子供たちが前の学びからどのように成長しているのか。より深い学びに向かっているかということも捉えることが必要だということ、そして、育成すべき資質・能力を三つの柱に沿って指導改善が図られるように、評価の観点については、このような三つを提案しております。
 教科等の指導の現状と課題ですけれども、先ほどちょっと紹介がありましたように、知的障害教育においても観点別学習状況の評価の4観点で学習評価を行うことの有効性については、研究所の研究で明らかになっております。特に、観点別評価の4観点で分析的に学習状況を評価し、それを総括することによって子供の成長を捉えることができるとしております。
 今後は、知的障害教育においても、育成すべき資質・能力の三つの柱に沿って、各教科における子供の学習状況を分析的に捉える評価の観点に沿った学習評価に関する整理を検討する必要があると考えます。
それから、今度は配慮事項ですけれども、これはカリキュラム・マネジメントに注目しました。カリキュラム・マネジメントについては、論点整理では三つの側面を言っています。一つ目が、目標の達成に必要な教育内容を組織的に配列、そして二つ目が、各種データ等に基づいて教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連のPDCAサイクルを確立すること、三つ目に、教育内容や教育活動に必要な人的・物的資源等を、地域等の外部の資源も含めて活用しながら効果的に組み合わせることと言っております。
 現在、知的障害教育においても、学習評価を軸にして学習指導に関わるPDCAサイクルを実施することの有効性については、先ほどの研究で明らかになっております。
 今後は、知的障害教育においても、教育活動に必要な人的・物的資源の活用についての情報を基にして、教育課程の編成段階での評価改善を実施する必要があるのではないかと考えます。
 続きまして、検討課題2です。これについては簡単に御説明いたします。まず、教育課程のつながりですが、論点整理では、ここに書かれているような中身が示されております。特に、教育課程全体で育成する資質・能力を明確化するということと、教科間の関連付けや、資質・能力の全体像を整理するといったことが述べられております。あわせて、幼・小・中・高の教育を、縦のつながりの見通しを持って系統的に組織していくことや、発達段階に応じた縦のつながりというのも重要だといったことを言っております。
 教科等の指導の現状と課題ですけれども、知的障害教育においては、教育課程全体で、学校生活、家庭生活、地域生活、職業生活等に必要な知識、技能、態度等を育成しております。今後は、各教科等との関連を踏まえまして、体系化を図って、各段階で学ぶべき内容を整理していく。そして、教育課程の全体構造と各教科を横断的に整理していくというのが必要かと思います。
それからもう一つは、発達段階に応じた縦のつながりということで、現在の段階の設定がありますけれども、特に中学部の段階について検討する必要があるのではないかと思います。
それから、学習指導要領では、重複障害者の扱いということで、当該学年の前学年の目標・内容に替えることができるという規定があるのですけれども、自立や社会参加に向けて必要な資質・能力を身に付ける視点や発達の段階に応じた縦のつながりと学びの連続性の視点、そういうことでもこの規定の在り方については検討する必要があるのではないかと思います。
 最後にキャリア教育の充実ですけれども、特別支援学校においても、障害のある幼児児童生徒一人一人の進路に応じたキャリア教育の充実がこれから課題だと述べられております。
 現在の状況ですけれども、小学部から高等部までを見通した児童生徒のキャリア発達を支援するキャリア教育を実施している特別支援学校が非常に増えております。今後は、小学校等の各教科の目標と内容の整理の仕方を踏まえまして、キャリア発達を支援するという視点からも知的障害教育の各教科の改善充実を図ることが必要であると考えます。
それから、検討課題3ですけれども、学びの連続性です。論点整理では、インクルーシブ教育システムの理念を踏まえ、子供たちの自立と社会参加を一層推進していくため、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある「多様な学びの場」において、子供たちの十分な学びを確保していくことが必要であると言っております。加えて、前の学校段階での教育が次の段階で生かされるような学びの連続性も確保することが必要だと言っております。
これに対する教科等の指導の現状と課題ですけれども、知的障害教育の各教科の目標と内容は、先ほど見ていただいたように、名称は小学校等と同じですが、別に示されております。特別支援学級については、知的障害教育の各教科を参考にすることができるとなっております。
 今後は、小学校等の各教科を通して育成される資質・能力と知的障害教育の各教科を通して育成される資質・能力については、同じものであると考えられるのではないかと思います。例えば、具体的に言えば、小学校で体積を求めてそれぞれを比較することと、知的障害の特別支援学校で身近にある実物を使ってその大きさを比較するということであれば、問題解決能力は同じものであると考えられるのではないかと思います。その中で、知的障害のある児童生徒の学習上の特性とか生活経験、社会性、職業能力などを考慮しながら体系化されたものが知的障害教育の各教科であると考えられますので、今後は、両方の教科において連続性のある学びを確保することが必要であり、小学校等の各教科の目標・内容と関連付けて整理すること、そして小・中・高の連続性を踏まえた上で、各教科で育成すべき資質・能力を整理することが必要ではないかなと思います。
 最後に、学校段階間の接続ですけれども、論点整理では、連続性のある多様な学びを確保していく観点、それから幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校等との間で、教育課程が円滑に接続していけるようにしていくことが必要である。そして、そのためには、それぞれの教育活動の在り方と相互の連続性を改めて可視化し、共有化するなどを求めております。
 教科等の指導の現状と課題ですけれども、中学校から特別支援学校の高等部に入る場合、現在は、特別支援学級に在籍していれば、いろいろな情報が入ってくるのですけれども、通常の学級から入ってきたときには、それが途絶えてしまうということがあります。それから、教育課程の体系が全然違うということもあります。こんな課題があるということです。
 今後は、小学校・中学校・高等学校の教育課程と特別支援学校の教育課程の連続性についても是非可視化していただいて、接続ができるようにする。子供たち一人一人の学びの連続性を実現していくことが大切ではないかなと思います。
ちょっと時間をオーバーしましたが、以上です。
 【宍戸主査】  今、尾崎委員から、九つの観点に絞って問題提起をしていただきました。これにつきまして、今後の議論の進め方ですが、最初に質問の時間を設けて質問を受けて、それにまとめて尾崎委員にお答えいただくという形で進めたいと思います。その後、知的の教科の見直しについては、いろいろな考え方もあろうかと思いますので、まず事務局から資料について説明していただき、その後また尾崎委員から御回答いただくということも進めていきたいと思います。ですから、最初に質問を受けるような形でお願いして、その後、今度は意見を含めて、もう少し議論を深めたいと思います。まず、質問がありましたら、名札を立ててお願いしたいと思います。中田委員、お願いします。
 【中田委員】  中田です。5ページのところですが、4ページの下の方からのつながりのところで、「中学部段階について検討する必要がある」と強調されていますけれども、ちょうど5ページの真ん中ぐらいですが、中学部の段階について特に検討する必要があるという理由的なものをちょっと御紹介していただけると有り難いと思います。
 【宍戸主査】  では、後ほどまとめて御回答をお願いしたいと思います。ほかに御質問がありましたら、名札を立てていただければと思います。それでは、安藤委員、お願いします。
 【安藤委員】  御発表、ありがとうございました。私は、肢体不自由教育に関わる立場で一つ是非お教えいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。御承知のように、肢体不自由教育では、実は肢体不自由のみの児童生徒は極めて限られていて、むしろ知的障害を併せ有する子供の数が非常に多くなっているという現状がございます。そういう中で、先ほど御紹介いただいたように、肢体不自由学校においても、知的の教育課程を代替して指導する、当然その中で教科等を合わせた指導も行うということで、数多くの実践が取り組まれております。ただ、今回話題提供いただいた中で、知的障害をどう捉えるかという考え方はあると思うんですけれども、私たちが接する今お話ししたような子供たちについても、これを知的障害と理解する場合、どうしても知的障害でこれまで取り組まれてきた考え方とか実践だけではどうも指導の効果は上げにくい。つまり、自立活動をどう絡めるかということが大きな課題になっているように思います。これはもう視覚障害においても、聴覚障害においても、多分病弱教育においても、同じような状況なのかなと思っております。今回拝見していて、教育課程の可視化という問題が挙がってきておりますけれども、ここでは教科間の関連はあるのですけれども、当然自立活動との関連ということも重要な視点になるのかなと思いまして、その辺のところをお聞かせ願えればと思っております。
 【宍戸主査】  今2点ほどありますが、ほかにもうお一方ほど、ないでしょうか。川合委員、お願いします。
 【川合委員】  すみません、失礼いたします。今ちょうど安藤委員が自立活動のことをおっしゃってくださったので、特に私が言語障害ということもありまして、今は言語活動の充実とか、コミュニケーションということがどの障害においても非常に重要な部分かなと思いますし、特に知的のお子さんなどで言いますと、知的障害の特別支援学校の先生方にはなかなかそのコミュニケーションのところを自立活動の中で余り取り上げていただけていないのかなというところがありまして、そういった意味では、コミュニケーションとか人間関係の形成というところは非常に重要になるのかなというのが一つ考えられますので、そのあたりをどのように教育課程に絡めていくのかというところを一つお伺いしたかったというのがございます。
あとは、キャリア教育の充実の中で、例えば就労先での虐待とか、そういった悲しい事件も一方で起こっているわけなんですが、仕事をする上での技能を上げていくだけではなくて、一市民としての権利と義務というものをどのように果たしていくか、いわゆる市民化教育的なところとか、公民科教育的なところ、こういった部分も非常に自立に向けて重要なポイントかなと思うんですけれども、そういった部分も何か入る余地があればいいかなと思うんですけれども、そのあたりの尾崎委員のお考えをお知らせいただければと思います。
あとは、アメリカでは1997年のIDEA個別障害者教育法というのがございましたけれども、この中で幾つか失敗事項がありまして、その中の一つとしては、個別化をし過ぎて、どこに向かっていいか分からないということです。個別化してプログラムを組むのだけれども、これが将来的な自立につながるのかというところです。特に重い子になればなるほど、どんな教育目標を立てても目標になってしまうわけなんですけれども、その中で特にこういった部分が重要だというところを先生方の中で共通して見ていく、ある程度の規準化されたものといいますか、そういったところの意味では、ある程度の教育課程というものを幾つか標準化していくというところも必要かなと思われる部分もあるのですけれども、そのあたりのお考えもちょっと教えていただきたいと思います。以上です。
 【宍戸主査】  それでは、名札が上がっているのが大内委員と田中委員ですので、大内委員、そして田中委員の順で、とりあえずそこで締めたいと思います。
