地域とともにある学校の在り方に関する作業部会(第12回)・学校地域協働部会(第11回)合同会議 議事録

1.日時

平成27年12月7日(月曜日)16時~18時

2.場所

文部科学省 3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 答申(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

加治佐委員、明石委員、天笠委員、松田委員、生重委員、貝ノ瀬委員、黒瀬委員、佐藤委員、竹原委員、藤田大輔委員、藤田裕之委員、山野委員、飯塚委員、井出委員、浦崎委員、熊谷委員、永山委員、牧野委員、松浦委員、若江委員

文部科学省

小松初等中等教育局長、河村生涯学習政策局長、藤原大臣官房審議官、徳田大臣官房審議官、岩本生涯学習総括官、塩崎参事官、里見政策課長、谷合社会教育課長、藤原学校運営支援企画官、渡辺地域・学校支援推進室長、枝家庭教育支援室長、助川民間教育事業振興室長

5.議事録

中央教育審議会
初等中等教育分科会「地域とともにある学校の在り方に関する作業部会(第12回)」
生涯学習分科会「学校地域協働部会(第11回)」
合同会議

平成27年12月7日

【加治佐主査】   
  それでは、時間になりましたので、ただいまから初等中等教育分科会「地域とともにある学校の在り方に関する作業部会」と中央教育審議会生涯学習分科会「学校地域協働部会」の合同会議を開会いたします。本日は、大変お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
  合同会議は今回で5回目の開催となりますが、今回は便宜的に私が議事進行を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  去る11月13日の前回の合同会議において、パブリックコメントにおける意見等を踏まえて修正した答申(案)について審議を行いました。本日は前回の合同会議における意見、その後の初等中等教育分科会及び中央教育審議会総会における意見等を踏まえ、更に修正した答申(案)について御議論いただきます。今回で両部会として取りまとめを行った上で、今後、両分科会、初等中等教育分科会と生涯学習分科会、さらには総会で審議し、御了承を頂くという流れとしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  それでは、議事に入る前に配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。

【廣田参事官補佐】   
  失礼いたします。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
  お手元の束になっております配付資料ですが、議事次第に基づきまして、資料1から参考資料5まで準備をさせていただいております。御確認ください。また、それとは別に、机上に前回の答申(案)からの変更点を赤字見え消しで修正したものについては、委員の皆様に机上配付させていただいております。
  以上です。

【加治佐主査】   
  それでは、本日の議事に入ります。まず、事務局より答申(案)の内容について御説明いただき、その後、章ごとに時間をある程度区切って御議論を頂きたいと思います。それでは、事務局より、前回の合同部会からの修正点を中心に御説明をお願いいたします。

【廣田参事官補佐】   
  失礼いたします。事務局から御説明をさせていただきます。
  前回の11月の会議におきまして、全体にわたり皆様から御意見を頂いております。そちらの修正の反映に加えて、中教審の総会及び初中分科会において議論をしておりますので、その意見を反映させていただいております。お手元の参考資料1が、第103回中教審総会における主な意見となります。答申(案)全体について申し上げると、地域の発展・成長ビジョンのようなものを各自治体が作成し、それに沿っていい地域づくりをしていき、その中に子供や若者が加わっていくイメージを描けばいいのではないかというような御意見ですとか、あるいは、家庭の教育力を高めていくことが重要だと。学校、家庭、地域の三者の関係を意識してほしいというような御意見、ほか、多数御意見を頂いております。
  2ページ、第3章の関連でございますが、女性が働きやすくなるような、地域の人が応援するという視点も大事ではないかということ、地方創生の観点をもう少し具体的に記述してほしいというようなことなども御意見としてございました。
  参考資料2、第102回初中分科会における主な意見というのをお配りさせていただいております。第2章に関しての御意見で、教育長、首長のリーダーシップが重要であるというようなことの御意見ですとか、第3章関連ということで、地域学校協働本部への発展の方向性自体望ましいということ、地域間の格差が広がるのでないかという懸念に対してしっかりと支援策を講じてほしいということなどの御意見を頂いております。
  参考資料3が、前回、この学校地域協働部会10回目と、地域とともにある学校の在り方に関する作業部会第11回の合同会議における主な意見ですが、こちらについても、これから御説明の中で触れさせていただきたいと思っております。
  お手元の資料1を御用意ください。全体にわたりまして、軽微な文言の統一、修正ですとか、あるいは文言の圧縮などを図っている関係で、お手元の机上配付で配らせていただいた赤字見え消しの資料では、全体にわたって修正が加わっておりますけれども、これから私の方から御説明しますのは、資料1に基づきまして、前回からの変更点の大きな部分についてです。すなわち、詳細な部分、軽微な部分については割愛をさせていただくということで御承知おきください。
  資料1、答申(案)をめくっていただきまして、「はじめに」がございます。前回からの変更点ですが、14行以降、最初に、この答申全体を流れている理念をしっかりお示しした上で、その理念を実現するために第1章、第2章、第3章、第4章でどのような観点を踏まえて議論を進めてきたかということを書かせていただいております。14行目からですが、本答申(案)全体を流れている理念は、未来を創り出す子供たちの成長のために、学校のみならず、地域住民や保護者等も含め、国民一人一人が教育の当事者となり、社会総掛かりでの教育の実現を図るということであり、そのことを通じ、新たな地域社会を創り出し、生涯学習社会の実現を果たしていくということであると。この部分、後段の、新たな地域社会を創り出していくという視点、及び生涯学習社会の実現を果たしていく、いずれも前回の会議において御指摘を頂いた点を踏まえた修正でございます。
  以降、この理念を実現するべく、第1章の部分では、学校と地域のパートナーとしての連携協働関係への発展の部分を強調させていただきました。
  第2章においては、地域とともにある学校に転換していくための持続可能な仕組みとして、コミュニティ・スクールの制度的な見直し等を提言したということの観点を書かせていただいております。
  そして、第3章、持続可能な地域社会を構築する観点から、社会教育の体制として地域学校協働本部の整備を提言しているという部分。前回の御指摘の中でも、第4章で社会教育の体制というところが突然出てくるような印象があると。最初にしっかりと示した方がいいという御意見も踏まえた修正でございます。
  そして最後に第4章ということで、相互に高め合う存在として連携・協働していく必要性を追記させていただいております。
  続きまして、第1章、3ページでございます。20行目から、家庭教育が困難な現状等とありますけれども、前回、この合同部会での御意見の中でも、家庭教育という視点をもう少ししっかりと示していく必要があると。同様な御意見が総会でもございました。21行目からでございますが、「家庭教育は全ての教育の出発点であり」以降、この3行を追加しましたのと、「しかしながら、昨今の家庭を巡る」ということで、そことの接続を図っております。
  以降、学校、家庭、地域という三者の連携・協働という部分を強調させていただいた形で全体を通じて追記をさせていただいておりますが、その部分については説明を割愛させていただきます。
  もう1枚めくっていただきまして5ページ目です。学習指導要領の改訂についての記述がある中で、12行目以降ですけれども、社会に開かれた教育課程そのものの説明文が注釈の方に落とされておりました。この部分、非常に重要な観点ですので、本文中に格上げをさせていただき、22行目以降の3行を、この合同部会、中教審としてのスタンスという形で追記をさせていただいております。このような状況を踏まえ、今後、学校は社会に開かれた教育課程の実現に向けて、地域との連携・協働を一層進めていくとともに、地域においても子供たちの成長を支える活動により、より主体的に参画していくことが求められるということで追記をさせていただいた次第です。
  続きまして、8ページ、地域住民の主体的な意識への転換の観点が20行目以降にあります。26行目からですけれども、「また」以下を追記させていただいております。「今後は、子供たちを社会の主体的な一員として受け入れ、子供も大人も含め、より多くの、より幅広い層の地域住民が参画し、地域課題や地域の将来の姿等について議論を重ね、住民の意思を形成し、様々な実践へとつなげていくことが重要である」という部分を追記しております。
  また、あわせて、次の「地域における社会的な教育基盤の構築の観点」の中で、35行目から、「社会教育の体制を整備し、強化していく必要がある」ということを追記させていただいております。
  続きまして、9ページからですが、「社会全体で、子供を守り、支える観点」というところを、「社会全体で、子供たちを守り、安心して子育てできる環境を整備する観点」ということで追記をしております。総会での御指摘の中で、このような観点をしっかりと入れるべきだという御意見があったことに伴うものです。
  2行目から3行目にかけて、「子供たちの安全・安心の確保」以降ですが、「非行防止、健全育成という観点からも」ということを追記させていただいております。
  9行目からの3行ですが、「幅広い分野における女性の活躍を促進していくため、学校と地域との連携・協働により、社会全体として子供の教育を支えていくことにより、安心して子育てできる環境を整備し、育児と仕事が両立する社会を実現していく」と、この観点も追記をさせていただきました。
  9ページの下ほどから第2節、二つ目の丸、「学校、家庭及び地域が相互に協力し」ということの加筆、「子供も大人も」の後ですけれども、「学び合い育ち合う」ということの「学び合う」という言葉を書かせていただいております。前回の会議におきまして、学びを通じた社会を作っていくという視点が重要だという御指摘を踏まえて、タイトルにも加筆するという形をとっております。
  9ページの下、まず1のところ、「これからの学校と地域の連携・協働の姿」というところを「これからの学校と地域の目指すべき連携・協働の姿」という形でタイトルを修正させていただいております。
  (1)の「地域とともにある学校への転換」の中で、ビジョンという言葉が出てまいりますが、一番下の行ですが、どのようなビジョンなのかということの中身を追記した方がよいという御指摘を頂いておりますので、「地域でどのような子供を育てるのか、何を実現していくのかという目標やビジョンを」ということで追記をさせていただきました。
  10ページ(2)、先ほど申し上げたように、このタイトルにも「学び合う」という言葉を加えさせていただいております。34行目以降、「地域における学校との協働活動に参画する住民一人一人が学び合う場をもち、子供の教育や地域の課題解決に関して共に学び続けていくことは、生涯学習社会の実現のためにも重要である」ということ、前回の合同部会における御指摘も踏まえて加筆をさせていただきました。
  11ページ、(3)「学校を核とした地域づくりの推進」というところ、11行目からの4行を追加させていただいております。「また、地域住民が学校を核とした連携・協働の取組に参画することは」ということで、高齢者も含めた住民一人一人の活躍の場を創出するということ、そして、最終的に地域に若い世代を呼び込み、地方創生の実現につながるということ、前回の総会における御指摘も踏まえて追加をさせていただいております。
  更に24行目、前回、公民館に関する議論がありました。公民館だけではなく、学校という場を地域の人々が集い、学び合う場としていくという観点をまずしっかりお示しする必要があるというような御指摘も頂いておりまして、学校という場をそういう場にしていくだけではなく、このような拠点がということで、それに加えて公民館というような書きぶりを追記させていただきました。
  12ページ目の3、「学校と地域の連携・協働を推進するための体制整備」でございますが、20行目以降、その5行を追加させていただいております。3章にあった部分ですが、1章にスライドした方がよいのではないかという御指摘を踏まえ、結果として3章にも同様の記載がある状況ですが、「今後、全国どの地域においても、子供たちが地域の協力を得て成長していくことができるよう」ということで、その体制を築いていく必要性を追記させていただいております。
  続いて13ページ以降が第2章で、前回御指摘の中で、読み手を意識して、圧縮できるところは圧縮を、注釈に回せるところは注釈にというようなことの御指摘を頂いておりますので、13ページ以降ですが、データに関連する部分については、およそ注釈の方に回させていただいております。14ページの12という注釈以降、全体が下に移動しておりますが、本文にあったものを注釈に書かせていただいております。
  以降、同様な整理をさせていただいておりますが、御紹介は割愛させていただきます。
  そして、19ページ以降がこれからの学校運営協議会の機能として、学校支援の総合的な企画・立案、そして連携・協力の促進の観点が重要だという部分の項目です。20ページの1行目から3行目にかけて、「また、このような役割を学校運営協議会が果たす上では、第3章で示す統括コーディネーターや地域コーディネーター等を委員として位置付けていくことが求められる」と書いてあります。
  第3章及び第4章においても地域学校協働本部との接続、連携・協働という観点で書き込んでありましたが、この(2)、学校支援という部分で連携・協力を促進していくということを考えるならば、この学校運営協議会の委員の構成として、統括コーディネーターあるいは地域コーディネーターといった、地域連携を推進する者を明確に地教行法に位置付けてはどうかというようなことも考えていくべきだと思っておりまして、制度改正の関連の第2章のこの部分にもこの加筆が必要ではないかと事務局の方で判断をしております。
  続きまして、24ページ2行目以降、「〇〇型コミュニティ・スクールなど、学校運営協議会制度によらずに参画している取組についても」と書いてあります。つまり、コミュニティ・スクールへの過渡的な段階の姿としてここに書いてあるのですが、この取組の中身というのが、なかなか具体的な定義が示されていないので分かりにくいという御指摘を別途頂きまして、その観点、注釈26というのを追加させていただいております。26のところですが、地域の人々や保護者等が学校運営や教育活動について協議し意見を述べる会議体を設置している取組を指すというのがまず1点目です。続いて、教育委員会の規則あるいは学校が作成する要綱等により設置されている協議会ということで、こういった要綱等が示されているというのが二つ目の視点、そして、校長の求めに応じた意見聴取にとどまらず、主体的に学校運営や教育活動について協議をする会議体、これが3点目の視点でございます。こういったものについては、丸々型コミュニティ・スクールなど、類似の仕組みというような形で、過渡的な段階の姿と捉えて推進していくということが考えられるということで、その具体的な定義というのをそこに追記させていただきました。
  続きまして、コミュニティ・スクールの推進方策が書かれております。その中の(2)学校の組織としてのマネジメントの強化ということが33ページ以降書かれておりますが、34ページ、地域連携を担当する教職員の明確化等、教職員体制の整備というところがあります。この点について、前回の部会での御指摘等があり、修正をさせていただいております。
  まず、34ページの一番下の行、「この際、社会教育主事有資格者の活用を図ることも検討するとともに」の後、「授業時数や校務分掌等での負担軽減を含めた学校全体の業務の最適化や」、その後ですが、「教職員体制の整備充実を図ることなどを通じ、当該職員が地域との連携に力を発揮できる環境の確保を図ることも検討する」ということで、前回、ややもすれば負担軽減だけで捻出するというようなことかという御指摘がありましたので、教職員体制の整備充実を図っていくということも加筆させていただいております。
  36ページからですけれども、総会での御指摘で、外国人の児童・生徒の保護者の参画ということについても御指摘を頂きました。20行目以降ですけれども、多言語・多文化社会の理解に資する観点からということで、この視点を追加させていただいております。
  最後になりますが、都道府県・市町村の役割と推進方策の中に、41ページ下から4行目、「地域連携を担当する教職員の明確化」の後に「社会教育主事有資格者や事務職員の積極的な活用」ということで、教員だけではなくて事務職員にも積極的に生かしていく必要があるという御指摘も前回頂いておりますので、この視点を加えております。同じ記述が、次の43ページ下から5行目、「地域連携を担当する教職員の明確化」の後、括弧書きで追加をさせていただいております。
  2章までの大きな変更点については以上です。

