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高等学校教育部会(第17回) 議事録

1.日時

平成25年1月28日(月曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省庁舎3階 特別会議室1

3.議題

  1. 高等学校教育部会の審議の経過について
  2. その他

4.議事録

【小川部会長】
 定刻になりましたので、ただいまから、中教審初等中等教育分科会、第17回目の高等学校教育部会を開催したいと思います。
 委員の皆様にはお忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
 それでは、まず、配付資料について、事務局から確認をお願いします。

【塩原教育制度改革室長】
 お手元の配付資料でございますが、本日、議事次第にございますとおり、資料1から3まで3点、及び参考資料1、2の2点ございます。不足等ございましたら、お申し付けくださいますよう、よろしくお願いいたします。

【小川部会長】
 よろしいでしょうか。資料1から3までご確認をお願いいたします。
 では、これから議事に入りたいと思います。
 今日の議題は、前回に引き続いて、この部会の審議の経過について、皆さんから御意見を伺いたいと思います。前回、事務局の方からご提示いただきました骨子(案)について、委員の方々から活発な御議論、御意見をいただきました。今日の資料1、資料2については、前回いただいた意見を踏まえて修正したものです。資料1は、前回の骨子(案)からの見え消しを反映したものです。そして、審議経過(案)としておまとめいただいたのが資料2になっております。今日はこの1、2を使いながら、皆さんから御意見を賜りたいと思います。
 あと、これも前回お話があったかと思いますけれども、この1月末をもちまして、第6期の中教審が終了することになります。当部会におけるこれまでの審議の経過を取りまとめるというような趣旨は、この第6期の部会終了の内容を確認して、次の第7期に引き継ぐというような趣旨もございます。ですから、今日皆さんにおまとめいただいた内容については、第7期の中教審で引き続き審議していただくということになりますので、その点は御了承いただければと思います。
 では、事務局の方から、資料1、2に沿って御説明をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 よろしくお願いします。お手元、資料1と2を御覧いただきたいと存じます。まず、資料2の方ですが、こちらは、前回骨子ベースで御議論いただきました本部会の審議経過報告について、前回の意見を踏まえた修正を加えながら、文章化をしたものでございます。審議経過報告の本体に当たるものでございます。資料1の方でございますが、ページをめくっていただきますと、8ページの後にさらに(参考)という形で、赤の見え消しが入ったバージョンが入っているかと思います。こちらにつきましては、その資料2で文章化したものをもう一度骨子の方に還元したものでございますが、前回の骨子(案)からの変更点につきましては、こちらの赤の見え消しのとおりでございますので、本日の会議では、資料1の方も適宜御参照いただきながら、基本的には、本体であります資料2の方に沿いまして、御議論をいただければと思っているところでございます。
 それでは、資料2の方を御説明させていただきたいと思います。
 資料2、審議経過報告の(案)でございますが、全体5章立てでございます。その第1章、高等学校教育部会における検討の背景とこれまでの検討経緯でございます。1ページ目でございます。
 まず、この第1章でございますが、前回からの変更点といたしましては、冒頭、前回の骨子(案)では、検討の背景として、これまでの高校教育改革に関する成果と課題に関する指摘といったものを冒頭少し触れようかという形で構成していましたが、同様の記述は、今回第2章の(3)の課題認識の方で改めて整理して記載し直すことにしましたので、こういった成果と課題の関係の指摘については、冒頭からは削除しております。
 ということで、まず、1ポツの(1)でございますが、近年の教育政策の中での高校教育に関する提言から始まっております。こちらにつきましては、前回の骨子(案)でも挙げておりました平成20年の第1期教育振興基本計画、平成22年の高校無償化等の附帯決議についての言及に加えまして、今回、さらに、本審議経過報告の中身とも関連します、過去の中教審答申等について幾つか挙げさせていただいております。平成20年の中教審学士課程教育の答申、平成24年8月の大学教育の質的転換答申、さらには、平成23年のキャリア教育答申、そして、次のページでございますが、平成19年の教育再生会議の第二次・第三次報告についても言及させていただいているところでございます。
 その上で、2ページ、3ページ目は、これまでの検討の経過について述べておりますが、(2)は、高等学校教育部会の設置と検討の開始等ということで、昨年の8月の課題の整理と検討の視点までの経過でございます。
 続いて、3ページの真ん中以降でございます。昨年8月の高大接続に関する中教審への諮問と特別部会の設置の流れ、そして、(4)につきましては、昨年8月以降の高校教育の質保証に関する集中的な検討についての言及をしておりまして、3ページ目の一番下でございます。この審議経過報告の位置付けにも当たるものでございますが、こういった「コア」、質保証といったテーマについては、今後も関係者の意見を聞きつつ、また、高大接続部会との連携・対応を図りつつ、議論を集約していく必要があるが、本部会としては、第6期の会期の区切りに当たって、これまでの経過をまとめ、さらに検討すべき課題と併せて以下のとおり報告をすることとする。このような今回の経過報告の位置付けを述べているものでございます。
 続きまして、4ページ目でございますが、第2章でございます。第2章、高校教育の質保証をめぐる現状と課題認識というところでございまして、まず、(1)は高校教育を取り巻く現状と質保証について、4ページ目から5ページ目にかけまして、生徒の多様化、学校・学科等の多様化、教育課程の多様化と、こういった三つの観点から、これまでの高校教育改革で進めてきた高校教育の多様化の流れについて記述をしているものでございます。
 その上で、6ページの冒頭でございますが、そういったこれまでの改革を通じて、現在の高校教育については、生徒の幅広い学習ニーズに柔軟に応えることが可能となったものの、こういったこれまでの改革に対しては、生徒の発達段階や学校教育体系全体を通じた位置付けの中で、「高校教育に共通に求められるものは何か」という視点が弱くなっているとの指摘もある。このような多様化が進んだ中での現在の高校教育に対する指摘について、こちらの方で言及をしているものでございます。
 次に、6ページ、イでございますが、こちらにつきましては、生徒の学習意欲等の低下、学習への動機づけ契機としての大学入試の選抜機能の低下の関係につきまして整理をさせていただいているものでございます。学習意欲の低下につきましては、PISAでの調査結果ないしは最近の生徒の学習時間に関する調査等のデータも触れながら、こういった学習意欲の低下の課題についての指摘を整理しているもの、さらには、学習への動機づけ契機としての大学入試の選抜機能の低下ということでございまして、こちらの方に、6ページから7ページにかけて整理をさせていただいているものでございます。
 さらに、7ページの真ん中より下、ウでございますが、こういった中、高校教育に対する信頼性のゆらぎ、質保証に対する要請ということで述べているものでございまして、まず、社会・産業界からの要請ということでは、現代の若者についての基本的マナー、対人関係能力の低下、職業意識・職業感の未熟さ、精神的・社会的自立が遅れる傾向等の指摘、さらには、若年無業者、早期離職の問題等について触れた上で、これらの現象については、社会・経済の様々な要因が絡み合って生じているものと考えられるが、学校教育に対しても、社会の一員として求められる最低限の学力・能力や意識・態度等を身に付けさせていないのではないかとの課題が、社会・産業界の関係者から指摘されていると、このようなことについて述べております。
 また、8ページでございますが、こちらは、高等教育関係者からの要請ということでございまして、大学入試の選抜機能の低下等を背景として、高校生の学習状況への影響と同時に、大学入学者の学力水準を担保することが困難な状態となりつつあるというような、こういった最近の調査結果等についても触れた上で、これらの課題は、高等学校と大学の接続に関わるものとして相互に関連しており、両者の連携・協力によらなければ解決できないものだが、その中にあって、大学側から高等学校側に対する要請としては、高校教育で身に付けさせるべき学力を、高等学校段階で確実に身に付けさせて欲しいとの声が挙がっている、という形で述べているところでございます。
 その次、(2)になりますが、こちらにつきましては、これまでの質保証・向上に関する取組について整理をしたものでございまして、まず、公的な制度・仕組みとしての質保証・向上のための取組、公的な制度・仕組みについては、各学校の教育条件等の整備、学校運営の向上ということであれば、9ページの上でございますが、高等学校設置基準ないしは公立高校標準法、設置認可の仕組みなど、さらには学校評価の仕組みなど、さらに、教育の内容・水準の担保ということであれば、学習指導要領による最低基準の担保、そして、生徒の資質・能力の状況の把握・保証ということであれば、学習評価に基づく単位の認定や卒業認定等により、制度的には質の保証・向上のための制度・仕組みがあるということについての整理でございます。
 また、10ページ目でございます。イは、設置者・学校等による自主的な取組、とりわけ学習状況の評価関係の取組について抜き出しておりますが、地方公共団体における学力調査等の取組、工業高校の校長会による標準テスト、さらには、検定試験等の活用の取組について触れているものでございます。
 11ページ目までは以上でございます。12ページ目は、そういったこれまでの現状等も踏まえながら、本高等学校教育部会についての課題認識をまとめたところでございます。
 前回会議では、この骨子(案)の中での課題認識の記述ぶりにつきまして、これまでの改革を少し評価し過ぎではないかとか、多様化を進めてきたこれまでの高校教育の進展の中では、いろいろな課題が出ているのだけれども、質保証、とりわけ学習評価のところについての記述ばかりになっているのではないかというような指摘等もあったわけでございます。今回の(案)では、そういった質保証に関する課題認識だけではなくて、アにおいて多様な学習ニーズへの対応に係る課題認識についても1項目を立てております。こちらにつきましても、例えば中途退学・不登校の問題、生徒の学習意欲をめぐる問題、産業・就労構造の変化をはじめとした経済社会の変化への対応といった課題についての、課題認識を明記させていただいているところでございます。
 その上で、12ページの下でございますが、イの高校教育の質保証に関する課題認識でございます。こちらにつきましては、高等学校の学習成果として期待される資質・能力を身に付けないまま卒業しているケースも見られる中、これが高校教育に対する信頼性のゆらぎにもつながっており、高校教育の質保証に対する要請が強くなっている。高校教育の多様化の推進が重要であればこそ、その中で生じてくる質保証の問題には、一層積極的に対応していくことが求められる。こういったことを踏まえながら、高校生として最低限必要な資質・能力を確実に身に付けさせるためにも、生徒の学習状況を適切に評価する取組など、質保証の充実に向けた取組を早急かつ着実に進めていかなければならないとしているところでございます。