 【大内委員】  それでは、お願いいたします。私の方からは、一人の子供自身の成長という観点に立ったときに、そこの子供の成長に向かっての連続性とか系統性ということが知的障害教育でも非常に大事だと認識しているわけですけれども、その辺の課題と今後の展望が尾崎先生から示されましたけれども、既に特別支援教育のツールの中では、そういうところを個別の指導計画あるいは個別の教育支援計画で丁寧に補っていこうということで方向性が示されているわけですけれども、その辺の現状をどう分析して対応していくのかといったことについて、少し踏み込んだお話を伺えると有り難いと思っています。小学部と中学部のつながりとか、それから知的障害教育では、集団でチームで指導するということが主に行われていると思いますが、その中で個々に視点を当てた対応というのが、現状はどのように工夫がされているのかといったことを御教示いただけると有り難いと思います。
 【宍戸主査】  ありがとうございます。それでは、田中委員、お願いします。
 【田中委員】  私も今の意見に似ているのですけれども、4ページの真ん中辺、カリキュラム・マネジメントのところで、尾崎先生は、各種データ等に基づいた子供の分析等、また教育課程の編成ということをお話しくださったのですけれども、知的な子供たちの発達段階にプラスして、例えば注意の振り向け方であったり、それから対人関係の部分で、特に相手の気持ちをどのようによめるかとか、そういう今までの知的障害のお子さんにプラスした新しい概念の中で見ていかなければならない部分をどのように分析して生かしていくのかというところを一つ教えていただきたいと思います。
それからもう1点、6ページのあたりですけれども、小学校等の各教科と知的障害教育の各教科との連続性の中で、今までにも申し上げましたけれども、特に特別支援学級での下学年適用のあたりについてどのようにお考えかというところをお聞かせいただければと思います。以上です。
 【宍戸主査】  ありがとうございます。今幾つか質問が出ました。中学部の問題について、それから自立活動をどう絡めるかということ、それからコミュニケーションの指導の在り方、それから市民化教育、そしてアメリカの例を出して、個別化をし過ぎたことの反省ということで、個別の指導計画というものも含めた今後の活用の在り方、そして田中先生からは、対人関係等、今まで余り意識されてこなかったことについてどのように考えていけばいいか、具体的には特別支援学級における下学年対応というものをどのように受け止めればいいかといった意見が出ていましたので、その辺、全体を通してお答えをお願いしたいと思います。
 【尾崎委員】  御質問、どうもありがとうございました。私の意見で考えていることという視点で述べさせていただきます。
まず、中学部段階での段階の検討ということなんですが、小学部は6年間、それから高等部は3年間、中学部は3年間ですね。それがありますので、それで中学部だけが1段階しか示されていないということですので、発達段階による縦と横のつながりをどう考えていくのかの整理の中で段階設定も検討してほしいという意味でございます。
それから、安藤先生からいただいたのは、自立活動をどのように考えるのかということが主だったと思います。前回か、この会で自立活動について御議論があったとき、私としては、知的障害教育においても、知的障害教育の教科は知的障害に対応した教科となっているのだけれども、平均よりも有意に発達が遅れているとか、いろいろな障害に伴って配慮しなければいけないことがあれば、それは当然自立活動で行うという考え方は維持していった方がいいと考えております。
それで、今日は教科等についての議論ということですので、自立活動等については、私は今後も個別の指導計画等を踏まえて自立させていくということです。ですが、きょうの議論は各教科等の指導と現状をどのようにしていくのかという議論ですので、そこに絡めて言うと、各教科については、12年間の縦のつながり、そして各教科で行っている内容の横のつながりの両方を見て整理していく必要があるのではないかといった意見でございます。
それから、川合先生からの御意見ですけれども、コミュニケーションとか言語活動を取り上げたり、人間関係の形成ということを取り上げるということについての重要性については、特に認識しております。特に高等部では、知的障害特別支援学校においても、ボーダーといいますか、そういう方もいて、そういう人間関係がなかなか難しい、とりにくいという人がいます。それについては、先ほど言いました自立活動も含めて、個別に対応していく。そして、学校全体として、生活指導という形で学校全体の方針をとって教育活動全体で対応していくということが今後必要ではないかと考えております。
それから、キャリア教育についてですけれども、キャリア教育は、職業教育と違って、特定の職業に就くための技能の修得を目指す教育ではありません。小学部段階から行うキャリア発達を支援する教育だと定義付けられていて、そうしますと、キャリア教育自体が、どうやって生きていくのか、将来どういう生き方をするのか、そういうことを含めて指導していきますので、その中には御指摘いただいた市民という視点とか、それからどんな自立の在り方をとっていくるかということも含めて支援の対象となる、そういう教育だと私は考えております。
それから、アメリカの個別の教育法ということで、個別化が行き過ぎて標準化といったことがあったのですが、まさに日本の知的障害教育の特別支援学校の各教科の目標と内容は一つの標準化を示したものだと、私は日本の教育においては思っております。その中で障害の程度に合わせてどのようにしていくのかというのが、各学校に課せられた課題であると考えております。
それから、大内先生からいただいた、個別の支援計画の現状をどう見るのかということと集団の個の対応についてということなんですけれども、私も大内先生の御意見と同様に、一人一人の子供の成長の連続性と継続性は必要だろうとは当然思います。ですが、もう一方で、教育内容、それから方法、目標ですか、そういうものの連続性と継続性というもの、教育課程レベルの連続性・継続性、それもきちんとしておくというのは重要かなと思います。その中で、一人一人の課題に応じてどういう支援をしていったらいいのか、それを個別の指導計画等に書き込んで指導していく。それが今の在り方ではないかなと思っております。集団の指導の場合であったとしても、個別の配慮事項というのは考えていかなければいけない。それから、個の課題に応じて個別の指導をする場合でも、その子は将来どういう生き方、どういう学びをしていくのか、その過程の中で個の支援をしていかなければいけない。そういう関係にあるのではないかなと私は思っております。
それから、田中先生から言われたのですが、先ほどデータ等に基づくということですが、いろいろな指導の結果は、今、学習評価の研究をしていまして、研究の結果を踏まえますと、観点別学習評価をすることによって、例えば思考、判断、表現というものがどうたったかということを分析的に見ることができます。それを蓄積していくと、その子供はどういうときにどういう判断をしてどういう意見を言うのかということが分かってくるようになります。そんな授業で得られた情報を積み上げていくということも重要だと思います。その中で、対人関係がどうなのかということも、その要因として、その分析によって考えることもできるのではないかなと思っております。
それから、小の知的の教科の連続性ということで、特に特別支援学級の下学年適用のお話がありました。私は特別支援学級の担当ではないんですけれども、私の意見は、特別支援学級における下学年で通常の教科をやるということは当然あり得ると思うんです。ただし、小学校段階で何を学んだのか、それをきちんとしていかないと、例えば小学校段階で下学年適用をしました、6年たっても1年生の内容だけでずっと終わりました、それで中学生に送りますということで本当にいいのかどうか、そこは検討すべきかなと思います。教材として下学年の教材を使うというのは大いにあってもいいと思うんですけれども、小学校段階の学びは何なのか、特別支援学級での学びは何なのか、それを踏まえた上での教材の使用というのが重要かなと思います。
 【宍戸主査】  今幾つかの質問がありましたように、知的の教科というのは、知的の分野だけではなくて、ほかの障害の分野にも影響しますし、このインクルーシブ教育システムの構築ということを考えますと、小中との連続性も考えなければいけない。そういう意味では、かなり影響の大きい内容をここで議論するということになろうかと思います。その意味で事務局から、資料がまだありますので、その資料の説明をしていただいて、その後、今あった質問、それから回答を踏まえた意見交換ができればと思いますので、まず説明をお願いします。
 【太田特別支援教育課課長補佐】  それでは、これからの検討のための参考となる資料を御用意しておりますので、資料について御説明したいと思います。
まず初めに、先ほど御紹介しました資料5の最後のページを御覧いただければと思います。タイトルが「(参考)社会科等で育成すべき資質・能力の整理(仮案・調整中)」となっているものでございます。こちらは、現在、教育課程部会の下に置かれております社会・地理歴史・公民ワーキンググループにおいて検討が行われているものでございまして、小中高の社会科、地理・歴史科、公民科において育成すべき資質について現在検討を行っております。これはまだ検討中のものでございますが、こういったものを参考にしながら、知的障害のある子供たちのための教科についても同じように検討してみたらどういうことが考えられるかということで作ったものが、資料7でございます。
それでは、資料7を御覧いただければと思います。すみません、まず初めにちょっと訂正がございます。資料7の左側に縦の欄で「高等部 社会」、「中等部 社会」となっておりますが、大変失礼しました。「中学部 社会」の誤りでございます。訂正していただければと思います。
こちらは、ちょうど真ん中の方に三つの色を付けた部分で、育成すべき資質・能力の三つの柱、「個別の知識や技能、何を知っているか、何ができるか」、「思考力・判断力・表現力等 知っていること、できることをどう使うか」、それから「学びに向かう力、人間性等 情意、態度等に関わるもの どのように社会・世界と関わりよりよい人生を送るか」、この三つの柱で現在、小中高の各教科の整理を行っているところでございますが、こういったものを参考にしまして、特別支援学校、知的障害のある各教科につきましても、小学部の生活科から中学部社会科、高等部社会科と、段階ごとにこういったものが考えられるのではないかということで整理したものでございます。
 例えば、「高等部 社会」で見ていただきますと、真ん中ぐらいにありますが、「思考力・判断力・表現力等」のところでは、「社会的事象に関心をもち、社会一般の出来事と自分の生活とのつながりについて、考え、判断したり、説明したりする力」とか、「個人と社会の関係が分かり、社会の一員として役割を果たしていく力」というものを目標として掲げていってはどうかということで整理しております。また、「学びに向かう力、人間性等」につきましても、一つ目の「・」にありますとおり、「主体的に生きる地域社会の一員としての自覚」などを掲げていってはどうかということで示しております。
また、右側の端の方にありますが、「育成すべき資質・能力に向けて重視すべき学習過程等」ということも示していく必要があるのではないかということで、ここでも例を示しておりますが、習得、活用、探究といった学習過程を踏まえたものの例を示していってはどうかということで整理したものでございます。まだまだ本当に仮の案でございますので、これからこういったものを、今回は社会科を例に作っておりますが、教科ごとに検討していかなければならないと考えております。
 続きまして、資料8を御覧いただければと思います。資料8は、今、資料7で御紹介しました各教科と育成すべき資質・能力の関係などを踏まえて、こういった改善・充実の方向性が考えられるのではないかということで整理したものでございます。まず左側の上の段にこれらの教科の意義について書いておりますが、知的障害のある児童生徒の学習上の特性を踏まえた内容で構成したり、一人一人の児童生徒の障害の程度などに応じた教育課程が編成できるように、段階別に、かつ大綱的に示しているといったこと、それから、これは指導の形態でございますが、特に必要がある場合は、各教科等を合わせた指導を行うことができることなどが意義として掲げてあります。
