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高等学校教育部会(第20回) 議事録

1.日時

平成25年7月1日(月曜日)

2.場所

ホテルフロラシオン青山 3階 孔雀

3.議題

  1. 定時制・通信制の課程について
  2. 総合学科について
  3. その他

4.議事録

【小川部会長】
 定刻になりましたので,ただいまから中教審初中分科会第20回の高等学校教育部会を開催したいと思います。
 お忙しい中御出席いただきまして,本当にありがとうございます。
 それでは,審議に入る前に,配付資料の確認について事務局からお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 お手元の配付資料の御確認をお願いいたします。本日の配付資料,議事次第にもございますとおり,資料は1-1から資料4まで,また,参考資料は1,2の2点となっております。
 また,机上配付でございますが,全国私立通信制高等学校協会の方からはこの緑の冊子,私の主張作文コンクールの入選作品集を御配付いただいております。
 また,野上委員より,今資料をコピー中でございます。後刻配付をさせていただこうかと思いますが,机上資料,追加配付をいただく予定となっているところでございます。
 その他,晴海高校視察を御欠席の先生には,当日視察の資料を本日の会議の机上に置かせていただいておりますので,そちらにつきましてもよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【小川部会長】
 よろしいでしょうか。審議中に追加資料を途中で配付することになっていますけれども,よろしくお願いします。
 今日の議題は,議事次第にありますとおり二つあります。一つは,前回に引き続いて定時制・通信制の課題について意見交換をしていきたいと思います。二つ目は,定時制や通信制と同じように多様な高校教育を提供する取組として,今年で導入から20年ぐらいたつかと思いますけれども,総合学科の現状等について審議を進めていきたいと思います。以上2点,今日は進めていきたいと思います。最初に定時制・通信制の課程について,その後に総合学科という順番で進めさせていただきたいと思います。
 まず定時制・通信制の課程については,前回,委員の方から定時制・通信制教育の現状と課題をもう少し整理してほしいというような要望もありましたので,今日は最初に事務局から定時制・通信制教育の現状や課題などについてまとめていただいた資料がありますので,その資料に即して最初に御説明いただきます。その後に,今日,ヒアリングということで,全国私立通信制高等学校協会に所属し,そしてNHK学園高等学校長の賀澤恵二先生においでいただいております。事務局の説明をいただいた後に賀澤校長から20分ほど御意見を伺うというようなことで進めていきたいと思います。その後に,2の総合学科という形で今日は進めていきたいと思います。よろしくお願いします。
 では,まず通信制・定時制の現状と課題等について,これは事務局の方から説明をお願いいたします。

【塩原教育制度改革室長】
 よろしくお願いいたします。まず,資料の1-1と1-2を御覧いただきたいと思います。こちら,前回会議で頂きました意見をまとめたものでございます。前回会議では定時制・通信制課程についての御審議をいただき,その中で議論となった事項としては大きく二つがございました。
 まず第一には,困難を抱える生徒等のための支援・相談機能についての御議論をいただいておりまして,具体的には資料1-2の方にもございますとおり,最近の定時制・通信制,不登校経験など様々な入学動機,学習履歴を持つ者が多くなっており,そのような実情を踏まえる必要があるのではないか。スクールカウンセラーについては,必要なときにすぐに相談に行ける環境を整備することが重要なのではないのか。カウンセラーについては,教員と生徒のような評価する者,される者といった関係とは別の部分で行われるところにメリット,利点があるのではないのか。教員がちょっとしたスキルを持っていることで生徒が救われるような部分もあり,そういうスキルの研修は教員にとって必要だが,カウンセリングそのものについては教員の仕事とは分けたものが必要なのではないか。そのほか,スクールカウンセラーを万全に配置できないのであれば,全体の行政の中で対応していくことを考える必要があり,例えば若者サポートステーションなど外部の機関等を活用しながら対応していけばよいのではないか,こういった困難を抱える生徒等のための支援・相談の充実といった観点からの御意見を頂いたところでございました。
 また,第二でございますが,広域通信制課程の質保証に関する問題も前回会議で話題となっております。その中では,広域通信制に関わる不適切な活動の事例についてもう少し詳しく調査をしていくべきではないのか。また,広域通信制については認可制度の在り方のようなものについての検討も必要ではないのか,こういった御意見も頂いているところでございました。
 続きまして,資料2を御覧いただきたいと存じます。前回御意見を頂きました広域通信制に対する所轄庁の関与の在り方についてでございますが,資料2は,まずは現行制度がどのようになっているのかということについてまとめたものでございます。また,併せて広域通信制高校における不適切な活動の実態等についても,最近の調査の結果も概要を付けさせていただいているものでございます。
 まず,資料2の1ページ目でございます。冒頭の囲みにもございますとおり,高校の通信制の課程のうち,当該高校の所在する都道府県の域内にとどまらず,全国的ないしは他の2県以上の区域にまたがって生徒募集を行うもの,これが広域通信制の高校でございます。
 近年では,こういった広域通信制の高校につきましては面接指導等をその高校の本校の校舎等で行うのではなく,全国各地に様々なサテライト施設を置いて,そこにスクーリングさせる等の形で教育を行っているものが少なくない実態がございます。
 また,全国に展開をしたサテライト施設に対して,所轄庁である都道府県知事等の目が届きにくいといったことが課題として挙げられているものでございます。
 学校設置基準では,学校が他の学校や教育機関の施設・設備を使用して教育活動を行うこともできることとしておりますが,通信制高校の場合はこの規定を根拠として,全国各地にある様々な教育施設のフロアを一時的に間借りなどして面接指導等を行うことも可能になっておりまして,そうした体制の中で行われている教育活動の中に,時に不適切なものが含まれていたり,それらが事実上,放置されていたりするのではないかということでございます。
 最近の実態でございますが,資料の5ページ,別添の2を御覧いただきたいと思います。カラー刷りの資料でございますが,こちらは高校通信教育の指導体制の現状について,イメージ図としてまとめているものでございます。通信制高校のサテライト施設として展開されているものには幾つかの種類,様々なものがございますが,これらにつきましては別添2の右側に記載をしておりますとおり,本校の校舎以外にも通信制高校が自分の学校,自校の施設として置く面接指導等のための学習センター,また,さらにその下でございますが,通信教育の実施校に協力する他の高等学校でありますところの協力校,ないしは,その下でございますが,都道府県教育委員会の指定を受けて,そこで行われる技能教育の学修成果が連携する通信制高校の単位として認められる技能教育施設,さらには一番下でございますが,通信制高校の在籍生徒が添削課題に取り組む際のサポートを行うサポート校,こういった様々な種類のものが,今,実際にあるところでございます。
 これらのうち,通信制高校自身が置く学習センター,面接指導施設でございますとかサポート校については,現状では法令上の明確な位置付けが必ずしもあるわけではなく,所轄庁から見えにくい存在となっているというところでございます。とりわけサポート校については,もともとは自学自習を旨とする通信制高校の在学生を対象として,その自学自習を支援する学校外の学習施設として生まれたものでございまして,法的位置付けとしては,いわゆる学習塾とか補習塾,そういったものと同様に学校教育制度の外に置かれているものでございまして,元来,所轄庁による直接の指導監督は及ばないところに置かれているものでございます。
 しかしながら,最近ではこうしたサポート校が特定の通信制高校と提携して,当該高校の面接指導や試験がサポート校の校舎を使って行われるなどのケースも多く見られているところでございます。こうした面接指導等が適切に行われているか,例えば,当該高校の教員がきちんと指導しているのか,サポート校に事実上丸投げになっていないのか等々については,当該高校の教育を所轄する所轄庁が関わるべき事項となります。サポート校自体は所轄庁の管轄外かもしれませんが,サポート校と提携している高校教育の実態については所轄庁の監督の範囲内と,このような位置付けにあるわけでございます。
 次に,また1ページ目にお戻りいただきたく思います。1ページでございます。1ページの1は広域通信制への関与に関する現行制度についてでございますが,1ポツの(1)にあるような認可事項,また,(2)にあるような届出事項が現行法令にも定められているところでございます。
 とりわけ広域通信制の高校に対する認可制度の特徴といたしましては,他の通常の高校とは異なり,学則の変更全般が届出ではなくて認可事項とされておりまして,また,学則記載事項についても,通常の記載事項に加えて通信教育に関する事項が必要記載事項として定められております。
 ただし,通信教育に関する学則記載事項の内容としては,通信教育を行う区域及び協力校に関する事項が法令上定められているものでございまして,サテライト施設等様々ございますが,学則に必ず記載しなければならないとされているのは協力校のみというのが現行法令の規定でございます。
 次に,2ページ目を御覧ください。2ページは大きな2番,広域通信制への指導監督等に関する所轄庁の課題意識としておりますが,平成22年に行われましたアンケート調査の結果の概要をお示ししているものでございます。所轄庁の課題意識として,主なものといたしましては,1でございますが,まず第一に,自らが設置認可を行った広域通信制高校の他の都道府県域における活動の把握の困難さ等が挙げられております。所轄庁は本校が所在する県の事務局となるわけでございますが,これらが県外の面接指導施設等の実態を把握することはなかなか難しい等,そういった御指摘でございます。
 また,2でございますが,他の都道府県の認可した広域通信制高校の面接指導施設,サポート校等をめぐる問題が複数指摘をされております。これら施設が実際に行われている県の私学担当部局等では,これら施設への権限がなく,対応に苦慮をしているということでございます。
 更に,3は国の規制等の在り方としておりますが,これに関しては文部科学省の基準が曖昧で苦慮をしていると。例えば,特別な事情があり,教育上・安全上支障がない場合には,他の学校等の施設・設備を使用できるとした高校通信教育規程第1条の運用についても,都道府県によって判断基準がばらばらといった御指摘が挙げられているところでございます。
 最後,7ページでございますが,別添3を御覧ください。前回資料とも一部重なりますが,広域通信制課程に関わる不適切な活動の事例について,最近の文部科学省の調査結果から抜き出したものでございます。まず,1の学校の管理・運営につきましては,サポート校などの民間施設の教育活動と混然一体となった運用がなされている事例があるということでございまして,例えば提携する民間施設が学校の看板を掲げている。高校の教員でない者,校長の監督権が及ばない者が添削指導や試験の実施等を行っているなどの事例が見受けられたところでございます。
 また,2の1,添削指導につきましては,マークシート形式など機械的に採点ができるような課題や択一式問題のみで構成される課題により行っている事例があって,調査では,次のグラフでございますが,例えば8割以上が多岐選択肢で添削課題を構成しているという学校が株式会社立学校では25%。また,その下のグラフでございますが,添削において解説等を記載せず正誤のみを記載しているとしているものが株式会社立で30%,学校法人立で5%という状況となっております。
 さらに,2の2でございますが,多様なメディアを利用して行う学習を取り入れることにより,面接指導等の時数の減免を行っているにもかかわらず,当該メディアを利用した学習の視聴確認,又は成果評価のいずれかを行っていない学校というものが株式会社立で全体の約半数,学校法人立でも約3割見受けられたところでございました。
 このほか,3,試験でございますが,試験を自宅で行っている,全ての科目で自由な成果物の提出により試験の代わりとしている,試験問題が毎年同じなどの事例も報告されているところでございます。
 資料1,2については以上でございます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。質問等々あろうかと思いますけれども,これは次のNHK学園からの御説明を受けて,一括して受けたいと思いますのでよろしくお願いします。
 では,引き続き資料3に基づいて,賀澤校長の方から御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