 その上で、このような課題認識の下、本部会では、以下の二つのテーマについて、特に集中的に検討を進めることとしたとしておりまして、一つは、全ての生徒に共通に身に付けさせるべき資質・能力(「コア」)について、もう一つは、生徒の学習状況を適切に評価する仕組みなど、高校教育の質保証に向けた新たな仕組み等についてということにしておりまして、以下第3章では「コア」を中心に、第4章、第5章では、質保証についての取組を中心に記述しているものでございます。
 13ページ目、こちらは「コア」についての基本的な考え方でございます。「コア」につきまして、13ページ目の上、まず、(1)でございます。「コア」の範囲についての考え方の整理でございます。こちらにつきましては、学校教育法等における高校教育の目標との関係等も踏まえながらでございますが、全ての生徒に共通に身に付けさせる「コア」を構成する要素は、「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」いわゆる知・徳・体のいずれの領域にも含まれるものとして「コア」の範囲を捉えると、まず、このような範囲についての考え方の整理をしているのが13ページ目のところでございます。
 続きまして、14ページ目につきましては、「コア」の要素についての捉え方ということでございます。基本的な捉え方につきましては、その下の四角囲みにあるとおりでございまして、「コア」の要素を含む資質・能力としては、「社会・職業への円滑な移行に必要な力」や「市民性」が重要であるほか、これらを構成する一部ともなる「批判的に考える力」「説明する力・議論する力」「創造力」「人間関係形成力」「主体的行動力」「自己理解・自己管理力」「職業観・勤労観等」「公共心」「社会奉仕の精神」「他者への思いやり」などや、さらには「健康保持増進のための実践力」なども「コア」の要素を含むものとして位置付けることができる。このようなことについての考え方を示しているものでございます。
 特に、15ページにつきましては、「コア」の要素を含むものとして位置付けられる資質・能力の例という形で、先ほど申し上げましたように、様々な力、さらに少し例示的な内容も含めまして、資質・能力の例を示しているものでございますが、前回の御議論の際に出ておりましたように、ここにある例はどちらかというと、情報の発信者としての能力の方に若干比重がかかり過ぎていて、むしろ受け手としての、例えば相手の話を聴く力のようなものについて、少しバランスがとれていないのではないかというような御指摘もありました。その点につきまして、今回資質・能力の例の中の三つ目のポツでございますが、人間関係形成力となる一つの例として、相手の話を聴く力といったものも、今回入れさせていただいているところでございます。
 また、前回、小杉委員から労働者としての権利・義務についての知識などの重要性について御指摘していただいていたところでございますが、こちらにつきましては、下から四つ目のポツでございます。職業観・勤労観と併せまして、労働者としての権利・義務の理解など社会的・職業的自立の上での基礎的・基本的な知識・技能についても、今回記載をさせていただいているところでございます。
 続きまして、16ページでございます。16ページは、必履修教科・科目等と「コア」との関係について整理をしているところでございます。まず、アにおいては、「コア」としての必履修教科・科目等ということで銘打ってございますが、学習指導要領が示す必履修教科・科目等は、全ての生徒に「コア」を身に付けさせるための共通の枠組みを、教科・科目等の形で示したものと捉えることかできるということで確認をしているところでございます。
 その上で、16ページの下、イの「コア」を踏まえた目標等の在り方の検討、「コア」に関連した検討課題ということでございますが、17ページに入って二つ丸がございます。まず、一つ目でございますが、新学習指導要領の下、高等学校全体で共有すべき達成水準として、何を、どこまで求めていくかについては、そのための評価の在り方と併せ、引き続き検討していくことが必要であり、また、高校教育の「コア」を身に付けさせるための共通の枠組みである学習指導要領における必履修教科・科目等の範囲や目標・内容等の在り方についても、今後さらに、中長期的な視点から幅広い検討が必要であります。このような関連した検討課題について述べているものでございます。
 その次、18ページでございます。第4章は、高校教育の質保証に向けた評価の仕組みについての基本的方向でございます。その(1)でございますが、まず、議論の整理といたしまして、「コア」の要素を含む様々な資質・能力の中には、例えば知識の量などのように、筆記試験や技能試験等の手段により客観的な把握を比較的容易に行えるものと、そうでないものとがあるということでございますので、そういったそれぞれの性質に応じた適切な方法による把握を行って、客観的な評価の充実を図っていく必要がある。
 このような観点から、以下、(2)(3)で、客観的なテスト等による評価、筆記試験や技能試験等による評価が比較的容易に行いやすい基礎的・基本的な知識・技能と思考力・判断力・表現力等の評価、それ以外のものの評価、それぞれについて述べているものでございます。
 まず、知識・技能、思考力・判断力・表現力等の評価でございますが、こちらにつきましては、18ページの真ん中、基本的な方向性でございます。四角囲みのところでございますが、基礎的・基本的な知識・技能や、課題解決に必要な思考力・判断力・表現力等については、その到達度を把握する参加希望型のテスト(「高等学校学習到達度テスト(仮称)」)を全国規模で行う仕組みを設け、各学校・生徒の希望に応じて活用できるようにするとともに、教科・科目の特性を踏まえつつ、技能検定の活用等を促進し、客観的な評価の充実を図るとしております。
 全国規模で行う参加希望型の新たなテストの仕組みについてでございますが、こちらにつきましては、19ページの真ん中辺り、15行目でございますが、こちらで前回会議での御指摘も踏まえながら、考え方の整理を記載させていただいております。まず、共通点はテストということでございますと、地方公共団体による共通テストの取組、これらにつきましては、生徒の学力の状況を適切に把握し、学校における指導の改善・充実につなげていく上で有効と考えられる。このようなことについての確認はございます。
 その上でですが、一方、地方公共団体における既存の共通テストは、学習の目標とすべき水準として、全ての生徒に共通に求める水準を設定し、その到達度を測るようなテストとしての性格は弱く、一定の学力を担保する意味での質保証の仕組みとは、その用途・目的において異なっているとしており、高等学校全体の質保証の観点からは、国において、共通に目標とすべき水準の明確化を図るとともに、生徒一人一人の到達度が把握できる新たなテストの仕組みを設け、全国の高等学校・高校生が、希望に応じて参加できるようにすることか必要であるとしております。なお、生徒の学習意欲の向上という点では、生徒が、そのテストの成績により、例えば就職やAO・推薦入試の場面など対外的な場面において、自らの学力を証明できることになれば、当該テストは、生徒の学習意欲を一層喚起するものとなると考えられる。本部会としては、以上のような観点を踏まえて、高校生として共通に求められる基礎的・基本的な知識・技能や思考力・表現力・判断力等に関し、その学習到達度を把握する希望参加型のテスト(「高等学校学習到達度テスト(仮称)」)を全国規模で導入することについて、さらにその仕組み等の検討を進めていくこととしたい。このように記載する案となっております。
 続きまして、20ページでございますが、エの技能試験等の活用の推進についてでございます。まず、職業系の専門教科・科目における活用といたしまして、過度の試験対策偏重による弊害には十分留意しつつ、技能試験等の活用を積極的に推進するなどにより、一層の充実を図っていくことが必要であります。さらに、民間等の検定の試験の中には、外国語や国語、数学などの教科と関連の深い内容を扱っているものもあり、各学校の実情に応じ、その活用による評価の充実を図っていくことも有効である。このようにまとめているものでございます。
 20ページの下でございます。(3)その他の幅広い資質・能力の評価でございますが、こちらにつきまして、評価の妥当性の確保や信頼性の向上に向け、評価の手法や評価指標等に関する調査研究を行い、その成果を踏まえ、評価の取組を進めるといたしております。
 もう少し具体的には、21ページのイの二つ目の丸でございますが、これらの幅広い資質・能力の評価については、様々な先進的手法の活用も視野に入れながら、どのような資質・能力を、どのような手法で把握するか、評価の指標をどうするか等の調査研究を進めていくことが必要である。このため、国においては、これらの調査研究の実施を通じ、高等学校で普及可能な評価モデルを開発し、その成果を普及していくことが求められる。このように記載をしております。
 その下、ウでございますが、こちらは、生徒の学習状況に関する調査の推進といたしまして、知識・技能や思考力・判断力・表現力等の調査に加え、学習時間や学習意欲など、高校生の学習状況を客観的に把握するための調査を定期的に行うことが必要である、ということで、こちらにつきましても、ここで触れさせていただいているものでございます。
 最後、22ページでございますが、前回の骨子ベースにはなかったものでございますが、前回会議で「コア」の要素となるいろいろな幅広い資質・能力を身に付けさせていく際には、単に学習状況の評価だけで、そういった資質・能力を身に付けさせていけるものではなく、もっと様々な取組の充実が必要なのではないのか、それなのに、骨子(案)では、そこが抜けているのではないのか、特に評価についても、その結果をフィードバックして、指導を充実させていくことが重要なのに、そこへの支援が十分書かれていないのではないかといったような御意見、御指摘もいただいていたところでございました。
 そういった意見を踏まえまして、今回のこの第5章を新たに設けさせていただいております。指導の改善・充実につながる各種の振興方策につきましては、昨年8月の「課題の整理と検討の視点」の中でも、一定の整理がなされておりまして、質保証に向けた評価以外の取組についても、昨年の8月に示された課題についての検討を引き続き進めて、一層の充実を図っていく必要がある。そういった昨年8月の議論からのつなぎになるような1章を、今回入れさせていただいているところでございます。
 以上、審議経過報告(案)についての一連の御説明でございます。よろしく御審議のほど、お願いいたします。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では、主に資料2に基づいて、皆さんから御意見を伺いたいと思います。今、御説明のとおり、この部会の審議の経過(案)については、五つの柱から成っています。最初、その1と2、検討の背景とこれまでの検討経緯と、高校教育の質保証をめぐる現状と課題認識、この二つに関わる御意見をいただいて、その後に3、4、5に関わって御意見を伺い、そして、最後に、また全体を通して何かあれば御意見を伺うようにしたいと思っています。よろしいでしょうか。そういう形で進めさせていただければと思います。
 それでは、まず、1と2に関わって何かお気づきの点がございましたら、御意見、御質問をいただければと思います。いがかでしょうか。
 前回いただいた意見が、かなり今日の資料2の方に反映されていると、私も読んで思いましたので、これでよろしいでしょうか。
 また、後で全体を通じて御意見を伺う時間を設けたいと思いますので、もし1、2がなければ、続いて、3、4、5に関わって御意見をいただければと思います。前回の部会で多くいただいた御意見は、主にこの3、4に関わるような御意見であったかと思いますけれども、前回皆さんからいただいた御意見を踏まえて、いろいろな加筆、修正をしております。その内容を少し御確認いただいて、さらに何か御意見、御質問があればお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。では、小林委員、どうぞ。

