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教育課程部会 総則・評価特別部会(第2回) 議事録

1.日時

平成27年12月2日(水曜日) 15時30分~17時30分

2.場所

文部科学省 東館3階 3F1特別会議室

東京都

3.議題

  1. 論点整理を踏まえた総則の改善・充実及び今後の学習評価の在り方について
  2. その他

4.議事録

【羽入主査】  それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会の総則・評価特別部会(第2回)を開催いたします。
本日はお忙しい中、またお寒い中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
最初に、事務局から前回欠席された委員の紹介、それから配付資料について御確認をお願いします。
【大杉教育課程企画室長】  失礼いたします。それでは、前回御欠席の委員の御紹介をさせていただきます。
奈須正裕委員でございます。
【奈須委員】  上智の奈須です。よろしくお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】  それから、根津朋実委員でいらっしゃいます。
【根津委員】  根津と申します。よろしくお願いします。
【大杉教育課程企画室長】  ありがとうございます。
それでは、続きまして配付資料の確認をさせていただきます。本日、議事次第記載のとおり、資料の1から資料の6、その他机上に参考資料を配付させていただいておりますので、不足等ございましたらお申し付けくださいませ。
なお、前回と同様でございますけれども、机上にタブレット端末を置かせていただいております。その中には、本部会の審議に当たり参考となる関係する審議会の答申でありますとか関連資料をデータで入れさせていただいております。詳細はタブレット端末の下に目次もございますので、ごらんいただければと存じます。
また、一部の資料につきましては、委員の先生方限り、目印としまして色付きの附箋が付いておる資料がございますので、御利用いただければと思います。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
それでは、本日は論点整理を踏まえまして、学習指導要領全体及び総則の構造の在り方について、意見交換を行いたいと思います。
まず、事務局から資料に基づいて説明を頂きまして、その後で皆様と意見交換をしたいと思います。
また、本日、報道関係の方々から会議の撮影及び録音の申出がございまして、これを許可しておりますので、御承知おきください。
では、事務局からお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】  失礼いたします。本日資料の1としまして、前回の主な意見ということでまとめさせていただいておりますので、適宜御参照いただければと思います。それから、資料の2が本部会の検討事項となってございます。前回お配りさせていただいたものと同様でございますけれども、本日特にこの(1)学習指導要領等全体及び総則の構造に関する考え方、事務局より少し参考資料を御紹介させていただきますので、それも踏まえながら御議論を頂ければと存じます。後ほど御説明させていただきますこの論点に関します資料が資料の3と資料の4となってございます。
まずは、先にその後の資料の5をごらんいただければと存じます。資料の5-1が各学校段階等別・教科等別ワーキンググループの委員の名簿でございます。資料の5-1を一枚おめくりいただきますと検討体制がございますけれども、それぞれのチーム、グループに関しまして名簿を参考までに付けさせていただいております。これが資料5-1になります。
それから資料5-2をごらんいただければと存じます。資料5-2でございますけれども、各学校段階等別・教科等別ワーキングの検討事項及び主な意見がまとまっているところに関しましては、それを御参考で少し付けさせていただいている資料でございます。これをまずは少し御説明をさせていただきたいと思います。順次、各部会の検討状況、これは全て論点整理の方向性に基づいて各グループ、ワーキング等々の議題に基づいて御議論を頂いているものでございますけれども、例えば一枚おめくりいただきまして1ページ、幼児教育部会における検討事項についてということでございます。幼児教育部会におきましては、論点整理に示された資質・能力の基本的な考え方も踏まえつつ、幼児期において育みたい資質・能力をどう明確化していくかでありますとか、アクティブ・ラーニングの視点、また幼児期の終わりまでに育ってほしい姿をどのように明確化して小学校につないでいくか、評価の在り方、カリキュラム・マネジメントなど、こういった論点について御議論を頂いているところでございます。
2ページ目から幼児教育部会における主な意見ということでまとめさせていただいておりますけれども、新しく幼稚園教育要領が目指す姿について、例えば三つの論点整理で整理いただきました資質・能力。これを踏まえた上で幼児期の教育と小学校教育への接続期ということを確実に引き継いでいくことが非常に重要ではないかということでありますとか、5ページ目をごらんいただきますと、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿ということで、これを一つ明確化してしっかりと小学校につないでいくということが重要ではないかといった論点整理を踏まえた御議論を更に深めていただいているところでございます。
10ページ目に幼児教育部会の11月20日の議論で使われた資料、たたき台ということを掲載させていただいておりますけれども、論点整理でおまとめいただいた、「何を知っているか、何ができるか」、「知っていること・できることをどう使うか」、「どのように社会・世界と関わりよりよい人生を送るか」といったこの三つの柱を、幼児教育にふさわしい形で更に整理していくためにはどのように考えるべきかといった議論を深めていただいているところでございます。
それから、11ページ目が特別支援教育部会における検討事項でございます。特別支援教育部会、11ページ目にございますような4つの論点に沿って特別支援学校における在り方のみならず、例えば幼・小・中・高において各評価の目標を実現する上で考えられる困難さに配慮するために必要な支援改善・充実方策といったことも併せて御議論を頂いておりまして、こういったことを深めていただきますと、各ワーキングの議論に様々な議論をつないでいけるという形になってございます。
12ページ目以降が特別支援教育部会における主な意見でございますけれども、特別支援教育の在り方、アクティブ・ラーニング、カリキュラム・マネジメントなども含めて御議論いただいておりますとともに、13ページ目にございますように幼・小・中・高における特別支援教育の在り方、例えば特別支援学級、通級による指導などは特別支援学校の指導要領を参考にと書いてあるのですけれども、なかなかそれだけでは現場で分からないので、もう少し小・中の総則にも記述を増やしていくべきではないかといったような御議論を頂いているところでございます。
14ページ、15ページ目にもそれぞれの論点に従って、ごらんのような御議論を頂いておりまして、15ページ目からは特別支援学校、それから16ページ目の最後には子供たち一人一人の学びの連続性を実現するために幼・小・中・高・特別支援学校、それぞれの学びをどのようにつないでいくかという観点からも御議論を深めていただいているところでございます。
それから、18ページ目でございますけれども、これは言語能力の向上に関する特別チームにおいて御議論いただいている内容でございます。国語科、外国語科等を通じて育成すべき言語能力についてどのように可視化していくかということ、そういた力を育むために国語科、外国語科・外国語活動の指導内容等をどのように連携させていくかというようなことを御議論いただいております。19ページ目にございますように、育成すべき言語能力、知的活動の基盤、感性・情緒の基盤、他者とのコミュニケーションの基盤としての言語能力を整理いただいておりますとともに、19ページ目の下にございますように、国語ワーキング、外国語ワーキング等の連携も重要であるけれども、言語以外の方法での表現、伝達ということも重要であるので、芸術ワーキングとの密接な連携も必要であるといったことでありますとか、20ページ目の下から2番目の丸にございますように、言語活動と指導事項の関係性ということもしっかり考えていく必要性があるということでありますとか、21ページ目にございますように、国語教育と英語教育のつながりということをしっかりと考えていくことなども御議論を頂いているところでございます。また、22ページ目にございますように、言葉の仕組みということに加えて、言語の働きということも重要であるといったような御議論も頂いているところでございます。
25ページ目が高校の地歴・公民の在り方に関する特別チームの検討状況でございます。論点整理で御提言いただきます新科目の設置、それからそれらの科目間の整理、それらと小・中学校教育との系統性などについて御議論を頂いているところでございます。26ページ目にございますように、まずは歴史総合についてでございますけれども、グローバルという言葉に関する捉え方でありますとか、小・中・高を通じた育成の在り方、単位数の在り方、近代というものに対する区切りの在り方、事項を教え過ぎるということではなくて、しっかり議論したり考えたりということが重要ではないかといったようなことを議論いただいております。また、28ページ目にもございますように、地域間の相互作用や、また生徒の意欲を伸ばしていくというようなことについても、併せて御議論を頂いております。29ページ目は地理総合でございますけれども、地理のスケールということの観点、そういった地理的スキルということを小・中・高の各段階において養っていく必要があるのではないかというようなこと、それから29ページ下からは公共についてでございますけれども、30ページ目にございますように、二つ目の丸でございますけれども、18歳選挙権のことで、主権者教育の展開ということ、様々な取組が広げられている一方で、不安・戸惑いということもあるという中で、公共という議論に現状をどうつなげていくかというようなこと、31ページ目にありますように、正解主義的な指導ではないものにしていきたいというようなこと、倫理との関係ということも、生命倫理や環境倫理など応用倫理を重視していく研究というようなこと、キャリア教育とのつながりといった様々な観点から御議論を頂いている最中でございます。
32ページ目が数理探究に関する特別チームでございますけれども、ごらんのような観点から新しい科目の在り方を御議論いただいておりまして、数理探究で育むべき思考力・判断力・表現力等とはどういうものであるべきか、SSHの実践なども踏まえながら御議論を頂いているところでございます。
以下、各教科の検討事項でございますけれども、基本的には33ページ目、国語ワーキングにございますように、各教科において三つの柱に沿った育成をすべき資質・能力の明確化、それを幼・小・中・高通じてどう育むか、それと内容の構成の在り方、科目の構成の在り方、またアクティブ・ラーニングの視点、評価の在り方、必要な支援といった点について、それぞれ共通的に御議論を頂いているところでございます。34ページ目、外国語ワーキング、少し指標形式の目標ということも含めまして他教科とは違う議論もありますけれども、基本的には同じ観点から御議論を頂いているところでございます。以下36ページ、37ページ、38ページ目、同様の御検討を頂いている最中でございます。