また、成果と課題としまして、生活の課題に沿った多様な生活経験を通して、学ぶことの目的や自分にとっての「意味」や「関連性」をつかみ、学習への関心・意欲が高まっているといった成果がある一方で、課題でございますが、各教科等を合わせた指導を行う場合、各教科の目標・内容を関連付けた指導及び評価の在り方が曖昧になりやすく、学習指導の改善に十分に生かしにくいといったことも指摘されているところでございます。
また、特別支援学級(小・中学校)においても、こういった知的障害の教科に替えて指導することができるわけでございますが、教育課程編成上の留意点が分かりにくいといったことが課題として挙げられるのではないかと思います。
また、四つ目の「・」でございますが、インクルーシブ教育システムの構築の進展を踏まえ、連続性のある「多様な学びの場」における児童生徒の十分な学びを確保していく観点から、小・中・高等学校と知的障害の特別支援学校の各教科の関連性の整理、教育課程の円滑な接続が求められるということを課題として挙げさせていただいております。
こういったものを踏まえて、全体として児童生徒の人間としての調和のとれた育成を一層推進するために、こういった知的障害のある児童生徒のための各教科の改善・充実の方向性として、右側に示していることを掲げさせていただいております。
まず、一つ目が、育成すべき資質・能力との関連を踏まえた各教科の目標の見直しでございます。先ほど来、御紹介させていただいておりますが、育成すべき資質・能力の三つの柱に沿って各教科の目標を整理してい必要があるのではないかということで、示しております。先ほど資料7で社会科の例を御紹介しましたが、ここでも高等部の例を少し紹介させていただいております。
 真ん中ぐらいにあります、こういった資質・能力を踏まえた目標の改善を踏まえて内容・構成についても見直す必要があるのではないかということで、社会の変化に対応した各教科の内容や構成の充実ということを掲げております。これも今後更なる検討が必要でございますが、中学部・高等部社会科で充実が必要な内容として考えられるものとして例を示させていただいておりますが、まず内容の例として、政治的主体、経済的主体、法的主体となるようなこととか、グローバル化を踏まえた、我が国及び外国の歴史や生活・文化の理解などが、充実するべき内容として考えられるのではないかと考えております。また、構成の例としまして、先ほどもお話がありましたが、中学部の段階について、小学部の段階と高等部の段階と重なり合う内容を設定して、各学部段階、各学校段階に応じた学習内容を設定し、学部間の円滑な接続を図れるようにする必要があるのではないかといったことを掲げております。三つ目の「■」で、知的障害のある児童生徒が質の高い深い学びを実現するために必要な指導方法の充実として、これも資料7でちょっと御紹介しましたが、学習過程を重視したアプローチ(習得、活用、探究の学習過程が相互に関連し学習を深められる学習活動を展開するように示していく必要があるのではないかということを掲げております。四つ目が、評価についてでございます。今回、育成すべき資質・能力を踏まえて教科の目標の改善を行う必要があるのではないかと考えておりますが、その各教科の目標を踏まえて、観点別学習状況の評価の導入して、様々な評価方法を活用して、きちんと子供たちの実現状況を見ていく必要があるのではないかということを掲げております。
さらに、最後の点でございますが、小・中学校における特別支援学級における教育課程の取扱い、小・中・高等学校の各教科との関連性の可視化なども具体化していく必要があると考えております。
こういったことが改善・充実の方向として考えられるのではないかということで事務局の方で資料をまとめさせていただきましたが、こういったことを踏まえて、具体的にどんな改善策が考えられるのかについて、委員の皆様から御意見をいただきたいと思います。説明は以上でございます。
 【宍戸主査】  先ほど尾崎委員から九つの観点で現状及び課題を整理していただきました。それをまた踏まえた上で、事務局が資料8にあるように色分けしておりますが、五つの観点でこういう形での見直しあるいは改善がどうかということで整理していただいております。これから、最初に申し上げましたように、一応3時をめどに御議論をお願いしたいと思います。どうぞ忌憚(きたん)のない御意見をお願いできればと思います。では、小枝委員からお願いします。
 【小枝委員】  それでは、一つお願いいたします。資料8の「成果と課題」の一番下、「インクルーシブ教育システムの」というところですが、どうもここの文章などを見ていますと、「多様な学びの場」というのが前提にあって、学びの連続性を考えていくのだと読めてしまうんです。それで、尾崎委員の方の資料でも、6ページの上から6行目になりますが、「通常の学級、通級における指導、特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある「多様な学びの場」において、子供たちの十分な学びを確保していく」と書いてあるので、「多様な学びの場」をまず前提として、学びの連続性を確保すると読めてしまうんです。それは逆ではないかなと思うんです。「多様な学び」がまず前提にあって、それに合わせたいろいろなカリキュラムを作っていく、それに合わせて「多様な学びの場」が自然にできていくという、そちらの方が自然のように思います。
それで、今現在ある「多様な学びの場」といいましても、結構ざっくりと大きなくくりになっているのではないかなと思うんです。知的障害についても、知的障害の学校、それも単一と重複という分け方で、その中でも実はいろいろな子がいるわけで、そうすると、その中でももっと細かい連続性があっていいかなといったことを思いますし、それからもっとざっくり言いますと、通常の学級における学びなども、非常に多様な子がいるのに、一つの学びでしかないということを思っているんです。実は高校に行きますと、普通高校と実業系の高校と、それら総合科と、いろいろな選択肢ができてくるんですけれども、中学校においては選択肢がないんですよね。なので、多様な学び、それから連続性のある学びということであれば、当然、これは普通の中学校においても選択肢があってもいいんではないかなと。例えて言えば、数学A、数学B、それから英語も英語A、英語B、そして英語Bをとった子は、例えて言えば実業系の高校を目指すとか、中学校の段階においてもそういう選択肢にするとか、それから知的障害の学校の単一においても、中等度でも軽度に近い子から重度に近い子までいますので、その中でも幾つかのカリキュラムを作っておくとか、そういうもうちょっと細かな「学びの場」を作っていけないものかなということを思っています。
ちょっとした経験なんですけれども、私自身がアムステルダムというところに留学していたときに、子供がアムステルダムの学校に入ったので、学校のシステムをちょっと見聞きすると、通常の学校と、それから境界期の子が行く学校と、軽度の子が行く学校と、中等度の子が行く学校と、重度の子が行く学校と、そして学習障害の中の読み障害でディスレクシアという子がいるのですけれども、その子たちが行く学校と、そういう非常にきめ細かな分け方がされていて、それぞれの学校で自己実現を目指してやっているんです。だから、学校を分けろとは言いませんが、せめてカリキュラムを連続性があるものにしていく。場が連続性があるのではなくて、カリキュラムに連続性があるのだといった観点で書いていただけると、新しい学習指導要領になるのではないかなと思っています。今のままですと、これは今やっているのとそんなに変わりがないんだと思うんです。ですから、新しいものである限り、連続すべきは学びであって、場が連続しているということではないのではないかなと思います。以上です。
 【宍戸主査】  今、「多様な学びの場」という言葉から発想していただいて、多様な学びの連続性というものが実現できるような教育課程の示し方、そして編成の仕方、そういうものを検討できないかという問題提起として受け止めたいと思います。
それでは、何人か名札が立っていますので、山中委員、野口委員、中田委員の順でお願いします。
 【山中委員】  私は、小学校の校長の立場ですけれども、全国の特別支援学級設置校長協会の方の関わりがありますので、ちょっとそちらの観点からお話をさせていただきたいと思います。
 特別支援学級の方なんですけれども、教育課程の編成をするのがなかなか難しいという状況があるんです。特別支援学級は、そもそも小中学校の中にある学級ですから、小中学校の教育課程をとることもできる、それから一部又は全部、特別支援学校の教育課程をとることもできるわけなんですけれども、特に知的障害については、知的障害特別支援学校の方の教育課程、各教科だけですけれども、各教科の方で知的障害特別支援学級の教育課程をとっているというのは、これは私どもの協会の独自の調査なんですけれども、各教科において知的障害の特別支援学校の教育課程をとっているというところは、小学校で4分の1強です。それから中学校の方が3分の1弱ということが出ています。そうしますと、あと残りはどうしているかというと、下学年であったり、該当学年の教科を選択してやっているのかなと思います。これはちょっとすみません、全国的な調査なので、それぞれちょっと地域差はあろうかと思います。そうすると、小学校では4分の1、中学校では3分の1ほどが知的障害の特別支援学校の教育課程をとっているわけなんですけれども、その中でといいますか、また、小中学校用教科書の話もちょっとあるのですが、今言っている小中学校用教科書をとっているところというのはまた逆に非常に多くて、小学校だと、特別支援学校用教科書(知的障害用)をとっている学校が、これも私たちの調査ですけれども、小学校では3%ほどで、中学校では1割強になっているんですけれども、そちらの特別支援学校用教科書(知的障害用)をとっている学校も少ないという状況があります。これは調査の中でも出てくることなんですけれども、教育課程の編成の仕方が非常に難しい。それからあと、小中学校用教科書の方も、特別支援学校用教科書(知的障害用)などがあるのも分かっているのだけれども、教員の考え方とか保護者の御希望などもあり、特別支援学校用教科書(知的障害用)を使うのがなかなか難しくて、小中学校用教科書を使っているという状況があります。
 知的障害の特別支援学校の教育課程を使えるというのは、本当は非常に特別支援学級としてはメリットがあることだと思うんです。通常の小学校・中学校の学年相応についていくことがなかなか難しい。別の観点でということでいいんですけれども、逆にそれで通常の小中学校の教育課程をとるか、特別支援学校の方をとるかということで、非常に複雑になって難しくなっている現状もあります。小学校でしたら、1年生から6年生までが一緒にいて、人数が少ないので、一緒に授業をするなどということもあるので、なかなかそこの体系化が難しいかなといったことを日々感じているところです。
その中にもあって、小学校・中学校の中にある特別支援学級ですから、どうしても教科を教えていくときには、当該学年の小中学校用教科書を中心に、ここは難しいからやめてこっちを教えようなどということで進んでいるとは思うんですけれども、一つは、知的障害の特別支援学校の教育課程の中に、肢体不自由とか聴覚障害、視覚障害の特別支援学校であるように、当該学年の教科に準ずることができるようになると、ちょっと課題は解決するのかなと思ったりはしています。そこのところが連続性とか可視化につながっていくのかなと思っています。
 小学校や中学校の中で、これは特別支援学校も同じかもしれませんけれども、指導していくときに、発達段階に応じて、子供の特性に応じていくわけなんですけれども、1年生で学習したら、次に2年生はここ、2年生で学習したら、3年生はここと、段階に応じて上がっていかなければならないんですけれども、なかなかそれができないような状況もあって、それは教育課程の編成に大きく関わってくることだなと思っています。すみません、ちょっと今の特別支援学級の現状を申し上げて、私の意見とさせていただきたいと思います。
 【宍戸主査】  ありがとうございました。野口委員、お願いします。