【小林委員】
 3の全ての生徒に共通に身に付けさせる資質・能力について、13ページのところなのですが、大変まとめられていてすばらしいのですが、(1)の「コア」の範囲のところの2番目の丸のところで、学校教育法に触れている部分がありまして、学校教育法の目標の上に目的の条項もございます。その目的の条項の中には、普通教育及び専門教育を施すことを目的とするとなっておりまして、第1回目の時に山中初等中等教育局長がお話しになっていた普通高校7割、専門高校2割、総合学科高校1割という割合について、課題があるということで期待したところでございます。経済の動向がいろいろありますので、各地方公共団体の方では、少子化に向かってきた時に、いわゆるランニングコストがかかる専門高校の統廃合がかなり進みまして、かなり産業界に送り出す人材育成が弱体化したと私は思っています。ですから、この高等学校教育部会で、もう少しその辺りの議論を進めていただいて、できれば、普通高校の中から、さらに専門高校を拡充するような議論に深まっていただければと思って期待していたのですけれど、なかなかそれがうまくいかなくて、私の話もなかなかうまくできなくて申し訳なかったのですけれども、13ページの目標の前に、目的にも是非併記して書いていただけると、私は、今後、第7期で議論が継続されるという、先ほどの小川部会長のお話もありましたので、継続した話の中で、国家戦略として、やはりものづくり国家が今後もまだ大いに発展し続けていくためにも、大学教育だけではなく、高校教育の中でも専門教育はもっと重要視されて、産業界のニーズに応えられる有意な人材育成ができる方策を、是非この高等学校教育部会で議論していただければありがたいと思っています。
 この学校教育法の第50条、第51条がやはり根本であろうと思いますので、議論していく中で、ともすると、ここの辺りが普通科高校だけの問題、あるいは大学進学してからだけの問題にやや偏ったところから、誤解を受けてしまうのではないかというところの危惧も考えております。全国工業高等学校長協会がやっています資格取得制度の検証なり何なりが非常にコンパクトにきちんとまとめられておりますので、大変ありがたいところなのですが、専門高校、工業高校だけではなく、様々な産業に従事する生徒を育成しておりますので、ここら辺のところも、是非もう少し深めた議論を次はしていただければという思いを込めて、目的のところもどうぞよろしくお願いしたいと思っています。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。では、荒瀬委員。

【荒瀬委員】
 ありがとうございます。本当にきちんと全般にわたって言葉が及んでいると言いますか、配慮してまとめていただいたと思っています。次につないでいくという点で、私も申し上げたいのですけれども、先ほど申し上げれば良かったのかもしれませんが、7ページのところで、ウの高校教育に対する信頼性のゆらぎ、質保証に対する要請の最初二つの丸はこんな状況になっているということの説明で、三つ目の丸のところで、その要因について触れられているのですけれども、これは、非常に一般的な要因の指摘であって、ここのところと高校教育の具体的な中身との関わりがどのようになっているのかというのは、今後、考えていかなければならないのではないか、それをしない限りは、この後の3章、4章、5章の中身もまた進んでいかないのではないかということを思っております。それがまず1点目です。
 それから、具体的な中身になりますが、19ページにウのところで、全国規模で行う希望参加型の新たなテストの仕組みの検討とあり、この2ページは、新たなテストの仕組みについての提起でありますけれども、希望参加型というのが何度も出てきていまして、強調されているという御苦労の跡が分かるわけですが、この希望参加型の新たなテストが、今後、例えば高大接続特別部会などでも議論になっています、特にAO・推薦入試、これは19ページの下から二つ目の丸のところに書かれていますが、全く高等学校までの学力といったものを真っ直ぐに問わない、そういった形での入学試験が行われていて、そこのところが、高校生がどういった進路を自分自身で選択していくかという時に、なかなか日常の学習に結びつかない、という面を持っているのではないかと考えるわけですが、こういった指摘をしていただいているというのは非常に良いのではないかと思います。ですから、使うか使わないかは別といたしまして、特にAO・推薦入試などで高等学校段階までの学習歴を見る、あるいはまた、受験する高校生がこれまでの学習に基づいて大学を選択していくということはとても大切なことではないかということを思っております。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。川嶋委員、どうぞ。

【川嶋委員】
 今の荒瀬委員の発言に関連して、一つは、この高等学校教育部会で高等学校の質保証として提案している、高等学校学習到達度テストというものと、特別部会長の安西先生もお見えになりますけれども、今お話にも出ました、高大接続特別部会の方で検討されている高大接続のためのテストについてです。これを外から見ると、どういう関係にあるのかというのがなかなか見えにくいと思います。その両者の関係をどうしていくかということは第7期に持ち越しということになるのでしょうけれども、もちろんその目的が違うわけです。高等学校教育の質保証のためというのは、別に大学進学者だけではなくて、就職する者に対しても必要な仕組みになるわけですけれども、しかし、19ページのところ、先ほど荒瀬委員も言及されましたけれども、AO・推薦入試でも使えるとあります。一方で、高大接続テストと呼ばれているようなところも、同じようなことを目的にしているということで、やはり国全体として、いわゆるテストと言いますか、学力把握、「コア」の能力を把握するためのテストをどうするかというのは、最初の方に二つの部会で連携しながらと書いてありましたけど、正に7期以降で、そこのところをきちんと明確していただかないと、やはり社会から見ていると、どういう関係なのかというのがなかなか見えにくいので、是非そこを明確にしていただきたいということです。
 それから、2点目は、先ほど御苦労があったという、参加希望型というところに関わってですけれども、質保証ということから言えば、私は、できるだけ希望ではなくて、できるだけ多くの高等学校なり、高校生が参加すべきだろうと思います。それが無理な場合として、工業高校、専門高校等では技能テスト等とありますけれども、そういう点では、高等学校の質保証という点でいえば、高等学校ないし高校生は何らかの形で、いわゆる広い意味での学力を把握するような仕組みに参加するという形にしないと、どこかで漏れが出てきて、今、ここの部会で議論している日本の高等学校教育の質をどう保証するかというところからいくと、不完全な仕組みになってしまうのではないかというふうに感じています。ですから、もう少しこの辺りの書きぶりを工夫していただきたい。
 最後に、高等学校に限りませんけれども、教育の中身、成果、プロセスに対する透明性と説明責任というのは、今後、今以上に強く求められると思いますので、その辺を、少し書き加えていただければと思います。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。今の2点は、確かに、この部会でこれから更に深めていかなければならない課題だと思いますし、特に前の点については、高大接続特別部会の問題にも非常に絡んでくることで、おそらく今後、このまとめを踏まえて、高等学校教育部会から高大接続特別部会に、一応こういう部会まとめがあったということで御報告していただいて、高大接続特別部会でも、少しこれについては議論をしていただくということで第7期はスタートしていくのだろうと思いますけれども、この点については、第7期のことですので、今の時点で川嶋委員からの御指摘をどういう形で検討していくかというのは、少しまだ不透明なところがあるかと思いますが、事務局の方から、今の点についてどうですか。

