小中一貫教育特別部会(第3回)・教員養成部会(第74回)合同会議 議事録

1.日時

平成26年9月19日(金曜日)9時30分~12時

2.場所

東海大学校友会館「望星の間」

3.議題

  1. 小中一貫教育の制度化の在り方について

4.議事録

【小川部会長】  それでは定刻になりましたので、ただいまから小中一貫教育特別部会と教員養成部会の合同部会を開催させていただきたいと思います。
 本日は大変お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。
 今回は、前回に引き続いて、京都市教育委員会と安彦委員からヒアリングを行った後に、事務局がこの間進めてまいりました小中一貫教育、小中連携の実態調査の結果がまとまりましたので、御報告を頂いて審議を深めてまいりたいと思います。
 きょうは、合同部会ですけれども、議題の内容が小中一貫教育に関係するものですので、小中一貫教育特別部会の部会長である私が司会をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは、まず配付資料について、事務局から御説明をお願いいたします。
【小林教育制度改革室長】  本日の配付資料は、議事次第にありますとおり、資料1から2として、本日御発表いただきます京都市教育委員会、それから安彦委員から御提供いただきました資料を配付しております。
 資料3は、小中一貫教育等についての実態調査の結果、資料4として、検討すべき事項の案をお配りしております。これは前回お配りしたものに、前回のヒアリングで出された論点を追記させていただいております。
 資料5は、これまでの主な御意見をお配りしております。前回の会議ではスケジュール上、意見交換の時間がおとりできませんでしたので、この資料は前回の会議と同じものを配付させていただいております。
 また本日、机上配付資料として、第1回でお配りいたしました基礎資料、それから本日のヒアリングでお話を伺う予定の京都市教育委員会から御提供いただきましたパンフレットを配付させていただいております。
 万が一、不足等ございましたら、事務局にお申し付けください。
【小川部会長】  ありがとうございます。資料、きょうは大部なものになっていますけれども、よろしいでしょうか。もしも不足がありましたら、事務局にお知らせください。
 また、本日、報道関係者より会議冒頭の撮影及び会議内容の録音を行いたい旨の申出がありましたので、これを許可しております。御承知おきください。
 なお、撮影については、申し訳ございませんけれども、ここまでとさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは、きょうの議題に入りたいと思います。
 きょうは、先ほど御説明がありましたように、まず京都市教育委員会からヒアリングを行います。前回と同様に、基本的には三つの柱に沿って御報告、御発表をお願いできればと考えております。一つは小中一貫教育の具体的な成果や課題、二つ目には、その課題解消に向けた取組の進捗状況、そして3番目には小中一貫教育に指摘されるデメリットなどに対する考え方や対応状況などについて御発表いただければと思います。
 その後に安彦委員から、これまでのヒアリングを踏まえて、学術的な立場から御発表いただきたいと思います。
 そして最後に、小中一貫教育などに関する実態調査の結果がまとまりましたので、それを事務局から説明いただきたいと思います。
 それぞれのヒアリング、説明の後に10分ぐらいの質疑応答の時間を設けて、最後にまとめて全体で意見交換ができればと考えております。よろしくお願いいたします。
 それでは京都市の教育委員会から御発表をお願いいたします。内容が大部ですので、発表時間、およそ30分を予定しておりますので、御了解いただければと思います。それでは、よろしくお願いいたします。
【京都市】  失礼いたしました。貴重な3分ぐらいを使ってしまったかと思うんですけれども、申し訳ありません。
 おはようございます。早速始めさせていただきます。京都市の小中一貫教育の取組ということで、きょうは京都市全体の取組と、それから京都市立東山泉小中学校、それから京都大原学院、この3本の報告をさせていただきたいと思います。
 まず京都市の方ですけれども、時間の関係もありますので、京都市の基本情報等は、もう御存じのとおりでございます。このような児童生徒の人数になっております。
 京都市の歴史と伝統ということですけれども、京都市の教育の基盤になっていますのは、ここにありますような竈(かま)金の精神とよく言っているんですけれども、学校を地域の人たちが作って、地域の人たちが守ってきたというふうな伝統的な思いがあるわけで、これを基にしまして、「地域の子供は地域で育てる」ということを常に合い言葉として取組を進めてきたわけです。これから言いますいろんな取組も、この「地域の子供は地域で育てる」ということが全ての基盤になっているかと思います。
 この基本的な考え方を基に、二つの大きな取組をしています。一つは学校運営協議会の制度、コミュニティ・スクールに対する取組です。この設置拡大が平成16年度から行われています。それから、地域をつなぐ小中一貫教育の推進ということ、こちらの方も平成16年度から。ちょうど時期を同じくして二つの取組が進められた。何度も申しますが、その基盤にあるのは、「地域の子供は地域で育てる」と、こういう考え方でございます。
 その結果、現在の京都市の学校運営協議会の指定校数はこのようになっておりまして、全体で京都市全体の82%の学校が学校運営協議会を設置しているということで、特に小学校につきましては、もう今年度中に100%になる予定をしております。
 もう一つの大きな流れが京都市の小中一貫教育ですが、こちらは平成16年度から小中一貫教育特区の認定を受けまして、こちらの方の取組がスタートということになっています。
 ですから、この時点では一部の学校の取組ということで終わっていたわけですけれども、それが徐々に拡大していきまして、特に平成20年度には小中一貫教育の推進校を指定しまして、全行政区で取組が始まりました。
 ただ、これも行政区のうちの幾つかの学校ということですので、全ての学校に広がった、ブロックに広がったわけではなかったんですが、その流れの中で、きょう発表いただきます京都大原学院の方も開校いたしました。
 それから平成23年度、これが非常に大きな流れだと思うんですが、小中一貫教育を全中学校ブロックに展開いたしまして、この時点で京都市全体で小中一貫教育を進めるという流れができたわけです。
 そして、その後、東山開晴館、それから凌風学園という二つの施設、一体型の小中一貫校が誕生いたしまして、それから今年ですね。きょう発表いたします東山泉小中学校の方が開校いたしました。
 京都市の小中一貫教育の基本的な考え方というのは、このように全教職員が小中9年間の学びと育ちに責任を持つと、それだけではなくて、家庭教育も含めた計画的・系統的な一貫教育を地域と一体となって行い、小中9年間の学びと育ちに責任を持つと、こういうことを大きな考え方としています。
 また取組の視点は五つ挙げているんですが、細かくなりますので省略いたします。
 京都市の小中一貫教育の形態といたしましては、一つは施設一体型があります。小中学校が同一施設、同一敷地内にあることを活用した小中一貫教育ということで、花背小中学校、京都大原学院、東山開晴館、凌風学園というふうに順次開校いたしております。
 これらの学校につきましては、学年区分は一応4-3-2という制度をとっています。施設一体型であるから4-3-2を選ばなくてはいけないというわけではありませんで、これらの学校も、その地域性に応じて4-3-2という制度をとっているということです。
 また、既に向島中学校ブロックとか幾つかのブロックで、小中一貫校の計画は立てているところです。
 施設一体型の詳しい解説ですが、省略いたします。
 もう一つが施設併用型と言われるもので、学年区分は、これも5-4制をとっているわけですが、京都御池中学校ブロックと、それからきょう発表します東山泉小中学校ですが、こちらも施設併用が必ずしも5-4と決まっているわけではなくて、この地域の実態に応じて、また地域性を生かして5-4という制度をとっているわけです。
 もう一つは、これも一般的なことですが、連携型と呼んでおりまして、学年区分は6-3制となっています。いわゆる小・中学校が独立しながら、教員と地域の緊密な連携による小中一貫教育ということで、京都市の大半は、この連携型になっています。
 その他といいますのは、ちなみに中高一貫校とかでございます。
 京都市の小中一貫教育の成果です。大きくは三つあると思いますが、一つは意識改革ということです。もう一つは、小学校同士の連携ということです。それから、もう一つが学力向上と学力情報の共有ということです。
 この学力向上について少しお話をしておきたいと思いますが、京都市では京都市学習支援プログラムというものを組んでおりまして、学力面から小中一貫教育を進めるような取組を行っています。
 具体的には、小中間の段差を学力面からフォローするシステムとしまして、プレジョイント・プログラム、ジョイント・プログラム、学習確認プログラムという、学習を確認するようなテストと言うんでしょうか、教科を行っているわけです。
 この教科、テスト、こちらの効果としまして、小学校の段階から中学校の学習スタイルになれるという効果が見られています。それから、小中学校間で子供たちの学習の結果を共有することによって、非常に効果的に子供たちの指導を行うことができるようになっているところです。
 その結果としまして、これは全国学力・学習状況調査の結果なんですが、2教科の合計の数値を、全国を100としまして指数に表したものです。上の方が小学生、下の点線が中学生ということになっていますが、ごらんのように、平成21年度から平成25年度にかけて中学生の方の伸びが非常に大きなことになっています。この平成23年度というのは、ちなみに、先ほど申しましたような全市に小中一貫教育を展開した年になっています。これだけの原因というわけではなくて、いろんな形の取組によるものですが、実際にこのような形になっています。
 ちなみに今年の結果がないのは、まだ京都市の結果としてオープンにしていないので、きょうは控えさせていただいたんですが、正直、若干落ちております。若干落ちておりまして、小学校の歩み寄りが見られます。歩み寄りは、つまり少し落ちているということですが、結果としまして、どちらも指数は100を超えていまして、良好な結果かなと考えています。
 課題としましては三つあるわけですが、一つは、先ほどから申しますように、地域を生かした小中一貫教育ということで、地域を生かした小中一貫教育のカリキュラムを作っていくこと、本当に地域を生かしたことになるのかどうなのかという課題はあります。
 それから、もう一つが中学校区内の人事交流の拡大ということで、これも一部行われ始めているんですけれども、まだ数としましては、それほど多くもありませんで、この辺の拡大が必要かなと考えておるところです。
 それから小中一貫による学校運営協議会の設置ということで、これもいろいろな形式を考えながら、設置は今、各学校でということになっていますが、運営については小中一貫教育でということを主に考えているところです。
 以上で京都市の全体の報告を終わらせていただきます。
【東山泉小中学校
】  失礼いたします。この春4月に開校いたしました京都市立東山泉小中学校の村岡でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日お手元の資料に従いまして、私のところの学校の、特に5-4制施設併用型の小中一貫教育校の設立に至った経緯、それから小中一貫教育校ですので様々なつなぎがございますが、5-4制によるつなぎ、それから施設併用という条件の下でのつなぎ、それから6年生が日常的に、七、八、九年生と呼んでおりますが、中学生とともに学校生活を送っておりますので、その重要性を握る学年という捉え方をしておりますので、その6年生につきましても、そういうところに絞ってお話をさせていただけたらと思います。よろしくお願いします。
 まず、これは京都駅、真ん中にございますのが京都タワーでございますが、ここからJRで東の方に参りますと、この橋を渡ると、我が町、東山区に入ります。それで、先ほどからございましたけれども、1中3小が統合しましたが、一つは、いわゆる番組小学校と言われる学校。それから中学校の方も、昭和22年設立の学校でございました。ここを、それぞれ校舎を整備し、あるいは増改築をし、施設併用ということにしております。
 先ほどのJRを、この東山の方に渡る学校の部分なんですが、この東山の部に位置する学校が私どもの東山泉でございます。西学舎、東学舎としておりますが、実は赤い線でつないだ道が折れる所、ここが泉涌寺というお寺の山門でありまして、この東学舎、元中学校の方は、そのお寺の中にあるという学校でございます。ここをつないだ道が、これが泉涌寺道というんですけど、約750メーターございます。この右手の方が山手になりますので、西学舎から東学舎には緩やかな登り道になるんですが、この間を主に6年生が、小学校課程の中での特別活動に位置付けられるクラブ活動でありますとか、それから児童生徒会活動、それから水位の関係で、安全を見越して、この夏はプールの授業は西学舎で行いましたし、もろもろ教科によっての移動であるとかということで、両方の学び舎を使っているところでございます。
 教育目標でありますとかこういうところは、お手元の資料を見ていただけたらと思いますので、飛ばします。
 児童・生徒数、学校規模ですが、全体で約700名弱というところです。当初からの予定どおりの数で開校いたしました。育成学級にございますのは、京都ではこう呼んでいますが、特別支援学級のことでございます。
 そこで、この統合小中一貫校の設立に至る経緯でございますけれども、平成18年から三つの小学校が全て単級だったということもありまして、小規模校問題検討懇談委員会というのが立ち上がっております。
 そこで、ちょうどそのときに、先ほどの説明もございましたけど、北部に位置する開晴館が既に統合に向けて動いておりましたので、地元の方が、かなりその部分に触発されたところはあったと思っております。
 それで、いろいろ参考になったわけなんですけれども、小中一貫教育校、施設一体型ということを考えたときに、肝腎の拠点となる校地が1中3小のうちどれかというところは、なかなか適正な規模が見いだせない。あたかもその時期に、これも京都御池中学校が新たな学び舎を構え、そこに御所南小学校、高倉小学校の6年生が通う。つまり5-4制の。3校の形ではございますが、そういう活動が始まりましたので、それを地域が学習会、見学会として、地域保護者の皆様が行ってこられて、その姿をつぶさに見てこられた。こういうこともありきということが、そこであったように聞いております。
 そこでいろいろと総合的な議論も進む中で、この平成22年の施設併用型小中一貫教育校に至るわけなんですけれども、ただ、ここで5-4制というところに絡みましては、やはり子供たちが、子供の成長を助長する一つの要素に、上の学年、上級学年とつながることの教育効果があるんじゃないかということが一つございました。