39ページ目が情報ワーキングでございますけれども、情報ワーキングにおきましては高等学校の情報化の改善はもちろんのこと、小・中・高を通じた情報活用能力の育成についてということも御検討を頂いております。40ページ目から、前回のワーキングで使用されたペーパーでございますけれども、例えば43ページをごらんいただけますと分かるように、これまで3観点として整理されてきた情報活用能力を論点整理の三つの柱を踏まえて再整理をしていこうというような議論をしている最中でございまして、具体的には44ページのような形で三つの柱に沿って整理し、各教科への具体化ということがやりやすいようにしていくという御検討を頂いているところでございます。
それから、続きまして、体育が56ページ目でございます。体育も三つの柱等々同様の御議論を頂いております。少し議論のスピードが他教科よりも早いところがございまして、健やかな体の育成に関する教育のイメージ(たたき台)ということで57ページのような、幼・小・中・高をいかにつないでいくかというような観点でありますとか、机上配付資料ということでカラー刷りの委員限りの附箋を付けさせていただいている資料が別途ございますけれども、机上配付資料のように、小・中・高を通じて育成すべき体育科・保健体育科における資質・能力、論点整理の三つの柱に沿うような形で具体的に御議論を頂いているところでございます。
もとの資料5-2にお戻りいただきまして、58ページ目が生活・総合的な時間のワーキングでございまして、生活科、総合的な学習の時間、それぞれについてごらんのような観点から御議論を頂いております。59ページ目にありますような、主な意見でございますけれども、60ページ目にございますように生活科、総合的な学習の時間で育成すべき資質・能力について、現在小・中・高で少し示し方の枠組みが違っているところをどのようにつなげていくかということ、生活科、総合を通じて育成すべき資質・能力をどのように可視化・明確化していくかというようなところ、61ページ目の二つ目の丸にございますように、高校の普通科、ほとんど総合的な学習の時間がキャリア教育に活用されているということを踏まえて、これからの資質・能力の在り方ということではどのように考えたらいいのかというようなこと、幼・小・中・高をつなぐという観点からワーキングの縦のつながりをつないでいくという柱をどのようにつけていくかということ、61ページ目下にございますように、認知的能力のみならず非認知的能力の育成ということも重要であるということ、62ページ目の一番初めの丸にございますように、総合的な学習の時間の意義として、学際科学としての教科横断ということと、実社会、実生活の問題を引き受けて解決していこうという教科横断的ということ、それから次の丸にございますように、学んできたことを一旦整理して俯瞰的に位置付けて、学び方ということを道具としていくというような意義付け、それから、そういう中で総合的な学習の時間ということの教科横断的ということの任務と、関係構造、可能性ということを考えていくべきではないかということ、こういった御議論を頂いております。
また、64ページには知識ということにも御議論が及んでおりますけれども、64ページ目の一つ目の丸にございますように、知識というものの捉え方、知識観の観が、済みません、漢字が間違っておりますけれども、知識に対する考え方、捉え方というものも随分変わってきているのではないかというような御議論も頂いているところでございます。
66ページにおきましては、特別活動のワーキングにおける検討事項ということも付けさせていただいております。
大変長くなりまして恐縮ですけれども、これらが各教科・学校段階別のワーキングの御議論の状況でございますので、これに関しましても、総則・評価特別部会という教科横断的に御議論を頂く観点から、適宜アドバイスを頂ければと存じます。
続きまして、資料が少し戻りますけれども、資料の3と資料の4をごらんいただければと存じます。資料の3、資料の4でございます。学習指導要領の構成、総則の構成等に関する資料ということで、本日学習指導要領全体及び総則の構造に対する考え方ということで御議論を頂きますけれども、それに関しまして御参考となるような資料を用意させていただいております。
まず、資料の3でございますけれども、資料の3につきましては学習指導要領の法的性格を含めて現状の整理をさせていただいております。1ページ目にございますように、学習指導要領の法的性格、教育課程を編成する主体は学校でございまして、指導要領は学校に対して教育課程の編成・実施を行うに当たっての基準を示すということで、学校に対する基準であるということでございます。また、内容につきましては、中核的な事項ということにとどめられ、大綱的なものとなるとされているところでございます。
2ページ目が学校教育法から解説書までの全体の構造を示したものでございますけれども、上に憲法、基本法、学教法とございますけれども、そういった枠組みの中で学習指導要領告示として法的基準性のあるものとして示されているところでございます。これを更に改訂と併せてこれも改訂されますけれども、学習指導要領の解説ということで、大綱的な基準である学習指導要領の総則等々、教科等々の詳細について説明するために作成した資料、それから具体的に指導の参考となるような資料として指導資料・事例集等がございます。また、各教育委員会におきましては、法令や条例等に反しない範囲で、様々な授業日数でありますとか、編成、行事、教材使用の手続等について定めた学校管理規則というものがございます。こういった枠組みの中で指導要領というものの位置付けがあるということでございます。
それから、3ページ目が教育課程に関連して学校が作成するものでございますけれども、教育課程というものが上から2番目にございますが、これに関しましては、教育目標や指導の重点、方針、教科の時数でありますとか作業の時数などを、教育委員会の定める様式により、教育委員会が定めるものとして作られているもの、それから全体計画というものがございますけれども、指導要領上道徳などについて学校が作成するもの、それから指導計画というものは、例えば学期ごとであったり月ごと、週ごと、単元ごとといった各種のものがございますけれども、それぞれの指導内容や指導の順序、指導方法等々を定めたより具体的な計画というものがございます。その他学校におきましては、指導要領上に規定はないのですけれども、学校安全教育に関する他の法令に基づいて作成するもの、また障害のある幼児児童生徒の個別の指導計画等、それから児童の学習状況等を記録する書類として指導要録等を作成するということ、こういった構造になっているということでございます。
4ページ目以降が、現行の総則の構成でございます。4ページ目が幼稚園でございますけれども、幼稚園教育に関しては幼稚園教育の基本ということで、生涯にわたる人格形成の基礎でありますとか学教法の目的の達成、それから幼児期の教育の特性等々について記された第1、それから教育課程の編成、預かり保育等を含めた終業後に行う教育活動についての第3という形で、こういった構成になっているところでございます。
5ページ目、小学校でございますけれども、第1ということで教育課程編成の一般方針、第2ということで内容の取扱いに関する共通事項、第3が授業時数の扱い、第4が様々配慮事項といった構成になっているところでございます。
次のページの中学校もほぼ同様の構成でございます。
7ページ目が高校でございますけれども、高校につきましては、教科や単位日数といったところ、履修といったところが多少小・中と違った構成になっているところでございます。
それから、8ページ目が特別支援学校の幼稚部の教育要領。大体幼稚園教育要領を踏まえたような構成になっているところでございます。また、小学校部・中学校部につきましては9ページのような構成になっているところでございます。高等部につきましては10ページ目のような構成になっているところでございます。
11ページ目が総則の構成の変遷ということでございますけれども、総則の構成はごらんのような変遷を経てきているところでございます。直近で申し上げますと、平成10年、総合的な学習の時間の取扱いは総則にあったところでございますけれども、これが章立てとして独立した形で平成20年現在の四本の柱ということになっているところでございます。
それから、12ページ目からは、各教科の目標の示し方ということでございます。目標の示し方、社会に開かれた教育課程という観点からなるべく分かりやすいものにしていくという観点で今回考えていく必要があるかとは思いますけれども、これまでの変遷でございます。昭和33年当時はごらんのような五本立て、43年当時は四本立て、いずれも内容ベースで柱立てをされておりますけれども、こういった構造は、52年に指導内容の精選や集約化、整理統合と合わせて、目標を中核的なものに絞り、それを達成するための指導事項も精選されたという中で52年のような一文で目標を示すという形にされたところでございます。それ以降、この一文を少しいろいろ付け加えるような形で改訂が図られてきておりまして、平成20年ということで、一文の文章がかなり長くなってきているという現状でございます。13ページ目は他教科、他学校種の例、14ページ目も同様でございます。
それから15ページ目、これもご参考でございますけれども、各教科において学年ごとの目標や内容の示し方がどのようになっているのかということでございます。算数のように、学年ごとに目標・内容を示しているものもあれば、国語や音楽のように2学年ごとに示しているもの、それから学年ごとの区切りということが特段ないもの等がございます。16ページ目は中学校の例でございます。
17ページ目は教育課程についての基本的な考え方を総則を踏まえた記述、18ページ目は指導計画と全体計画の関係性について少し整理をさせていただいております。
それから、前回の告示についてどのような表現が可能かという御質問がございましたので、19ページ、20ページ目を付けさせていただいております。示し方は様々でございますが、19ページ目のように前文でこの告示の趣旨というものを解説しているような告示というものもございます。一方で、20ページ目のように、法令の形式等ほぼ同様というような告示もございます。こういったことを参考にしながら、またこの資料2ページ目にある指導要領というものの全体の中での位置付けというものも踏まえながら、総則の構成、指導要領の構成ということを御議論いただければと存じますけれども、資料の4というものにございますように、今回、資料の2の検討事項に整理させていただいているような観点を少しカラーで入れさせていただいております。全体の方向性といたしましては、社会に開かれた教育課程の理念の実現に向けてどのような構造や表現とすることがふさわしいかということ、また、右側に少し赤い字で枠囲みで記させていただいているような論点整理を踏まえて追加、又は整理、充実すべき事項、こういったものを入れ込むに当たってどのような点に配慮すべきかといったことについて、本部会において様々御議論いただければありがたく存じます。
大変長くなりましたが、私からは以上になります。
【羽入主査】  ありがとうございます。議論すべき点がたくさんあることを改めて認識しました。