【賀澤全国私立通信制高等学校協会】
 日本放送協会学園高等学校の校長の賀澤です。昨年3月に引き続き二度目の場を提供いただきまして,誠にありがたい思いでおります。
 通信制高校,特に広域通信制高校は,私どもの学校が日本で恐らく初めての学校だと思います。以後,東海大望星高等学校,それから科学技術学園高等学校,この3校が広域通信制高校としてしばらく,つまり,ほかに産声を上げないで,その中で展開してきたということがございます。
 いずれも,この3校につきましては現在も基本的な骨格を変えずに広域通信制高等学校を行っております。現在,私どもの学校に来る生徒の皆さんの状況を少し触れますと,恐らく様々な学習履歴を持ちながら,つまずいたり遠回りをしたりしてやっと高校にたどり着いたと。本人や保護者,お母さんたちに至ってはもうここしかなかったという思いで本校に入学される方が随分おります。もちろん私どもの学校は,働きながら学ぶ生徒の皆さんに放送視聴を通じて通信制高等学校の教育内容を施すという形でやってまいりましたが,現在,働きながら学ぶという当初の理念どおりの生徒は約4割であります。多くが転入学の生徒とか,あるいは不登校を抱えている生徒の皆さんとか,高校適齢期に高校に進学できずに50代を超えて学ぶ生徒の皆さんが優に二百数十人,現在もおります。そういった意味では,多様な生徒を真正面から受け入れて,多様な教育手法を用いて教育をする,それが本学園の役割だという思いでおります。
 そこの資料にも書いておきましたが,日本最初の広域通信制高等学校,恐らく世界で初めての放送を活用した,利用した高等学校ということが言えると思います。いつでも,どこでも,誰でも,そして世界中どこでも学べる海外eコースを作り,そのフレーズの中で教育を展開しています。
 本校は33の協力校を置き,そこで本校とともに面接指導をしています。この33校, 3に書きましたが,高校の施設・設備を前提とした公立高校,私立高校における施設・設備を借用して面接指導を行っている。また,この協力校方式,これを広域で行っているのは,これもつぶさに検討したわけではありませんが,数少ない例の学校だと思います。協力校方式です。
 つまり,広域通信制が成り立つためには,当初は協力校を各県に置き,つまり,高等学校と同様の施設・設備を用いながら高校教育を施すと,これが前提であったのではないかという思いがございます。その意味で,協力校方式をいまだに展開している学校ということを強調したいと思います。
 私どもNHK学園高等学校は,全国私立通信制高等学校協会のメンバーであります。私立通信制高等学校協会の加盟校は,こういう表現が正しいかどうか分かりませんが,比較的真面目に教育を展開するための基本的な教育方針の下で広域通信制を行っている学校と言うことができます。
 資料の別添2を御覧いただけると分かると思いますが,私どもは毎年文部科学省に対して陳情を行っています。その陳情の中にも,大きな字でアンダーラインが引いてありますが,こういう問題意識を我々は持っております。新規に参入した通信制高等学校の中には,新たなビジネスチャンスと捉え,生徒を集めることだけに力を入れ,本来の教育法規を遵守しているとは思われない指導内容であったり,高等学校の教育水準を確保できていなかったりという学校もあり,我が国の通信制高等学校への信頼を損ないかねない状況にあります。このようなことを前提に陳情を行っています。
 また,その下の下段のアンダーラインの文章は,広域通信制高等学校の中には,設置認可した道府県の指導監督が及ばないために適正な教育水準を確保していないところもあります。この道府県の中に,東京都の「都」が抜けていることに着目をいただきたいと思います。当然,それは意味があることだと思います。そして,私どもの私通協,私立通信制高等学校協会は,陳情のほかにお手元に冊子をお配り申し上げました。通信制高等学校で学ぼうとする子供たちがどういう思いで入学をし,どういう思いで教育を受けているのか。その中で,様々な自分の抱えている障害,学習上の障害です,様々な内容の中で通信制高校で学び,自分の道を見出していけるつぶさな取組がこの作文コンクールの中に毎年出てくることです。この冒頭の,私の思いも書きましたが,とても涙なくして読めないような文章がたくさん毎年集まります。そういう子供たちに十分に報いるためにも,広域通信制高等学校の教育の充実を我々は果たしていかなければいけない,そういう思いでいるところでございます。
 3番目に,東京都の認可という話に先ほど少し触れました。我々,この私通協とはまた別に,東京都が認可した私立通信制高等学校連合会,これは狭域もございますし,広域もございます。つまり,東京都によって認可された都内における9校の私立通信制高等学校連合会が9校の連合会を作り,我々が東京都の通信制高等学校認可基準を守りながら教育を展開していることについて強く訴えをしたいと思います。
 別添資料の3を御覧ください。恐らく東京都の私立高等学校通信制課程に関わる認可基準は,日本全国都道府県を考えてみても一番厳しい基準を置いていると思います。後ほど問題点の指摘もございますけれども,認可基準そのものが都道府県でばらばらだということです。私は認可基準の水準,基準はここにあると考えているところです。例えば本校に関して,通信制の課程のみを置く実施校の本校の施設は,高等学校通信教育規程第3条に規定するもののほか,実施校の教育課程に規定される教科の授業に必要な実験・実習等のための施設及び体育の授業に必要な運動場等を備えていなければならないと記しています。私は,この基準は当然,当たり前だと思います。
 私は今年,教職歴42年目になりますが,当然ながら学校,高等学校というところに例えばグラウンドがない,体育館がない,ピアノも置いていない,果たしてそういうところが学校と言えるのか,高等学校と言えるのか。古臭いかもしれませんが,そういう考えで現在まで教育に携わってまいりました。そういう立場から言えば,この東京都の認可基準は当然,至極当たり前だと私は思います。
 二つ目に,面接指導実施施設に関わって二つ東京都は示しています。実施校の設置者は,教育上支障がないと認められる場合には,本校のほか,面接指導実施施設として実施校専用の施設を設けることができる。この場合の施設・設備,本校の基準を満たすことを原則とする。先ほどの基準がそのまま面接指導施設に関して指摘をされています。
 二つ目に,設置者は,生徒の修学に関して特に必要が認められる場合には,自己所有である他の学校の施設を面接指導実施施設とすることができる。ただし,当該学校の教育に支障を来さない上で,本校と同様の教育環境を確保できることが確認されなければならない。また,その際には,当該学校の使用について,その認可庁の了承を得ていることを前提とすると。私どもが行っている協力校方式は,正にこの基準に沿ったものと考えております。
 9校連合会は,特に生徒募集に関わって様々な協力をしあったり,お互いが教職員の研修で協力をしあったり,そういう形で東京都の認可基準に沿った形の教育を展開することを趣旨としているところであります。
 このような二つの全国私立通信制高等学校協会,それから9校連合会の紹介をいたしました。こういう流れの中で,先ほどの文部科学省の資料等々もございましたが,果たして適切な教育水準とは何かということの見極めが大事だと思います。
 私は,あえて学校設置基準,そして学習指導要領を持ち出したいという気がいたします。不適切な学校運営をしているところに対して,どういう物差しで切り込むか,これは学習指導要領を基準として照らし合わせて切り込むことが私は一番いいと思います。これは後ほどの提言の中で申し上げます。
 学校設置基準に関しては,少なくとも通信制の学校設置基準があるわけですから,それに反して学校として存在されること自体が,私,どうも理解できないところであります。その具体的な流れが,5番目の教育を受ける生徒の立場から見た不適切な教育活動の例です。
 私がこの学校にお世話になったのは6年前ですけれども,4年前,定通校長会が開かれた場で,ある私立高校の校長先生が通信制課程を閉課程することを検討しているということを述べました。その話によれば,サポート校,いわゆる高等学院という名前のサポート校を組織して,自分のところの通信制課程と連携して教育を展開してきた,これは真面目な,本当に教職員総掛かりで取り組んでいるような学校です。その学校が一挙に百数十人の生徒が学籍を変えたと言われました。これは,ある県が認可した株式会社立学校のセールスマンがそのサポート校に入って,一人3万円出すと,100人以上まとまれば5万円だと,通信制高等学校に慣れない私自身は,それを聞いて腰が抜けるほどびっくりしていました。公立高校の経験が長い私ですので,そういう殺伐としたやりとりに関して知らされたのは初めてだったものですから,腰が抜けんばかりにびっくりしました。その学校は,一時閉課程の方向で動いていたわけですが,教職員の頑張りもあり,生徒数が大幅に減った中で現在も通信制課程を維持しているところであります。
 二つ目です。私どもの学校に毎年転入生がたくさん参ります。私も時間があれば転入生に学校施設の案内をしたり,本校の通信高等学校としての教育方針を述べたりいたします。これまで私が案内したどの子も,開口一番何と言うか。この学校はグラウンドがあるのですね,体育館があるのですね,先ほどの音楽室もあることにその子はびっくりしていました。つまり,通信制高校というのは駅前の一施設を借りた,あるいは雑居ビルの一室を借りたものだというように彼は思っていたわけですね。そこでNHK学園も同様のものというように思っていたらしく,グラウンドがあることにびっくりしていた。しかし,最も多感な高校生の年代に体育施設がなくていいのでしょうか。あるいは,ピアノ,実験施設,そういったものが無くていいのでしょうか。それは私自身がそのときに感じた大きな疑問です。
 三つ目です。通信制高等学校の教育に関する研究会で,これはある学校法人の方ですが,教頭先生がレポートを出しました。バーベキュー大会をやりました。バーベキュー大会は2時間で終わりました。その生徒たちに2時間ではなくて2単位を認定いたしました。さすがに一教員から,2単位ではなくて2時間の間違いではないですかという質問をしたら,いや,2単位ですというふうに主張されました。バーベキュー大会は否定しません。生徒が様々な教育活動の中で2時間程度のバーベキュー大会をやることはあるでしょう。あるいは,ボーリング大会をする。体育のスクーリングはこれで賄うのですと。ボーリング大会を4時間する,一般的に体育のスクーリング時間数は,学習指導要領によれば4時間だといいます。つまり,それは放送視聴を前提として10分の6の,つまり6割の減免を前提とした時間数です。
 体育の時間がボーリング大会で終わる学校教育,それも否定しません。ただ,体育の指導要領にはボーリングは種目としてありません。そういったことを強く感じたところです。
 それから,4番目です。ある観光地に設立された高校がございます。株式会社立です。各県に学習センターを作りました。高体連の種目に,各県の学習センターにいる子供たちを集めて全国大会に出場することになりました。そのことに関して,私たち私通協の仲間が当該認可した県に尋ねました。そういったことが許されるのですか。当該県の担当者は次のように答えました。私どもは認可はしたけれども,この学校がどういう活動をしているかについては全く分からない。担当者がどういう役職の方かは聞き漏らしましたが,そういう回答を頂きました。
 これはいけないとか何とかということではありません。昨年4月に夕刊紙にこんな全面記事,インタビュー記事が出ました。ある株式会社立の会社で通信制高校を2校持っていると。生徒数は515人です。売上高は2億6,900万,営業利益は3,200万ですと。従業員(教職員)は21人いる。それに,非常勤として18人いる。515人の生徒で3,200万円の営業利益を出せる。これは,私どもぎりぎりの立場でやっている者からいけばうらやましい限りであります。教育の世界に株式会社立が入り込むことについては,何とも私がコメントすることではありません。しかし,3,200万円の利益を出すことに単純に先ほどの売上を生徒数で割ると,一人52万円の授業料若しくは納付金を取っています。その中で3,200万円の営業利益を出すことについて,もちろん私どもの学校も合理的な学校経営について学ばなければいけないところではありますけれども,現実にそういったことが可能なのかどうか,学校教育の現場から考えてみたいと思います。
 そういう状況で,先ほどの指摘もございましたが,是正に向けた提言として三つ,お話をして終わりとしたいと思います。やはり実態把握は教育的な視点からつぶさにすべきだろうと思います。もちろん文部科学省が組織を挙げてやらなければならないような実態把握ですので,そう簡単ではないと思います。教育がまともにやられているのですか,その視点で実態把握を早急にすべきだと。
 二つ目に,違法性のあるもの,教育上問題などの確認があった場合に,これは各県に対して文部科学省の是正勧告を是非ともお願いしたいと。法的な関係で極めて難しいというふうには思いますが,是正勧告を是非お願いしたいというところです。
 三つ目です。生徒・保護者の立場からの不適切な教育手法に関して,文部科学省は学習指導要領を武器として,これは是正指導すべきである,率直に思います。学習指導要領も守られないようでは,これは教育の現場とは言えません。定められたスクーリングをし,定められたレポートをこなし,そして,定められた試験で単位を認定していくことが最低限の基準であります。指導要領について,是非とも武器に私立の様々な課題について切り込んでいただきたい,そう願って発言を終わりとします。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。では,4,50分ぐらいの時間をとって,今,事務局からの資料説明と賀澤校長からの御報告をベースにして,皆さんの方から少し御質問,御意見を頂きたいと思います。
 どなたからでもどうぞ。長塚委員,どうぞ。