【渡辺地域・学校支援推進室長】
  続きまして、第3章、第4章及び「おわりに」について説明させていただきます。
  前回の部会、中央教育審議会の総会、初等中等教育分科会での御意見を踏まえて修正した部分、さらに、全体をスリム化するという観点から文言の重複なども含めて整理させていただいております。
  まず、44ページ、ポイントの枠の中の二つ目の四角でございますが、この中で、「地域の教育力の向上」とさせていただいております。これは前回、「地域の教育力の再生」とあったところでございますが、今回の答申(案)で言う地域の教育力というものは新しいものであるため、再生はなじまないという御意見を頂き、修正させていただきます。
  続きまして、同じページの20行目から22行目、これは、地域と学校の連携・協働を進めていく際には、子供自身も当事者となるということ、さらに、子供も大人も育ち合っていくという視点が重要であるという意見を踏まえて、この3行「子供たちを社会の主体的な一員として受け入れ、子供も大人も、より多くの、より幅広い層の地域の構成員が参画し」という表現に修正させていただいております。
  続きまして、45ページから46ページにかけてでございます。第2節の1の(1)これまでの地域における学校との連携・協働の経緯等におきまして、第2章と同じように、全体をスリム化するという観点で、注釈に落とせる部分を注釈に落として、本文の20行目から、次のページの22行目までは本文をスリム化するという形で修正させていただいております。
  (2)地域における学校との連携・協働の現状に関しましては、このページの26行目の、学校支援地域本部の数、それから47ページ目の2行目の放課後子供教室の数、それから土曜日の教育支援活動の実施校につきまして、これまで暫定値で記載させていただいたものを、最新値が出ましたので、変更させていただいております。
  続きまして、50ページの20行目から21行目にかけて、これは地域学校協働本部(仮称)においても、単に活動のみを行うというものではなくて、話合いが必要ではないか、重要ではないかという御意見を踏まえまして、「地域でどのような子供を育てていくのか、どのような地域をつくっていくのかという目標・ビジョンについて熟議を行いながら」という表現を記載させていただいております。
  それから51ページでございます。家庭教育支援の重要性を強調してほしいという御意見がありましたので、18行目のところで「家庭教育支援の取組」という例も記載させていただいております。
  それから、52ページ目でございます。6行目から9行目にかけまして、前回の部会の中で、地域によっては学校支援地域本部等が設置されておらず、これから体制を構築していくという地域もあり、活動の立ち上げについて説明すべきではないかという御意見を頂きました。6行目にございますように、「これまでに学校支援地域本部や放課後子供教室等の活動が行われていない地域においては、まずは最初の一歩として、地域と学校が連携・協働して学校支援活動、放課後の教育活動や地域活動等のいずれかを実施するベースづくりを加速し、地域学校協働活動を開始していくことが重要である」と記載しております。
  続きまして、10行目から18行目、コミュニティ・スクールとの関係を追加して記載させていただいております。これは第3章におきましても、地域学校協働本部(仮称)がコミュニティ・スクールに与える効果などについて記載した方がいいのではないかという御意見を踏まえまして、特に14行目から、「地域学校協働本部(仮称)のパートナーとなる学校がコミュニティ・スクールではない場合には、地域学校協働本部(仮称)による地域学校協働活動の実施を通じて、その活動が学校や子供たちに評価され、教職員と地域住民等との信頼関係が醸成されていく中で、コミュニティ・スクールの導入につながっていくといった効果も期待される」といった表現を追記しております。
  53ページ目を御覧いただけますでしょうか。地域学校協働本部(仮称)の有する可能性と留意点の中の4行目から7行目におきまして、やはり地域学校協働本部(仮称)の活動の中で家庭教育の支援や、それを通じて家庭も元気になっていくというニュアンスをもっと出してほしいという御意見を頂いており、「家庭教育支援の活動や機能が組み込まれることにより、大きな助けとなる」という表現、さらに、次の行のところで、地域住民の参画によって、子供たちの健全育成や非行防止にもつながるという意見を踏まえた方がいいのではないかということで、「子供たちの非行防止、健全な育成の観点からも、放課後等の安全で健やかな居場所をつくり、地域住民等が子供たちの成長を見守っていくことが重要である」という表現を記載しております。
  同じページの29行目から32行目におきまして、高校が地域活動に積極的に関わるという意義は非常に大きいという御意見を踏まえまして、高等学校に係る地域学校協働活動を推進していくことの意義を記載しております。
  54ページの19行目から23行目でございます。こちらは社会教育委員に関する記載でございます。これは前回までは統括的なコーディネーターとの連携という項の中で書いておりましたが、社会教育委員につきましては、そもそもその役割が社会教育に関する諸計画の企画・立案であるとか、職務に必要な調査研究を行う等の職務が本来の役割であるという趣旨を踏まえた表現とした方がよいのではないかということで、「教育委員会において、地域学校協働活動の推進に関する方針を検討する際には、社会教育委員に意見を求めたり、調査研究を依頼するなど、地域学校協働活動の推進に関し識見を有する者の協力を得て検討を進めていくことも有効である」という表現にさせていただいております。
  続きまして、56ページ目でございます。地域コーディネーターとなる人材の育成・確保に関しまして、16行目におきまして、ボランティアから地域コーディネーターになるというケースも書いた方がよいのでないかという御意見を踏まえまして、「ボランティア経験者」を明示させていただいております。
  同じく、同じページの29行目、30行目にかけまして、コーディネーター研修は段階に応じて実施することが重要であるという御意見を頂いておりますので、「それぞれの経験段階等に応じた研修会」という表現を追記させていただいております。
  続きまして、57ページでございます。統括的なコーディネーターの必要性に関連いたしまして、まず、統括的なコーディネーターについて、誰がどうやって選ばれていくかということも示した方がよいのではないかという御意見を頂きまして、8行目から11行目までで「都道府県や市町村においては、それぞれの状況等を踏まえつつ、域内の地域学校協働活動の経験が豊富な地域コーディネーター等の中から、高い資質・能力を有する者を統括的なコーディネーターとして委嘱・配置していくことが重要な方策となり得る」という表現を加えさせていただいています。
  さらに、13行目から15行目にかけまして、前回、統括的なコーディネートの機能をNPO等の団体が担うこともあるのではないかという御意見を頂きまして、「NPO等の団体を活用して統括的なコーディネート機能を強化することも考えられる」とさせていただいております。
  続きまして、59ページでございます。4行目から8行目、こちらも中央教育審議会総会におきまして、地域において働く女性の仕事と育児の両立をサポートすることは重要ではないかという御意見を頂きましたので、地域において仕事と子育てが両立できる環境づくりのため、安心・安全な居場所を設けることも重要である。このことを通じて、地域全体で多くの子供を見守り、誰もが安心して子育てできる環境を整備することにつながるという表現を加えております。
  それから、60ページの29行目から33行目にかけまして、高校生と地方自治体やNPOとの連携が重要であるといった御意見を踏まえて、記載しております。
  61ページにおきまして、24行目で、家庭教育支援の充実や、その後に25行目で、安心して子育てできる環境の整備を図るということをこちらでも記載させていただいております。
  続きまして、65ページ目から66ページ目にかけまして、都道府県の役割と推進方策という項目の中で、第2章との体裁を合わせる観点から、66ページ、推進のための方策の中に具体的な方策を整理することとして、本文の表現を簡素化させていただいております。
  同じく66ページから67ページにおきまして、市町村の役割と推進方策という中で、67ページの推進のための方策に施策を記載させていただき、本文を簡素化するという整理をしております。
  続きまして、68ページ、第4章でございます。27行目から69ページの11行目までにかけまして、コミュニティ・スクール、それから地域学校協働本部(仮称)の整備状況等は、地域によって、発展状況によって違いがあるということを踏まえまして、例えばコミュニティ・スクールから地域学校協働本部(仮称)の設置に発展していくということ、地域学校協働本部(仮称)が設置されて、それがコミュニティ・スクールの設置に発展していくというケースも考えられるということを踏まえて、コミュニティ・スクールと地域学校協働本部(仮称)の必要性について記載すべきという趣旨を踏まえて、69ページ目の1行目から11行目、具体的には「それぞれの地域において、その実情に即してコミュニティ・スクールと地域学校協働本部(仮称)の両者が整備され、効果的な連携・協働を実現すべく、両輪となって学校と地域との連携・協働が推進されていくことを目指していくことが重要である」としております。
  さらに、その次の行で、「過渡的な状態にあっては、例えば、地域学校協働本部(仮称)のみが整備され、学校運営協議会が設置されていないケースや、その逆のケースがある。このような場合であっても、地域学校協働本部(仮称)における活動の実績によって学校と地域との信頼関係が構築され、学校運営協議会の設置につながる、また逆に、学校運営協議会への参画によって学校と地域との信頼関係が構築され、学校運営協議会に参画した地域住民や保護者等を軸に地域学校協働本部(仮称)の体制の充実につながるということも期待される」という表現を加えさせていただいています。
  最後に、70ページの10行目から12行目にかけまして、これは前回の部会、それから中央教育審議会総会の場でも御意見を頂いておりますけれども、今回の在り方を見直していく中で、学校における負担感を払拭してほしいということ、それから、教員の多忙化への配慮が必要であるという御意見を重ねていただいておりますので、第2章や第3章においても既に教育の負担感への配慮は記載させていただいておりますけれども、第4章におきまして、「学校現場において、教職員が子供と向き合う時間を確保するための配慮が必要であること等を十分に認識しつつ」ということをはっきり記載させていただいております。
  最後、71ページ目の「おわりに」につきまして、変更はありません。  以上でございます。