 そこで、小学校の高学年になりますと、だんだんと抽象的な思考もできるようになってくるというところで、6年生を7年生と一つ近い距離に置き、そして学びの充実期ということとして、小中双方の学習指導要領に沿いながらも、学びの方法、学習方法や学習形態、そういうことを工夫することによって言語活動を充実させ論理的思考力を育んでいける、そんな取組ができるんじゃないか。そういうことの一つの仮説でございますが、施設一体型というシステムを生かして、学年区分を5-4制としてきたという経緯がございます。
 この辺のコンセプト、ここに小学校と中学校をつなぐことが必然になるということを強く思っております。
 この後、幾つかつなぎの例をお示ししていきたいなと思うんですが、いろんな視点からのつなぎというのが言えると思います。
 まず一つ目でございますが、学級担任制、それから教科担任制、小中をつなぐときに一番考えるべきことというのが、この辺のことになってこようと思います。それで、今現在、6年生、開校したてでございますが、6年生は国語、社会、算数は担任が授業をし、それ以外の教科は中学校籍の教員による教科担任制をしきました。道徳とか特活、総合的な学習の時間等もございますので、週1で共同、半数余りは担任がもちろん指導しているわけですが、多くの教科で導入しています。5年生から始まる家庭科、あるいは理科、音楽、英語活動等では教科担任制、中学校教員が入っている。それから英語活動を、教育課程特例校ということで、1年生から早期開始いたしましたので、そこにも中学校籍の教員が入っているようなところがございます。
 それで、ここで教科担任制による指導が学級担任制、担任が全てを指導する指導形態にすぐれているということを考えているわけではございません。学級担任制では複数の教科を一人の教員が指導することで、教科間の連携でありますとか、指導法の一体感等、子供たちにとっては非常に有効性もあるということを、これも議論いたしました。
 ただ、中学校課程に進級していき、一度に教科担任制に切り替わることが、いわゆる一つのギャップというか、一つの弊害というか、子供たちに戸惑いが起きることにもしなるならば、その教科担任制の導入を段階的に計画的にしていくのも小中一貫教育校の有利な特性ではないか、こういうふうに捉えたところがございます。
 したがいまして、その形もそうなんですけれども、次にお示しいたします「学びのスタンダード」と呼んでいるんですが、学びの形でありますとか学びのプロセス、あるいは授業の進め方、いわゆる授業規律の部分を含めまして、これを、もちろん学齢により段階的なところはありますが、できるだけスタンダード化しようということで、開校2年前より、この学びのスタンダードという下に作ってまいりました。
 それからもう一つが、9年間の学びをつなぐという視点から、シラバスを開校前年度に作ったことでございます。内容的には目標、学習内容、評価計画、業務活動の内容、また家庭でいろいろ気を付けていただきたいという欄を設置し、1年間の学習計画を示しております。
 6年生の分は全てのページに「50分授業の工夫」という欄を作りまして、既に全部配付しておりますが、下半期から、また今年の見直しをして、来年度版の編集に当たりたいと思っております。
 一例が、ちょっと細かくてあれですが、これは6年生のページでございまして、50分授業における工夫というのがあります。先行して、こういう形の冊子ということで全校に配付をしております。
 あと、つなぎの具体例。生徒指導というくくりをいたしましたが、特に児童生徒会というのを9学年。1年生、2年生がなかなか活動に加わることはありません。会議等は難しいですので、4年生以降で合同の会議等を行い、また9学年全体での児童生徒総会というのも既に実施したところです。
 部活動は、またこの後、6年生のところで触れたいと思います。
 それから、さっき言ったように6年生の具体例といたしまして、教科担任制は先ほど触れましたので、次、定期考査ですね。これも一つ特徴的な取組として開始をしました。
 ある一番初めの、年5回しておりますが、最初の4教科から始めまして、段階的に全ての8教科まで拡大をしております。テスト1週間前、これが中学生が部活動停止で、放課後も自ら学ぶ姿があるんですけれども、そこに交じって子供たちも学んでおります。6年生が部活動をしております。
 部活動、これは東学舎や西学舎ということで自由に選択させておりまして、結果として、西が1年生から5年生までですが、6年生80名のうち、圧倒的に中学生と交じった部活動を選ぶ子が多かったというところがございます。
 最後、メリット、デメリットなんですけど、施設併用の部分でございます。やはりステージごとに学び舎が分かれていることで、それぞれ狙いを明確に示すことができること、それから授業時間も45分、50分、区別が付けやすい、あるいは教育環境が二つあるというのが非常に利便性がある。
 教員の意識改革もございましたけれども、いろんなことで初めてのことに取り組んでおりますので、その辺の準備が周到なところもありまして、この辺も意味の効果、一歩かなと思っております。
 反対にデメリットも当然ございます。これは学舎間移動が安全対策、時間も掛かるということ。教科担任制で行う授業に中学校側から移動をしますので、その辺、時間割編成が複雑になる。それから職員会議、研修会が通常、合同で持ちにくいなどがございます。
 最後に6年生の見られる変容でございますけれども、「学校が楽しい」という答え、これは社会性変容調査ということで、国研の生徒指導センターの御指導の下に行っておりますが、昨年5年生からしておりますので、5年生、年2回、5年生の前期、後期、それから6年生の7月にとった分と3回でとりまして、黄緑色が最初に浮くんですが、「学校が楽しい」というのが増えました。これは非常に順応してくれていること、上の学年と交わることに意義はあるという表れかなと思っています。
 教科担任制を多く入れましたが、「授業がわかる」というのもプラスの傾向が出ている。
 それから、やはり東学舎では一番下の下級学年になりますので、お世話活動の部分では、日常的にはされる側が多いので、人の役に立つとか、相手を助けるというところの意識は少し目減りをしているところがございます。
 そういうことで、開校半年というところでございますが、教員の意識改革の下に、いろいろしているところでございます。
 また、この後、貴重な御意見を賜りたいと思います。よろしくお願いします。
【京都大原学院】  失礼します。京都大原学院校長の石飛です。よろしくお願いいたします。
 実は夏休みに口の中を手術いたしまして、そのせいでお聞き苦しいこともあるかと思うんですけれども、精一杯伝えますので、よろしくお願いいたします。
 きょうお話ししたいことは、ごらんの5点です。大原は京都市の北東、滋賀県との県境にある地域です。かつては小浜から京都までサバを運んだ鯖街道の中継地点でもあります。
 京都大原三千院で有名な三千院、建礼門院が院政された寂光院を校区に持つ学校です。
 ちょうど今の時期ですけれども、しそ畑の紫に里は染まり、このしそを使って作るしば漬けが名産品であります。
 大原には現在二つの規制が掛けられております。新しく家が建てられてないということのために、人口の流入がほとんどありません。
 これが本校なんですけれども、中央のグラウンドが大原小学校、そして奥のグラウンドというところが大原中学校、隣同士の学校が一つになりました。
 このグラフは大原小中学校の児童生徒数の推移を表しております。ここ10年間で約3分の1になりました。
 平成16年、この年に少子化問題対策委員会が自治連の方に設置されてからは、学校存続をめぐり地域全体で協議してきました。少人数の教育に対する不安の声や近隣との学校の統合を希望する声もありました。しかし、「地域には学校がなくてはならない」という声が多く、住民のアンケートを経て、大原に学校を残し小中一貫校として地域の子供たちを育てていこうということを決めました。地域は、若者が帰ってきて自分の子供たちを学ばせたくなるような魅力ある学校作りを願っております。
 平成21年4月3日、京都大原学院の開設式が行われました。開設に当たり「目指す子供像」、校名、校歌、標準服などを決めました。校名決定の際には、今も学校運営協議会の理事であります、当時、玉川大学大学院教授、現在、常葉大学の教授の小松郁夫先生に助言を頂き、京都大原学園ではなく京都大原学院に決定しました。
 これが本校の教育目標です。この目標達成のために「三つの目指す子供像」を決めました。「思いやりをもち、自ら汗のかける子」、「科学的思考のできる子」、「コミュニケーション力を発揮できる子」の三つです。
 また、9年間を三つのブロックに分けました。校舎の配置にも工夫をしました。1年生から4年生までの前期ブロックと八、九年生の後期ブロックを旧小学校の一つの校舎に、中期ブロック五、六、七年生を旧中学校の校舎に設置しました。間に委員会の方に渡り廊下を造っていただき、ここを渡るごとに一つずつブロックが上がると、そういうシステムを作っております。
 これは本校の力点の置き方を3次元で表したものです。将来に生かすために見える学力と見えない学力を両方とも付け、それをチャレンジさせるということに力点を置いております。
 そして、これが本校のコンセプトです。「地域(大原)を誇りに思い、将来の大原をつくっていける人材になり得る力をつける」と、「子供は地域の未来をつくる宝」という認識であります。
 本校の特徴を一言で表しますと、地域の教育センターになっている小中一貫型コミュニティ・スクールと言えると思います。
 この写真を見てください。これは本校校舎の一角に0~3歳児の子供とお母さんが来る子育て施設です。名前を「ぴーちくぱーちく」と言います。ここに子育てのアドバイザーさんが常駐しております。「ぴーちくぱーちく」は地域の次の世代を創る、そういう役割を示しております。
 また昨年度、東館の1階に昼間里親施設「小野山わらんべ」が開設されました。ここでは0~6歳の保育がなされています。大原では0~15歳の教育センターが、ここに誕生しました。
 休み時間になりますと、ごらんのように、学院生と保育児の交流がいつも見られます。
 地域行事に参加する子供たち。校舎の廊下には地域の写真が飾られています。運動会では地域の方と一緒に。小中一貫、地域とともにの姿が至る所で見られます。
 本校は今年度、開設6年目を迎えています。そこで5年間の成果をまとめてみました。小中一貫教育に加えて、保育機能と子育て相談機能を備えた総合的な教育機関ができた。地域と一体になって学ぶ機会、内容、環境が整ってきた。言葉の教育に組織的に取り組んできた。子供たちが自分で目標を立て、達成を実感できる自律的な取組が組織できた。前期・中期・後期ブロックの取組を通じて、目標とする先輩の姿が明確になった。
 昨年度行ったアンケートでも成果が確認されております。この辺は、お手元の資料をごらんください。
 さて、特に成果として感じましたのが、最後の卒業後に子供たちが非常に頑張る姿が見られてきたということが挙げられると思います。高校生になって英語の留学に進んでいった子供たち、大学生で、先ほどの被災地を含めましてボランティア活動を熱心にやっている子供たち、こういう姿が見られることになったということを非常に喜びに感じております。
 また先生方にも、つながりであるとか、たくましくといったことをキーワードに教育することが非常に広がってまいりました。
 おかげさまで多くの学校や地域が視察に来られるようになりました。真ん中に書いてあります、地域と一体となってボトムアップで作り上げた小規模施設一体型小中一貫校のモデルと、これが本校の期待されていることだと認識しております。
 特に震災後に来られた石巻市立雄勝中学校には、こちらから本当に教えることは何もなかったんですけれども、先生方の、学校の先生がまちづくりをしていくんだと、そういう取組に少しでも大原としてお役に立ちたいなと感じております。
 また、自己有用感を生むモデルとして、学校自体が大きな家族という認識を持っております。その家族の中で身近なモデルが見られるということが大きな教育効果ではないかと感じております。
 さて、課題ですけれども、開設時の熱い思いをどう継続させていくのかということが今の課題ではないかなと感じております。
 また、本校が子供たちに求めている力の分析評価をどう客観的に示していくのか。特に地域の方から、「教育関係でない者に分かりやすいように言うてな」とおっしゃいます。そういう所にきっちりと答えていけるような伝え方を考えております。
 実は私は14年間、この大原で教育をさせていただいております。その間ずっと大切にしてきましたのが、京都のこの二つの理念です。地域の子供を地域で育てる、一人一人を徹底的に大切にする。
 それぞれの地域には未来があります。それぞれの地域の子供たちには将来があります。きょうの私たちの話が少しでも、それぞれの地域のお役に立てればと思っております。
 御清聴ありがとうございました。
【小川部会長】  ありがとうございました。発表時間が少し長めになりましたので、質疑応答10分ぐらい予定していたんですけれども、5分ぐらいしかありませんので、2、3、御質問があればお受けしたいんですが、いかがでしょう。
 では、天笠委員と貞広委員、あと中西委員と北條委員、この4人で終わらせていただきたいと思います。では、天笠委員からお願いします。すみません。マイクをお願いします。
【天笠委員】  すみません。京都市の市としての発表、教育委員会からの発表についてのところで、最後の課題について3点お示しいただいたんですけど、そのうちの1点について、もう少し御説明をお願いできればということであります。
 それは、私もコミュニティ・スクールの委員会の方にちょっと関わりを持たせていただいておりまして、その観点からなんですけれども、京都市と三鷹市、それから山口県はコミュニティ・スクールが随分普及している、全国でも著名な地域の一つです。そのコミュニティ・スクールと小中一貫とを併せて推進すると、そういう地域的な特徴を持っているわけですけれども、その中で課題として、運営協議会をブロックごとで作る、合同で行うということと個々の学校でそれぞれブロック内で持っているということ、現行の制度では個々の学校が持つ形になっているわけですけれども、そこら辺の個々の学校が運営協議会を持つということと合同でブロックごとに持つという、このあたりのところについて何が課題でそれを克服されていこうとしているのかどうなのか。最後の点について、もう少し御説明いただけると有り難いなと思いますので、よろしくお願いいたします。
【小川部会長】  質問を一括して受けますね。では、貞広委員、どうぞ。
【貞広委員】  ありがとうございます。私も京都委員会の御報告の方で御質問申し上げます。資料を拝見したところ、小中一貫教育を立ち上げるに当たって複数のケースで学校統廃合が行われています。例えば小中一貫校を入れるに当たって、統廃合をせず、中学校1校と小学校3校のものをそのまま残して、その4校をネットワークのように、つないで小中一貫教育をやるという選択肢もあったと思うのですが、京都市さんでは、基本的に小学校は統合されていると拝見しました。
 この理由について、例えば、教育活動の充実には小学校が一つになっていなければいけない、又は小学校もこれぐらいの規模じゃなきゃいけないというような御判断だったのか、又は校舎の整備の問題からこういう選択肢になったのか、それともほかの要因があるのか。また、地域から小学校がなくなってしまっている所があるわけですけれども、そういう地域の保護者の方は新しい学校にどのような評価をされているのかについて伺いたいと思います。