 【野口委員】  資料8の下から三つ目にあります「指導方法の充実」というところに関わることなのかと思いますけれども、実は私はずっと気になっていることがございまして、よく知的障害、特別支援学校あるいは特別支援学級におきまして、学んだことがなかなか汎化しないと、これがずっと言われてきたことで、実はそのこと自体、その言葉自体も気になっているのですけれども、といいますのは、通常の学校において学んだことが汎化しないという言い方をするかというと、余り聞かないなというのがあって、実はその言い方自体もちょっと気になっているのですけれども、今回そういったいろいろな、なかなか広がっていかないという部分も含めて、アクティブ・ラーニングを始め、様々な方法を提示することで、自ら学んだことを活用していくといった方向性を目指しているのかなと思っています。
ただ、そこでずっと気になっていることがもう一つありまして、どうしても学校での学びというのがバーチャルな設定の中で学ぶということが非常に多いかなと思います。これはもう、例えば教科であれば、制約上、仕方がないことかなとは思うんですけれども、実はバーチャルな設定で学ぶといったときには、なかなか汎化が生じにくいということが言われております。ただ、バーチャルな場合でも汎化が生じるということは、齋藤裕先生の御研究でもありますけれども、ある特定の場合にはちゃんと汎化していくのだということがあります。ただ、一つの方向性として、バーチャルという設定をもう少し現実的なものに変えていく。今回の検討の中でも、尾崎先生の中にもありましたけれども、例えば物的資源、とにかく地域の資源を活用したり、実際の様々なものを活用してということがあるかと思います。そういったことを少し本格的に考えていく必要があるのではないかなという気がしています。
 私は、現在東北大学におりますが、その前は宮城教育大学におりまして、その際にいろいろ附属の特別支援学校の高等部の教員と一緒に幾つかパイロット的な試みをしてきました。一つは、例えば作業学習の中のサービス班というのがございますけれども、その中で喫茶店ということに実際に取り組んだりするわけです。それは、ずっと特別支援学校内で一つの会議室を喫茶店に見立てて、そういった中で実際に作業を行うということをしてきたのですが、それだとどうしても、学校の先生あるいは我々がそういったことを知れば、お伺いしてお客さんの役割を果たしてということをやってきたのですけれども、どうせやるのであれば、宮教大はたまたま同じ構内に特別支援学校がありますので、大学の施設を使ってやってしまえばいいのではないかということで、実際に大学の生協が入っておりますそういった場を使って喫茶店を行う。そうしてみると、学校でやるのと、実際にそういった場でやるのと、子供たちの様子がもうまるっきり違うということがございます。緊張感も全然違いますし、終わった後の達成感も相当違うというのがあるかなと思います。幸いなことに、それはもう数年ほど続いております。
あともう一つは、これは川合先生のところのセンターの紀要にも書かせていただいたものなんですけれども、職場体験の事前指導として、それも学校内で終えるのではなく、大学の先生方から少し仕事の注文をとってきて、それを実際に行ってみてという中で、必要なことを学べるようにしたらいいのではないかということでやってみたところ、実は様々な失敗が起こります。その失敗を特別支援学校の中ではなるべく起こさないようにするというのが多いかなと思うんですけれども、その失敗というのを失敗のまま終わらせると非常によくないかなと思うんですけれども、その失敗したことをリカバーするといいますか、もう一度トライして、ちゃんとできるようになっていく。そうすると、子供たちに自信がついてくるというのがあります。実際にそういったことも多々起こったのですが、その後、職場に行ってみたところ、うまくいかないことが職場でも起こる。そうしたときに、戻ってきて子供たちが何と言ったかというと、そのことをきちんと自ら話して、それを自分の課題として今度は受け止めていくということが出てきたんです。そういったことはこれまでの取組の中ではなかったことなので、非常に大事なことだなと思っています。
ですから、今後こういう検討を進めていく中で、少し具体的な指導方法ということであれば、バーチャルではない、もう少し、それこそ社会資源を活用した具体例といいますか、そのあたりを集めていく必要があるのではないかなという気がしております。以上です。
 【宍戸主査】  ありがとうございます。バーチャルということではなくて、もう少し具体的な実際の場、職場、そういうものを活用した指導の在り方も検討してはどうかということかと思います。
 中田委員、お願いします。
 【中田委員】  中田です。お願いします。先ほどの小枝委員さんからの御発言と関連しての件なんですが、特殊教育学会で一回シンポジウムをやったことがあるのですけれども、軽度知的障害の生徒が進学する特別支援学校高等部の先生と、高等学校でかなりいろいろな入試制度がありますので、学科試験はやらないという高等学校の教員と一緒にシンポジウムをやったことがあるのですが、そこで話題となったのは、ほぼ同じ生徒が来ていると。そのときに、余りにも特別支援学校の高等部と高等学校の間に連続性が全くない。物すごい距離がある。溝というか、もう渡れないぐらいのものがある。それで、その中間的な領域に何かを作らないことには両方ともまずいのではないかということで、結論は出なかったのですけれども、特別支援学校の高等部はかなり高等学校的な要素を取り入れている。高等学校の部活とか生徒指導とかを取り入れている。逆に、高等学校の方も、将来社会生活でこれが必要だというニーズがありますので、それにそろえて総合的な学習の時間の教材等を作っていきますと、特別支援学校高等部の先生が「これはうちでも使えるね」といった内容が出てくるんです。今までその辺の部分は、国単位でも都道府県単位でも、違う領域の人がそれぞれ研究を進めるという非常に不幸なことで、これは連続性が多分できないと思うので、その中間領域的なところ、両方をうまく集めたような研究をして、こういうカリキュラムが高等学校にはあり得る、それから特別支援学校高等部の方もこういうのがあり得るということにしないと、連続体というのは構成されないのかなという気がします。これが一つの意見です。
それからもう一つ、ずっと引っ掛かっているのですが、知的障害のある児童生徒の学習上の特性とあります。この特性は否定的定義ですよね。これが駄目だ、これが苦手なんだということで、しかし、アクティブ・ラーニングなどの考え方は、そういう生徒であっても、そういう生徒だからこそと言うべきかもしれませんが、そういう生徒が主体となっていくためにはどういう支援環境が必要なのかという問い掛けだと思います。そういう意味で資料8を見ますと、左上が「学習上の特性」で、これは今までの流れのものが掲載されていますけれども、これとアクティブ・ラーニングとか、本人が主体となってどのような学習をこれからやっていくのかということについては、そのままでいいのかどうかということがちょっと引っ掛かります。高等学校にいて仕事をしていた立場から言いますと、知的障害の手帳を持っている子でも、決してこの一番左上に書いたコンセプトでは捉えられない。むしろ捉えない方がいい結果が出てくる。様々な可能性がありますので、この「学習上の特性」の捉え方は、アクティブ・ラーニングというように学習のコンセプトが結構変わってきているわけです。それを踏まえた上で、知的障害の子についてどういう表現をするべきかというところは、すっきり全部変えるのは無理かもしれませんけれども、ある程度の対応というものをやらないと、ちぐはぐなことになるのではないかと思っています。以上です。
 【宍戸主査】  今までいろいろ意見を聞いていく中で、多様な教育課程が子供に合わせて編成できるような示し方をする。今度は、その示したものをどう指導するかということはまた、今、中田先生からありましたけれども、子供の見方、それから指導観とか、そういうことも含めて考えていかなければいけないことかもしれないなと思います。ですから、例えば特別支援学級であれば、小学校の教科も使える、特別支援学校の教科も使える、そういう可能性はありますけれども、それを逆にすると、特別支援学校で例えば境界線の子供がいるような高等部ではどうするかというと、個々の教科は、一応特別支援学校では知的であれば使えないような仕組みになっていますよね。だから、そこをどのように子供に合った形で教育課程を組めるようにしていくかというのも大きな視点なのだろうなと思いながら聞かせていただきました。
 加藤委員、それから横倉委員、大谷委員でお願いしたいと思います。
 【加藤委員】  ありがとうございます。皆さん、多くの方が教育系の方ですので、私のような福祉系の人間というのは多分多くはないということで、そういう者がそういう立場から感じていることを少し申し述べさせていただきたいと思います。
その前に、資料3の1ページ目の2の(1)丸1ですけれども、言葉が余りなじまないので、これはミスプリなのか、私の認識の誤りなのかをちょっとお尋ねしたいんですが、「同年齢の子供と比べて、「認定や言語などにかかわる知的機能」」とありますが、この「認定」という言葉が何か少し気になるのですけれども、これは「認定」でいいんですかね。深読みすれば分からなくはないんですが。
 【宍戸主査】  事務局、お願いします。
 【太田特別支援教育課課長補佐】  大変申し訳ありません。「認知」の誤りでございます。
 【加藤委員】  そうですか。分かりました。すみません。
それとあと、冒頭に申し上げましたように、私は福祉系の人間で、余り教育のことについては、教壇に立ったこともありませんけれども、ただ、この教育の問題を例えば2030年を想定してということで議論するとしたときに、今、教育の在るべき姿、特別支援教育の在り方はどう在るべきか、中身はどう在るべきかという問題を議論するときには、少なくともこの子供たちが卒業した後にどんな社会で生きることになるか、なりそうかというところでの近未来、中長期未来というものもある程度視野に入れながら議論しないと多分まずいのではないかと素直に思った次第です。
 例えば、この通常国会で成年後見制度利用促進法が議員立法で多分上程される予定です。ひょっとすると審議未了ということになるかもしれませんが、これは選挙絡みもありますのであれですが、いずれにしろ、例えば促進法で何が議論されているかといったことを考えたときに、彼らが卒業した後、例えば御案内のように選挙法が改正されて、18歳から選挙権を持つという時代がもう今来ているわけで、ましてや2030年の社会を想定したときには、それがどこまでどうなっているかと想像することはちょっと難しいのですけれども、少なくとも後退することはないだろうと。とすれば、それが進められる場合に今一番大きなキーワードになっているのが、彼らの意見表明に関する能力みたいなところですよね。例えばそういうことに関して、小さい段階から、例えば幼稚園、小学校、中学校、高校といったプロセスの中で、彼らのそういうことに関する能力、スキル、そういうものについてもきちんと視野に入れて、例えばこの中身も議論するということが必要ではないかと思うんですが、特にそんなことを強く感じた次第です。
つまり、皆さんの御意見にけちをつけるわけではもちろんありません。これは拝聴させていただいて、多くを学ばせていただいているのですが、どんどん方向性としてボトムアップみたいな話が多いような気がします。ある意味ではそういうトップダウン的といいますか、レトロスペクティブというか、上からのというか、先の未来を想定して今をという視点です。2年、3年先ということだけでなく、2030年という15年先を想定するとしたならば、その辺の大人の世界で彼らが味わうであろう様々な生活、暮らしということを想定した上での中身の検討といったことがあってもいいのかなというのを素直に感じた次第です。
それから、先ほど来ずっと出ている連続性とかつながりという話もそうですけれども、これも何となく一方向性みたいな気がしてしようがないんです。例えば、小学校から中学校、高等部という発達ということで、そうなのでしょうけれども、もう少しその双方向性みたいなことを柔軟にファジーに考えないと、彼らの生活実態に接近することはできないのではないかと思う次第です。
