教育課程部会 総則・評価特別部会(第10回) 議事録

1.日時

平成28年7月7日(木曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

金融庁 13階 共用第1特別会議室
東京都千代田区霞が関3-2-1

3.議題

  1. 総則・評価特別部会、小学校部会、中学校部会、高等学校部会における議論の取りまとめ(案)について

4.議事録

【天笠主査】    それでは、本日も前回に引き続きまして、教育課程の改善・充実について御議論いただきたいと考えております。
  なお、本日は、報道関係者より、会議の撮影及び録音の申出があり、これを許可しておりますので、御承知おきください。
  それから、本日でこの総則・評価特別部会は最終回となりますので、今回はこれまでの議論を踏まえて事務局にて作成された「総則・評価特別部会、小学校部会、中学校部会、高等学校部会における取りまとめ(案)」について御議論を頂きたいと思っております。
  なお、取りまとめ(案)はかなりの分量となっておりますので、まずは事務局より全体を通して御説明いただき、取りまとめ(案)の前半と後半に分けて議論を頂きたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
  それでは、まず事務局より配付資料の御説明をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    失礼いたします。
  まず、資料1の方でございますけれども、何度かごらんいただいております学習指導要領改訂の方向性のポンチ絵でございます。様々部会で御指摘いただいたことを踏まえまして、少しずつ修正を図らせていただいているところでございます。例えば、「何ができるようになるか」のところでございますけれども、「新しい時代に必要となる資質・能力の育成と、学習評価の充実」ということで学習評価につきましても追記をさせていただいているところでございます。
  済みません、説明の途中でございますけれども、6月21日付けで着任いたしました藤原初等中等教育局長を御紹介させていただきます。
【藤原初等中等教育局長】    去る6月21日付けで初等中等教育局長を拝命いたしました藤原でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【大杉教育課程企画室長】    それでは、資料1でございます。2枚目以降、資質・能力の三つの柱。それから、3ページ目は高等学校の教科・科目構成でございます。内容的には大きな変更はございませんけれども、少しデザイン的な整理を行わせていただきました。
  また、4ページ目はアクティブ・ラーニングの三つの視点について。そして、5ページ目がそれと資質・能力の関係性ということ。そして、6ページ目が総則の構造や、カリキュラム・マネジメントの対応関係ということ。7ページ目が各教科の意義と総合の関係性ということ。そして、8ページ目以降は、それぞれの総則の改善イメージということで、先ほどの6ページ目の構造、カリキュラム・マネジメントの柱立てに沿って総則の構造を見直すということでございます。
  小学校が9ページ目、10ページ目、そして中学校が12ページ目、13ページ目、高等学校が15ページ目、16ページ目という形でございます。少しずつ御意見を頂いた内容に基づく修正をさせていただいているところでございます。
  そして、資料2の方でございますけれども、本日、中心的に御議論いただきたいペーパーでございます。「総則・評価部会、小学校部会、中学校部会、高校部会における議論の取りまとめ」ということでございます。これまでいただいた意見、また、各部会からの委員の先生方からも同時並行的に意見を頂いておりますので、まだまだ反映し切れていない部分もございますけれども、本日の総則・評価部会の御議論を最終のものとして、主査とも御相談しながら、最終的な取りまとめをさせていただければと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  前回からの大きな変更点を中心に御説明をさせていただきたいと思います。1ポツの部分は、前回御説明申し上げましたとおり、議論の取りまとめに追記すべき論点整理後の状況ということで、特に、情報化の急速な進展ということを中心に整理をさせていただいているところでございます。
  2ページ目の二つ目の丸でございますけれども、教科横断的な視点で取り組むべき内容ということで、特にESDということについても、そうした教科を越えた教育課程全体の取組を通じて、子供たち一人一人が自然環境や資源の有限性、地域の将来などを自らの課題として捉え、そうした課題の解決に向けて自分ができることを考え実践できるようにしていくことということで、教科を越えた視点で教育課程を見渡すことの重要性の一つとしてESDを追加させていただいているところでございます。
  それから、2ポツ目がカリキュラム・マネジメントでございますけれども、3ページの頭にございますようなポツの柱に沿って各学校が実施できるようにしていくということ。学校の特色を構築していく営みであるといったことを追記させていただいております。
  また、3ページ下の「何ができるようになるか」、資質・能力と「生きる力」の関係性ということ。知・徳・体を総合的に捉えて構造化するものであるということ。そして、4ページで知識とは何か、コンテンツとコンピテンシーの関係。特に技能面、知識に比べて記載が弱かったところを一番下の丸のように少し追記をさせていただいております。
  それから、5ページ目の(3)初等中等教育全体や、各学校段階を通じて育成すべき資質・能力、それぞれ「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性」の柱に沿って、ローマ数字1、2、3と整理をさせていただいております。実際の総則の検討に当たっては、これらを小・中・高の発達段階に応じて書き分けていく必要があるということでございます。
  また、6ページ目、一番上の「学びに向かう力・人間性」、この部分は、内容はこれでいいのだけれども、表現ぶりをもう少し分かりやすくした方がいいのではないかということで他部会から御指摘を頂いておりますので、引き続き検討をさせていただきたいと思います。
  また、この人間性の部分にESDを追記させていただいております。(4)に具体的な資質・能力の整理がございますけれども、ESDはそれからの資質・能力が総合的に組み合わさった大きな教育課程全体の考え方を変えていくというような重要な理念でもございますので、この三つの柱の人間性の部分に位置付けさせていただいているところでございます。
  それから、(4)の部分でございます。現代的な課題に対応した資質・能力と、時代を越えて求められる資質・能力ということで、情報活用能力や健康・安全に関わる資質・能力等々、これらについて教科横断的な視点で関係性の整理を図っていく必要があるということでございます。ここでは特に、これまでの議論の中で中心的に整理をいただいた言語能力、情報活用能力、それから健康・安全に関わる資質・能力について特出しをさせていただきたいと考えております。
  その他、例えば主権者教育でありますとか、伝統・文化に関する教育、創造性の育成など、ほかにも大きな資質・能力がございますけれども、これらについては、言語能力、情報活用能力等と同様に、三つの柱に基づく資質・能力の整理と関係教科とのつながりの整理を審議まとめに向けて、あるいは実際の改訂に向けて行っていくという方向性のみを示させていただいておりますけれども、基本的に必要な整理ということは共通してくる部分であろうと思います。
  まず、言語能力についてでございますけれども、言語能力特別チームの議論を踏まえまして、ごらんのような整理をさせていただいております。言語能力特別チームの議論につきましては、お手元の参考資料2のマル1をごらんいただけますでしょうか。本文につきましては、1ページからでございます。言語能力とは何かということを、整理頂いております。特に言語能力、4ページにございますように、資質・能力の三つの柱、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力、人間性」について整理を頂きました。
  また、言語能力、言語の三つの側面ということから捉えていくことが重要であるということ、「創造的・論理的思考の側面」「感性・情緒の側面」「他者とのコミュニケーションの側面」でございます。また、言語能力を育成する資質・能力が働く過程についてということで、学習過程も整理いただいております。これは図でごらんいただければと思いますけれども、まず、19ページ目に言語能力を構成する資質・能力を整理してございます。
  また、20ページ目に言語能力を構成する資質・能力が働く過程ということで、これをまさに子供たちの学習課程として実現していく必要があるということでございますけれども、「認識から思考へ」というプロセス、「思考から表現へ」という大きなプロセスの流れの中で、先ほどごらんいただいた三つの柱に沿って整理をさせていただいた資質・能力が働いていく。これを働かせることによって更に育てていくということでございます。
  こうした整理を踏まえまして、資料2にお戻りいただければと思いますけれども、7ページ目にございますような言語能力、まずは言語能力の育成が求められる背景ということで、学習や生活の基盤となるということ、そして、育成する言語能力の明確化ということで、まず、言語の三つの側面を言語能力、先ほどのチームのペーパーから抜粋をさせていただいております。
  また、8ページ目の丸のところでございますけれども、こうした側面を踏まえながら、資質・能力の三つの柱ということ。そして、それを育むプロセスの在り方ということを8ページ目、9ページ目にかけて記させていただいております。先ほどごらんいただいた図を文章化したものであるということでございます。こうした言語能力、こうした過程の中でしっかりと働かせて強化していく必要があるということ。そして、これらを育むためにも、各教科における言語活動の充実を図る必要があるということ。そして、特に言葉を直接の学習対象とする国語教育及び外国語教育の果たすべき役割は極めて大きいということでございます。
  それぞれの改善点につきましては、先ほどごらんいただいた参考資料2のマル1、22ページ目から、それから34ページ目からに国語ワーキング、外国語ワーキングのまとめとして別途載せさせていただいておりますので、ここにおいてはそうしたことの重要性ということを触れさせていただいているということでございます。
  続きまして、9ページ目の下から情報活用能力、情報技術を手段として活用する能力、これも構成は同様でございます。情報活用能力の育成が求められる背景ということ、それから育成する情報活用能力の明確化ということでございます。これにつきましては、既に総則・評価部会で御議論を頂いております。
  お手数ですが、お手元の黄色いファイルの総則という部分をお開きいただけますでしょうか。お開きいただきますと、総則の部分で、「情報に係る資質・能力について」というペーパーがございます。検討事項をまずめくっていただきまして、その後、ピンク色の文字が入っております総則の構成、そしてアクティブ・ラーニングの整理のペーパー、アクティブ・ラーニングのポンチ絵、そして、学習評価の改善に関する主な論点というのがございまして、学習評価の改善に関する今後の検討性というペーパーがございます。その後、カラー刷りでカリキュラム・マネジメントの柱と総則の構造を整理したものがございます。