【望月主任視学官】
 今、御指摘をいただきました点でございますけど、部会長から御説明ございましたけれども、まず、今の審議経過報告につきまして、本日いただいた御意見を踏まえて、部会長と御相談をして、修正したものを2月以降のできるだけ早い高大接続特別部会の審議で御意見をお聞きし、それをまた高等学校教育部会にもフィードバックをさせていただく形になろうかと思っております。
 ただ、現在、この審議経過報告(案)で提示をさせていただいておりますテストと、大学入試を中心とした高大接続特別部会での質保証も含んだ検討というものを、次の時に少し整理をしていかなければならないというふうに、課題を認識しておりますが、今の段階でどういう方向で、どういう形になるかということは、今後の審議の状況次第だと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

【小川部会長】
 ありがとうございました。一応そういうことでよろしいですか。
 ほかにいかがでしょうか。和田委員、どうぞ。

【和田委員】
 本当によくまとめていただいて、文言的には、これはこれでいいのではないかと思っているところですけれども、高等学校側からの立場として、こうしてまとめていただいても、これをもって高等学校がどう具体的にしていけばよいかというのが、いまだにはっきり見えてこないというのが現状かなと思います。
 それは、一つは、1、2に関わるところですけど、7ページ、8ページにいろいろなところからの要請という文章があるわけですけれども、社会・産業界からの要請というのと、その次のページに高等教育関係者からの要請という形で分けられてあるのですけれども、果たしてこれがどの程度共通性があるものなのか。それとも、やはりかなり違う要請であるような気もするわけです。ですから、もともと高等学校、高校生は既に多様化しているというところからこの問題は起こってきているわけですけれども、この要請も多様化している部分がかなりあって、では、それぞれの生徒に合わせて、この子に関してはどの要請に応えていくような指導をしていったらいいのかというようなところが、まだまだうまくつながってないと言いますか、総花的に全ての要請に応えるような能力を身に付けようとすると、これはまた大変なことになってきますので、その辺のまとめ方が大事かなと思っています。
 今回の議論は、本来その両方の要請に共通する部分を「コア」というふうに呼んでいると思うのです。全ての高校生に必要な部分ということですから、極端に言えば、かなり選抜が激しいような大学へ進む生徒にも、あるいは先ほどからおっしゃっているように、事実上、入学試験という制度なくして大学へ入っていく生徒たちに対することも、それから、産業界へ出ていく生徒たちにも、共通して必要な要請に応えるべきものが「コア」であって、その「コア」に関して議論をしてきたわけですけれども、その部分と今回のはそれを解決する一つの手段なのかもしれませんけれども、そのテストとの関連性がもう一つよく分からない。果たしてこのテストは、そういう全ての高校生に共通するものが測れるテストなのか。それとも、今おっしゃったように、ある一部の、何分の1か知りませんが、そういう人たちのためのテストになっていくのかというところが、あまりはっきりしていないというところが残念なところでありまして、今後、その辺のことも含めて続いて検討していただければと思うことと、そして、先ほど言いましたように、「コア」でないところの要請に対して、高等学校はどう応えていくのかというのは、まだまだ全然検討が足りないところだと思いますので、これも引き続き検討するというようなことをもう少し明確に、次期への繰り越し的な課題というような形で、どこかに書いていただければなと思っています。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 今、和田委員から御指摘、御提案あった点については、おそらく各学校や生徒の多様性に対応して、そうした各学校、生徒に対応した各種の振興方策を検討するというようなことも、この部会の検討課題にはなっていたのですけれども、残念ながら、時間的な問題もありまして、そういう各学校レベルを少し意識した各種の振興方策については、この部会では十分時間をとって議論できなかったということで、22ページ、5の高等学校教育の質保証に向けたその他の取組の三つ目の丸のところで、そうしたことについては、今後の部会の検討課題だということでは触れておりますけれども、今、和田委員が御指摘された点については、正にそうかと思いますので、この辺の点についても、可能な範囲で文言を工夫していければと思っています。ありがとうございました。

【和田委員】
 よろしくお願いします。

【小川部会長】
 はい。では、上野委員、どうぞ。

【上野委員】
 うまく言えるかどうか難しいのですけれど、教育が一番活きるのは、おそらく非常にたくさんいる中間層をより上げるということだろうと思います。もちろんよくできる人もそれなりに教育を受けないといけないし、それと逆な意味を持つ人にもそれなりの努力をしないといけないことはそうなのですけれど、非常に大多数を相手にする場合は、教育が一番効果を上げるところを何とかしないといけない、そうすることによって、いろいろな国の発展性もより出てくるのだろうと思いますけれども、ここに挙げられている、学力中間層の学習時間が大きく減少しているというのは、ある意味では分かりやすいターゲットになるのだと思います。そういうふうに考えた時に、私が前々回申し上げたように、宮城県の統一試験の数学の試験が、ガウス分布ではなくてM型だったのです。ほかの科目はガウス分布だったですね。ところが、数学はM型だったのです。例えばそういうものをガウス分布に近くなるように改善していくというのが、教育として非常に成果があったということになります。
 そういうふうに考えていった時に、先ほどどなたか委員の方がおっしゃいましたけれども、評価をする方法というのに、例えば19ページのウの部分で、全国規模で行う希望参加型の新たなテストがあり、希望参加型というキーワードが入っていて、さらに繰り返し出てきます。もしもそれを強調し過ぎると、本来何かを真摯な気持ちで調べて、それを教育に反映しようとした時に、気を使い過ぎて役に立たなくなってしまうのではないかという気がします。それで、このウの項目の最後のところに希望参加型というキーワードが入っておりますので、もうそれでいいのではなかろうかと思います。
 それから、今回のこの部会では、主として、「コア」科目でどういうふうな評価をできるかということが議論の中心になっていたと思うのですけれども、例えば非常に定量的に評価のしやすい科目については、試験というのは非常にいい方法だと思います。それをやっておそらく本当に質の保証をやろうとすると、その試験だけではなくて、その結果をどう反映させるかというのが非常に大事なことなのです。それで、9ページの一番上には、運営であるとか、そういうことも考えていかないといけないということが書いてあるのです。しかし、実際の審議では、おそらく一番難しいところに関する議論がまだされていなくて、そういう議論は併せてしていかないといけないとか、例えば教員採用、人事に関する問題であるとか、そういうことまで何か議論する必要があるというようなことを残しておく必要があるのではないかと思います。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。では、北城委員、どうぞ。

【北城委員】
 前回の議論に参加していなかったので、前回の議論であったかもしれないのですが、18ページの上では、全ての生徒に共通に身に付けさせるべき「コア」ということで書かれているので、全ての生徒が身に付けさせるべきものを評価する時に、19ページの希望参加型の新たなテストというのは矛盾するのではないかと思います。要するに、全ての生徒が身に付けていなければいけないのだったら、全ての生徒が試験に参加して、その結果をどう使うか、それぞれの大学で使うか、企業が使うか、それは別の問題として、全ての学生が身に付けていかなければならないと言っているにも関わらず、なぜここで希望参加型にするのかというのが少しよく理解できないので、全ての学生が参加する仕組みでいいのではないか、これは工業高校も含めて参加することでいいのではないか、要するに、社会に出た時に、日本人として必要最低限のものは身に付けているとすれば、どんな普通高校であれ、工業高校であれ、全て必要なので、それについての保証をすればいいわけで、これを大学の接続にどう使うかというのはまた別途議論した方がいいのではないかと思います。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では、小杉委員、どうぞ。