【小川部会長】  中西委員、どうぞ。
【中西委員】  ありがとうございます。東山泉でデメリットとして移動に1単位時間を充てる必要があるという御説明がありましたけれども、これ、結局、どういうふうにその分を解消されているのか。あるいは、京都市全体での連携の場合に何か工夫のようなものがあれば、それを教えていただきたい。
【小川部会長】  では最後、北條委員。
【北條委員】  ありがとうございます。10年以上前だったですけど、幼児教育部会で、当時教育長であられた現門川市長と御一緒させていただきました。敬愛する先生の御地元で、大変丁寧な御説明ありがとうございます。
 まず資料1-1でありますけれども、最後の所に課題として「地域を生かした」というお言葉があります。これは、言うはどこでも言うんですが、とりわけ公立学校においては具体的には結構難しい問題だと思います。もうちょっと具体的に突っ込んでくると、この地域を生かすというのはどういう事例があるのかをお話しいただければと存じます。
 それから資料1-2の12ページの所でありますけれども、専科で中学校籍の先生が第一小学校の方で教えておられるということで、特に英語なんか1年生からということであります。中学の先生が小学校1年生、なかなか大変なことだと思いますけれども、例えば免許状の併有状況についてはどういうことになっているのかについてお話を頂きたいと思います。
 最後に資料1-3であります。4ページに歴年の児童数の推移がありまして、中学校と小学校の所に大分大きな差が出ていると思いますが、一貫校への歩みを進めたことによって、この問題はどういうふうに変化しているのかをお教えいただきたいと存じます。
 以上でございます。
【小川部会長】  では、すみません。順次お願いいたします。
【京都市】  では、最初の地域を生かした小中一貫教育のカリキュラムということです。実際にどのように地域を生かしていくのかということですが、やはり困難な家庭状況の地域もあるわけでして、そこに本当に一般的なカリキュラムだけでいいのかどうなのかということの問題が一つあります。
 それから、5-4制をとっている学校は特に、きょうも発表あったんですが、本当にこの5-4の4が、4の最初の6年生がスタートになっているのかどうなのか。6年生がまとめの段階の6であるのか、それともスタートの段階の1であるのか。この辺のカリキュラムの問題がありまして、そういうのに地域性というのは、その地域の実態もありますし、そのカリキュラムの実態ということもありまして、今後も本当に一般的なものだけではないものを作っていかなくてはいけないなと思っているところです。
 それから、ブロックによる学校運営協議会の設置ですが、これも小中一貫教育と相まった取組ということになってきています。当初は小学校の方は主に学校運営協議会を設置していたわけなんですけれども、そこに中学校ができてきて、中学校でも学校運営協議会が設置されますと、それぞれのメンバーが重なってきたりとか、あるいは運営上にまた重なりが出てきたりとかいうことが出てきまして、これは小中一貫教育を取り組んでいる上からももう一度見直して、運営については小中でということも考えていかなくてはいけない。これは文科省の方も言われていることですが、そういうことを考えているところです。かなり進んではきていると思っています。
 ただ、今のところ、天笠先生もおっしゃったように設置は各学校で行っているところです。
 それから、統合の問題ですね。主に統廃合があったわけなんですけれども、このきっかけとしましては、大半、やはり規模の問題です。かなり少子化が進みまして、小規模校化になりました。京都大原学院のように周辺部の小規模化はかなり前から始まっていたわけなんですが、京都市の市内、中心部の方もかなり小規模化が進みまして、これをきっかけにして、当初は小学校の統合とか多かったわけですけれども、最近は、その地域のもう一つのきっかけとか、今後更に発展していくためにということで小中一貫教育を希望される地域が多くなっているところが実情です。
 そういう新しい学校に対する評価ですが、大体今のところは好評頂いているように思います。というのは、いわゆるなくなった学校についても適正な、いろいろその地域の方の思いを生かしながら跡地利用などをしているところですので、決してなくなってしまうとか、そこに人がいなくなるということにはならないようにしてきましたので、大丈夫かなと思っております。
【東山泉小中学校】  まず私のところのデメリットで、750メーターの坂道学舎移動の部分でございます。これは独自の条件ともちろん思っておりますが、6年生が移動する際は、最初に西学舎に登校して、そして給食を食べて東に移動するとか、あるいは東学舎から4校時目に移動して西学舎で給食を食べるとかというふうにして、もし移動の際は、もう1単位時間だけということを、まずしております。
 今、週29こまでしておりますので、大体その辺の頻度として週1。年間通して週1回ペースですので、週28になることでも指導時数は確保しているというふうにしております。
 それから安全面では、3小学校がございまして、二つの小学校、今空(あ)いておりますが、そこを地域コミュニティーの場として、その施設を管理する管理主事さんとして、退職をした先生がおられますので、その先生方も移動の際に担任と一緒についていっていただくという複数での移動をとっております。
 それから次、中学校の専科、英語科等々、指導へのことです。京都市全体でもそうですけど、大体平均値なんですが、実際に私のところは、中学校教員で小学校免許を持っているのが約3分の1弱です。それから、小学校教員で中学校免許を持っているのは、逆に半分以上おります。
 ですからなんですが、それよりも英語の方が、今回の統合も含めて、昨年まで小学校籍であった教員が中学校の英語の免許を持っているのが異動で入ってきた。あるいは小学校の方には、そういう中学校経験のある教員もいて、英語活動主任というのをしておりますので、合計、英語は5名で9学年を担当しているということ。
 それから、中学校籍の者が1年生、確かにそう思われると思うんですが、決して中学校籍、全てこわもてのということではございませんので、これはその教員のキャラといいますか、人間性も見て学年配当等は決めました。
 以上でございます。
【京都大原学院】  失礼します。先ほどの指摘の中で、実は平成16年という数字をあげさせていただいたのは、この年度に小学校から中学校、隣接の学校なんですけど、入ってくる人数が一桁になったということで、これで地域が慌てまして、何とか学校のことを考えていこうということになった次第なんです。
 その理由は、一つは、これは小中一貫というより小規模校でありますので、同じメンバーで9年間育っていくと、その中で何とか人間関係を変えたい子供が私学に行くなどという形で考えられたことがあったかと思います。
 そういう意味でいうと、小中一貫校になってからは、9年間の子供たちをしっかり両方の教員が見ておりますし、そういう人間関係をしっかり小さい段階から見ていこうということを通じまして、現在、この2年間は私学に行っている子、いわゆる小学校から中学校に上がる子のときには、ほかに行っている子が全くいません。それどころか親戚を伝って入ってくる子供たちが出たということが、地域の方にも非常に学校が信頼していただいて、子供像が明確に示されてきた成果ではなかったのかと思っております。
 以上です。
【小川部会長】  ありがとうございました。追加の質問とか御意見あるかと思いますけれども、最後のところでまた時間をとりますので、そのときによろしくお願いします。
 では、次の安彦委員から御発表をお願いしたいと思います。マイクはないですか。では。
【安彦副部会長】  パワーポイント、自動的に出すんですか。
 お手元のだけでいいですか。いいですね。
 では、お手元に打ち出しを用意してありますので、それを見ていただきながら話を聞いていただければと思います。
 私の話、年寄りは話が長くなるということですので、短めに、きちっと時間が来たら終わりまして、後で御質問等を受ける形にさせていただきます。
 まず、こういう問題関心に対して少し幾つかの背景を申し上げます。最初に私は、そこに書きました80年代の後半から自民党の文教部会では6-3制の学制改革に強い関心を持っていた。あるいは臨教審あたりから既にそういう話題があったのだと記憶しております。
 斉藤斗志二さんという方が自民党の文教部会長のときに私、呼ばれまして、この部会で当時の80年代半ばのアメリカの6-3-3につきまして少し話をいたしました。
 斉藤さんはともかく、御自身のお言葉ですと、「私が素人的に見ても6年というのは長過ぎる。同じ中高の場合は3-3と切れているのに、小学校の場合には、ただ6だというのが長過ぎるように感じるけれども、専門的にどうか」という疑問があるということで、何かもう少し専門的な議論はないのか、という話で私は選ばれたようです。
 現在、斉藤さんは5-4制を主張している。この頃の段階では斉藤さんの関心は、むしろ前期中等教育の充実の方を考えていた。3は少し短いのではないかというニュアンスだったように思います。
 そういう意味でいいますと、最近のこの議論は文科省がというよりは、むしろ自民党の政治家の方から、以前から問題提起があったものだと考えていただければと思います。
 次に行きまして、私の個人的な関心は、むしろ私は中学校のカリキュラム研究が専門でありまして、そういう意味で当時ニュータイプの中学校、つまりジュニア・ハイではなくてミドル・スクールと呼ばれる中学校がかなり広まりまして、それがそもそも、大体60年代の後半からミドル・スクールが出始めるんですけれども、私が参りました1984年から85年という時期は、ちょうどこの数の上でジュニア・ハイとミドル・スクールが逆転いたしました。その後の、10年前のデータですけれども、今そこにある5-3-4あるいは4-4-4というので合わせて8割ぐらい、それから6-2-4、これが約1割、それから6-3-3というのはたったの4%ぐらいになってしまっております。現在はもっとこの数字は変わっていると思いますが、ミドル・スクールが主体であることは明らかであります。
 それから、ミドル・スクールというものに対してですけれども、基本的にこれはジュニア、小ハイ・スクールというニュアンスからミドル・スクールという呼び名に変えた趣旨は、年齢も差がありますので、もう少し子供中心で、そしてチーム指導体制――これはチーム・ティーチングと違いましてチーム・オーガニゼーションといいますが、一言で言えば学級担任と教科担任との中間といいますか、折衷というか、組合せというか、そういう形で一定のチームを作ります。例えば1学年4クラスあるとすると、2クラスずつ2チーム作って、チームリーダーの先生を中心に、その2クラスずつを担当する教科担任及び、それに関わる養護教諭とか、そういう関係の人たちが入った10人前後の先生の方の集団と、それから、その2クラスの子供たちとで、先生と子供を合わせてAチームならAチーム、BチームならBチームと言っているわけです。
 これを、そういう形で、いわば集団的な側面を少し強めていくということが特徴であります。その際、各チームが、むしろ、いろいろな場面での行動単位になっております。
 こういう形でミドル・スクールが、ある意味では指導体制が一番大きく変わっていたということ、よくチーム・ティーチングと誤解されますけれども、チーム・オーガニゼーションあたりにもう少し目を向ける必要があるかな。
 免許につきましては、私がここに行った84年、85年あたりが一番議論がありまして、その頃、新しい免許を作ろうという議論がありました。したがって現在は、ミドル・スクールの免許が独自にあると考えていただいていいと思います。
 しかし、日本の場合には、これ、ジュニア・ハイのかわりに一つの学校種を作るわけではありませんので、改めて、その免許につきましては議論の余地があるかと思います。
 それから、そもそも改革につきまして、この子供の側の問題だけではないということ。日本の場合も、先ほどから伺っていて、そうだと思いますが、行政上の理由として、アメリカの場合にはベトナム戦争後、若い男子が戻ってきて、ベビー・ブームが起きます。そうしますと、子供たちの数が小学校の収容能力を超えてしまいまして、したがって小学校の上の方の学年を中学校に上げてはどうかという議論が、行政上の理由として出てきました。
 もう1点は、人種差別問題に対して、御存じのように公民権運動が60年代から盛んになりまして、いわばその地域の有色人種と白人とをそのまま放っておくと、白人だけの学校、有色人種だけの学校になりがちだということで、それを改善するために、その地域の人種比率に合わせて学校の人種比率も同じにしようという動きがでてきて、バッシングという、バスを使ってその比率に合うように子供たちを運び回す、そういう学校作りをやった。それとタイミングよく合わせて、こういうミドル・スクール改革というのが行われた。したがって、大体、複数のいろんな事情が絡まないと、なかなか学校制度改革まではいかない。
 アメリカの先行事例として下に見ていただきますと、今のミドル・スクールの動きに加えて、最近の傾向ですけれども、小中一貫校が前提の大都市を中心に、シカゴやニューヨーク中心に約1割――今ではもうちょっと多いかもしれませんが、あります。
 ただ、この場合に、御存じのようにプレはプレスクールのことですが、プレスクールというのは、もうその学校の中にある、それが小学校の中に既に部屋としてありますので、そこでプレが大体入るわけです。そうしますと、プレ・トゥー・8ということで9年間を通すということ。そうしますと、プレを入れた3-3-3とか、5-4とかというような組合せになっております。その辺、ちょっと日本と事情が違います。
 日本の場合は先ほどからのお話があって、これで私は、これぐらいの数の都道府県に出入りしておりますけれども、そのほかにもっと今は増えてきているという状況であります。
 改めて、そういう全体の傾向の中で、私の関心とも併せて申し上げますと、小中の接続関係の円滑化から一貫性を強めていきたいということでありまして、そもそも一貫が先にあるわけではなくて、初等教育と前期中等教育をいかにかして円滑に持っていくか。ですから、それぞれの初等教育と前期中等教育の固有性というのは残す。ある意味では段階というものを念頭に置いて、その段階のつなげ方を円滑にしなければいけない。これはどういう学校であろうと、必要なことであります。
 そういう意味でいきますと、私は前から申し上げているように、全国一律の学制改革をやるんでしたら、高校まで入れてやるべきだと考えておりまして、そうでない場合には小4プラス・マイナス1、つまり小3で切ったり、小4で切ったり、小5で切ったりという内部区分の形が十分あり得ると思っています。これは後で申し上げる心の発達の問題が、個人差その他含めて幅を持たせているということであります。
 さらに地方の実情、行政上の理由その他で、地方裁量によって6-3の接続というのを、今の状態を絶対にしない複数の関係があった方がいいだろう。
 学校教育法の21条で9年間の義務教育の目標規定が新たに出されましたけれども、これは、ある意味で6-3の区切りを相対化して、いろんな区切り方があってもいいのだ、9年目の目標をきちっと達成してくださればよいという趣旨であったと認識しております。