【廣田参事官補佐】   
  それでは、資料4についても追加で御説明させていただきたいと思います。
  前回の会議におきまして、あるいは総会の場でも、「チームとしての学校の在り方」の検討と、「学校と地域の連携・協働」の検討、それらがどのような関係にあるのかということについて御指摘を頂いております。これを便宜的に一つの図で表したのが資料4です。
  最初に、「チーム学校」の理念というのが一番上にありますが、「チーム学校」というのはそもそもどういうものかということなのですが、校長のリーダーシップの下で、学校の資源を一体的にマネジメントしていくと。「専門性を生かした形で子供たちに必要な力を身に付けさせることができる学校」と言われておりまして、まずは必要な教職員、あるいは専門能力スタッフについて確実に配置をしていくということ。そして、多様な専門人材が責任を持って学校に参画し、教員は、より教育指導や生徒指導に注力できるような体制を構築していこうと。そのためにも学校のマネジメントが組織的に行われる体制が必要だということです。すなわち、学校の教職員構造を転換していくということで、学校の組織力を強化していくために、どのような学校であるべきか、そのことを中心に議論がされてきました。そのことを表す言葉として、「チームとしての学校」という言葉が出来上がっております。
  ただ、この「チームとしての学校」の検討に当たっては、「チームとしての学校」と地域との連携強化していくことが必要だということが示されております。すなわち、学校の教員だけでは対応できない状況の中で、社会総掛かりで教育を実現していくということの必要性もこの答申の中には書かれております。ただ、「チームとしての学校」の範囲は、どのような範囲であるかということがこの答申の中に示されているのですが、それがこのA3全体の一番下に点線で囲ってある部分です。「チームとしての学校」の範囲ですが、「チームとしての学校」においては、専門能力スタッフ等の位置付けや役割分担を検討するに当たっては、学校は校長の監督の下、組織として責任ある教育を提供することが必要である。「チームとしての学校」に含まれる範囲は、少なくとも校務分掌上、職務内容や権限等を明確に位置付けることができるなど、校長の指揮監督の下、責任を持って教育活動に関わる者とするべきであるということが書かれております。
  これをこの図の中に示していきますと、左側、「チームとしての学校」というところで、オレンジで囲ってある部分がありますが、校長をトップとして、学校の組織体制ということをしっかりと強化をしていこうと。すなわち、校長、そして教諭という者だけではなくて、しっかりと校長を支える人材として副校長、教頭、あるいは事務長等がいて、そして教諭以外にも、例えばスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーですとか、特別支援教育支援員等、専門能力を持った方々がしっかりと学校の中に参画をしていくと。そして、一つのチームとして構成をしていこうというようなことが示されております。
  そして、その「チームとしての学校」と地域との連携をしっかりと強化をしていく上で、地域連携担当教職員(仮称)ですが、その法的な位置付けが必要であるということが、「チーム学校」の提言の中に示されております。そこと右側、地域社会における地域コーディネーターがしっかりと連携・協働していく中で、学校と地域の協働を進めていく必要があるということで、左側の「チームとしての学校」と、そして全体としての地域社会の中での協働を進めていくということが、この我々の答申と重ね合わせたときに示される概念であると考えております。
  上の方に、「学校と地域の連携・協働の理念」と書かれてありますが、学校と地域の「パートナーとしての連携・協働関係」に発展をしていくということと、併せ持つことによって、一番右側ですが、学校の教育力・組織力を向上させていく、社会総掛かりでの教育を実現していく、そして、子供を軸に人々が参画・協働する社会の創造を果たしていくということが実現に向かっているということを示しております。すなわち、学校と地域の連携・協働というところをもちろん進めていく一方で、しっかりと学校内部の組織を強化していくということが相まって進められなければ、全体としては進んでいかないということで、逆に、チームとしての学校だけを目指すのではなくて、しっかりと地域との連携・協働を進めていくことによって、社会総掛かりでの教育の実現を果たしていくということが不可欠であるということで、二つの答申が相まっていくことによって、これから目指すべき姿というのが実現に向かっていくのではないかと考えております。
  イメージということで、参考としてお示しさせていただきました。以上です。

【加治佐主査】   
  この資料4は、これは答申の中には入らないのですね。参考資料ということで。

【廣田参事官補佐】   
  参考資料という形でお示しさせていただいています。

【加治佐主査】   
  ありがとうございました。
  既にこれまでの御意見等は十分反映されているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。本日は、この答申(案)に対する修正点を中心に御審議を頂きたいと思います。今回は答申の取りまとめに向けた最後の部会となりますので、円滑な運営に御協力を頂ければと思います。
  それでは、早速ですが、ただいま御説明いただいた答申(案)について、章ごとに時間を区切って進めたいと思います。まず、「はじめに」と第1章「時代の変化に伴う学校と地域の在り方について」の修正点に関して御質問、御意見はございますか。本日は6時までで、皆さんにそれぞれ全体的な感想なりを言っていただく時間も設けておりますので、御協力をお願いしたいと思います。手短に御発言いただければと思います。いかがでしょうか。牧野委員、どうぞ。

【牧野委員】 
  随分、読みやすい答申(案)になりまして、事務局内部でかなり御議論されたのではないか、御苦労されたのではないかと思います。敬意を表したいと思います。
  その上で、第1章ですけれども、最初の導入のところですが、社会の動向というところで、少子高齢化、グローバル化等の進行がもたらす問題状況の記述がありますが、ここで、もう少し、例えば「はじめに」と「おわりに」で書かれている内容につながるような形で、もうお任せでは駄目だと、ある意味で自分たちが主体となって社会を創っていく、新しい社会を創らなければいけない、そのためにも子供を社会の正規の一員として受け入れながら、新しいコミュニティを創っていくのだというような表現といいますか、そうした内容をもう少し入れられないかと思っています。例えば最初のところですけれども、少子高齢化、グローバル化、更に人口減少が進む中で、資本が国境を移動してしまう。そのような社会では、従来のように潤沢な財政を背景にして、行政サービスで人々の生活や社会を創り、安定させていくことが難しくなってきている。そういうことも踏まえて、もう少し社会総掛かりで、自分たちが主体となって社会を創っていかなければいけない状況になっているのだということをどこかに少し加えていただけると、「はじめに」のところで述べられている、「新たな地域社会を創り出し」というところと、最後の「おわりに」のところで、誰かが助けてくれるのではなくて、自分たちが当事者にならなければいけないというところが、社会の問題としてつながっていくのではないかと思います。少し御検討いただければと思います。

【加治佐主査】   
  はい、どうしましょう。

【廣田参事官補佐】   
  2ページから3ページにかけて、まさに新しい地域コミュニティを作っていくんだという部分については、特に3ページ、地域コミュニティを創出する動きの広がりという中で、このような動きをしっかりと見据えながら、踏まえながら、新たな地域社会を作っていくという動きに発展していく必要があるということは、8行目以降書かせていただいていますが、背景としてデータ等も含めて整理が必要ということでありましたら、この部分については検討させていただければと思います。

【加治佐主査】   
  いかがでしょうか。佐藤委員、どうぞ。

【佐藤委員】   
  2回欠席しましたので新鮮なのですが、表現上の問題で、2ページ。今、御指摘のあった「社会の動向」の2段落目のところですが、これは、読むと、「グローバル化や情報化が進展する社会の中で、多様な主体が速いスピードで相互に影響し合い」、その後、「伝ぱし、先を見通すことが」、多分、これらはパラレルに並んでいますよね。だから、「影響し合い、波及し、見通すことが一層困難」と読める感じがあります。だから、「伝ぱしてきているために先を見通すこと」、多分、因果関係になるはずですよね。文章の構造の問題ですが。「影響し合い、伝ぱし、先を見通すことは困難」と読めてしまいます。

【廣田参事官補佐】   
  表現の適正化については、いま一度。

【加治佐主査】   
  そういうふうに読めてしまうということもあり得るということなので、また工夫を頂きましょう。
  いかがですか。
  それでは、続きまして、第2章です。こちらについてはいかがでしょうか。
  それでは、続きまして、第3章です。「地域の教育力の充実と、そのための地域における学校との協働体制の在り方について」、こちらについてはいかがですか。では、黒瀬委員、どうぞ。

【黒瀬委員】   
  資料4の「チーム学校」の図で、地域コーディネーターは学校と地域をつなぐ役割でもあるので、「チーム学校」の中に入るのではないかと理解しているのですが、いかがでしょうか。

【加治佐主査】   
  この一番下に、「中教審答申案より」という、2行ほどの文章がありますよね。これは「チームとしての学校」の作業部会で検討しているわけですけれども、だから、そういう意味でちょっと守備範囲じゃないということになるのですが、どうなんでしょうか。答えられる範囲で結構ですが、ここに書いてある、一番下の星印の2行の一番後ろのところから、「チームとしての学校」に含まれる範囲は、少なくともこの文章上、職務内容や権限等を明確に位置付けることができるなど、校長の指揮監督の下、責任を持って教育活動に関わる者とすべきであるということですよね。そうすると、具体的に、この図の中の「チームとしての学校」が、校長のところは、これは薄い紫、教諭等は薄いブルーみたいな色、で、黄色がありますよね。この黄色は入るのですか、入らないんですか。あるいは、今おっしゃったような、外にいる地域コーディネーターはどうなりますか。