【小杉委員】
 やはり参加型のテストに関連してなのですけれども、「コア」、思考力・表現力・判断力というものをきちんと身に付けることが高等学校の中で非常に大事だということは間違いないのですが、それをどう測るかという時に、こういうテストの形で測るのと、もう一つの軸として、技能試験等というようなところも、それを測るものだという形でここでは位置付けられていると思うのですが、それがどう同等に扱われるのかというのは、少し疑問に思っているところがあります。
 専門高校の中の特徴的な職業教育科目、非常に実践型、現場型の教育だと思うのですが、そういう教育で、間違いなく思考力・表現力・判断力というのはかなり培われているものだと思います。普通教育科目ではあまり自分の居場所が見つけられなかった生徒たちが、現場に近い教育科目の中で改めて自分に自信を持ったりするという、そういうプロセスが職業教育科目の中には大変大きな役割としてあると思います。そこで身に付けられた表現力・判断力といった力を測る仕組みは、ここでは検定試験にし、そうではないものについて、テストで測れるものにするという位置付けになっているのですが、これは、一応別々のものとしての扱いなのか。先ほどのように、全ての高校生が身に付けるべきものとして一律だとしたら、多分その両方が同じ軸、ベースの中で評価されるべきで、それを統一的に判断できるような基準というのは、これから作れるものなら是非作っていただきたいと思います。後の議論へということで、この二つの教科の内容によって違ってくる軸をどうそろえていくかということを検討していただきたいと思います。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 先ほど何人かの方から、生徒に共通に身に付けさせるべき「コア」ということと、希望参加型テストの関係等々について御指摘があって、これは前回かなり議論してきたところで、前回の議論を踏まえて、今回こういう形にしております。その点、前回の議論と同じようなことを繰り返すことはあまり生産的でもないと思いますけれども、何かこれに関わって、次期の第7期の中教審で、さらにこのテストの有り様等々については踏み込んだ検討はされていくかと思いますので、前回の議論をそのまま蒸し返すつもりはないのですけれども、一応、次期の中教審で審議していく際、いろいろと御指摘ないしは御要望等があればまた御意見を伺いたいと思います。
では、4人手が挙がりましたので、和田委員、野上委員、小林委員、そして荒瀬委員ということで、この順番でやらせてください。では、和田委員、どうぞ。

【和田委員】
 ありがとうございます。先ほどからいろいろ御疑問が出ている点は、前にも一回指摘したのですけれども、果たしてこのテストが今の小学校6年生とか、中学校3年生で行われているように、主として、その本人の到達度を評価するためのものというよりは、学校、あるいは地域、そういうところの学習到達度なり、学習意欲なりを測る、いわゆる調査型のテストなのか、それとも、一人一人の個人が高等学校で身に付けるべきものをきちんと身に付けているかどうかを評価する、そういうテストなのかという性質がはっきりしていないところが一番の問題点ではないかと思います。これは、学校のそれぞれの在り方として、学校で今後、PDCAでチェックしていくための学校評価的な意味を持たせるテストであるとすれば、そういうことが大事だと思う学校なり、あるいは希望者が参加していけばいいと思うのですが、これをもって高校修得を認定するような性質を持たせるのであれば、それはおっしゃるように、全ての生徒が身に付けるべきものを評価するためのものですから、全個人が受けなければいけないということになってくると思います。
 その性質が何かはっきりしないまま、実施時期についても、前者の形であれば、その後の学校教育をよくしていくという意味において、高校3年生でない段階の方がいいかもしれませんし、あるいは個人の達成度を見るのだったら、ある程度卒業に近い時期でないとおかしいわけですし、その辺りもはっきりしないままである。とりあえずセンター試験とか、そういうほかのもの、あるいは高大接続テストなどが考えられている中で、違うもののような表現も少し残しておこうという形で、こういう表現になっていったのではないかと私は思っているのですけれども、まず、その性質をはっきりさせないと、この議論は、これ以上なかなか深まっていかないのではないかというのが私の意見です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では、野上委員、どうぞ。

【野上委員】
 1点あるのですが、その前に今のテストなのですけど、私も、二つの大学に関係しているものですから、その中のAO入試などを見ますと、やはりいろいろな選択肢があっていいと思うし、評価項目が多岐にわたることは、一人の生徒を十分に吟味できてないのだとすれば、いろいろな要素を加えていただければいいと思うので、できれば全員対象としてやっていただきたい。
 今日は、その点ではなくて、今後、さらに必要な方策については検討を続けるということでございますので、次のことを要望しておきたいと思います。
 私は、この会議で、またかと思われた方も多いのではないかと思いますけれども、再三にわたって申し上げてきたことがございます。それは、産業界におりますと、教育課程を終えた大半の若者が我々の産業界に入ってまいります。その若者を観察しておりますと、人の話、特にこれはよい話ではないかという話を聞いても、また、物に触れると、その中でも本物と言いますか、そういったものに触れても無関心、無感動な若者が産業界に多く入ってまいります。加えて、こうした若者に共通して言えることなのですけれども、何か事に当たっても、自分の考えや意見を表明しないで他人に迎合してしまう人が実に多いわけであります。言い換えますと、再三申し上げているのですけれども、産業界におりますと、ディスカッションすることも、ましてや意見を闘わす、ディベートすることなどが、多くの中小企業におります人材を見ておりますとないわけです。
 そして、こうした若者が多い職場では、創意工夫などの改善、改革はもとよりなのですけれども、今、生き残りをかけている企業にとりまして、イノベーションの起こりようがないわけであります。こうした現象というのは、何も教育界に責があるわけではなくて、受け入れ側の企業側にあることは十分に承知しておりますけれども、しかし、今度は、個々の若者に接してみますと、知識量というのは、我々の世代とは比較にならないほど、実は豊富に持っておることを気づかされます。では、なぜこれが表に出てこないかということなのですけど、それよりも、その豊富な知識量というのはどうして培われたのだろうと言うと、正しくこれまでの教育によって培われているのだと思いますし、それから、北城委員もいらっしゃいますけれども、ICTの推進が、画期的にその豊富な知識量を増やしたと思います。問題はここだと思っております。なぜその知識が表面に出てこないかということですけれども、一言で切り捨ててしまえば、取り組もうとか、やろうというような意欲が、我々の世代と比べれば、今の人には欠けているのだろうと思います。
 前置きが随分長くなりましたけれども、そこで、次期の検討会議で要望してまいりたいのは、先ほども申し上げましたけれど、個々人は豊かな知識量を持っておりますので、個々人の中にある関心、あるいは興味、それから、長所をくみ上げるにはどうしたらいいのだろうという視点が、この討議の中で私は少ないように思います。付けさせるもの、身に付けてほしいものについての議論はありましたけど、くみ上げる方の議論というのは少なかったのではなかろうかと思います。確かに、先ほどのテストもそうですけれども、一律的な取組も必要なのですけれども、若者が成長するきっかけになる因子というのは人それぞれで違うわけですから、それへの対応が必要でありまして、教育界、又は現場の先生方にとっては大変なのですけども、生徒一人一人に目配り、気配りをすることが、今、最も重要ではないか。ほかのところは今回まとめていただいた内容で、私は90%以上の精度で語られたと思うのですけど、くみ上げ方、それに対する対応の仕方を次期の検討会議の中で加えていただいたらよろしいのではないか、ということを申し上げて終わりたいと思います。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では、小林委員、どうぞ。

【小林委員】
 19ページのテストのことなのですけれども、上から3行目に、「基礎的・基本的な知識・技能を身に付けていない者が大学に送り出されるという状況に関しては、高校教育の質保証の問題として捉え」という文言がありますけれども、高校進学率が80%を超えた四十数年前から、実は工業高校では、この問題についてずっと悩んでおります。先ほど小杉委員がおっしゃいましたけど、実践力を身に付けるための実習を中心とした学習で、創造力なり、表現力なりを、かなり身に付けています。先ほど北城委員から、このページにあるように、全員に身に付けさせる「コア」ということで考えると、希望参加というのはおかしいではないかというお話がありましたけれども、実はこのページの下から二つ目の丸の2行目に、「自らの学力を証明できることとなれば、当該テストは、生徒の学習意欲を一層喚起するものとなると考えられる」となっていますけれども、私は、希望参加だから、この言葉は通用するのだろうと思っています。もし全員が共通のテストを受けるようになると、この文言は外していただかないと、やはり困るのではないかと思っています。
 私が目の前で見ている生徒は、義務教育9年間の中でかなり挫折して入ってきて、何とか3年間で頑張って社会に出たいという子供たちが多いです。しかし、何かやらせようとすると、どうせ僕はできないよ、僕はだめだよというところから入ってくる生徒が多い現実の中で、どのような内容の共通テストなり、到達度テストになるのか分かりませんけれども、やはり希望受験というのは、私は大事だと思います。
 それから、4月からの学習指導要領の中で、国語、数学、外国語に限っても、様々な科目が用意されていますので、この科目のどれをとってやるのか、必履修科目が指定されていますから、この指定された履修科目で実際におやりになるのか、少し分かりません。しかし、素点だけをその子にフィードバックしてあげても、その子が果たして学力を証明してもらったという形になるかどうかというのは大変疑問に思います。
 20ページにあります工業高校生がよく受けている資格試験は、初級、中級、上級とか、初歩の段階の4級、3級、2級、1級とステップアップしていけるようなタイプになっておりますので、このステップアップできるようなタイプのテストであるならば、全員が受験しても、次は上を目指して頑張ろう、次は、その次は、という喚起にはつながっていくと思うのですけれども、私は、単純な大学共通試験のような形の方法は、全員には無理だろうと思っています。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では、荒瀬委員、どうぞ。