 そういう意味でいうと、義務教育というのは、今の京都のお話もそうですけれども、はっきり言われているように、期間あるいは年限を指す概念でありまして、そういう意味で義務教育としての普通教育の修了を意味するわけで、そこに幼稚園の年長組まで1年、年限を延ばして下から始めたら、というような議論が生まれる。そういう年限期間の問題ですから、呼称としては、やはり京都の場合のように小・中学校と併存いたしますので、従来のものと併存いたしますから、「小中一貫(教育)校」というような表現が妥当だと思っています。
 次に、その接続関係に関わって、子供の方の問題を少し申し上げたいわけです。きょう私は、どちらかというと、その種の根拠といいますか、背景的な根拠を出したいと思っています。そこに5点掲げてあります。
 これを受けて、私としては「やり方次第だな」と思っておりまして、このやり方をうまくやりさえすれば結果は大体良好であるという認識を持っております。そうでないのだったら私は始めから賛成いたしておりません。
 まず、次の脳科学的な観点からの区切りを申し上げますが、これは1970年代に時実利彦先生という方の大脳生理学の立場からのもの、あるいはその後、高木貞敬さんその他の方たちのもの、そしてアメリカの研究者としてはJ.ギードさんという方――NIHの脳科学研究部門の人ですけれども、この方の研究その他で、ちょっと申し上げたいわけです。
 下にグラフがありますが、これは概念グラフでして、時実先生が描かれたものです。概念グラフですから、データをベースに作ったわけではありませんが、基本的に、これが今の脳科学の研究成果と結び付けてどうなのか、ということを川島隆太先生に伺いましたら、基本的にこれは変える必要はないというお話でありました。大体このグラフ自体は、時実先生の本では1970年前後に描かれていますので、大体1960年代の研究をベースに考えていただいていいと思います。
 右のこのカラーの画像はギードさんたちが出した論文での画像でして、これで何を言いたいかといいますと、大脳新皮質の厚みをこれは表しておりまして、赤い方がより厚い。これ、厚みは場所によって違うものですから、比率で書いてありますが、1が一番厚くて赤、黄色、緑、青、赤紫というふうに、だんだん薄くなります。成熟していくと、脳の皮質というのは薄くなっていくわけであります。
 このグラフを5歳から20歳までの画像で見てみますと、細かいことは申しませんけれども、何を一番言いたいかというと、要するに、脳の新皮質は基本的に全体が満遍なく成熟へ向かっていくのではなくて、ある時期に、まずある部分が早く発達し、次の時期には別の部分が発達していくという、ある種の段階があることが、この画像で分かるということです。
 最初に発達するのは、この5歳の段階では、もう青くなっていて、いち早く赤紫になるのは頭のてっぺん、頭頂葉と後頭葉です。そうすると、頭頂葉、後頭葉というのは、左のグラフの上にある大脳皮質の分業地図で見ますと、運動野あるいは視覚野であります。
 それから、その次に青くなり、更に赤紫に変わっていくのは側頭葉だと考えていい。そうしますと、側頭葉というのは言語野です。
 最後に、いつまでも青みがなかなか付かないで、最初の5歳の頃ではまだ非常に赤い、そしてそれが最後まで残り、かつ最後の段階で一番成熟してきているのが、この前頭連合野というか前頭前野、前頭葉で、思考や意志、創造性などであります。
 このことをこの画像が示しましたので、かつて仮説的にグラフで示したものが、ほぼこの画像で、大体がですけれども証明されているということを申し上げたいわけです。
 その上で4番目の生理的成熟の加速化ですが、これは女子の初潮年齢の低年齢化、あるいは身長の最大時に達する時期の低年齢化、そして小学校4年まで、あるいは中3から上、高校から後の子供たちの身長や体重の分散は比較的落ち着いているんですけれども、小5から中2ぐらいまで、あるいは中3まで入ることがありますが、この4年間あるいは5年間の分散というのは非常に数値が高いですね。これは改めて、この時期が特別な時期だ。要するに、ばらつきが非常に大きい。背の小さい子もいれば大きい子もいる、もう大人っぽい子もいれば本当にまだ子供らしい子がいるという、そういうばらつきの顕著な大きさから見て、この時期を、Transescenceと、ドナルド・アイクホーンという人、ミドル・スクールの研究者ですが、あえて呼んでいる。「青年移行期」と訳すのがいいか分かりませんけれども。そういう特別な時期だと見る人が出てくるほどであります。
 次に平均既潮率の比較については、これは呉市の発表でもあったと思いますが、基本的にこれ、ちょっと古いデータですけれども、1961年と93年の30年間の間に、大体61年のデータを左へ1年ずらすと93年のデータになって、1年ほど早まっている。現在は、更に20年たっていますから、無限に左に行くことはないと思いますけれども、更に半年ぐらい早まっているのではないかと思います。
 それから、下の身長の伸びの最大値ですけど、これは、やはり呉市の発表のときもありましたが、大体これが最大値に達するのは、緑と青とで比べてみると、2年ぐらい青の方が早まっている。そういう意味で、2歳ぐらい前倒しになる。下の棒グラフは、1年間にどれぐらい伸びるかという、一番伸びる時期の年齢が書いてありますが、これも2年ぐらい、やはり緑の最大の所より青の方が早まっているのが分かります。
 こういうふうにして、全体に発達は加速化して前倒しになっている。これは先ほどの脳科学との絡みでいっても、1960年代頃から既にそういう傾向はあったのだと思います。
 それから、次の不登校と鬱病についてですが、これは、特に不登校のことについては、全国調査でそこに、これも2008年のデータでやや古いんですけど、基本的に今と余り変わっていないと思います。増加率が違う所を見てほしいということです。
 何を言いたいか。小5、小6は、小4までの1,000件ずつ伸びて増えていくのが急に2,000件になって、そして中1になると、その6倍から7倍、8倍という数で、増加率が急激に増えますので、問題の芽が五、六年生にあるということであります。
 それから鬱病の場合、これは新聞記事ですけれども、基本的に予想以上に、これは2007年のデータですけれども、4年生で1.6%、5年で2.1%、6年で急に4.2%、中1になりますと10.7%ということで、やはり5年あるいは6年あたりから急激に罹病(りびょう)率が高まっている。これは治りにくい病気ですから、非常にこの時期の急激な増加というのは見逃せないわけであります。
 また全体に、自尊感情については、呉市の例でも出ておりましたが、小4までと小5の間で逆転いたしまして、プラスの感情からマイナスの感情になる子供が半数を超える。そういう意味では、そのマイナスの自尊感情が高校まで続いていくという状況が見られます。
 そして「9歳の壁」、あるいは「10歳の壁」と呼ばれる点ですが、これは特別支援教育の分野では「9歳の壁」と長年言われてきましたけれども、生活に伴う思考活動ならある程度できるんですが、理論的な問題場面では、その抽象的な思考がなかなか難しいということで、これを、ある意味ではピアジェが発達段階の違いとして捉えていた、と言っても良いと思いますが、そういう意味では具体的操作の段階から形式的操作の段階へというのが、この「段階移行」というところに、「壁」を見ていたと言っていいかと思います。
 数学教育、算数あるいは数学の方で、中垣啓先生という早稲田大学の心理学の先生が、小4以後に算数についてこられなくなる子供が急増する現象、これを一般に「10歳の壁」と呼んできたようですけれども、これを「現実性の世界から可能性の世界への様相の分化・未分化」という観点から見て説明しています。これも、やはり一つの「壁」で、現実性の問題ですと何とか解ける、しかし、いざ可能性、あるいはもしこうならばという、理論的なというか、そういう抽象的な場面に移ると、様相が変わると、解けなくなると、そういう状況を説明しています。
 こういうことにつきましては、やはり教科担任の専門に詳しく、かつすぐれた指導力をもつ先生が、学級担任でなくて、数学なら数学、理科なら理科のそういう分野の教科担任の先生が上手に教えるのが望ましいだろうと思う。
 そういう形で、そういうことをやっているのがかなりの学校だと思いますけれども、これは、ここに出したものは北海道の鹿追町――現在は高校まで入れた分離型の一貫教育をやっていますけれども、全体にそこに、上のグラフは3年ないし4年のもの、英語は4年ですけれども、右に行けば行くほど、4年目あるいは3年目の方が学力は上がっている状況が見られる。
 あるいは下の母集団の追跡調査では、同じ子供たちを小4から中1まで追い掛けていった調査ですけれども、少なくともどの分野でも、やはり算数と理科は効果が十分ではないにしろ、でも、はっきりと効果自体は出ているというのが分かります。
 全体にこういうふうに一貫性を強めるための工夫としては、カリキュラム上の編成の工夫は、そこに、今までも言われてきた一、二、三のようなこと、あるいは4点目で特に異学年交流、これが学習指導あるいは生活指導上、非常にいい。これは、できるだけ学年を隣接しないで、離してやった方がいいと思っていますが。
 そういう意味で、それが1点と、それから小学校低学年からの生徒指導・学級作りは大事でして、4年生までの生活が安定していないと、やはり、これは問題が起きるということが、私の一つの経験としてございます。
 それから最後に、「地域全体の協力体制」と「関係者の意識の共有の有無」が成否に大きな影響を与えます。今も京都の例がありましたけれども、保護者・住民の理解・支援が得られると成功する例は多くて、鹿追町などの場合には非常にそれが見られます。
 一体型でなくても、先ほどの京都のようにある程度成果が上がるということであれば、私は推進すべきだと思っています。
 あとは意識の問題で、教職員の一体感・小中9年の普通教育の修了、9年目の目標達成を目指す子供・保護者と、そういう目標意識を共有する必要があるかと思います。
 そして、その間に異学年交流等をうまく使って、特に子供たち同士の相互教育・相互学習、これは、やはり活用されるといいなと思っております。
 以上で、ひとまず終わります。
【小川部会長】  ありがとうございました。時間を守っていただきまして、ありがとうございました。
 質問を受けたいんですけれども。では、こちらから行きますか。吉田委員、髙橋委員、あと、よろしいでしょうか。
 では、吉田委員から。
【吉田委員】  ありがとうございます。今の安彦先生のお話も含めて全般的なことでお尋ねしたいんですが。
 まず、今回3回目ということですが、この小中一貫教育というものに対して、今まで本当に成功例というか、実際にやっているすばらしい例をお話伺わせていただいて、それはそれで私も理解できるし、いいことだと思っているんですけれども。実際に京都の問題一つとっても、例えば東山泉側の方ですか、ではメリットとデメリットという討論がありますけど、ほとんどがメリットばかりになって、デメリットという部分はほとんど聞こえてこない。それもデメリットは教員とか移動の問題であって、それから子供たちを対象にしたデメリットがどういうことがあるのかが全然出てこない。
 それから、大原さんの方でも、アンケートとかあるんですけど、私はこういうのって、別に小中一貫にしたからとか何とかじゃなくて、例えば生徒に満足感を持たせるとか、なぜ、どうして、疑問を学習しているとかって、これ、別に一貫にするからとかそういう問題じゃなくて、そのときその場で、やっぱり教育でお互いがやるべきことなんじゃないか。
 私、この小中一貫を反対するとかそういうことじゃなくて、今回の問題で、やはり制度化することの意義というものが話し合われるべきなんじゃないのか。逆に言えば、今の安彦先生のお話を伺ってもそうなんですけど、わざわざ制度化することによって、何か今の独自性というのが逆に取られていっちゃうんじゃないかと。現実に既にこれだけの学校がやっているわけであって、教育委員会単位でそれぞれすばらしい成果を上げてきているのだとすれば、今度それを制度化することによって縛られる部分というのも出てくるんじゃないか。だとすれば逆に、やはり一番の問題は教員免許状の問題とか、それから逆に言えば今度、中高一貫教育との絡みとか、そういうことも問題が出てくるんじゃないかと思うんです。
 安彦先生もおっしゃるように、制度もただ、例えば5-4に規定するとか何とかじゃなくて、フレキシビリティーを持たせなきゃいけないというお話もあるのだとすれば、やっぱり制度化ということよりも現状をいかにやりやすくするかということ、そして実際に我々も聞いているんですけれども、例えば今の小中一貫校に入っている子たちが、ほかの教育委員会の中学校とか小学校に転校する際に、やっぱりカリキュラムの問題でいろいろ問題が出ているとか、それから実際には、いいことばかり触れていますけど、悪いこともかなりあるということも聞いています。
 ですから、そういう意味を是非解決しなきゃいけないなと思うのと、あと私、例えば体の成長とかありますけど、やっぱり、そこには家庭教育という部分がなきゃいけないんじゃないかなと。先生と学校と子供ということはすごく対象になっていますけど、家庭が地域とか学校に協力するうんぬんですけど、直接子供と家庭という部分が余りにもないんじゃないか。
 鬱病とかそういう問題も出てきているわけですけど、これって僕は、本当に子供だけの問題なんだろうかと。今、社会で大人もどんどん、どんどん増えてきている。やっぱり、これは日本の社会の問題であって、そういうことが子供にもおりてきているということなんじゃないかなと。そうすると、今やっていることのいいもの、悪いものを、もう1回しっかりと整理した上で、いい意味でやりやすいようにすることが意義があるんじゃないかなと思います。
 すみません。以上です。
【小川部会長】  髙橋委員、どうぞ。
【髙橋(基)委員】  ありがとうございます。学習環境を効率化していくと、そういう部分ではすごく大事なところかな。また、地域に帰ってくるという京都の事例、様々な部分で大切かな。それから、保護者の成長と言ったら語弊があるんですけれども、公教育に対しての理解を、小学校のときにだんだん理解していく中で、中学校で、その保護者の学校に対する関わり方が分かってくるというか、成長があることはすごく大事なことなので、そういったところの一貫性は、ある意味で京都の事例で見られたところはすごく良かったと思うんですが、やっぱり中学校、東京なんかでも3校、4校、そういった小学校が中学校区内にあって、そしてそれが中学校に入学していく。そういったときに新たな人間関係を作っていくというところが、それが大きなギャップになっている部分も確かで、そういったことに対する配慮、また、そういったことが大事だなということは今までもやってきているわけですが。逆に今、内向きだと、そういう中で、固定された人間関係の中で、新たな人間が関係を作っていく体験が、やっぱり、すごく大事だとは思うんですけれども、そういったところの配慮とか、これからの課題はないんでしょうかという懸念がありますが、いかがでしょうか。
【安彦副部会長】  いいですか。
【小川部会長】  はい。では、お願いします。
【安彦副部会長】  私もその点は、お二人の御意見は共通に懸念というか、思っております。
 ただ、まず1点目の制度化の話ですけど、やはり、ある意味で、今の状態をそのままにしておきますと、地域が、やる所とやらない所が偏っていく。そういう意味では、ちょうど中高一貫が500学区――これは高等学校の学区の数、全国の数が大体500であったことを念頭にしたんですが、そこでばらつきがないように、500学区に1校ずつぐらいの中高一貫校を作るという政策上のめどが、ちゃんと持てたわけですね。
