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高等学校教育部会(第18回) 議事録

1.日時

平成25年4月22日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

中央合同庁舎第7号館(文部科学省)3F1特別会議室

3.議題

  1. 高等学校教育部会長の選任等について
  2. 高等学校教育の在り方について
  3. その他

4.議事録

【塩原教育制度改革室長】
 皆さん,おはようございます。定刻となりましたので,ただいまから,中央教育審議会高等学校教育部会第18回を開催させていただきたいと思います。
 委員の皆様方におかれましては,今期高等学校教育部会の委員の御就任いただきまして,まことにありがとうございます。この場をおかりいたしましてお礼申し上げます。
 本日は,第7期中教審における1回目の高等学校教育部会でございます。部会長を選任していただくまでの間は事務局より進行を務めさせていただきますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに,事務局を代表いたしまして,初等中等教育局長の布村から一言御挨拶申し上げます。

【布村初等中等教育局長】
 おはようございます。初等中等教育局長の布村と申します。第7期の中央教育審議会が新たに動き出しておりまして,この初等中等教育分科会のもとの高等学校教育部会も第1回となりますので,一言事務局の方から御挨拶を申し上げたいと存じます。
 委員の先生方におかれましては,御多忙の中,多くの先生方が引き続き高等学校教育部会に御出席,委員をお引き受けいただき,また,本日も御出席を頂きましてまことにありがとうございます。日頃から我が国における初等中等教育の振興に様々なお立場から御尽力を頂いておりますこともこの場をお借りして厚くお礼を申し上げたいと思います。
 この高等学校教育部会は,平成23年11月から立ち上げさせていただいており,これまで17回にわたって御審議いただいたところでございます。昨年の8月には高等学校教育を巡る課題の全般を総覧いただきまして,高等学校における課題の整理と検討の視点を取りまとめいただきました。また,今年の1月28日には,第6期の取りまとめとして審議経過報告をまとめていただいたところでございます。この審議経過報告の中では,高等学校は既に98%という進学率で国民的な教育機関という位置付けになってございますけれども,その一方で生徒の実態,あるいは能力という面,それから興味・関心,進路希望等は極めて多様化しており,その多様化した状況に対応して都道府県あるいは私立の学校を中心として取組を進めてきていただいたところではございますけれども,結果として生徒が高等学校の学習で何をどの程度習得できたのかを,言い方によれば見えにくくもしているという御指摘もありました。また,教育活動のプロセスに関し,透明性の向上や説明責任を求める声とともに,高等学校3年間における質の保証に対する要請が極めて高まるという大きな要因となっている旨,取りまとめをいただいたところでございます。
 このような現状を踏まえて,まず多様化につきましては,評価の手法や評価指標等に関する調査研究を並行していくことが求められますけれども,この質保証につきましては,高等学校の質保証に向けた評価の仕組みについてだけではなくて,別の面から、例えば学ぶ生徒の実態が勤労青少年から中途退学経験者,あるいは不登校経験者など,様々な入学動機や学習歴を持つ者に変化してきている定時制,通信制の高等学校段階での教育の在り方,また,制度発足から20年を迎えて各都道府県に少なくとも一つは整備されてきております総合学科,あるいは産業就業構造の変化などに対応した専門職業人としての能力の向上が期待される専門学科の課題,その対応方策等につきましてもあわせて御審議をいただきたいと考えているところでございます。
 なかなか課題の多い高等学校教育という面がありますが,別途動いております高等学校と高等教育,大学との接続部会ということもあわせて御審議いただいておりますので,今後,その両部会の連携を図っていただきながら,この高等学校教育部会におかれましても忌たんのない率直な御意見,御提言をいただければと考えておりますので,本日,また今後とも引き続きよろしく御指導方お願い申し上げまして御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 続きまして配付資料の確認をお願いいたします。本日の配付資料は議事次第のとおり,資料1から資料7まで,参考資料は参考資料1から参考資料6まででございます。このうち,資料4としては,先の高等学校教育部会でおまとめをいただきました部会の審議経過報告を配付させていただいております。
 また,審議経過報告で御提言を頂きました高等学校における学習評価の充実の関係につきましては,関連の調査研究の事業を現在,平成25年の予算案に所要の経費を計上いたしております。事業の概要につきましては,資料の最後に,参考資料6,高等学校等の新たな教育改革に向けた調査研究として,本日配付をさせていただきましたので,こちらについても御参照をお願いいたします。
 以上でございます。
 それでは,次に,私の方から委員の皆様を御紹介させていただきます。御出席の皆様につきまして,配付資料2の委員名簿の順に御紹介させていただきたく存じます。
 まず,中教審の正委員,臨時委員の方でございますが,まず,おくれての御出席ということでございますが,日本学術振興会,安西委員にさきに引き続いての御就任を頂いております。
 同じく,さきに引き続き,放送大学教養学部教授,小川委員でいらっしゃいます。

【小川委員】
 小川です。よろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 次に,今期からの新たな新任の委員でいらっしゃいますが,白梅学園大学子供学部教授,無藤委員でいらっしゃいます。

【無藤委員】
 よろしくお願いします。

【塩原教育制度改革室長】
 続いて,さきに引き続き,全国高等学校PTA連合会会長,相川委員でいらっしゃいます。

【相川委員】
 相川です。よろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 同じく留任でいらっしゃいます,神奈川大学特別招へい教授,安彦委員でいらっしゃいます。

【安彦委員】
 どうぞよろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 同じく留任でいらっしゃいます,京都市教育委員会教育企画官,荒瀬委員でいらっしゃいます。

【荒瀬委員】
 荒瀬でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 同じく留任でいらっしゃいます,東京都立三田高等学校校長,全国高等学校校長協会会長,及川委員でいらっしゃいます。

【及川委員】
 及川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 同じく留任でいらっしゃいます,筑波大学大学研究センター教授,金子委員でいらっしゃいます。

【金子委員】
 金子でございます。

【塩原教育制度改革室長】
 同じく留任でいらっしゃいます,神戸大学大学教育推進機構教授,川嶋委員でいらっしゃいます。

【川嶋委員】
 川嶋でございます。よろしくお願いします。

【塩原教育制度改革室長】
 続きまして,本高等学校教育部会の専門委員として御就任いただきました先生方を御紹介させていただきます。
 まず,特定非営利活動法人GEWEL理事,アキレス委員でいらっしゃいます。

【アキレス委員】
 アキレスです。よろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 続きまして,今期からの新任委員でいらっしゃいます,岩手県立釜石商工高等学校校長,阿部委員でいらっしゃいます。

【阿部委員】
 阿部でございます。よろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 次に,留任でいらっしゃいます,港区立赤坂中学校長,伊藤委員でいらっしゃいます。

【伊藤委員】
 伊藤です。よろしくお願いします。

【塩原教育制度改革室長】
 列,反対に回りまして,千葉大学大学院融合科学研究科教授,上野委員,御留任でいらっしゃいます。

【上野委員】
 上野でございます。よろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 続きまして,留任でいらっしゃいます,順天中学校・高等学校校長の長塚委員でいらっしゃいます。

【長塚委員】
 よろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 新任でいらっしゃいます,六本木高等学校校長,全国定時制通信制高等学校長会理事長の長山委員でいらっしゃいます。

【長山委員】
 長山です。よろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 さきに引き続いてでございます,埼玉県経営者協会シニアアドバイザー,野上委員でいらっしゃいます。

【野上委員】
 よろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 新任でいらっしゃいます,岐阜女子大学文化創造学部・大学院教授,服部委員でいらっしゃいます。

【服部委員】
 服部でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 同じく新任でいらっしゃいます,東京都立つばさ総合高等学校校長,全国総合学科高等学校長協会理事長,松野下委員でいらっしゃいます。

【松野下委員】
 松野下です。よろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 最後に,留任でいらっしゃいます,灘中学校・高等学校長,和田委員でいらっしゃいます。

【和田委員】
 和田でございます。よろしくお願いします。

【塩原教育制度改革室長】
 なお,本日御欠席でいらっしゃいますが,さきに引き続き,日本IBM相談役,北城委員,また,今期より東京都教育委員会教育長,比留間委員にも御就任を頂いています。
 続きまして,事務局の出席者紹介をさせていただきます。
 先ほど御挨拶申し上げました初等中等教育局長の布村でございます。

【布村初等中等教育局長】
 よろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 大臣官房審議官初等中等教育担当の山下でございます。

【山下審議官】
 よろしくお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 同じく大臣官房審議官初等中等教育局担当の関でございます。

【関審議官】
 よろしくお願いします。

【塩原教育制度改革室長】
 以下,本日,関係課課長,出席をさせていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは,次に,議事の1,部会長の選任等に入らせていただきます。部会長の選任につきましては,中央教育審議会令の規定によりまして,委員の互選により選任することとされていますが,どなたか御推薦をいただける方,いらっしゃいますでしょうか。
 荒瀬委員,お願いいたします。

【荒瀬委員】
 ありがとうございます。私は小川委員を部会長に御推薦申し上げたいと思っております。第6期において中教審としては20年ぶりだそうですけれども,高等学校教育の諸課題に向き合って議論を重ねてまいりました。論点整理をして,例えば全ての生徒に身に付けるべき,いわゆるコアについての議論なども重ねてきたところでありました。第6期では審議経過報告の中で高等学校教育の質保証に向けた評価の仕組みについての基本的方向を取りまとめたところですが,第7期においても更にそれらにつきまして具体的に審議,検討を進めていく必要がありますので,第6期で部会長をお務めいただいた小川委員に引き続いてお願いをしたいと考えております。

【塩原教育制度改革室長】
 ありがとうございます。
 ただいま,荒瀬委員から小川委員が部会長に適任であるとの御意見を頂きましたが,いかがでいらっしゃいましょうか。

(「異議なし」の声あり)

【塩原教育制度改革室長】
 それでは,皆様御了承を頂いたということで,小川委員に部会長をお願いさせていただきます。
 それでは,小川委員には部会長席にお移りを頂きまして,以後の進行につきよろしくお願いをいたします。
 なお,議事に先立ちまして,小川部会長には副部会長の御指名もお願いをいたします。