【長塚委員】
 文部科学省の方に資料の説明というか,少し確認をしたいのですが,資料2の広域通信制の関与に関する現行制度という,所轄庁の関与について,この資料の中に,いわゆる今,度々出ていた株式会社立の広域通信制の関与に対する所轄庁の関与というのは,ここには出ていない。これはやはり構造特区でできたものなので,ここにはないということになりますか。その辺はどうなのでしょうか。

【塩原教育制度改革室長】
 株式会社立と学校法人立で,基本的なところは違うところはございません。学校法人の設立認可手続に係るもの等については,学校法人立学校について特別,また,加えての認可が必要になってくるところでございますが,いわゆる学校設置に関する手続につきましては,必要な手続事項等については株式会社立と学校法人立で違うところはございませんが,唯一違うのは,所轄庁が学校法人立の私立学校については都道府県知事であること,私立学校については。株式会社立学校については,特区認定地方公共団体が所轄庁になりますので,その場合,所轄庁,多くの場合は特区認定の市町村ということになるかと思います。

【小川部会長】
 長塚委員,質問よろしいですか。

【長塚委員】
 はい,質問については分かりました。

【小川部会長】
 ほかにいかがでしょうか。質問と,あと意見等でもございましたら御自由に出していただきたいのですが。では,意見,どうぞ。

【長塚委員】
 ありがとうございました。前回,私はこの会議に出られなかったものですから,引き続いてこのことが論議されているのは非常にうれしく思います。私もこの会に出て,一昨年でしょうか,冒頭のときに,特に広域の株式会社立の設置の問題について非常に関心を持っておりました。いわゆる生徒の学力の質保証という問題を言っていながら,実は生徒側の質保証ではなくて,教育する側,教育側の質保証がされていない段階で,生徒の方にだけ学力の保証,質を求めているというのは非常に問題だなと思っていたのです。その端的な例が広域の,特に株式会社立の通信制学校であろうと思っていたものですから,今回も議論されていることを非常にうれしく思っているわけです。
 広域通信制は,先ほどの賀澤先生からも御紹介ありましたが,東京にある,いわゆる私立の三つ,NHK学園さんや望星高校さんや科学技術学園高校さんなどの学校で十分だったのではないかなと,そういうふうに思うのですが,というのは,通信手段とか教材を自前で持っている,そういう学校はほかにはっきり言ってないわけですよね。そういうものがあって初めて広域の通信制の教育が成り立つにもかかわらず,これは当初は文部科学省の認可事項として3校を所管していたと思うのですが,それを各都道府県に所管を委ねてしまった段階で,各県がそれぞればらばらに広域通信制を持つことになってしまったというところから,まずこういう混乱の始まりがあるのではないかと思うのです。
 各自治体は,自分の県の中にある公立学校や私立学校については把握できますけど,一歩外に出て,しかも全国の遠くにある学校の分校なり協力校なりの様子などは全く調査できないという声は以前からあり,私どもも10年ほど前から全国私学審議会の連合会の方で,やはり文部科学省の方によく調査をしてほしいという陳情,意見書を出していたと思うのです。
 10年たって,今回調査もされて,そして,ある程度のことが分かってきたわけですけれども,そうこうしているうちに,さらに株式会社立がいわゆる構造特区の考え方により各市区町村でできてしまった。これはまた,さらにどのようにやっているかよく分からないということになりました。つまり株式会社立ですから,先ほどあったような,いわゆる利益を求めるようなことが前提となった教育スタイルになっていっているということで,これは非常に混乱を極めていると私は思います。
 ちなみに,東京には9校の広域通信制高校があるわけですけれども,そのほかに,実はちまたで配られているような通信制の案内書などを見ると,その10倍を超えるようなサポート校が乱立しているという東京の通信制の実態になっています。実際には東京にある通信制は9校しかないわけです。そういうふうに,そのほかの10倍以上の学校は実際は先ほどの施設,設備もないような,そして,誰が教えているかよく分からないような,監督もされていない,そういう実態にあるということは,重ねて私が申し上げているような感じで恐縮ですけれども,非常に問題であると思います。
 多くは広域ではなくて狭域で,自分の県の中で,やはりある程度監督が及ぶような中で通信制も行われることで十分であったはずだと思うのですが,その辺をもう一度自由化,多様化という教育政策の中で出てきてしまった大きな問題ではないかなと思いますので,ここで改めて考えるちょうどよい時期が来ているのではないかと思います。
 以上でございます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。では,野上委員,どうぞ。