また、特殊学級と特殊学校といった区分けがありますけれども、それも一応、例えば今の制度の中では転学という言葉がありますけれども、実態としてはほとんどが一方向であるわけで、それももっとファジーに、あるいはもっと柔軟に行ったり来たりみたいな、本当に時に応じ、タイミングに応じ、状態に応じ、もっと自在に、ないわけではないんですけれども、もっともっとそういうことをファジーに捉えながら子供たちの育ちを保障していくということを考えるべきではないかなと感じました。ありがとうございました。
 【宍戸主査】  ありがとうございます。では、大谷委員、お願いします。
 【大谷委員】  私は中学校の校長の代表として来ておりますが、尾崎委員からのきょうの問題提起の6ページの最後の、中学校から高等部へ進学する場合といった連続性の問題、引継ぎの問題と、資料8の「成果と課題」の3番目に小・中学校における教育課程編成上の留意点が分かりにくいという課題が出ていますが、その辺のところに関係するかと思うんですが、今、中学校の特別支援知的障害児学級の教育課程を見ていると、本当に子供に合った教育課程が行われているかどうかというのは非常に疑問です。そういう意味でも、教育課程、特に中学校の場合には、教科よりも、各教科・領域を合わせた自立活動であるか、生単、それから作業学習、この辺の知的障害を持つ子供たち、生徒のニーズに合った教育課程がしっかりとできるような記述がされることの方が非常に大事ではないか。どちらかというと、今の特別支援学級の状況を見ると、通常学級の教科に偏りが出てきているのではないか。そういうことから考えても、きちんとここで指導要領の中に、小・中学校の特別支援学級においては、いかに教科・領域を合わせた指導、自立活動が重要であるかということをどこかで記述していただけると、知的の生徒にとっては更にニーズに合った場ができるのではないか。それが特別支援学校とのつながりを更に強めることができるということもありますし、キャリア教育という視点からも、特別支援知的の生徒の就学の進路というものに対しても、更に正しい方向が導かれるのではないかなと思っています。以上です。
 【宍戸主査】  ありがとうございます。では続いて一木委員、そして横倉委員、お願いします。
 【一木委員】  3点ほど述べたいと思います。
まず1点目です。現在、国が知的障害の特別支援学校に定めているのは、1点だけです。知的障害の各教科の内容をしっかり子供に提供して目標を達成させてくださいと、この1点になろうかと思います。あとそれをどのように指導するかということは各学校の裁量ということになっていますが、最近私は知的障害の特別支援学校も訪問させていただく機会がありますが、学校によっては、実際に特別支援学校用教科書(知的障害用)を活用して授業をしようと思うのだけれども、特別支援学校用教科書(知的障害用)が十分にないといった学校もあったり、あるいは、なぜ合わせて指導しているのかということが公開研究会等で議論になった際にも、「いやいや、自分が赴任したときからそうでした」という回答が行われたり、あるいは「対象の子供が知的障害だからです」といったことが回答として挙がったりということがあるわけです。どのような場合に合わせることができるかということについて、今のような説明を学習指導要領ではしていないんです。本日も施行規則第130条のお話がありましたが、「特に必要があるときは」としか言っていないと。また、「合わせた指導を行った方が効果的なことも多い」という記述もありますけれども、何をもって効果があったと判断するかというと、教育内容がしっかり子供の力となったというところをもってかと思いますけれども、現行の指導要領の書式では、教科の教育内容が十分に定着したかどうかを記載する教師が自覚しにくいような側面もあろうかと思います。先の学校現場の現状も考慮しつつ、またこれまでの通常教育の流れにおいても、昭和33年の指導要領改訂でなぜ系統主義に舵(かじ)を切ったかということ、あるいは総合的な学習の時間が導入されたときの現場の戸惑い、こんなことを考慮するときに、単元開発を教師に委ねるといったときに、そこの力が十分にあるとは言いにくい実際があるわけです。そういった中で、合わせた指導、単元開発を教師が担うといったことのこれまでの実践の総括といったものを一方で行いながら、重要性というものを述べていく際には、一方でその成果を教育内容の定着という観点から行っていくということはやはり必要だろうと考えるのが1点目です。
それから2点目ですが、先ほど評価規準の話がカードの中にも示されていましたけれども、通常の教科の目標と評価規準の関係からしますと、資料5の9枚目ですけれども、いわゆる教科の目標と評価規準の関係になり切れているかなというところは疑問を持ったところです。
それから3点目です。これはちょっと中長期的なことになるかもしれませんけれども、特別支援学校の現状は、私は以前に肢体不自由の学校に勤務していたことがありますが、例えば肢体不自由のお子さんで下学年・下学部適用の子供がいる。そうすると、その教師としては、個々の子供の目標水準、それから、ではそうすると残された在学期間に卒業時までにどこまで達成できるかなと、個々の障害特性も加味しながら、在学期間に何をどこまでということを考えるわけです。また一方で、知的障害の各教科を学ぶ重複障害の子供たちもいますが、知的障害の各教科というのは、知的障害の障害特性は加味されていますが、併せて肢体不自由を有するということは加味されていないわけです。こんなことを考えたときに、知的障害の各教科の位置付け、つまり障害特性を加味して検討した各教科の位置付けというものを今後どのようにしていくかと。決して今示されているものが不要だということを申し上げているわけではありません。現行の示し方では、通常の教科に対して、もう一つ知的障害の各教科がありますよという位置付けになっているわけですけれども、実際は先ほど申し上げたように通常の教科を学んでいても在学期間に終わらないという子供たちがいたり、それから知的障害のある子供でその他の障害を併せ有するという子供もいたりという中で、特定の障害、現行においては知的障害の各教科を踏まえて検討した知的の各教科と、もう一つ通常の教科という示し方になっている。この示し方で進んでいくということが今後多様な子供たちの学びの連続性を担保する上で十分に機能していくのかというあたりは、今後の課題かなと思うところです。以上です。
 【宍戸主査】  ありがとうございます。横倉委員、お願いします。
 【横倉委員】  横倉でございます。先ほどの中田委員、それから一木委員と同じような趣旨ですが、別の角度でお話ししたいと思います。
 現場にいますと、学習指導要領の解説、それから先ほど見ていただいた特別支援学校用教科書(知的障害用)、それから教科書解説、それが効果的に活用されていないという現実があるんです。先生たちの教育する根拠はそこにあるんだよということをそれぞれの校長先生はおっしゃるわけでしょうが、現場の中では学習指導要領解説等に示された内容が十分に理解されていないという、その部分は資料8の「成果と課題」の四角の2番目のところ、今までも話として出てきました、各教科等を合わせた指導を実施しているので、あるいはその独自性といいますか、そういうところに依拠しているからこそ、学習指導要領の解説や特別支援学校用教科書(知的障害用)や小中学校用教科書などの効果的な活用の仕方へ意識がつながりにくい、これが本当に吐露ですが、実際に現場にあるんだろうと思うんです。そういうところを考えていくと、教科等を合わせた指導は、各教科とか、自立活動とか、そういった領域との関連はしっかり捉えて展開していくというところは裏付けとしてしっかりしていく必要があると思うんです。例えば、目標をしっかり定めて、それが各教科でどう位置付けられているのか、自立活動にどのように位置付けられているのか、位置付けるのか、そういうところは今後非常に問われてくるのかな。現場感覚から言うと、小中学校用教科書――特別支援学校用教科書(知的障害用)であったり、それから学習指導要領の解説であったり、そういうものを根拠として、それぞれの教育活動や指導の中でひもといて、そこから指導がなされるようにしていく必要はあると思います。以上です。
 【宍戸主査】  ありがとうございます。それでは、尾崎委員、村上委員の順でまずお願いします。
 【尾崎委員】  ありがとうございます。一つだけです。きょうは、知的障害教育と通常の教育との教育課程の可視化の話が出て、それを進めてほしいという意見を言ったのですけれども、可視化と同時に、双方向で使え合える内容にしていく。知的障害があるときのみ使えるということは当然かもしれませんが、そこをもう少し柔軟な対応ができるような形をとっていって、双方向で使える。例えば、高等部段階で言えば、高等学校の教科書で分かりやすい教科書はたくさんあるんです。これは、文部科学省は知的の高等部の教科書は作っていないので、参考にするということで使うことはあるのですけれども、教育内容の一部を知的の高等部でも同じ教科で類するものがあったら履修してもいいといった規定があれば、双方向で使えるということになるかなという思いがあります。だから、連続性の議論と同時に、制度的なリレーみたいなことの柔軟な対応の仕方みたいなことについても検討していただければと思います。以上です。
 【宍戸主査】  ありがとうございます。村上委員、お願いします。
 【村上委員】  幾つか、皆様の意見と重なる部分があると思いますけれども、教科というのはある種、様々な要素を含み過ぎていて、社会とつながったり、あるいは本人の中の二次的な課題とつながったりといういろいろな側面があるので、二つほどです。
 一つは、連続性という観点から、先ほど加藤委員からも出ていましたけれども、縦方向のつながりということはどうしても必要なんだろうと思うんです。特にキャリアというものが今非常に強く言われるということからすると、将来この子がどう育つかということ、その受け手側の方々から言わせると、受けた時点が出発点だと。どうしても私ども教育の人間は、送り出したところで終結するという意識が非常に強いので、この子が20年後、30年後にどうなるのか、あるいはどう育てていこうかといういわば受け手側からの教育課程に対する見解というか、あるいはそれを含めたカリキュラムの作り方というのをどこかで必要とするだろう、あるいはそのイメージが必要なのではないかということです。横方向からすると、先ほど来幾つか出ていますけれども、高等部あるいは特に高等特別支援学校に関しては、必ずしも特別支援学級からに限定されません。通常の中学校、いろいろなところから来るとなると、その中で取り扱われる教科というのは、高等学校に限らず、双方向性を持った内容をどうしても中学校と高等特別支援学校というところでの双方向性というか、そういう乗り入れが可能な部分がいっぱいあると認識しますので、そのような考え方も必要なのではないかと思います。
もう一つは、教科そのものに関することで、今私自身が言ったこととある種矛盾する部分があるのですが、果たして教科は、子供たちにとって重要なことは分かるのですけれども、社会生活とだけつながるということを保障するものなのかなという、非常にある種純粋な算数とか、純粋な国語の読み取りとか、理科的な要素の中の自然の驚きと言ったらいいんですかね、そのようなものも知的障害の子供たちの中にもあるというのを見ていると感じます。そうなると、その部分を社会とは余りつながらないからというところで、どうしても考えが、現場の中で生活にとってどうなのかといった視点が優先されかねない部分があります。そうするとどうしても、子供たちにとってはある種つまらないというか、そういう側面を持ってしまうような気がします。ということで、済みません、少し矛盾した観点を持ってしまいました。申し訳ないのですけれども、こういう意見を持っております。
 【宍戸主査】  私も、知的障害の学校あるいは学級にもいろいろな子供がいるということは確かで、その子供に合った内容を教育課程としてどのように用意するか、それは学級や学校が決めるのではなくて、子供によって決めるということを考えるというのは、村上先生と同意見であります。