  その後ろに情報に関わる資質・能力というものがございます。これは既に1月に御議論いただいておりますけれども、おめくりいただきまして、5ページ目が情報活用能力の整理ということ。そして、それを発達段階に応じて整理をしたのが7ページ目、そして、各教科における情報活用能力の育成を整理したのが8ページ目、9ページ目、10ページ目、11ページ目でございます。これらを少し文章にさせていただいたものが10ページ目の下の部分、資質・能力の三つの柱ということでございます。
  また、カリキュラム・マネジメントという観点から、各教科における先ほどの整理ということも重要になりますので、これは別添として添付させていただきたいと思います。
  またプログラミング教育や情報モラル、情報セキュリティ、また、情報活用能力として統計や読書などとの関係性も整理すべきではないかという御指摘も頂いておりますので、審議まとめに向けてはこういった点も整理させていただきたいと思います。
  また、11ページ目のICT環境の整備でございます。社会生活の中で、例えば情報を検索したり、文章を推敲したり、あるいは情報の共有を図っていくということの中で、ICTを活用することが当たり前の世の中となっているということを踏まえれば、子供たちが社会で生きていくために必要な資質・能力を育むためには、学校の生活や学習においても日常的にICTを活用できる環境を整備していくことが不可欠であるということでございます。
  これにつきましては、別途、「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」というのが開催されておりまして、次期学習指導要領の実現に不可欠なICT環境やICT教材の在り方について議論されているところでございます。こうした議論を踏まえまして、各自治体において必要な環境整備が加速されることが期待されるということでございます。
  それから、11ページ目、健康・安全に関わる資質・能力でございます。これにつきましては、先ほど情報の資料を黄色いファイルで見ていただきましたけれども、その後ろに健康・安全等に関わる育成すべ資質・能力というパワーポイントの資料が載ってございます。こちらをごらんいただきますと、安全に関する資質・能力のイメージということ。そして、それを実現するためのカリキュラム・マネジメントの在り方、食育に関する資質・能力のイメージということとカリキュラム・マネジメント、また心身の健康の保持増進に関する資質・能力のイメージとカリキュラム・マネジメントということでございまして、これも情報活用能力と同様に、こうした力が求められる背景と資質・能力の明確化ということについて、ここで文章化をさせていただく方向で現在調整をさせていただいております。
  以上が資質・能力の部分でございます。少し誤字・脱字等ありまして、大変恐縮でございます。
  続きまして、4ポツの「何を学ぶか」というところでございます。ここにつきましては、学習指導要領を手掛かりとしながら、各学校が学校として育成すべき資質・能力を明確化し、それに基づき教育課程の編成を行っていくということでございます。
  それから、12ページ目でございます。「どのように学ぶか」でございます。特に主体的・対話的で深い学びの実現ということでございます。こうした中で実現を図っていくということ。そして、特に13ページ目のポツの下の一つ目の丸でございます。「主体的・対話的で深い学び」、この三つの視点について、関係性が少し分かりにくいのではないかという御指摘を踏まえた記載の追記でございます。「これら三つの視点は、子供の学びの過程としては一体として実現されるものであり、また、それぞれ相互に影響し合うものでもあるが、学びの本質を異なる側面から捉えたものであり、授業改善の視点としてはそれぞれ固有の視点であることに留意が必要である」ということでございます。「単元や題材のまとまりの中で、子供たちの学習過程がこれら三つの点を満たすものになっているか、それぞれの視点の内容と相互のバランスに配慮しながら学びの状況を把握し改善していくことが求められる」ということを追記させていただいております。
  それから、その次に、「深い学び」と「見方・考え方」の整理でございます。ここについては大きな変更はございます。
  また、14ページ目の下からは高度な課題解決だけではなく、子供の学習課題に応じた学びの実現ということでございます。
  それから、15ページ、「何が身に付いたか」という学習評価の充実の部分でございます。ここにつきましても前回から大きな変更はございません。少し字句の修正等を図らせていただいております。
  それから、16ページ目の下からが「子供の発達をどのように支援するか」ということでございます。今回、特に17ページ目の一つ目の丸の2段落目でございますけれども、子供たちの発達を支えるためには、主に集団の場面で予め適切な時期・場面を捉えて指導・助言を行っていくガイダンスという機能の側面、個々の具体的に子供たちが抱える課題に対して、その課題を受け止めながら解決に向けて指導・援助していくカウンセリングという機能の側面、この二つの側面で、以下書かれている様々な活動をしっかりと行っていく必要があるという整理をさせていただいております。
  その他、学級経営の充実、学習指導と生徒指導に関する整理、キャリア教育に関する整理をさせていただいております。
  また、19ページ目の下から個に応じた指導の整理、それから特別支援教育について記載をさせていただいております。
  また、22ページ目の真ん中からは、児童生徒の日本語の能力に応じた支援の充実について追記させていただいております。子供たちが日本語の能力に応じた支援を受けることによって、学校における学習や生活の基盤を作り、学校生活を豊かに送れるようにしていく必要があるということ。現在3万7,095人という数字も入ってございますけれども、公立学校に在籍する日本語指導が必要な児童生徒が増加傾向にあるということも踏まえながら、充実を図っていく必要があるということでございます。
  具体的には、日本語の能力の把握と、指導の目標の明確化ということ。それから、通常の学級における配慮ということ。ここにおきましては、マル1からマル5までございますけれども、授業において使われている日本語や学習内容を認識できるようにするための支援ということ、学習したことを構造化して理解・定着できるようにするための支援ということ、理解したことを適切に表現できるようにするための支援ということ、自ら学習を自律的に行うことができるようにするための支援ということ、学習や生活に必要な心理的安定のための情意面の支援という、こういった五つの支援が求められるところでございまして、こうしたことを学習指導要領等を通じて共有していくということが重要であるということでございます。
  また、制度化された通級による指導につきましては、学校全体の体制を整備していくということ。また、「JSLカリキュラム」ということでひな形が作られておりますので、こういった学習指導要領の改訂も視野に入れていく必要があるということでございます。また、専門家を含めた指導体制の確保、ネットワーク作りということも求められるということでございます。
  24ページ目以下は学習指導要領を実践するために必要な基盤整備ということでございます。特に、校内の研修体制につきましては、授業研究が高い評価を受けているということは間違いないのだけれども、それが一回一回の授業の指導方法の改善ということの狭い範囲にとどまっているのではないかという御指摘も頂きましたので、25ページ目の一つ目の丸のように、今後、教科横断的な視点でありますとか、少し長い単元や題材のまとまりを見通した指導の在り方ということでの改善を図っていくということが重要ではないかということを追記させていただいております。
  それから、26ページ目は学校現場、広く国民の理解というところがございまして、ここは各部会でもう少し記述ぶりを充実すべきという御指摘を頂いておりますので、本日の御意見も踏まえながら、ここの記載ぶり、例えば、現在ユーチューブを活用した広報なども行っておりますので、そういったことも含めた記載の充実を図っていきたいと思っております。
  ここまでが総論でございます。
  27ページの9ポツからが小・中・高それぞれにおける諸課題への対応ということでございます。基本的には前回ごらんいただいたものと変わりございませんけれども、例えば、28ページ目は言語能力の部分、前半部分で言語能力の記載が増えましたことを踏まえて、少し簡略化を図らせていただいております。その他、必要な字句の修正等をさせていただいております。
  それから、37ページ目、中学校(取りまとめ中)となってございますけれども、この形で御議論をいただいております。中学校教育の基本ということ、そして「カリキュラム・マネジメント」を軸とした中学校教育の改善・充実ということ、特に多様化する課題に対応するためには、教職員間や地域の意識を「カリキュラム・マネジメント」を軸に一本化していくことが重要であるという御指摘をいただいております。そして、特に部活動について、将来にわたる持続的な視野から在り方を検討し、活動内容や実施体制を検討していくことが重要であるという御指摘をいただいております。部活動の意義も踏まえつつ、これを長期間にわたって実施可能にしていくという視点を踏まえながら、改善を図っていくことが重要ではないかということでございます。
  それから、学校段階間の接続ということでございます。高等学校につきましては、高等学校教育の基本ということ。そして、カリキュラム・マネジメントについての考え方、そして、学び直し、指導と評価の改善・充実ということ。そして、カリキュラム・マネジメントに向けた取組の充実ということ。そして、47ページ目からは学校段階間の接続や卒業後の進路ということで高大接続や職業との接続などを整理してございます。
  また、48ページ目からは教科・科目の構成、先ほどは図でごらんいただきましたけれども、それを文章化させていただきながら、単位数の考え方ということを整理させていただいております。また、一番最後に専門学科及び総合学科についてまとめさせていただいているところでございます。
  以上、大変駆け足で恐縮ですけれども、前回から変わった事項を中心に御説明をさせていただきました。御審議のほどよろしくお願いいたします。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。
  それでは、ただいまの説明も踏まえまして、それぞれ委員から御意見を頂き、意見の交換をしていきたいと思います。
  なお、冒頭申し上げましたように、今、御説明いただきました取りまとめ(案)につきましては、大変大部でありますので、まずは1の「『社会に開かれた教育課程』の実現と、総則を軸にした教育課程の総体的構造の可視化」というところから、8の「実施するために何が必要か(家庭・地域との連携・協働、チーム学校等)」までについて議論をお願いしたいと思います。
  なお、御意見、あるいは御質問等々のある方は、いつものとおり名札を立てていただきますようお願いいたします。私の方から順次御指名させていただきますので、よろしくお願いいたします。
  それでは、まず1から8ということで、どこからでも結構ですので、お気づきの点、あるいは御意見等々お願いできればと思います。よろしくお願いします。
  それでは、まず、鈴木委員からお願いいたします。