【野上委員】
 先ほどから株式会社立には問題ありとのご意見がございますがそう判断せざるを得ないような材料があるのでしょうか。株式会社立の学校には利益重視の傾向があるとの指摘がございましたが,株式会社だからこそ利益を追求するのは当然のことで,この指摘は全くナンセンスであります。要は上げた利益をその学校が何に使うかで判断すべきであります。上げた利益を設備や教材づくり,教員の採用などに投資するのか,それとも教育以外の目的に使うのかを吟味したうえで判断すべきと思います。勿論数ある学校の中には問題校もあるやもしれませんが現在のように多々情報が飛び交う時代にあっては問題を抱えた学校は立ち行かないのではと思料します。
 そもそも株式会社立の学校が誕生した経緯を考えれば企業だからこそ取り組めることがあるとの観点から創出されたもので,聞くところによれば株式会社立だからこその取り組みによって不登校や引きこもりがちな生徒の変貌,変化が見られるとのことですから存在意義は十分あるのではありませんか。
今,国は社会を挙げて人材づくりに取り組むため教育機会の創出に注力しております。その一つのツールが株式会社立の学校だと思います。そこで株式会社立の学校を活かす議論ならばともかく株式会社立そのものに問題ありとの議論にはいささか違和感を感じております。
但し,とは云っても株式会社立の学校を含む私立学校の経営に問題なしとは考えておりません。そこで学校の健全性を斟酌するうえでも欠かせない各種データ,なかでも財務データなど資料公開を促していくことが肝要と考えております。ことに子弟を預ける保護者の立場にしてみれば健全性を占う判断材料となる各種データの提供が欠かせないのではないのでしょうか。
 御参考までに申し上げますが,私が務める埼玉県の私立学校審議会では数年前から詳細な財務資料が添付されるようになり審議会が単なる申請案件の審査に止まらず経営の健全性にも注視したものになっております。 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。では,金子委員,お願いします。

【金子委員】
 まず最初に,事実関係ですけれども,資料2ですが,ここに所轄庁と書いてあるのは,所轄庁は,これは具体的には何ですか。これは文部科学省にお聞きしているのですが。

【塩原教育制度改革室長】
 設置認可庁を指しておりまして,公立の広域通信制は1校でございまして,ここにつきましては都道府県の教育委員会で,学校法人立であれば都道府県知事,株式会社立であれば特区認定地方公共団体,多くは市町村でございます。

【金子委員】
 こういう席は専門の方が多いので自明なのかもしれませんが,こういう議論をするときに所轄庁と書かれたのでは分からないです。都道府県だと思います。それから,多分今,一つ議論の焦点になっているのは,文部科学省がこれに対してどういう処置をし得るのかということが問題になっているのですから,このまま所轄庁と書かれれば,文部科学省と読む人もいると思います。文部科学省と,それから自治体の関係がどうなっているかということも焦点なのですから,それが分かるように書いていただけなければ,こういう資料は意味がないと思いますし,むしろ誤解を生むと思います。
 大変申し訳ないですけれども,もう一つ申し上げたいのですが,高校教育に関しては,かなり素人では分かりにくいところもありますし,特に問題になっているのは,自治体の対応ですから,自治体がどの程度質的改善に具体的な手段をどうしているかということなので,そこは気を付けて御説明をいただければと思います。
 私,今,株式会社立の高校のことが問題になっておりましたが,私は特区の委員会というのに入っていまして,この議論,かなり初めのところから参加しているので,今お話にあったように,公立ないしNHK学園のようなところが非常に努力なさっていることは分かるのですが,どうもそれだけでは救われていない高校生が相当いるというのがやはり特区で高校通信制を認めるべきだというもののかなり大きな部分でありました。私は,その実態はどの程度で,しかもどの程度の根拠があるかということもよく分からなかったのですが,ただ,その時点ではかなりいるという議論が一時ありました。
 ただ,その後,議論が,しかもそれが何で県ではなくて市町村がそれに手を挙げることはどういう意味があるのかということ自体が,特区というのは御存じのように市町村が責任を持って事業をするということなのですけれども,どうしてなのかということについても余り明確な議論はありませんでした。結局,これを全国化するかどうかということの審査を,特区の仕掛けとしては一部試行して,それで特に弊害がなければ全国化するというのが仕組みですけれども,弊害があるかないかについてのテストの段階で,やはり先ほど御指摘になっていたような弊害がかなりあったということは事実です。
 特に市町村が認可主体になっていますと,学校自体がその市町村の中にあっても,学校を運営している株式会社は非常に遠い所にあるというのは通常に起こり得ることなので,市町村の責任者に来てもらって,この学校がどういう実態かということを聞いても,私どもは分かりませんと平気で言うという状況でありまして,会社の人にしてみますと,非常に我々はどこに行くところもない高校生に対して教育をして,感謝されていると,ついでにお金ももうかっている,誰が悪いのだという認識で,問題はどういうような水準の教育が行われているかということをどのような形でチェックするかということだと思うのですが,ハッピーな人がいるというだけではやはりだめだと思うのです。やはり一定の質を保証する仕組みが必ず必要ではないかと。
 しかし,制度上は市町村が,特区では市町村が認可主体になっていますから,これはそもそもそういった情報を集めたり判断したりする能力を持っていないことは事実です。これは株式会社立大学についても実は同じことが言えますけれども,市町村自体がそういう判断をする,情報を集める人もいませんし,判断もできない。都道府県でやるのかどうかということですけれども,都道府県も必ずしも関心があるとは限らない。
 ここで,では,どういうふうなことが可能かということですけれども,文部科学省がそれこそ所轄庁になってこういったことに関する,設置認可に関して一定の責任を持つというのは一つの考え方だろうとは思いますが,私はこれ,今までの高校の設置の考え方をかなり根源にさかのぼって考え直すことになるので,これは素人ながら制度的にかなり難しいのではないかなと思います。
 一つ考えられるのは,やはり高校について適格認定というか,アクレディテーションを何らかの形で作ると。これ,全国レベルの団体にするということが一つの考え方。それからもう一つは,そこに行くまでにはやはり情報開示が必要なのではないかと思うのですが,先ほどのお話にもありましたが,株式会社立の,ここは聞いてみるととんでもない数字を平気で言われるのでびっくりすることがあるのですが,例えば先生が30人いないのに生徒が2,000人以上いるとか,これで指導できるのですかと聞くと,職員がいるから大丈夫ですと言うのですけれども,職員がどういう指導をしているかはかなり怪しいわけで,そこら辺で,少なくとも情報開示は必要ではないかと思うのですが,ただこれはある意味では通信制だけではなくて高校全体についてやらないと,通信制,定時制だけにやるというのは理由が立たないのではないかと思うのです。
 そういう意味で,情報開示をやはり全般的に,少なくとも生徒数,教員数,非常勤教員数,それから卒業生徒数ぐらいのところは見ればすぐ分かるようなものを作るということがまず最初に必要ではないかと思うのですが,これはどこでどのようにやるのかよく分かりませんけれども,私はむしろ幾つか段階を立てて,そういった質保証をする最低限のところからやっていくということが必要ではないかと思います。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。川嶋委員,そして荒瀬委員の順でよろしいですか。では,川嶋委員の方からよろしくお願いします。

【川嶋委員】
 今の金子委員の前半の方の発言に関連して少し確認したいというか,お聞きしたいと思います。それは,文部科学省と都道府県,ないしは市町村との関係についてです。例えば学校教育法とか学習指導要領というのは国や省の法律なのですけれども,これが遵守されているかどうかを確認する責任者が,高等学校等については地方自治体ないしは教育委員会の役割になっているというところが制度上の落とし穴なのではないかと思います。
 そこで,具体的に少し文部科学省の担当の方にお聞きしたいのですが,資料2で,先ほどまとめていただいたものを使って出された,8ページにある政務官からの各所轄官庁等へ出された通知というのがございますけれども,この通知は先ほど事務局の方から説明していただいたいろいろな調査の結果,問題点がありますよということで出されたわけですけれども,最初の部分で,「記」と記されたところの上に高等学校通信教育の適切な実施に努めていただきますようお願いしますという,国としては努めてくださるようお願いしますという権限しか都道府県ないしは市町村教育委員会についてはないのかということと,この通知が出された後,各所轄官庁の対応状況がもし分かればお教え願いたいということです。

【小川部会長】
 今の質問について事務局の方からお答えできればお願いしたいのですけれども。

【塩原教育制度改革室長】
 国と各設置認可庁との関係でございますが,設置認可庁,個別の設置認可の判断については個別の各都道府県,市町村の判断に委ねられるわけでございますが,それらが統一的に一定の基準に従うべきもの,統一的な基準の部分につきましては国が設置基準等で定めております。
 また,設置基準等につきまして,解釈ですとか法令を作ったときの考え方等につきましては,国が各都道府県,市町村に対してこれを伝えていくこと等は可能でございまして,例えば今回の通知等につきましても,本来の高校通信教育規程等,ないしは学校法令等の考え方に照らしておかしなところを,これは国の統一的な考え方として各認可庁に対してお示しさせていたというところでございますので,法令遵守という観点からいえば,こういったことについては統一的に守られるべきものというのが我々の考え方でございます。
 昨年の9月,10月にかけて関連の通知を出させていただいておりますが,それらの履行状況につきまして,幾つか個別の学校等を訪問して状況をお伺いしたこと等ございますが,統一的な把握というものはまだ行っているところでございます。

【小川部会長】
 川嶋委員,よろしいですか。きっと御不満があるかと思うのですけれども,何かあればまた。どうぞ。

【川嶋委員】
 お聞きしていると,文部科学省,国と都道府県との関係で,先ほどの賀澤先生からの最後のところにもございましたけれども,そこには括弧付きで是正勧告という言葉も出ていますけれども,そういうことは国から都道府県や市町村に対して可能な制度なのかどうなのか。今のお話ですと,設置基準等については統一見解になるよう促すというお話でしたけれども,その後の話,できた後のことについての文部科学省の設置所轄官庁に対する権限というのはどの程度の,先ほどお示ししたように努めるようお願いしますという国の立場なのか,もう少し強いことが言えるのかというところをお聞きしたかったことと,それから,各都道府県はどういう対応をされていたのかというときに,今のお話ですと,文部科学省から個別の学校を訪問されてというようなお話に聞こえたのですけれども,所轄官庁としてはどういう対応をそれぞれとられたのか,もし分かっていればお聞きしたかったということです。