【小川部会長】
 小川でございます。第6期の高等学校教育部会から引き続き部会長を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 まず,この後の審議に入る前に,部会長の補佐をしていただく副部会長,そして部会長代理を選出しなければなりませんけれども,私は今期,第7期の高等学校教育部会が扱う課題の重さから考えまして,できましたらお二人の副部会長をお願いしたいと思っています。お一人は安彦委員,もう一人は無藤委員にお願いできないかと思っています。
 安彦委員に関しましては,皆さん,留任の委員の方は御承知のとおり,第6期部会長代理として審議経過まとめに非常に御尽力いただきました。やはり今期のこの部会は,第6期の課題を引き継いで質保証の具体の仕組み等々,かなりタフな作業をしなければなりませんので,引き続き副部会長として安彦委員にはお力をお貸しいただければなと思っております。
 もう一つは,制度設計に関わって,この部会としては高大接続特別部会との連携審議というのがこれから大きなこの部会の作業になるかと思いますけれども,そうしたことを考えますと,第6期に高大接続特別部会で副部会長として御尽力いただきました無藤委員に是非この部会の副部会長をお願いできないかと考えております。
 安彦委員,無藤委員お二人にお願いしたいのですけれども,よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では,安彦委員,無藤委員,よろしくお願いいたします。
 もう一つ,部会長に事故があるときには,あらかじめ指定する者にその職務を代理していただくという規定がありますけれども,いわゆる部会長代理というポストですが,これにつきましては無藤委員の方にお願いしたいと思いますので,これも御了解いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 では,次に,会議の公開に関する規則について事務局から説明をお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 資料3を御覧いただきたく存じます。資料3でございますが,本高等学校教育部会の運営規則の案となっております。この規則,第一条の趣旨の部分にもございますとおり,中教審の各部会の議事の手続等につきましては,本日,参考資料でもお配りをいたしておりますが,中央教育審議会令や中央教育審議会の運営規則,また,各部会の親会議に当たります分科会の運営規則等において共通的な事項の定めが設けられておりますが,部会ごとの会議の公開の取扱いにつきましては,それぞれの部会の運営規則で定めることといたしてきたところでございます。
 資料3の運営規則でございますが,今期の高等学校教育部会における会議の公開等の取扱いについて定めるものでございまして,その内容は,第6期の内容と同様の案といたしているものでございます。内容を改めて御確認いただきますと,まず,第二条,会議の公開についてです。人事に関する事項を議決する場合ないし,部会長が,公開することにより公平かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると認める場合等を除いては,会議は原則公開してこれを行うことといたしております。
 また,第三条,会議の傍聴についてです。傍聴については事前の登録制とし,あらかじめ登録をした登録傍聴人につきましては,会長の許可を受けて,会議を撮影し,録画し,又は録音することができることといたしております。
 続いて第四条,裏でございますが,会議資料の公表,さらに第五条,議事録の公開の取扱いにつきましては,いずれもこれを原則,公開しなければならないことといたしております。ただし,部会長は,公開することにより公平かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるとき等は,その会議資料,議事録の全部又は一部を非公開とすることができるとし,議事録の全部,一部を非公開とする場合には,公開とした部分について議事要旨を作成し,これを公開するものといたしているところでございます。
 このほか雑則といたしまして,この規則に定めるもののほか,部会の議事の手続その他部会の運営に関し必要な事項は,部会長が部会に諮って定めるものといたしております。
 以上,本部会の会議の公開等の取扱いを定めた運営規則の案でございます。御審議,御決定を頂きますようよろしくお願いいたします。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 本部会の会議の公開に関する規則ということで,資料3の案に基づいて,今,事務局の方から説明いただきました。
 この内容につきましては,第6期の高等学校教育部会の規則どおりかと思います。また,中教審の総会の規則にも沿った規則案になっていると思いますけれども,いかがでしょうか。もし異議がなければ,資料3に基づいて,この案どおり決定していきたいと思いますけれども,よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