【廣田参事官補佐】   
  今、この中教審の答申、この地域の連携・協働の答申の検討に当たっては、地域コーディネーターというのを地域学校協働本部(仮称)である社会教育の体制を整備するための中核的な存在として扱っているかと思います。社会教育の体制整備・充実していくための中核という方を、学校の組織の中に入れて扱っていいものかどうかというところについては議論があると思うのですが、少なからず、例えば、個別の学校の実態上、地域コーディネーターというのを実際の学校の教職員の一つとして、非常勤職員として、コーディネーターという方を委嘱していますという実態がもしかしたらあるかもしれませんが、それはそれとして、学校と地域のそれぞれの関係を見渡したときに、地域コーディネーターというのは社会教育体制の整備の中核として位置付けるということが、そういうふうに見せるということが必要なのではないかと感じております。

【加治佐主査】   
  井出委員、どうぞ。

【井出委員】   
  何をするかということとか、それから、どういう人がするかということはもちろん大事なことですが、「チームとしての学校」の範囲の中央教育審議会の答申の一番下に、校長の指揮監督の下って書いてあるでしょう。つまり、これは校長の指揮監督が及ぶ職制であるということだから、どんなに有能な人であろうと、それが身分としての立場を有していなかったら、指揮監督は及ばない。ですから、どういう職制の者かということを位置付ければ、この黄色い部分が、例えば非常勤職員として位置付ければ、これは指揮監督が及ぶし、単なるボランティアであれば、指揮監督は及ばない。その辺をはっきりしておかないと、何をやるか、優秀か優秀じゃないかとか、影響力があるかないかということで議論しても余り意味がないと思います。

【加治佐主査】   
  だから、そういうことを、この「チームとしての学校」の部会に言ってください。

【廣田参事官補佐】   
  分かりました。ありがとうございます。恐縮です。

【加治佐主査】   
  だから、そこをはっきりさせてくれないといけない。ただ、今の地域コーディネーターについては、先ほどの井出委員の意見でもそうですが、非常勤職員として、例えば、学校の中で位置付けられたことになると入ってくるけれども、このままだと入らない。社会教育関係の職員だということになりますね。
  あといかがでしょうか。どうぞ、山野委員。

【山野委員】   
  今の図のところで単純に質問ですが、よろしいですか。

【加治佐主査】   
  はい、どうぞ。

【山野委員】   
  この学校運営協議会というのが一番下になっていますが、学校運営の基本方針とかを承認したり検討したりするとなったら、単純に何も分からずに考えても、上に来るようなイメージを持ったのですが、それは違うのですか。学校という枠組みの中で、学校運営に関する議論があって、それから動いていくと捉えたのですが。

【廣田参事官補佐】   
  学校運営協議会は、教育委員会の下部組織として位置付けられるものです。そういう意味では、教育委員会と学校との関係において、そのような見え方というのもあるのかもしれないのですが、学校運営協議会は学校運営の最高意思決定機関ではありませんので、その意味において、上に立つというのも示すということが余りイメージとしてはよろしくないのかなというふうには思っておりまして、及び、今回の中教審の答申(案)においては、しっかりと校長を支えていこうと、応援していく存在として学校運営協議会を考えていこうということを議論しておりますので、そのような意味合いも含めて支える観点と示させていただいております。

【加治佐主査】   
  横ぐらいがいいのではないかという気もしますよね。これだと下ですよね、完全に。
  はい、どうぞ。

【塩崎参事官】   
  すみません、いろいろと御議論になっているのですが、これ、上下関係を示すという図ではございませんので、そこだけ勘違いをしないでいただきたいのですが、チームとしての学校と学校運営協議会というのがあって、それは点線で学校運営協議会が学校をきちんと見ていると。そういう中で「チーム学校」としての学校を支えるという意味合いで捉えていただければということで、左にあろうが右にあろうが関係は同じなので。

【加治佐主査】   
  ただ、下にあるとそういう受け取り方がされる可能性があるということはあるということですね。

【小松初等中等教育局長】   
  遅刻してまいりまして申し訳ありません。ちょっと一瞬入り遅れましたが、事態を理解いたしましたので。
  図はいろいろな解釈がなされますので、ただいま御指摘の点も大事な点かと思いますが、今、こちらから説明いたしました点もありますので、横も入りますでしょうし、あるいは上下で支えているという意味では、もっと横にも広くして、大きくして、がっちり支えている図にするとか、いろいろな工夫があり得るかと思いますので、御指摘いただいた点も踏まえて、作図の方はそういったような意味で工夫をさせていただきたいと思います。

【加治佐主査】   
  分かりました。
  第3章についていかがですか。山野委員、どうぞ。

【山野委員】   
  第3章の53ページのところですが、まず、家庭教育のことをたくさん入れていただいてありがとうございます。全体的にも非常に整理してくださってありがとうございます。
  総会の意見にもあったのですが、この53ページの上から3行目のところに家庭教育のことを足してくださっています。関係性としたら、家庭が助けられるという受け身な一方向ではなくて、地域の活動をすることによって家庭が元気になったり、学校教育と家庭教育と地域とがよい循環を生み出したりするようなことが重要で、第1章のところ、総会の指摘もありましたが、非常に困難な家庭が多くて、助けなければいけないという、そのようなニュアンスが強くなり過ぎていないかなと思いました。
  なので、家庭教育が大きな助けになるというだけではなく、地域の活動が家庭を助けたり、家庭がまた地域を助けたりという相互関係性があるような書き込みができないのかなと思いました。

【加治佐主査】   
  相互関係性の書き込みというのはほかにはありませんでしたか。どうでしょう。

【渡辺地域・学校支援推進室長】   
  先ほど、第1章などでも説明させていただきましたように、全体を通しまして家庭教育が教育の出発点であるということを第1章で書き込ませていただきます。また、学校と家庭、それから地域が教育を担っていくということを第1章に書き込ませていただいております。ですから、この地域学校協働本部(仮称)の活動に際しましても、地域と学校ということを中心に書いておりますけれども、家庭も連携していくということについても入れさせていただきました。
  今、記載している箇所を確認いたしますけれども、その観点につきましては、この本文の中でしっかり読めるようにしてまいりたいと思います。

【河村生涯学習政策局長】   
  ほかのところにも何か所か家庭教育や家庭の話は出てまいりますけれども、例えば、10ページの(2)、19行目、20行目のところに、学校、家庭及び地域は教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに相互に協力していくという基本的な関係性はここでも位置付けられていますので、これが基本的な考え方であるという中で、また個別に幾つか、先ほどのような特別な記述があるというふうに御理解いただければいいのかなと思います。

【山野委員】   
  分かりました。ありがとうございます。「大きな助け」という言葉に引っ掛かったのかもしれません。

【河村生涯学習政策局長】   
  分かりました。その表現については検討させていただきます。

【加治佐主査】   
  第3章について、いかがですか。熊谷委員、井出委員、お願いします。

【熊谷委員】   
  第3章のところですが、「はじめに」において、社会に開かれた教育課程というものが非常に厚みが出てきたところなんでしょうけど、第3章においても、もう少しこの社会に開かれた教育課程というところの視点を強調してもいいのではないかと思っております。49ページ辺りにも出てくるのですが、これまで学校、家庭、地域の連携の取組が、地域から学校へという、学校支援というベクトルが中心だった課題から、反対の学校発、つまり学校から地域へ向けたベクトルの取組も拡充していく必要があるのではないかと。その際、そうした中・高校生等が地域の中で学校発で取組をしていく。その活動がイベントにならないためにも、やはり社会と教育課程とをつなげる必要があると。特に、ここにアクティブラーニングとか書いてありますけど、また、サービスラーニングの視点から言うと、教科とのつながりだとか、それから、活動した後の振り返りというような点を重視していくと、この社会に開かれた教育課程の重要性、カリキュラムとつながっているからこそ、これは、ほかの取組にも、事例からも言えるのですが、カリキュラムとつながっているからイベントにならなかったり、それから、活動を継続することができると。校長先生や教頭先生が変わっても、カリキュラムとつながっているから活動が継続される。あるいは、カリキュラムとつながっているから教師だけではできない活動、あるいは地域の人たちだけではできない活動、そこに協働が促されていくというふうな視点がもう少し書かれてもいいかなと思っています。
  60ページの辺り、高校等でそういう取組が書いてあるんですが、私は、中学校の子供たちでもこうした学校発の、学校から地域への取組ということについても、もう少し書いていただいて、その辺り、社会に開かれた教育課程の重要性というものをもう少し中身で重要視してもいいのではないかと思っています。

【加治佐主査】   
  どうですか、渡辺室長。その辺りの記述は。足りないですか。

【渡辺地域・学校支援推進室長】   
  熊谷委員から御指摘がありましたように、既に地域学校協働本部(仮称)の在り方のところにおきまして、そもそも開かれた教育課程の話が少し入っていますので、また、具体的な活動内容の関係におきまして、例えば、今の案では58ページの27行目から34行目にあるのですが、開かれた教育課程の内容はもう少し、頂いた御意見を踏まえて検討させていただきたいと思います。

【加治佐主査】   
  分かりました。
  それでは、井出委員、どうぞ。

【井出委員】   
  57、58ページの統括的なコーディネーターに関する記述の、58ページの15行目、16行目に、「役割・資質等といった事項について、明確化していくことが必要である」というふうに結ばれているのですが、この間、いろいろな議論をしてくる中で、例えば統括的なコーディネーターを配置するとか、統括的なコーディネーターに求められる資質・能力とはどんなものかといったことも議論してきて、幾つかここには書かれているんですね。それで、最後に統括的なコーディネーターの役割・資質等の明確化ということですけれども、この明確化ということは、例えば資格とか身分を明確にして、制度化するということを言っているのか、ここで書かれていることをもう1回、つまり57ページの方に統括的なコーディネーターの役割、35行目に、求められる資質・能力というふうに挙げておいて、なおかつここで明確化していくということを言っているのか、その辺がどんな議論だったかなということも、ちょっとうろ覚えなので、もう1回確認をしておいた方がいいかなと思います。

【加治佐主査】   
  いかがですか。

【渡辺地域・学校支援推進室長】   
  まず、57ページから58ページにかけまして、統括的なコーディネーターというものがそもそもどんな役割をするのか、どんな資質や能力などが求められるのかということを、記載させていただいております。
  あと、国の方で今後行っていく推進方策の関連におきまして、第5節でございますけれども、63ページ、(2)のところで、「統括的なコーディネーターをはじめとする人材の確保と資質の向上」というところで、具体的に国としてどういった方向でこの人材の確保と資質の向上を図っていくかということを書いております。その中で、29行目から32行目でございますが、「今後、都道府県や市町村において適切な人材を統括的なコーディネーターに委嘱することができるようにするためには、その求められる主な役割や資質等が明確となっていることが重要である」として、「国は、都道府県・市町村の教育委員会において適切な人材を育成・確保、配置することができるよう、統括コーディネーター等に求められる主な役割・求められる資質等について法令若しくはガイドライン等において明確化する」と記載しております。具体的に国として、今後、法令若しくはガイドライン等において、どのような形で明確化していくのかということにつきましては、これから検討していくつもりでおりますけれども、この方針で示させていただきますように、統括的なコーディネート機能というのが今後重要になっていく中で、地方におきまして統括的なコーディネーターというものの委嘱をすることができるように、その主な役割や資質などを明確にすると。ただ、今の段階でその資格要件を物すごく、検定を行うとか、そういったところまで考えているということではございませんけれども、とにかくこの統括的なコーディネーターの委嘱というものが進んでいくような方向でガイドライン若しくは法令での明確化ということを検討しているということでございます。