 今回も、そういう意味では、同じある種の選択制の下で、地方裁量の下で作るという前提であれば、私は基本的に、やはり、これはそういう形で制度化にしておかないと、ばらつきが極端になる心配があるなと思っています。
 それから保護者との関係。これは私も一番関心がありまして、今まさにその点が、地域あるいは保護者との関係で成功、不成功が決まるということも申しましたように、保護者が、やはり、そこで自分たちの子供たちを自分たちの力でというふうにして、学校と一緒になって取り組むという構えが、これは首長さんも含めて、ある所は非常にうまくいくわけです。
 ですから、その点、おっしゃるところは、むしろ保護者の意識を変えることができるという点でも、この方向は制度上も望ましいのではないかと思っています。
 それから、もう1点の、固定的な人間関係が9年間続くような心配がある、というのは本当にあちこちで聞きますけど。実際に、そういう心配は聞くんですけれども、そこで本当に悩んでしまった、どうしようもなく困ってしまったという例はほとんど聞いておりません。問題自体は、もちろん隠れてあるのでしょうけれども。
 むしろ私としては一つ、これは足立区の例を申しますと、足立区で当初、五、六、中1をやって、うまくいったかなと思ったら、中2になって、そのやり方を元の教え方に戻っている。中2になって、また子供が荒れた。だから、この3年間の意味は何だったんだという問いが、やっぱり出たわけです。私は、当初はそれ知らなかったんですが、後で聞いたら、その学年の子供たちというのは、小4までの間に学級崩壊を起こしているんです。ですから、やっぱり小4までの間に、子供が荒れているようなことを一度経験してしまっている場合には、その後の3年間は丁寧に対応したから良かったけれども、また元のやり方に戻った途端に、ある意味で、昔の行動規範の破れみたいなものが、完全に修復できていなくて表れてしまう。
 ですから、そういう意味でいうと、むしろ、9年なら9年きちっと一貫した指導体制というのをちゃんと組まないと駄目。つまり、1年から4年生までもきちっとして、荒れが起きないように育てていかなければいけない。むしろ、そういう意味のプラスの面もあるわけで、この点は、やはり、おっしゃるようなことを考えつつ、そういうプラスの面を生かす形で対応していかなきゃいけないかと思っています。
【小川部会長】  すみません。後の総括討論のところでさせてください。ちょっと時間がないので、すみません。
 御意見、御質問あるかと思いますけれども、次の最後の事務局からの調査の実態の御説明を受けた後、総括的な意見交換をしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは次に、初中の教育企画課から実態調査の結果についての御報告をお願いします。
【武藤教育制度改革室長補佐】  それでは、御説明したいと思います。資料3、大部でございますけれども、ごらんください。「小中一貫教育等についての実態調査の結果」という冊子でございます。
 1枚めくっていただきまして、実態調査の概要でございます。目的としては、実態を調査して、今後の小中一貫教育の制度化、推進方策、それから小中連携の一層の高度化、こういうことに資する基礎資料を得るということでございます。5月1日時点、全都道府県、全市区町村、それから小中一貫教育を実施しているとお答えになっている全国の国公立小・中学校でございます。
 調査事項、以下のとおりでございますけれども、この調査事項の設計に当たりまして、この部会にも御参加いただいている天笠先生、あるいは西川先生にもお知恵を拝借しながら調査の設計をいたしました。
 それから、9ページに飛びます。早速、中身に入ってまいりますけれども、まず都道府県の調査の結果でございます。
 都道府県レベルでいきますと、積極的に推進している所は4件、その推進を検討している所が3件、それから国の検討等を注視している所が33件という内容になってございまして、特に積極的にやっている所であれば、推進のための方針を定めている所が2、今後検討する所が2という状況でございまして、37件は今後の対応、推進方策等々、国の検討等を踏まえて検討していきたいということでございます。
 駆け足で恐縮ですが、次のページに参りまして、こういった状況の中で、担当の指導主事の配置は、ごらんをいただいたような感じになっております。
 また、推進のための加配、下段でございますが、国の制度の活用が9件、それから独自の予算を活用はゼロという状況になってございます。
 次のページ、13ページの下段でございます。小・中学校の一貫を推進するための人事上の工夫。これも全体状況を反映して、それほど多くの取組がなされているわけではございません。一番上、小・中学校の両免許の現職教員に推奨する、1、そういったことを大学に要請するが1、両免許併有の教員を積極的に採用するが3、それから小・中学校教職員の交流の促進を人事異動の方針として記載する所が8という状況で、一番多い所が下から四つ目でございますが、市町村教委からの要望に応じて積極的に小と中の兼務発令をしている所が一番多いという状況でございます。
 次のページに参りまして、先ほどもお話に出てきた免許の併有の関係のデータでございます。
 まず上段、小学校教員に占める中学校免許併有教員の割合。全国的に59.9、6割ぐらいでございまして、最も高い所が中ほどの岐阜県の94%、それから最も低い所が、下から八つ目ぐらいですが、福岡県の29.4%ということで、大きな開きがございます。
 下段に参りまして、今度は中学校の教員に占める小学校免許併有教員の割合。全国平均が3割ぐらい。中ほどの福井県が9割である一方で、一番下の沖縄県が8.4%ということで、これも大きな開きがございます。
 隣のページに行きまして、その他小中一貫教育を推進するための取組として、二つ目、研修会を行い、あるいは、その下の下の下の下でございますが、フォーラムや研究発表会、あるいはすぐれた取組のホームページ等への掲載、リーフレットの配布等々をされているという状況でございます。
 最後が国に対する期待する取組ということで、免許制度の改善が30、定数上の措置が43、教育課程の特例の創設、あるいはモデル事業の実施、あるいは施設整備の財政措置、好事例の普及等々、ごらんいただいたような状況でございます。
 駆け足で恐縮ですが、次、17ページ以降、今度は市区町村の調査の結果でございます。
 19ページを開いていただきまして、全体状況でございます。まず一番下の点線で囲った所をごらんいただきたいんですが、この調査の定義でございます。
 まず小中連携教育、これは小・中学校が互いに情報交換、交流を行うことを通じて、小・中学校の円滑な接続を目指す様々な教育ということで広めの定義をしております。その上で、小中一貫教育というのは小中連携教育のうち、小・中学校が目指す子供像を共有して、9年間を通じた教育課程を編成し、系統的な教育を目指す教育ということで、少し狭めにとっていると、そういう関係図でございます。
 そういった中、聞いてみましたら、小中一貫教育を実施しているというお答えの市区町村が211、それから小中一貫まではいっていないけれども連携だけはやっているよという所が1,147、実施なしが385という全体状況でございます。
 次のページに参りまして、そうしましたら今度は小中一貫を行っていない市区町村での検討状況でございます。今後実施予定が4%、実施を検討中が7%、国や他市町村を注視しているのが29%という全体状況でございます。
 今度、やっている所に狙いを尋ねたところ、学習指導上の成果、それから中1ギャップの緩和等、こういった所がほぼ100%に近い所でございまして、発達の早期化への対応が大体4分の1、異学年交流の促進が75、教員の指導力の向上が79、それから教職員の意識改革が94、その他ごらんいただいたような状況でございます。
 次のページに参りまして、実施している所の市区町村の人口規模はごらんのとおりでありまして、100万人以上の所から人口5,000人以下の所まで幅広く分布をしているという状況でございます。
 下段、これはやっている所は方針・計画等を定めているかどうか。7割ぐらいの所が定めているという状況でございます。それから、国の推進方策を示された場合やりたいよという所が17%という状況でございます。
 次のページの下段に参りまして、今度はやっている市区町村の中でどれだけやっているのかということで、全体でやっているという所が5割。先ほどの京都市の御発表ありましたけれども、こういった所が5割。それから、一番下から二つ目ですけれども、2~3割だという所が19%、1割以下程度が27%ということでございます。
 次は、23ページです。今度は取組の形態全体の話でございますが、まず小中一貫ということで、取組に含まれる学校の構成を見た場合、いわゆる1小1中が33%、2小1中で39%、3小1中が20%といったような状況でございます。
 右下にNが書いてございますが、小中一貫教育を実施しているという件数が全部で1,122件。これ、件数は、例えば1小1中だけが、それ一つとカウントして計算した場合、こういった分布になっているということでございます。
 24ページの下段に参りまして、学校選択制との関係、これも以前の部会で論点として出てまいりましたけれども、聞いてみました。自由選択制が6%、ブロック選択制が2%、隣接区域選択制が7%。一方で一番下ですが、導入していない所が71%。それぞれの御判断でおやりになっているということでございます。
 次のページ、教育課程・指導方法に参りまして、まず特例の活用状況。いわゆる研究開発学校あるいは特例校を合わせて30%ぐらい。市町村ベースでいくと、こういう状況でございます。
 次のページに参りまして、教科担任制を実施した小学校。実施した小学校があるという所が61%。
 それから下段、乗り入れ授業の実施ということで、実施した学校があるとお答えの市区町村88%。その中で、他校種の指導技術に関する研修を行っている所が31%という状況でございました。
 次のページ、組織・マネジメントに参りまして、兼務発令をした学校があるが73%。
 次のページに参りまして、異動年限の工夫ということで、校長の在任期間の長期化、これは1%。それから副校長、教頭、あるいは中核となる教職員の長期化、こういったことに取り組んでいる所が若干ございます。
 それから、小学校と中学校の間をつなぐコーディネーターを置いている所はかなりあるんですが、その中で、それを加配でやっているよという所が15%、加配を検討している所が7%。加配をしている所の内訳を聞きましたら、国、県単位、それから市区町村単費、ごらんのような状況でございました。
 次、29ページ、その他の推進方策に参りまして、研究指定事業の状況。市区町村単独、あるいは都道府県の事業、あるいは文部科学省等の事業を活用して、多様な形で行われているということでございます。
 30ページに参りまして、下段にございます、小中一貫教育の推進のために取り組んでいる事項。その他ということでいきますと、コミュニティ・スクール、あるいは関係者による推進協議会、あるいは研修会、コーディネーターに特化した研修会等々。あるいは中ほど以降ですけれども、負担軽減のためのICT化の促進ですとか、成果の把握のための学力調査。あるいは下から二つ目ですけれども、小学校費、中学校費の一体的な運用等、様々な取組が一体的に行われているということでございます。
 31ページに参ります。成果・課題でございます。
 まず総合的な評価でございますが、211の実施市区町村の中で大きな成果が認められるのが20%、成果が認められるが76%。
 それから課題の方に行きまして、大きな課題が3%、課題が認められるが74%ということでございます。
 それをもう少し個別の事項にブレークダウンしたものが33ページにございます。ちょっと細かいんですけれども、大事なところなので御説明申し上げると、まず一番上。これ全体、右下にありますように、オレンジが大きな成果、それからグリーンが成果が認められるということで、一番上の全国学力調査の結果の向上、これは合わせて65%。それから二つ飛びまして、学習習慣の定着、全部合わせて81%。生活リズムの改善、71%。いずれも合計で申し上げております。
 それから一つ飛びまして、授業が理解できると答える児童生徒が増えた、80%。勉強が好きと答える子供が増えた、74%。学習意欲の向上、81%。学習に悩みを抱える児童生徒の減少、67%。進学に不安を覚える子供の減少、94%。学校生活への満足度、86%。中1ギャップの緩和、93%。それから、いじめの原因である問題が減少した、70%。不登校の減少、67%。暴力行為の発生件数、70%。学習規律等の定着、88%。それから規範意識の高まり、あるいは思いやり、助け合いの気持ちが育まれた、83%同士ですね。自己肯定感、74%。コミュニケーション能力、72%。上級生、下級生の手本となろうとする意識、90%。憧れの気持ちが強まった、89%。予防的生徒指導の取組、82%。特別支援のきめ細かな指導の充実が82%。
 それから今回、教職員の関係でございますが、指導方法の改善意欲、93%。生徒指導力の向上、84%。教科指導力の向上、87%という状況でございます。
 その次の次ですが、小学校の先生の間で基礎学力保障の必要性に対する意識が高まった、これ94%。互いの良さを取り入れる意識が高まった、96%。協力して指導に当たる意識が高まった、93%。小・中共通で実践する取組が増えた、92%。授業観、評価観の差が縮まった、85%。それから指導内容の系統性に対する理解が深まったが91%等の様々な成果が報告をされております。
 特に大きな成果が認められるのは、大きい所に赤丸を付してございます。
 続いて、先ほど吉田先生からもございましたけれども、課題の方の状況でございます。これも同じような見方でございますが、まず9年間の系統性に配慮した指導計画の作成・教材の開発、これは合わせて63%。合同の行事等における内容の設定、これは44%。施設やスペースの確保、それから使用時間の調整、細かい話なんですけれども、こういった所が38%。時間割や日課表の工夫、チャイムの鳴らし方というのもございます。
 それから、先ほど御指摘のあった、例えば転出入者への学習指導上・生徒指導上の対応、これは12%。人間関係の固定化の所が3%と33%で36%。それから、中学校における生徒指導上の問題の小学生への影響、これが13%。高学年のリーダー性・主体性の育成、これが36%。年間行事予定の調整、これ57%。小中の教職員間での打合せ時間の確保、77%。小中合同の研修時間の確保が68%。児童生徒間の交流を図るときの移動手段・移動時間の確保、これは46%。校舎間の移動に伴う安全確保、30%。
 それから、次の次ですけど、成果、課題の分析・評価手法の確立が61%。その可視化、あるいは関係者間での共有が61%。教職員の負担感・多忙感、これが77%。小・中学校間での負担の不均衡、50%。教職員間での負担の不均衡が57%。所有免許の関係で兼務発令を拡大できないとお答えの所が38%。兼務発令の趣旨や内容に関する先生方の御理解、これは22%。小中の管理職間の共通認識、23%。小中の教職員間の共通認識、51%。それから、小中が接続する学年あるいは区切り以外の担当教職員の意識の向上、33%。コーディネート機能の充実が50%。同一中学校区に小学校が幾つもある場合ございますが、こういうところの小学校間の取組の差の解消が41%。予算確保が52%。小中の予算の一体的運用が33%。それから都道府県教委の理解・支援、これが35%という状況でございまして、学校側の課題、それから児童生徒に生じている課題含めまして、全体としてはこういう状況でございました。