 ありがとうございました。了解いただいたということにさせていただきます。
 以上で審議に入る前の必要な手続については終了しましたので,これから本部会の会議を公開したいと思います。これから報道関係者及び一般傍聴者の方が入室しますので,その間しばらくお待ちください。
 では,第7期の中教審の高等学校教育部会のスタートに当たりまして,一言,部会長として挨拶をさせていただきます。
 御承知のとおり,本部会は第5期中教審初等中等教育分科会の下に2011年11月に発足しました。文部科学省,そして中教審としては高等学校教育を個別のテーマとして審議するのは1991年の中教審答申「新しい時代に対応した教育の諸制度の改革について」以来であって,実に20年ぶりということもありまして,この高等学校教育部会の発足,そしてその後の審議に関しては,高等学校関係者を初め,社会的関心も非常に強かったと感じております。
 第5期部会では1年を超える審議を経て,審議経過報告をまとめました。第6期の部会では,高等学校教育の現状と問題の整理をヒアリングなどを通じて行いまして,高等学校教育の質保証とその仕組みを構築することの必要などを提案しましたけれども,その具体的な制度設計とともに,高等学校教育の振興方策など,幾つかの個別的な重要課題については,第7期の部会に引き続き検討をお願いするということになっておりました。
 今期,第7期の高等学校教育部会は,第6期の課題を引き続き検討していくことになりますけれども,皆さん御承知のとおり,この間,新しい状況として,政権交代と,政府に教育再生実行会議が設置されています。その教育再生実行会議では,大学入試やグローバル人材育成など,高等学校教育に関係する諸テーマも検討が行われております。高等学校教育部会としても,この教育再生実行会議の審議ないしはその提言,そしてまた,昨年から引き続き高大接続特別部会と連携して審議を進めていくことになるかと思います。そういう意味では第6期の部会以上に今期の高等学校教育部会というのはタフな審議になるのではないかと思っております。どうか委員の皆様の御協力をお願いできればと存じます。よろしくお願いいたします。
 では,これから審議に入っていきたいと思います。審議2,高等学校教育の在り方について,事務局から関係資料の説明をお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 よろしくお願いいたします。まず,資料5-1を御覧いただきたいと思います。本日の会議,第7期高等学校教育部会の審議の再開に当たりまして,改めて高等学校教育の在り方,高等学校教育とは何かについて,自由に概略的な御議論を賜りたいと思っておる次第でございます。
 資料5-1につきましては,その参考として戦後の新制高等学校の創設から現在に至るまでを振り返りまして,それぞれの時代における高等学校教育の位置付けや,高等学校に期待される役割、高等学校教育をめぐる課題等につきまして概略を並べたものでございます。
 その資料の1ページ目,その1でございますが,まずは現在の学校教育法における高等学校の位置付けについて確認をいたしております。高等学校の制度の根拠となります学校教育法でございますが,こちらでは高等学校の目的,目標を定めておりまして,その規定につきましては平成18年の教育基本法改正を受けて,平成19年には大きな改正も加えられていたという経緯もございます。
 特に高等学校教育の目標につきましては,1の(1)の目標の1にもございますとおり,いわゆる生きる力を支える資質・能力と言われます,確かな学力,豊かな人間性,健やかな体の三つの側面,知・徳・体の調和を図る観点から目標の明確化が図られた,このような改正が平成19年に行われているものでございます。
 また,(2)の方にもございますとおり,学力の3要素とも言われます基礎的な知識・技能,思考力,表現力,判断力と主体的に学習に取り組む態度についても平成19年の改正によりまして学校教育法中に明記がなされたところでございますが,これらの規定の整備というのは,ある意味,小・中・高全体を通じて,学校教育全体を通じて同様に行われた規定の整備ということでございます。
 一方,高等学校の目的につきましては,こちらは戦後の学校教育法制定以来,ほぼ原則,基本的にそのままの規定が受け継がれているものでございますが,(1)目的にもございますとおり,高等学校は,中学校における教育の基礎の上に,心身の発達及び進路に応じて高度な普通教育,これに加えまして更に専門教育を施すことがその目的のうちに入れられている,このような目的規定となっているわけでございます。
 また,このような目的を受けまして,高等学校教育の目標につきましては,先ほどの1に加えまして,2,3にもございますように,社会において果たさなければならない使命の自覚に基づき,個性に応じて将来の進路を決定させること,一般的な教養を高め,専門的な知識,技術及び技能を習得させること,こういった目標,更に3でございますが,個性の確立に努めるとともに,社会について広く深い理解と健全な批判力を養い,社会の発展に寄与する態度を養うこと,こういった目標が法律中に定められているところとなっているわけでございます。
 続きまして2ページでございます。2ページ目以降は,戦後の新高等学校教育制度,新制高等学校の創設以降の高等学校教育の位置付けの変遷等につきまして概略,流れを拾っているものでございます。
 まず(1)は新制高等学校の考え方,これは昭和22年の文部省学校教育局長通達の中にあるものでございますが,新制高等学校の制度的理念・原則等につきましては,まず進学か就職かのいずれかを選んで入学するので,中卒時点である程度,こういった進学か就職かのいずれかを選んで入学してくるということを前提として,個人又は社会人として必要な修養と職業とを系統的に習得できるようにするために,多岐の課程を置くこと,さらに2でございますが,希望する者全員を収容するに足るように将来拡充していくべきであり,希望者全員が入学できることが理想であること,義務制ではないが,将来は授業料を徴収せず無償とすることが望ましい,このような大きな理念・原則等が昭和22年の時点で言及をされていたものでございました。
 続いて(2)以降でございますが,これは昭和30年以降,高等学校教育の量的拡大の時期でございますが,この時期の変遷について拾ってみたのが(2)でございます。まず,昭和30年から40年代にかけてでございますが,10年ごとに約20%の著しい高等学校進学率の上昇が見られたわけでございまして,そのような中,昭和40年代に入ると,80%を超える者が高等学校に進学している中で,中学校卒業段階ではっきりと進路が決まらないため,取りあえずと言いますか,普通科に生徒が集中をした,このような傾向が顕著になってきたわけでございました。
 この間でございますが,いわゆる高等学校の適格者主義の考え方がございます。昭和38年の初等中等教育局長通知におきまして,高等学校の入学者選抜は,高等学校教育を受けるに足る資質・能力を判定して行うとする,いわゆる適格者主義の考え方が昭和38年の段階では明確に打ち出されたわけでございました。
 一方,その後でございますが,進学率が94%に達した昭和59年におきましては,こういった適格者主義の考え方に一定の修正が加えられまして,高等学校の入学者選抜は,高等学校,学科等の特色に配慮しつつ,その教育を受けるに足る能力・適正を判定して行うこととしつつ,最終的には設置者,学校の責任と判断で選抜を行うことを明確化されたと,このような変遷があったわけでございます。
 また,その下でございます。普通科の中でも多くの者が進学に有利なコースを選び,結果的には不満足な学習しかできないで卒業する者が相当数生じていたことが昭和40年代ごろの問題として意識をされたわけでございまして,昭和46年,いわゆる46答申におきましては,こういった課題意識のもと,生徒の能力・適性・希望などに応じ,高等学校の教育内容の多様化を行うこと,こういった方向性が提言されています。
 そういった流れの中でございますが,昭和53年の高等学校学習指導要領の改訂におきましては,特色ある学校づくり,個性に応じた教育を推進するという観点から教科・科目等の目標内容の大綱化,必修教科科目の単位数の削減,卒業単位数の削減等々の改定が行われたと,こういった経緯で来ているわけでございます。
 続きまして3ページでございます。昭和60年代以降,いわゆる臨教審以降の高等学校教育改革の流れでございます。臨時教育審議会,教育改革の基本的な視点といたしまして臨教審では大きな方向性としては,個性重視の原則や生涯学習体系への移行等の方向性を打ち出したところでございまして,生徒の多様化が進んでいた高等学校についても,この方向性の中で,3ページ,それぞれございますように,単位制高等学校の導入,総合学科の導入,学校外学習の単位認定の導入,中高一貫教育制度の導入などの多様な生徒の学習ニーズに対応するための制度改正が進められてきた経緯がございます。
 現在の高等学校教育改革でございますが,基本的にはこの流れの上に位置してきているもの,その流れの中に乗ってきているものということでございます。
 続きまして4ページでございます。4ページはこうした多様化への対応を進めてきた高等学校に対する最近の課題の指摘,幾つかを拾っているものでございます。まず3の(1)でございます。平成20年の中教審答申,学士課程教育の構築に向けて,これは主に大学分科会で議論されたものを最終的な答申にまとめたものでございましたが,こちらにつきましては,高等学校ではこれまでのように大学入試の存在自体が大学進学希望者の学習意欲を喚起し,高等学校の指導と相乗して学力を定着させることが困難になりつつありこの課題意識の観点から,これは主として高等教育の側からの要請としてですが,高校生の学力の面での質保証についての課題を提起した答申でございました。
 また,産業界からの課題提起等を背景としていわゆる学校から社会・職業への移行が円滑に行われていないのではないかという,学校教育と社会・職業とのミスマッチが指摘をされている中におきまして,平成23年,今後の学校におけるキャリア教育,職業教育の在り方についての答申におきまして,各学校段階を通じて,キャリア教育の充実の必要性を提言されています。とりわけ高等学校につきましては,社会に出る,ないしはその後,進学する最後の共通的な国民的な教育機関としての観点から,そこでのキャリア教育,職業教育の在り方について提言がなされているわけでございます。
 さらに,こういった最近の答申等の流れもございますが,一昨年11月以降は本高等学校教育部会におきまして,高等学校教育の在り方についての審議を重ねてきていただいているところでございます。高等学校教育部会における審議につきましても,多様化が進んだ現在の高等学校教育をめぐる課題についての幅広い検討を頂いたわけでございますが,その成果として,まず,昨年の平成24年8月に「課題の整理と検討の視点」の取りまとめを頂いたところでございました。この「課題の整理と検討の視点」の概要につきましては,資料4の23ページ,24ページでございます。この報告でございますが,多様化が進んだ高等学校教育についての今後の振興方策について,高等学校として共通の基盤となる教育条件を整備した上で,各学校が生徒の実態等に応じて定める目標,人間像に応じて,そういった各学校の人間像,目標をより効果的に実現できるように支援する観点から施策を推進すべきことを提言,指摘いただいているところでございます。
 その際の目標とする人間像に応じた振興方策といたしましては,24ページの「各種の振興方策」というところの(2)以下にもございますが,こちらにつきましては,例えば社会経済活動の基盤を担うために必要な資質・能力の育成,専門的職業人に必要な資質・能力の育成,社会においてリーダーシップを発揮し,また,グローバル社会において国際的に活躍するために必要な資質・能力の育成,自立して社会生活・職業生活を営むための基礎的な資質・能力の育成,こういった観点からの様々な資質・能力の育成,その育成をする学校を支援するための様々な振興方策の検討事例を,いわゆる目指すべき人間像,目標別,タイプ別に御提言を頂いているものでございます。
 さらに,本高等学校教育部会でございましたが,昨年8月以降の審議におかれましては,この資料4の本体の方に当たりますが,とりわけ高等学校教育の質保証に向けた検討課題,全ての高等学校生が共通に認識するべき高等学校教育の「コア」についての考え方,そして質保証の仕組みの在り方について集中的に御審議を頂きました。その成果につきましては,この1月に,資料4でございますが,高等学校教育部会の審議の結果について審議結果報告としておまとめを頂いているところでございます。
 資料4の最初の1枚が,その審議経過報告の概要でございますが,まず,この部会の高等学校教育の質保証をめぐる現状と課題認識といたしまして,中学校卒業後のほとんどの生徒が高等学校に進学する状況においては,生徒の多様な学習ニーズ等に対応するため,学校・学科等の多様化が推進している中,一方では,「高等学校教育として共通に求められるものは何か」という視点が弱くなっているのではないかという,このような御指摘を頂いたところでございます。また,社会の一員として求められる最低限の能力や基本的な意識・意欲・態度等が十分に身に付いていないのではないかと,このような課題認識,指摘についてもまとめていただているものでございます。
 こういった課題認識の上で,全ての生徒に共通に身に付けさせる資質・能力「コア」についての基本的な考えといたしまして,とりわけ「コア」の要素を含む資質・能力の重要な柱として二つの柱を掲げておまとめを頂いております。一つの重要な柱は,社会・職業への円滑な移行に必要な力,もう一つは,市民社会に関する知識理解,社会の一員として参画し貢献する意識などの市民性,これらが「コア」の要素を含む資質・能力の重要な柱であると位置付けた上で,更にそういった資質・能力を構成するものとして,これもコアの要素となってくるものとして,少し小さい字ですが,その下にありますが,説明する力,議論する力,批判的・合理的に考える力,創造力,構想力,自己理解,自己管理力,主体的行動力,人間関係形成力,社会の一員として参画し貢献する意識・態度,職業観・倫理観,職業観や勤労観等々でございますが,こういったものが市民性や職業・社会への円滑な移行に必要な力を構成する力ともなるものとして「コア」の要素を含む資質・能力の要素として,お示しを頂き,おまとめいただいたものでございます。
 これらは高等学校教育を通じて身に付けさせるべき資質・能力でございますが,これらの中には,例えば基礎的・基本的な知識・技能などのように,筆記試験や実技試験等による客観的な把握の客観的な評価の対象としやすいものと,それがなかなか難しいそれ以外のものと,評価との関わりで言いますと,そういった二つのタイプのものがあるだろうということで御検討いただいたものでございます。このうち,筆記試験や実技試験等による客観的な評価の対象としやすいものにつきましては,その下,3の(1)にもございますとおり,到達度を把握する希望参加型のテスト(「高等学校学習到達度テスト(仮称)」)を全国規模で行う仕組みを設け,各学校・生徒の希望に応じて活用できるようにするとともに,教科・科目の特性を踏まえつつ,技能検定の活用等を促進して客観的な評価の充実を図る,このような今後の評価の仕組みについての方向性を御提言いただいたところでございました。
 例えば,こういったテストの成績により,就職やAO・推薦入試の場面などの対外的な場面において,自らの学力を証明できることになれば,生徒の学習意欲の喚起という面からもこれは非常に効果があるのではないかと,このような視点をお示しいただいたところでございます。
 一方,客観的な評価の対象となりにくいもの,基礎的・基本的な知識・技能等にとどまらない,その他,幅広い資質・能力の評価につきましては,3の(2)にもございますとおり,評価の妥当性の確保,信頼性の向上に向けて,評価の手法や評価指標等に関する調査研究を行い,その成果を踏まえて評価の取組を進めるべきと,このような方向性を頂いているところでございます。
 以上,これまで戦後以降の高等学校教育の位置付け等の変遷,及び直近の高等学校教育部会における審議等での御指摘につきまして御説明させていただいております。少し原点にさかのぼっての御議論になるかと思いますが,高等学校教育の在り方につきましてよろしく御審議のほどお願いいたしたいと思います。以上でございます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 今回,第7期の高等学校教育部会の最初の会合だということもありまして,もう一度改めて高等学校教育の在り方を考えていく上で,資料5-1に即して,これまでの高等学校教育改革の沿革とその内容を少しおさらいしつつ,資料4に基づいて,第6期の本部会で行ってきた審議と課題の整理を少し簡潔に事務局の方から説明させていただきました。継続されている委員の方には少し復習的なものになったかと思いますけれども,今回新たに参加された委員,3分の1ほど新しい委員の方もおりますので,スタートに当たってもう一度,高等学校教育に関わる問題,課題を各委員の方から今日は御自由に意見を出していただいて,今後の審議の参考にさせていただければと思います。
 また,もしも御意見がありましたら,この高等学校教育部会のこれからの審議の進め方等々についても御意見があればお伺いしたいと思います。最初の布村局長の方からの御挨拶の中にもありましたとおり,本部会への審議の要望として多様な学びを保証する在り方ということで,定時制,通信制,専門学科,そして総合学科等々についても現状の把握と課題,そしてまた,個別的な振興方策などについても本部会で審議していただきたいというような御要望もありましたので,そうしたことも含めて,本部会の今後の審議の進め方について,改めて何かこの場で御要望等々あれば,是非積極的に御提案いただければなと思っております。
 今日は最初の部会ですので,全委員の方に御発言いただきたいのですけれども,どうしましょうか。自由に挙手をお願いしてやった方がやりやすいのか,もう機械的に名簿順に順番という方がよろしいのかよくわかりませんけれども,ただ,11時に相川委員が退席の御予定ですので,最初にそれでは,相川委員の御発言を頂いて,その後,荒瀬委員,及川委員ということで,この順でお一人ずつ御意見を伺わせていただければと思いますけれども,そのように進めさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 では,最初,相川委員,よろしくお願いします。