今後の予定についてですが、最後の資料として配付されていると思いますが、今後5回程度の会が予定されています。それで、今回を含めますと3回ぐらいの間に、評価部会の方向性を少し粗々作り上げていく。そして、更にそれに加えてワーキンググループで多分具体的な検討がなされると思いますので、その検討も伺いながらまた精査していくということになろうかと思います。それで、目標としては、今後5回目ぐらいのときにここでの議論を含めた全体的な形を作り上げていくということになろうかと。全く予定で、おおよその目安でございますけれども、そんなふうになろうかと思います。
それで、今回御議論いただきます時間があと1時間半ぐらいでしょうか。今御説明したことについては二つ要点があったかと思います。一つは、他の部会や特別チーム、ワーキンググループでの御議論の御紹介がありました。まず、それについて今、特にこの会として申し上げておいた方がいいと思われるようなことがございましたら、御指摘いただければと思います。そして、ひとまずそれを伺った後に、今後我々が議論して、そして形を整えていくべき内容について、つまり資料の3と4について皆様の御意見を頂くというふうにしたいと思います。
今、全体的な御説明を頂きまして、すぐにこれをということはなかなか難しい点もあろうかと思いますが、後ほどお気付きのことがありましたら事務局に御提出いただくので結構だと思います。ですが、他のワーキンググループの状況は常に私たち意識しておきたいと思いますので、まず資料の5-2を基に何か今お気付きの点がございましたらおっしゃってください。御発言の際は札を立てていただいておくとわかりやすいと思いますので、よろしくお願いいたします。
先ほど、資料の5-2に基づいて御説明を頂きましたときに、既に教科間のつながりというのが意識されているという印象を持ちました。それから、縦のつながりについてもそれぞれのグループで意識を持って取り組んでくださっているという印象を持ちました。札が上がるまでの時間と思って、私が今印象を申し上げているので、どうぞ札を上げてください。
それで、一つ気が付きましたのは、特に言語能力のところ、それから情報活用能力のところについては、やはりそれぞれの広がりのある分野だと思います。横糸をつなぐ際に、どういうふうに言語能力を育成するかということは重要ですし、また情報に関しても今の時代、これからの時代どう扱うか、あるいはどのように取り入れるかということは大きな問題になろうかと思いますので、私の印象としては、情報についても同じように少し全体的な視点を入れておいていただけると大変ありがたいと思います。情報のところで、情報の精査とか選択とか、そういったことについての記述が他教科との関係で重要ではないかと思っております。
時間が余りございませんので、どうぞお気付きの点、おっしゃってください。もしよろしいようでしたら、全体の話、資料の3と4に移らせていただき、そしてその関連ででもまた戻って資料5-2に関連させての御発言で結構ですので。
それでは、全体のお話にしようかと思います。どうぞ。前回はいろいろ記述の仕方の問題もございましたし、先生方の問題意識も多々あるかと。
じゃあ、お願いいたします。
【黒上委員】  今、情報のところに話が流れたので。44ページにこれまでの三つの目標、目的、組み換えがありますよね。その二つ目の思考力・判断力・表現力のところに情報の読み取りとか解釈とか、いわゆる情報リテラシーのことが入っていて、学びに向かう支援のところに多面的・多角的に情報を吟味し見定めるみたいなものが入っているわけですね。今度の資質・能力にとって思考力・判断力、特に思考スキルというようなことが結構重要になると思うので、あとは批判的思考力とかそういうワードで語られるものが重要になると思うのですね。それから見ると、この情報活用能力とそれはかなり近いイメージがあって、それを情報ワーキングのところだけに入れておくのか、もっと幅広くそこだけ出してきちゃうのか。出してくるときに、情報活用能力というとよその教科でちゃんと吟味してくれない感じがするんですね。その辺のことを戦略的にこれからどう考えるかということは結構重要かなと思っています。
【羽入主査】  ありがとうございます。
鈴木委員、どうぞ。今の点についてですね。
【鈴木委員】  関係します。今、情報活用能力についておっしゃっていただいたのですが、その前に主査から言語能力についても御指摘いただきましたが、これと全体構造の問題というのはやっぱり関わるので、それに関連して言わせていただきたいのですが。
現行の指導要領の総則の部分の一番最初、全体の目標が書いてありますが、たった1ページ、それも非常に大きな目標が書いてあるだけで、ほとんどそこから具体的なものが見えてこない。そして、いきなり各教科の目標に飛んでしまっています。現在の学習指導要領の一番の問題は、大きな目標が出されて、そしていきなり各教科の目標に移ってしまっている。その間をつなぐ中間的な目標、全体的な目標をもう少しかみ砕いて示す中間的なレベルの目標がほとんどない。ですから、例えば情報について今黒上委員がおっしゃったように、そういうものを入れる余地がない。全体の目標は全体の目標で余りにも大きな目標で、中間レベルの情報教育が必要だとか情報活用能力が必要だというのが、全体の目標として記述されていない。言語能力についても全く一緒で、総則の一番最初のところに漠然と書いてあるだけで、いきなり国語に行ってしまう。中間段階は一切ない。これが今の我が国の学習指導要領の一番の問題点。
それに対して、私は西オーストラリア州のカリキュラムを研究しているものですから、これ、全体の目標プラス13のもう少しかみ砕いた目標、それから各教科の目標と3段階方式なんです。ホップ・ステップ・ジャンプではありませんけれども、我が国はホップでその次すぐという2段階しかない。これが現場の教員にとっても各教科か全体の漠然として目標か。で、全体の構造が見えにくいと。だから中間段階がないということです。オーストラリアなどは、今言った西オーストラリアの場合は、例えば中間段階の目標で、今黒上委員がおっしゃったように、情報活用能力について、例えば生徒はいつどのような情報が必要か認識でき、一定の範囲から情報を見つけ出すことができるという、これは例ですけれども、中間段階の目標として情報活用能力を挙げている。それから、言語に関しても、生徒は言語を用いてアイデアや情報を理解したり、発展させたり、コミュニケーションし、他者と交流するという。これ、科目でもないし大まかな目標でもない、中間的な目標を一つこういうのを打ち出している。そういうものがないと、全体が余りにも大き過ぎる目標で、各教科は細か過ぎて、中間段階の中間目標が抜けているものですから、言語に関しても、情報に関しても各教科任せ。全体は漠然としているという問題が生じてまいります。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
先ほど、事務局からの御説明で、この指導要領の位置付けとして、法的基準性があるというようなことがございましたので、そのことも加味しながらどのような記述が可能か、どのような構造化が可能かということを考えていくことが重要ではないかと思っております。
何か事務局からコメントがございますか。構造上のことで。
【大杉教育課程企画室長】  構造上のことで申し上げれば、まさにその論点整理で御指摘いただいた総体的構造と各教科との関係性というのをどのように示していくのか。構造として示していくのか、きょう御指摘いただいたような目標ということを少し整理していくのか、様々御意見いただければと存じます。
それから、議論の仕方としましては、情報活用能力は御指摘のとおり他教科等を含めて多岐にわたるものでございますので、一定の整理を情報ワーキングで頂いた後に、総則部会、それから各教科にしっかりとつながせていただいて議論いただくというようなプロセスになろうかと考えております。
【羽入主査】  ありがとうございます。
今御意見がございましたように、言語能力、情報活用能力についてはやはり全体的な関連性も高いと思われますので、特に事務局として心しておいていただいて、情報をこちらに流していただけると大変ありがたいと思います。
それから、鈴木委員が先ほどおっしゃいましたことは、構造上の制約があるにしても、今回私たちはなるべく理解していただきやすいというか、現場が混乱しないように分かりやすいものを作ろうということでは共通認識があると思いますので、どのような工夫をすればそれが達成できるのかということを考えながら構造も考えていくのが良いのかと思います。
黒上委員、どうぞ。
【黒上委員】  恐らくこれまでに配られた資料の中にあったと思いますけれども、オーストラリアのカリキュラムなんか見ますと内容と枠が縦にあって、横に能力の枠がある、クロスした形になっていますよね。それがいいかどうか分からなくて、それが何かを捨象してしまう可能性もあるんですけれども、でも、そういう形である程度構造的に見せることができて、そのクロスしたところに一個一個教科の内容が入っていくみたいな感じのイメージを持ってもらえると、どの教科においても大きな目標と一つ一つの資質・能力みたいなものとか検討されるというような、そんな感じを持ちます。
【羽入主査】  ありがとうございます。
今の点に関しましても、ほかの点でも結構です。
渡瀬委員、どうぞ。
【渡瀬委員】  今、黒上先生と鈴木先生からお伺いしたことに賛成です。私もやはり教科がもし縦の線だとすると、教科を横断した横の線としてに全ての教科に関わる育てるべき資質・能力というものがあるべきだと思います。それが鈴木先生がおっしゃったように中目標のような形で、全教科に関わる目標として記述されると良いと思います。
一方で、教科ごとにそれぞれの教科の本質を検討していく中で出てきた目標の、中目標とのすり合わせみたいなものがうまくできると、そしてそれが一致すればそれは一番望ましい形だと思います。それぞれの教科の中で培っていきたいコンピテンシーのようなものが、その中目標と一致するととても良いと思います。多分、中目標のところには言語技術ですとか思考スキルですとか、それから探究力ですとか情報活用力ですとか、そういうものが入ってくると思います。
それから、もう一点、別のことでよろしいですか。先ずは質問で、資料4の2ページ目、多分これ、中学校の指導要領の構成なので、右側の整理すべき視点の四角の枠の二つ目は、中学校の教育課程全体を通じてということではないかと思います。ここで留意すべきは、小学校の総則で、小学校の教育課程を通じて育成すべき資質・能力だけについてを記述したり、中学校の総則で中学校の教育課程全体を通じて育成すべき資質・能力だけについてを述べるのではなくて、特に小学校、中学校の場合は、高校卒業までを見通した中で、小学校段階で、中学校段階でという書き方をする必要があると思います。特に、小学校・中学校というくくりも、従来6年・3年・3年の形ではありますけれども、違う形をとっている学校も今増えてきている状況の中で、いろいろな区切り方があると思いますので、そういうふうに考えますと、やはり12年目にどこまで行くんだということは、小学校や中学校の総則の中にもある程度見えてくるような書き方が必要ではないかと思います。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では、天笠委員、どうぞ。