【鈴木委員】    質問ですけれども、参考資料2-2の図の中のことなんですけれども、7ページに資質・能力の育成に向けた各教科等の関係(案)という、7ページです。資料2-2――ごめんなさい、資料1でした。失礼しました。資料1の7ページ。概念図が出ているんですが、各教科、総合的な学習の時間、特別活動と真ん中にありますが、この各教科の中の矢印とオレンジ色、何色と言っていいか分かりませんが、青、緑がかった色、この四角は何を意味するのでしょうか。それと、矢印は何を意味するのでしょうか。
【大杉教育課程企画室長】    御説明が不十分で大変失礼いたしました。5ページでは、アクティブ・ラーニングと資質・能力の関係性を整理しております。矢印が主体的・対話的で深い学びでございまして、その学びを通じて資質・能力の育成が実現されるということ、各教科で資質・能力の明確化とそれに主体的・対話的で深い学びの実現を図っていくということ。これをこの矢印とこの三つの資質・能力の固まりとして表現させていただいているものでございます。
【鈴木委員】    分かりました。
【天笠主査】    それでは、次、野津委員、お願いいたします。
【野津委員】    意見が一つと質問が一つです。資料2の5ページです。(3)として白丸が二つありまして、その下に1がございます。ここのところの、「ここでいう物事については」という段落の括弧の中のものなんですが、下から2行目の「言語文化、芸術やスポーツ、科学、学習等の意義や価値」ということが書かれておりますが、是非「健康」という用語もここに併記されるべきではないかという意見でございます。
  それから、質問ですが、11ページのところに、先ほど御説明がありましたように、健康・安全に関わる資質・能力については調整中で、今後、文章化されるということですが、天笠主査より冒頭に、本日の会議が最終回ということですので、その文章化されたものについてどうなるのかということです。この後、拝見するようなタイミングが何らかの形であるのかどうか。
【天笠主査】    今の質問についていかがですか。
【大杉教育課程企画室長】    是非コメントいただけるような流れで調整させていただきたいと思います。
【天笠主査】    よろしいでしょうか。
【野津委員】    はい。
【天笠主査】    荒瀬委員、お願いいたします。
【荒瀬委員】    ありがとうございます。資料1の1枚目ですが、1ページ目のところの学習指導要領改訂の方向性(案)というところで、一番上に「学習評価の充実」ということを明記していただきまして、大変ありがたいと思います。高等学校部会でも非常に強い意見として出ておりました。
  後半の部分でもまた申し上げますので、後半に関わることはちょっと置きまして、資料2の13ページです。資料1の方でも図示されているアクティブ・ラーニングの三つの視点に関わってなのですが、「深い学び」について、これはしばらく前からこのような表現になっているかと思います。議論が進んで表現が改善されていくというのは、これは当然、とても良いことではあると思いつつ、実は、もともとの昨年8月の論点整理は「問題発見・解決」という言葉が使われていて、「問題発見・解決」という言葉に目が向くというんでしょうか、問題発見とか解決ということは、どういうことなんだろうかということを読んだ人が考えるという、そういうところがあったように思っています。
  実際にいろいろな形で高等学校の先生方とお話をいたしますと、この問題発見というのは、どのように解釈すればいいんでしょうかということで、その解釈は、まさにここに書かれている、13ページの一番上に書かれている内容であろうかと思うのですが、ここのところの説明というんですか、三つの視点の説明をこういう形で文章化しているわけなんですが、これが本当に浸透していくようにいたしませんと、結果的に形にとらわれてしまう。形は大切ではありますけれども、しかし、形だけにとらわれてしまうアクティブ・ラーニングというのでは大変よろしくないわけでありまして、そのときに、この三つの視点の内容が十分に周知されるように、今後の取組というのを是非いろいろと考えていただきたいということを思います。
  以上です。
【天笠主査】    今のようなことを出していただいた後、時間のある限りですけれども、1から8まで順番にざっとそれぞれ目を通していただいて、それで折々に、また気がついたところで御意見をいただくような進め方をさせていただきたいと思いますけれども、そのときでも結構ですし、今ここで出していただいても、どちらでも構いませんけど、どうぞ。
【無藤教育課程部会長】    あちこちなんですけど、いいですか。
【天笠主査】    結構です。はい。
【無藤教育課程部会長】    割と小さいことばっかりなんですけれども、一つは、13ページに「主体的・対話的で深い学び」についての改めての整理で、これはこれでいいと思っているんですけれども、論点整理のときと比べたときに、私は、対話的学びのところで、多様な表現を通じてというのが論点整理に入っていると思いますけれども、そのフレーズは生かした方がいいのではないかという気がします。要するに対話的、これだけだとほかの人とやりとりするというだけになっていますけど、私は表現をしっかりしながらやりとりするということがポイントだと思っておりますので、そのことです。
  それから、もう一つは、非常に小さいことなんですけど、19ページの真ん中で、キャリア教育で「キャリア・パスポート(仮称)」の活用という提言があって、私は大いに賛成なんですけれど、このことが出てから、私、何人かに質問を受けて、これ具体的には何だということなんですけど、注釈があった方がいいのではないかと。具体的にこうだと今決めるわけにはいかないんですけど、例えばとかですね。たしかこれ、前に発表があって、アメリカかな、どこかで使っているという話を受けてだと思うので、それを引用するのがいいかどうかは分かりませんけれども、そういうことであります。
  それから、3番目は、飛んで37ページに、小・中のところの学校段階間の接続というところで、これはもっと前に申し上げるべきだったかもしれませんけれども、義務教育学校制度の更なる活用というところで、義務教育学校そのものの解説は別にあるわけではあるんですけど、総則で全くその中身に触れないでもいいのかなというのがちょっと気になるところです。要するに、私が理解するところでは、義務教育学校というのは、小学校という枠と中学校という枠は、特に学習指導要領上は守るんだと思いますけれど、小学校と中学校の間の学習指導要領上の教育課程の様々な科目等についての入れ替えその他の柔軟なやり方は可能だということがあるわけですよね。それとともに、ここでは学年段階間の柔軟な区切りとありますけど、要するにそれが何を意味するかとか、学習指導要領の規定上、どこまでが柔軟なんだということが数行程度入っていた方が総則を読む場合に分かりやすいのではないかなということです。
  以上です。
【天笠主査】    続きまして、鈴木委員。
【鈴木委員】    今、無藤先生がおっしゃったキャリア・パスポートですが、前回はノートという名前だったかと思いますが、私のイメージとしては、イギリスのNational Record of Achievementのイメージがありまして、似たようなものだと思うんですけれども、うまくいった部分と大変学校現場で負担になってうまくいかないところもありまして、それを十分検討して中身を作っていただきたいと。いいところと悪いところ、いろいろあって、成功、失敗、いろいろ混ざっているものですから、そこをよく考えてやっていただきたい。
  それから、これはもし総合的な学習の成果等がこの中に入れば、荒瀬先生が担当していらっしゃいます高大接続の資料として使えるものになるのではないかと。大変重要な、高大接続とも関わる重要な内容を持ち得るものだと思いますので、この辺の検討をよくしていただきたいという要望です。
【天笠主査】    それでは、1から順にもう一度目を通していただきたいと思います。もちろん、それで何かお気づきになったら他のところに飛んでいただいても、戻ってもらっても結構ですが、とりあえず1ページから2ページにかけての、1から2のところで、このところでもう少し書き加えた方がいいんじゃないかですとか、あるいはこのところはどうなんだというふうな、そういうところからすると、いかがでありましょうか。
  根津委員、お願いします。
【根津委員】    これは意見なんですけれども、資料2の2ページから3ページのところです。2.学校教育の改善・充実の好循環を生み出す「カリキュラム・マネジメント」の実現ということなんですが、比較的計画段階に重きが置かれている書きぶりなのかなという気がするんです。
  もう一つは、資料1、こちらの図の方の6ページ、学習指導要領総則の構造とカリキュラム・マネジメントのイメージ(案)というところです。教育課程の編成、教育課程の実施についてはあるんですが、教育課程の評価の部分ですね。学習評価とはまた別の次元で、実際に動かしてみた教育課程がうまくいっているのかどうなのかというところ。ここが落ちますと、子供は非常に勉強ができるようになっても、先生方はくたくたという状況が起こってしまいますので、そういったところのカリキュラム・マネジメントの中に評価的な要素、あるいは点検的な要素というものが入るような書きぶりに工夫していただければと思います。
  以上です。
【天笠主査】    根津委員、ちょっと私から一つ質問させてもらって、お願いできればと思います。それは、私も、今、御発言された教育課程の評価のことについては意を同じくするところがあるんですけれども、この構成からすると、どこら辺のところにそれを位置付けるのが一番意味を持つのかな。そういうことをちょっと私つらつらと思いながら今の発言を聞かせていただいたんですけれども、根津委員としてはいかがでしょうか。
【根津委員】    やはりそれは資料2の2ページから3ページ目の中の、カリキュラム・マネジメントとは、そもそもどういうものなのかを説明するところの中ですね。そもそもカリキュラム・マネジメントはどういうことなのかというのを読んだときに、計画実施の段階だけではなくて、そこに評価・点検の側面も入ってくるんだというようなところを、一言でも構いませんので、記入していただければと思うんです。
  3ページの一つ目の丸のところですね。ここの中には、何ができるようになるか、何を学ぶか、どのように学ぶか、何が身に付いたか、子供の発達をどのように支援するか、実施するために何が必要かということはあるんですけれども、本当にそれで良かったのかとか、やってみてどうだったのかと。ただ、これは全体に関わる大きいところですので、そこはまた工夫が必要かなというふうには思いますけど。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。
  2のところにも既に入っておりますけれども、1、2あたりのところでいかがでしょうか。1のところでは、ESDというあたりのところにも触れておりますけれども、こういう触れ方、あるいは説明の記述の仕方等々もどうであるかというような御意見を頂いても結構かと思います。あるいはそもそもここのところで、我々は総則部会でありますので、改めて総則というものがどういうものであって、それがこれまで果たしてきた位置付けとか役割から、今回は新たにこういう視点で総則を位置付け、そしてその機能を果たさせようというのが我々の立場だとするならば、この1から2ページあたりのところにかけて、そのあたりのところがうまく文章化されて伝え切れているかどうか。そういう観点からしたときにどうでありましょうかという、そういうことであって、ESDに私は基本的に賛成・反対というか、賛成なんですけれども、そもそも総則というところを書こうとするというあたりのところにESDというのがこういう形で、ここのところに登場するものなのかどうなのか、あたりのところなんかも、また、位置付けの問題だというふうに思っておりますけれども、どうなのか。そういう視点からも、もしお気付きの点があったら御指摘いただければと思うんですけれども、いかがでありましょうか。