【加治佐主査】   
  よろしいですか。
  では、藤田裕之委員、お願いします。

【藤田(裕)委員】   
  長大な文書をこうしておまとめいただいた事務局にまず敬意を表したいと思いますし、今、説明をお聞きしていて、こういう議論をしてきたんだということを振り返らせていただきました。
  その上で、全体を通してですが、確認をさせていただきます。12ページ、28行目に首長部局との協働・連携の話に触れられているのですが、福祉、防災等との関連する分野ということで、これが後ろの方で、36ページ辺りには首長部局の関係者が連携と、こうあるのですが、最初の時期にはこの辺りの話を私も何回か議論した覚えがありました。少し後ろでは、地方公共団体とか都道府県、市町村という言葉が出てくるときには、ほとんどが教育委員会を指しているような気がするのですが、例えば50ページで、20行目からの地域でどのような子供を育てていくかという熟議のような場面では、教育委員会はもとより首長部局とも連携しつつとか、何か教育委員会という枠内にとどまらない地域づくりとか、首長部局を巻き込んだ学校運営協議会、あるいは地域学校協働本部というような理念がもう少し出てくる余地がないのかなという気がしましたので、後半のところで、12ページで言われた首長部局等との協働というのが、もしこの辺りで力を入れて言っていますというところがありましたら、私が見落としたのかもしれませんので、御紹介いただきたいのと、もし入れる余地がありましたら御検討いただきたいということです。
  それから、もう一つだけ、これは細かい文言で少し戻ってしまうのですが、11ページ24行目からの、いわゆる公民館施設等の部分で学校という場の在り方を入れていただいたので大変有り難いのですが、24行目から5行目の文章が、御説明を聞いていて、私は少し分かりにくかったです。「学校という場を」という部分ですね。むしろ、前段を生かすとして、次が「このような拠点が」が主語ではなくて、「学校がこのような拠点とつながる」とか「このような拠点社会教育施設の一翼を担う」とか、そういう趣旨の方が分かりやすいのではないかなと思いました。ここの付け加えていただいた2行の「双方向の関係を持つことも有益である」という、この辺りが、お聞きしたときに私自身が主語の関係とかで読みにくかったので、もし御検討の余地があればと思います。「加えて」くらいは入れておいたらいいかと思うのですが。「加えて学校という場を云々(うんぬん)」だけでなく、「加えて学校がこうした社会教育施設とつながり」とかいうような方が何か分かりやすいような気がいたしました。これは意見ですけれども。

【加治佐主査】   
  最初の首長の言及をもっと増やすということで、それについては。

【廣田参事官補佐】   
  1点目の御指摘ですが、1章で書き込んである首長部局との連携・協働に関して、第2章、コミュニティ・スクールのところではどのように取り扱っているかということについて補足の説明をさせていただきます。
  先ほど御指摘がありましたように、36ページに推進方策の一つとして、「地域住民や保護者等の多様な人々の参画の促進」というところがあります。その中で、23行目以降、コミュニティ・スクールの取組というのは、地域コミュニティを持続的に発展していく観点からも有効だということのくだり以降、23行目から36行にかけて、全体を通じて、まさに村役場との連携あるいは首長部局等の関係者がしっかりとビジョンを共有していく等々の記載を加えております。
  これを踏まえて、国として実施すべきことで、次の37ページ、推進のための具体的方策の中の三つ目の四角ですが、「首長部局等との協働による課題解決学校モデルを構築し、その成果の普及と全国への発信等を行う」ということを書いております。実は、先行して、今年度、新規の事業といたしまして、首長部局とのパートナーシップを構築した新しい学校モデルということの研究を進めておりますので、その成果を生かしていくということがまず1点目でございます。
  その次、38ページから「幅広い普及・啓発の推進」というところがあります。この中においても、39ページの14行目から、さらに、コミュニティ・スクールは、地域コミュニティの再生、まちづくりにもつながる取組であり、首長にも働き掛けていくことが求められるということで、「推進のための具体的方策」の中にも、首長部局への働き掛けということを促進するということが、上から7行目、8行目にかけて記載をさせていただいております。
  続けて、都道府県・市区町村においても、当然、それと同様に体制を築いていただく必要がありますので、40ページ14行目からですが、コミュニティ・スクールを核に地域とともにある学校づくりを一層推進していくためには、学校教育部局と社会教育部局の後、総合教育会議の活用等を通じた首長部局とのパートナーシップを構築していくということを記載しております。
  41ページに、都道府県において推進するための方策とありますが、四角囲いの中の二つ目のぽつですが、知事部局と連携・協働した施策の策定実施と。同じように、市町村の役割というのが、その次の42ページにありますけれども、推進のための方策の中の二つ目のぽつ、首長部局と連携・協働した施策の策定実施ということで、国だけにとどまらず、都道府県・市区町村においても首長部局との協働を進めることというのが、第1章の中で記載をさせていただいているところでございます。
  3章については社会教育課の方から御説明いたします。

【渡辺地域・学校支援推進室長】   
  第3章におきましては、第3節に、地域における学校との協働体制の今後の方向性、それから、第4節で、地域における学校との協働のための取組の推進ということで、それぞれどのように地域と学校との協働体制を構築していくかということを全般的に書いています。その上で、第5節におきまして、国、都道府県、市町村による推進方策ということを書かせていただいております。その中で、65ページ、「2.都道府県・市町村の役割と推進方策」の中で、15行目、「地域振興、社会福祉、医療、防災等を担当する首長部局とのパートナーシップを構築していくことも重要である」。さらに、37行目から、「首長部局とも連携しつつ、域内の市町村における取組を広域的に支援することにより、都道府県全域において地域学校協働活動の活性化をリードしていく」といった記載をしております。以上でございます。

【廣田参事官補佐】   
  二つ目の御意見でございますけれど。

【加治佐主査】   
  4章にはないのですか。御指摘なのは、コミュニティ・スクールと地域学校協働本部、この両方について首長部局が何か積極的に関わってやっていくべきだという御意見だと思いますが、4章にはそういうのはないですか。首長に言及したところ。

【廣田参事官補佐】 
  原案において、第4章で首長部局ということには触れていないかと思います。第2章、第3章で、当然、連携・協働をしっかり進めていくという前提に立って、お互いの相互関係について記載をするということでしたので、原案には首長、第4章の中では触れていないかと思います。

【加治佐主査】   
  藤田委員、それぐらいでよろしいですか。

【藤田(裕)委員】   
  2章、3章でたくさん入れていただいたので結構です。

【加治佐主査】   
  では、二つ目について。

【廣田参事官補佐】 
  二つ目の御指摘に関して、11ページ22行目からの記述でございますが、基本的に学校という場を核とした地域づくりを進めていこうというのが主な項目ではあるのですが、地域によっては公民館等の社会教育施設を拠点としながら、そこを核としているという動きもあります。このような動きもしっかりと有益な取組として伸ばしていこうということを考えていくならば、このような拠点、つまり社会教育施設が学校とつながって関係性を持ちながら地域づくりを進めていくということも有益だという表現でもよろしいかなと思っているところです。
  全ての自治体が、全て学校がメインで、学校が中心となってというよりは、地域によっては公民館等が中核となることもあり得るだろうということでこのような記述としているところです。

【加治佐主査】   
  よろしいですか。

【藤田(裕)委員】 
  はい、結構です。

【加治佐主査】 
  それでは、竹原委員と牧野委員ですかね。

【竹原委員】 
  議論を重ねて、地域コーディネーターも入れていただいてよかったと思います。同時にチームとしての学校、社会に開かれた教育課程の議論が並行して行われ、進化してきたように思っています。答申として出すとき、学校と地域の効果的な連携・協働の推進体制の一つの絵があると思います。
  従来のコミュニティ・スクールの図は3-2ですけれども、保護者、地域住民等と書いてありますが、ここにコーディネーターも今後は入れていかないといけないのではないかと思うので、全部書き込みはできないのですけれども、少し統一性があった方がいいと思います。文章は読まなくても図は見るということもあると思いますので、少し工夫をしていただければと思います。

【廣田参事官補佐】 
  図の工夫については、可能な限りさせていただきたいと思います。資料3-2につきましては、御指摘のとおり、この中に示されていないということがあると思います。先ほどの本文の修正におきまして、学校運営協議会の委員構成として地域コーディネーター等を構成員としていくということも求められるということを追記しておりますので、それに伴って、この図の中にも地域コーディネーターというのを明確化していくような修正を加えさせていただきたいと思います。

【加治佐主査】 
  牧野委員。

【牧野委員】   
  第3章ですけれども、第1章では学校と地域社会の連携の必要性が書かれていて、第2章でコミュニティ・スクールの新たな在り方について書かれて、第3章で基本的には地域学校協働本部(仮称)の在り方が書かれている。そして、かなり具体的にいろいろなものも書かれていて、いわゆる地域学校協働本部(仮称)の在り方がイメージしやすくなったと思うのですけれども、だからこそ、最初の方に一言、例えば44ページの第2段落の終わったところ辺りに、このような地域における学校との連携・協働を積極的に推進していくことが必要であること、そのための新しい体制が地域学校協働本部(仮称)であり、それは社会教育の基本的な体制としても構想されているというようなことを入れていただけると、全体として分かりやすくなるのではないかと思います。もし可能でしたら御検討いただきたいと思います。

【加治佐主査】   
  渡辺室長、それでよろしいですか。

【渡辺地域・学校支援推進室長】   
  地域学校協働本部(仮称)につきましては、具体的に第3節の中で、どういった形になっていくかということを説明しております。第3章を見直した中で、冒頭に触れた方がよいのかなということも含めて、事務局でも検討してみたいと思います。

【加治佐主査】   
  それでは、天笠先生、どうぞ。

【天笠副主査】   
  3章ですが、今、49ページを開いています。  3章の3節で、地域における学校との協働体制の今後の検討という、その部分ですが、今回のこの答申(案)についての全体的なトーンとか方向性というのは、これまで議論を重ねてきて、私は是(ぜ)とする立場をとらせていただきたいと思うのですが、それならばそれとして、それをどう伝えていくのかという、そのことを少なくともメッセージとして受けてもらえるのかどうなのかというところに、私はこだわりというのでしょうか、ですから、この数回、私が発言をしているのは、もっと分かりやすくとか、文章をある程度コンパクトにとか、分量をもうちょっと妥当なものにとかという、そういう立場から申し上げる発言が非常に多くなっていると自覚しています。その文脈で今回もまた申し上げることになるかと思うのですが、今回のこのレポートの一つの柱は、確認というか、既に出ていますように、支援という言葉から協働という、こういうところに大きくシフトしていく、あるいはその必要性と必然性がかくかくしかじかであるのだということを、どれほどこれを読んでもらえる方に受け止めてもらえるかというところが一つ勝負どころだと思っています。
  そういうふうに見たときに、協働という言葉が様々に出てくるのですが、場合によっては、もう少し協働という言葉を精選した方がいいのかもしれません。一方、協働についてはもっと、中身とか趣旨とか理念というのが込められたような、そういう部分の一節というのがあるといいかなと。そうすると、場所が適切かどうか分かりませんが、49ページ辺りにこのこととの、ポイントとの関わりの中で、それについての解説をする中で、その趣旨等々を伝えていくというのも一つかなというふうに考えるわけです。
  そのように見てきたときに、これは全体を組み立てて、ここでポイントという形の手立てをとっているわけですが、四角囲いで囲まれた部分と、以下の文章とがうまく対応しきれているかどうか。例えば、ダイヤモンドの印が六つの柱で構成されているのですが、例えば一つ目の文章についての解説が以下の文章になっているか。あるいは、二つ目のそれが、二つ目のところについての解説になっているかというと、どうもそこら辺りのところはまだもう一段整理したらよろしいのかなという部分が様々見受けられるわけです。例えば、ここは六つ出ているのですが、以下の文章が六つの項目に分かれているということではなくて、また、以下の文章は章、節、項目が立てられているようなことです。せっかくポイントとして挙げながら、それを、ポイントというところを読めば、それを肉付けするために以下の文章があるのだということになれば、読み手も非常に参考になるのですが、ポイントはポイントとしてあって、読み手は、また読まなければいけないと、何かその辺りのところの整理整合をするということです。ですから、中身的な、内容的なことについては、ほぼ異論はないのですが、その辺りの整理をすることで、めりはりがはっきりしてくるのではないかと思います。例えば、この答申案の49ページ以下、これは一つの肝になる部分ではないかと思っておりまして、そういうことで申し上げさせていただきました。
  以上です。