【相川委員】
 おはようございます。貴重なお時間を頂戴いたしましてありがとうございます。
 全国の高等学校PTA連合会として,保護者として高等学校生が非常に学力の問題,そして社会に出てからの,いわゆるスキルが身に付いていないとか,いろいろな御意見を頂戴して,そのたび,この会議で皆様から頂いた御意見を私ども保護者の方に機会あるごとにフィードバックをさせていただいておりました。そういう意味で,今回,多様な学びというところで御審議もいただけるということですので,正に高校生が普通科,いわゆる普通高等学校,そして実業高等学校,そしてそこからまた定時制に進路を変更する子供たちもおりますので,そういう意味でそういう子供たちに対してどのような対策,サポートが必要なのかということも御審議,御議論いただければ,私ども保護者の方にもまたそれをバックしていきたいなというふうに思っております。
 私どもの調査でも,高校生自身の自己肯定感が非常に低いということを言われております。それに対して保護者としてどういう関わりをしていけばいいのか,そしてまた,学校とどうやって連携をしていけばいいのかということが私どもの調査を踏まえての課題だとも思っております。そういう意味でいろいろな経験をさせながら子供たちに社会に出ていくための最後の部分,3年間として,いろいろ学ばせていけたらいいのかなと思っております。
 そしてあと,今までも基本的なこととして「コア」の部分でも御議論いただきましたが,やはり子供たちが確かに生きていくためにはどうしていけばいいのかということ,学力の問題もそれは当然ついてきますけれども,子供たちが生きていくためにはどうすればいいのかというところがとても私たちとしては大事になってくるのかなというふうにも感じております。
 今日はそういう意味で,この第7期で皆様の御意見を頂戴しまして,私自身,会員の方に伝えて,共に保護者としても考えていきたいと思っておりますので,どうぞよろしくお願いします。
 今日は少し時間の関係で中座しますこと,申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
 簡単でございますが以上でございます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 それでは,順番ということにさせてください。荒瀬委員。

【荒瀬委員】
 ありがとうございます。
 漠然とした話で申し訳ないのですが,答えを見つけ出すというときに,一人で早く,正確に見付けるということが高い能力であると重視され,そういった人間を育てていくということがよいとした考えがあったのではないかなと思います。これは同じものを飽きないで正確に作り続けるというような能力と,もう一方で,一人で早く正確に,必ず存在する答えを見付ける能力です。だから,この4月から高等学校も学習指導要領が全面的に導入されましたから,これに向けた中教審の議論の中では「探究」という言葉を使っていましたけれども,今,私が申し上げた方の「タンキュウ」というのは,探し求める方の「探求」,これをずっと,いかに正確にスピードを上げて答えを見付けるかということをやってきた部分があったのではないかと思います。でも,これからは必ずしもそうではなくて,容易には見つからない,あるいはひょっとしたら,ないのかもしれないような答えを探し求め続ける,その意味では同じ「たんきゅう」という言葉を使っても,探し究める方の「究」を使う「探究」というのを,初等中等教育分科会でまとめられた中教審の答申でも使われていました。
 そういった答えの見つけ方をしようと思ったら,ある段階で判断してやってみるという,トライアル・アンド・エラーを繰り返しながらやっていくということをしていくしかできないのですけれども,日本の高等学校教育というのがそこの部分で随分と遅れていた面が,あるいは気付いていなかった面があるのではないかなと思うのです。
 今,相川委員がおっしゃった自己肯定感というのも,素早く正確に一人で答えを見付けるということをし続けている限りはなかなか生まれないもので,やってみて失敗して,やってみて失敗して,ということを繰り返しながら,少しずつ前に進んでいくということを経験するということが自己肯定感や,あるいはまた学習意欲につながるのではないかということを私たちは考えなければならなくなったのではないかということを思っています。そういう思いの中で,今期の高等学校教育部会の議論にも参加させていただきたいと私は思っております。
 私も相当不正確な部分があるので,こういうことを言うのは申し訳ないのですが,部会の運営に関しまして一つだけ申し上げたいことがあります。それは言葉の定義です。言葉の定義が十分に共有されていないで議論をするというのは,これは大変危ない議論になっていくと思います。グローバルという言葉が相当流行していますけれども,グローバルなのかインターナショナルなのかといったようなところも十分に考えていかなければいけないと思っていますし,コミュニケーションという言葉も,当たり前のように使っていますが,どういう意味でコミュニケーションと言うのか,そういったことについても具体的に共有しながら議論が進められればということを考えております。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 それでは,及川委員,よろしくお願いします。

【及川委員】
 先ほど,第6期のときに検討された内容について説明がありましたけれども,実際に学校現場で生徒を目にしているときに一番大きな課題,質保証に関する大きな課題というのは,やはり主体的に学習に取り組む意欲,態度ですね。学力の3要素の中の学習意欲の部分というのは一番やはり生徒の状況を見ていると,質保証という面からは最も大きな課題であるというふうに私は考えています。
 そういう意味で,その質保証の評価の仕組みについて希望参加型のテストというようなことで出てきたわけですけれども,資料4の下の方の3の(1)の囲みの中にある米印ですね,そこの最後に,「生徒の学習意欲を一層喚起」ということが出ていると思うのですけれども,何らかの評価の仕組みを作ったとして,それが生徒の学習意欲を喚起する,そういう仕組みでないと質保証というのはできないのではないかと思っております。
 小中学校で行っている全国学力・学習状況調査というのは,指導の改善という観点だと思いますけれども,生徒自身の学習意欲を喚起する仕組みを是非構築していただきたいなと思っています。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 それでは,金子委員,よろしくお願いします。

【金子委員】
 私は前回の委員会ができましたときから高校生に必要な基礎学力を何らかの形で認定するような試験といいますか,資格試験のようなものを作ってはどうかということをずっと申し上げてきて,私はそれを具体化するというのは非常に重要なことであると思います。それはある意味では非常に端的な試験主義のように聞こえますけれども,様々な形で今,高等学校教育について問題になっている点について,実際に改善するということもありますけれども,考え直す一つの重要な手掛かりになるのではないかと思います。
 ただ,それをやるとしても,やはりかなり実施上の様々な問題もありますが,理念上の問題も非常に大きなことは事実であります。資料5-1の(2)のところに,学力といいますか,教育の三つの要素,基礎的な知識及び技能の習得,それを活用して問題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力,その他の能力の開発,そして3番目に主体的に学習に取り組む態度を養うことということがあるわけでありますけれども,基本的にやはり基礎的な学力は,例えば国語科で定義されている国語の能力の基礎というだけでは必ずしもなくて,そういったものを総合的に使えるための読み書き能力ということになると思うので,それはやはり2に相当するものだと思います。
 これが非常に重要であるというのは,日本ではPISAの国際学力調査は,日本が何番目に来たかということだけしか問題にされていませんが,これはやはり,もともとの来歴は,むしろこの2にあるような学力をはかる,それは非常に重要であるという観点から作られたものでありまして,そういった意味では,やはり国際的にもそういったところが注目されているところであると思います。
 ただ,問題は,それをどのような形で作り,どういうふうな形でそれを個々の学校で実施していくかということについての具体的なメカニズムをどうするかという問題でありまして,今日,机上に指導要領が載っているわけでありますけれども,指導要領は基本的には各教科でもって具体的な知識科目としてこれとこれを教えろというふうなことが書いてあるわけで,最後のところにどこの学科もこれを応用してというようなことがちょこちょこと書いてあるのですが,これは必ずしも今申し上げたような概念にそのまま相当するものではないと思いますし,やはり2に書いてあるような概念をまじめに取り上げるのであれば,教科を通じてどうするのかということが考えられなければいけない。これは個々の高等学校で考えることでもちろんありますけれども,しかし,それをやはり指導要領のような段階で何らかの形で明示するということも,もし何らかの試験をするというのであれば必要になってくるのではないか,そういった点を少し考える必要があるのではないかというふうに考えます。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では,川嶋委員,どうぞよろしくお願いします。

【川嶋委員】
 ありがとうございます。3点ほど述べさせていただきます。
 1点目は,今の金子委員の御指摘の,資料5-1の高等学校教育の目標が1から3までありますけれども,1と3が基本的には国民や市民として共通に育成すべき能力,態度等,そして2の方はそれぞれの個性に応じて多様な教育を提供する,多様な知識・能力を身に付けるということだろうと思いますが,そういう点からいきますと,日本の高等学校教育全体の質保証という観点からいけば,今,いろいろなテストの考え方については金子委員の方から御指摘がございましたけれども,1と3についてはそれぞれの高等学校や教育課程の違いに関わらず何らかの形で共通の質保証の仕組みを考えていく必要があると思います。その上で2については,様々な,多様な質保証の仕組みを考えていくという考え方が必要だろうと,このことが1点です。
 2点目は,先ほどの荒瀬委員の御指摘にも関連しますけれども,私が接しています大学1年生の授業が最近始まったばかりですけれども,最初にいろいろ学生諸君に話を聞きますと,彼ら自身もやはり高等学校までの教育についての問題点というのはかなり認識しているわけです。つまり,解答がある問題をどのように効率的に解いていくかという,先ほど荒瀬委員の御指摘があったとおりで,今後どう在るべきかということを彼らは十分認識していて,やはり答えのない問題をどうやって見つけていくかという,そういう能力が今後必要だというふうに,私のクラスで何人かの学生が言っていました。
 そういう点から言っても,これは大学生,つまり大学入試の問題が非常に大きく関わっているわけですけれども,21世紀に必要な力,能力というのは,大学に進んだ者も,それから,高等学校を卒業して社会に出た者も共通して必要だと思います。答えのない問題に果敢に挑戦していくという。そういう意味では,大学入試,そして進学する,進学しないに関わらず,高等学校できちんとそういう能力を育成するということがこれから必要になってくるのだろうと思います。当然,それは高等学校や大学だけで育成できるわけではなくて,さかのぼって小学校,中学校でも育成すべき能力だろうと思います。これが2点目です。
 3点目は,審議の在り方といいますか,もし何らかの形で現在は仮称となっているテスト等が導入されると,これは高等学校教育,あるいは大学教育に非常に大きな影響を与えると思います。そういう意味でも今後のスケジュール感といいますか,いつごろまでに何を検討して,具体的にテスト改善に入るとか,検討会議ができるということですけれども,大ざっぱにでも良いので何年後ぐらいにこういうことをやるという,そういうスケジュールをやはり中教審から示すことが必要なのではないかと思います。
 以上3点です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では,よろしくお願いします。アキレス委員。

【アキレス委員】
 課題認識ということで,大ざっぱに分けて2点ほど述べさせていただきます。
 まず1点目は,先ほどからお話があるように,高等学校教育の在り方について,資料5-1のところで見ますと,ただ単に学力だけではなくて,やはり人間性とか創造性とか,非常にはかるのが難しい部分が入っていますよね。テストなどで学力をはかることはある程度できると思うのですけれども,はかりにくいところをどういうふうに見ていくかというのは,第6回でもいろいろ審議されたのですけれども,まだまだ課題が多いのかなと思います。それが1点です。
 2点目は,改めて見てみますと,やはり個性を尊重するとか,多様な学び方を推進するというようなことが書いてあるり,そのとおりだと思いますがつも,なかなか現状,どう実行されているのかが見えないなというのが率直な感想です。多様性という言葉,ダイバーシティという言葉は,この数年,企業でも学校でも使われ始めていますが,本質的なところでは,「異質なものに興味を持って,そこから学んでお互いに高めていく。」という考え方があると思います。そこが教育の中でどのように生かされているのでしょうか。これからのキャリア教育,企業において求められること,それからグローバルという視野を考えますと,やはり多様性をしっかり価値として持っていないと,なかなかうまくやっていけないような時代になってきていると思います。その観点も是非これから議論していただきたいと思います。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 阿部委員,よろしくお願いします。