【小川部会長】
 再度御説明いただけますか。

【塩原教育制度改革室長】
 法令の解釈等の考えにつきましては,法令に従って学校設置が行えるようにということでございますので,ここについては,その統一的な基準の下に,各地方公共団体が設置認可事務を行っていただくところだと思います。
 本当の個別の部分の当てはめにつきましては,地方公共団体ごとの裁量の部分というのが個別具体のところにおいてはまた発生してくるかと思いますので,その部分について,どうしても国が一定程度,統一的に示す部分と,そこから先,地方公共団体において判断いただく部分という両方が残り続けるということであろうかと思っているわけでございます。
 その上で所轄庁が,今回の通知等につきまして,具体的にどういうふうにということで,かなり対応いただいているかと思いますが……。

【西尾専門官】
 すいません。各都道府県所轄庁の対応なのですが,網羅的に文部科学省としてどういう対応をしたかという把握はまだしていないのでございますけれども,資料等やりとりをしている中で,とある都道府県の中では,この通知を踏まえて所管している学校法人立の広域通信制について実態調査を把握し,現状の内容として,都道府県がそもそも認可したときの状況と大きく違っているという実態状況を確認して,今是正をしておりますという都道府県も出てきてございました。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 少しお待ちください。今,金子委員の方からありましたので。

【金子委員】
 先ほど,都道府県では実態調査をしているところが出始めたということですと,本来,出始めたのではまずいのではないかなと,私は基本的に思います。
 これは幾つか法令上の問題があって,都道府県に任せていたものは都道府県がきちんと施行するということが前提になっていたのですが,通信制などの場合には,実態の把握はそもそも都道府県で難しいといった問題もある。同時に,都道府県に任せていても,通信制で全国化しているものも都道府県がきちんと監督できるかどうかという問題が,今新しい問題として出てきている。
 それから,そもそも都道府県に任せられたものを法令遵守していない状況を国が把握する手段があるかということです。都道府県が裁量でもって決めなければいけないうんぬんの問題では今全然なくて,むしろ実態を把握できるかどうかというところが問題なのですから,そこのところで相当大きな問題が生じていることは事実です。特に,全国化した場合の問題点を把握するためには,むしろ都道府県を超えた何らかの形での質的評価,これは単に設置基準が遵守されているかどうかということではなくて,効果が何らかの形で上がっているかとか,そういった観点から適格であるかどうかということを認定するような仕組みが,私はどうも必要になってきているのではないかなと思います。

【小川部会長】
 ありがとうございました。検討課題かなと思います。
 今,挙手されている方で,荒瀬委員,和田委員という順でさせてください。
 では,荒瀬委員,お願いします。

【荒瀬委員】
 前回,実際に望星高校を拝見して,そのときに伺ったことを前回の会議のときにも申し上げましたけれども,先ほどから出ているお話を聞いていて,本当に悲しくなるといいますか,惨たんという言葉が適当かどうか分かりませんが,とにかくひどい状態が現実にはあるということを思います。学校教育は,実践の積み重ねによって望ましい力を子供たちに付けていこうということであるはずですから,その実態がどうであるのかということをきちっと把握して,それに対して今後の取組を考えていかなければなりません。この高等学校教育部会もしっかりと高等学校教育を見直そうということでやっているわけです。
 できない理由というのは大人の世界ではいろいろ考えられると思うのですが,子供たちに罪はないわけでありまして,これからのこの国の社会を支えていってもらう,あるいはまたそれぞれが幸福な生活を実現していくという上で,できない理由,いろいろなハードルがあるということは分かるのですけれども,何とか超えていかなければいけないと思います。
 特に申し上げたいのは,今回のお話は余りにもすごいので,こちらにばかり目が行ってしまう。これ,直すべきは絶対直さないといけないと思うのですけれども,このことを理由にして,全国五千数百校ある高等学校が,では,まだましな方だというふうになってはいけないと思うのです。
 今回の広域通信制の相当ひどいところは,こういった言い方をするのが適切かどうかも少し悩むところなのですけれども,今の高等学校教育のデフォルメされた形であって,高等学校教育全体というものがきちっと見直されなければならないと思います。生徒の学力がどうなっているかとか,生徒がどんな力をつけているか,指導と評価というのは一体のものでありますから,見返せば,高等学校教育の水準がどうなのかということに至るわけで,そういう点では,広域通信制がどうであるのかという議論はとても大切で,そこを何とかしないといけないということは,すなわち高等学校教育全般をどういうふうに見ていくのかということにつながっていくと思います。
 大学入試についていろいろと問題が出ていますが,簡便な方法で大学に入学できて,それでいいと思っている生徒がいて,保護者がいて,よって,大学入試を特別変える必要はないのではないか。ペーパーテストがないからとか,高等学校までの学力を見られないからだめだというのではなくて,それで入れてみんな幸せ,生徒も幸せ,保護者も幸せ,当該の大学も幸せならいいではないかという話がありました。そういったことではないはずです。将来,その子たちが社会の中で生きていく上で本当に必要な力は何なのか,それを学校教育の中でどうして付けていくのかということが問われているはずで,議論の言わばすり替えのようなものがあってはならないと思います。
 以上です。

【小川部会長】

 ありがとうございました。
 和田委員,お願いします。

【和田委員】
 一つ前の議論で文部科学省に一つお尋ねしたいのは,私のところは私学ですけれども,兵庫県を通じて,文部科学省からいろいろな通達ですか,生徒たちにこういう話を回してほしいとか,アンケート的なものでいじめのこととか問題行動のあった件数とか,そういうものが来ているのですけども,株式会社立の場合にもそういうものは回されているのかどうか,そしてきちんと調査の対象としてそこの生徒が扱われているのかどうかをお聞きしたいと思います。
 というのは,管轄は私学の場合でも都道府県なのですけれども,あくまでも文部科学省でされている教育施策は設置都道府県を通じて私学にも回ってきているわけですが,そういう形が株式会社立にきちんととられているかどうかということが一つです。
 それからもう一つは,今回のことはいろいろ問題にはなっているわけですけれども,逆に言えば,セーフティネット的な部分で,正規の高等学校の枠内では救えないような人たちを救う一つの手段であるという部分もあるかと思うのです。だから,何でもかんでも指導要領を満たさないと高校の卒業認定を与えない的な議論でいいのかどうか,それすらなかなかクリアできなかった人たちを拾う一つのセーフティネット的な部分もあるのかなと思うので,その辺も含めて。いや,やはりそれはそれで別に何かあるべきで,高校の卒業認定は学習指導要領の内容をきっちり履修・修得した上で卒業していかなければいけないのだという議論の方がまともだと思うのですけど,その辺のところを煮詰めていかないと,必ずしも違反しているから悪いということで済まないのかなという気がします。

【小川部会長】
 後の方は御意見だというふうに受けとめて,前半の株式会社立への国からの日常的な指導というのは,ほかの私立と比べた場合,同じようにやられているのか。

【塩原教育制度改革室長】
 指導通知等の宛先につきましては,例えば各都道府県知事を宛先にしているものは,併せて構造改革特区認定地方公共団体の長にも宛名として入れるのが通常でございます。
 一方,調査につきましては,様々な調査の目的,どこまでやるかというのは,例えば公立だけの場合,抽出だけの場合もございますので,そこは様々なパターン,特区の株式会社立が抜ける場合があるのかと思っております。

【和田委員】
 例えばこの前の教員の体罰なんかの調査はされましたか。

【白間児童生徒課長】
 御指摘の調査については,対象として入ってございます。

【小川部会長】
 和田委員,質問の方はよろしいですか。

【和田委員】
 はい。

【小川部会長】
 では,アキレス委員。

【アキレス委員】
 3点ほど意見を述べさせていただきます。
 1点目は,今,和田委員の方からもお話がありましたが,広域通信制の果たしている実際の役割として,生徒の6割が何らかの理由で全日制の高校に行けない,又は行けなかった方たちということを考えますと,学習指導要領だけで質の保証というのは少し無理があるのかなと。どういうふうに学習意欲を引き出すのかというところで,17カリキュラムを提供していくという部分ももっと議論していただいた方がいいと思います。
 2点目は,学校法人立と株式会社立が対立ではないのですが,分かれているような印象を受けました。お互いに補完できるような部分もあるのではないのでしょうか。もっと情報交換とかしつつ,よりよい生徒さんたちの学習ができる場を提供するようなことも必要なのではないかなと感じました。
 3点目,先ほどから実態の把握が非常に難しいという意見が出ています。その理由が,所轄が異なるという理由であるとしたら難しいけれども,別に不可能なことではないと思うのです。やはり全体を見ているところ,それが文部科学省さんなのかもしれないですけれども,実態把握しますということを決めて,実際に情報を提供してもらう。把握して,それを公表するということをしていくと,一部の質の悪い株式会社立の方たちというのは淘汰されていくと思います。把握して公表することを進めることが基本的に必要です。 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 金子委員,どうぞ。
【金子委員】
 今のアキレス委員がおっしゃったことはもっともなのですが,先ほど申し上げましたけど,特区の評価委員会の議論は,最初はかなり,普通の高校教育では救われない子供たちがいて,そういう人たちに,多少規格から外れても教育の機会を与えるのはいいことではないかというのが,擁護論のかなり大きな部分だったと思います。
 ただ,実態を見てみると,先ほどから幾つかの例に出ていますように,教員一人当たりの生徒数が70人とか80人とかかなり多いのです。普通の教育制度から漏れているとか行きにくい人たちであれば,もっと手間を掛けてやるというのが本来必要なのに,むしろ手間は全然掛けない教育をそういうところではやっているわけですよ。だから,実態としては,そういう人たちにチャンスを与えているようであって,しかし,本来の教育を行っているわけではなくて,結局は高校卒の資格を何らかの形で与えないと後が大変だというので与えているという状況になっているところが問題なので,これは改革特区全般に言えることなのですけれど,アイデアとしてはいいというか,考え方は分かるのだけれど,かなりの部分は,やってみたら質が低い方に落ちついてしまったというのが現状なので,私としては,かなり厳しい見方をせざるを得ないかなと感じます。
 ですから,先ほど申し上げたように,客観的な設置基準のようなものだけにこだわることはなくて,実質的にどの程度の教育をやっているかというのを見るのが非常に重要だと思います。何らかの形で評価の手段を作らないと,これはかなり危ないことになる。
 それで,実際にかなりもうかっていますから,先ほどのお話のように,コミッションをとって生徒をとってくるようなことが生じているというのは,教育効果上も非常に疑わしいというか問題があるということは事実だと思います。そこはやはり何らかの形での評価が必要だと思います。

