教育課程企画特別部会論点整理(理科に関する抜粋)

中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会教育課程企画特別部会 論点整理(平成27年8月26日) <抜粋>

2.新しい学習指導要領等が目指す姿

(3)育成すべき資質・能力と、学習指導要領等の構造化の方向性について
1.学習指導要領等の構造化の在り方
(教科等の本質的意義)
○ 育成すべき資質・能力と学習指導要領等との構造を整理するには、学習指導要領を構成する各教科等をなぜ学ぶのか、それを通じてどういった力が身に付くのかという、教科等の本質的な意義に立ち返って検討する必要がある。
○ 教科等における学習は、知識・技能のみならず、それぞれの体系に応じた思考力・判断力・表現力等や情意・態度等を、それぞれの教科等の文脈に応じて育む役割を有している。
○ 例えば、思考力は、国語や外国語において様々な資料から必要な情報を整理して自分の考えをまとめる過程や、社会科において社会的な事象から見いだした課題や多様な考え方を多面的・多角的に考察して自分の考えをまとめていく過程、数学において事象を数学的に捉えて問題を設定し、解決の構想を立てて考察していく過程、理科において自然の事象を目的意識を持って観察・実験し、科学的に探究する過程、音楽や美術において自分の意図や発想に基づき表現を工夫していく過程、保健体育において自己や仲間の運動課題や健康課題に気付き、その解決策を考える過程、技術・家庭科において生活の課題を見いだし、最適な解決策を追究する過程、道徳において人間としての生き方についての考えを深める過程などを通じて育まれていく 。これらの思考力を基盤に判断力や表現力等も同様に、各教科等の中でその内容に応じ育まれる。 

5.各学校段階、各教科等における改訂の具体的な方向性

(1)各学校段階の教育課程の基本的な枠組みと、学校段階間の接続
1.高等学校
○ このため、必履修科目に関する見直しと併せて、選択科目や専門教科・科目についてもそれぞれ現状の課題を踏まえた改善を図る。特に理数教育については、スーパーサイエンスハイスクールにおける取組事例なども参考にしつつ、(2)④及び⑤に示すとおり、数学と理科の知識や技能を総合的に活用して主体的な探究活動を行う選択科目を新設することなどが考えられる
(2)各教科・科目等の内容の見直し
4.算数、数学
(略)
5.理科
○ 理科においては、発達の段階に応じて、知的好奇心や探究心を持って自然に親しみ、目的意識を持った観察・実験を行うことにより、科学的に調べる能力や態度を育てるとともに、科学的な見方や考え方を養うこと等に重点を置いて、小・中・高等学校の系統性にも留意し、現行の学習指導要領に改訂され、その充実が図られてきているところである。
○ 一方で、理科の勉強が楽しいと答える中学生及び高校生の割合が国際的に見ても低い傾向があるなど、学習する楽しさや学習する意義の実感等については、更なる充実が求められるところであり、日進月歩で発展する科学技術と自然の事物・現象との関係を実感する機会を持たせることにより、理科好きの子供たちの裾野を拡大していけるよう、小・中・高等学校教育全体を通じて改善していくことが一層求められる
○ さらに、地球温暖化やエネルギー資源等の地球規模の課題に対して、科学技術・学術研究の先進国として世界をリードしていくことを目指すことが求められるところである。次期改訂に向けては、幼児期に育まれた自然との関わり等の基礎や、生活科をはじめとする小学校低学年における学習を通じて身に付けた資質・能力の上に、小・中・高等学校教育を通じて育成すべき資質・能力を、三つの柱に沿って明確化し、各学校段階を通じて、実社会との関わりを意識した探究的な活動の充実等を図っていくことが求められる
○ 加えて、高等学校教育においては、上記④に示したように、スーパーサイエンスハイスクールにおける取組等を踏まえつつ、生徒の興味や進路に応じて、数理横断的なテーマに徹底的に向き合い考え抜く力を育成するため、大学入学者選抜の改革や「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」に向けた動きも踏まえつつ、数学と理科の知識や技能を総合的に活用して主体的な探究活動を行う新たな選択科目「数理探究(仮称)」 の設置を検討することが求められる

 

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