【阿部委員】
 私は専門高等学校出身なものですから,特に関心のあるところといいますか,今回から初めて参加させていただきましたが,資料4の3の(1)のところにあります,「技能検定の活用を促進し」というようなことがございます。うちの学校の生徒に対しても,在学期間だけではなくて,在学期間が終わって卒業してからの社会人として必要な力を身に付けてやるためにどうすればいいかということで取り組んでいるわけですけれども,この技能検定の活用は確かに必要ではありますけれども,本校の生徒,又は本県の生徒を見ておりますと,ある意味で技能検定に取り組むというのでしょうか,技能検定は受かっても,検定には合格しているけれども,本当の部分が身に付いていないということもかなりあると,つまり,検定に受かるための勉強をして,合格率も上がって,合格もするけれども,本当の資格というのでしょうか,企業で使う本当に必要な部分というのでしょうか,技術とかそういったものが身に付かない危険性もあるというようなことを少し心配しているところであります。
 ある意味で,資格を取らせるために学校の中で取り組ませるわけですけれども,合格させようということで,本当に必要な,又はその技能検定を基にしてほかの検定も,企業に勤める場合更に同じ必要な検定がいろいろあるわけですけれども,そういったものに取り組む上で本当は基本として必要なものを身に付けないで合格しているというのでしょうか,合格する最低の部分だけを身に付けて,どんどん資格を取るという,又は学校としては取らせるということでの少し心配な部分があるということで,その辺に気を付けていかなければいけないような感じで,資格取得に取り組ませる上での注意しなければいけない部分というのでしょうか。
 また,学校の方である意味でできるだけ資格を取るようにということで指導し過ぎるために,本来,資格取得が自分で自ら勉強して,自ら取り組んで,取るというもので,卒業してからいろいろな資格を取るということでの,取り組む姿勢の部分,そういう態度の部分でも,取らせようとし過ぎる余りにその部分が逆効果になる危険性もあるのではないかというところを思わされているところでございます。
 すみません,全体的な部分ではなくて,ここの部分だけ少し取り上げて話させていただきました。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 それでは,伊藤委員,お願いします。

【伊藤委員】
 私は中学校から唯一出させていただいております。全日本中学校長会で教育研究部長をさせていただいております。その関係で出させていただいておりますけれども,前回までに非常に課題が明確になってきておりまして,前からもお話ししておりますけれども,高等学校教育の充実は,中学校教育の現場にとっても非常に,中学校教育のより一層の充実にもつながるもので,中学生や保護者にとっては非常に有り難いことであり,中学校の現場からも,この部会に寄せる期待は非常に大きいものがあります。
 一人の人間の知・徳・体の育成のためにも,今までは特に入学選抜や進路指導の範ちゅうでよく高等学校とは連携をとらせていただいておりますけれども,これからはやはり中学校と高等学校の連携をより深められるように努力していきたいなと思っています。
 そういった意味でも,「コア」のところの客観的な評価の対象とできるようなAの部分,それからA以外のもののBというのがありますけれども,このBの部分,ここも非常に大事だと思いますので,こういったところの議論を深められたらいいなというふうに思っています。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 それでは,こちらの方に行って,上野委員,お願いします。

【上野委員】
 私は,直接,高等学校の生徒さんを教えているというような立場でなくて,また,教育学をやっている者でもなくて,若者が,例えば大学院に上がってきて,更にその先,いろいろなキャリアパスを経て活躍していくというのをずっと見ると同時に,将来そういうふうな人を,本当に個性を持った若者を,その個性を花開かせてあげるというような観点から育成するためにいろいろな活動を高等学校生等に対してもやってまいりました。
 そういう観点から,今回,資料4にまとめていただいている,前回のいろいろな議論について,どうしても頭の中ですっきりしないことが出てきます。そのうちの一つは,議論をする大事なターゲットの一つに質の保証というのがありました。例えば,試験をして,数値的に評価できるようなものについては評価をすることが一見易しそうなのですが,例えば全ての高等学校の高校生に対してそれをやろうとしたときに,問題が生じます。やはり2年ほど前でしたか,いろいろ考えていくために,比較的よくできるグループ,その次のグループ,特別なケアをしてあげないといけないようなグループ,というような三つのグループに対して考えるという話がございました。それを全部一緒くたに統一試験で質の保証を本当にしようと考えているのか,一体どういうふうに考えているのかというのがどうもはっきりしなかったのです,ずっと。
 例えば,試験者として必要なことを教えていくという,資料4の全体をまとめていただいた図のところのBの部分,そういうところに関しては,少し別な考え方でやっていけると思うのですけれども,Aの部分について,もう少し,質の保証というのを,全てに対して共通してやるのかとか,ある程度段階を入れていいとか,そういうことがもう少し明確にならないと,なかなか難しいのではなかろうかと思います。そうすると,いろいろな意見を伺っても,何か歯にものが挟まったような意見を伺わざるを得ないようなことになってしまって,もう少し何か具体的な方針があった方が,いろいろな建設的な意見が出てくるのではないかと思っております。
 それから,Bの方については,もちろんAとも関係しますけれども,生徒は先生と毎日日常接することによって知識の伝達以外にいろいろなことを教わっていきます。そうしますと,先生をどうレベルアップしていくかということとは切り離せない問題だとずっと思っております。そうしますと,あまりここでやるべきことではないかもしれませんけれども,例えば先生をどういうふうにして選ぶのかとか,そういうこととリンクしないと,この問題は多分,本当の意味では議論できないのではなかろうかと思っております。
 できたらそのような観点からも,どうあった方がいいかということと絡めて,議論すべきだと思います。
 同じように中学校との問題も非常に大きいこととして表れてくると思います。前回,何回か申し上げたのですけれども,宮城県の例のコア科目に関する,全ての高校生に対する試験の結果で,数学に関してはM型だったのですね。それで,国語と英語に関しては少しひずんだガウス型だった。それは納得できたけれども,数学に関しては納得できない。非常に大きな問題を抱えていると思っておりました。それについて何人かの高等学校の校長先生に,高等学校入試,県立では一斉に同じ問題でやります。それの結果を伺いましたら,実は英語でもM型ですとおっしゃっていました。そうすると,中学校から高等学校に入る段階でM型というのは,今の場合は完全なM型ではなくて,かなりきれいな二こぶ型になってしまっているという話です。その時点で既に成績が二極化しているという大きな問題です。そういうことを踏まえて,そういう生徒さんが入ってきた高等学校が3年間でどういうふうにしてやっていくのかというのはかなり大きな問題があろうかと思います。だから,そういうふうなことまで踏まえて議論をしていかないと,余りにも大枠の議論だけでは非常に難しいゴールを目指せというようなことを命じられているように思います。もう少し具体的な点まで踏まえて御意見を伺えればと思っております。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 それでは,長塚委員。

【長塚委員】
 議論をずっとしてきて,今回,次の段階に来たということで,当面の検討課題というのが既に提示されたわけでございますが,その点についてだけ少し述べておきたいと思います。
 二つあるのですが,一つは多様な高等学校の学びについてということでございます。高等学校が多様化したということは事実でありますけれども,中学から高等学校に進むときに,子供たち,生徒たちは本当に好んで,進んで,行きたくてその高等学校に行っているのだろうかということですね。
 例えば,ここに定時制,通信制の課程のことがありますけれども,入学者選抜のことを考えれば非常にはっきりするのですが,一般には先ず全日制の試験があって,その後に定時制の試験がある。そして随分遅れて,あるいはいつでもいい形で通信制の入学者選抜があるというふうに,言ってみれば不本意で定時制や通信制に行ってしまっているような実態がむしろほとんどであって,好んで進んでいっているわけではないわけです。多様な受皿があるといっても,決してそこで主体的に学ぼうとして,その仕組みがよいから行っているということではないのではないかと思うのです。専門学科についても多分同じであって,普通科に進めないので進路指導上,専門学科に進んでいるような生徒が相当いるのではないかなというふうに思います。総合学科もなかなか広がらないというのもそういうことがあるのだろうと思います。必ずしも好んでそこに行っているというふうには言えないのではないかという懸念です。
 入学者選抜というのが適格者主義ということを反映しているわけですけど,最初はそれで高等学校の生徒の質が担保されていた。しかし,今や全入に近い状態になって,選ばなければどこかには行けるという状態になった。ですから,適格者主義ではないのだというふうにマスの上では言えるかもしれませんけれども,しかし,個々の学校の,多様な学校のそれぞれに対してはかなり厳格な適格者主義が実はあって,必ずしも主体的に学ぼうとするような多様な教育と生徒たちとの関係性にはなっていない。その辺のことを踏まえながら,多様な高等学校の学びについては考えないといけないのではないかと思うのです。
 ですから入学者選抜,特に公立高等学校の入学者選抜というのを,例えばなくしてしまう,あるいは今の形ではなくしてしまうような,そういうドラスティックな方向まで考えていかないと,主体的に喜んで多様な教育を生かす方向には行かないのではないかという思いもしております。
 二つ目は、高等学校教育の質保証に向けた評価の仕組みについてです。これで希望参加型のテストについてということが,いろいろな議論をした上に案として固まってきたわけですけれども,高等学校の現場では,どの学校でも全ての生徒に民間業者が行っているような様々なテスト,大学進学に向けたテストもあるし,学力水準をはかるテストもあり行っているわけで,学力がどの程度であるかということは実はわかっています。その中で新たなテストをしようとするということは,希望参加ですからこれが負担になる生徒は限られるかもしれませんが,要は,これは,この到達度をはかって将来これが大学や,あるいは企業にどう生かされるのか,到達度をはかったらばそれがどう用いられるのかということがはっきりしない限り,インセンティブを与えるというか,これを進んで,この到達度を上げようというような,そういう思いにならないのではないかなと考えます。
 この希望参加型のテストはあくまでもそれをはかるだけの,認証するためのものにすぎないと思いますので,是非,この必要としている力を上げていくためのインセンティブを与えるような,テストだけではない仕組みというのでしょうか,結果的にはそれが生かされるという,本当に評価されるというような社会,大学や企業の体制というのでしょうか,考え方がもっと明確にならないといけないのではないかというような思いを持っております。そういう観点からこの議論を進めていきたいなと思っております。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 長山委員,お願いします。