【天笠主査代理】  二つ申し上げたいと思うんですけれども、まず一つ目は、先ほどの各教科と中間目標ということに関わってなんですが、中間目標という言い方じゃなくて、いわゆる○○教育というんでしょうか、現代的な課題ということなんですけれども、環境教育以下様々というのは御承知のとおりなのですが、現行の学習指導要領というのは○○教育に対しての対応ということができていると考えるのか、それともそこについてはほとんど手当がなされていないと考えるのか。それによって随分捉え方が違ってくるんじゃないかと思いますけれども、私は今度の改訂のときにはそのあたりのところの現代的な課題への学習指導要領の手当というのもやっぱり一つの課題としてしっかり受け止めておくべき点があるかなと思います。それで、先ほどの、それこそ縦横じゃありませんけれども、横にそれぞれの各教科を並べて、そして今度はそれぞれのところに、縦でも横でもいいんですが、今度はそれに対して環境教育ですとか、それぞれ俗にいう○○教育を並べてみて、そしてそうするとそれぞれの各教科と○○教育というのが、縦横とをすり合わせてみると、それぞれのところでそれなりに対応しているということがある程度見えてくるんですけれども、それはどうしても各教科の単元レベルに目を落としていかないとそれが見えないというんでしょうか、教科のところだけですとほとんどが真っ白になる。多分教科の単元を見れば相応に各教科があるんですけれども、そこのところの工夫としてどうしていったらいいのかという場合に、一つは現代的な課題、俗にいう○○教育のところをもう少し資質・能力に改題してみるというのか、資質・能力ベースで俗にいう○○教育というのを見直してみるというか捉え直してみると、実はという、先ほどの示し方からすると、資質・能力と各教科との対応関係というのがもう少し見えてくるということが一つ出てくるのかもしれないと。それから、それがまた御指摘されるような中間目標がどういうふうな道筋になって、そこに行けるかどうか、もう一段工夫が必要なのかもしれませんですけれども、そういう点からすると、資質・能力と各教科との関係を照らし合わせるということが一つの今回の、ある意味で言うと作業的な仕事でもまたあるかと思うんですが、その文脈の中には現代的な課題というのも、そういう意味で言うと少しそういうところの一連の取組の中に取り入れてみて整理してみるということも一つあっていいのかなと思いました。
それがまず一つですけれども、それからもう一つは、今渡瀬委員も言われたんですけれども、各部会等々での一つの議論というんでしょうか検討で私はやっぱり着目したいのは、縦の系統性というべきなんでしょうか、幼・小・中・高、それのつながりについて、それぞれの部会がどういう形で議論しているのかどうなのかというようなことをとりわけ注目していきたいなと思っております。例えば、特別活動なんかの場合ですと、現行の学習指導要領ですと、小学校の学習指導要領には学級経営という文言が収められているんですけれども、中学校にいくとそのあたりのところはどういうふうに今度のこれを扱いながら考えていくのかどうなのかということで、恐らく他の教科等々についても同様の点というのがそれぞれ見えてくる部分というのがあるんではないかと思うんですけれども、それを改めてそれぞれの部会で議論して整理していただいて、縦の系統性というんでしょうか、縦のつながりというのがよりはっきりと整理できているような形のところに持っていっていただきたいなという、それを総則部会の各部会への注文というんでしょうか、お願いというんでしょうかということならば、一つのメッセージはそこのところにあるかなと思っております。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。一つだけ教えていただきたいんですが、○○教育についてということは、現代の課題をどう捉え、それに対してそれぞれの教科がどういう資質・能力として考えているかということを明示する、それが先ほど黒上先生がおっしゃったような、横のつながりを明らかにするのではないかという理解でよろしいでしょうか。
【天笠主査代理】  まさに○○教育というのは現代的な課題を吸い上げるわけですから、そこの吸い上げるに当たってそれぞれの研究団体ですとか、あるいは個人、グループを含めて、それぞれ、例えば法律に詳しい方は法律の教育こそをしっかりやるべきだという御主張になってくるわけで、俗にいう法律教育とか、何々教育とか、あるいは消費に詳しい場合には消費者教育とか。そういうことで、言うならば現代的な課題のある側面というんでしょうか、ある課題を吸い上げて、あるいは光を当てて、そこのところに教育として必要性だとかカリキュラム組立てというようなことで、私、直接全部数えたことがないんですけれども、伺いますともう数十、場合によっては今の時代100を超えているんじゃないか、それにどう向かって学習指導要領を整理して対処して向かい合っていくのかどうなのかということということで、現代的な課題というのは、そんな形で、ある意味で言うと分散しているというべきなのか、あるいは多極化しているというような、多岐にわたるという言い方なのか、そういう形で現実は存在していて、その一つ一つはある意味で言うと必要性というのは非常によく分かるんですけれども、それがこういうカリキュラムの位置付けになっていくと、それをもし聞いていくとするともうパンクは必定なわけで、どういうふうにそれを扱い、処理し、学習指導要領に落とし込むかということは、とりわけ毎回回を重ねるごとに大きなテーマになってきているんじゃないかなと思います。
【羽入主査】  ありがとうございます。
大変お待たせしました。野津委員、どうぞ。
【野津委員】  先ほど鈴木委員が御紹介された西オーストラリア州のカリキュラムは、私も見たことがありますが、非常に書きぶりとしては分かりやすいなと感心したのを覚えています。
その上でなんですが、全体の目標、中間の目標云々というように目標が重なる表現は、学校現場にしてみるとやたら何か目標ばかりみたいなイメージで捉えられると思います。例えば、中間目標のところのカテゴリーの表現を方略とか、いわゆる全体の目標を実現するためのストラテジーとか表現すると、目標の屋上屋を重ねるようなイメージを払拭できるのかなと思います。
それから、そこの表現を○○教育で埋めるかどうかというところは、まだ私今考えがまとまらないんですけれども、天笠委員の言われるのも一つの方法かなとは思いますが、○○教育というのをそういうところの上の方に位置付けますと、ばらばらの○○教育だけが学校で専攻して取り組まれていく懸念があり、怖いなという感じもします。
もう一点。情報活用能力のところに関して、全く私も賛成で、各教科で引き取って議論していくことは重要だと思います。この先10年を見越したときに、情報活用能力、非常に大きな問題で、どの教科にとっても重要な課題だと思います。先ほど事務局の説明では、情報WGのところでまず議論をしてそれを各ワーキングに引き取ってという流れは当然だとは思いますけれども、できるだけ早く各教科のワーキングの方に引き取って議論ができるようにしていただきたい。後手になってしまいますと時間切れということもあるでしょうし、多分各教科で情報活用能力だけを何か追加してちょっと議論するんではなくて、各教科でのことを議論する中でそのことを十分念頭に置いて議論していく必要があると思いますので、できるだけ早く下ろすようにお願いしたいと思います。
【羽入主査】  ありがとうございます。
今、最後におっしゃった情報活用能力と各教科との関係ですが、それはまとまった形ではないにしても、この部会としては問題意識をそういうふうに持っているということだけでも伝えておいていただけると、それぞれのところでまたお考えいただけるかと思います。
【大杉教育課程企画室長】  失礼いたします。情報活用能力も特別支援等もそうなんですけれども、各教科に落とす必要がある議題については、なるべく先の方に議論していただいておりますので、御指摘を踏まえましてしっかり検討させていただきます。
【羽入主査】  ありがとうございます。
宍戸委員、それから奈須委員の順で。
【宍戸委員】  先ほど、○○教育という話が出たのでその関連になるかなと思いますが、資料4の論点整理を踏まえて追加又は整理すべき視点の例ということで、下の方に色付きで書いてありますが、「多様な個に応じた指導の在り方」、あるいは「インクルーシブ教育システムの理念を踏まえた連続性のある「多様な学びの場」における十分な学びの確保」。これらがまさしく現代的な課題である、今日的課題であると思います。特に、障害のあるかないかということを出す前に、現代的な課題なのはやっぱりダイバーシティという言葉が用いられますけれども、そういう多様性の理解とか、多様性への対応とか、そういうことがあった上でいろいろな子供たちへどのように対応していくかということがきっと話題になっていくんじゃないかなと思いますので、そういう視点でインクルーシブ教育、あるいは障害児教育、特別な支援が必要な子供の教育ということも考えていく必要があるのかなと思います。
中間的な目標をどうするかというのはなかなかイメージが湧きにくいんですけれども、ただ、やはりちょっと言い方は悪いかもしれませんけれども、ある意味学校に任されているところでもあるのかなと。中間的なものを学校がどういうふうに設定するかという意味で考えると、ある意味学校の主体性を尊重しているというふうにも言えるし、かといって個々ばらばらでは本来の教育が行われないんじゃないかという課題も生ずるわけで、どういうふうな形がいいのかなというのは、今考えながら聞いているところです。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では、奈須委員、お願いします。
【奈須委員】  結局中間的な目標がないとかということも、ちょっとこれはお叱りを受けるかもしれませんけれども、日本の在来の教育課程が各教科がもうあらかじめ存在するということについては不問に付して、その中を埋めてきて、それをバインドして教育課程ができちゃっているということかなと思うんですよね。つまり、各教科が十全に実施されれば、予定調和的に上位の目標が実現されるだろうという予測的な観測のもとに作られているんじゃないかと。今、鈴木先生や黒上先生や天笠先生がおっしゃったのは、それを別な形で担保しようということじゃないかと思うんですよね。中間的な目標として教科を超えたようなもの、あるいは資質・能力的な描き方。天笠先生が言われたのも、環境とか情報という個別のコンテンツではなくて、多様な○○教育という単独教科では解決し得ないような問題に対して、それを解決に導くような資質・能力ということにつながってきたりするのかなと思うのですけれども。
そう考えたときに、やっぱり現行の教科が、その教科の親学問、あるいは親学問を基底にした業界なり産業なりということに向かってやっぱり構成されているとか、そこに有益な人材を送り込むような構成のされ方がなされているということなのかなと思います。それに対して今話題に出ていることは、ちょっと言葉は難しいんですけれども、その教科を専門にして、先々職業や専門性にして生きていかない人々にとっても、その教科を学んだ意義が残り、それが人生を切り開いたり社会を構成する主体として働くようなものになっていくかということではないかと思うんですね。そうなったときに、結局のところ、ちょっとこれはうがった見方ですが、在来の教科というのがその教科を専門にして将来職業的に生きていく人に向かって作られていて、多くの人は途中でドロップアウトしてしまって、ドロップアウトした人に何が残っているかというと、コンテンツのかけらが残っているに過ぎないようになってしまっていて、それを変えようということじゃないかと思うんですね。