【加治佐主査】   
  渡辺室長、いかがですか。

【渡辺地域・学校支援推進室長】   
  やはり重要なことは、まずポイントの中でしっかりメッセージを伝えるということで、それが本文となるべく整合性がとれる、それは非常に重要だと思っています。ポイントのメッセージの重要性ということと、本文との関係ということの観点で、更に整理した方がよい部分があれば、整理してまいりたいと思います。

【天笠副主査】   
  補足ですけれども、例えば、49ページ、学校地域協働本部とコミュニティ・スクールの関係については、この四角囲いの中には入っていません。ですが、この後の文章の中にはそれが出てくるのですが、先ほど言いましたように、この答申文の中のコミュニティ・スクールと学校地域協働本部というのは車の両輪だという、それもまた大切な指摘だと思って、以下の文章の方には書いてあるのですが、それが私はこのポイントの中にもしっかり挙げておいてもいいのではないかと思います。言うならば、この最初の1ページから最後のところまで、四角の中をだんだん追っていけば、およそ柱とか枠組みは捉えられるという、そこまで組み立てていくというか、整理すると、よりメッセージ性が強まっていくことになるではないかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  以上です。

【加治佐主査】 
  私も、強いてということではないのですが、より分かりやすくなるかと思うのは、これは第4章にも関係しますので入ってしまうのですが、68ページのタイトルは、「コミュニティ・スクールと地域学校協働本部の仕組み」ですよね。制度ですよね。制度の関係についても連携・協働を使っていますよね。だから、これは種類が違う方がいいのかなと。つまり、地域のいろいろな団体のネットワークを作るとか、学校の様々な子育てに係る機能と地域の機能を連携・協働するとか、そういう意味で使われているので、これは明らかに組織というか、制度と制度の連携、つながりという、相乗効果を狙っているわけですよね。なので、同じ言葉を使われると。それでも悪くはありませんが。それで分からないことはありませんが、違った方が、めりはりが出るかなという感じはします。大きく変えられないと思いますが、可能なところはまた御考慮ください。
  それでは、若江委員、お願いします。

【若江委員】 
  第3章のところ、57ページの統括的なコーディネーターに求められる資質・能力のところに戻らせてください。57ページから58ページの頭のところに、統括的なコーディネーターに求められる資質・能力が記載されているのですけれども、元々、その上にある統括的なコーディネーターの役割のところには、市町村・都道府県が実施する研修・説明会等の調整、講演だとか、地域コーディネーターの候補の人材発掘・確保等、いろいろなことが機能としてありますので、こういうものに加えてもう少し、地域の教育、市町村、教育委員会の教育の方針を正しく理解しているとか、後は  、カリキュラムマネジメントの知識や経験を有する等の、やはり地域コーディネーターとは明らかに違うという、分かりやすいクライテリアを加筆していただいた方がいいのではないかと思いました。

【加治佐主査】 
  またそこは工夫してみてください。
  それでは、何か、予想した展開と違いますので、時間が気になってきていますが、とりあえず第3章はこれぐらいにしまして、第4章と「おわりに」の部分に入っていきたいと思います。

【熊谷委員】 
  学校支援地域本部とコミュニティ・スクールの連携のところですが、これはこれからの方向性や支援というところと関連して、学校支援地域本部の取組を、支援ではなくて、協働というふうな活動に高めていくと。そして、地域学校協働本部(仮称)に発展させていき、そして、さらには、学校運営協議会というものも連動した形で発展してほしいという、こっちの流れは、私はよく分かるのですけれども、逆に今度は、コミュニティ・スクールだけをやっていて、学校支援地域本部をやっていない。学校運営協議会の中に既に学校支援の部門はあると。そのようなところの場合はどういうふうにこれからしていくということを方向性として考えていく必要があります。それはもう、コミュニティ・スクールの中に学校支援の部門があるんだから、もう地域学校協働本部(仮称)をしなくても、コミュニティ・スクールだけでやっていってほしいというメッセージなのか、それとも、今、学校支援地域本部でやっているところには支援から協働へ発展してほしい、そしてコミュニティ・スクールもやってほしいというふうなメッセージが送れると思うんです。コミュニティ・スクールを今やっているところ、その中にもう部門として学校支援の組織があるんだけど、そういうところにも地域学校協働本部(仮称)の良さがあって、こっちもやってほしいというふうに言うべきなのかどうか。その辺、どういうふうに捉えていけばいいかなということをちょっと考えています。

【加治佐主査】 
  だから、そのことは、第4章で伝わらないといけないと思います。私には伝わっているのですが、どうでしょうか。

【熊谷委員】 
  伝えきれていないですね。

【加治佐主査】 
  伝えきれていない。そうですか。そのことに関して、非常に大事だと思います。どうぞ、貝ノ瀬委員。

【貝ノ瀬委員】 
  私は伝わっていると思っています。学校運営協議会の機能の中に、学校支援というものが既にあるという場合であっても、学校を核とした地域づくりというフレーズがよく出てきますよね。これが、「学校を核とした」という表現のために、学校が、又は校長が、その地域づくりの中心にならなければならないというような、そういうふうに、場合によっては学校のみがとか、校長のみがとかというふうに狭く取られてしまうこともあります。そういう伝統的な学校万能指導主義というのでしょうか、そのようなことに誤解されやすいところに、こういう地域学校協働本部という、そういう仕組みを考えるということは、その辺りが整理されてくると思うのです。ですから、学校はもちろん学校作り、地域づくり、学校運営協議会もそれには一定の役割を果たしますけれども、地域学校協働本部を、仕組みを整えていくことによって、更に地域づくりが効果的に、かつ充実していくだろうということで、やはり両方を目指すべきだというふうに私はこの答申からは理解をしました。

【加治佐主査】 
  また、よりいい表現を求めて、可能であれば工夫をしていただければと思います。いかがですか。
  それでは、全体を通していかがですか。どうぞ。

【佐藤委員】 
  私だけかもしれないのですが、3章の中の表現で、「地域における学校との連携・協働」とありますが、何か意味が取りにくい感じがします。「地域における学校と何とかの連携」なら分かりますが。あるいは「地域と学校の連携」なら分かるのですが。多分、これでも通じているならいいんですけど。少し分かりにくいなと思っただけです。随所に出てきますから。何となく、地域と学校のことを言っていそうなのですが、「おける」「との」ってなると、ある場面でのAとBの連携かなという感じがしただけです。私の思い込みかもしれません。

【加治佐主査】 
  だから、地域と学校はパートナーであるという言い方もしているわけです。地域における学校との連携・協働というときは、多分、その地域の人々と学校の先生方とか子供たちとか、そういう人々との連携・協働だろうと思うのですが。ただ、パートナーと言うときは、地域で漠然とはしていますけど、学校を除いた地域総体を指しているのだろうと思います。

【佐藤委員】 
  意味は分かるのですが、初めて見た人はどうなのかなと思っただけです。

【加治佐主査】 
  だから、文章が非常にうまいのではないですかね。いろいろ意見を聞きますと。はい、どうぞ。

【岩本生涯学習総括官】   
  我々のニュアンスとしては、学校も地域の一部だという意識が強いんですね。ですから、やっぱりそういう御意見は出ていました。この会議の中でも。だから、学校と地域をAとBとの連携という部分も、側面も見なければいけないところはあるのですが、ここのニュアンスとしては、どっちかというと地域の中で学校に溶け込んでというぐらいの感じで、ちょっとニュアンスが出ているものですから、もっといい表現があれば、そう思うんですけれども、この表現もいいのではないかと私は思っています。

【加治佐主査】   
  いかがですか。全体を通してはもうよろしいですか。

【牧野委員】 
  細かなことですが、「おわりに」の最後の段落の冒頭の文章なのですが、助けてもらってもいいかとは思うのですけれども、誰かがやってくれるというふうに他人(ひと)事で考えないで、ということだと思いますので、誰かが助けてくれるということよりは、「誰かがやってくれるのではなくて」ということの方が良いような感じがします。

【加治佐主査】 
  また、考えてみてください。

【貝ノ瀬委員】 
  私は細かいところは別として、全体的にはよく納得できる内容というふうに受け止めているのです。しかし、ここで浮かび上がってきたのは、同時にあちこち何か所か出てきますけれども、社会教育委員、それから社会教育主事は、今後の課題になると思うのです。そのような方々の役割を見直すといいますか、活躍できる立場をもっと考える必要があるのではないかと思います。このように整備されてきたことになりますと、まさに生涯学習社会をしっかりと充実させていくということであれば、学校教育関係では指導主事が非常に重きをなして、幅をきかせているわけです。そのようなことから考えると、生涯学習の中でもっと社会教育主事が活躍をしていただくような、そのようなことも今後考えていく必要があるのではないかと思いました。
  以上です。

【加治佐主査】 
  何かこの中では、恐らく社会教育法の中に、統括的なコーディネーターとか、そういうのが規定される可能性があると思うのですが、だからといって、社会教育主事について今どうこう変えるということではないということですね。

【貝ノ瀬委員】 
  今後です。

【加治佐主査】 
  今後の検討課題です。

【河村生涯学習政策局長】 
  今の御指摘については、正に明石分科会長がいらっしゃいますけれども、生涯学習分科会の中で、これからの社会教育主事等の社会教育関係の職員や専門的な人々の在り方について検討を深めていただければと考えております。そこに着手し始めたところでございます。

【加治佐主査】 
  いかがでしょうか。よろしいですか。

【松田副部会長】 
  ちょっと本筋から外れることですけれども、資料4の図の中で、「チームとしての学校」の中で、スクールソーシャルワーカー等の黄色のラインの皆さん方と学校の先生方が連携・分担という言葉でつながっているんですけれども、連携・分担というのは、結局、協働するということなのではないかと思えるところがあって、これは、多分、よりチームということの組織性を前に出そうとするところだと思うので、この連携・分担という言葉について御検討いただけたら有り難いなと思いました。

【加治佐主査】   
  そうですね。難しいところですね。

【廣田参事官補佐】 
  担当課に伝えさせていただきたいと思います。

【加治佐主査】 
  だから、井出委員も指摘されましたように、実際の機能と、法令上の規定といいますか、その違いなり、あるいは一致させることが結構難しいと思っているのですね。
  それでは、様々な御意見を頂きましてありがとうございます。時間もかなり迫ってまいりましたので、本日頂いた御意見を踏まえた修正については、地域とともにある学校の在り方に関する作業部会の主査である私と、学校地域協働部会の明石部会長に御一任いただきたいと思います。事務局とも相談の上、答申(案)として取りまとめ、今後、両分科会、総会で了承のプロセスを進めていくということにしたいと思いますが、こういう手続でよろしいでしょうか。
  (「異議なし」の声あり)