  無藤委員、お願いします。
【無藤教育課程部会長】    ESD、私はとにかくどこかに入れてほしいということを思うので、その位置付けはまだ十分考えていないんですけど。私が申し上げた、もう一つ違うことなんですけれど、「社会に開かれた教育課程」の実現というのが1ページから2ページにかけて出ていて、論点整理も引用されていて分かることは分かるんですけれど、このことと三つの柱といいますか、資質・能力の育成とのつなぎをここではっきり書いた方がいいかなと思います。
  つまり、資料1のポンチ絵の方ですね。資料1の一番上に三つの柱があるわけですけれど、それが「社会に開かれた教育課程」が説明されて、その上で、学校教育で何を育てなければいけないかというのは、結局、子供たちが特に学校を卒業して社会の中で活躍していくときに、様々な未知の状況が起きて、そこで問題解決を常にしながら学び続けていかなければならない。そのための思考力等というのが学校において考えなきゃいけないし、そのためには子供たちが学んだことや考えたことを自分たちの生活でどう生かすかということが大事なんだし、そして、学校で得たり、その後学んだ知識は、そういった問題解決に生かしてこそ意味があるんだというようなことの説明ですね。つまり、別の言い方をすると、この1年間で、特に資料1の三つの柱の形容部分といいますか、「生きて働く」とかついたことが極めて重要なポイントだと思うんですけれど、それが学習指導要領を考える上でのキーフレーズとして三つあるんだと思うので、そこが「社会に開かれた教育課程」のつなぎということではっきりするとより分かりやすくなると思いました。
  以上です。
【天笠主査】    総則、これまでの総則というのが、私の認識ですけれども、比較的、例えば管理職ですとか、限られた人たちがそこのところを読むもので、そういうお立場じゃない学級担任ですとか、そういう人は、余りそこら辺のところには目を触れずに、直接自分に関わる部分について照らし合わせるというんでしょうか、こういう読み方がこれまでの学習指導要領の読み方、あるいは先生方にとっての総則の位置付けというふうに捉えた、私の認識ですけども。とすると今回の場合は、そういう総則の位置付けとか、学習指導要領の読まれ方ではなくて、既に指摘されていますけど、様々な立場の方々が総則に目を通す。そこから学習指導の理解が始まるんだという、そういうことというふうに変えていこうというのがここの我々の立場ではないかと思っております。
  そういうふうにしたときに、この1ページあたりのところの、そのあたりのところの問題意識が書き切れているかどうか。そういう視点がしっかりととられているのかどうなのか。しかも、今回の場合は、更に言うならば、教職員、学校関係者にとどまらずに、地域の方ですとか、保護者の方ですとか、そういうある種の広い立場の人たちが共有していくというんでしょうか。それが「社会に開かれた教育課程」とか、そういうものに言葉としてつながっていくわけなんですけれども、そういうこと等がこのところにあって、2以下がこういう形のより具体的な各論というんでしょうか、ポイントになって、こういう形で展開されているというふうな形になっていくかと思いますけれども、改めて、今のようなことというのがうまく記されているかどうかというあたりのところをまた見ていただければと思うんですけれども、渡瀬委員、お願いいたします。
【渡瀬委員】    お願いいたします。ESDのことについてですけれども、これを総則の中に入れていただいたことは、とてもよかったと思います。そして、これが最初の「社会に開かれた教育課程」という項目の中で言及されたことに加えて、人間性の涵養のところでも触れていただいたということが私は良かったのではないかと思います。持続可能な開発のための教育のようなことは、やっただけで終わっては意味がなくて、結局、その結果、何ができるようになるかということが大切であり、地球を大切にすることができる児童・生徒が育つことが重要だからです。
【天笠主査】    では、引き続きまして2、ページにしますと、2から3ページにかけてということでありますが、このあたりのところで何かお気付きの点はありますでしょうか。その先にということでもいいかと思いますので、次の3の3ページからその後しばらく続きますけれども、11ページあたりまでのところでというところで、とりわけ「教育目標と育成すべき資質・能力の明確化」という、このあたりのところについてとりわけ注目していただければと思いますが、いかがでしょうか。
  髙木委員、お願いいたします。
【髙木委員】    7ページの言語能力のところでございます。前回の指導要領から今回も消えてはいませんが、各教科等における言語活動の充実という言葉がありまして、今までの議論の中でいいますと、総則の中に各教科等における言語活動の充実ということの記載をかなり明文化していくということが、これまでの議論の中でも言われてきたというふうに記憶しております。
  今、7ページからの、7、8、9ページのところを見ますと、言語能力のことについてはかなり詳細に記述されておりますが、この言語能力を育成するためには、必ず言語活動が伴わなくてはなりませんので、ある意味でいいますとここまで、小・中・高等学校、言語活動に向けて教育内容が充実しています。高校はもうちょっとかなとは思っていますが、そこで、「言語活動の充実」という言葉がここから消えてしまいますと、何のために言語活動をこれまでやってきたのか。更には、言語能力育成のためには言語活動があって、言語活動を通して言語能力を育成するというプロセス、学習のプロセスそのものが分かりにくくなりますので、是非そのあたりの書き込みが必要かと思います。
  以上です。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。
  鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】    今回の総則の一つのポイントは、各学校段階を通じて育成すべき資質・能力を全体としてどう示すかということなんですけれども、この案を見ておりますと、例えば(3)で初等中等教育全体や、各学校段階を通じて育成すべき資質・能力として、1、2、3という、発達の段階に応じた生活の範囲、2に情報を捉えて多角的・多面的、3に伝統や文化に立脚した広い視野と、この三つがこの初等教育全体で育成すべき資質・能力ということなんでしょうか。というのは、(4)に現代的な課題に対応したという説明が更に加わり、更に言語能力、ないしは言語活動に関する特に詳しい説明が加わり、そして、9ページで情報活用能力、情報技術の説明が加わり、全体的な構造が逆に分かりにくいというか、言語能力の説明が非常に細かく出てきたために、これも全体的な目標なんでしょうけれども、(3)だけだったとしたら、(3)の1、2、3のこれだけだとしたら、ちょっと余りにも少な過ぎるし、部分的には非常に細かいんじゃないか。要するに一覧性という点で、これでは分かりにくいんじゃないかなという気がするんですけど。要するにこの三つだけで本当にいいんでしょうかと、(3)のですね。(4)以下は非常に詳しいので、どういう関係なんだろうかということがちょっと分かりにくいと思うんですが。
【天笠主査】    無藤委員。
【無藤教育課程部会長】    また違うことでありますけど、5ページの一番上の丸のところなんですけれども、趣旨は十分理解できるんですけれど、ちょっとした表現の問題ですが、そこの最後が「資質能力の育成ためには知識の量も重要となる」と。それはそうなんですけれども、それで終わると、何か量が一番重要な感じが、ニュアンス、ちょっと感じなくもないので、例えばですけれども、資質・能力の育成のためにバランスのとれた知識や一定の量を確保した上で構造化を図る必要があるとか、そういうふうにすると、最初の知識とは何か云々という、4ページの最初の丸と話がつながるように思いましたので、ちょっとしたことでございます。
【天笠主査】    私もこの5ページの、今、無藤委員が指摘されたところが、大変大切な文言なんじゃないかなというふうに受け止め、大切というのはどういう意味かというと、このことの問いを検討して、そしてそれについての応答をここに書き記すという、それがここの文章として私は受け止めたわけなんですけれども、そういう点からすると、ここはもう少し書き加えることの必要性とか、そういうところがあるところではないかと思いますし、各ワーキンググループの至った、一つの導き出した応答というんでしょうか、結論として、この言葉で集約できるのか。あるいは集約できたとして、もう少しこの辺のところで各ワーキンググループの知見というんでしょうか、そういうものをこのところに押さえておく必要というんでしょうか、ある箇所のように捉えられるわけですけれども、またここら辺のところを御検討いただければと思います。関連してでも結構ですし、ほかのところでも。
  宍戸委員、どうぞ。
【宍戸委員】    2ページ目の上から三つ目の丸ですが、ここが恐らく先ほど天笠先生がおっしゃった課題を踏まえて、こうありたいというまとめになっているのだろうと思います。ただ、どうして総則を要として、総則を大事にしながら教科を見なきゃいけないかという課題となる事柄が書いていないので、その点は、先ほど天笠主査がおっしゃったような形で、もう少しやわらかくていいと思いますけれども、課題があって、こういう形にしたんだというまとめとして書くのであれば、もう少し詳しくしてもいいかなというふうに思いました。
  それから、言語能力、先ほど鈴木委員がおっしゃったように、ここがかなり細かくなっていて、ほかとの比較で、なぜ言語能力に関してここまで細かく書く必要があるのか。もし書く必要があるとすれば、先ほどと同じように、課題がこれこれしかじかだから、こういうふうにまとめて、今後の方向性としてこういうことを考えたいんだという形で示すのも必要かなと思いました。
  以上です。
【天笠主査】    どうもありがとうございます。
  ほかにいかがでございましょうか。
  それでは、11ページから16ページ、「何を学ぶか」ということ、それから15ページのところですけど、「何が身に付いたか」。その間には「どのように学ぶか」という、この一連の箇所についてですけれども、それも加えていただいて、御意見があったらお願いいたします。
  例えば11ページのところで、一つ目の丸ですけれども、「各教科等を学ぶ意義と教科等横断的な視点を踏まえて教育課程を編成することが求められる」というふうに、こういうことが書いてあるんですけれども、なぜなのかといえば、ESDですとか、そういう一つの教科には収まり切れない、教育課程全体で応答しなければいけないものがあるからという、そういう応答関係でこのところは出てくるということだと思うんですけれども、そういう点からすれば、ここのところをもう一度、そのあたりのところを、先に出たものでも記しておくということも一つの在り方ではないかと思いますけれども、御検討をいただければと思います。