【小川部会長】
 ありがとうございました。

【アキレス委員】
 評価することは本当に必要だと思います。ただ,今のいろいろな例も,そういうところがあるのだとお話を聞いて初めて知るわけです。やはりそういった質の低いところがあるということももっと知らしめるような工夫もできないのでしょうか。そうすると,親としては,そういうところに本当に送りたいかどうかという話になってくるし,社会的評価が低いところには余り生徒が行かなくなるのではないかなと思います。

【金子委員】
 情報開示が必要だと先ほどから申し上げているのは,基本的にはそれなのですよ。情報開示をきちんと最初にするべきことだと思います。その次に評価だと思います。

【小川部会長】
 よろしいですね。時間も迫っていますので,この辺で広域通信制のテーマについてはここで終わりたいと思います。ただ,前回,今回,通信制課程の問題を扱って議論していく中で,これまで知り得なかったデータ等も出てきて,実情がかなり,まだ不十分かと思うのですけれども,一定の判断するデータもそろってきていますので,そのデータをさらに深掘りしながら。今後検討すべき課題,ないしは議論すべき争点も今日幾つか見えてきたと思いますので,これは引き続き検討を進めていきたいと思っています。
 最後に,今までの議論を聞いて,賀澤校長,何か御感想や御意見があれば一言お願いしたいのですけれども,いかがでしょうか。

【賀澤全国私立通信制高等学校協会】
 提言の中で示した文部科学省に対するお願いは,幾ら何でもできないだろうなという気持ちがもちろんあります。今問題となっているのは,なかなか学校に行けない子をどうするかという話ではなくて,極めてローレベルな教育手段を使って,金もうけの手段として教育が行われようとしているところに問題があるというふうに私は考えます。
 教育は,本来的にもうかるものではないと思います。もちろん合理的な学校経営は必要ですし,民間手法を使うことも極めて大事な視点だと思います。しかし,例えば不登校の一人を受け入れた場合に,どれだけの労力を学校が求められるかということは,私どもの学校における,Do itコースに学ぶ100人の生徒の約8割が3年間で卒業していく。別に,我々はローレベルに合わせて教育をしているから8割方ではなくて,驚くばかりにその生徒に関わり続けて,不登校の生徒が学ぶことで学校を卒業していけていると思います。
 教育の営みというのは本来そういうものだろうと私は思いますし,労力を惜しむつもりは全くありません。繰り返しますが,もちろん私学ですから,学校経営上,合理的な視点を持つことは極めて大事です。その一方で,今現在,生徒が食い物にされている状況が都内でも随分あるということ。当初50万と言われていた学費が次にもう100万だと。それはサポート校だということが分かるのはずっと後だと。そういうセールスの仕方が当たり前に行われている。サポート校で100万,つまり,100人とれば企業として成立するかなと私は思いますが,そういう実態を改善しなければいけないと思います。是正措置をお願いしたいとお話ししたのは,そういう実態がだんだん明らかになってくる中で,表にも随分出てきていると思います。是非,表に出たことに関しては是正措置をお願いしたいと心から願うところでございます。
 以上でございます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では,広域通信制のテーマについては,時間もありますので,ここで一旦打ち切らせていただきたいと思います。
 もう一つの今日のテーマですけれども,総合学科について議論を始めてみたいと思います。
 御存じのとおり,総合学科が導入されてほぼ20年経過したこともありまして,いろいろな都道府県でその中のいろいろな取組も進んできているところでございます。本分科会としても,総合学科をテーマの一つとしてしっかり議論するというのは今回初めてかと思いますので,最初に総合学科の現状,そして課題について,これは文部科学省の方で資料データを整理していただいていますので,御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【塩原教育制度改革室長】
 資料4を御覧いただきたいと思います。総合学科について,設立の趣旨,理念や最近の現状,課題等につきまして概況をまとめさせていただいているものでございます。
 まず,資料4の1ページ目でございますが,総合学科設立当初の理念でございます。総合学科は,普通教育及び専門教育を,選択履修を旨として総合的に施す学科として,平成6年度から制度化をされているものでございますが,その設立当初の理念につきましては,関連の審議会等報告に見ることができるものでございます。
 まず,平成3年の中教審答申でございますが,こちらで総合学科の設立のコンセプトをおまとめいただいておりまして,「産業・就業構造が大きく変化している時代にあっては,従来の特定の職業のための職業教育だけでなく,あらゆる職業に共通の実際的な知識・技能を習得されることが求められている」という認識の下に,「普通科,職業学科を統合するような新たな学科の設置が適当」との提言が出発点でございます。
 また,これを受けて,平成5年2月の検討会議の第4次報告で,総合学科の教育の特色等について考え方をおまとめいただいております。まず,総合学科では,将来の職業選択を視野に入れた自己の進路への自覚を深めさせる学習を重視すること,生徒の個性を生かした主体的な学習を通じて,学ぶことの楽しさや成就感を体験させる学習を可能にすることといった教育上の特色を持たせることが必要との提言がまとめられました。
 また,総合学科を新たに設ける意義としては,大きく3点を挙げておりまして,思い切った教育課程の弾力化を容易にすること,いわゆる偏差値を尺度とする高等学校の序列意識を打破する契機となることが期待できること,地域の人々の要望を踏まえつつ生涯学習機関としての役割を果たすことが期待できるといった大きな意義がまとめられていたところでございます。
 こういった意義,特色を踏まえた教育課程上の特色でございますが,同じく平成5年2月の推進会議の報告において,教育課程上の特色といたしまして,自己の進路への自覚を深めさせるとともに,将来の職業生活の基礎となる知識・技術等を習得させるため,原則として全ての生徒に履修させる科目として,「産業社会と人間」,「情報に関する基礎科目」,「課題研究」を開設することができる,これが平成5年当時の考え方としてまとめられております。
 その後,教科情報や総合的な学習の時間で,情報や課題研究等といった内容につきましては,その他の高等学校の学科等にもこの考え方が敷延していっているわけでございますが,「産業社会と人間」の教科を原則,履修科目として位置付けている,これが総合学科の現在の特徴として残っているものでございます。
 続きまして3ページでございます。3,現状と課題でございます。最近の状況の主な数字を拾っているものでございます。
 まず,学校数・生徒数でございますが,全日制・定時制の学校数,総合学科の学校数は徐々に増えてきておりまして,平成24年度現在352校,全高等学校の7%を占めております。
 これら学校は, 47都道府県全てにおいて,現在,既に設置されておりまして,最多は大阪府で22校,最小は奈良県で1校でございます。
 また,生徒数につきましても,全体の5.2%を占める17万5,000人に及ぶ生徒が総合学科に在籍いたしております。
 また,卒業後の進路状況でございますが,これは平成24年度でございますが,大学進学が35.7%,同じく専修学校(専門課程)進学が28.1%,就職が25.4%ということでございまして,少しずつではございますが,大学進学の割合が増えてきているというような状況でございます。
 また,中途退学の状況でございます。年度間の中退率でございますが,平成23年のデータでは1.6%という数字になっております。これは専門学科よりは僅かに少ない率でございますが,普通科よりは多い数字でございます。
 3ページ目の一番下,総合学科に対する理解というところでございますが,ア,入学前の生徒の総合学科に対するイメージにつきましては,多くの選択科目が開設されている,興味関心を深められる,個に応じた指導をしてくれるといった回答を選んだ中学生が多い状況でございます。
 また,入学後の実際に総合学科に入った生徒の変化というところで,4ページの一番上でございますが,総合学科に入りたいという希望を持って実際に総合学科に入学した生徒は,総合学科在籍数のうちの大体45.8%という実態でございますが,総合学科を選択したことについて,入学後とても満足している,ないしはやや満足していると回答した生徒は8割を超える。入学前から積極的な希望を持っていたかどうかにつきましてはともかく,入学した後には満足している人が多いという数字でございます。
 次,ウ,総合学科を選んだ理由につきましては,やりたい勉強ができる,自由に学ぶ科目を選択できるなどの理由が多い状況でございますが,こちらにつきましては,平成11年と平成19年の数字を比較しますと,やりたい勉強ができる,自由に学ぶ科目を選択できるという回答をした生徒の割合は,それぞれ10ポイント以上低下しているところも見られます。一方,学力に合っているという答えを選んだ生徒は横ばいないしは少し増加と,このような状況も見えるところでございます。
 その下,総合学科に対する評価というところでは,総合学科に満足している点,これは生徒の答えといたしましては,興味・関心等に応じて選択できる,多様な選択科目が開設されている,進路にも就職にも対応した教科等を選択できるなどの答えが多い。
 また,イ,総合学科に不満足な点としては,進路について考える時間がもっと必要,施設・設備が不十分である,進学が難しい,選択科目の分野の数が不十分,体験的・実践的な学習活動がもっと必要などの回答が,上から多い順に拾ってみるとこのような状況でございます。
 さらに,教育委員会にお聞きした,現在,総合学科について抱える課題についての答えとしては,保護者の総合学科についての理解が深まっていない,中学生の総合学科についての理解が深まっていない,地域の人々の総合学科についての理解が深まっていない,こういったものは,多くの教育委員会が当てはまるという形で回答いただいています。その他にも,他学科の高等学校に比べて運営経費が掛かる,生徒の主体的な学習の成果が進路実績として表れていないなどの回答も多く見られる状況でございます。
 なお,5ページ以降,別添でございますが,最近の答申より,キャリア教育に関する中教審の審議の中で,総合学科の成果,課題等につきましておまとめいただいたものもございますので,これは別添1に添付をさせていただいております。
 またさらに,最近の関連の調査,データ等につきまして,詳しいものは9ページ以降,別添2にデータとして添付をさせていただいておりますので,こちらにつきましては,またお時間のあるときに御覧いただければと思います。
 以上でございます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 今日,机上配付されているかと思うのですけれども,5月22日に部会で視察した,東京都立晴海総合高等学校の資料の説明は特にないですね。一応,参考資料ということで,都立晴海総合高等学校の資料とパンフレットが机上に配付されているかと思いますので,御参考にしていただければと思います。
 今日,第1の広域通信制の議論に時間を割きましたので,総合学科の議論については,それほど時間は取れませんけれども,15分程度,皆さんから質問や御意見があればお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。
 伊藤委員,どうぞ。