 次に参りまして、国に期待している取組はごらんいただいたようなとおりでございまして、定数の措置、92%、それから免許が55%、あるいは学校施設の関係が72%をはじめとして、それから特例の創設が34%という全体の状況でございます。それほど県と変わるわけではございません。
 次のページ参りまして、駆け足で恐縮ですけれども、今度は学校でございます。全体で取組の件数として1,130件。
 39ページに参りまして、主な狙い。これにつきましては、ほとんど先ほどの市町村と同じ傾向でございますので、割愛をさせていただきます。
 次のページに参りまして、取組を始めてからの経過年数でございますが、1年未満が14%である一方で10年以上が5%ということで、それなりにばらついてございます。最も多いのは3年ぐらいですね。22%という状況でございます。
 次にハードの面で校舎の設置状況、左側でございますが、いわゆる施設一体型が13%、隣接型が5%、分離型が78%ということで、特に一体型の所に職員室が一つになっていますかと聞いたところ、一体が78%、他方で隣接型の方は一体としているのが3%という状況でございます。
 その次のページ、42ページに飛んでいただきまして、施設やスペースの整備状況、これは大体ごらんをいただいたような感じで、小中一貫教育に取り組むに当たって新たに整備した施設やスペース、あると答えた所が13%。内訳は、ごらんのようなとおりでございます。
 それから、その次のページに参りまして、すみません44ページに飛んでいただきます。教育課程や指導方法でございます。まず小中一貫というときに、当然9年間の系統性・連続性の確保がコアになってくるところでございますけれども、では具体的に何をやっているのかというのを伺いました。
 二つ目でございますが、9年間を一まとまりと捉えた学校教育目標の設定が47%。一まとまりと捉えた学年呼称の導入が14%。それから、各教科別に9年間の系統性を整理して一貫カリキュラムを組んでいると答えた所が52%ということです。例えば数学から、あるいは国語から始めるけれども、教科別まで至っていない所が、まだ半数ぐらいあるということでございます。
 個別の事項に参って、例えば総合、道徳、食育、言語活動、キャリア、プラスふるさと、あるいは情報教育、こういった、いわばカリキュラム横断的な事項について小中一貫カリキュラムを組めている所は、まだ少ない状況でございます。
 その下、小中一貫教育の軸となる独自の教科・領域の設定という所でございますが、これは25%。それから、基本的な授業スタイルの緩やかな統一が43%。学力調査などの合同の分析と結果の共有、これが51%。評価基準、評価方法の共有、12%。評価の合同実施、32%。
 それから、「つなぎの単元」というのはちょっと分かりにくいですけれども、小学校と中学校の移行段階で、例えば小学校段階で習ったことを一定の時間を使ってやっていただくという単元を設定している所が8%。中学校のスピード等になれさせる工夫、11%。中学校についていけるような小学校段階での基礎学力保障、47%。9年間通した家庭学習の課題の分量の調整、28%。それから、先ほど京都の御発表にもございましたけれども、9年間を見通して学習方法、時間のマニュアル、27%。あるいは学習規律・生活規律、51%。
 先般、法律ができましたけれども、いじめ防止基本方針を合同で作っている所が24%。一番多いのが合同行事の実施で70%という状況でございます。
 次の次に参りまして、部活動の小学校高学年の参加は42%。それからクラブ活動は7%という状況で、特別支援関係の相互の授業参観や保護者等の学校訪問等々も、かなりの割合で行われているという状況でございます。
 次のページに参りまして、学年段階の区切りの状況。6-3のままで一応いっている所が72%ですが、4-3-2という所が26%。5-4、4-5等は、それぞれ1%未満でございました。
 それから区切りというときに、区切りの設定で具体的に何をしているのかということで、最も多いのがそれぞれの区切り、あるいは京都市のお言葉で言えばブロックですね。ブロックごとの重点を明確化している所が7割。生徒指導上の重点の明確化が4割弱。イベント関係、行事関係を分割して実施している所が8%。それから、それに対応したフロアや校舎の区分をしている所が17%でございます。
 それから、教科等の内容に入ると、指導内容の前倒しや後送りが4%。選択教科の導入、これは小学校の高学年のイメージだと思いますが2%。独自教科等の導入が37%。教科担の導入が53%。習熟度別の導入が28%。乗り入れ授業が72%。それから、50分授業の導入開始ですとか制服、進路指導、定期テスト、生徒会、部活動といった、従来であれば中学校でやられたことを小学校の高学年等に落としている所が、ごらんのような状況でございます。
 それから、次のページの下段に参りまして、教育課程の特例の活用状況でいきますと、研究開発学校、教育課程特例校を合わせて20%。具体的に申し上げると、独自の教科等の設定が72%。それから英語教育・外国語教育の導入が82%。一番下の指導内容の前倒しが18%という状況でございます。
 47ページに参りまして、区切りに対応して、学年の区切りを意識させる行事をやっているか。36%がやっておりまして、例えば4年目で2分の1成人式。ちょうど10歳のあたりで、こういったイベントを行い、あるいは立志式ですとか、立志登山ですとか、あるいは区切りのまとまりごとに校長先生や教頭先生が修了面接を行ったという自由回答もございました。
 一つ飛ばして47ページ下段ですが、教科担任制の実施。ほとんどの教科で実施した所が2%。一部の教科の実施が50%。一方で、実施していない所が5割近くあるという状況でございます。
 実施の教科が48ページの上段でございます。こういった状況でございまして、全体として見ると、理科が66%、音楽が77%、図工が38%、家庭が47%、体育が33%といった状況であります。算数とかは23%ぐらいですけれども、その下の学年段階で見ていくと、例えば5学年から算数の教科担任をやっている所が42%に上がるなど、学年の方と併せて見ていただければと思っております。
 乗り入れ授業の実施が下段でございまして、これは相互に乗り入れをしたという3番目の所が21%。一方で、中段ですけれども、中学校の先生が小学校で実施したというような、一方通行の所は39%。一番上、小学校が中学校で実施したのは1%という状況でございます。
 右のページの上段に参りまして、乗り入れ授業の実施教科。本当に様々な教科等にまたがっておりますけれども、小学校の先生が中学校で乗り入れた場合、最も多いのが数学の55%。それから、下段の外国語が25%。逆に中学校から小学校に行っている場合でございます。これもかなりばらついておりますが、上段の算数39%、理科30%、音楽38%、体育が39%。下段の真ん中の外国語活動58%、これが最も多いという状況でございます。
 先ほどから課題になっております人間関係、あるいは相互の評価の固定化がなされないような工夫が、やはり現場ではもろもろ行われておりまして、多様な活躍の機会の意図的な設定、あるいは異学年交流の機会、あるいは同一学年の中で学級間の交流をこれまでよりも増やしていくとか、あるいは教科担、乗り入れ授業によって今までよりもより多くの先生方と関わり、そして良さ等を見付けていただくような、そういう機会を増やしている。あるいは、地域との連携で学校外の集団への所属を促進している、これが25%。あるいは、いじめの対応を充実させている。これは小中一貫に限りませんけれども、こういう取組が56%という状況でございます。
 次のページに参りまして、転出入学する児童生徒に対する配慮。最も多いのが個別のガイダンス54%で、家庭学習の課題の工夫や補習授業、あるいは通常の教育課程との違いを分かりやすく示したものをあらかじめ活用して、それに基づいてガイダンスをやったり、補習をやったり、家庭学習の課題をやったりという状況がございます。
 次のページ、組織・マネジメントに参りまして、まず校長先生の役割でございます。ちょっと見にくい表でございますが、まず一人の校長先生が小・中学校を兼務しているという所。一体型でいうと76%。次の段の隣接型、12%。次の右側ですけれども、学校ごとに校長先生がいますが、例えば学園長みたいな形で責任者としての役割を果たす校長が決まっている。一体型が6%、隣接型が14%、分離型が10%。それから、学校ごとに校長先生がいて適宜連携というのが18%、75%、89%という状況でございました。
 併せてマネジメントということで申し上げると、区切りを6-3以外で実施している所の中で、区切りごとに担当の副校長や教頭などを置いている所が10%。あるいは、そこまでいかないにしても、主任とかを置かれている所が17%。
 次のページに参りまして、小・中学校が一緒にやるというときの兼務発令の状況ですが、全教職員が兼務発令が8%、校長のみが3%、校長、副校長、教頭、つまり管理職が1%。下から二つ目、一部の先生方が兼務発令が55%という状況でございました。
 コーディネーターの加配は、加配されているが15%。一番下、加配はないがコーディネーター役を指名しているが51%。
 その次に参りまして、小・中学校合同の校務分掌。合同で分掌が13%。
 こういったところを施設の形態別に見ていったのがその次で、全体として一体型、隣接型、分離型の順で、こういった合同の取組の資質は低くなっていく、そういった傾向がございます。
 次のページちょっと飛ばしまして、54ページの下段でございますが、今度は学校事務の共同実施。小学校と中学校の間で共同実施している所が32%。
 これも同様に、その次のページ以降で少しブレークダウンして見ていきますが、同様に施設が一体の方が分離あるいは隣接と比べて実施率が高い。
 あるいは校長先生のマネジメントでいきますと、校長先生がそれぞれいるよりは学園長みたいなものが定まっている方、学園長よりは一人の校長先生がやられている方が実施率が高いということでございまして、55ページ、あるいは56ページに飛びますが、56ページはそういった状況が書いてございます。
 56ページの下段でございますが、計画的・継続的な小・中学校の合同会議。行っているが88%。その場合の頻度が、そこに書いてあるような状況でございます。週に1回、月に1回、あるいは学期に1回、ばらつきがございまして、これも先ほどと同様に施設が一体、あるいは校長先生のマネジメントが統一されている方が頻度が高い傾向にございます。
 59ページに飛んでいただいて、小・中学校の合同の職員会議を行っているのが16%。この実施率等につきましても同様の傾向がございます。
 60ページの下段に行きまして、年間行事の予定表等の作成、合同でやっている所が37%。この実施率も先ほどと同様の傾向がございます。
 62ページ、合同研修の年間にわたる計画的・継続的な実施、やっている所が91%。頻度は様々でございますが、同様の傾向がございます。
 64ページ下段に参りまして、相互の授業参観の計画的な実施。これも頻度は様々で、先ほどと同様の傾向がございます。
 駆け足で恐縮ですが、67ページに参りまして、その他の取組。小・中学校の正式名称とは別に学園等の呼称を設けて一体的なイメージを出しているという所が23%。
 次のページに参りまして68ページでございますが、余裕時間の確保、負担軽減の取組。これについて力を入れている所が大体2割でございまして、具体の内容としては校務支援システム、あるいは恐らく実物投影機等、ICTの活用による授業の効率化、あるいは指導案等の共有の促進、テレビ会議システム、会議の見直し、あるいは次年度の予定等を前倒しして策定をして見通しを持ってやっているということ、あるいは学校事務職員との役割分担の見直し等々がございます。
 その下、地域や保護者との協働関係の構築ということで、コミュニティ・スクールの導入、これは15%。しかしながら、合同で組織を設けている所は7%で半分ぐらいでございます。導入に向けた検討が4%。支援地域本部の取組が15%。しかしながら合同という所が11%。3分の1ぐらいが減ってしまう。評議員を合同、あるいは協議会を設置が44%。PTA等についても合同で設けている所、あるいは学校評価を合同で設けている所が2割ぐらいございます。
 69ページに参りまして、幼保との連携を一体的にやっているかどうか。ステップ0からステップ4にわたりまして見ておりますけれども、まだないという所が31%。ステップ2で、交流はあるけれども接続まで至っていない所が44%という状況でございます。
 中高一貫については、さすがに義務と高校というところなので、ほとんどなくて、連携型と一緒にやっているという所が2%という状況でございました。
 それから最後71ページ、成果と課題でございます。大きく言いますと、大きな成果、成果が認められる、10%と77%。課題の方は、大きな課題が7%、それから課題が80%という状況でございます。
 成果を申し上げると、一番上から早足で申し上げますが、学力調査が合わせて42%、二つ下の学習習慣が62%、生活リズムが55%、それから授業が理解できるが56%、勉強が好きが48%、学習意欲が60%。それから、その下、悩みを抱える児童が47%、進学への不安が90%、学校生活への満足度が68%、中1ギャップが89%、いじめ問題の減少が57%、不登校が54%、暴力行為が57%、学習規律が73%、規範意識が65%、思いやりや助け合いが64%、そういう状況で、途中を省きますけれども、赤印の所です。中ほど、後半の3分の1ぐらいの所、互いの良さを取り入れる意識が89%、協力して指導が85%、共通実践が79%、あるいは系統性に対する理解が深まったが78%等々で、これ、ほとんど同じ項目を市町村もとっておりまして、若干、学校の自己評価の方が厳しめという状況でございます。
 課題についても大体市町村と同様ですが、これについては学校現場の方がもう少し課題を認識している率が高いという状況で、全体としては同じようなところですけれども、大きなところでいきますと、赤印の所で打ち合わせ、研修時間の確保、それから交流を図るときの手段の確保、負担感・多忙感の解消といったところが一番多い状況でございます。
 国に期待する取組はほとんど同じでございますけれども、免許制度の改善、都道府県64に対して学校が45%だったり、あるいは特例の創設という所は県が38%、学校が27%だったり、あるいは好事例の普及ですね。ここが県60%に対して学校は52%だったり。大体、都道府県と学校の間に市町村があるような状況でございます。
 最後でございます。クロス分析でございます。77ページでございますが、小中一貫の具体的な成果と①経過年数、教科担任の導入の有無、乗り入れ授業の有無、あるいは校長の体制、課程の区分の変更、あるいは9年間を見通した学校教育、カリキュラムをやっているかどうか、あるいは施設の形態。こういったところと成果の状況についてクロスをいたしました。
 総括表が78ページにございます。一番下の米印の所に統計的な処理をしておりまして、二重丸が付いている所が1%水準、丸が5%水準で有意、ばつは有意な差が見られなかったというところで総括をしております。