つまり、全ての教科を専門にして高校や大学まで行く人というのは結局いないわけで、最終的には一部の教科を専門にしてそれを職業的にとか専門性として生きていくのだろうと思いますけれども、そのときにもそれを専門とか職業にしなかった教科を学んだ意義が残るようにどうするかということかなと思うんですね。それはコンテンツのかけらが残っているということではなくて、そのコンテンツを学ぶことを通して形成された資質や能力や、それを通して市民としていろんな○○教育的問題に対して対処するというふうな能力なんだろう、あるいは態度なんだろうと。そういう観点から、中間的なというか、もう一層記述する必要があるのかなと。
それは何も各教科を深めていかれることでそれを産業的にとか、業界の専門家になっていくという人が要らないとか、そういう人材を低く見るとかいうことではなくて、2つ多分目標があるんだろうと思うんですね。その教科を深めていって、それを将来専門にしたり学問にしたり、その業界やその産業に貢献する人たちももちろん国家としてはきちんと育てていかなければいけないし、日本はそれによって人材を供給してこれだけの経済発展や社会の発展を成し遂げてきたと思うわけですね。
でも、一方で、それを専門にしない人たちにとってその教科を学ぶ意義が何だったのかということを一遍顧みて、とてもある意味でもったいないことをしてきたと。どの教科を学んでも、それを専門とかある程度以上深めなかった人たちにとっても根底的な物の見方とか考え方とか、その教科ならではの問題に対する処し方ということが確実に残っていて、それらを組み合わせて市民として、あるいは一個人としてよりよく生きていけるような教育の設計の仕方、つまり、教科教育に二つのタスクを課していくということではないのかなと思っていて、そういう意味でもう一つのタスクを課すということに対して、これまでの日本の教育課程はややもすれば弱かった。そこを何らかの形で総則のレベルで整理していこうと。
極端に言えば、その教科が何で要るんだということに対して、きちんと答えられる教育課程にするということだと思うんですね。その教科が何で要るんだといえば、それはだってそれに該当する産業があって科学があって学問があるじゃないかと。そこに人材を養成していかなきゃいけないんだということになるんでしょうけれども、じゃあそこに行かない人たちにとってその教科は何だったんだかという問いに答えるということが今の時代求められていて、またそれが市民教育、市民性の育成であるとか、あるいは自分の人生を自分で切り開いていけるような資質・能力の育成とかということと深く関わってくるのじゃないかなと思っています。
【羽入主査】  ありがとうございます。
それでは、無藤先生。黒上先生、ちょっと立たれましたけれども、それから竹原先生の順で。
無藤先生、お願いします。
【無藤教育課程部会長】  今の奈須委員の話と少し重なるようなのですけれども、総則の中になぜその教科は教科として必要かという論拠が見えるようにした方がいいと私も思うわけです。今の総則というのは、本当はいろいろなことが全体を統括するという意味で書ける部分かもしれませんけれども、今の総則の在り方というのは、すごく冷たく言ってしまえば、教育基本法、学校教育法などの法的根拠を最初に示すということと、主に時間、授業時間に関わる配列的な部分を示すということと、それから三番目の部分の教育方法ですよね、言うなれば。その配慮事項がいろいろ入っている。改訂のたびにこの方法的配慮事項が広がってきたと思うんですね。
そのときに、前回の改訂の折に言語力というのが入ったわけでありますけれども、言語の能力とか言語活動を重視するというのが入っておりますけれども、これなどは現場でもいろいろな理解があって、必ずしもすっきりしてないのではないかと思うし、今回も言語活動というのが、言語能力でしたっけ、国語という教科や英語という教科と別にグループを立てておりますけれども、つまり、そうすると例えば言語能力と国語科の関係というのはどこにも書いてないように思うんですね。言い換えれば、個別の教科はかなり組織的・体系的にそこにおける知識とか考え方を指導する必要があると。なんだけれども、その前に、そもそもその教科を必要とする人間の在り方とか生き方とか、生きる力の基本を成すものは何かとか、あるいは現代の社会の中で学校を卒業した後に、その人はどういうふうに生きていくか、その折に学校で学んだことはどう役立てられるかというあたりのことですね。それについてもう少し触れてもいいのではないかと。それがそもそも生きる力というものを提言した意味なんだと思いますね。
先ほどから出ているように、学校を卒業した人が問題解決に当たるときに、これは算数とかこれは理科とか分類するわけじゃないので、必要なことを全部使うわけであります。そのときに、多分特定の教科でうまく収まる問題はあり得るけれども、どちらかといえば複合的ですね。そして、例えば高校で今度総合的な幾つかの教科を導入するというのは、かなりそういう新たな一つの教科を超えたものを目指そうという理念があると思います。そして、先ほど申し上げたように、言語活動も単に言葉を使う活動を増やすといいよという話を超えて、言語と思考というものがかなりいろいろな国語という教科のみならず様々なところで重要だからということになってきたと思います。
そういたしますと、資質・能力を中心として、中程度の目標ということでもいいんですけれども、はっきりさせていくとすれば、教育方法のところでちょっと配慮しなさいというよりももう少し大きなこととして考える必要があると思います。そのときに、既に三つの柱とかいろいろ出ているわけですけれども、そこをもう少し深めていくと、例えば人間にとって言葉というものが不可欠な思考、あるいはコミュニケーションの働きを成すものであるとか、あるいは全然違う例で、私のこれは個人的な考えに当てはまるか分かりませんが、例えば音楽というものは音楽的教科で見れば音楽という芸術作品がありますので、その理解・鑑賞とかクリエイティブな在り方を指導するよとなるでしょうけれども、そもそも人間にとって音楽というものが、人間が世界に関わるときの、言うなれば聴覚、耳ですね、聴覚的な在り方の組織化だろうと思いますし、それを美的に整理するというかなり人間の根源的な関わり方、人としての在り方にあるわけで、そういう人類普遍の人間の在り方を踏まえながら教科として成り立ってきているんだろうと思います。
そう考えると、例えば人間の音を使う、音楽を使う関わり方というのは、もちろん音楽という教科なんだけれども、同時に、例えば特別活動やその他の様々な場面で我々は音楽に親しみ、使うわけなんですね。ですから、教科というのが中心であることは確かですけれども、それ以外の場面でもどういう知識であれ何であれ使うということを考えると、総則というのは教科の配列とか注釈ということは機能の一つですけれども、もう一つその手前のところで大きな枠組みが必要なんじゃないか。そうすると、先ほどの様々な何とか教育も、例えば法教育というのは法という教科という意味にはならないけれども、様々な場面で、特に現代社会の中に生きていくときに、学校卒業後法に出会う、法律に出会う場面は非常に多いわけですので、そういうことを考えていく必要がある。要するに、現代的課題というのは、個別にぱらぱらできているというよりは、学校卒業後生きていく人たちにとって様々な問題の出会いがあって、そのときにいわゆる教科の組織的な知識体系だけでは足りない部分というものがあると。それを複合的・総合的に考えなければならないという提言だと思いますので、総則で30も40も上げろという意味ではなくて、それの基になるような記載というものが必要なのではないか。
ちょっと長くなりましたので、以上をまとめると、要するに総則というものの位置付けとして、各教科への留意事項が並んでいるということよりは、各教科の根拠を成すものですね。だから、やはり位置付けとしては総則というものが全体を統括するものになって、そこから教科が出現してくるような記載が要るかなと、そんなことを思いました。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
それでは、竹原委員、お願いします。で、根津委員、その次で。
【竹原委員】  今まで皆さんがおっしゃったこと重なりますが、社会に開かれた教育課程という時、学ぶことと社会が密接につながるという意識を共有すると書いてあります。何を学ぶかとともに、どう学ぶかが大事であるということが議論され、天笠先生がおっしゃったような現代的課題に子供たちは遭遇すると思います。今教科書にないことを30年後ぐらいには解決していかなければいけない。様々な知識やスキルを総動員してキャリアを積み、社会の課題を解決していくのが今の子供たちだと思います。学ぶプロセスを重視するなら、配慮すべき事項という柔らかい言い方ではなく、もう少し打ち出してもいいのではないか。18歳のゴールもありますけれども、生涯学び続ける力を持つ人間を育てなければ、多分これからの世の中は対処できないのではないかと思います。そのためには学ぶ方法、プロセスを学ぶとともに、学びによって自分の気持ちを高めたり、社会が良くなるのを実感できるような、そういう楽しさを伝えられるような総則だといいなと思っています。
【羽入主査】  ありがとうございます。
今、竹原委員がおっしゃったことは、もしかして学ぶということの意味もこの中に示す必要があるということかもしれないと思っています。
次、お待たせしました。
【根津委員】  前回も少しお話には出ていたようですけれども、私の今の考えとしては、総則の分量を含めてなんですが、それは各教科・領域ともそうなんですけれども、分量がこのままだとどんどん際限なく増えていってしまう事態は避けたいなということですね。そうなったときに何を考えるかというと、ダウンサイジングですね。引き算や割り算をしていくような発想。書くことは何なのかということと同時に、何は書かないでおくのかというところの線引きというものが一つ必要になるだろうと思います。
もう一つは、それに関連してなんですが、教職課程で総則の文章を学生に音読させるんですけれども、教職の科目でですね。長いですね。非常に長い。どこで息継ぎをすればいいのかという。そうなると、やはり一文の字数制限というようなものも実は考えなければならんのではないか。先ほど事務局の方から御説明がありましたように、だんだん1977年、昭和52年以降ですか、長くなっていく。それはやはり足し算の発想ですよね。大事なものを追加していくということになると、やはりどうしてもそうなってしまう。
ただ、その一方では、奈須委員から先ほど御指摘ありましたように、あれは合成の誤謬という話だろうと私は理解したんですけれども、各部分がうまくいっていれば全体は果たしてうまくいくのかと。ただ、必ずしもそうではない。総則となると、やはり全体を統括する部分だというふうに考えれば、そこは余り書き過ぎてしまうと今度は各教科・領域の方が書きにくくなってくるというところはあるだろうと思います。そうなると、このあたり、前回もう少し御議論あ合ったかもしれないんですが、詳細に書き込まれてはいるけれども、基本的にそれは読まなくても済むようなものとして位置付けるのか、あるいは非常に荒い、すき間だらけかもしれないけれども、分かりやすくて読みやすいものを目指すのか。もちろん、詳細に書き込まれていて読みやすければいいんですけれども、恐らくそれは両立しないだろうと思います。
そうなってきたときに、本体の議論もそうなんですけれども、解説とのすみ分けといいますか、かつて指導書ですよね。現在の教職課程では結局解説の解説をしているのかなという気がしないでもないんですけれども、解説が解説になっているのかどうかというようなところも併せて吟味する必要があるのかなと思うところです。