  渡瀬委員、お願いいたします。
【渡瀬委員】    お願いいたします。13ページの「深い学び」と「見方・考え方」に関してです。学びの深まりということと、1時間の授業、それが何回か続いた固まりの単元、それから年間計画との関係がもう少しここに詳しく記述されると良いのではないかとい思います。個別の知識が構造化されて概念になっていって、そして、そこから「見方・考え方」が育っていったり、又はそこまでに育てられた見方・考え方を基に概念が形成されたりするわけですけれども、これは1時間1時間だけを見ていては、なかなかそういう深まりというのは出てこないと思うんですね。指導計画の中で、1時間をどう扱うのか。そして、その固まりの単元をどう扱って、その中でどういうふうに概念を育て、そして年間を通してどういうふうに見方・考え方を育てていくのかという指導計画があれば、アクティブ・ラーニングの視点に立った学びも単発的ではなくなり、きちっと意味を持たせて実施することができるのではないかと思います。そう考えると、この項目のどこかにそのような長いスパンで見た指導計画との連動性みたいなことの記述があると良いのではないかと思います。
【天笠主査】    無藤委員、お願いします。
【無藤教育課程部会長】    13ページのところなんですけれども、「深い学び」と「見方・考え方」という説明があって、私は、これは非常にしっかりできたものだと思うんですけれども、一方で、その前に、主体的・対話的でという、その主体的学びと対話的学びの解説があるわけですね。別な部会の議論だった気もしますけれども、その三つの学びの関係はどうなんだというような議論もあって、この解説から受ける一つのあり得る解釈は、要するに教科では「深い学び」を実現して、子供たちが「見方・考え方」を身に付けることが目的であって、そのための学習プロセス、あるいは指導プロセスとして、主体的・対話的である必要があるよと。それは一面そのとおりだと思うんですけど、もう一つ大事なことは、子供たちが「見方・考え方」を身に付けると同時に、いわば「学び方」を身に付ける必要があると思うんですね。そうすると、主体的・対話的でより深く考える学び方自体を学びながら、その教科の本質をつかむと、そういう二重の学びがあるような気がいたします。
  ポンチ絵の描き方、非常に難しいので、どう描いても誤解を招くとは思いますけれども、深い学び、対話的学び、主体的学びが途中にあって、最後は三つの柱だよというのは、一面いいわけなんだけれど、もう一面としては、この学び方を学ぶことによって、最初に申し上げた「社会に開かれた教育課程」を受けて、子供たちが生涯学び続ける存在になっていき得るんだと、そういうメッセージをもう少し強く出した方がいいかなと思っております。
  以上です。
【天笠主査】    それでは、15ページから23ページまでのところを中心にですけど、6、7というあたりのところですけれども、とりわけ6、7は学習評価のあたりのところが記されていますので、そこのところの御発言ということで、髙木委員、お願いできますでしょうか。
【髙木委員】    16ページの最初の丸のところです。ここには、主体的に学習に取り組む態度ということで、以下かなり具体的な内容が入っているんですが、その前に、この主体的に学習に取り組む態度というのは、他の観点と独立してあるのではないということを明記しておきませんと、別のつくりになってしまう。
  現行もそういうふうな形になっておりますので、ここは知識・技能、それから思考・判断・表現に関わる重要な観点であるということをうたった上で、具体的な中身を示す必要があると思います。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょう。無藤委員。
【無藤教育課程部会長】    16ページのところで、先ほど触れたキャリアパスポートのことがここにも出てくるわけですけれども、丸でいうと二つ目ですね。指導要録に加えて、子供一人一人が云々で、「「キャリアパスポート(仮称)」を導入することとする」と。この表現ぶりがちょっと誤解を招くのかもしれないという気がします。
  何かというと、指導要録というのは、学校教育にとって極めて重い義務であるわけですね。それに加えてというと、キャリアパスポートみたいなものがある種の義務付けとして出て、指導要録のような一応のある形式を踏まえたものを各学校、各生徒にちゃんとやりなさいねという意味合いに受け取る向きがあるんだと思うんですね。
  さっき質問されたというときの質問の中身はそういうことで、またもう一つ書類を文科省は現場に投げるんですかという話だったんですけど、少し違う気がします。私が理解している範囲では、キャリアパスポートというのはもっと現場で柔軟にいろいろな形で子供たちの学習状況を子供みずからが把握でき、また教師も共有できる仕組みとして考えましょうねということだったと思うので、その辺の書きぶりをもう少し丁寧にした方がよくはないかと思いました。
【天笠主査】    荒瀬委員、お願いします。
【荒瀬委員】    18ページですが、キャリア教育(進路指導を含む)とありますけれども、ここのところの最初の丸のところに、2行目、「一人一人の社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を育み、キャリア発達を促す「キャリア教育」の視点も重要である」という、これは恐らくキャリア教育・職業教育特別部会の答申のときのキャリア教育の定義が書かれているかと思うんですが、じゃあ、その「キャリア発達を促す」の「キャリア」とは何かというのがこちらにはありませんので、是非、注でキャリアの定義というのも、非常に分かりにくい定義ではあるんですけれども、少なくとも「職業」という言葉を使わないでそのキャリアを説明しているという点では非常に工夫された定義かと思いますので、そこのところを是非、載せていただきたいと思います。
  以上です。
【天笠主査】    キャリア教育についてですけども、このあたりのところも特別活動、学級活動を中核に云々というような、そういう言葉等々も今回この中には入っているわけですけども、そういうあたりのところで改めてそれぞれの教育課程における教科等の役割というんでしょうか、果たすべき役割というのが次第に浮き彫りにされつつあるというような、そんなところも読み取ることができるのかと思いますけど、それはともかくとしまして、鈴木委員、宍戸委員、この順でお願いいたします。
【鈴木委員】    無藤委員がおっしゃったキャリアパスポートのことの引き続きですけれども、私は先ほど申しましたように、イギリスのThe National Record of Achievementを一度詳しく研究したことがありまして、もともとは各学校が思い思いの形でやり出した。その段階ではRecord of Achievementという形で始まって、いろいろなものが出てきてしまって、それで国全体として様式を統一しようという形で、The National Record of Achievementという形になりました。
  それでファイルのひな形もできまして、私自身も持っておりますけれども、日本でどの辺から始めるべきかについて議論する必要がある。どれがいいかということも、中身についても。参考までに。
【天笠主査】    宍戸委員、お願いいたします。
【宍戸委員】    特別支援教育についてちょっと気になるところがあったので、話をさせてください。
  20ページの一番下に、通級による指導(小・中・高等学校)、この高等学校は今度、制度化をもくろんでいることかと思いますが、こっちの通級指導は、恐らく21ページの四つ目の丸のところに書いてあります障害に応じた特別の指導ということを指した通級による指導だと思うんですが、一方で、23ページ、こちらに同じくタイトルとして、通級による日本語指導(小・中学校、特別支援学校)と、こうあります。こちらは恐らく22ページにあります日本語の特別指導を行う通級だと考えられます。
  そうした場合に、気になるのは、23ページの通級による日本語指導、小・中学校はいいとしても、特別支援学校(小学部・中学部)というのが本当にこれは妥当なのかどうかということを御確認いただきたいと思います。もしここに書くとすれば、特別支援学校の小学部・中学部で通級による指導も行うことができますので、20ページにも必要になってくるかと思います。細かいですけれども、タイトルのところについて御確認いただきたいというのが1点です。
  それから、23ページ目の日本語指導の通級に関してですが、二つ目の丸に、「JSLカリキュラム」と書いてあります。「JSL」という言葉についてはいろんな用語を略して使っている場合もありますので、ここで表す「JSL」が何かということについては、先ほどもありましたけれども、注のようなものがあると誤解がないと思います。
  以上です。
【天笠主査】    それでは、引き続きここまでのところでお気付きの点があったら御発言をお願いしたいと思うんですけども、23ページ一番下のところから27ページまでのところを加えさせていただいて、お願いしたいと思いますけども、竹原委員、お願いいたします。
【竹原委員】    実施するために何が必要かという項目ですが、かつて総合的な学習が初めて提示されて、新聞に掲載されたとき、私たちは地域の団体として、国際理解のプログラムのカリキュラムを作成し小学校の先生方と相談し、出前授業をスタートしま  メディアで読んだということが大きなきっかけでしたが、現在は、地域と学校の関係が大きく変わり、コミュニティスクールや地域学校協働活動が提案され、全国で多くの人が関わっています。周知をするという話が先ほどありましたが、まず既に関わっている人への周知・説明というのが第一に効果的ではないかと思っています。
  学校がさらに社会に開かれ、地域も担い手意識を高める、そして協働的に動くというときに、既に動いている人たちが理解を深めかかわることで新しい教育課程が実現されるのではないかと思います。
【天笠主査】    続きまして、髙木委員、お願いします。
【髙木委員】    25ページの家庭・地域との連携・協働の最初の丸なんですが、実は私、いろいろな小学校や中学校を伺っていますと、PTA活動が今、非常に危機的状況にあると。積極的に御参加いただける方もいらっしゃれば、ネット等でも、芸能人の方等がPTA活動についていろいろなお話をされて、それに対する共感等も出てきている。
  そういう中で、例えば学校運営協議会とか学校地域運営本部とか、さらに言うと、左側のところにコミュニティスクールが24ページに書いてありますけれども、そういうことを含めて、少し学校を支援していく活動そのものが今、変化してきている、その状況の中で、どういうふうに家庭・地域、特に家庭との問題というのを考えていかなければいけないかということ。
  それは、この総則に書き込むことかどうかちょっと今迷っているところではありますが、学校自体、今、大変困っている状況にありますので、その辺を応援するような、何かこういったところに書き込みができればと思っております。
【天笠主査】    ほかにいかがでしょうか。荒瀬委員、お願いします。
【荒瀬委員】    26ページです。前の25ページからの続きで、必要な体制整備というところで、26ページの一つ目の丸の上から4行目に「必要な教職員定数の拡充」ということが出ています。