 横軸を見ていただくと、先ほど申し上げたクロスの観点が示されておりまして、それと左、縦軸に先ほど申し上げた課題、40項目ぐらいございますが、クロス分析をしたところ、ほとんどの項目につきまして、やっているかどうかと言われればやっている所ほど成果を御報告する学校の割合が増えているという状況でございます。
 時間の関係がございますので、1個だけ特徴的なものを申し上げると、120ページをごらんください。120ページに、ここが最も明らかに出ている所ですが、9年間を一貫した学校教育目標、5割ぐらいの所がやってございました。それから一貫したカリキュラムを各教科でやっている、これも5割ぐらいでした。これを両方やっている所と成果の状況についてクロス分析をいたしました。
 クロスした所、下の段でございますが、総合評価。なしとありで大体、赤い字の右側の所でございますが、11ポイントの差がございまして、特にピンクの所をごらんいただいて、大きな成果の所が19ポイントの差があるという状況でございます。
 以下、ちょっとはしょりながら20ポイント以上差があるものなどを説明いたしますと、まず次のページの1..学力調査、これは26ポイントの差がございます。4.学習習慣、23ポイントの差。生活リズムが20ポイントの差。
 次のページに参りまして、授業が理解できるが23ポイント、勉強が好きが27ポイント、学習意欲が24ポイント、悩みを抱えるが23ポイント。中学校の進学、11番ですけれども、これは8ポイントの差なんですが、ピンクの所は20ポイントぐらいの差がございます。
 それから次のページ、16番でございます。中ほど、暴力行為の発生件数、これは22ポイントの差がございます。
 次のページ、124ページに参りまして、思いやり、助け合い、これは21ポイント。自己肯定感が24ポイント、コミュニケーション能力22ポイント。
 次のページの二つ目でございますが、教員の指導方法の改善意欲19ポイント。
 その次のページの中ほど、33番、小・中共通で実践する取組が増えた。これ、17ポイントですけれども、ピンクの所は19ポイント。授業観、評価観の差、これは20ポイント。系統性の理解19ポイント、ピンクの所は16ポイント。それから仕事に対する満足度、全体としてはそれほど高くないですが20ポイント。
 右側に参りまして、学校への満足度、保護者、これは25ポイント。保護者との協働関係が24ポイント、地域との協働関係が24ポイントという状況でございます。
 最後の128ページですが、校務分掌と学校運営の効率化につながった、これが26ポイントということでございます。
 その他、割愛いたしますけれども、これは、最も鮮やかに出たものでございますが、同様の傾向がほかでも見られるという状況でございます。
 以上でございます。
【小川部会長】  ありがとうございました。短時間にかなり膨大な情報を今説明いただいて、お聞きして、なかなか、まだ頭の中で整理できていないと思うんですが。全てにわたって詳細な質問を受ける時間がありませんので、これからの議論、小中一貫教育の制度化に関わって、論点とか課題に関係して、是非ここで確認しておきたいとか、質問しておきたいことがございましたら。
 では、なければ吉田委員と矢崎委員のお二人に。ごめんなさい。あとは議論のところで出していただければと思いますけれども。では、どうぞ。
【吉田委員】  すみません、先ほどの安彦委員の続きになっちゃうんですけど。
 先ほど安彦委員から、中高一貫は制度をしっかり作ったことによって全国500校という話があったわけですけど、あの場合というのは、制度を作ってからの500校だったと思うんですね。今、既に1,130校、基本的にある。そして、それから今の文科省のアンケートのを見ても、例えば20ページにあるように、小中一貫校の中1ギャップの問題は成果を上げるというのが96%、それから市区町村も全体でやっているのが49%とかあるわけですけど。そうすると、中1ギャップがここまで大きくクローズアップされるということは、中高一貫校では、この中1ギャップはどうなっているのか、そのデータはあるのかどうかというのをお尋ねしたいこと。
 それから、教育課程の特例も実際になしで52%がやっているわけですから。そうすると国に期待している取組って何なのということで見ると、この制度化することによって教員定数の措置とか、それから施設の財政上の措置とか、結局お金のことが基本であって、免許状は55%しかないというのだったら、今のままで何でいけないのかなという疑問でございます。
【小川部会長】  では、矢崎委員、どうぞ。マイク、お願いします。
【矢崎委員】  後で質問する方が良かったのかもしれませんけれども。一応、文科省の実態調査が出ましたので、懸念していることが一つありますので発言します。
 呉市の方でもそうだったんですけれども、五、六年生の扱いです。この文科省の方でも、小学校高学年のリーダー性、主体性の問題、それが課題だということが出ていました。
 例えば4年生で、その学校の最高学年として訓練していけば、すばらしい成果が出ます。そうすると今度、五、六年生がどうなるのか。何か宙に浮いたような形になりかねない。
 それで、小中一貫教育の主な狙いの方も、取組が子供の発達の早期化に対応しているという議論が非常に少ないので、これ、いま一度忘れられないようにしていく必要があるなと思います。つまり、愛校心みたいなものが本当に育つのかどうかということ、一つ、制度化されたときに懸念することです。
 以上です。
【小川部会長】  今のお二人の質問は事務局から答えるというよりも、ちょっと議論に絡むようなことなので、議論の方でまた意見交換したいんですが、何か事務局の方でありましたら、この場で。
【武藤教育制度改革室長補佐】  議論の中でやっていただいたらと。
【小川部会長】  よろしいですか。
【武藤教育制度改革室長補佐】  はい。
【小川部会長】  先ほど吉田委員からでは、中高一貫の取組に関わって、中1ギャップでしたっけ、そういうデータがあるのかというお尋ねもあったんですけど、もしも、それのデータがあれば、また後で出していただければと思います。今なければ、この場でなくてもよろしいと思いますけれども。
【武藤教育制度改革室長補佐】  承知いたしました。
【小川部会長】  先ほど國定委員と高橋委員から挙がっていたんですけれども、もう、かなり議論にも入っている質問ですので、議論という形でこれから進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 では、國定委員、高橋委員ということで、議論も含めてお願いします。
【國定委員】  今ほど文科省さんからの御説明いただきまして、ちょっと質問したかったことが1点あったんですけれども、議論にもつながる話なんですが。
 当たり前の確認かもしれませんが、小中一貫教育の制度化といったときに、やっぱり一体型、併用型、連携型、全部包含して制度化と捉えるべきだと思っているわけですけれども、そうすると、実際に私たちの市でもやってみると、一体型と連携型というのは明らかに自由度に差があるわけですね。この実態調査で、しっかり見切れていなくて申し訳ないんですけれども、クロス集計は、改善されたというところのクロス集計はありましたけれども、課題のところのクロス集計ってないんでしょうかね。何となく、例えば打合せの時間がとりにくいとか、移動手段の問題だというのは多分、明らかに連携型の方に激しく振れるような結果になるんじゃないのかなと思っていて、私は、だからこそ制度化をする必要があると思っているんですね。
 やっぱり今までの小学校種、中学校種という校種が完全に分離されている法体系では、なかなかスムーズな小中一貫教育の運営をすることができない。そうすると、仮称小中一貫教育学校というものを新設することによって、既存の小学校と既存の中学校ではスムーズにやり切れなかった権限の付与や制度の特例が、その教育校においては認められる。それは多分、連携型が一番厳しめな話になってくると思いますので、連携型にとって一番あるべき制度設計をしていくというポイントに立つべきなのではなかろうかと。
 ちょっと話が早く行き過ぎるかもしれませんけれども、学校長のことを考えると、連携型の場合ですと、多分、ここにもありましたとおり、統一的な学園長みたいなものを、実際のところ、まだまだ置いていない、置き切れていないというのが実態だと思うんですけれども、私自身は、そこにかなり大きな問題があると思っていて、結局、小学校、中学校の乗り入れをやるとか、先生方同士の打合せをするとか、あるいは子供たち同士の交流を進めていくということを考えると、専門用語、よく分かりませんけど、時間割をどう設定していくのかということはすごく大事になってくると思うんですが、各学校長がそれぞれの権限を同等に持ち合わせていると、多分、そこってすごく調整が難しいと思うんです。連携型が普通の今までの小中連携から脱却していくためには、やっぱり、その連携型のグループの中で一番、一人が最高の最終権限を持ち合わせるようなものを制度的に付与するというところが、多分、小中一貫教育校における最大のポイントなのではないのかなと僕は思って、質問と意見と併せて言わせていただきました。
【小川部会長】  ありがとうございました。今、質問で、確かにクロス集計のところが成果とのクロスなので、課題等々についてはデータがあるわけですから、やろうと思えばできるので、その辺も含めて、どうですか。
【武藤教育制度改革室長補佐】  御指摘のとおりで、ちょっと時間の関係で、そこまで至らなかったということがございます。御指摘踏まえて、分離型とか一体型との関係で、どのように課題が出ているのかということにつきまして、追加できちっとやりたいと思います。
【小川部会長】  ありがとうございました。國定委員、そういうことでよろしいですよね。
 では、高橋委員。
【高橋(香)委員】  私も、ちょっと質問だけだったんですけれども。
【小川部会長】  マイクどうぞ。
【高橋(香)委員】  すみません。質問だけだったんですけれども。この小中一貫の制度を作る必要があるかどうかを判断する上で、今回、小中一貫のアンケートを見させていただいたんですけれども、それは今やっている小中連携教育のみ実施をしている市区町村の、小中連携教育のみ実施した場合の成果と課題とどう違うのかなというところが分かると、非常に比較しやすいなと思ったわけです。
 それは、小中一貫と小中連携で考えると、9年間一貫の教育課程の有無による比較ということで、小中一貫の中では非常に成果があると今報告されたんですけれども、小中連携でない、小中一貫でなければできないこと、なかったことということを取り出していただければいいのかなと思います。
 小中一貫の連携型で先ほどおっしゃいましたように、誰が責任者であるか、校長が、どういうリーダーシップを持ってやっていくのかということも要因としては考えられるんですが、私は小中連携教育と小中一貫教育の比較するデータがあればお教えいただきたいと思いました。
【小川部会長】  それも、どうぞ。
【武藤教育制度改革室長補佐】  ありがとうございます。これ、小中連携しかやっていない所が何をやっているかも含めてデータをとるかどうかというのは、実は、先ほど天笠先生や西川先生にも入っていただいた、その検討の場で議論にはなりました。しかしながら、余りにも膨大な調査。これだけでもかなり相当膨大な調査で、そこは結局、検討の結果、諦めたという状況がございます。それが一つです。
 もう一つ、そうはいいましても、連携と一貫どうなのかというところについて、一つ、恐らく参考になるであろうと思われるデータでございますが、44ページをごらんください。44ページ、先ほどの9年間のというところです。ここで例えば、重複しますけれども、二つ目で学校教育目標を立てて9年間一体でやっているかとか、その下の下ですけど、教科別に9年間の系統性をやっているかどうかという、まさに一貫教育の恐らくコアになるような部分がございます。こういった所をやっているかどうかで、どう違いが出てくるのかというのは、先ほどのクロスでもございます。
 それから、小中一貫の恐らく大きな特色というのは、乗り入れ授業の継続的な実施ですとか、あるいは小学校高学年の教科担任制。単なる連携レベルでは、ここまでなかなか、それなりのボリュームでやるのは、なかなか難しいのではないかと思います。
 ということで、全体として考えると、この小中一貫の1,130件という取組の中に、一貫教育としての実質がものすごく備わっているものと、それから経過年数がまだ1年目という所もございますので、まだまだ、いわば連携のレベル、それから、そこから一貫を目指そうとしている所が混在しているような状況があるのかなと思っておりまして、最後のクロス分析の77ページにございますけれども、ここらあたりのクロス分析を見ていくことによって、こういうコアになる取組の有無による成果の違いというのは、ある程度は見ていけるのかなと思っております。
【小川部会長】  ありがとうございます。そのように、よろしいですか。
【高橋(香)委員】  はい。
【小川部会長】  それから、時間があと20分弱しかありませんけれども、これから前回のヒアリングと今回のヒアリング、また今の実態調査踏まえて、小中一貫教育の制度化に関わる論点、課題について少し自由に意見交換したいと思います。御自由に御意見頂ければと思います。
 比留間委員、どうぞ。
【比留間委員】  1点は意見、1点は質問ですけれども、先ほどより御意見、特に吉田委員から御意見が出ているように、メリット、デメリットのところのデメリットについてです。デメリットというか、課題と言った方が実態に合うのではないかという感じがしますけれども、もう少しリアルなものが現実にはあるだろうと感じておりまして、ここはもう少し掘り下げないと、多分、議論がかみ合わないのではないかなという感じがしています。特に運用上の問題なのか、制度上の問題なのかというところは分けて整理をしていく必要があるのではないかな。これは意見です。
 もう1点は文科省に質問です。中高一貫教育の問題が時々出てきますけれども、この初等教育と中等教育を考えたときに、今回は初等教育と前期の中等教育のところまでの問題なのか。現実に中高一貫教育という取組もなされておりますし、それから連携型の中高一貫教育という取組もなされている中で、その制度の設計の基本的な考え方として、この小中一貫教育をこれから制度化に向けて検討していくというときの具体的な、基本的な考え方について、これはきょうでなくても結構ですから、是非お示しをいただければと思っております。よろしくお願いします。
【小川部会長】  事務局、何かございますか。
【武藤教育制度改革室長補佐】  1点だけ、今のところについて申し上げますと、今回の検討は教育再生実行会議の第五次提言を受けて、7月の終わりに中教審の総会で諮問ということになったわけでございますが、その諮問文、あるいは教育再生実行会議の提言で示されている部分が、恐らく検討のスコープの基本になるんだろうと思っています。
 その中では、高校まで含めた、例えば先ほどもお話に出てきた4-4-4制のような全体の学制の区切りの検討ですとか、あるいは区切りの一律の見直し、こういったものについては、まずは小中一貫、9年間の学校制度を作り、その中でいろんな多様な区切りの設定を可能にする。そういった仕組みを作って、それをある程度、成果や課題をきちんと把握をして、その上で先々、そういった新たな学制改革の検討に生かしていくと、こういう形で示されているところでございます。
 以上でございます。
【小松初等中等教育局長】  ちょっとよろしいですか。