ちょっと話がずれるんですけれども、英語版というものをどういうふうにお考えになればいいのかなというところですね。社会に開かれたといったときに、一つの開かれ方としては、例えば教科書検定等については文部科学省以外のホームページ等でもたしか情報はあったと思いますので、学習指導要領の英語版等ができると、例えば留学生等の関心も非常に高いわけですので、これは本体ができないとなかなか難しいところかもしれませんし、なかなか用語等の精査も必要だろうと思いますけれども、是非御議論いただければなと思います。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
鈴木委員。
【鈴木委員】  先ほど中間的目標と申しましたのは、言葉としては非常に良くない言い方で、しかしこれはなぜかと申しますと、ほかに言いようがないと。実はこれが英語ですと簡単でして、大きな目標はaim、次の目標はobjective、きちんとこれで用語で区別できるんですが、日本語ではそれを表現できないと。ですので、別に中間的な目標というのは、あくまで苦肉の策の表現ですから、もっといい案があればその方がいいと思いますが、とりあえず日本語で適当な用語が英語と違ってないと。今、ちょうど根津委員が英語版はとおっしゃったので、その英語だとここが区別付くんですが、我が国の言語ではそれを区別できないということです。
それから、やっぱり今回、中間的なと相変わらず使わせていただきますけれども、目標が必要になったのは、これまでの我が国のカリキュラムは、前回申しましたように内容中心のカリキュラムだったと。学習事項を中心に規定すればカリキュラムはそれでオーケーだったと。これが前回言語能力という形で資質・能力を少し取り入れたカリキュラムに変化し始めたと。今回は、それをもう少し進めて言語能力以外についてももう少し広げて資質・能力を規定したカリキュラムに、完全に変わるわけではありませんけれども、そういうものを取り入れていこうという方向なので、これまで中間的な目標がなかったのは、そういうカリキュラムの編成の仕方の考え方が変化し始めたことが十分に学習指導要領にこれまで対応できなかった、そういうものが中間的な目標がなかった最大の原因ではないかと思います。
それから、天笠委員がおっしゃっていましたように、縦の関係、それから他の委員もおっしゃっていたように高校段階でのどの程度の到達、達成レベルというものを考える、そこを基に小学校といったらどうかと。それはやはり評価に関わる問題ですので、それについてはまた後で御提案したいと思いますが。やっぱり今回のカリキュラムの最大の論点は、各教科と全体の目標の関係、これが横ですよね。私はこれをフェルディナン・ド・ソシュールの用語法をちょっとかりますと共時的な構造と、それから天笠委員がおっしゃったような縦の構造、高校段階、中学校段階、小学校段階は、これは言い換えるとソシュール流に言えば通時的な構造。共時的な構造と通時的な構造の両方から日本のカリキュラムをもう少し考える必要があるのではないかと思っております。
【羽入主査】  ありがとうございます。
青木委員、どうぞ。
【青木委員】  今、お話をいろいろお聞きした中で、やはり各教科のワーキンググループからも既にいろいろな話し合いが同時に進められており、その中で特に体育・保健科の方は具体的な内容にもう踏み込んでいらっしゃるわけですけれども、こういった各教科での話し合いがどんどん進む中で、縦横の内容が教科によって本筋の私どもの総則のところとどういう具合に相互していくかという、そこはやはりきちんとわきまえていかないと、各教科は各教科でどんな話し合いが進められ、それを総則で、じゃあ私どもがそれをどうやって集約していくかというところの問題が発生してしまうと思うんです。今、中間的な目標云々というお話がございましたけれども、そこの部分が恐らく各教科のまとめとして入ってくるのではないかと思います。
そしてまた、この形なんですけれども、総則から各教科、それから小学校・中学校・高校、この縦の線をもしも考えるとするならば、この章の分け方も新たな考え方が出てくるのではないかと思います。先ほどお話がありましたけれども、義務教育学校という一つの新しい校種ができたというところで、じゃあ5・6年の英語科教科の問題はどうなるのかとか、それぞれの個別の問題は各学校の問題にはなってまいりますけれども、そういったある意味もっと大きな点で捉えるならば、この章の組立て自体ももっと大幅に変えることが新しい学習指導要領という観点に結び付くのではないかと思うんですけれども。
【羽入主査】  青木委員がその場合おっしゃる章というのは、各教科ごとに分けないという……。
【青木委員】  いや、その後に特別の教科、外国語、総合、特別ってそれぞれございますよね。この枠組み自体でございますね。もう変えていかないと、例えば義務教育学校という校種の場合に、6・3制は残されておりますけれども、それに当てはまるような内容のものが書かれてこないと、あるいはそれが構造化されないと、私はまずいと思うんですけれども。
【羽入主査】  そうですか。ありがとうございました。
梶委員、どうぞ。
【梶委員】  私の方から、今高校教育の立場でいろいろお話を伺っていた中で、これは高校は大変だぞという感想を持ちました。資料の5-2、チームやグループで各検討がなされている中で、本当に今話題になっている言語能力、あるいは情報活用能力、全ての教科でそれぞれ培っていくというところがあると思います。高校の場合、いわゆる教育課程の編成において、各教科科目の各学校における編成の在り方、置き方で科目をどこに置くかによって、いわゆる科目ごとの目標、あるいは言語能力や情報活用能力をどこまでの目標で科目構成していくのかということが、明確にしていくということも大事なんですけれども、もう一つは、やはり今回共通性の確保というところの点で、やはり全ての高校生に共通に見に付けてやる資質・能力、これを三つの柱に沿ってということになると、最低限必要な資質・能力として育む上で、いわゆる必履修科目の内容と教育課程上の編成、これが非常に重要になってくると考えます。私の方は神奈川県なんですけれども、神奈川県初め全国の高校を授業公開等で見させていただくと、本当に高校の教育課程は様々です。いろいろな工夫がなされているという状況です。ですから、その編成の在り方によっても、本当に積み上げられた系統性のある資質・能力の育成ができるのかというところで、やはりその上で必履修科目、教科科目の在り方というのが、高校の場合は非常に大事になってくるんだと考えます。
今、資料の5-2の19ページを見させていただいて、言語能力のところ、国語、外国語、まさに今の現行の学習指導要領の必履修科目の国語総合や英語コミュニケーション1といった科目、あるいはさらに情報活用の方でも見させていただくと、教科情報、あるいは数学といったところについては、やはりもう1年生の段階で本当に標準4単位ぐらいでしっかり基礎を学んでいくということを、指導要領上の中で明確にしていく必要があるんじゃないかと。
また、地理・歴史・公民、また理科という科目についてなんですが、この部分について、いわゆる中学校の段階まで、中学校の社会では3分野、そして理科については4分野をしっかり学んできているわけですが、それを現行ではやはり理科においては理科の教育理念に基づいてということで、その4分野をしっかりやっていこうと、3分野以上はしっかりやっていこうというふうになっています。そういうことを考えると、この地理・歴史・公民、あるいは理科といった科目の必履修科目の置き方、在り方というのが具体で申すと非常に私は気になります。
特に、公民の話が出てまいりまして、この資料の25ページを見ると、本当に歴史総合や地理総合、あるいは公共といったところについては、しっかりいわゆる共通に学ばせるということで、1年生、あるいは2年生ぐらいまででしっかり学ばせていく必要が出てくる。特に、公共については、18歳という選挙権の問題があります。神奈川県の県立高校においてはシチズンシップ教育を全校導入しておりますので、模擬投票をやる時期についても、やはり1・2年生で取り組んでほしいということで、かなり指導をしているところでございます。そうすると、やはり中学校の公民で学んだこと、今度はいわゆる模擬投票等の体験実施なども通じて、またもう少しいろいろと多面的・多角的に思考させていくというところから公共の役割が出てきますので、これは高校3年生においてはもう無理だということになってくると思いますので、こういうふうな科目の置き方をしてみると、一つちょっと理科の問題があります。
実は、もう1学年の中で、あるいは2学年の中で教育課程を編成すると時間数がぱんぱんになってきます。いわゆる単位時間の調整ということが出てくると思いますけれども、一方で理数教育に重きを置いてということで、理数離れというところから非常に満遍なく、あるいは細かい選択の取り方も出てきたわけですけれども、見ていますと、学校がいわゆる物理・科学・生物・地学の基礎科目、これは4科目ありますが、これを3科目取らせるということ。これを1・2年生で3科目取っていくということになっていって、この編成に非常に苦しんでいるんですが、生徒の視点から見ると、逆に複数科目を履修しなければいけないということから、逆な面で理数離れを起こしているという一つの見方もあります。学校によっては、この科目の置き方が生徒が非常に基礎学力が身に付いている、特に進学校なんかにおいては、もう早くから4単位の科目をしっかりやりたいというところで、基礎科目との重複感もありますので、今回この地理・歴史・公民、そして理科の科目の必履修科目、特に共通性を確保するというところにおいて、十分考えていかなければいけないなと思います。
先ほど、教科で積み上げたもので横断的・総合的に学ぶ、例えばキャリア教育にしても環境教育にしても、いわゆる○○教育と呼ばれるものでの資質・能力の育成については、やはり必履修科目がしっかりベースができていて、その上にまたこの教科横断的な何々教育というものも連関させていかなきゃいけないなというふうには考えますが、もう一つちょっと高校の場合気になるのは、実は総合学科高校を初め単位制の高校でございます。単位制の高校は学年による教育課程の区分を設けてないということから、いわゆる生徒の個性、進路の目標に応じて選択によって科目履修するという特性がございます。そうすると、このことは共通性の確保という点で、同一教科内の科目の系統性や順序性を考えて教育課程を編成して履修をしっかり行っていくという点で、この部分の課題を解決する必要があるんではないかと。ですので、このことは高校の履修と習得の問題にも実は大きく関わってくると。いわゆる履修して出席しましたよと、授業足りましたよ、しかし習得はできません。いわゆる学習内容としては評定が付きませんというようなことで、学年制のところにおいては、一つでも、例えば履修ができない、あるいは未習得があればもう一回原級留置で1年生やり直しというようなことも起こる。原級留置を起こせばまた中途退学も出していく。これも社会的な問題に大きくつながっていくと考えます。
ちょっと高校の編成の問題から考えると、非常に共通性の確保ということで必履修の教科科目、そしてその内容における資質・能力の育成、先ほどの言語能力や情報活用能力といったものをどこまで目標として示すのかということもしっかり明示していかなきゃいけない、考えていかなきゃいけないと思います。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
では、天笠委員、お願いします。
【天笠主査代理】  失礼します。ちょっと観点が変わりますけれども、私、頂きました資料の4を見ているんですが、これに関わって発言をさせていただきたいんですけれども。
