資料2 教育課程部会幼児教育部会(第6回)における検討事項


 教育課程部会幼児教育部会(第6回)における検討事項


【1.幼児期における特別支援教育の在り方について】
(資料3参照)

○ 一人一人の子供の状況や発達の段階に応じた教育を行うという観点においては、幼児教育と特別支援教育は親和性を有していると言われている。幼稚園、小学校、中学校、高等学校等における特別支援教育については、「教育課程企画特別部会 論点整理」において、「全ての学校や学級に、発達障害を含めた障害のある子供たちが在籍する可能性があることを前提として、一人一人の子供の状況や発達の段階に応じた十分な学びを確保し、障害のある子供たちの自立や社会参画に向けた主体的な取組を支援するという視点が重要である。」と提言されているところである。

○ 論点整理を踏まえ、特別支援教育部会においては、以下の事項を中心に、検討を行った。
(1)各教科等の目標を実現する上で考えられる困難さに配慮するために必要な支援の改善・充実。
(2)合理的配慮の提供も含めた、「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」の位置付け並びに作成・活用の方策についての明確化。
(3)特別支援教育コーディネーターを中心とした校内体制の確立等の観点等の明確化。
(4)共生社会の形成に向けた障害者理解の促進、交流及び共同学習の一層の充実。

○ 特別支援教育部会における議論(資料3参照)を踏まえ、幼児期における特別支援教育について特に配慮すべき事項としては、どのようなことがあるか。


【2.幼児期において育みたい資質・能力、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の明確化等について】

(幼児教育において育成すべき資質・能力の整理イメージについて:資料4参照)
○ 今までの幼児教育部会において、幼児期において育みたい資質・能力をどのように捉えるかについて議論を行った。部会における議論等も踏まえ、資料4のとおり三つの資質・能力の柱に基づく整理を行ったが、どのように考えるか。

(幼児教育における「見方や考え方」の整理イメージについて:資料5参照)
○ 総則・評価特別部会においては、育成すべき資質・能力の育成に当たっては、各教科の本質に根ざした「見方や考え方」が重要であるとされている。見方や考え方は、様々な事象等を捉える各教科等ならではの視点や、各教科等ならではの思考の枠組であると考えられる。

○ このような考えのもと、幼児教育の特質を踏まえ「見方や考え方」について資料5のとおり整理を行ったが、どのように考えるか。

(幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の再整理イメージについて:資料6参照)
○ 今までの幼児教育部会において、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿について議論を行った。2030年の社会と子供たちの未来を見据え、社会情勢や子供を取り巻く変化、「論点整理」や部会における議論等も踏まえ、資料6のとおり幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の再整理を行ったが、どのように考えるか。

(幼児教育と小学校教育の接続について:資料7参照)
○ 論点整理においては、「幼小、小中、中高の学びの連携・接続についても、学校段階ごとの特徴を踏まえつつ、前の学校段階での教育が次の段階で生かされるよう、学びの連続性が確保されることが重要である。」と提言されている。

○ また、総則・評価特別部会では、各教科の本質に根ざした「見方や考え方」が示され、幼児期では、生活全体を通じて総合的な指導を行う中で、ものの見方や考え方等が培われることとされている。

○ 幼児教育と小学校教育の接続を考えるに当たっては、幼児教育における学びを、生活科を中核としたスタートカリキュラムを通じて、各教科等の特質に応じた学びにつなげていく必要がある。

○ その場合、単に内容における接続ではなく、資質・能力でのつながり、更にはものの見方や考え方のつながりも考えていく必要があり、資料7のとおり整理できると考えるが、これらについてどのように捉え、構造化を図ることが考えられるか。

(アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、幼児教育における学びの過程(5歳児後半の時期)のイメージについて:資料8参照)
○ 今までの幼児教育部会において、アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、幼児教育における学びの過程について議論を行った。部会における議論等も踏まえ、資料8のとおり学びの過程の整理を行ったが、どのように考えるか。