  高等学校部会でも随分出ていましたが、やはり教員の現状を、少なくとも改善しないことには、ここの描かれている内容というのが実現しないということを思いますので、これ、本当にお願いですけれども、明記されているというのは、もうそれはもちろんいいわけですけれども、是非この点を進めていただきたいなということを思います。
  というのと、二つ目の丸のところで、「例えば、理数探求(仮称)などは」とありますが、「探究の過程そのものを科目の構成原理とするという新たな考え方で構成される科目となっており」という、ここの部分は、実は後半の高等学校のところに若干書かれてはいるんですけれども、そこを読みましても、この理数探求が探究の過程そのものを科目の構成原理とするという新たな考え方で構成されているというところがちょっと分かりにくいところがありますので、もう少し詳しく書き込んでいただければと思います。
  以上です。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
  今、25ページのところなんですけども、そこの上から三つ目の丸のところに、「チーム学校」というキーワードが入っておりますけども、御承知のとおり、このチーム学校というのをまとめられたのは、昨年の12月の中教審の答申でこれがまとめられたということで、そのときこちらの教育課程に関わっては検討進行中という、それが今に至っているわけですけども、改めてチーム学校とこの教育課程の様々な人々の関わりの在り方というのは、もう一度、一体と言うべきなのか、あるいは整合して整えていく必要のあるテーマではないかなと思っております。
  一つは、これまでは教育課程に関わってというのは学校の先生が中心になり、そこにある種の専門性があって、そういうお立場からのやりとりということだったわけですけども、御承知のとおり、様々な形で地域の方が学校に関わるようになり、当然、教育課程について濃淡はありますけども、それに関わるような地域の方々、あるいは学校には直接は関わらないけども、様々な専門家の方々が存在するようになってきて、ある意味で教育課程を支援するというんでしょうか、そういうことというのも、かつてと比べると随分、多様な姿になってきたんじゃないか。
  そういう点では、教育課程に関わる様々な方々というのをどうまさにチーム学校として整えていくのかというふうなことというのは、今回、大変大きなテーマになっているのではないかというふうに思います。
  そういう点では、例えば先ほどの教育課程の評価ということについても、もちろん中心的には先生方がということになるかと思うんですけども、やっぱりそれに関わりを持った様々な立場の方も、ある意味で言うと教育課程の計画から実施・評価までそれぞれ関わる、携わるというふうな、そういうこと等も考えられるとするならば、例えばこういうチーム学校として、そして教育課程の評価というあたりのところでの人々の関わり等々との整え等からすると、ここら辺のところの家庭・地域との連携と協働とかチーム学校というあたりのところは、さらに今後もう少し詰めてこのあたりを整えていく、そういう課題を持っているんじゃないか。
  ですから、そういう点では次への展開というところの議論をお願いするような、そういうここのあたりのところは書きぶりにして整えておく、押さえておくというか、というのも今回、一つの位置付け方じゃないかなと思います。この点について、何かもし御意見等々があったらお願いできればと思いますけども、ここまでのところで、8までのところで、もう一度全体でここのところは、あるいは意見を言い落したというところがもしありましたら、お願いできればと思うんですけども。
  それでは、後半の部分について、27ページ以降というところに入りたいと思いますけども、もちろん27ページ以降ということで御意見頂きたいと思いますけども、お気付きになられましたら、今までのところを振り返っていただいて、戻っていただいても構いませんので、そういうことで、27ページからということで御議論をお願いしたいと思います。また例によって、これまでと同様の進め方をさせていただきたいと思います。
  野津委員、お願いいたします。
【野津委員】    先ほどの説明で聞き逃したのかもしれませんが、9番の小・中・高における諸課題の対応のところの各校種の書きぶりです。それぞれ項目立てが違うわけですけども、これは今後、最終的には共通した項目立てになっていくのか、それともそれぞれの校種における特色ということで、今の書きぶりのままなのか、まず確認させていただきたいんですが。
【天笠主査】    今のところは、どうなっているかお願いします。
【大杉教育課程企画室長】    この形で行かせていただきたいと思います。今回、小学校におきましては、言語能力の育成、国語教育の充実、外国語教育の充実、またそれを踏まえた、授業時数増を踏まえたカリキュラム・マネジメントの具体的な柔軟な時間割編成というような喫緊の課題がございます。
  また、中学校は高等学校とも共通するんですけれども、やはり先生方の業務改善ということも含めて、子供たちにとっての部活動の意義ということも含めて、そういった活動が多様化するという中で、地域との連携の中でそれをいかに豊かに支えていくかということが中心的な課題となっているところでございます。
  一方で、高等学校につきましては、かなり抜本的に科目構成が変わるということを踏まえて、その関係性の在り方でありますとか単位数の在り方、あるいは学科ごとでどのような資質・能力を目指していくべきかという、そういったことが課題になったところでございます。それをぼやかすことなく、中心的なテーマとしてできれば表現させていただきたいと思っています。
【天笠主査】    今の点について、いかがでしょうか。
【野津委員】    気になっていることは、部活動のことに関してなんです。今の書きぶりですと、中学校のところでそれはしっかり書き込んでありますが、高等学校においてもいろいろな問題がこれまで一部に指摘されているところであります。勝利至上主義というのは相変わらずですし、体罰問題等もあった中で、その高校のところでも部活動に関わることに触れて書けるような項目の工夫と内容の検討を是非していただきたいという意見です。
【天笠主査】    根津委員、お願いいたします。
【根津委員】    単純なお尋ねなんですが、37ページの丸の二つ目で、「小学校のコア・カリキュラム開発・普及」。中黒があると、どう読んでいいのかというところもあるんですけれども、この小学校のコア・カリキュラム開発というのはどういうものなのかと。
【天笠主査】    お願いします。
【大杉教育課程企画室長】    失礼いたします。少し構成が分かりにくくて恐縮なんですけれども、これは英語教育の教員養成におけるコア・カリキュラムということでございまして、小学校の英語教育に関する教職課程のコア・カリキュラム開発・普及ということで、少し表現を丁寧にさせていただきたいと思います。
【天笠主査】    いかがですか。
【根津委員】    そうすると、36ページあたりの議論が引き継がれてここに至っているということで。理解しました。
【天笠主査】    小学校から高等学校まで、全体を通してというのはあるかと思いますけども、全体を通してということがありましたら、まずお願いしたいと思いますし、その後また学校種別にそれぞれ見ていくというふうな、そういうやり方を取りたいと思うんですが。荒瀬委員、お願いいたします。 
【荒瀬委員】    高等学校のところですね。
【天笠主査】    高等学校についてですね。分かりました。じゃあ、まず小学校に関わってということで、27ページから37ページあたりのところでお願いできればと思います。
  竹原委員、お願いします。
【竹原委員】    27ページの9の丸三つ目ですけれども、低学年における学力差に触れられていますが、3年生までに九九がマスターできなくて中学生になる子が多い。そして様々な問題を起こしているのではということで、基礎的な学力をつけられるような活動を始めているところです。言語活動だけではなくて、数量的な基礎知識なども含め、もう少し詳しくお書きいただくと良いと思います。
【天笠主査】    どうもありがとうございます。小学校部会として、これまで議論を重ねてきた事項というのが整理されて、こういう形でまとめられており、引き続き次へ向けてまたこういう形の検討事項ということを入れてあるわけですけども、ここら辺等をごらんになりましてお気付きの点がありましたら、お願いいたします。
  私も先ほど無藤委員からの御指摘がありましたけども、義務教育学校の、あるいは小・中の併設一貫校でしょうか、そういう学校種における学習指導要領、教育課程の総則の在り方というのは、やはりもう少し書き記してよろしいのかなと思います。
  御承知のように、学校種ごとにそれぞれで、そして総則というのもこういう形で記されてきたわけですけれども、学校種をまたがる、あるいはつなぐ、あるいは一貫させる、そういうことにおいての総則のありよう、位置付けというのは、今のような視点というのがやっぱりその中に総則、込められる必要性というのがあるんじゃないかと思うんですけども、そうしたときに、37ページのこの部分については、その辺のところの言及というのが書き記されていい部分というのはもう少しあるように思います。
  いわゆる教育課程のある種の特例、そういうことについては既に局長通知等々で出ているわけで、それをこのままということじゃなくても、脚注あたりのところには少しそういうことについての記しというのがあってもいいのかなと思います。
  小学校部会、よろしいでしょうか。渡瀬委員、小学校部会でいろいろ御発言いただいてきたと思いますけども、そのお立場からして御意見等々がもしありましたら、お気付きの点ありましたらお願いできればと思うんですけれども。
【渡瀬委員】    例えば英語のところあたりは、指導者、それから研修のことについての中学校との連携のことなどが今回ここに記されていて、とてもよいことではないかなと思います。
  あと、幼稚園・保育園との接続の部分ですけれども、幼児教育部会で、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の明確化について議論されているということで、ある程度のものが今、出てきています。これが指導要領として出ていくときには、幼稚園の中ではこういう点をこういうふうに育てておきたいということが明らかに記述されて、だから小学校はそれぞれについてそれをどういうふうにその後、引き続き伸ばしていくんだということまで書かれるようになっていくんだろうなと思うんですけれども、それはそれでよろしいんでしょうか。
【天笠主査】    今の御質問についてはいかがでしょうか。
【大杉教育課程企画室長】    ありがとうございます。既に具体的には黄色い冊子の幼児教育のところを見ていただきますと、1枚目が検討事項で、その後、取りまとめがずっと続いております。その後にポンチ絵がございます。12ページの後でございますけれども。その次のところに、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿のイメージということで、以前の様々な報告で12の姿だったものを再整理して、10の姿という形で、健康な心と体、自立心等々でございます。
  その具体的な内容については、その次のページ以降に、それぞれの項目について整理いただいておりますので、これが幼・小のスタートカリキュラムの中でしっかりと受け継がれて、伸ばしていけるというようなことで整理をしていければということでございます。