【長山委員】
 新しく委員にならせていただきました長山と申します。
 全国の定通の校長会の方の理事長をやっておりますけれども,先ほど冒頭にありましたけれども,今後の多様な高等学校の学びについてという中で,定時制・通信制課程の教育の課題の在り方ということで,課題あるいは対応策ということがありましたけれども,既に皆様方御存じのように,定通制に通っている生徒のほとんどが勤労青少年ではないと,既に,勤労青少年というか,職を持っている,定職を持っている生徒が数%しかいないという状況の中で,通っている生徒には不登校経験があるとか,あるいは中退経験,あるいは発達障害を持っているという生徒もいますし,そうではないかと疑われる生徒がかなり多く在籍をしております。その中で,やはり卒業後,社会人としてやっていける,生きていけるという力を身に付けさせていくためには,やはりその中で,もちろん基本的,基礎的な力も大事なのですけれども,恐らく多くの定時制・通信制の課程の学校の中では,先ほどの資料4の中であります「コア」の中のイメージでいえば,A以外のもの,Bのところで多くの時間を割いて生徒に接触する中で対応してきているかと思います。
 ただ,実際には,その中で基礎的,基本的な力の部分をどのようにつけさせていくかというところで,また一方では各学校が苦心しているところでありますけれども,最初に見ましたように,在籍している生徒の持っている課題が多岐にわたって様々なものですから,なかなかその一つ一つに対応しきれない。先ほど,ありましたけれども,教師の問題かもしれませんが,例えば先生方の数の問題にしても十分な数の先生がいらっしゃらないということであると,一人一人の生徒の対応が難しい部分が出てきます。そうすると,基本的な力を身に付けさせることが,授業の方にも,もちろん授業以外のところでもやってあげたくてもなかなかできないという部分,いろいろな課題があるかと思います。
 今後,審議の中で,定時制・通信制の状況についてまた様々なお話をさせていただくことになるかと思いますけれども,私もその辺のところを先生方に御紹介しながら,いろいろな議論の中で方向性について考えていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 それでは,野上委員,お願いします。

【野上委員】
 私は教育界の知見に乏しい産業界出身の委員ですが第6期の委員を拝命したことで改めて人材育成の重要性を再認識させられました。
 どのような点でと申しますと,企業であれば現状にそぐわない状況が生じた場合スピード感を持って変化に対応しますが,こと今回討議しております教育分野では直ちに対応することが必ずしも最善の道でないことに気づかされたからであります。具体的に申しますと現状定時制,通信制に席を置く生徒が減少しているわけですが,同様のことがもし企業で発生したならば多くの場合統廃合などの改善措置をとると思いますし,以前の私であれば間違いなくそうしたと思います。
ところで私は本委員会の委員拝命と時を同じくして埼玉県の私立学校審議会の委員に就任しておりまして今回討議しております定時制高校,通信制高校を訪ねる機会がございました。その折次のような事例に遭遇したのであります。そこで垣間見たのは引きこもりや不登校,そして家庭事情によって在籍する生徒一人ひとりに向き合い指導する教師の姿であります。おそらくそうした事情を抱える生徒に日々真正面から向き合って指導してきたのでしょう。ところが,そうした生徒たちの多くが一年後には精勤賞,皆勤賞を受章する生徒に変身すると云うのです。それ自体が驚きでもありましたが同時に教育の持つ力を垣間見る思いが致しました。そして更に驚かされたのはこうした生徒の多くが自分の意志で就職先を探したり,志望する大学に進学していると云うのですから,単に進学者が減少しているから直ちに統廃合しなければと云うような短絡的な対応はこと教育の場面ではそぐわないと思った次第であります。
 そこで,教育の重要性はわかるものの今後の教育にとって重要な点はこの厳しい時代を生き抜くための能力の醸成にこれまで以上に取り組んでいただきたいと云うことであります。具体的には社会の中で伍していくために不可欠なディスカッション力,ディベート力,プレゼンテーション力などの能力付与に一層注力していただきたいと思います。
 以上です。

【小川部会長】
 服部委員,お願いします。

【服部委員】
 今年度から委員にさせていただきました服部と申します。
 私は昭和40年代に高等学校で数学を教えておりました。当時は国公立又は有名私大へ何人合格させるかということで,しゃにむに受験指導をしていたということを経験しております。
 一方で,その間の10年間,私は硬式野球の監督をしておりました。学力ということも大切だとは思いますが,今思うに,高等学校の間の部活動における人間形成というのが,これは無視できないと思っています。それは,ちょうどそのころ関わった者が今,40代から50代の初めぐらいの年齢になっています。成長過程を見てみると,本当に一生懸命取り組んだ選手たちが立派に成長しているというところを見ると,学力ももちろん大切ですけれども,高等学校における人間形成の中では部活動による,これは運動系だけではなくて文科系においてもそうですが,そういう側面も必要ではないかということを一つ思いました。
 それから,その後,県の教育委員会に20年間関わりまして,その間に思ったことは,ちょうど40年代の後半からずっと,高等学校の量的な変化です。初めはどんどん生徒数が増えていくという量の変化に教育委員会は対応しており,平成に入ってからは,要するに生徒減に対応する,それと同時に質の変化,高等学校生の質的な変化にどう対応するかということで様々な学びの仕組みを作ったという,そのことでちょうど私も担当課長として高等学校の設置認可をするときに,単位制高等学校の全日制あるいは定時制の設置認可をした課長だったのですが,その後,平成7年には総合学科を岐阜県では4校つくりました。その後,総合学科を持つ学校が今,増えまして,8校あるわけですが,少しこれは長くなりますが,昨年度,全国の総合学科の研究大会が岐阜で行われて,様々な課題が議論された。今年また5月15日に東海4県ではありますけれども,総合学科の研究大会が行われるということで,本当にいい機会にこの委員にさせていただいたことを感じております。
 今,大学で,女子大ではありますけれども,幼稚園から小学校,中学校,高等学校の教員を養成しているわけですが,そこでの学生を見たときに,今日のこの会議にも関連するかと思いますが,二つほど感じております。一つは,今,学校教育ということを語るときに,これは常に私は言っていますが,生涯学習社会における学校教育の役割という視点を捉えなければいけない。それは児童生徒の成長,発達において,学校教育はある意味では学び方を学ぶ一つの過程,プロセスだと思います。学校の間で,例えば高等学校なら高等学校の間に身に付けた学び方をもって,生涯にわたって学び続ける,そういう姿勢をつくる,そういう役割があるのではないかということを感じております。
 二つ目に感じたことは,今の学生ですね。高等学校のときも感じたのですが,学び方のスタイルを変える必要があるのではないかと。それはどうしても受け身的,受動的な学び方のスタイルが日本では身に付いてしまっていると。教師の言うことをしっかり聞く,ノートに取る,黒板に書かれたことを一生懸命ノートに写すと,そういう,いわゆる受け身的な学びが身に付いてしまっている。今,この世の中で一番必要なのは,やはり能動的な学びで,これまでの委員さんもおっしゃっていましたが,要するに課題を見付けてそれを解決する,初めから答えがあるものを見付けるということではなくて,先ほど荒瀬先生がおっしゃいましたが,問題があるかどうかわからないものにいかに挑戦するかというような,そういうことも含めて,要するに積極的,能動的に学ぶ,そういう学び方のスタイルを変える必要があるということを今,感じております。
 そういう意味で,ここでの議論の中で,例えばそのようなことが,先ほど言いましたように,生涯学習社会における学校教育の役割,高等学校の役割というようなこと,そしてもう一つは,これは学力のことが前面に出ているように,若干はそのように受けておったのですが,やはり部活動における人間形成というようなことも無視できないもので,そういった面をどこかで取り入れていく必要があるのではないかというようなこと,さらには学び方のスタイルをどう変えていくか,意識化を図るかといったようなことを検討する必要があるのではないかといったようなことを感じております。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 それでは,松野下委員。

【松野下委員】
 総合学科ということでお声がかかりました。今回が初めての参加になります。よろしくお願いします。
 総合学科高校は平成6年に誕生しました。今年で20年目を迎えます。全国で今,350余校ありますが,この20年で,総合学科のよさと,課題が浮き彫りになってきたかなと思います。総合学科のよさというのは,多様な生徒に対応して,多様な科目を準備し,生徒に選ばせるということで,生徒自身は自分の興味・関心のある科目を勉強でき,ある程度学校生活に積極的に,落ち着いて取り組めているのではないか,あるいは,生徒それぞれの居場所ができているのではないかと思っています。東京都の調査でも,自分のやりたい勉強ができるという質問に対して,全日制全体の平均が47%のところ総合学科が72%といった数値も出ております。そういった総合学科のよさがあると思います。
 生徒に自ら選ばせることで決断をさせる,そのことによって意思決定力を養う,そして更に自分で決断をすることで責任を自覚する,こういった,選ばせることを通して,総合学科は生徒を育てていく仕組みであると思っています。そういった総合学科の理念というのはすばらしいなと思っています。
 一方で,総合学科の課題というのもあります。総合学科はそれぞれの生徒の得意を伸ばす学校でもあるのだけれども,一方で,選ぶということは,選ばなかった科目の力がつかないということでもあります。例えば,本校でも美術・デザイン系列で美術・デザインの授業を非常にたくさん取っている生徒がいます。それで難関美術系大学に進む生徒もいます。しかし、そういった生徒は,美術をやっている授業のまた一方では他の科目が取れないということになります。この辺り,選ばなかった科目の力がつかないというのも総合学科が考えていかなくてはいけない課題だというふうには思っています。
 とは言え,私は数学がどうしても嫌いだから2年次以降には数学を取らなくてもいい総合学科を選んだのですという,そういうふうな考え方も許容される学科でもあるのです。総合学科は,そういった生徒を入学させて,得意を伸ばしていく,そういったことも大切かなと思っています。
 全国の総合学科で,総合学科のよさを感じている教員がたくさんいます。一方で,総合学科の課題が何とかならないかと思っている教員もたくさんいます。よさと課題の解決について,全国の総合学科研究会で毎年話題になっています。
 この会で,確かな力の部分,Aの部分の力をどう育てるかということも考えていきたいところですし, Bの部分,豊かな心の部分で,総合学科としてこういったものを育てていこうといったものが明確になるといいかなと思いますし,そういったものを全国の総合学科に発信していきたいと思っています。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 それでは,和田委員,お願いします。