【3.幼児教育にふさわしい評価の在り方について】

○ 現在の幼稚園教育における評価については、幼稚園教育要領第3章の「幼児の実態及び幼児を取り巻く状況の変化などに即して指導の過程についての反省や評価を適切に行い、常に指導計画の改善を図ること。」と規定されている。また、幼稚園幼児指導要録においては、他の幼児との比較や一定の基準に対する達成度についての評定によって捉えることはせずに、幼児の発達の実情から向上が著しいと思われるものについて、記入することが求められているところ。

○ 「教育課程企画特別部会 論点整理」において、「幼児期は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な時期であることを踏まえ、義務教育及びその後の教育の基礎となるものとして、幼児に育成すべき資質・能力を育む観点から、教育目標・内容と指導方法、評価の在り方を一体として検討する必要がある。」とし、「小学校の各教科等における教育の単純な前倒しにならないよう留意しつつ、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の明確化を図ることや、幼児教育にふさわしい評価の在り方を検討するなど、幼児教育の特性等に配慮しながらその内容の改善・充実が求められる。」と提言されている。

○ 本提言を踏まえ、幼児教育にふさわしい評価の検討に当たっては、以下の事項について検討してはどうか。
・幼児教育が学校教育であることを踏まえつつ、幼稚園教育要領等に示すねらい等に加えて、5歳児については、現在検討中である「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」も新たな手掛かりとして、幼児一人一人の良い点や可能性などを評価する、評価の在り方とその留意事項について
・ポートフォリオをはじめとする多面的な評価の在り方について
・子供の評価について保護者と共有するための工夫の在り方について
・幼児教育にふさわしい評価の方向性を踏まえた、幼稚園幼児指導要録の改善の在り方について
・幼児教育における幼児の学びを小学校の教員が指導上参考とできるような工夫の在り方について


【4.新しい幼稚園教育要領等の理念を実現するために必要な方策について】

1.教育課程編成の在り方(カリキュラム・マネジメント)の確立について
○ 各幼稚園等には、幼稚園教育要領等を受け止めつつ、幼児の姿や地域の実情等を踏まえて、各幼稚園等が設定する教育目標を実現するために、幼稚園教育要領等に基づきどのような教育課程を編成し、どのようにそれを実施・評価し改善していくのかという「カリキュラム・マネジメント」が求められるところである。

○ 「論点整理」に示された、「カリキュラム・マネジメント」の三つの側面を踏まえて、幼稚園等における「カリキュラム・マネジメント」について、改善すべき点はないか。

(参考)「論点整理」における「カリキュラム・マネジメント」の三つの側面
(三つの側面)
○ こうした「カリキュラム・マネジメント」については、これまで、教育課程の在り方を不断に見直すという下記②の側面から重視されてきているところであるが、「社会に開かれた教育課程」の実現を通じて子供たちに必要な資質・能力を育成するという新しい学習指導要領等の理念を踏まえ、これからの「カリキュラム・マネジメント」については、以下の三つの側面から捉えられる。
(1)各教科等の教育内容を相互の関係で捉え、学校の教育目標を踏まえた教科横断的な視点で、その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと。
(2)教育内容の質の向上に向けて、子供たちの姿や地域の現状等に関する調査や各種データ等に基づき、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連のPDCAサイクルを確立すること。
(3)教育内容と、教育活動に必要な人的・物的資源等を、地域等の外部の資源も含めて活用しながら効果的に組み合わせること。


2.幼稚園教育要領等の理念の実現に向けて必要な支援方策について

○ 新しい幼稚園教育要領等の理念を各幼稚園等において着実に実現するため、以下のような点について、どのような改善が必要か。
・幼児教育と小学校教育の接続の一層の強化の観点から必要な諸施策について
・幼児教育に係る教職員の資質・能力の向上の観点から必要な諸施策について
・幼児教育にふさわしい評価の方向性を踏まえ、その評価の質を向上する観点から必要な諸施策について
・各都道府県や各市町村における幼児教育の推進体制の充実の観点から必要な諸施策について
・その他、幼児教育の質の向上の観点から必要な諸施策について


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初等中等教育局幼児教育課