【天笠主査】    ほかにいかがでありましょうか。32ページから33ページあたりのところには、そこにありますように、短時間学習ということについての言及等がありますし、恐らくこのあたりのところはこれからいろいろと関心が持たれるところ、話題を提起するところでもあるんじゃないかと思うんですけど、このような関連しての書き記し方等々で何かお気付きの点がありましたらということですが。
  またもし何かありましたら、ここら辺も含めまして、お願いできればと思います。
  それでは、引き続きまして、中学校、37ページから41ページにかけてでありますけども、先ほど部活云々という発言もあったかと思いますけども、37ページから41ページにかけてお願いできればと思います。
  この中学校の部分だけが(取りまとめ中)というのが、小学校とか高等学校はこれは記していないんですけれども、中学校は、この取りまとめ中とここに入っているというのは、これはどういうふうに理解したらよろしいですか。
【大杉教育課程企画室長】    申し訳ございません。ミスでございます。「取りまとめ中」は落ちております。恐縮です。
【天笠主査】    そうですか。ということだそうです。
  こちらのほうの接続に関わっては、中学校の方には40ページから41ページにかけて記されていると捉えることができるわけなんですけども、ここらあたりのところは重複という形になるのかもしれませんけども、小学校との関係というあたりのところに調整が必要であるのかもしれませんし、あるいは改めてこういう接続ということを取ったときに、総則というのはどういう存在になるのかどうなのか、それをやっぱりつないでいくための大きな役割を総則の内容にも期待していくという、そういう立場で総則のところを記していく。
  じゃあ、どういうふうにすると、あるいは総則にそのあたりをどういうふうに記していくとその役割を果たせるのかどうなのかというような、そういうふうな検討というのも必要になってくるんじゃないかと思います。中学校について、いかがでありましょうか。
  それでは、また後でありましたらお願いします。
  では、41ページから50ページまで、高等学校ということで。荒瀬委員、お願いいたします。
【荒瀬委員】    ありがとうございます。ちょっと細かい話で恐縮ですが、資料1の3ページ目に、高等学校の教科科目構成についてという絵が出ていまして、これは随分と改善していただいて、ありがとうございました。
  ただ、この総合的な学習の時間、これは総合的な探究の時間となるということなんですけれども、ここのところの文字の大きさが、他の教科に比べますと少し小ぶりですので、同じ太さ、実はもっと大きくしていただきたいというのがありますけれども、していただきますのと、せっかく米印で注を付けていただいているんですけれども、この注は、状況も踏まえて総仕上げとするということだけでは、これを見てもちょっと意味が分かりにくいので、少し内容が分かるような。それこそ先ほど無藤先生おっしゃいましたが、学び方を学んでいくというようなこととの関わりを大切にするということで、これがプロセスを重視しようということが理数探求においても随分と議論されていましたし、そのあたりのところを少し工夫していただけると大変ありがたいと思います。
  それから、資料2の45ページです。全体のところには「多面的な評価」という文言が入っていましたが、高校のところを今ざっと見ている限りでは、「多面的な評価」という、言葉そのものですけれども、それを意味する内容は踏まえられているのですが、ちょっと私が気が付かないだけかもしれませんが、是非そこのところに「多面的な評価」という言葉を入れていただければと思います。
  46ページには、下から3行目に、「評価業務が教員の中核的業務であることを踏まえつつ」ということで、これは非常に評価は大切だということで書いていただいていますので、その点も含めて、「多面的な評価」という言葉を入れていただけたらと思います。
  それから、同じ46ページの真ん中の、丸としましては二つ目の丸ですが、「具体的には、前述の6.で述べたとおり」とありまして、キャリアパスポートのことですが、これは「導入する」とこちらは明言されています。6ポツの方では、「活用を検討する」というふうな表記で、高等学校は「導入する」と。これは私は大変賛成でありますが、「導入する」ということが説明なしに書かれていますので、例えばホームルーム活動であるとか、総合的な学習の時間、名前が変わるとしても、そういった取組とか、日常的にこういうような生徒自身が振り返り見通す、そして自分自身の学習意欲を喚起していくというような、そういう方向でやっていくんだということを少し書き込んでいただければと思います。
  その際、さっきの話ではありませんけれども、当然のことながら、教員からすると業務が増えるような感があります。これは評価が中核的業務であるということと同じように、生徒自身が生徒の将来を考えるということを支えるというのは教員の非常に重要な中核的業務であるわけですけれども、しかしながらこれだけ教員大変だという状況もありますので、この46ページの下から2行目に書かれている「指導要録や調査書の電子化などの業務改善に資する取組や教員配置等の改善が求められる」というのは、さっきと同じようなことを言いますけれども、本当に単に配置だけじゃなくて、どう増やしていくのかということも含めて考えていかなければならないことだということを少し申し上げておきたいと思います。
  それと49ページです。こちらに、さっきちょっと申しました理数探究の説明があるんですけど、なぜ分かりにくいと申し上げたかといいますと、この49ページの四つ目の丸のところに「理数教育に関しては」ということで書かれている中で、新たに設けて、共通教科として理数科というのを位置付けるんですよということが書かれているんですが、この三つ目の段落、丸の四つ目の三つ目の段落、「また」から始まる段落の中で、ここに説明があるのですけれども、これは要は総合的な探究の時間の一部又は全部に替えることができることとするというその理由として書かれているので、本来は、やはりこのそもそも理数探究というのはどういうことを目指して設置されたものかというのがまずあって、初めて、よって読み替えるというふうな文脈になるのかなと思いますので、その点につきましても御検討いただければと思います。
  こういう理数探究も含めて、キャリアプランを生徒自身がやっていくということは、先ほど鈴木委員がおっしゃいましたけれども、高・大接続といったようなこととかとも深く関わることでありますので、このあたりの取り組みを各高等学校が本当にしっかりとやっていくということを応援するような、そういう、そんな文言を入れてくださいというのは非常に難しいわけですけれども、是非、工夫をしていただければありがたいです。
  以上です。
【天笠主査】    どうもありがとうございます。
  では続きまして、髙木委員、お願いいたします。
【髙木委員】    2点あります。1点目が、45ページの三つ目の丸です。ここの2行目なんですが、1行目から見ますと、「同時に、多様な資質・能力のすべてを、目標に準拠した各教科等の観点別学習状況の中では表すことはできない」と否定的に書かれますと、観点別評価では表すことができないというような誤解を受けますので、観点別学習状況の評価を重視するとともにとか、さらにその上で多様な資質・能力の評価をしていくというような形のものにこれは書き換える必要があるかなと思いました。
  それから2点目です。46ページの一番最後のところに、カリキュラム・マネジメントの充実に向けた取組の推進ということで、次のページに最初に「また」といきなり入っているので、これは何かきっともっと書くことがあるのかなと思ったんですが、是非ここに、例えば中学校の方には、38ページには取組の推進という形ではないので、この取組の推進というのは大変大事だと思っているんですが、ただ小・中の場合には、義務教育として、教育の機会均等の中にありますが、高等学校は各高等学校の特色ある教育を行っているわけですから、このカリキュラム・マネジメントそのもの自体が特色あらねばならないと思いますと、先ほど一番最初に出ておりました、根津委員からだと思いますが、カリキュラム・マネジメントの評価というのは、特に高等学校において非常に重要になる。各学校ごとに違っているカリキュラム・マネジメントでしたら、そこを評価しなければならないだろうと。
  併せて、これは高等学校部会の最後のところで少し申し上げたんですが、このカリキュラム・マネジメントを行うことが、実は学校評価の一環になる。だから高等学校においては、教育の機会均等を維持している小・中学校とは異なりますので、各学校ごとに学校評価をきちんと行う一つの指針としても、このカリキュラム・マネジメントというのが大事であるし、さらに学校ごとに学校評価ガイドラインに合わせて学校評価を行っていく必要があるのではないかという、そういったことが必要だと思っております。
  以上です。
【天笠主査】    どうもありがとうございます。鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】    先ほど荒瀬委員がおっしゃったこととも関連するわけですが、結局、現在、高等学校で総合的な学習が、進路指導やその他いろいろな行事にすり替わってしまっているというのが現状になったのは、結局、総合学習をやっても、例えば大学進学にほとんどプラスにならない、大学に評価されないということでこういう事態になってしまったと思っております。
  ですから、総合的な探究の時間や、もう一つ新しい理数探求が本当に行われるためには、それが資料として活用されると、そういうことがどうしてもないと、かけ声だおれに終わってしまいます。ですから研究開発だけではなくて、活用も考えるというようなものがないと、高・大接続にも関連してまずいのではないでしょうか。
【天笠主査】    根津委員。
【根津委員】    時間がないので、どうしても重箱の隅をつつくようになって恐縮なんですけれども。49ページ、教科・科目の構成のところの冒頭、高等学校において18歳までということを考えると。しかし高等学校には18歳ではない高校生というものも多数いると考えられますので、ちょっとここは卒業までとかに文言を修正していただいた方が無難かと思います。
  以上です。
【天笠主査】    どうもありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。はい、荒瀬委員。
【荒瀬委員】    言わずもがなかもしれないんですけれども、43ページの四つ目の丸に、共通性の確保と多様性への対応ということが出ていますが、これは現在の学習指導要領につきましても、10年前にこういった議論をしていたわけですけれども、それがなかなか具体的に示せなかったのが、高等学校教育部会、初中分科会の高等学校教育部会の議論の中で、全ての高校生に身に付けさせるべき資質・能力は何かというのをコアと名付けて、相当、長期間にわたって議論いたしました。
  その中で、二つのこと、一つは、社会・職業への円滑な接続を図れる力、もう一つが市民性ということでありました。ほかにももちろんたくさんあるわけですけれども、この二つが一応、代表として全ての高校生に身に付けさせるべき力ということでした。こうした経緯を踏まえ、ここでこういった表現が出てくるのであれば、せっかくこれまでの積み重ねということもありますので、そういったことを入れたらよいのかどうかというのを御判断いただきたいということと、それからそれこそ選挙権年齢18歳に変更されたということもありまして、主権者教育をどうしていくのかと、これはいろんな場面で議論されてきたわけですけれども、そういったことにつきましても、まさしくそれが社会に円滑に接続する力であるし、市民性であるわけですので、そういったことも含めて、ちょっと御検討いただければと思います。