この現行の学習指導要領の構成というのが、ごらんのとおり4章立てになっているわけです。これを構成を含めて抜本的に変えるというのも一つ考えられる選択肢かと思いますし、片や基本的にはこれの柱をそれぞれ生かしながら、今回の論点整理以下の考え方をこの中に盛り込んでいくというふうな、そういうことというのもまた考えられるかと思うんですけれども。これから発言させてもらうのは、基本的にとりあえずこの柱を生かした上でということで、その上で第4というところなんですけれども、そこにごらんのとおり指導計画の作成に関わっての配慮事項という部分で、その他の配慮事項の中にはいろいろなものが入っておりまして、それこそ教育方法の工夫から物的整備のところまで様々な形で記述されているというのは御承知のとおりだと思うんですけれども、アクティブ・ラーニングとそれからカリキュラム・マネジメントということへの示唆ということを考えたときには、この第4のところの書きぶりというのが一番直接的に関わってくるところなのかなと思います。そういう点では、論点整理の必要な記述された文章でしょうか、それをここに総則風に当てはめていって置いていくとすると、ほぼある意味で言うと、その原型みたいなものが見えてくるわけなんですけれども、ただ、そういうふうにしたとしても、今回趣旨が伝わるかどうか、あるいは言うところのアクティブ・ラーニングとかカリキュラム・マネジメントを促すような、そういう配慮事項になるかどうかというのは、これはまだ検討の余地が多分にあるところかなと思っております。
例えば、そこに4の第1と第2というのがありますけれども、第1というのがそこで言うならば、書いてありますように、各学年の相互の連携とか系統性とか発展的指導とかとこういうことで、これは少し発展的に捉えるならば、各教科の連携とか、いわゆる横断的な取組の勧めというふうなところと関わってくるかと思いますので、そういう点では一つはカリキュラム・マネジメントのそういうのに関わって、各教科を横断させていくような方向性としてこのところをある意味書き直していくというか、あるいは修正しながら更に書き加えたいところですけれども、そういう中に、先ほど議論しているような、御意見あったような各教科の在り方というのも、この文脈の中でそういう点では問い掛けていくような、そういう扱い方もあるんじゃないかと思います。
それから、その次のその他の配慮事項ということなんですけれども、ここはまさにカリキュラム・マネジメント、アクティブ・ラーニングを混然一体としたような、そういうこととしてそれぞれの配慮事項ということを挙げるということも可能だと思うんですけれども、そうしたときに、この第4のこのところがこれまで総則の位置付けとして、現場から見てどういう扱いを受けていたのかどうなのか。ある意味で言うと、ここに盛り込まれたことによってかなり活発に現場が動いた、そういうことと、片や非常に文言は掲げられたけれども現実はさほどじゃなかったと、両方がそれぞれあるというのがこの部分だと思うんですけれども、改めてカリキュラム・マネジメントですとかアクティブ・ラーニングの具体的な姿、要件というのをここにどういうふうに描いていき、そしてそれが現場に伝わるような、実践を促していくようなそういう記述の仕方をしていくということだと思うんですけれども、赤の四角で囲まれたそういうことというのが真ん中のところに肉付けされて移行していくということがその姿になっていくんじゃないかと思うんですが、そういう点からして、配慮すべき事項ということをある意味で言うともう一度抜本的に見直して、今申し上げたようなところから改めてその配慮事項とかそういうものを組立てていくのもまた一つの総則というものを見つめ直すときの一つの視点になるんじゃないかなと思います。以上です。
【羽入主査】  ありがとうございます。
青木委員のおっしゃったことと関係するかと思います。いかがでいらっしゃいますか、青木委員。
【青木委員】  今、本当に具体的なお話の中で、カリキュラム・マネジメントとアクティブ・ラーニングという大きな二つの観点から物事を捉えるという中で、この配慮事項をどうしていくかというところ、これは今後やはり本当にしなければいけないことを全て羅列されているような感じがしますので、そこはある意味各教科、縦横の関連性を考えながら、ここの表現がされることが必要だと思っております。
それで、私、ちょっとまた外れるんですけれども、中・高のところで部活動の位置付けというのがこの配慮事項の中に入ってきているんですけれども、ある意味配慮事項の中で学校教育の一環としてという文言の中で、現在教員の疲弊する第一がここに大きくあると思います。私自身としては、日本の教育の中で文武両道というとすぐ部活動に結び付く部分があり、そのためにある意味不透明な部分も多くなっていると思っております。そういった意味では、あえて部活動の位置付けとして、今回の中にも入っておりますけれども、これを入れる必要性があるのかどうか、そこから私は考える必要があるんじゃないか。部活動を巡るいろいろな問題、教員の問題等全部含めて、そういった具体的なお話も進めていくべきではないかと思います。
【羽入主査】  皆様の御議論が主に全体の構造についての話ということが今回のポイントになっていますけれども、先ほど鈴木委員から評価についても後ほど発言をしますとおっしゃっていたので、少し評価のお考えを皆様から伺っておく方が、今後のためによろしいかと思います。
余り時間が十分ではございませんけれども、先生から口火を切っていただけますか。
【鈴木委員】  次回が中心になるじゃないかと思っていましたが、評価についてもやはり内容中心のカリキュラムというのは、教科書に書かれた知識やいろいろな法則をどれだけ理解したかと、そういう面での評価が中心だったんですけれども、やはり資質・能力を考えたカリキュラムを編成し始めると、必ずしも個別の知識や法則とか、そういうものを対象とした評価だけでは済まなくなってくると。思考力や判断力とここでは表現されておりますけれども、そういう思考力・判断力に関しては知識と同じような評価方法はできないと思います。
そういうものを、観点の立て方にもよりますけれども、ここで仮に言いますと思考・判断・表現力というような、今表現されている観点に関しては知識とは違った評価の在り方、最近ルーブリックとか言われておりますけれども、ルーブリックというのは個別の課題の評価基準ですので、国全体としてそういうルーブリックのような形で評価するというのはスタンダード、レファレンス、アセスメントと申しますので、そういうスタンダード、レファレンス、アセスメントのような形を思考力や判断力や表現力の方には使う必要があるのではないかと思います。その中で、高等学校3年段階でこの思考力・判断力・表現力がどの程度のレベルが目標であるかと。そして、中学校段階、そして小学校段階。もちろん中高一貫とかいろいろありますから、高等学校が最終段階の目標を示す――必ずしも義務教育じゃないので、それでいいかどうかは問題ですけれども、中学校を例えば最終段階だけでも思考力・判断力のレベルの望ましいレベルをスタンダートの考え方で表現したらどうかと思っております。それを全体的に見ますと、構造化とももちろん関係しますが、特に縦の構造化という面でということです。
それから、観点をどうするかという具体的な統合の仕方については私も案を持っておりますが、これは今回言うべきかどうかはちょっと分かりませんので、観点の整理の仕方もいろいろ工夫する必要があると思います。以上です。
【羽入主査】  また評価については、中心に議論する必要があろうかと思いますけれども、今の段階で。
奈須委員、どうぞ。
【奈須委員】  ちょっと今のことに絡むかなと思いますけれども、評価論というか、ある種の学力論ですよね。そこを今回打ち出していかざるを得ない、それがそれで個別のコンテンツをどれだけ累積しているかということではなくて、資質・能力なんだと、いわゆるコンピテンシーなんだ、思考力・判断力等、もちろん領域固有の知識は問題解決に常に重要なので、それが要らないという話ではないんですけれども、でも、例えばさっきの梶先生が言われた高校のことなんかもそうですが、子供たちの学力を共通に保証するといったときにコンテンツを保証しようとすると、結局どんどんあっぷあっぷになってパンクするんですね。それに対して、資質・能力で保証しようとすると、例えば理科の4科目あっても、例えばですよ、科学的に物を見るとか判断するとかということは、もちろん物化生地それぞれ違うので、同じ科学的と言っても物化生地、あるいは特に物化と生地ではかなり違うものが身に付くとは思いますけれども、どれかをきちんとやれば市民として生きていく上での科学的な物の見方とか、それを使って環境問題やいろいろな社会問題、さっきの○○問題を処していく能力の基盤としては十分なんだと考えれば、むしろ一人が学ぶコンテンツを減らすことができるんじゃないかと思うんですよね。つまり、国民としての教養ということを、コンテンツじゃなくてコンピテンシーと考えれば、むしろ確実に着実に保証しつつ、教えるコンテンツ、指導事項は減らせる。それは多分指導事項がほぼ時数に対応してくるので、そういうふうにどこまで考えを変えられるかということだと思いますし、ただ、資質・能力といっていますけれども、そんなにコンテンツに依存しないものでもなくて、実を言うと、その領域やコンテンツにも一定程度は依存するわけですよね。だから、そこが難しいんだと思うんですけれども、それをどの程度まで見切るかということが大事で、その意味でまず評価をどうするかという話はすごく大事になってくると思うんですけれども。
【羽入主査】  ありがとうございます。
【鈴木委員】  今、奈須委員が理科の例を出されたので、その一例をちょっと言わせていただきます。
やはり、私も高校の教員ですから、学習すべき内容が非常に多くて、小学校・中学校も同様なんですけれども、実は科学的な物の見方は幾つか原理がありまして、変化させるべき変数と一定にするべき変数というのが、イギリスの理科教育では最も重大な科学的思考の要素として教えられているんですが、我が国では内容中心のカリキュラムのためにそこの部分が全く強調されていないのです。少なくとも、現行の教育課程の小学校の理科の教科書を調べる限り、一定に保つべき変数と、変化させるべき変数をきちんと記述している教科書はたった一つしかない。そのたった一つの教科書さえ、欄外に小さな字で書いてあるだけと。でも、これはイギリスの理科教育では一番最初に持ってくる目標。ですから、要するにこれまで内容中心のカリキュラムだったために、理科のいろいろな知識を教えたけれども、科学の根幹を成す考え方、実験の仕方、それについての強調が小学校の理科で示されているように、従属変数と独立変数の区別すら欄外の小さな字で記述されているだけという状況を招いてしまった。ですから、そういうものは理科の中の物理であろうと生物であろうと地学であろうと、科学的な探究方法に一貫して共通するものですから、それがやっぱり抜けてしまったというのは、これまでの内容中心のカリキュラムの問題点だったと思います。一つの例として。
【羽入主査】  ありがとうございます。
恐らく、今の御発言は、竹原委員が先ほどおっしゃった、学ぶことの楽しさというか、学ぶプロセスが重要だということと関係していますか。
【竹原委員】  とても共感しました。
【羽入主査】  ありがとうございます。
奈須委員、どうぞ。