【荒瀬委員】
 ありがとうございます。先ほども少し申し上げましたけれども、どうして今、こういう状況になっているのかということに戻って考えてみますと、少し関係ないようなことを言うかもしれませんが、生物多様性というのは、種が持続するために必要だということなのだそうですけれども、高等学校の生徒が多様化しているというのが、高校生にとっていいことなのかどうかという、多様化しているということだけでほっておいていいことなのかどうかということをとても強く思います。
 私は、このテストについて言うならば、悉皆のテストをするべきだというお考えは当然あろうかと思うのですけれども、ここで問うのは、この審議経過報告全体のトーンとか、あるいはこれまでの議論からしても、学習時間のほとんどない、あるいは基礎学力をほとんど持っていないままで高等学校を卒業していく生徒に対して、これは指導をどう変えていくかということでもあるわけですけれども、むしろ、個々の生徒に対してどれだけ学校として向き合っていって、個々の生徒がそれぞれ学力を少しでも高めた状態で、あるいは、これは狭義の学力ですけれども、その狭義の基礎学力を高めたことによって学習意欲につながる展望を持てるような形で、個々の生徒に対する指導という意味でのフィードバックをするためには、希望参加型でよいのではないかということを思っています。
 例えば、今の狭義の基礎学力という点で言いましたら、選抜性の高い大学に合格する生徒に対して、学習時間のことであるとか、あるいはまた基礎学力、本当に基礎の基礎の学力についてテストをする必要があるのかないのかという議論は、既に当然あるでしょうし、あるいはまた、そういう部分でないところで、個々の生徒の持っている良いところを引き伸ばしているというところも、全国の高等学校には、どういう種類の高等学校かということではなくて、様々に取り組んでいるところがあろうかと思います。ですから、せめて測りやすいその基礎学力については、基礎学力を測ることによって、個々の生徒に基礎学力を付けて、それによってこれからの展望を見出せるような指導をしていくという意味で行えばいいし、また、21ページには、その他の様々な測りにくい力をどのようにして見ていくのか、例えば学習状況をどのようにして読み取っていくのかといったようなことについてのことも書かれているわけでありまして、その測りにくいものと測りやすいものというのを、これまでの議論でも分けて考えてきましたので、この点については、これまでの議論を踏まえた上での、希望参加型ではないのかということを思っております。
 もう一つだけ付け加えさせていただきますと、平成20年1月17日の中教審答申、今回の学習指導要領の改訂に関わる中教審答申の中に、少し文言は不正確でありますけれども、様々なものに、例えば他者であるとか、自然であるとか、異文化であるとか、いろいろなものに対して開かれた個としての成長が望まれるというような表現がございます。これはとてもすばらしい表現だと私は思っておりまして、開かれていくためには、狭義の基礎学力というのは、やはり本を読んだり、人と話をしたり、物を見たりする上ではとても大切なことだと思いますので、そういった力を付けることによって、これからの社会に生きていく青年を育てるという点で、こういったテストの導入、あるいはその導入のための検討、制度設計といったものについて考えていくことはとても大事なのではないかということを思っております。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 ほかに、では、長塚委員。そして、渡邉委員ということでお願いします。

【長塚委員】
 希望制を希望していたと言いますか、共通テストという言葉が最初にひとり歩きしていたものですから、私は、大変そのことを憂慮して、希望制という言葉ではなかったのですが、共通テストというのは、全国全ての生徒を一律にすることには問題があるということを何度か話をしておりましたので、重ねての話になるかもしれませんが、一言触れさせていただきたいと思います。
 学力調査とここで言っておられるテストが、到達度テストと言う場合の意味合いとどの程度違うのか、私にはよく分からない。全国一律にやっている小学校、中学校の学力調査ともし一緒に考えていけば、学力調査も政権の考え方によっては悉皆でやったり、抽出でやったり、地方の都道府県別のものも悉皆でやったり、抽出でやったりと、いろいろなようであります。ですから、学力調査という意味合いでも、全ての生徒でやるのがいいというふうには必ずしも言えないわけでありまして、一方では、到達度テストというふうに、純粋に本人のためになる、本人の将来につながるという、何か資格検定試験のような意味合いで考えるのであれば、これは正に全員やる必要はないのであって、必要な生徒がすべきであると思います。主体的にインセンティブを与えるということが非常に重要であって、全員テストをするということであっては、これはやはりインセンティブを上げることにはなっていかないのではないかと私は思います。
 現状で、センター試験などの大学入試というものをそのままにしておいて、一律に全員やるようなテストを更に行うのだというのであれば、特に中間学力層のところは、センター型なのか、到達度テスト型なのか、現場では両方の二重負担を求められているような感覚になってまいりますので、その点も含めて、やはりそこは慎重に考えないといけないと思っております。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 渡邉委員、どうぞ。

【渡邉委員】
 前回、私の方から、このテストをすることが目的でなくて、その結果をどのように日々の指導の中にフィードバックしていくかということが最も大事だという意見を申し上げさせていただきました。その結果、かなり今回、加筆されてまとめていただいて、本当にありがたく思っております。
 今、何人かの委員の方からいろいろ御意見が出ておりますけれども、例えば定時制や通信制で学ぶ生徒に、果たしてこのテストを実施した場合、どうなるだろうか。現場の生徒の実情を考えますと、果たしてどういうことになるのだろうかという、やや心配な部分もございます。実施方法、実施内容につきましては、いろいろな問題が出てくるかと思いますので、ここで議論を蒸し返すつもりはございませんけれども、是非、次の会でしっかりと議論をしていただきたいというふうに感じております。
 そして、最後に付け加えさせていただきたいのですが、一番大事なことは、先ほどからもお話ししていますけど、どのようにフィードバックするか、それを国としてどういう支援ができるか、そこが一番大事な部分ですので、テストを実施して、結果はこうでしたということでなくて、それをどのようにフィードバックしていくかということを中心に据えた議論を是非次の部会でお願いをしたいと思っております。そういうフィードバックに向けて、国として何ができるか、具体的にどういう支援策を講じることができるかということをメインの議論、議題にして検討いただければと考えております。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では、伊藤委員、そして、相川委員、最後、直原委員ということでお願いします。では、伊藤委員。

【伊藤委員】
 もう何人の先生方もおっしゃられているのと重なるところもあるのですが、希望参加型の新たなテストということで、高校生にとっては、高等学校に入る段階でもう高校受験がありますから、そういった一定の学力の検査を受けて入学している集団だと思います。そういった高校生が、高等学校で行う評価のためのテストや、大学入試などのテスト以外のものが、希望参加ということで入ってくる場合には、その生徒にとって、個人にフィードバックできて、自身の学習を見つめ直して、さらに新しい目標を持てるようなものが必要なのだろうと思います。
 例えば学習方法の改善ということもありますけれども、他の要因との関係で、家庭学習との関係がどうなのか、それから、読書活動との関係がどうなのかといった、総合的に自分がどうやって今後学習を進めていき、自分の進路の目標に向けて夢や目標が実現できるのか、そういったものに使えるようなフィードバックがあるといいのではないかと思います。また、非常に今、言語活動の充実が求められている時期でございますから、そのテストの中で、言語活動といったようなことが評価としても出てくるとすごくありがたいと思います。また、学校にとっては、次年度の教育課程の改善に是非使えるようなものにしていくと、現場としては大変役に立つのだろうと思います。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では、相川委員、どうぞ。

【相川委員】
 ありがとうございます。前回欠席しているので、全体の流れというのが少し把握し切れていない部分で、少し間違った言い方もするかもしれません。私自身も、このテストということが報道等に出た時に、学校現場で、生徒がいろいろなテストをする中で、またプラスアルファのテストが出るのかなという印象を、第一に受けました。それを、そうではないのだというような話をしていくためには、子供たち自身の到達度テスト、子供たちが3年間でどのくらい力を付けたかということを測るテストと言われると、はっきり言って、イメージが少し湧かないような気がします。ですから、それは今後の議論になっていくのだと思いますが、是非、単なる素点、点数がこうだから、あなたの場合はこうですというような、形のみのテストというのはいかがなものかと思っておりますし、そのテストで測りにくい部分、先ほど野上委員さんの方から、非常に私たち保護者としても、心が痛いと言うか、非常に響く、子供たちのいわゆる表現力、コミュニケーション能力の弱さだとか、そういう部分では、やはり保護者の方も、家庭教育の中でどのように取り組まなければいけないかということを示唆いただいたような気もしております。とてもそこが大事なことで、これはテストでは測りにくいところではないかというふうにも感じておりますので、こういう課題をもっと議論していく場があってもいいのではないかと思います。
 そして、また、大学受験の方のテストと言っても、先ほどもどなたかの先生方がおっしゃっているように、高等学校でもそれぞれの専門高校、普通高校、さらに普通高校の中でも大学進学に重きを置いている高等学校、就職に重きを置いている高等学校、いろいろな高等学校があるわけで、それを全国規模でやるテストというのは、どういうテストになるのだろうということが非常に単純な疑問として残っておりますので、そこは生徒もよく理解できる形で、そして、やるからには、学校の現場の先生方がこれをどう活用するかということを十分理解していただけるような時間的なものも、やはり必要ではないかなというふうに感じております。
 以上でございます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では、直原委員。よろしくお願いします。