【和田委員】
 失礼します。
 過去の1年半ぐらいにわたる第6期の審議に関わらせていただきまして,結構,いろいろな大きい課題が多くある中で,このように一つのところにある程度まとめられたというのは,小川先生を初めとして委員の御努力があったためだと思いますけれども,一方で,今回のこういういろいろな課題,これから進めていくべき施策ということに関しては,本当にこの部会だけで決めていけることではないのではないかということが一番気になっております。例えば,今の総合学科とか,そういう学科の在り方というようなことに関しても,本当にこの高等学校教育部会で云々(うんぬん)できる問題なのかということですね。それから,いろいろなことを新たに始めていくということになると,高等学校は高等学校の指導要領にかなり縛られて運営されていますので,そこをいろいろと変えていただかないと,例えば,ある部分はもっと弾力的に減らすなり,あるいは大綱化するなりしてやり繰りする時間を取って,そして新たなことをやっていかないと,3年間という中でやれること,時間的な制約もいろいろありますし,そういう意味では,指導要領を決められる部会ですね,教育課程部会とか,そういうところとの連携,そちらからおりてくるものをどうこうするだけではなくて,こちらからもそういうところに働きかけてやっていかないといけないのではないかということが一番感じるところです。
 それから,この新しく高等学校で行われようとしている,テストに関しても,今度はまた高大接続部会で考えられている新しい試験,あるいは既にあるセンター試験,そういうものとの関係性が当然出てきますし,何もかも並列して試験が全部行われていくというのも非常に不自然な感じもしますし,その辺の整合性というものも今後まとめていかないと,この部会だけでこういうテストをしようと,理想的なテストを考え出したとしても,それがほかの高大接続テストだとか,センター試験とかとの関係性が問題になってくるのではないかと思いますので,これもそちらからの指示があって検討するのではなくて,こちらからも発信していけるような形でやっていければなと思っております。
 それともう一つ気になっているのは,やはり,このごろ政治の発言が多くて,例えば教育委員会制度を抜本的に見直すとか,それから場合によってはバウチャー制度を導入するというような形を今の政権はおっしゃっていますけれども,そうなってくると,本当に全国の高等学校だけではなくて,小学校から高等学校まで全ての在り方自体に関わってくる問題なので,そういうところにも神経を張りながらこの部会を進めていかないと,政治の流れの方に押し流されてしまうような危険性を今,感じております。
 今日は初めてということなので漠然とした話でしたけれども,そういうことも頭に入れながら進めていければなと思っております。よろしくお願いします。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 安西委員。

【安西委員】
 新しい期の最初の会合だと思いますけれども,前からのこと,いろいろ考え,もちろん高大接続の問題,それから大学の問題等々もいろいろ考えてまいりました。やはりこれからの日本が世界の中で置かれていく状況の中で,97.8%,ほとんどの中学生が高等学校に進学する,そういう中で日本の高等学校を卒業する,そういう高校卒業生がどういう姿でいてもらいたいかということがやはり原点になると思っております。
 そう考えますと,私は,やはりスポーツも大事,いろいろな活動が大事ということはあるのですけれども,やはり学力ですね,それをきちんと身に付けるということが原点ではないかなというふうに思うようになりました。大学の場合には進学率が大体50数%で,二人に一人ぐらいが大学に行っている。したがって,大学と高等学校というのは多様性という意味では非常に似ているのです。似ているのですけれども,進学率が非常に違う。やはりほとんどの日本の教育を受けていく10代の子たちが高等学校に行くということを考えますと,大学よりもはるかにしっかりした学力を身に付けるということが大事だと思います。
 その上で,三つ方向性がありまして,一つは,高校生が大学に進学する場合に,このテストがどういうふうに意味を持ってくるのかということでありますけれども,これは言葉の遣いは別といたしまして,偏差値でいわゆるトップレベルと言われるのでしょうか,そういう大学にとってはこのテストというのは,学力という面ではそれほど意味があるかどうかわからない。ところが,一方で,いわゆる一般の大学におきましては,やはり今,経営面からいっても大学に来てもらいたいわけですから,そうしますと,このテストの点数がどうであれ,やはり大学生の質というのは大学側でもって,よほど教育の問題を考えていかないと変わらないのではないかと。この点について指摘する方はそれほど多くないと思うのですけれども,このテスト,あるいは高大接続テストがどうあろうと,今の大学の状況ですと,大学側における教育の仕方,昨年の中教審でもって受け身の教育から能動的な学習へという,そういう答申が承認されたわけでありますけれども,そういうふうに思われます。
 それから,もう一つ,就職する生徒にとってはどうかと。私は,このテストと就職して企業等々,社会で食べていく,そういうこととの関係についてはもう少し研究が必要なのではないかというふうに,その議論が少ないのではないかというふうに思います。これは大事なポイントだと思います。
 それから,3番目は,今申し上げた進路と無関係に,日本の高等学校を卒業する生徒であれば,これだけの内容を持った人間であってもらいたいという,そういう面からの考え方でありまして,私はそこが非常に大事だと思いますし,もちろんBというのも大事なのですけれども,やはりAが基本ではないかというふうに考えております。
 以上でございます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 それでは,無藤さん,よろしいですか。

【無藤副部会長】
 今,何度も出てきた学習到達度テスト,そういったものをもし導入するとしたらということで,今の安西委員の意見とも重なる部分がありますけれども,一つ,進学あるいは就職にどのように活用するかを十分検討する必要があるというのは明らかです。それと絡むのですけれども,私は,高等学校教育の中でもそうですし,それから,大学に入ってからもそうだと思うのですが,本人がそういったテストの結果を参照しながら,自分がどうキャリア設計するかとか,もっと簡単に言えば,自分にとって将来的に必要な勉強,学習でどこが足りないかとか,どこがよさそうかとか,そういうことをよく理解して考え直すと,また検討するという必要があると思います。
 大学といっても様々でわかりませんけれども,私が属しているようなところの大学では,かなり大学1年生の段階で入ってくる学生の学力の幅があります。学力といっても英語か数学か何かというので,それぞれ極めてまちまちなわけでありますけれども,例えば英語について,大学の英語では習熟度別というのでしょうか,テストをしてクラスを分けたりいたしますけれども,それは現実上やむを得ずしておりますけれども,それだけではなくて,大学4年間,さらには将来の就職を考えたときに,自分として足りない部分をきちんと補った方がいいのだということをどのように学生に考えさせるかが今,私どもの課題です。
 それは,実を言えば,場合によっては中学まで戻って勉強し直すことも含むわけです。中学,高等学校であまり英語をやらなかったけれども,将来を考えるとやはり必要だからやるという場合に,中学英語からやる場合だってあるわけでありますが,あるいはそうではなくて,数学はあまり要らないと思ったけれども,やはりちゃんと必要だと思うとか,いろいろあるのですけれども,そういう際にこういった高等学校レベルの到達度というものを高等学校生の間に受けながら考えられないかと,つまり,自己診断としての機能というのは結構大事だと思っております。
 もう一つ,違うことですけれども,昨年度までのまとめにもあるわけですが,グローバル社会の中でどう生きていくかという中で,これは特に高等学校生の中でもかなり,いわゆるしっかりとした大学に進学する,社会で活躍する生徒を念頭に置いていると思います。その中では飛び級や高大連携で大学の授業の履修ということが挙げられておりますので,その辺りをもっと具体化してほしいという気がします。
 私は受験指導とか,そのための勉学は大事だと思っているので,しっかり高等学校で,いわゆる進学校とされるところで指導していただきたいと思いますけれども,やはり受験勉強の弊害というのは,受け身的になりやすいということもありますけれども,それとともに自分の勉強の範囲を自ら制約していることだと思います。本来,高等学校の時期というのは,15歳から18歳,非常に多感でいろいろな物事を考える時期だと思いますので,もっともっとレベルの高い勉強とか,あるいは高等学校の授業科目に縛られずに自分で考えていきたこと,あるいは本を読み,いろいろな人と話し合うということが必要だろうと思いますけれども,それが極めて制約されております。
 どうでもいいことを言うと,私は前任校は国立大学におりましたが,推薦入学もあって,そのときに大抵読んだ本を聞くと,よく出てくるのに夏目漱石の『坊ちゃん』とかね,それが出た瞬間に,あ,この子は本を読んだことがないという感じがいたします。まあ,根拠はないのですけど。実際,後で入学してから聞くと,高等学校時代は小説を読んではいけないと先生に言われたという,一部の進学校──灘ではないですけど──もあるので,それは困るなと。別に小説を読んでも読まなくてもどちらでもいいのですけど,やはり思い切り広い意味での学びをしてほしい。それこそが大学にもつながるし,将来の仕事にもつながると思うので,それがグローバル社会に生きる人材の育成だと私は思っております。
 それからもう一つ,小さいことですけれども,高等学校時代も含めて留学とか単位互換とか,あるいは外国の生徒が来て付き合うとか,もう少し国際化というものを具体的にするということも入れておいた方がいいのではないかと思いました。
 以上でございます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 それでは,最後,安彦さん。