【奈須委員】  だから、現行の、まさに理科なんかそうですけれども、うちだと文系3教科で大学に入ってくる女の子が多いんですが、すると、理科にとっても挫折感を持っていて、要するにドロップアウトをしているわけですよね、理科、途中でね。投げちゃっているんですね。残っているものは何かというと、いろいろな小・中学校で勉強したかけらみたいなものが山ほど残っているだけで、科学的な物の見方とか、それを推論する能力とか、例えば教育学をやる中でもデータを読んだりとか判断したりするときには、今、鈴木先生おっしゃったような見方って必要だし生きるんですけれども、それがないんですよね。ないと同時に、そういうものに近付きたくないぐらいに思っているんです、極端に言えばね。とてもまずくてというかもったいないことをしていて、まさに今評価なり、例えば総則の、さっき中間目標として出ているもの、資質・能力のようなものにそこを明晰に書いていくということだろうと思うんですね。
もちろん、それはコンテンツを通して達成されるんですよ。具体的な物理なり化学なりのコンテンツを深く意味的に、まさに主体的、協働的、深くアクティブ・ラーニング的に学んで、ああ、こうなんだと私にとっての実感的な、それは教科的なしっかりした学びですけれども、コンテンツの。でも、それを通して科学的に接近するとはこういうことだとか、生命現象っていうのはこういうことが本質的なんだという把握をすると。その後、それを専門にしなければ個別のことは全部忘れてしまうんですよ。クエン酸回路だとかゴルジ体とか全部忘れてもいいんですよ、極端に言えば。でも、生命現象を見るとか、科学的に処理するということは残っていれば、環境問題にどう処するとか、生命倫理にどう処するということはできるはずで、高校になるとちょっと専門に進むという話が一方に出てきますけれども、少なくとも義務教育レベルではやっぱりそれをまず優先に考えていくということなのかな。
そうなってくると、やっぱり評価をどうするのか、あるいは中学なり高校なりが終わったときに子供に身に付いている姿をどうイメージするのか。ただ、一方で資質・能力にはやっぱり一定程度の領域固有知識、もちろんそれはただ知っているのではなくて、深い意味処理をした知識ですけれども、それも入っているので、余りに機能的・形式的な学力論に行っちゃいけないんですけれども、さっき鈴木先生がおっしゃったように、これまでコンテンツに余りにも寄り過ぎたので、そこは復元し、修正しつつ。それは何もコンテンツかコンピテンシーかという綱引き論とか二律背反論ではなくて、十分に両立するような構造化を改めてすることで、それはまさに総則全体でどんなことを目指すかということをもう少し明確に書いて、そこから各教科にお願いを出していくということなのかなと思います。
【羽入主査】  ありがとうございます。
そろそろまとめていきたいと思いますが、まだ御発言がおありの方もいらっしゃるかと思いますので。どうぞ御自由に。これが最後のチャンスというわけではございませんが、どうぞ、おっしゃってください。いかがですか。
野津先生、いかがですか。
【野津委員】  今の議論においては、多分、小学校の方がコンテンツにウエートがあったり、高校の方が課題解決学習的な要素が多くなったりというように、校種別、あるいは発達段階ということも踏まえて、細やかにそれを落としていく議論が必要なのかなと思っています。
【羽入主査】  ありがとうございます。ちょうど目が合ったので、発言をお願いしてしまいました。申し訳ありません。
ほかに、いかがですか。
どうぞ、宍戸先生。
【宍戸委員】  特別支援教育の方で考えると、小学校の総則、あるいは中学校の総則を下敷きにして、小学部、中学部の学習指導要領の総則を編集しています。そういう経験から申し上げると、この教育課程編成の一般方針のところ、ここに恐らくどういう形で目標を提示するのか、あるいは資質・能力で書くのか、いろいろなやり方があると思いますが、余りにも小学校と中学校、高校はちょっと違うんですけれども、小学校と中学校の内容が類似していると。この辺でもう少し小学生らしい育てたい姿、あるいは中学生らしい育てたい姿ということを少しイメージして表現を工夫していくというのも一つの方法なのかと思いながら聞かせていただきました。
【羽入主査】  ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
青木先生、どうぞ。
【青木委員】  学習評価のところでちょっとお話させていただくと、評価についても三つの柱に沿った評価ということになってくるかと思います。それを考えたときに、高校で観点別学習状況、これをどういう具合に評価していくのか、今現在それが指導要録ではなされていないとなってくると、縦横のつながりを考えたときに、高校での評価の仕方もやはりきちんと議論されなければいけないかと思います。
【羽入主査】  ありがとうございます。
まだこの種の議論、さらに進めていきたいと思いますけれども、時間でございますので、簡単にまとめさせていただきますと、今回の御議論はいずれにしましても総則の中で教科を超え、そして学校種を超え、発達段階を貫くようなそういう姿を示したいということが一つあり、それからもう一つは、根津先生がおっしゃっていましたけれども、やはり前回もこれは読んでほしい、伝えたい指導要領の総則でありたいということが私どもの合意事項であったように思います。もちろん、合意はいつでも変更して構わないと思いますが、そういう方向で話をしてきたかと思います。こういった全体の雰囲気をできるだけそれぞれのところに少しお話をしていただけると大変ありがたいと思います。そうしますと、恐らくそれぞれのお立場でまた全体の構造をどういうふうにイメージするかということもでき上がってくるのではないかと思いますので、それを抽象的ではありますが、事務局にお願いしたいと思います。
きょうの話は、総則の構造をどう考えるかということで、中間的目標というキーワードが出ていました。これはどういう表現を使うにしても、やはりそれぞれの教育現場で具体化できるような説明が必要ではないか、あるいはそういう発信をしたいということの意思表示のように思います。そのときに特徴的なのは、やはりこれまでの縦の姿だけではなくて、横を示すことができるような、つまり縦横の関係を考えていきたい。それはいろいろな形であろうかと思いますけれども、縦の場合には恐らく発達段階に応じた目標なりあるいはコンテンツなりが出てくるだろうと。それから、横の場合には、何々教育という形で、あるいは現在の課題、あるいは将来を見通しての課題というものを考えた上で、それぞれの教科で何ができるかということを示せると良いのではないかという御発言だったと思います。
そのときに、奈須先生がおっしゃいました親学問というのが興味深かったんですが、それぞれの専門の先生方は自分の専門の分野を考えているけれども、小・中・高等学校の教育の中で、それはどのようにして生かせるのかということを考えることが必要だと。これは専門の先生がどうであろうと教育の場に身を置く者が自分の教えていることと社会の課題とどう関係するかということを常に意識する必要があるという御発言ではなかったかと思います。それが恐らく今回の指導要領の基本的な考え方であった、社会に開かれた教育課程という形で具体化――あるいは逆かに、一貫性ができていくと良いのではないかと考えました。
それから、書き方については、先ほど御発言がございましたように、やはり読んでわかるもの、そういう日本語にするのが良いのではないかと思います。英語の話もございましたが、日本語として質の高いものであることが重要ではないかと個人的には思っております。そういったことも注意したいということを、是非それぞれの分野の方にお伝えいただければと思います。
それから、先ほど天笠先生の方から書き方についての具体的提案がございましたけれども、ここで第1、第2、第3、第4と書かれているところ、そこにどのような形でこれまでの取りまとめが反映できるかということを少し検討してみていただければ大変ありがたく思います。
評価のことについて御議論いただきましたときに、コンテンツかあるいは資質・能力かということがございましたが、そこでもやはり両立する方法を考えるべきではないかというお話がございました。そういう意味で、今回の私どもの基本的なスタンスは、教科をそれぞれ独立させるというわけではなく、あるいは評価においてもそのコンテンツとコンピテンシーを相反するもの、というふうに考えるのではなく、やはり統一的な、あるいは全体的な形で教育の在り方を示す、というのが委員の皆様の共通の御意向であったように思いました。そのような大きな目標と、それから具体的な書き方や構成の仕方などについても様々なレベルでの御意見を伺えたのではないかと思います。
雑駁なまとめでございますけれども、ひとまずそのような御意見だったかと思います。
先ほど、最初に申し上げましたように、また今後委員の先生方、いろいろとお考えもあろうかと思いますので、是非事務局の方にメールなどで御提案いただければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
本日の議論はここまででよろしいでしょうか。
【天笠主査代理】  ちょっとよろしいですか、一つ。
今、主査が言われた最後の言葉というのは、私は非常に大切だなと思って聞かせていただきました。それはできるだけ統一的・全体的な形で教育の在り方を示すという、それがこの総則部会の一つ目指すところだというのは私も大変……。そういうことはどういうことかというと、どうしても各教科ごとに、あるいは各学校種ごとにやっぱりそれぞれのものがあるわけで、独自性があるわけですので、それぞれの立場になれば、そこのところがやっぱり目指す方向になっていく可能性があると思います。そういうベクトルに対して、総則部会というのはバランスを取るという役割を果たさなければいけないのではないかと。ですから、そういう意味で言うと、学校種を超えて、教科を超えて、できるだけ共通したものとしてこれを作り出すということがやっぱりその大きな、もちろんこれもまた議論がきっとあるかと思いますけれども、今の主査の話を聞きまして、そういうふうに受け止めさせていただきました。
【羽入主査】  ありがとうございます。今の天笠先生のお話を伺って、できればそれぞれの検討の際に、総則部会は全体を考えていると、全体の中でそれぞれの位置付けも発信していただけると私どももそれを生かしたいと考えていることをお伝えいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、よろしゅうございますでしょうか。
大変御議論を活発にしていただきまして、誠にありがとうございました。
それでは、本日の予定された議題はこれまでとさせていただきますが、最後に次回以降の予定について、事務局からお願いいたします。
【大杉教育課程企画室長】  ありがとうございます。
本日の御議論、しっかり各ワーキングにつなげさせていただきます。また、このメンバーの先生方の中にも各ワーキングの主査の先生方がおられますので、そういった先生方には引き続き御指導いただきたいと思います。そしてまた次回、各ワーキングの状況をまたこの場で御紹介させていただきたいと思います。
次回は12月22日火曜日、10時から12時の予定でございます。場所はまた追って御連絡申し上げます。
また、お話ございましたように、事務局の方にペーパー、メール、ファックス、郵送、形式は問いませんので、御意見等がございましたら是非お寄せください。よろしくお願いいたします。
【羽入主査】  ありがとうございました。
それでは、本日の総則・評価特別部会をこれで終了いたします。どうも御意見ありがとうございました。

―― 了 ――

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