【小川部会長】  はい。小松局長、お願いします。
【小松初等中等教育局長】  今の比留間先生のお話でございます。当面の検討課題について御説明いたしますと、今、事務方として御説明を申し上げたことになるわけですけれども、教育基本法そのものの見直しが、歴史的なスパンの中でいえば、ごく最近に行われておりまして、それに基づいて学校教育法についても全面的な見直しが行われて日が浅いわけでございます。
 例えば小、中、高、大、幼というような戦後の何十年間かにわたる仕組みも、むしろ幼、小、中、高、大と改めて、学校としての発達段階に合わせた系統性も見直したということでございます。
 したがいまして、そうした基本的な枠組みについては、むしろ戦後もずっと行われてきたものを生かして、系統性をしっかり見直すことが行われていて、これをどう成果を上げていくかは、それなりの期間にわたって、今後も非常に重要な意味を持つということが、まずベースでございます。
 その上で、実際の教育の運用、それから制度の議論をいたしますと、非常に複雑化し、かつ変化が激しくなっている今日の状況、それからまた規制改革や地方分権等が進み、全体の制度というか、制度の中での活動や運営の状態が多様化してきている中で、実際の問題としては、例えば中等教育という中にも、中学校と高校というだけではなくて一貫でやりたいという所が、その地域やそれぞれの社会、現場の実情として現に指摘をされているということ。それから、小・中学校についても、そういう現実としての指摘がいろいろ行われ、相当議論も行われて、なお、そういうことを検討し進めていくべきだというニーズというか、要望があると。
 これを踏まえて、それらの部分については、それらの対応ができるように、いわば選択的な制度の弾力化、柔構造化を図るというのが現時点での状況であります。
 その一環として、中高については、その制度化が行われ、そのときも議論になりましたけれども、単一の中高の制度にするのか、その中に更に重大な構造を持ってくるのか。結果においては後者になったわけですけれども、今も議論の最中ですが、この小中一貫についても、どういう対応をとるかというのは、同じ課題を持ってきてはと思います。
 先ほど来何人かの先生からも御指摘がありますように、根本的な目的は、発達段階に即し、社会に即して、どう教育の成果を上げるかということでございますから、その観点から見て、新しい制度化についても考えなければいけないことは、最初に申し上げました、見直しをした学校教育体系全体の、それぞれの発達段階に応じた、きちっとした考え方。例えば小学校なら小学校、中学校なら中学校という考え方をきちっと見る、あるいは更にしっかりするという上での、そうした選択ができるということを、それぞれにやらなければいけない。
 そういう意味では、非常に分かりやすい疑問である小中、中高、では小中高はどうなのかという議論とか、そういうことは当然あってしかるべきですけれども、今のところは、そのニーズに即しながら、義務教育としての見方、あるいは中等教育としての見方、そういったものが、それぞれ運用から制度化まで考えよう、そういうところを目指すのが、現時点での政策的な動向ということになります。
 一応、当面のところでは、そういう考え方ということをお答えしておきたいと思います。
【小川部会長】  ありがとうございました。比留間委員、よろしいでしょうか。
 ほかに御意見があれば。では、宮﨑委員、そして髙橋委員ですか。はい。
【宮﨑委員】  今、初中局長からお答えというか、お話があったんですが、そのこととも関係をしますが、比留間委員からお話があった運用上の問題、制度上の問題というのは、やっぱり、相変わらず残っているような気がしています。実は、この調査の中身で、21ページに小中一貫教育実施市区町村の人口規模でいきますと、圧倒的に10万人以下の比率が高くなっている。これは全国的な人口動態を考えると、小中一貫校にしていく方が、今の幼児、児童、生徒の減少を考えると、市町村にメリットが出てくるだろうと思うんですね。今後、小中一貫校というのは恐らく増えていく、増えるべきだろうと思うんですね。なぜかというと、教育環境が地方ほど様々の面で厳しい状況がございます。その点も考えていくと、これは別の要素も生まれてくる。
 その状況が見えるのが、45ページの学年段階の区切りの状況を見ると、6-3の区切りが72%なんです。これも小中一貫校と言うのかというあたりは、安彦委員のきょうのお話でもあった、新しい仕組みを作っていくものとして考えていく際に、制度上の問題を考えるとき大きな課題が出てくるような気がしています。
 私は一つだけお伺いしたいんですが、45ページのこの72%以外が下の区切りに対する具体的な取組なんですけど、72%の所が具体的に下のような問題意識を持っているかどうかのことの方が、より重要なんじゃないか。それを小中一貫校を進めていくときに非常に重要な意味を持っているので、今後、ただ小学校と中学校を一緒にすればいいという話なのか、それとも新しい仕組みで具体的な対応、つまり今、初中局長がおっしゃったような問題にまで波及させていくということが重要なんじゃないかと思うんですけど、このあたりについてが少し見えにくかったわけです。
 ついでに一つだけ、私の専門である特別支援教育分野で申し上げますと、幼小中高、それから専修・専攻科まであるような学校というのは結構ございます。これは、これまで各障害種別に学校整備がされていたのが、様々な障害者を併せた学校もできるようになったのです。小学校、中学校、高等学校の段階の年齢までの児童生徒の数が500名に近いような学校も出ています。なおかつ教員数は200名を超えるような学校の規模で、一人の校長先生で対応するという仕組みで経営されている学校も、既に相当数ある。
 そういうところと比較をしながら、この問題を考えてみる必要があるのかもしれないなと思いながら、この問題を私としては意識させていただいているところです。意見と、それから質問が混在してしまいましたけど、以上です。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 ちょっとお待ちください。髙橋委員、お願いします。
【髙橋(基)委員】  2点ありまして、今、発達段階のことも宮﨑委員のお話の特別支援教育の部分もあったんですが、やっぱり小学校6年の中での今、児童の個々の発達の差が、早生まれの部分もあると思うんですけれども、様々な部分で、一人一人の成長の中での差というんですかね、発達の差に、本当に小学校が対応できているのかなという課題は、すごくあるんですね。そういった部分に、こういった部分で対応できていく部分の考え方は含まれているのかなという部分と、それから中1ギャップの問題がありましたけれども、中1ギャップのところが先送りになっていく部分はあると思うんですね。高校の入学の後で、それが出てくるという部分があるものですから、そういった部分、やっぱり一貫の中で、先ほど中等教育の後期の部分との接続の部分は、しっかりと考えた上でやっていかなくちゃいけないんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 今まで挙手は橋本委員、そして加治佐委員、大坪委員、秋田委員という順でお願いします。時間もありませんので、ほかにございますか。では、なければ、秋田委員で終わらせていただきます。
 では、橋本委員、どうぞ。
【橋本委員】  ありがとうございます。本来、一般の小学校、中学校という分かれた中でも、9年間を見通して、その同じ設置者でありますし、そういう連携をしながら、発達段階に応じながら学びの接続、連続性を考えながら、それぞれで教育をしていかなければならないわけで、一貫教育制度化はどうかという論議の一貫教育、制度としてやるのはどこなのだろうと考えますと、これまでも論議に出ておりましたように、やはり乗り入れの免許の問題、あるいは教職員がチームとして機能をすることができる、例えば職員室の一体化とかですね。あるいは一体化していないとしても、どのような濃さで、どのようなことでチームを作ってきたかというようなあたりがあるのではないかと思います。
 そういう意味で、せっかくのこのデータで、そういうところまで踏み込めるかどうか分かりませんけれども、そういう乗り入れ免許の辺の焦点化したデータを頂ければ、また論議を深めていくことができるのではないかと思っております。
 以上です。
【小川部会長】  加治佐委員、どうぞ。マイク、お願いします。
【加治佐委員】  12時になっておりますので、簡単に申し上げます。制度化に当たって、ちょっと別な観点をというか、新しい観点が必要だと思います。子供の発達段階に応ずるとか、そういうことは当然のことなんだと思うんですけれども。
 要するに、急激な少子化が進んでいまして、子供たちの学校生活、つまり集団としての学校の生活や学習を保障するという点において、地方においては、単独の小学校、中学校が、もう子供の数という意味で成り立たなくなっている。もう、こういうのが目の前に来ているわけですね。そうすると、おのずと広い範囲から子供を集めると同時に、長い年数というか、広い範囲の子供たちを、年齢の広い範囲で集めざるを得ないということになります。
 そうすると、小中一貫というのは、ある意味、小学校と中学校一貫といいますか、9年間は必然的な学習集団のまとまりになってくる。そうしないと集団生活が成り立たない、あるいは集団学習が成り立たないということが、もう目の前に来ていますので、そういう観点も含めた制度作りというか、あるいは教育課程作りといいますか、あるいは指導法といいますか、そういうこともちょっと加えていただく必要はあるんじゃないかと思いますが。ただ、諮問にもそういうことは書かれておりませんでしたので、そういうことまで入るのかどうかですね。
 だけど、私は、これはもう、とりわけ過疎地においては喫緊の問題であるということは間違いないと思っております。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 大坪委員、どうぞ。
【大坪委員】  文科省の膨大な調査資料、非常に有り難く拝見しました。
 14ページのここを見ると、教員養成部会の委員として出ておりますので、免許制度との関係のこととの関係で、今後資料が出ればと思うんですが、上半分の小学校教員に占める中学校免許併有教員の割合というのは、小学校教員の場合には目的養成の教育学部出身者が多いので、養成では、いわゆる大学卒業時に小中両方の免許を持っている者が多い。その一方で、中学校教員は開放制の下で中学校教員になっているために一つの免許だけの場合が多いという、これ、全体像としてあり得ると思うんですけれども。
 そういう中で、下半分のグラフで、県によって極めて、中学校教員なのに小学校免許併有が多い。このあたりについて、県として何らかの特別なやり方をしていらっしゃるのか。例えば認定講習であるとか、あるいは採用時点の縛りであるとか、そういうことが、免許制度を新たに、この義務教育について創設するときに、小中複合型でいいのか、あるいは一貫型でいいのかに非常に関わることになるかと思うので、今後資料を出していただければと思っております。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 では、秋田委員。
【秋田委員】  私も大坪委員と同様のところについてです。免許の併有で恐らく福井県が一番高いのは、採用の在り様に、かなり関わっているのではないかと思います。ですので、国に期待する課題で75ページでも、教職員定数や学校施設整備以外に教員免許制度の改善ということが言われているので、養成と採用の制度を議論していくことが極めて重要であろうとは思います。
 またもう一方で、少子化の中で、69ページの所で小中一貫を9年間でやっていくという理念の4割ぐらいの自治体では幼小の連携等も行う、コミュニティスクールも行っています。京都市の事例もそうですけれども、やっぱりコミュニティを中核にして、特に小規模の所では、乳幼児期から幼小中をつないでいくという発想を持ってやっていくような学校間連携がこれからの学校の在り方を示しているんだろうと思います。これが重要なことであり、柔軟にこうした制度が作られていくことが大事であろうと考えております。
 ただし一方で、ずっと気になっているのは、最後まで課題のところが経年別のデータです。要するに5年未満、最近行われた小中一貫と5年から10年以上やっている連携一貫では、どのように課題に違いがあるのかという内容は明らかになっていません。きょうは成果の方はいろいろデータが出されているんですが、課題に関してはオープンになっていないので、そのあたりをもう少し知りたいと思います。最後まで残るのが、恐らく教職員の負担は、小中一貫をやることによって多忙化が生まれてくるというところにあろうかと思います。
 現行でも極めて大変なのです。ですから、例えば、本日の報告に出ていましたコーディネーターのような役割の方が、まだ少ないということなんですが、こういうコーディネーターを加配していることによって、どういう効果がでて教員の業務負担軽減が行われているのかというところも是非知りたいと思います。今後もし小中一貫の制度をデザインしていくときには、単に今の教員で小中兼務発令をして頑張れというだけではなく、コーディネーターのような制度を別途、設けていくような制度的なイメージを持つことが重要ではないかと思います。
 以上です。
【小川部会長】  ありがとうございました。御意見等々ありがとうございました。
 時間がもうオーバーしていますので、きょうの議論はこれで終わりたいと思うんですが、何人かの委員から、これから議論していく際に、不可欠だと思われるデータですね。新しいデータとか、あと、このきょうの調査データを更に分析していただきたいという幾つかの要望がありますので、今後議論の進展とともに、そういうデータも適宜追加で出していただければと思います。
 あとは、前回と今回、本当に時間がなくて十分な委員同士の意見交換ができませんでしたけれども、次回以降から制度化に向けての本格的な議論をスタートしていきますので、よろしくお願いいたします。
 では、次回について、事務局から御説明いただきます。
【小林教育制度改革室長】  今、部会長から頂きましたように、またデータ等、必要なものは今後準備させていただきたいと思います。何分、膨大なデータになりますので、少しお時間を頂くこともあるかもしれませんが、適宜準備させていただきます。
 また、きょうお配りした資料4の所にも、先ほど比留間教育長からも頂きましたような問題、きょう多くの委員から頂きました課題についても挙げてございますので、御議論いただければと事務局としても考えております。
 次回でございます。次回の日程ですが、9月26日金曜日9時半からを予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。
【小川部会長】  次回、9月26日金曜日9時半から11時半となっています。場所は文科省ビルの3階の特別会議室ということのようです。また詳細は改めて文科省の方から御連絡が行くかと思います。
 きょうは長時間、本当にありがとうございました。これで終わります。

                                                                  ―― 了 ――

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