【天笠主査】    どうもありがとうございます。ほかに委員の方、いかがでしょうか。
  少し時間がありますので、それではもしよかったら、荒瀬委員、ちょっと御質問させていただきたい点が1点あって、お考えを聞かせていただければと思うんですけども、それは高等学校における総則ということなんですけども、皆さんに検討していただいていますように、この部会は学校種を越えて、ある意味でいうと総則の在り方を検討していくという、そういうことがこの部会に課せられているそれであるわけですけども、ですからそういう意味で言うと、学校種を越えた共通の総則の在り方ということで、今まとめられつつあるわけですけれども、一方においては、小・中・高の総則といっても、小学校の場合の教科の位置付けあるいは教科の存在と、高等学校における教科の専門性という、そういうことを考えたときに、そのあたりからすれば、各教科との関係における総則等々からすると、学校段階においてもそれなりの特色というんでしょうか、あるいは役割を果たさなければいけない総則の部分ってあるんじゃないかと。
  そういうことから考えたときに、高等学校において教育課程の編成等々に当たっての総則の在り方というあたりのところについて、もし荒瀬委員、お考えがそこら辺のところでありましたら聞かせていただければと思うんですけども。
  要するに高等学校における教育課程の編成に当たって、これまで総則というのがどういう存在だったのかどうなのか。私の認識している限りですと、余り存在感が十分に役割を果たし切れていない。だけども今回それをある程度、もっと存在感のあるものにしようというのがこの立場であるわけですので、そうすると共通しての小・中・高通じてというのがそれは一方にあって、片や高等学校なればゆえに、そのあたりのところをどう考えていったらいいのかというような、そういう点についてお考えを聞かせていただければと思うんですけれども。よろしくお願いします。
【荒瀬委員】    大変難しい御質問を頂きましたが、確かに高等学校が教育課程を編成するときに、そもそも教育課程というのが月曜の1時間目から金曜の6時間目までの枠の中で何年生に何を何単位入れるかという、そういったことにどうしても関心が集中してしまうという面がこれまではありました。
  公立学校ならば、都道府県教委や市町村教委が作る教育課程編成要領に基づいて、その枠の中で作っていくわけですけれども、具体的に編成要領というのは、どの学校においても可能なように、非常に幅広の内容と普通なっていると思います。ですからどの学校がどのように考えて作るかというのは、相当、学校に任されています。
  ところが、じゃあ、その学校は何に基づいて作っていくいかというと、どうしても次の進路、就職の多い学校、大学進学の多い学校、それぞれが、単純な言い方をすると、次の進路に有効な教育課程を組もうとするわけです。これは別段、悪い話ではないわけですけれども、ただそこしか見ないというような面もなきにしもあらずであったわけですので、今回、こういった総則でもって、資質・能力をどう伸ばすのか、それがなぜ伸ばす必要があるのかということが明記されていくというのは、私は高等学校教育にとって非常によいものだと思っています。
  ちなみに高等学校教育部会で議論をしてきたわけですけれども、その中で、例えばの話ですが、大学入試に振り回されるような高校教育じゃなくて、むしろ高等学校教育でこのような力を付けたのだから、大学ではこれを見てくださいというような、大学入試を変えていくような高等学校教育が実現するべきであるという、大変勇ましい意見もありまして、それがそうなるかどうかは別といたしまして、高等学校教育として何を目指すのかということを改めて考えていく上で、是非、総則を様々な形で各学校が活用するということが望まれると思っております。
【天笠主査】    鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】    私も高校の教員なので、荒瀬先生がおっしゃったことをもっとはっきり言いますと、私は公民の教員ですけれども、ほかの教科は、隣は何をする者ぞという感じで、実際にはもう本当に教科が独立しているようなもので、相互関係は進学を……、そういう大きな目標はありますけど、隣の教科はあんまりよく分からないという。それで、教育課程が全体として何を目指しているかというのは、ほとんどあんまり考えたことはない。もちろん総則も読んだことはない。
  ですので、さっきからこだわっているんですけども、総則を読めば、例えば高等学校として教科を越えてどんな能力や技能を身に付けなきゃいけないかということを、自分の教科・科目を越えて、ある程度、視野に入るようにしたいわけです。
  そのためには、文章を細かく読んでいかなければつかめないような総則では、まず絶対読まないので、例えばこれは前にも申しましたように、西オーストラリアみたいに、13の目標をばんと表で示して、一覧性のある目標を見やすい形で示さないと、なかなか読んでくれないと思いますので、表なり何なりでも結構ですが、一覧性のあるような形で、10とかそのぐらいの目標を示して、文章でこう細かに読んで追っていかなきゃい分からないという書き方ではまず読まないと。是非ともそういう形にしていただきたいと、先ほどからずっと申しております。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。
  済みませんです。私の方からちょっと振らせていただきましたけども、とりあえず50ページ、全体を通して目を通していただいたということになるかと思うんですが、最後にもう一度改めて1ページから50ページまで全体を通してお気付きの点等々がありましたら、どこでも結構ですので、お願いいたします。
  よろしいでしょうか。全体を通して、皆さんの御発言等々からしますと、やはり教育課程の評価というところと、学校評価というあたりのところが、もう一つ実態としてうまく扱い切れていないというのが多くの現場の今の状況なのかなと私は認識しております。
  実は学校評価と教育課程の評価というのは、ある意味で本来的にはかなり重なり合っているはずなんですけども、それがうまく組み立て切れていないというあたりのところで、今回、この検討を通して、そこら辺のところが学校としてうまく整合ができるようなところに、これが一つの呼び水になっていくといいかなと思っていまして、ですからそういう点では、この学校評価と教育課程評価の話と、先ほどのそれぞれの委員の方のをまとめて、しかるべきところに位置付けるというのもまた大切なのかなと。
  またそれは総則部会なるがゆえに、そのところは位置付けられるものを持っている、あるいはそうする必要性があるんじゃないかなと、そんなように思いましたので、この点、また少し御検討いただければと思います。
  そろそろ終わりにさせていただきたいと思いますけども、よろしいでしょうか。
  それでは、どうもありがとうございました。皆様に御議論いただきました内容も踏まえまして、総則・評価特別部会、小学校部会・中学校部会・高等学校部会における取りまとめ案を取りまとめさせていただきまして、教育課程企画特別部会において審議のまとめに向けた検討を進めていきたいと思います。
  そういうことを前提とさせていただきまして、その際、文章の修正、文言の修正、これらにつきましては、主査であります私に御一任いただくということでよろしいでございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
【天笠主査】    どうもありがとうございます。そういうふうにさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  なお、改めてもう一度、これごらんになっていただいて、もしお気付きの点がありましたら、きょうはどうしても限られた時間の中でありましたので、さらなるご意見等々をお願いしたいと思います。そういう点がありましたら、メールですとかファクス等々で事務局の方にお送りいただければと思います。
  ということできょうは閉じさせていただきたいと思いますけども、最後に今後のスケジュール等々について、事務局から説明をお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】    先生方、ありがとうございました。論点整理以降、本日第10回まで充実した御議論を頂きました。主査からお話ございましたように、本部会における議論は本日、一旦の終了とさせていただきたいと思います。宿題いただいた事項にしっかり応えていきたいと思いますので、是非引き続き御指導、御支援のほど、よろしくお願いいたします。
  また、本日の御議論を受けて取りまとめられた内容につきましては、教育課程企画特別部会を中心に、この夏の審議まとめに向けて議論を進めていただくというような段取りになるかと思います。
  また、その過程で仮に本部会の調整が必要になった場合には、改めて御参集いただく可能性ももしかしたらあるということは御承知おきいただければと思います。その際には別途、御連絡させていただきます。
  また、本日言い尽くせなかったことやお気付きの点につきましては、事務局までお寄せいただければと思います。来週11日に企画特別部会ございますので、今週中に頂ければ、その企画特別部会へ向けて反映させていただきますし、またそれ以降でも、来週水曜日あたりまでは御意見いただければと思います。
  また、野津先生から御指摘いただいた健康、安全の部分につきましては、またメール等、別途のスケジュールでご相談させていただきます。
  本日の資料、机上に置いていただきましたら後ほど郵送させていただきます。
  それでは、最後に、藤原局長より一言御挨拶を申し上げあす。
【藤原初等中等教育局長】    本日、この総則・評価特別部会が議論の一つの区切を迎えるに当たりまして、私の方から一言御挨拶を申し上げます。
  天笠主査をはじめ、委員の先生方におかれましては、昨年の11月から10回にわたり精力的に御審議いただきまして、大変ありがとうございました。委員の皆様方におかれましては、それぞれの御知見あるいは御経験を踏まえて貴重なご意見を頂きました。とりわけこの部会におきましては、今回の学習指導要領の改訂の議論の中核となりますカリキュラム・マネジメント、それからアクティブ・ラーニングの視点を生かした授業の質的な改善、さらには資質・能力を踏まえた学習評価の在り方などについて考え方を整理いただきました。
  今後、教育課程部会などでの審議が続きまして、最終的には中教審で本年中に答申を出すような段取りになると思われます。学習指導要領改訂に向けた議論は今後とも続けられますので、委員の先生方におかれましては、引き続き御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
  どうもありがとうございました。
【天笠主査】    どうもありがとうございました。
  それでは、本日の総則・評価特別部会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

――  了  ――

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