では、実はもう一つ議題がありますので、それも踏まえて、今名札が立っている砥柄委員、品川委員、大内委員で切らせていただきたいと思いますが、よろしいですか。
では、砥柄委員、品川委員、大内委員で切らせてください。
 【砥柄委員】  私は1点だけ、というのは特別支援学級の教育課程編成のことだけ申し述べたいと思います。
 知的障害の学級の授業をいろいろ見る機会があるのですけれども、今一番課題になっているのは、若手教員が増えて、合わせた指導の意味がゼロから説明しないと分からないという現状があります。それで、これはもちろん、学習指導要領あるいは解説等を読み込んで理解することが前提なんですけれども、大分前、私が若い頃に、学級の教育課程編成の手引というのが当時の文部省で発行されて、非常に役立った記憶があるんですが、今そういうものが成り立つのかどうか分からないんですが、もうちょっとかみ砕いた学級の教育課程編成の資料というのは違う形で出せないのかなというのが一番の思いです。これはこの後の通級による指導のところにも関連するので、そこまでにしておきますが、特に合わせた指導の説明をきちんと子供の実態に合わせてやるのだというところに一つの大きな意味があると思うので、それだけ申し述べたいと思います。以上です。
 【宍戸主査】  ありがとうございました。品川委員、お願いします。
 【品川委員】  ありがとうございます。簡単に3点だけ申し上げます。
 先ほど加藤先生もおっしゃっていたのですが、これは前回もお話ししましたように、社会がすごく変容していく、ロボットが進化してAIがすごく変わっていくということを踏まえたときに、今のこれだけでは10年後には使えないものができてしまうのではないかという危惧が非常にあります。ですので、何度も学習指導要領を読んだのですが、もうちょっとドラスティックに変えていく。例えば、知的障害があろうが、ほかの障害があろうが、18歳の段階でこういうスキルを付けていかなければいけないということを、思考、判断、表現という大きなくくりではなくて、実は知的障害がある子供たちほどより細かくターゲティングしていく必要があるのではないかなと考えています。多分、それを基に事務局の方で作られたのがこの資料7と8だと拝見していたのですが、例えばその点については実際に企画特別部会の論点整理では、お手元のタブレットに入っているのですけれども、11ページの②、「特にこれからの時代に求められる資質・能力」と、割と具体的に書いているのです。その中に問題発見とか解決とか、「クリティカル・シンキング」とか、セルフ・コントロールとか、メタ認知とかという、割と具体的な、何を付けなければいけないかということをしっかりと書いていて、実は課題のある子供たちほどより必要なのではないかなということを痛感するのですが、何かいつもこの指導要領も課題のある子供たちの方が何かちょっと、それはもちろん個々の先生の自由度に任せられているとは思うんですけれども、そこを明確に今後していく必要があるかなと思います。
 特に、これは私の妄想ではなくて、実際にAIがもっと進んできたら、知的障害の子供たちの例えば世界観とか社会への関わり方が大きく変わってくる可能性があるわけです。要は判断の部分まで人工知能が補えるようになったときに、ではどうやって社会参加していくのかということを踏まえた指導要領にしていかないと、何か10年後はどうなんだろう、使えるのかなということをすごく感じています。
それから、前回も申し上げましたけれども、彼らの機能不全の特性を考えたときに、より細かく社会性であったり、対人関係であったり、あと、もうちょっと大きなお金、金銭管理とかを見ていく必要があるかなと思っていまして、それを教科ごと、かつ教科の横断的に、それと自立活動も入れて、クロスカリキュラムで指導していけるようなマトリックスみたいな、この教科では、例えば国語だったら、「この単元ではこれが目的です」と同時に、スキルとして、ではメタ認知はどうなのかとか、吟味力はどうなのかといった形でやっていくことが求められるのではないかなと思っています。
 尾崎先生も書いていらっしゃいましたけれども、知的障害があっても、必要な力というのは変わらないんですね。だからこそそこをしっかりと明記していくことが、実は先ほど幾つか御意見でも出ていましたが、特別支援学級のカリキュラムの問題のところで、連続性のある学びを確保するといったときに、知的障害のあるお子さんはこれでいいとかというわけでは多分これからはもうなくなってくるわけですね。だからこそより具体的な、そのcomorbidな子供たちも含めて、それから知的にしても自閉症にしてもスペクトラムがあるわけですから、その汎用性を踏まえた書きぶりが必要なのかなと考えています。三つ目は、先ほど来、ほかの先生方もおっしゃっているのですが、学習指導要領が読まれないということがあります。私も講演へ行くといつも、「お読みなった方」と言ったら余り皆さんが手を挙げてくださらなくてがっかりするんですが、読まれていないということと、実は障害のある子供たちへの指導ほど、しっかりとした教員養成が求められる。それから、支援学級とか通級の先生も含めて、いかに教員を養成していくかということができていかないと、この指導要領を幾ら変えても、なかなか運用は難しいのかなと思っています。以上です。
 【宍戸主査】  大内委員、お願いします。
 【大内委員】  ありがとうございます。2点、簡潔に。
1点は、加藤委員から御指摘がありましたけれども、18歳で選挙権が来るということをしっかり念頭に置いた学習指導要領にしていく必要があるだろう。知的障害のあるお子さんでもきちんと自分なりの考えを持って投票できるようにしていくためには、小学校段階からどのように対応していくかという、きちんと意思表示ができる子供を育てていくという視点が非常に重要ではないか。これをどう盛り込んでいくかということが一つ課題かなと思っています。
それからもう一つですが、資料8に書かれている内容ですが、「成果と課題」の最後のところに「インクルーシブ教育システムの構築の進展を踏まえ」とございますが、ここはしっかりインクルーシブ教育システムというものを前向きに捉えて、そのために知的障害の教育がどう在るべきかということを考えていく必要があるだろう。インクルーシブ教育があるから、こういう枠組みをそろえましたということではなくて、より踏み込んだ形での対応が必要ではないか。それは今、品川委員が言ったように、将来にたえる学習指導要領を作っていくという上から非常に大事なことではないかなと思いました。
それから、現実的な問題として、1点だけですが、私は視覚障害ですが、視覚障害の高等部で現実的な課題が出てきているのですが、高等学校で急に視力が落ちて盲学校に移るといったときに、今のシステムでは、一旦高等学校を退学して、もう一回試験を受け直して転入するというシステムになっています。それで、編入は難しいようなんです。そういう細かなところを見ても、連続性ということを考えたときに、相互に行きやすくするような仕組みづくりというのも大事ではないかなと思っているところです。以上でございます。
 【宍戸主査】  ありがとうございます。金谷委員、名札を納めてしまって、済みませんでした。どうぞ御意見をお願いします。
 【金谷委員】  ちょっと教えていただきたい。私の知識不足かもしれないんですけれども、小学部の中に家庭科がないのはなぜかなというのがちょっと分からなくて、生活という中で包括されてしまっているのかもしれないんですけれども、自立ということを考えたときに、社会生活とか就労に向けてという意味での自立と、それから自分自身のケアという意味での自立とがあると思うんです。その自己解決力とか、そういうことも含めた自立ですけれども、そうしたときに家庭科というのは結構大事なものではないかなと思っていますし、さっきから機械化の問題も出てきていますけれども、例えばそういう家庭生活自体もどんどん時代とともに進化してくるという問題もありますし、そういうことに子供がいかに親を頼らずに自分自身で生活していけるかということを学ぶという意味で家庭科はとても大事だと思っているんですが、その辺がないのはなぜか。そういうのはどこかでもうされているということがあれば、教えていただきたいと思います。
 【宍戸主査】  事務局の方から知的の教科について補足説明をお願いします。
【丹野調査官】  調査官の丹野でございます。御指摘、ありがとうございました。小学校と特別支援学校の小学部の教科・科目で、ないものがございますが、例えば小学校で示されている家庭科の内容に相当するものとして、知的障害特別支援学校の小学部の生活科の中にその内容がありまして、きょうお配りしております資料5の20ページ、スライドの20ページ目ですけれども、「各教科の目標と内容:家庭」ということで、高等部の家庭科の内容、それと中学部の職業・家庭科の内容、それと小学部の生活科の内容ということで、こういう内容のところでつながっているというところがあります。
 【金谷委員】  すみません、それを見たのですけれども、とても小学校5・6年生でやる家庭科の内容とつながっていくとは思えなかったので、質問しました。
 【丹野調査官】  この内容を軸にしながら、様々な児童生徒の実体験等に合わせながら単元を設定して、教科の内容を核にしながら指導計画を立てていくというところはあります。
 【宍戸主査】  小・中・高3段階、1段階、2段階という形で示していますけれども、どういう子供を想定してこういう内容を示しているかということをある意味で吟味して検討していく必要はあるのかなと思います。そうすると、今金谷委員がおっしゃったような内容もやれるような仕組みをどこかで担保しなければいけないかもしれないと思います。すみません、時間が過ぎていまして、もう一つの議題でありました高校の通級につきまして、できる限り御審議いただきたいと思います。それでは、事務局の方からお願いします。
 【田井特別支援教育課専門官】  特別支援教育課専門官の田井と申します。本日は遅れて参りまして、大変失礼いたしました。資料10を御覧いただければと思います。
これまでの会議でも御紹介させていただいておりましたが、現在、高等学校への通級による指導の充実について、昨年11月より、高等学校における特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議で検討を進めていただいております。本年3月中に報告書をまとめる予定で進めておりまして、議論の内容がまとまってきましたので、本日御報告をさせていただきます。
 資料10の1枚目は、報告書の基になる論点整理(案)の概要でございます。まず現状と制度化の課題について御覧ください。中学校において通級による指導を受けている生徒数は年々増加しております。高等学校においては、これまでこれら障害のある生徒に対する指導・支援は、通常の授業の中での配慮や、学校によっては学校設定教科・科目の中で、自立活動の内容を参考とした科目を実施することにより対応していただいていました。ただし、現行制度におきましては、特別支援学校の自立活動そのものに相当する指導を教育課程の中で行うことはできないこととなっております。インクルーシブ教育システムの理念を踏まえ、高等学校における特別支援教育のさらなる充実が図られるよう、通級による指導に相当する「学びの場」の早急な整備が必要であるとしております。
 次に、制度設計の在り方についてでございます。高等学校における通級による指導については、基本的な考え方は小中学校と同様としつつ、教育課程の編成、単位による履修・修得、卒業認定制度がとられていること、必履修教科・科目があること、全日制、定時制、通信制といった区別があることといった特徴を踏まえて制度を設計する必要があるとしております。
まず、教育課程上の位置付けについてでございますが、通常の教育課程に障害に応じた特別の指導――これは小中学校での通級による指導の内容として文部科学省告示で定めている文言でございますが、こちらを加えることができるようにする必要があるとしております。ただし、学習指導要領にどのように位置付けるか、単位認定できるのか、その場合の学習評価はどうするのか、更に卒業要件単位に含めることができるのか等の教育課程上の論点につきましては、中教審における学習指導要領改訂の議論の中で更に検討することとしております。本部会におかれましては、これらの論点につきまして今後の会議の中で御議論をお願いしたいと考えておりますので、その際には何とぞよろしくお願いいたします。
