プロセス・スキルズを精選・統合して開発した「探究の技能」(小林辰至委員提出資料)

表1 Science-A Process Approach commentary for teachers(SAPA)に掲載されているプロセス・スキルズを精選・統合して開発した「探究の技能」

1 事象を理解・把握するために観察する技能
1-1 五感を通して得た事象のようすや性質等を記録する。
1-2 数値を用いて観察したことを記録する。
1-3 観察した事象の変化のようすや変化の特徴を記録する。
1-4 立体や平面の図を使用して観察した事象を記録する。
1-5 事物の構造や位置関係の特徴を記録する。
1-6 事象を空間的に捉え平面的に記録する。

2 分類の基準に基づいて分類する技能
2-1分類する観点・基準(操作的定義なども含む)に基づいて識別する。
2-2 分類する基準をもとに事象を階層的に比較したり識別したりする。

3 観察・実験のための仮説を立てる技能
3-1 観察した事象から生じた疑問や問題を特定する。
3-2 予想や仮説を立てる。
3-3 仮説を立てた根拠を示す。
3-4 予想や仮説を確かめる実験の計画を立てる。
3-5 実験において独立変数を変化させると従属変数がどのように変化していくかについて予想する。
3-6 観察・実験の結果の考察に基づいて,予想や仮説の支持・不支持を明らかにして,必要に応じて予想や仮説を修正する。

4 観察・実験で変数を制御する技能
4-1 事象の変化に影響を及ぼす可能性のある独立変数や従属変数を明確にする。
4-2 実験において変化させる独立変数と一定に保つ独立変数を設定する。
4-3 観察・実験の目的に応じて従属変数等を適切な言葉で操作的に定義する。

5 観察・実験で測定する技能
5-1 測定の目的に応じて適切な計測器を使用する。
5-2 最小目盛りに着目して正確に数値を読み取る。
5-3 測定値から目的に応じて物理量を計算で求める。
5-4 長さ,面積,体積,質量などの量を見積もったり,測定器具の秤量・感量及び測定誤差を考慮して意味のある測定値(有効数字)を示したりする。
5-5 相対的な位置や物の大きさをスケールを示して図示する。

6 データを解釈する技能
6-1 表やグラフから縦軸と横軸を関係付けて読み取る。
6-2 測定値の分布,平均値,度数分布等から事象の変化の特徴を読み取る。
6-3 グラフから読み取った事象の変化の傾向に基づき今後の変化を予測する。
6-4 観察した事柄や実験結果についてモデルを使って考察する。
6-5 観察・実験結果について観点を決めて表にまとめる。
6-6 測定結果等をグラフで示す。

7 要因の抽出や観察・実験結果について推論する技能
7-1 事象の変化に及ぼす要因を経験・直観等からアブダクション的推論によって推測し,結果を予測する。
7-2 観察の結果や測定結果を帰納的に思考して規則性や共通性を導く。
7-3 原理や法則,規則性を前提として事象について演繹的に思考して結論を導く。

表2 「探究の技能」から独立させて設定した「伝達の技能」

観察・実験の結果を人に伝える伝達の技能
(1)事象を特定できるように,その特徴を説明する。
(2)事象の変化を説明する。
(3)相対的な位置や物の大きさをスケールを示した図を用いて説明する。
(4)観察・実験結果について観点を決めてまとめた表を用いて説明する。
(5)測定結果の傾向等をグラフを用いて説明する。
(6)事象やその変化,考察の結果などを説明するためにモデルを用いて説明する。

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