【直原委員】
 まず、テストの関係ですけれども、今回この部会のテーマである社会の要請にどう応えるのか、その社会の要請の一つとしての基礎学力をしっかり身に付けさせて、高等学校を卒業させてほしい。そういう要請に対しては、この学力テストというのは一つの有効な方策だろうと思っておりますけれども、今後、さらにその具体の検討をしていく必要があるだろうと思っています。特に知識、理解の部分は、今、相川委員からもお話がありましたけれども、このペーパーテストで見るのは容易ですけれども、教科ごとの思考力・判断力・表現力というものをペーパーテストで見るというのは、なかなか難しいところがあり、今後どういう形で可能なのかというのは、さらなる検討が必要だろうと思っています。
 あと、学力調査の、基礎学力を付けてほしいということについては、各都道府県も検討を進めていると思います。東京都も、都立高校の場合、学校ごとの学力の水準が非常に多様化しておりますので、まずテストの前に、一般的には、学習指導要領でその学習内容は規定されておりますけれども、一体どの水準まで習得を求めるのかということについて、大きく3段階ぐらいに分けて、最終的には学校ごとに、うちの学校を卒業する時には、この基本教科についてはここまでは習得させますと、そういう目標をまず明確にして、その上で到達度試験というものを考えていきたいと思っています。おそらく今後、東京都もここでの部会の今後の検討状況に合わせて検討を進めていきたいと思っています。
 そして、もう一つ、社会の構成員として、あるいは社会で通用する、こちらにあります自主性ですとか、コミュニケーション能力などをしっかり身に付けさせるべきだと思います。この点については、今回の部会で、それでは、その中身は何なのかについて一定の整理はされたわけですけれども、それを受けたものが、20ページ、21ページの、その他の幅広い資質・能力の評価と、評価の問題として受けとめているのですけれども、高等学校を預かっている者としては、正直に言いまして、評価以前の問題と言いましょうか、どうやってこういう力を高校教育の中で身に付けさせるのかと、そちらの方の検討が今後されていく必要があると思っております。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では、長南委員、どうぞ。

【長南委員】
 テストのことですけれども、希望参加型というキーワードが入ったのは今回で、前回までなかったことがプラスになったわけです。ですから、この希望参加型で行うテストの方が、高校生の学力向上を図る観点から有効なのか、それとも、できるだけ多くの高校生が参加した方が有効なのか、この辺のところはまだ議論が足りないのではないかと思います。
 したがって、第6期のこのまとめとして、第7期に連続する、つなげていくということを考えた時には、やはり希望参加型というこのキーワードは外した方がいいのでないのかと思います。そして、第7期で十分検討した上で、希望参加型にするのか、それとも全員参加型にするのか、そのようなところを、もう少し委員の方々の意見を反映させた方がいいのでないかと思います。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では、川嶋委員、どうぞ。

【川嶋委員】
 テストには直接関わらないかもしれませんけれども、全体の「コア」などに関わってですが、先進国の中で共通の学習指導要領を持っている国というのは、日本は非常に例外的で、アメリカは当然ございませんし、それから、イギリスやフランスも、幾つかの地方とか、あるいは複数の試験機関がシラバスを作ったり、Aレベルですね、それぞれの独自の試験を実施しているわけです。その中で、例えばアメリカ、イギリスも含めて先進国は、逆に共通の「コア」を特に中等教育に求めて、さらにその質の保証も図ろうという動きをしている中で、逆に日本はこれまで共通の学習指導要領だったのですけれども、これまで議論があったように、多様化ということで、非常にその辺りが見えにくくなっている。社会からの要請ということもありますけれども、国際的な通用性ということを考えると、高等学校卒業というのはある種の資格、クオリフィケーションだと思います。そういう意味で、日本の高等学校の卒業生、あるいは高等学校卒業というのが、国際的に見ても、国内の社会に対しても、資格としてどういう能力とか、どういう技能・知識を裏づけているか。やはりこれを明確に示していくということは、今後グローバル化とか進んでいく中で非常に重要なことだろうと思います。
 ですから、今回、高等学校教育部会の中で「コア」ということを改めて議論して、ある程度コンセンサスができたということは好ましいと思いますけれども、何人かの委員の方からも御発言あったように、これを実質化すると言いますか、その評価の在り方も含めて実行化する具体的な方策、これが7期の高等学校教育部会に課せられた非常に大きな課題になると思います。高等学校卒業というのは、学位ではないのですけど、大学に行ったり、就職したりするための一つの資格なのです。これをきちんと高校教育側が社会や国際社会に対して示していくということは、非常に大きな高校教育関係者の責任だと思います。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では、安西委員、どうぞ。

【安西委員】
 私は、この部会が「コア」、また、学習到達度テスト等々のことについて、その言葉自体はかなり明快に審議のまとめに打ち出されたというのは、大変すばらしいことだと認識しております。是非第7期にいい形でつなげていただければと思います。
 私見が入りますけれども、先ほどからありますように、この学習到達度テストが高等学校レベル全体の標準的な底上げのためのものなのか、それとも、個人の高校生一人一人が前向きにそれを捉えて自分が伸びていくためのものなのかというところは、両方、両面併せてできるとは思いますけれども、私見で申し上げれば、私は、やはりこれからの時代に、日本の大学生だけではなくて、高校生の時代から自立心、自分で問題意識を持って行動できるような素地を作っていってほしいと思いますし、その一方で、学力をきちんと担保することは非常に大事で、それを両方考えますと、私は、この学習到達度テストを高校生一人一人が自分で応募できるということが原則なのではないか、高等学校を通して応募するものなのか、それとも、個人、保護者も関係あるかもしれませんが、個人で応募するものなのかということは、小さく見えるかもしれませんけれども、かなり大きなことで、極端に言えば、自分の通っている高等学校に黙ってこのテストに応募できるものなのかどうかということがポイントになるのではないかと思います。
 それで、私は、今の言い方は極端だと思いますけれども、個人、高校生が自分でもってテストを受けていきたいと感じるテストであってもらいたいと思います。その結果をどのように利用するかということは、これは、高等学校側、あるいは国の側、地方自治体側の問題だとは思いますけれども、一番原点のところは、高校生が、これからの時代、やはり非常に厳しい時代になるので、高校生が自分でつかみ取っていくということを応援していくようなテストであってもらいたいと思いますし、大学の高大接続テストとか、センター入試とか、いろいろなことが重なってどうだということはすぐ言われかねない状況にありますけれども、大学側から見ましても、そういうふうに自分で自分のことを決めて活動していく高校生、工業高校のジュニアマイスター制度は、この間も高大接続特別部会でヒアリングをさせていただきまして、1万人ぐらいの工業高校生がジュニアマイスターの資格、称号を持っているのです。それは、先ほど言われましたように、何級何級とあるような資格が多いので、工業高校の生徒が自分でつかみ取っていきたいという、そういう気持ちを持てるような、そういう仕組みになっているわけなのですけれども、普通高校の生徒さんたちにも、そういう気持ちを持ってもらえるようなテストであってもらいたいと思っております。どうもありがとうございました。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 ほかにいがかでしょうか。では、安彦委員、どうぞ。