【加治佐主査】   
  ありがとうございました。それでは、また後日、最終版を皆様に事務局から共有させていただきます。
  本答申の取りまとめに当たりまして大変な御協力を頂き、誠にありがとうございました。それでは、ここで、委員の皆様からお一人ずつ、今回の答申や今後の文部科学省のアクションに向けての期待なり感想なり、コメントを頂ければと思います。大変恐縮ですけれども、時間が大変限られておりますので30秒で。
  時計回りで生重委員からお願いしたいと思います。最後に松田副部会長、天笠副主査、そして明石部会長、そして私ということでお願いしたいと思います。最後にお二人の局長からもまた御発言を頂ければと思います。

【生重委員】 
  短めに。私が今回、発言を控えていたのは、本当すばらしいまとめになっていて、次に取り組むべきことの第一がやはり社会教育主事の育成とか、今後の研修の有様というものの大幅な見直しということ、社会教育委員のこれからの役割をどう見いだしていくのかというところと、それから、今までにない統括コーディネーターのより明確な役割というものと、力量をアップするためにはどういう体制を作っていくのか、全国のネットワークをどう作るのかということが次の課題だということです。
  それと、子供たちが置かれている体制はすごく急務で、いろいろなことをやらなければいけない状態です。今回の文書の中で一番私の中でよかったなというのは、行政所管課の枠を越えて、今後、子供の学びの体制、放課後の問題、それから食事の問題、そのようなもの全てを文部科学省だけではなく、地域における所管でいろいろなものを活用しながら、より有効に子供たちに力を付けてもらい、生き生きと生きていける社会の構築のための最初の発信として、全都道府県がこれを真剣に受け止めるべきなのではないかと受け取ってもらえるような文章になったということです。
  以上です。

【加治佐主査】   
  それでは、続けてお願いします。

【貝ノ瀬委員】   
  学校運営協議会も、それから学校支援地域本部事業も、バージョンアップした内容になっていますので、いい答申にはなっていますが、絵に描いた餅にならないように、これを具体的に実施してもらうという方策もやはり相当精力的に考えていかなければならないと思います。

【黒瀬委員】   
  すばらしい答申になったと思いますし、現場の校長も大変関心を持っております。私の周りの校長は、この動きに注目して、これから力を入れていかなければいけないと思う者が多いです。

【佐藤委員】 
  埼玉の特別支援学校のある校長が、これからの学校は網戸張りの学校、網戸張りの経営で、ガラス張りでは駄目だと。風通しが悪いし、音が聞こえない。その方は元盲学校にいらっしゃって、そこでガラス張りというのは駄目だと言われています。これからコミュニティ・スクールを通して、網戸張りの経営が広がるのかなと思っています。
  以上です。

【竹原委員】 
  10年たち学校支援地域本部、学校運営協議会が第2ステージになるときに、このようなものができてよかったと思います。そして、何よりも、支援から協働へという明確なものが合意の上でできました。そして、学校と地域の連携、社会総掛かりと言っても、今までは周辺部を丁寧に動かしていたと思いますが、これからは教育課程に関わるということが見えてきました。
  もう一つ、学校マネジメントに視点を置いた「チームとしての学校」とも連動した動きが明確になって、この動きは教育改革の大きなうねりになるのではないかと思います。

【藤田(大)委員】 
  私は、子供の安全推進というのを目指す活動に取り組んでいく中で、やはり子供たちの自助・共助・公助能力の育成といった中での、子供自身の自己実現、地域貢献というのは今回触れていただいているわけですが、そういったものを支援する活動の中で、特に学校における学校安全委員会等の活動に触れながら、今回取りまとめていただいた、学校と地域の連携・協働の在り方の理念を、今後更に普及していきたいと考えております。ありがとうございました。

【藤田(裕)委員】 
  ありがとうございました。今回のこの取組というのは、まさに学校の在り方を変えていく、見直していくような動きのきっかけではないかと期待をしております。特に子供たちの育みについて、学校で在学しているときだけの子供に責任を持つのではなくて、卒業してから、生涯にわたって、その子供が地域を担い、社会を担う、どういう存在になっていくのかということを御一緒に考えることができた、その糸口になったのではないかなと思っております。文部科学省におかれましても大変御尽力いただきましたが、文部科学省においてはということではなくて、まさに日本の国家のためにどのようにしていくのかということを積極的に各省庁にも発信して、まさに首長部局を動かすような取組をしていただきたいと思っております。
  以上です。

【山野委員】 
  いろいろありがとうございました。私自身も大変勉強になりました。議論をお聞きして、ここに座っていて、学校というのは何なのかなと。今、皆さんがおっしゃったことと重なるかもしれませんが、学校という概念を変えるというか、覆すような第一歩なのではないかなと思います。どうしても現場と関わると、学校イコール教師、地域の仕事がどんどん増えるというふうな反応がある中で、ここに関わらせていただいた一人として、働き掛けていったりして、今現在もいろいろ歩きながら働き掛けていますけれど、おっしゃったように校長先生の反応とか変化が起きてきている自治体もありますので、やはりこれが分かりやすく、本当に機能していくようなものにしていく、次の動きが必要になってくるのかなと思いました。ありがとうございました。

【若江委員】   
  このわくわくする答申(案)を私もコーディネーターの一員として教育委員会ですとか学校現場に正しく、わくわく感が伝わるようにお伝えをしていきたいなと、そんな気持ちを新たにいたしました。ありがとうございました。

【松浦委員】   
  ありがとうございました。途中、何度か頭がくるくる回るような感じで過ごさせていただいたのですが、とても勉強になりました。私の周りでも、本当に反応がとても大きくなってきているなと思っております。これが全国的に広く、きちんと、構えることなく、恐れることなく、広まっていくようにと願っております。私もできる限り頑張ってお伝えしていけたらなと考えております。ありがとうございました。

【牧野委員】 
  私たちの言いたい放題の議論を根気よくまとめてくださった事務局の方々にまず敬意を表したいと思います。
  日本社会は今、大きく転換していると思います。日本では、社会が大きく転換するときに、実は、社会教育の役割が見直され、社会が安定期に入ると学校教育が大きくなっていくということを繰り返してきたのではないか。その意味では、現在、社会教育が見直され始めているというのは、やはり大きな社会の転換期にあると言えそうです。そのため、この答申が出ることはとても大きな意義を持つのではないかと思います。特に18歳選挙権等も踏まえて、子供たちを、従来の保護される対象、教育される対象から、社会の主役として、正規の一員として迎え入れていきながら、子供の発育、成長を軸にしながら、地域社会が学んで、社会を経営していこうとするような動きにつながっていくものだと思いますので、とても大きな、時代を画するものではないかと受け止めております。
  社会教育の方では、公民館が戦後、その構想が出されて来年70周年なのですけれども、公民館では、観客は一人もいないという言い方をよくするときがあります。皆がアクターであって、よりよい演劇を演じようとして皆が頑張って社会を創っていく核となるのかが公民館なのだという言い方がありますけれども、正にそうしたことが実現していくような答申(案)になったのではないかと思っております。どうもありがとうございました。

【永山委員】 
  今まで、この部会に出るまでは、中央教育審議会というのは全く雲の上の存在で、私たちの遠いところにあるものだと思っていましたけれども、実際に話合いに参加させていただいて、本当に細かいところまで、しかも1行1行、思いや願いが込められているということがよく分かりました。ですから、これからは文部科学省から来た文書を丁寧に読みたいと思っております。
  あと、もう一つ、是非、文部科学省の方々にも現場に来ていただいて、1週間とか1か月、是非一緒に私たちと生活して、子供たちの給食を食べたり、遊んだり、勉強したりすると、生の現場というのがとてもよく分かりますし、それが学校と文部科学省との連携・協働になってくるのかなというふうに思います。本当に私もいい勉強をさせていただきましてありがとうございました。

【熊谷委員】 
  私も非常に勉強させてもらいました。それから、委員の先生方がおっしゃいましたように、私も地元に帰って、答申に関していろいろなところで声を聞いて、非常に期待感が高まっているというのは肌で感じております。地元に帰りまして、社会教育委員もしておりますので、実践の場でこの答申を生かしていきたいと思っております。
  それと同時に、私は今、岡山大学の教員でもありますので、教育学部や教職大学院を担当する教員養成に携わっている者として、こういう答申の在り方というのをどういうふうに教員養成の中に反映させていくかというところも是非連動させてやってほしいなと思っております。ありがとうございました。

【浦崎委員】   
  私は高校の教員の立場として、高校と地域のコラボレーションをどうしていくのかという視点で毎回参加させていただきました。今までは高校生、あるいは高校と地域が余りにもつながっていないために、高校生が元気になれなかった、地域が元気になれなかった。それは地方創生が必要になった背景の一つにあるのではないかというふうにずっと思っておりました。ですので、毎回、この方向で行ったならば生徒は元気になるのか、学校は元気になるのか、そして地域は元気になっていくのか、そういう視点で参加をさせていただいて、正にこの答申でそういう未来が実現できるということを確信できて、本当にうれしく思っております。これから、これを一層力強く推進していくための一員として頑張っていきたいという思いを新たにしているところでございます。ありがとうございました。

【井出委員】 
  大変すばらしいものをまとめていただいて感謝をしております。既に何人かの委員の方が御指摘をされておりますけれども、この答申は恐らくこれからの学校像、あるいはもっと言えば学校の教育の在り方を変えていくものだなということに私は同感です。なぜかと言いますと、多分、この答申を中の人間が見て、学校を見直す。それから、外、つまり地域、学校外の人が見て、もう一遍学校との関係を見直す。多分、同床異夢のような違う理解をするだろうと思うんです。その理解をどうすり合わせていくかという共通の観点は、どんな子供を育てていくのか、これからの社会をどういうふうに形作っていくのかということ、ここが多分、共通理解していく接点になるだろうというふうに私はずっと思っていました。ですから、子供のありよう、社会のありようをよく考えるということから始まっているこの答申をずっと読み解いていくと、恐らくいろいろなことに多くの人が気付いて、何をこれからやっていかなくてはならないか、そのときにこれまでの学校とはどうも違っていかなくてはならないだろう、あるいは学校との関わり方を変えていく必要があるだろうというところで多分一致ができるという、そんなプロセスを想定しています。
  私たちの教育委員会の最大のテーマは、2030年の学校ということなのですが、多分、この会の最初に私はお話ししたかと思うのですが、2030年に学校は存在しているかという大テーマがありまして、そのためには何をしたらいいのかということをずっと考えています。次の10年に何をするか、多分2025年で勝負はつくだろうけど、そこまでに何らかの形を打ち出して方向性を固めていかないと、2030年に学校は生き延びられないかもしれないということをいろいろなところで考えているのですが、この答申を基に、私たちも具体的な地方自治体の教育行政を預かる者として取り組んでいきたいと改めて思いました。ありがとうございました。

【飯塚委員】 
  青年会議所を代表いたしまして、この会議に参加させていただきました。余り大した意見だったり発言等はできなかったかもしれませんが、毎回毎回頂くこの資料が、我々青年会議所にとって非常に大切な資料であり、これからも、教育従事者ではありませんが、多くの地域の学校だったり、また、地域の青年会議所と手を組んで、さらに、未来の子供たちに向けた明るい、豊かな社会の実現のために日々精進してまいりたいと思います。ありがとうございました。