 次に、通級による指導の対象でございます。対象となる障害種は、小中学校における通級による指導の対象となる障害児と同一とすることが適当としております。具体的には、※として記載しております障害児でございます。
 次に、指導内容でございますが、指導の内容は、特別支援学校の自立活動に相当する内容、障害のある生徒が自立と社会参加を目指し、障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するための指導としております。
 次に、指導の対象となる生徒の判断手続でございます。生徒に対する情報収集、行動場面の観察、生徒と保護者へのガイダンス、校内委員会における検討、検討結果についての生徒や保護者との合意形成といったプロセスが想定され、これを参考に、学校・地域の実態を踏まえて実施することとしております。
 次に、担当教員に必要な資格でございます。高等学校教諭免許状を有することに加え、特別支援教育に関する知識、障害の改善・克服を目的とする指導に専門性や経験を有することが必要であるとしております。
さらに、一番下の枠囲み、制度化後の充実方策についてでございます。国の役割として、必要な教員定数の加配措置、教員の専門性の向上、施設整備の参考となる指針の提示等の方策を実施する必要があるとしております。次に、教育委員会の役割として、教育支援委員会などの活用による支援体制の強化や、中学校からの迅速な引継ぎ体制の構築に努める必要があるとしております。最後に、高等学校の役割として、学校全体として特別支援教育に取り組む体制や関係機関とのネットワークの構築等に努める必要があるとしております。
 資料の2枚目以降は、先週16日の有識者会議の会議資料として配付されました論点整理(案)の本体でございます。本資料を基に報告書案を作成し、3月1日に開催予定の次回の有識者会議において御議論いただき、パブリックコメントの後、3月中に報告書案としてまとめたいと思っております。その後、先ほど申し上げました教育課程上の論点につきまして、本部会を中心に御議論をお願いしたいと考えております。その上で、来年度中に必要な制度改正を行い、翌年度の平成29年度を導入の準備期間といたしまして、平成30年度から制度の運用を開始したいと予定しております。
 本部会の委員の皆様におかれましては、今後の会議におきまして本件についても御議論をお願いすることとなり、恐縮でございますが、何とぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
 【宍戸主査】  ありがとうございます。今御説明がありましたけれども、本部会で教育課程の位置付けについてはまた継続して御議論いただくということです。制度の仕組みを整えるという意味で、3月までに報告書はまとめていただくということで、平成30年度をめどに制度化を図りたいということのようですが、時間がたくさんはありませんけれども、今何か御質問、御意見がありましたら、お出しください。では、古川委員からお願いします。
 【古川主査代理】  すみません。失礼します。ちょっとお伺いしたい点がございまして、まず1点目ですけれども、いわゆる自立活動の指導というのを取り出してやっていくということで、補充指導的な教科の補充というのは入らないと考えるべきだろうと思うんですけれども、そうしたときに、実際に今までこのモデル事業等で自立活動として特化して取り出した指導というのは結構内容的には実践されている状況なのでしょうか。その辺を少し、もしそういった例があれば教えていただければなというのが1点。
もう一つは、高等学校に、例えば今の自立活動の指導が必要ですよと、通級という制度を考えていく中で、実際に、では誰がやるのかという話が現実にすぐ返ってくると思うんですけれども、何かそういったことについては、一応免許のことを書いてあるのですけれども、現実問題としては、中学校においてもなかなか通級が増えなかったというのは、担当する人が現実的にはなかなかいないというのも現場としてはあって、そういう養成が必要だろうと思うんですけれども、何かその辺について、例えば特別支援学校の先生がセンター的機能で指導に関わって、兼務を発令したような形でするのか、あるいは高等学校にきちんとしたそういった加配ではない、定数上になるのでしょうか、地財措置なので、もし入れるとすれば多分そういう形になると思うんですけれども、その辺についての話は何か出たのか、もしよかったら教えていただけますか。
 【宍戸主査】  では、事務局で分かる範囲でお願いします。
 【田井特別支援教育課専門官】  特別支援教育課の田井と申します。まず1点目の御質問で、教科の補充指導のような形のものがモデル事業の中で行われているのかという御質問だと思うんですけれども……。
 【古川主査代理】  いや、そうではなくて、実際に教科の補充指導であれば、学校設定教科でやればいいわけで、ある意味、学び直しとかということでできると思うんです。だから、その制度を今から考えていく中で、いわゆる通級で取り出してするとすれば、それは特別な指導なので、自立活動にしますよという話で出てきているんだろうと思うんですけれども、では自立活動の指導として具体的に実際のモデル校などで展開されたものがもしあれば、ちょっと教えていただければなと思います。
 【田井特別支援教育課専門官】  大変失礼いたしました。モデル事業の中で行われている自立活動としては、ソーシャルスキルトレーニングのような形で、社会に出ていく上で必要なコミュニケーション能力を身に付けるといった趣旨で行われている内容が多いかと思います。
 【太田特別支援教育課課長補佐】  補足説明をさせていただきます。現在、私ども文部科学省では、個々の能力・才能を伸ばす特別支援教育モデル事業というものを実施しております。これは、今御説明があったとおり、現行の制度の下では自立活動の時間に相当するものは教育課程上できないような形になっておりますので、特別に文部科学大臣が指定するような形でこの事業を実施していただいておりまして、そこで自立活動に相当するような時間を設けて、改善・克服のための指導を行っております。そこではいろいろな研究テーマをやっていただいておりますが、一つは、実際にどのような教育課程を組むのか、自立活動に相当する時間と教育課程全体との関連とか、それから具体的に自立活動に相当する時間をどのような指導内容で行うのか、これは現在特別支援学校で行っている自立活動を参考にしながら、個々の子供たちに合わせた指導内容を作っていただくといったことを実践しながら研究していただいております。
また、実際に誰が指導するのかというのは非常に大きな問題ですが、ここの取組の中でも、担当教員、複数の場合もありますが、そういった者を配置していただいて、指導方法なども研究していただいております。この事業は平成26年度から実施して、26、27、28、ちょっと今年から始まったものもありますので、29年度まで掛かる学校もありますが、こういった成果を全国に紹介しながら、制度化の後の参考になるように、広めていきたいと考えております。
 【分藤調査官】  関連して、端的に申します。先週、高校通級モデル事業を受けていただいている自治体や高校を集めた会議をしましたけれども、中田委員に高校通級の委員として入っていただいておりますけれども、その会議でも出ましたけれども、ほとんど卒業後生徒たちが職場や進学先で困っている力というのを分析されていて、そこがコミュニケーションとか、人間関係の形成とか、心理的な安定とか、そういったところで結構困っているという分析をされ、うちの学校では、先ほど田井が申しましたコミュニケーションとか対人関係とか、そういったいわゆる大事にしたい柱みたいなものを整理されていました。実際、自立活動の指導をされるときには、きちんと原則に立って、自立活動の六つの区分でしっかりと生徒の実態把握をした上で、高校3年間という短い間で全部指導はできないので、その中で課題を絞っていくときに、そういった観点と照らし合わせながら、特にこの生徒はこの課題を重点的に、いわゆる重点化といったところを個別の指導計画に位置付けて指導されているといったところが多かったような気がします。
 【宍戸主査】  ありがとうございました。品川委員は、いいですか。
 【品川委員】  はい。
 【宍戸主査】  では、川合委員、お願いします。
 【川合委員】  失礼いたします。三つほどお願いいたします。
 一つは、高等学校における通級による指導の制度化・充実ということなんですが、小学校と中学校のいわゆる通級指導教室の設置数を比較すると、今は増加傾向にあるといっても、中学校ではかなり減少しているという状況があると思うんです。そうしますと、中学校で通わなくて、本当はニーズがあるのに、高校でいざ通級があると言われたときに、果たして行くのかというところです。そういったところは心理的抵抗感ということでこの資料の中にも書いていますが、そういった部分の解消です。これは高校とセットで中学校の通級の制度の充実というところも考えなければ、連続性というところも保たれないのではないかなと思われますが、このあたり、いかがお考えでしょうかということを一つお伺いしたい。
あと、古川先生の方から先ほど、高校の場合は教科指導の補充に関しては学校設定科目等でというお話もありましたが、例えばLDとか、比較的新しい、18年度から始まった障害種の中には、自立活動メインではちょっと実態にそぐわない障害種もあろうかと思います。こういった部分に関しての指導内容の設定の在り方というところも検討する必要があるかなと思いますが、このあたりをどうお考えでしょうかということを教えていただきたい。
あとは、古川委員の方からもちょっとお話があったのですけれども、障害種に関して、例えば言語障害とか、LD、ADHDなどは、5領域の特別支援学校の教員養成の中では私たちは余り扱わない障害種ということで、どういった形でこういった障害種を指導していける人たちをシステマチックに養成していくかというところです。このあたりの教員養成、これは教育課程の部会なので、余り教員養成の話をしてはいけないかなとは思っていたのですけれども、どうしても関わってくるかなと思うんですけれども、このあたりをどうしていくかというところです。本学の話をしてもしようがないのかもしれませんけれども、うちは5領域全部を取らせている大学なんです。そうすると、中学校の基礎とか高等学校の基礎ではなくて、小学校の基礎免でなければ免許状がもう出せないというきつきつのカリキュラムでやっている状況なんです。そうした中で、中高の教員免許状をお持ちで特別支援学校の何らかの免許状をお持ちの方というのがなかなか養成できない状況もあるし、あとは卒後の進路です。特別支援教育に関わると言いながら、例えば小学校とか中学校とかに就職して、通級の先生になりたいんだとか、特別支援学級の先生になりたいんだという卒業生を出すと、文科省からちょっとマイナスポイントが出るといいますか、特別支援学校の教員を養成していないではないかというお叱りを受ける状況もあるわけです。ですから、そのあたりの特別支援教育に広く関わる人材を育てていくのか、特別支援学校に関わる人材を育てていくのか、このあたりも教員養成のところでまた議論していただければいいのかなと思いますが、このあたりもどうなっているのかなというのをちょっと教えていただければと思います。以上です。
 【宍戸主査】  今、時間もありますので、三つ、大変ですので、答えられるところだけで、答えられないところはまた次回に持ち越しということにさせていただければと思います。
 【田井特別支援教育課専門官】  まず一つ目の御質問で、心理的な抵抗感についてということだと思います。そちらについては、資料10の2ページ目以降の論点整理(案)のところで、5ページの下から二つ目の○のあたりから記述していただいているところでございます。その中で、5ページ目の一番下の○ですけれども、「通級による指導を受ける生徒自身が、自らの学習内容について教師と一緒に考えるという立場に立つことによって実効性のあるプログラムが形成されていることが多い。生徒自身が主体的に取り組む契機を作るためには、生徒との対話を重視し、生徒が自分の課題、つまり、具体化された学習課題を認識し、自覚できるようにすることが重要である」ということで、生徒が主体的に通級指導を捉えて実施していくような方向に学校全体で持っていくことが必要であるといった考え方を示していただいているところでございます。