【安彦副部会長】
 一言だけ。今度,先ほど局長から,改めて定時制,通信制,その他のことも含めてというお話があって,これは私としてはむしろもっと前に,前期のときにかなりやっておくべきことであったかなというふうに思っておりまして,そういう意味では,今回,こういう議論を、ある程度時間ができて,できるというのはいいなというふうに思っております。
 やはり高等学校とは何かというのは,やはり高等学校全体を見なければいけないわけで,大学側からだけ,特に進学校を目当てに話すというのとはまた違うわけでありまして,そういう意味で,あくまでも高等学校全体をまず見て,そしてその後,部分としてといいますか,大学との関係なり,あるいは社会との関係なり,あるいは職業との関係というので、中身を詰めていくということになるのだと思っておりますから,改めて高等学校教育全体をどういうものと考えるのかを議論する、ということを今後是非深めていただきたい。
 特に多様性ということについては,先ほどアキレスさんが言われましたけれども,私はどうも多様性という言葉が,ある意味では本当に多様性という言葉をポジティブな意味で言うのであれば,ほとんどの多様なものについて等価でなければいけないと思うのですけれども,どうも一部については多様性という言葉でもってうまくある部分を隠して,さげすんでいながら、多様性という言葉でごまかすようなところがある。本当にそうでないのだったら、多様性という言葉をちゃんと意味づけていけるような,等価のものとして主張していけるような,そういう議論をし,かつ,それを社会に向かってある意味では問題提起していく必要があるのだろうと思う。そういう意味で言うと,これまでの、特に教育制度,学校制度が対社会的にだんだんずれてきていて,社会の側から求めているものが必ずしも学校の方に反映しないとか,学校が追求していることがなかなか社会の方で受け入れてくれていないとかいう、ずれのところを本気で詰めていって,特に高等学校は、それがクリアに出てくる部分ではないかなと思いますが,今回こういうふうに定時制,通信制,その他の課程を検討していく中で,その点がはっきり見えてくることがあるのではないかと思うのですけれども,そういうところで私たち自身が、改めて高等学校の制度というものと対社会との関係,あるいは対大学との関係というのをきちんとさせていって,外に向かって問題提起できればいいなというふうに思いますので,その視点を是非欠かさないようにしていければと思います。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 最初ということで一人一人,お時間を取って御発言いただきました。ありがとうございました。
 改めて今,皆さんの発言のメモをずっと読み直してみましたけれども,第6期で審議していた課題,論点を改めて的確に整理していただいたことと,また,部会で検討すべき課題について,やはりきちんとめりはりをつけるというか,優先順位についてもはっきりした上で,具体の制度設計に更にもう一歩踏み込んで,具体的な制度案をベースにディスカッションすることの必要性ということを多くの委員から指摘されたようだなと感じました。
 恐らくこれから部会で,今頂いたような御意見を踏まえて検討していくわけですけれども,例えば希望者の参加型テストというふうに今まで第6期では言ってきたわけですけれども,やはりそういう段階でもまだ漠然とした段階でもありますので,やはりもう一歩,二歩,具体的な制度案をたたき台としてこの部会に出して,更に議論を深めていければと思っております。
 ただ,そうした,より具体的な制度設計を進めていけばいくほど,先ほど和田委員の御発言にもあったように,恐らく本部会だけで決着をつけられるものというのはかなり少ないのではないかと。例えば,高大接続部会の審議ともっとすり合わせる必要があるとか,あと,金子委員から御指摘があったように,テストで測定する学力の中身をいろいろ吟味していくと,恐らくそれは高等学校の学習指導要領の有り様にも関わってきますので,そういう意味では具体の制度設計をしていけばいくほど,高大接続部会との関係とか,教育課程部会との関係も恐らく問われるような内容になってきますので,やはり本部会としてやれること,やれないこと,また,他の部会と連携し,関係づけながら審議していかなければならないものというものを,かなりきちんとその辺のところを整理,再調整しながら議論していかないと難しいのかなということを,今日御意見を伺いながら感じました。
 その点については,また委員の方に御相談いただきながら,事務局とも,また,ほかの部会とも少し御相談させていただきながら,この部会の具体の制度設計のところは慎重に進めていければなと思っています。よろしくお願いいたします。
 では,時間もありませんので,残された課題,もう一つあるのですけれども,資料6ですね。次回から具体的な審議に入っていくわけですけれども,当面の検討課題(案)ということで,事務局の方から御説明いただければと思います。よろしくお願いします。

【塩原教育制度改革室長】
 資料6を御覧いただきたいと存じます。高等学校教育部会におけるこれまでの審議の経過も踏まえまして,資料6,当面の検討課題として考えられる案につきまして大きく二つほど御提案をさせていただいているものでございます。
 その一つ目,多様な高等学校の学びについてでございます。昨年8月の課題の整理と検討の視点におきましても,今後の高等学校振興方策,高等学校として共通の基盤となる教育条件整備等とあわせて,各学校が目標とする人間像に応じた,それぞれの学校のタイプ等に応じた振興方策を検討していくべきとの方向性をお示しいただいていたところでございます。
 また,今年の1月の審議経過報告におきましても,多様な学習ニーズへの対応にかかる課題認識として,引き続き多様なニーズへの対応を進めていくべきこと,これが求められるが,その際,これまでの高等学校教育改革の検証等と併せて様々な検討を進めていくべきと,このような方向性をお示しいただいているところでございます。
 そういった中でございますが,今期,当面の検討課題といたしまして,特に三つ,学ぶ生徒の実態が勤労青少年から中途退学経験者や不登校経験者など,様々な入学動機,学習歴を持つ者に変化してきております定時制高等学校の教育の在り方,定時制・通信制教育における今後の課題と対応方策について,更に産業・就業構造の変化などに対応して,専門職業人としての能力の育成が更に期待される専門学科,これは専攻科を含めての課題と対応方策について,そして制度発足から20年を迎えて,各都道府県に少なくとも一つは整備されてきております総合学科の課題と対応方策について,大きくこの三つについての検討をいただければと思っているものでございます。
 また,大きな柱の二つ目でございます,高等学校教育の質保証に向けた評価の仕組みについてでございます。先ほど来,話題にもなっておりますが,新たな学習到達度テストの仕組みの検討につきましては,先の審議経過報告におきましても,引き続き更に新たなテストの仕組み,目的,内容,対象者,実施時期,活用の在り方等について検討を進め,評価の充実に向けた施策の方向性の明確化,具体化を目指すこととしたいと,このようなおまとめも頂いているところでございます。
 なお,この高等学校教育の質保証というテーマにつきましては,大学入試の改善や大学の質的転換といったテーマと一体といたしまして,現在,中教審の中,高大接続特別部会においても審議が進められているところでございます。高大接続部会に対しましては,明後日,4月24日の高大接続部会におきましては,高等学校教育部会でおまとめいただきました,この審議経過報告について御報告を頂き,御意見も賜りたいと思っているところでございます。この質保証につきまして,こういった高大接続部会からのレスポンス等も踏まえながら,今後更に具体的な仕組みの案についておまとめを頂き,そのための御審議を賜れればと思っているところでございますので,この点につきまして御検討をよろしくお願いしたいと思っているところでございます。
 以上でございます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 当面の検討課題ということで,大きく二つの柱で御提案がありました。何かございますでしょうか。荒瀬委員,どうぞ。

【荒瀬委員】
 1点だけ。当面の検討課題ということなのですけれども,当面って,いつごろまでやるのかというのがわかりません。今後の検討のスケジュールが明らかになっていると議論がしやすいなと思います。

【小川部会長】
 私の方からも少し質問ですけれども,恐らく2の高等学校教育の質保証に向けた制度の仕組みということで,テストの制度設計のこのテーマ自体は,先ほど和田委員からの御指摘もあって,私も最後のところでお話ししたように,恐らく高大接続部会の審議の進展状況とかなり関係することでもありますので,恐らく高大接続部会でのそういう入試関係に絡めた議論があまり展開していない時期に,高等学校教育部会だけ先行させて議論して,後で制度設計に関して大きな問題が生じたときに,この二つの部会で再調整をするということは,エネルギー的にも時間的にもロスですので,恐らくその辺のところは歩調を合わせながら2の議論はするのかなというふうに感じました。
 そういう点では,今日の資料6のこの案からいけば,1の方を当面先行しながら審議して,あと,高大接続部会の審議状況を見て,2の議論に入っていくという,およそそういう手順かなということを感じているのですけれども,それをスケジュール,日程的にもう少し詳細に提示していただいた方がいいのかなということを,今の質問を含めて感じたのですけれども,事務局の方,どうですか。事務局の方もまだ想定できないですか。

【望月主任視学官】
 今,小川部会長から御説明を頂きましたけれども,高等学校教育の質保証の評価の仕組みにつきましては,これは先ほど来出ています,AとBの両面がございます。Aについては高大接続部会等の他の部会での審議の状況も見ながら,少し具体的に検討を詰めていく必要があろうと思っておりますので,まず,今も高等学校に関わる課題について委員の方からいろいろ出ましたので,多様な高等学校の学びというふうに題名をつけておりますけれども,その中で多様な高等学校及び高等学校の在り方についてまず議論を深めていっていただければと思っております。
 具体的な日程について,事務局としても現段階では,ここぐらいまでというのはございませんけれども,月に一,二度の審議を繰り返す中において,ある程度,夏,秋をやはり考えながら審議をしていただきたいと思っております。

【小川部会長】
 それでは,金子委員,どうぞ。

【金子委員】
 今,委員長がおっしゃったように,いろいろなところとの関連を考えて進行させなければいけないわけでありますけれども,しかし,高大接続部会の審議とここでの内容は本当にすごくかち合うようになるのかは,私は少し疑問でありまして,むしろ私はこの部会の基本的な姿勢は,高等学校教育として考えてどうするのか,高等学校教育として教育すべき学力は何であるのかということで基本的にはあるわけでございますので,2の方もやはり並行して進めるということは重要ではないかと思います。
 特に具体的な施策については,確かにおっしゃるように,今後,調整が必要でしょうが,しかし,その背後になるような基本的な考え方とか,あるいは試験をする場合であれば具体的な内容とか捉え方ということについては,様々に考え方もありますし,それからデータも相当重要な問題があると思います。
 前回も幾つかかなり紹介いただきましたが,例えば,PISAの調査でありますとか,各都道府県でやっています教科の調査とか,そういったものについてはもう少し踏み込んで議論しなければ,具体的にどのような対象で,どのような内容になるのかというようなことのイメージが出てこないと思いますので,そういった,むしろデータとか客観的な情報を得られる点については先行して作業してもいいのではないかと思います。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 今の金子委員の意見も一理あると思いますので,他の部会といろいろすり合わせするようなテーマと,本部会で独自に検討できるような課題もあるかと思いますので,その辺は少し整理しながら進めさせていただきたいと思います。
 その辺,事務局とまたほかの部会の進行状況も,高大接続部会はあさってスタートしますので,またほかの部会の審議状況も参考にしながら,進行の段取りについてはもう少し事務局の方で詰めさせていただければと思います。
 荒瀬委員,そういうことでよろしいですか。
 そういうことで,事務局の方,対応をよろしくお願いいたします。
 ほかによろしいでしょうか。
 一応なければ,今,お二人の委員からの御指摘を踏まえて,今後のスケジュールについては事務局の方で更に詳細を詰めていただくことを前提に,この当面の検討課題というふうな二つの大きな柱で進めさせていただければと思います。ありがとうございました。
 では,最後,次回の予定について事務局の方から御案内をお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 次回,第19回の高等学校教育部会でございますが,5月22日,15時から17時の開催とさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 次回以降,定時制・通信制や総合学科等の議題につきまして御審議を進めていただく予定でございますが,会議における審議に先立ちまして,適宜学校の視察等も企画をさせていただきたいと思います。視察の詳細の日程につきまして,また決まり次第,追って連絡をさせていただきますので,どうぞよろしくお願いいたします。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では,これで今日の会議を閉会したいと思います。ありがとうございました。

── 了 ──

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