【伊藤委員】
 中学校からなのですけれども,本校とか近隣校の状況からすると,総合学科に毎年何人か行かせていただいて,総合学科に行った子の話を聞くと,本当に毎日楽しくて充実しているという声をよく聞きます。
 そうした声を聞く中で,今日のアンケートの中で中学生及び保護者の理解や認知度が低いという声が高いということを聞いて,これは一つの大きな課題だと改めて思いました。
 総合学科につきましては,中学校から見ますと,非常に多様な生徒がいる中で,多様な選択肢があり,このような総合学科は非常にありがたい存在であります。それにもかかわらず,中学生及び保護者の総合学科に関する理解や認知度が低いということについては,二つの側面があるのではないかと思っています。
 一つは,中学校側の課題ということで考えますと,やはり進路選択における保護者や生徒の進路相談の中では,圧倒的に全日制の普通科の志望が非常に高く,また,全日制普通科への関心と,そこへの合格の可能性というのを,中1の段階から非常に関心が高いところがあります。そうした状況の中で,私ども総合学科の情報を収集し,また,進路情報として保護者や生徒に伝えるのですけれども,さらに生徒の適性をよく見て,個別に本校の場合は総合学科などを勧めて,とにかく見に行ってもらうことが非常に大事で,一度見に行くと,総合学科は非常に魅力的なもので,是非受けたいという方向になってきているのが現状です。
 そうした場合,高校側にも少しお願いがありまして,一つは,今もあるのですけれども,総合学科自身の魅力をより高めていただいて,さらに情報の発信なのですが,都教委からは非常に多くの資料を頂いて,今回も新しいこういったものが来て,進路の説明もしているのですけれども,例えば総合学科,専門学科もそうですが,学校紹介のビデオか何かがあって,日常的に中学生に見せられると,こういった課題も解決してくる可能性もあるのかなと思っています。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。今のような要望について,松野下委員,いかがですか。総合学科の関係者として,何か一言あればお願いします。

【松野下委員】
 総合学科の認知度が低いということがこの資料に出ていますけれども,この資料は平成19年なのでしょうか,五,六年たっているのかなと思うのですが,各総合学科は,学校についての説明を積極的に進めていると思います。学校説明会や授業公開,こういったところで総合学科の特色を発信するということをやっております。
 それから,各学校のホームページ,あるいは本校では今年度からツイッターを実施するなど,そういったことで情報の発信を心がけています。
 先生がおっしゃったように,実際に学校説明会に来ていただくと,中学生は総合学科のことをよく理解してくれて,例えば保護者の方は,うちの子供は総合学科がとてもよく合っているように思いますとか,こういうことで選択してくれる中学生も結構多くいます。
 都立は10校ありますが,ビデオで紹介する学校があるかどうかというのはまだよく分からないのですけれども,今後はこういったことも考える必要があるのではないかとは思います。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。では,荒瀬委員,そして服部委員。
 では,荒瀬委員からよろしくお願いします。

【荒瀬委員】
 普通科がそうであるように,総合学科というのもひとくくりではなかなか言えないところがあると思います。拝見いたしました晴海総合は,総合学科の代表選手みたいな総合学科で,施設・設備もそうですし,内容もそうですし,都立は多分,そういった総合学科が多いのではないかなと思います。ただ,私が知っている,京都ではないのですが,幾つかの総合学科は,結局,学校統合をしていく上で,必要に迫られて総合学科を作っているというケースがありまして,その際,ベースが普通科なのか工業科なのか,あるいはそれ以外の学科なのかといったところで,進路なども非常に多様です。ですから,一口で総合学科というのは言いにくいと思います。
 別添資料にも付いておりますけれども,キャリア教育・職業教育特別部会の答申がありますが,この中で総合学科の一つの特徴ということで,「産業社会と人間」というもの自体はすばらしい内容だと思うのですけれども,それがどのように扱われているかというのも,これまた学校によって異なるということがあります。総合学科と一口で言い表してしまうのは,議論の内容をやや不正確なものにしてしまうのではないかなと思って発言いたしました。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では,服部委員,お願いします。

【服部委員】
 私自身も県で総合学科の設置に努めてきて,今,岐阜県は8校あるのですけれども,荒瀬委員も言われたように,生徒減にどう応えるかということで,普通科高校の統廃合は学級減で対応できるのですが,専門高校,例えば農業とか工業とか,1学級減というのが1学科減にもつながりかねないということです。そういう場合,普通科と専門高校の内容をなだらかに,あるいは専門高校のいいところを取って,結果的に統合していくようなときに,総合学科というのは非常にメリットがある仕組みだと思っております。
 ある意味で,今後の高校改革,これからも児童生徒減はあり得ることですから,高等学校の一つの改革の方向性としては期待が持てる。それは,総合学科という前に,単位制総合学科ですね。今までの高校の学びとは違う,主体的に自分の好きな単位を選んで学んでいく,自学自習の精神をどんどん植え付けていくという意味でも,総合学科が今後も期待できるということ。
 それから,一つ課題は,先ほど中学校の問題もありますが,実は総合学科を作ったときの問題も,そこで担当する高校の先生も,自らの体験がない。1学年,2学年,3学年という学年制で自分が体験してきて高校を卒業して,大学行って教員免許と。単位制総合学科ということについての仕組み自体は頭では理解しても,体験的にそれが分かっていないということが一つあるということ。
 それから,中学校側の一つの要因として,教員の出身は圧倒的に普通科高校です。普通科高校で学んだ人が大学へ行って教職科目へ行く。これは専門高校の校長をやったときもそうでしたが,例えば工業とか商業自体も余り理解されていない。ましてや新たにできた総合学科は,自らも体験していないということと新しい仕組みということで理解できない。教員の問題もあるのではないかと。
 今後,期待が持てるということですと,やはり総合学科のメリット,自学自習の精神といったことも含めて,保護者あるいは児童生徒にPRすると同時に,そこを担当する中学校も含めて,小中高の先生方にもその仕組みを周知徹底することも必要ではないかと思っています。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 いかがでしょうか。あと一,二名いらっしゃれば。
 長塚委員,どうぞ。

【長塚委員】
 先ほどの広域通信制は,公立高校には確か1校程しかなくて,私学とか株式会社立の問題としてあるのですが,一方で総合学科はほとんど私学にはなくて,ちなみに東京は私立高校の方が多いのですが,確か私の記憶では,総合学科を持っている私立高校は東京にはないと思います。全国でも本当に限られた学校数です。
 というのも,コストというのでしょうか,施設・設備や教職員に大きな負担が掛かりますので,なかなかこれは公立のように大きな教育予算がないとできないという面があります。教育内容的には非常にメリットのあるものだろうと思いますけども,そういう意味では大きな教育予算を付けるということが背景にないと推進できないのだなと思います。
 総合学科のポリシーというのは明確に語られておりますので,大いに賛同できるのですが,まだ道半ばで,これがどのようになっていくのか。多くの国で総合学科というのが中心に展開されていても,うまくいったという話もあるし,そうでもないという話もある。なかなかこの見極めが難しいのかなと,就職に結び付くというほどでもないし,進学にもまだ結びつかない,まだまだ中途半端な段階ではないかと,正直言うとそのようなところなのかなと思います。しかし,これを決して後退させる必要はないのだろうなと,非常に漠然としていますが,そんな感想を持っております。
 以上でございます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 比留間委員,どうぞ。