【加治佐主査】 
  それでは、松田副部会長、お願いします。

【松田副部会長】 
  大変練られた答申(案)になったなと実感します。今回、副部会長ということだったのですが、この役割をどれほど果たせたかというのは、全く心もとないのですけれども、ただ、この答申が出たことで、どんな影響といいますか、どんな社会になるのかなと、ちょっと、夢見がちな年頃でもないんですけれども、想像していたのですが、学ぶということの総量が増える社会になるんだなということをすごく思いました。教育課程の審議ですと、子供たちがどういう教育を、質をどう変えていくかということなので、結果というのは10年とか20年後に出てくると思うのですけれども、今回の答申は学校と地域というもの、あるいは家庭というものがつながり合って教育を支えていくということを更に促進させると思いますので、そうすると、子供たちだけに限らない、大勢の皆さんの学びというものの総量が本当に増えていくという、そういうことでの方向性をはっきりと示すことができる答申だったのかなと感じていたところです。本当にどうもありがとうございました。

【天笠副主査】 
  先日、中学校区を一つの単位にして、その中で学校と地域の関係作りを数年来、蓄積していく、そういうところで成果を確認するような場に御一緒させていただきました。その場で、この会議の方向性ですとか考えているところの一端を私なりに御説明させていただく機会があったのですが、それを聞かれていた学校支援あるいはコミュニティ・スクール等々に実際に携わっている関係の方々は、大変その情報について極めて前向きに、また、次の方向、取組とその情報とを自ら重ね合わせながら、次のステップを開こうというスタンスが非常によく伝わってきました。そういう意味では、この答申文が、既に全国で展開されているそれぞれの地域の、そういう動きの次の方向性を開く、あるいは方向性を支えていく役割をきっと果たすのではないかと思います。ついては、先ほど申し上げたように、できるだけそういうことについてメッセージをしっかり届けていけるようになるといいかなと思っております。
  それで、私の一つの問題意識としては、コミュニティ・スクールとこれまでの学校支援地域本部、今度は地域学校協働本部ですけれども、車の両輪ということですけれども、既にそういう支えなくしてコミュニティ・スクール自身が存在していないと申し上げてよろしいのではないかと思います。ある程度、もう既に車の両輪状態になっているのではないかと。それを今回、交通整理するなり、更にそれをどういう方向でバージョンアップしていったらいいかと。そういう方向にこれが大きな貢献をしていくのではないかと思っております。
  その上で、最後になりますが、この答申が市町村教育委員会の活性化につながっていく、市町村教育委員会の組織のイノベーションというのでしょうか、そういうものとつながりながら次の展開、あるいはこの答申文がそういう役割を果たすということも、また一つ期待したいところだと思っております。
  ありがとうございました。

【明石部会長】   
  非常に多くの方々の御意見を頂きまして、事務局が本当に頑張っていただきまして、すばらしい答申(案)ができたと思っております。それで、申し上げたいのは、小学校で、学級王国という言葉があるんですね。私は、貝ノ瀬委員がおっしゃったように、学校王国がどうもずっとあり過ぎた。学校が動かないと、何か、地域も家庭も動かないという意識があって、今回、その学校王国が崩壊しつつある。崩壊しなければいけないんです。変えなければいけない。一つが社会に開かれた教育課程というキーワードがありましたよね。熊谷委員もおっしゃってくれましたけれども、資源じゃなくて協働もする。そういう双方向の社会に開かれた教育課程というもののツールをうまく作っていくと、この答申(案)に魂が入るかなという感じがしております。そういう魂が入ると、学校を核とした地域づくりということが、従来の学校でなくて、新しい学校もイメージで地域を創るんですよということが出てくるかなという感じがしておりました。そういう意味で非常に、井出委員がおっしゃったように、期待できることが1点。
  最後は、やっぱり外的条件といいましょうか、財政的な措置がないと絵に描いた餅になりかねないというのが一番危惧するので、やはり皆さんのお力をお借りして、財政的な措置も同時に考えていきたいと思っております。

【加治佐主査】   
  私も、本当に事務局が丁寧に対応していただいたと思います。結構無視されることが多いのですが、今回に関しては、余り無視はされなかったのではないかと思います。それだけに、結構、手間がかかったということもありますが、ただ、結果的には非常にいいものができたと思います。
  私が一番印象的なのは、地域での教育、学校教育、それが日本の地域づくりに貢献するのだという方向を明確に出したことだと思います。教育委員会も社会教育課と学校教育課は分かれています。一番上の文科省も学校教育、初等中等教育局と社会教育、生涯学習政策局と分かれているわけですが、そういうところが一緒になってこれをまとめ上げたということがそれを象徴していると思います。だから、明石先生もおっしゃったように、私はこの二つが一緒になり、地方では首長部局も関わってまいりますので、その地域づくりに教育が果たすということを前面に出していますので、そのことを通じての教育投資が増えるということを非常に大きく期待したいと思います。首長に対して極めて説得力があるのではないかと思いますので、是非そういう方向で我々も努めていきたいと思っております。
  それでは、お二人の局長に御挨拶をお願いします。河村生涯学習政策局長からお願いします。

【河村生涯学習政策局長】   
  皆さん、誠にありがとうございました。生涯学習政策局は、今回のこの答申(案)に向けては、生涯学習分科会の部会を社会教育課が担当しておりましたほか、局としては教育政策全般、学校教育、社会教育を通じた教育改革と、中央教育審議会全体の審議の調整ということも担当しておりますので、両方の立場から一言、二言ほど御挨拶を申し上げたいと存じます。
  今回の諮問については、元々の一番のきっかけは、今年3月の教育再生実行会議の第六次提言、「学び続ける」社会、全員参加型社会、地方創生を実現する教育の在り方についてという御提言でございました。担当の分科会を率いてくださいましたのは貝ノ瀬委員でいらっしゃいます。これを受けて4月に大臣からの諮問が中央教育審議会に対してされまして、1年たたない、この12月に答申(案)をおまとめいただくという、大変精力的な審議を皆様に御協力いただきましたことを重ねてお礼申し上げます。議論が尽きないことかと思いますが、本日おまとめいただきました部会長、主査にも併せましてお礼を申し上げます。
  審議の過程で、私の頭にありましたのは、啐啄(そったく)という言葉。卵の内側からつんつん、外側からつんつんという、この両方が一致したときに生まれるということでありますけれども、この答申が世に出ますと、私ども、一生懸命、制度的な面での整備とか、支援策ということを都道府県・市町村の皆様と一緒になってさせていただくわけでございますけれども、実際、新しいコミュニティ・スクールがうまく稼働していくのか、機能していくのかということや、地域学校協働本部(仮称)の体制や、そこでの活動が実りあるものと、実を伴ったものになっていくかというのは、その地域の皆様、そして学校の先生方、関係の皆様がどう取り組んでいただくかということにかかってくるかと思っております。そう考えますと、本当にそういう機運が熟しているんだろうかというのは、正直申し上げまして一番の私のずっと持っておりました懸念でございますけれども、間接、直接にいろいろなお話を伺い、これから新しく開かれた学校をどんどん作っていきたいとか、地域も変わっていきたい。また、10年ぐらいたったけれどもまた新たなステップで臨みたいというお話も多々お聞きすることができまして、是非、そういうところにどんどんいい事例を作っていただいて、私どもとしてもそこを横展開に御協力できればと思っております。
  まだまだ地方における状況は、実は非常に多様で幅があるというふうに存じますので、それはそれとして、それぞれの工夫で、とにかく我が国全体が前に進んでいければという思いでおります。誠にありがとうございました。

【加治佐主査】   
  それでは、小松初等中等教育局長、お願いいたします。

【小松初等中等教育局長】 
  全体に関してのお礼につきましては、河村生涯学習政策局長からお話のあったとおりでございます。本当にありがとうございました。
  私の方は、その中でも特にこういう議論の、どうしても機関としては学校教育行政を中心に担当しているわけでございます。あえてその立場から一言だけ申し上げますと、まず、先ほど御指摘がありましたが、学校の教育課程も、実はこういう社会背景の中で大きく変わろうとしております。社会に開かれた教育課程というのが今回の、今考えている全面改訂のキーワードになっているわけですけれども、これは単なるスローガンではなくて、端的に中身を言えば、それぞれの法律としての学校の教育目標というのは共通に定まっていますけど、それを前提として実際に教育課程を編成する各学校の目標を地域社会と共有していこうということ、それから、その学ぶ題材をきちんと地域社会に届けていこうということ、そして教える人々が先生と生徒の中だけの一面的な関係ではなくて、様々な方々に関わっていただこう、大きく言えばこの三つをもって、社会に開かれた教育課程というふうに、かなり具体的なイメージを描いております。
  こうしたことをやろうとしますと、それぞれの教科も大事ですが、全体のカリキュラムマネジメントということが大事になり、それがきちんと回るためには学校全体のマネジメントということが大事になり、そしてそれは、現代の、あるいは未来の学校教育像からいけば、必然的にコミュニティ・スクールというような方向に進むというのが今現在の立ち位置だろうと思っております。今回の、特に、学校の関係につきましては、そういった観点に整理されたのかなと私としては受け止めております。
  地域社会全体の変化、発展に関わる様々な背景ということで、社会教育や地域との関係ということもまたしっかりとしたおまとめを頂いたものと受け止めております。かつては地域のことは全て社会教育というふうに観念されており、いろいろな流れの中で生涯学習というふうに置き換わるようなイメージがありましたが、置き換わるものでもなくて、それぞれ重要な意味を持っていると思います。生涯学習というのは、それぞれ個人として、生涯にわたって進んでいくと。自主的に自らという意味合いがあって大事かと思いますが、その陰に隠れがちにも見えた社会教育、すなわち、それぞれが育ち合うとか、育て合うということがなければ、人はやはり育ちませんし、学校も本当の意味での教育はできないと思います。そういうところへ改めて社会教育と生涯学習ということも考えていかなければならない。その中に学校の役目とか機能とか立ち位置も改めて問われるのかなと考えているわけです。
  私どもは、頂きましたこの審議の結果、これが手続的には答申まで行くわけですけれども、それを受けまして制度面、予算面、あるいはコミュニケーションの面も大事だと思います。私どもの行政施策というか、実施の面に移ってまいりますけれども、それをしっかりやっていくためには、また皆様方のお知恵を頂きまして、それから定期的か随時的か分かりませんが、御報告も一生懸命差し上げるようにさせていただき、引き続き御指導いただきまして、この審議の結果が政策にしっかり生きるように精いっぱい努めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

【加治佐主査】   
  それでは、どうもありがとうございました。この辺りにしたいと思います。
  新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方について、本年4月に文部科学大臣から諮問を受けて以降、コミュニティ・スクールや地域における学校との協働体制について積極的な御審議を頂き、誠にありがとうございました。今後、本答申を、今お話がありましたように、中央教育審議会として取りまとめた上で、文部科学省において制度面、財政面、その他必要な措置について検討をお願いしたいと思います。
  最後に、今後の答申に向けた予定について事務局から説明をお願いいたします。

【廣田参事官補佐】 
  タイトなスケジュールにもかかわらず、精力的な御審議ありがとうございました。
  お手元の資料5に、今後のスケジュールをお示ししております。12月14日、生涯学習分科会、12月17日、初等中等教育分科会、最終的に12月21日に中教審総会に答申を諮りましておまとめいただくというスケジュールです。
  以上です。

【加治佐主査】 
  ありがとうございました。
  それでは、本日予定しました議事は全て終了しましたので、これで閉会したいと思います。御苦労さまでした。ありがとうございました。

──  了  ──

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初等中等教育局参事官(学校運営支援担当)付

生涯学習政策局社会教育課

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