【安彦部会長代理】
 事務方が答えるべきところもあるのではないかと思いますが、事務方と話し合ってきて、最終的にこのような今日の案をまとめてきた者の一人として、少し申し上げます。
 今、お話がいろいろありましたが、これまでの議論の流れでこういうふうにしてまいりましたので、例えば先ほど希望参加型という言葉に対する御意見ありましたが、私個人はややこの言葉では不満なのですけれども、それでも、委員の方、先ほど長塚委員もおっしゃったように、そういう点についての留保をされておられましたし、一応現段階で次の部会に申し送ることとしては、希望参加型を入れるのが妥当であると思いまして、譲歩したと言いますか、そういう意味で、長南委員の御意見には大変申し訳ないですけれども、一応こういう形で引き取らせていただきたいという思いでございます。
 それから、そもそも全ての生徒かどうかという話ですけれども、これは大体イメージとしては、今の小中の学力調査のようなものが私としては頭にありまして、実際にどうなるか、これから本当に具体的な検討を進めていっていただきたいですけれども、先ほどからおっしゃっているように、小中の学力調査については、個人にもフィードバックしますし、学校にもフィードバックされているわけでありまして、そういう意味では、本来の言葉の意味での評価、つまり指導の改善に還元するということについて、かなりしっかりと対応しております。新聞報道はその部分をほとんどしませんけれども、実際にはきちんとその点について配慮しながらやっております。ですから、先ほどの個人にも返る、あるいは学校や教師サイドにも返るという、そういう筋というのは、先ほどからも御要望があったとおり、受けていただきたい、次の部会もその方向で進めていただけると私も思います。
 同時に、小中の場合も、先ほど北城委員から全てなのだからとおっしゃいましたけれども、悉皆の場合もありますし、同じ調査でも抽出でやっている場合もあるということで、ある意味で方向性を表現したものですので、この点も、あまり論理だけで厳密に言われてしまいますと困りますので、今までのこの議論の流れで、本部会での方向としてはこういう形でまとめさせていただき、次の部会でさらに詰めていただきたいと思います。
 あと、そもそも「コア」という言葉がありましたけれど、一言で言ってしまいますと、私の認識では本当に先生方、委員の方々、皆さんそれぞれ御意見があって、正確に言えば、一つも固めなかったのです。ですから、いろいろなものを例示してここに残してありまして、やはりそれぞれ一つにきちんと決まらなかったということが全部影響しています。そういう意味で、一応何となく「コア」という言葉でそれぞれの先生方、委員の方々がイメージしているものを、今の段階では全部残しておいて、次の部会で具体に即して固めていっていただくというふうにしておりますので、そのためもあって、先ほどからいろいろ中身について、どういう性格のテストになるのかというようなことが曖昧であるという結果になっているのだろうと思います。是非そういう意味では、今後の次の部会で、具体に沿って、先ほどから出ているような委員からの要望を踏まえて検討を深めていっていただきたいと思います。
 一言だけ、私個人的には、先ほど少し野上委員からも出ましたけれども、テストで測れるか測れないかというのは分かりませんが、分かりませんがというよりも、かなり測れるのですけれども、いわゆる家庭とか、地域とかで行われる、私の言葉で言えば私教育の部分の、いわば貧しさと言いますか、人間関係が非常に乏しくなって、少子化も含め、地域の過疎化が進行していく等々で、子供たちの体験、あるいは経験が、いろいろな活動の中で、例えば言語活動一つをとっても非常に減っているわけです。ですから、こういう部分について、実は全国学力・学習状況調査などについての大阪大学の志水宏吉さんの調査結果分析などでは、やはり人間関係に関わる部分の、例えば単身家庭の多さとか、離婚率とか、それから、持ち家率なんていうのが出てくるのですけど、持ち家を持った方というのは割合居住地が安定していますから、人間関係が確保できるわけです。ところが、そうでない経済状況が悪くて借家で転々とするような方の場合には、子供も人間関係が深まらない、人間関係資本という言い方をしたりしますけど、そういう部分である意味条件が悪いお子さんの場合にはやはり成績がよくないのです。その点は、よく所得格差が学力格差に連動するという報道がありますけど、単に所得格差だけではなくて、それはそれであるようですけれども、もっとクリアに差が出てくるのは、やはり人間関係のところで豊かな子供とそうでない子供の間に非常に差が出るということが言われています。ですから、先ほどの言語的なことなども、一部としてかなりそれは影響が大きくて、そういう部分にどれほどの手当てをしていけるかということをやはりフィードバックをかけていって、そこでこういう調査などが役に立つ、それはそういう意味でも、私教育の方にも役に立つようにも思いますので、そういうふうに広く使えるような形でテスト結果というのを使っていただきたいと思います。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 そろそろ時間も残り少ないのですけれども、ほかに、あとございますか。全体通じてでも構いません。では、荒瀬委員、どうぞ。

【荒瀬委員】
 何度も申し訳ありません。
 引き継がれていくと言いますか、申し送っていくということで、申し上げたいのですけれども、先ほどからテストのフィードバックに対する不安の御意見が幾つか出ていたかと思いますが、おそらくそれがこの審議経過報告に書かれている高校教育への信頼のゆらぎの一つではないかと思います。やった後、どう使うか分からないとか、やっても何もならないのではないかのような、高等学校に籍を置く、あるいは高等学校の教育関係者というのは、今のような御意見を真摯に受けとめて、高校教育を考えていかないといけないということを思います。
 少し一般的な話になるかもしれませんが、正しいと言いますか、あるべき必要な負荷というのは、発達段階においては、かけなければいけないと思います。そこに対して少し距離を置くと言いますか、遠慮してしまったというようなことが基礎学力の低下にもつながっているのではないかということを思っています。
 卒業後、本人が少なくとも困らないようにして生きていくための、これは何も基礎学力だけではないわけですけれども、少なくとも学校ではっきりと付けなければならないのは基礎学力でありますから、そこのところを学校がないがしろにしてはいけないと思います。しっかりと生きていくとか、自立して生きていくとか、それこそ人間関係形成能力を高めていくとかいったようなことの基になる基礎学力であるはずだと思います。そこを付けないで、本人の個性であるとか、あるいはいいところがほかにあるからとかということで逃れてしまってはいけない、それは責任放棄だと思います。
 社会や大学の要請ということがここではうたわれていますけれども、私は、これを読むたびにずっとこの間考えてきましたのは、本人からの要請ではないかということです。10年とか、20年たった後の本人からの要請が、今、突き付けられているのではないか、それが何十万人にも及ぶ無業者であるとか、ニートであるとか、あるいはまた早期離職、理由はいろいろですから、一概には言えないのですけれども、そこに、先ほど申しました学校教育がどれだけ関与しているのかということを本当にきちんと受け止めないといけないということを思っています。全体的に安全とか、安心とか、簡単とか、手軽とかがもてはやされる社会になってしまっていて、もちろん通学路の安全は確保されてないといけないし、学校生活は安心して送れないといけないし、体罰などはもってのほかですけれども、しかし、守られている状況の中で、少しの危険とか、少しの不安とか、あるいは面倒なこととか、複雑なことというのを経験しないで卒業していく子供たちが将来どうなっていくのかということに対して、少しの想像力を学校関係者は持つべきだということを思っております。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。あと、全体通じて構いません。北城委員、どうぞ。

【北城委員】
 3ページの一番下のところに「高大接続部会との連携・対応を図りつつ」ということで、高大接続に関することが書かれているのですが、大学の選抜入試、ないしは入学者選抜の仕組みが高校教育に与える影響は非常に大きいので、今後、第7期で高大接続部会との連携・対応を図りつつというのを何らかの形で実現していただきたい。何人かの委員は高大接続特別部会に参加されていると思うのですが、高等学校教育部会の方々も、その審議の状況がどのように進むのかというのは、高校教育についても非常に影響が大きいので、適宜意見交換をするような場を作っていただいたらいいのではないかと思います。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 いかがでしょうか。では、安彦委員。

【安彦部会長代理】
 全体に関わって、一つだけ。
 これは、小川先生や安西先生がおられるところで恐縮ですけど、先日、中教審の総会で数人の委員の方から、こういう場でこそ学力とは何かということを議論したいと言われました。それで、私たちのように、初等中等教育分科会とか、教育課程部会で話している人間は、学力とは何かというのを議論して、なかなか決まらないで困っていたわけで、そういう意味では、総会の場でそういう議論をしたいという声が出るというのは皮肉だなと思いましたけれど、基本的に、全体として子供をどういう力を持った人に育てなければいけないかというのは、中教審の委員の方はみんな共通に強い関心を持っておられる。そういう意味では、どの学校段階であろうと、是非と言うか、どんな場面でもそういうことについて語っていただきたい、私はそれを聞いて、総会の場でも、今までで語る場はあったなと思います。学力調査の結果の報告などあった時は、どんどんこの調査結果でどれだけの学力が測れているのかとかいう議論が立てられたと思うのですけど、あまりそういうことの議論はありませんでした。たまたま最後だったので、次に申し送る、次の期に申し送るという前提でそういう御意見が出たのですけれど。
 そういう意味で、今のようなお話、評価も含めてですが、それぞれの学校段階でどういう力を、そして、今、荒瀬委員が言われたように、子供の側から見て、やはりきちんと求めているものを応えて、一定の力を付けてあげようという、何かそういうことをもう少し念頭において、これは片時も忘れずに、いろいろな議論の場面で事あるごとに出していただきたいというふうに、ここでお願いしたいと思います。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 ほかに、よろしいでしょうか。
 では、10分ぐらい早いですけれども、これで今日の部会を終わりたいのですが、ただ、今日も前回に引き続いて多くの御意見をいただきました。特に高等学校学習到達度テスト(仮称)ですけれども、このテストの有り様については多くの委員の方から御指摘、御意見をいただきました。それらの多くは、これを今後検討していく際、やはりこういう視点が重要ではないのかという、検討していく上での留意点をかなり多くの委員の方から御指摘いただいたように思いますので、そうしたこのテストの具体の制度設計はおそらく次期の第7期の中教審の下で進められていくと思いますので、その申し送りとして今日いただいたような留意すべき指摘については、可能な限りこの審議の経過(案)の方に工夫して書き込めればと思っています。
 その内容等については、部会長の私の方に一任いただいて、安彦先生と、事務局の方で少しすり合わせながら、そして、案についてはまたフィードバックして、最後に皆さんから御了解を得て、この部会のまとめとしていきたいと思っていますが、そのことも含めて少し御相談させていただければと思います。
 では、これで今日の部会を終わりたいと思いますが、最後に、事務局の方から何か御連絡ございますか。お願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 先生方、大変ありがとうございました。今期第6期の中教審の中での高等学校教育部会は本日をもって最後となりますが、また、第7期以降、再開させていただきたいと思っております。次回日程につきましては、今後調整の上、御案内をさせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 本当に1年間の部会の審議、ありがとうございました。私もいろいろな中教審の委員会とか、部会に参加しているのですが、この高等学校教育部会の出席率が非常に高かったです。そういう点では委員の皆さんに非常に助けられた面があります。本当に1年間、ありがとうございました。これで第6期の高等学校教育部会を終わりたいと思います。

―― 了 ――

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-- 登録:平成26年10月 --