【比留間委員】
 晴海総合高校を視察いただいて,その際にも少しお話ししたのですけれども,先ほど荒瀬委員からお話がありましたが,東京都の場合も学校を統廃合していかざるを得ないという迫られた状況の中で,この総合学科の検討をしたというのが,ある意味率直なところでございます。晴海総合高校も普通科と商業科の二つの学校が発展的に統合してできております。考え方としては,東京の中で一つの学校に一つ総合学科を作っていこうというような考え方で整備してまいりました。
 子供たちにとって,普通科とか従来の工業とか商業とか以外にも選択できる幅があるのはいいことだと考えております。それが総合学科であり,例えばいろいろ課題を抱えている子供にとってはチャレンジスクールであったりエンカレッジスクールであったり,それから昼夜間定時制の学校があったり,単位制の単独校があったりというような,いろいろな取組をしてきたわけです。
 ただ,コストの問題が出ましたけれど,これは確かに教育行政の方から考えると,コストが非常に掛かる教育の仕組みだと思っています。施設・設備だけでなくて,晴海総合高校の場合,系列は六つ準備してあったと思いますけれども,複数の系列を準備するというのはかなりコストが掛かります。ああいう形のものを全てそろえていけるかどうかというのは,相当難しい問題だろうと思っております。
 ただ,全部これを広げていくということではなくて,先ほど申し上げましたように,今の子供たちに合った形でいろいろな選択の幅というか選択の内容をそろえた学校を準備していく,そういう考え方が必要なのではないかと思っていますし,そういうことで一つ一つの学校を充実させていければという取組だろうと考えております。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では,服部委員,もう一回どうぞ。

【服部委員】
 先ほどのこと,確かに専門高校がベースにあると,専門高校は例えば工業科とか農業科には施設・設備がそのままあるし,それをうまく活用しながら,普通科高校と統合のときに総合学科というケースは,今おっしゃったようにあり得るのですけれど,総合学科のメリットは,やはり自学自習というか,単位制ということで,岐阜の場合,8校のうち1高校は丸々普通科高校を総合学科にしたケースがあります。その大きな目的は,学校を活性化するということです。自ら学び,自ら選んでいくという理念の下に,地方の普通科高校でしたが,いかにしてその学校を活性化するために,新たに普通科に近いような内容を幾つかメニューを入れて,科目を入れて活性化につなげていけないかという方向もあり得ることも少し補足させていただきます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。そろそろ時間も来ていますので。
 よろしいでしょうか。では,なければ最後,安彦委員。

【安彦副部会長】
 私は,総合の方については,晴海はもう既に二度も見ておりまして,ある程度存じ上げているものですから,全体としては好感を持っておりまして,先ほど,岐阜の先生のお話のような方向,これから現実の日本の社会状況がかなりそちらにありますから,荒瀬委員が言われたような問題を抱えますけれども,方向としては,組立方次第で本当に望ましい形ができるのではないかなと思っています。
 それから,前半の広域通信制の問題は,一言で言うと,これまでの文部科学省の昭和59年の局長通知以後の,各学校あるいは設置者の判断に委ねるという政策の一つの悪い方が典型的に出てきた問題だと思います。そういう一種の規制緩和で,学校は校長及び設置者が進級あるいは単位認定ができるという規制緩和の流れを,そう言っては悪いですけれど,悪用する人たちが出てくると。本来は,そういう方たちの善意を信じて規制緩和ということをやってきているわけですけれど,それが必ずしもそのとおりにはなかなかいかないというのが,特にこの広域通信制の場合には出たのではないかなと。
 これは私学ですから,首長が認可にしても何にしても行うわけです。改めてそこのところに,どうしても文部科学省が手の届きにくい部分があって,そこでいろいろな面で,逆に言えば首長サイドの適当なと言いますか,措置で済まされてきたということがあります。
 そういう意味で言うと,私は今,私学の人間ですから,私学の立場を守りたいですけれど,それにしても,そういう善意を前提に作られた制度を悪用する人が出てきたときには,私学自体が相互にやはり規制を掛けなければいけないはずだと思うのです。ところが,そういうことを一切やらない。株式会社にせよ,学校法人にせよ,そういうことをもう少し,私学自体がお互いに吟味し合うような仕組みというのが,全然ではないかもしれませんけれど,できていない。少なくとも株式会社立のところにはそういう発想もない。そういう意味で,社会的責任というのをどう思っているのか。利益を得なければならないことは分かりますけれども,それにしても,教育という仕事ですから,今,教育と利益の関係というのは一番問われているようなところがあるわけです。
 そういう意味で,先ほど聞いて,ある意味でがっかりですけれど,子供もハッピー,保護者もハッピー,学校もハッピーだという,それは結局,非常に表面的なところですよね。大学に入れたからとか,卒業ができたからという,本当に中身を問わない,子供の成長が健全なものになったかどうか,高いレベルのものに成長し得たかということはほとんど問わない,とにかく資格が取れた,入れたというレベルの議論が,正直言って余りにいろいろな面で多過ぎると思います。そういうことについて,改めて,国がどこまでやれるのかというのが一つ規制緩和を今まで進めてきた中でどうしたらいいのかというのが問われてくる。とりわけ広域ですから,先ほど金子委員がおっしゃったように,どうしても個々の県を越えてしまうわけですから,国レベルで何か言わないと責任持って対応する場がないというか,その点やはりしっかりと考えなければいけないのではないかなと思います。
 私はそういうところがあるからといって,このシステムそのものを,先ほどからおっしゃっていたようにセーフティネットとして果たしている役割というのはそれなりに認めます。私も校長をしている友人を知っていますから,そういう意味では悪いところばかりではないのですけれど,少なくとも悪いところはきちんと是正してもらいたい。それはやはり何かアクションを起こす必要があるのではないだろうか,この点是非,私たちも何か提言できることがあれば,していければと思います。
 そういう意味では,どなたかおっしゃったように,こういう視点からもう一度高校教育全体の在り方を,多様化とか柔軟化とかと言ってきて,余りにそれを抽象的に,あるいは現場の方の人たちに簡単に任せ過ぎてノーチェックできたということについては,しっかりと改めてシステムそのものを考えなければいけない。金子委員がおっしゃったように,情報開示は最低のまずは必要なことではないか,そういうことをはっきり提言していった方がいいように私としては思っております。
 以上です。

【野上委員】
 小川部会長,一つ今の点。

【小川部会長】
 では,手短にお願いいたします。

【野上委員】
 先ほどから,株式会社立の問題がありますけど,もちろんそういうこともあるのでしょうが,材料が全部出そろっているのでしょうか。株式会社立の企業が利益を上げる,会社ですから,最終的には利益を上げる,その中身が何に使われるか,教育のための設備投資とかコンテンツとかそういうものに使われるのか,それとも金もうけ主義,経済至上主義にのっとって使われるのか。だけど,これだけ情報が開示されている世の中にあっては,そういう学校に親が行かせるでしょうか。全部分析をしないといけないと思うのですけれど,材料は全てありますか。その分析を基に言っていただいているのなら結構なのですけれども,やはりコラボレーションというのは必要です。経済界も産業界も,やがて教育界がお育てになった人材を頂く側にありますから,良質な健全な働き手を求めるためには,自分たちも部外者ではないというのが,今,経済界,産業界の対応です。だとすると,そこにも人材の育成についての英知があるわけです。その中で株式会社立だけ,それが先ほどアキレス委員も言いましたけれど,不道徳なことをしていれば,市場がそれを認めません。退場せざるを得ないような経営状態になってくると思うのです。
 したがって,材料が出そろう前に,それはまずいのだと言うのは,これから社会を挙げて,国家を挙げて,このグローバル化時代に生き残るためにはどうしていくのかという議論を展開するときに,いささか早計なように思いますし,であるならば,「情報公開を義務付ける。」というのは,私も埼玉県の私立学校審議会というところに出ておりまして,今まで審議会の中ではなかなか財務諸表というのが出てこないわけです。ましてや連結の財務諸表というのは余り出てきません。ですから,私はこれを求めまして,今はそれを出すように,ほとんどの学校が出してきます。やはり認可してほしいですから。というようなことで,この努力を進めていると。できればこういう中で財務諸表とかあらゆる情報公開を義務付けるようなシステムを提言していく方が健全だと思うのですけれど,いかがでしょうか。

【安彦副部会長】
 野上委員が私の意見をそういうふうに受けとめたとしたら誤解です。

【野上委員】
 いやいや,今日全般のです。

【安彦副部会長】
 いや,全般にしても。私は,いいものはいいで,きちんと認めて,むしろそういう情報を出してほしいので,正に問題のある学校だけ,とにかく是正措置をとれるような方向に動いてほしいと申し上げました。
 基本的に実態調査は前提であり,情報公開にしても,それは一つの必須条件だろうと思っておりまして,その点がまず前提です。
 ありがとうございました。

【小川部会長】
 時間が少し過ぎたので,すみませんけれども,途中で打ち切らせてください。
 今やりとりしていたことは非常に重要だと思います。先ほど事務局の方からも,文部科学省が都道府県や所轄庁に働き掛けて,いろいろな情報を今収集している過程ですよね。それはまとまった段階で,是非この分科会に提出していただいて,先ほど幾つか出てきた論点というか検討すべき課題は,皆さんある意味,共有はされたと思いますので,そうしたデータを踏まえながら,今後の方向については議論をしていきたいと思います。地方から収集したデータについては,適宜,本分科会に提出していただければと思います。その1点,よろしくお願いします。
 あと,総合学科の議論については,今日だけでは不十分ですので,次回も,確か総合学科で時間が取れたと思うのですが,先ほど荒瀬委員からも出たように,総合学科といってもいろいろな中身がありますので,少しそういうバラエティーに富んだ総合学科の実践事例や事情も分かるような資料も提出していただいて,引き続き総合学科についての議論は深めていきたいと思っていますので,その辺もまた,事務局の方でよろしくお願いいたします。
 そのほか何か皆さんの方からございますか。
 なければ,今日はこれで終わりたいと思います。次回以降については,事務局から御説明をお願いします。

【塩原教育制度改革室長】
 次回以降の日程につきましては,各委員の御都合を伺った上で日程調整をさせていただきたく存じますので,後日また御案内をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【小川部会長】
 ありがとうございました。それでは,今日の部会を終わりたいと思います。ありがとうございました。

── 了 ──

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-- 登録:平成26年09月 --