それから、担当する教員についての御質問、御意見でございます。今回の資料10の「制度化後の充実方策」のところで、「国は、必要な教員定数の加配措置や教員の専門性の向上」ということで、具体的には研修の実施などということが報告書の中には書かれております。ですので、そういった研修の実施によって専門性を向上させていくというところはもちろんやっていきたいと思っておりますけれども、御指摘いただいた教員養成の部分は非常に重要な課題だと思っております。今回、中教審の答申の方で、全ての学校種の免許状で2単位、特別支援教育について学ぶというところは明確化されましたけれども、本当にそれで十分なのかといったところとか、特別支援学校の免許状という今の在り方でいいのかというところについては、またそういった教員養成の在り方を検討していく中で、引き続き課題として検討していきたいと思います。
 【宍戸主査】  それでは、今年度いっぱいというか、3月いっぱいでまとめようという話がありましたので、御意見等がありましたら聞かせておいていただいて、まとめの際に参考にさせていただくという形にしたいと思います。ですから、10分ほど時間を延長させてください。田中委員、野口委員、村上委員ということで、御意見等があればお話しください。
 【田中委員】  私も教員養成の観点からお話ししたいと思います。私は、市の教育委員会から小中の特別支援学級、通級指導学級等を見ているのですけれども、今、川合委員がおっしゃったように、小学校全科の免許状を持っている教員がこの特別支援教育を学んで、それらの担当をするというのは非常にスムーズなんです。けれども、中学校の教員が教科の免許状のみを持っているのですが、そこから特別支援教育に移っていくあたりが非常に難しい。それを考えますと、中学校でさえそうなのに、高等学校は非常に難しいだろうなと想像します。それで、これは現実的ではないかとも思いますが、例えば福祉の言語聴覚士とか作業療法士の人が自立活動をある部分で担当したり、これから制度化されるいわゆる心理士の人たちがそういう心理の観点からこの自立活動を担当するといった中で教員とのコラボレーション等が工夫できるのではないかと考えております。以上です。
 【宍戸主査】  ありがとうございます。では、野口委員、お願いします。
 【野口委員】  どういう人が担当するかということも気になっていたのですけれども、それ以外の点に関してですが、以前、発達障害のある生徒に関して高等学校での支援について検討するモデル事業があったかと思うんです。その中で、私は委託事業で調べさせていただいたのですけれども、総合学科においては、かなりいいと言ったらいいのか、そういうもので子供たちに対してかなりいい形の指導をしていたなという記憶があります。そういったことの成果も参考になるのではないかなという気がしますので、そういったことも踏まえて検討することが必要なのかなと思います。
あともう一つですが、川合先生のお話にもありましたが、小、中と設置数が少なくなってきて、実際に高校ではどれぐらいの数が設置されるのだろうというのが非常に気になっているところで、それこそ自校・他校ということでの通級という形態がありますが、果たして十分な形での成果を上げられるだけの数が設置される見通しなのかどうかということが気になっているというところです。
あともう一つ、ICTの活用に関わって、生徒の中には、ICTの活用というのが将来自助ツールとして非常に有効な子供たちがいるかと思います。そういったことも含めて、例えば高校段階でそういったものを使いこなしていく力を身に付けていくということも必要なのかなと思っているのですが、そういった学びを担保できる環境整備と言ったらいいのか、そのあたりは今後どうなっていくのかということが気になっているところです。以上です。
 【宍戸主査】  ありがとうございます。では、村上委員、お願いします。
 【村上委員】  高等学校における特別支援教育的な視点というのは、今、現場段階でも物すごく大きな問題になっています。私どものところに教職大学院の院生として現場から派遣されてきている者の中の研究テーマの一つの大きなところはそこになっています。そんな中で、ある県を調査しますと、高等学校の中で特別支援教育に関わる委員会が設置されているのは90%、本当は100%やらなくてはいけないんでしょうけれども、コーディネーターについては100%です。個別の教育支援計画に関わるようなもの、そのものではないようなものもありますけれども、それらは40%ぐらい作られている。ただ、今言いました特別支援教育に関わる委員会は、設置はされているのですが、年1回ぐらいしか開かれていないというのがどうも現状らしくて、子供たちの計画を作るには作ったが、それが使われていないという現状があります。ではどうしてかというと、先ほど来出ている、それぞれの教員の免許の領域がそれぞれ教科で出てくるとなると、特別支援的な横断的な視点はなかなか持ちにくいということと、教科をしている中で難しいというのは、自分の力量の問題なのかということがどこかでどうも先生方の中にあるらしいといった報告が、アンケートを調べましたところ出てきていました。そんな中で、果たして子供たちの心理的な抵抗感も含めて、通級が必要な部分はありますけれども、通級でいいのかとか、あるいは自立活動的な要素を中心にしつつも、それだけでいいのかなという、むしろ各教科の中で教え方の問題ではない側面があるのだということを教員の中で知っていただく方が先生も子供たちも伸びていくようだということが、追跡を2年間ほどやりますと、見えてきました。そうなると、果たして自立活動だけでいいのかな、あるいは通級的な制度だけでいいのかなというのを、先ほどの報告を頂いて考えた次第です。以上です。
 【宍戸主査】  本質的な疑問もあるということです。それでは、山中委員と、最後に安藤委員にお話しいただいて、通級の方の議論を締めたいと思います。
 【山中委員】  2点です。1点は、制度としては多様な制度ができるのは、私としては賛成です。いろいろな子供がいるので、そういうことになるといいなと思います。ただ、高校も特別支援学級が設置できることにはなっていますけれども、現状、高校には特別支援学級が設置されている学校はないと思うんです。そういったことも含めて、通級を制度化するのであれば、今後活用されるような在り方になってほしいなということが1点です。
それから2点目は、自立活動と教科の補充を行うわけなんですけれども、あくまで授業の中で行うものなので、教員ができるものでなければいけないと思います。自立活動の学習指導要領に沿って6区分26項目の中で今小中学校も考えて通級の方をやっているわけですけれども、その自立活動の学習指導要領の内容というものには障害の重い子から軽い子まで含まれているわけですけれども、今のままで高校を通級にするとしたら、それが果たして適用できるのかなというのは思っています。小中学校の方も通級の実践例というのがまだまだ少ないので、そちらの方も深めていっていただいて、高校につなげるという形にしていただければなと思います。以上です。
 【宍戸主査】  安藤委員、お願いします。
 【安藤委員】  ありがとうございます。私の方からは、この制度の意義について高く評価させていただいて、是非、今後積極的に進めてほしいという意見を申し上げたいと思います。二つございまして、一つは、通級の制度というものの特徴、特色と考えた場合に、通常の学級で学びつつ、その教科等を学ぶ上で解消できない課題を例えば自立活動という領域において解消するという考え方、いわば領域論の話ですが、こういう考え方をとるということです。この考え方は、いわゆる教科と自立活動に限らず、教科間の問題もありますけれども、これを循環させるという考え方で、先ほど来議論になっている学部段階での接続とか縦の時間軸の中での接続をどうするかというときの方法論として実はこれは極めて重要で、このサイクルができていないと積み上げができないということです。そういうことからも、実は高等部段階でこれができるというのは、時間軸として見通しを持つ上でも非常に有意義だろうということがまず一つです。二つ目は、教員養成の問題が先ほど出ましたけれども、確かにどういう資質、専門性を持って充てていくかというのはこれから大きな議論になるとは思うんですけれども、基本的に、先ほど申し上げたように、循環するような教育課程の考え方、つまり高等学校で極めて専門性が高く求められる先生方が、果たして特別支援教育の自立活動をどう思うか。まずこれは全く自分たちは対応することができないという考え方をとられると思うんです。僕はそれでいいと思うんです。つまり、教科の中で解消すべきは先生の役割で、自立活動に関わることについては、これは特別の指導として通級がやりますよと、そこは役割分担ですよと。ただ、自立活動の指導で得られた成果は是非教科の中で生かしてくださいと。生かしたもので何が課題であったか、何が成果であったかは、またもう一度担当者にそれを知らせてくださいと。そういうやり方をとると、実は意外と特別支援教育や自立活動に対するアレルギーというかな、抵抗感はなくなる。自分がやるべきことが見えて、役割としてきちんとやっていくことで循環することで、特別支援教育に係る理解も、あるいはその手続についても深まる。そういうことも期待できると思うんです。そういったことが期待できる制度というのは極めて重要だろうということです。
なお、その数が少ないという問題があると思うんですけれども、実は高等学校段階でこれが導入されて、今申し上げたような成果が期待できると、中学校への波及効果などは大いに期待できるところでありますし、それが冒頭に申し上げたつながりのところで非常に意味のあるものになってくるのではないかなと思っています。是非このことについては、その意義も含めて、手続も含めて、今後議論が深められればいいかなと思っておりますし、最後に申し上げるとすれば、その養成の問題についても、これをどうするか。学校免許で対応するという考え方がどうもなかなか厳しい中で、考え方として、違った資格を付与するということも場合によってはあるのかなと、いろいろな考え方があると思うんですけれども、これは今後の議論の中で取り上げていただければと思います。すみません、長くなりました。ありがとうございました。
 【宍戸主査】  ありがとうございました。時間を延長させていただいて、通級の方の話合いまでさせていただきました。予定された議題については、きょうは以上で終了させていただきたいと思います。
それでは、事務局の方から今後の日程等も含めて御説明をお願いします。


【太田特別支援教育課課長補佐】  長時間にわたり御議論、ありがとうございました。
 本部会でございますが、当初の私どもからの説明では、3月末ぐらいまで一定のまとめをさせていただくというお話をさせていただいていたところでございますが、教育課程部会全体の他の部会の審議と並行して議論を行っていく必要があるため、次回は少し先とさせていただいて、次回は4月以降に開催させていただきたいと思います。また、委員の皆様の日程を調整して、決定次第、御案内させていただきたいと思います。
また、きょうのテーマでもたくさん御意見を頂きましたが、ペーパーによる御意見も頂戴したいと考えておりますので、ファックス又はメール、郵送でも結構でございますので、御意見がありましたら寄せていただければと思います。以上でございます。
 【宍戸主査】  それでは、本日の特別支援教育部会(第6回)をこれにて終了させていただきます。
今話がありましたように、次回は4月以降ということで、時間が空(あ)きますので、気が付いた意見等がありましたら、事務局の方にお寄せいただければ有り難いと思います。どうぞよろしくお願いします。
では、これで終わります。ありがとうございました。




―― 了 ――



お問合せ先

特別支援教育課 指導係

電話番号:03-5253-4111(代表)

(初等中等教育局特別支援教育課)

-- 登録:平成28年03月 --