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高等学校教育部会(第28回) 議事録

1.日時

平成26年6月13日(金曜日)10時~12時

2.場所

旧文部省庁舎6階 第二講堂

3.議題

  1. 高等学校教育部会「審議まとめ(案)」について
  2. その他

4.議事録

【小川部会長】
 定刻になりましたので,ただいまから第28回高校学校教育部会を開催いたしたいと思います。委員の皆様には,お忙しい中御出席いただきまして,ありがとうございます。
 まず,審議に入る前に,今日の配付資料の確認について事務局からお願いいたします。

【小林教育制度改革室長】
それではお手元の議事次第に基づいて確認させていただきます。本日の資料は,資料1-1から1-3まで三つございますけれども,関係団体とパブリックコメントの意見結果ということで概要と関係団体からの意見,それからパブリックコメントで寄せられた意見のまとめという三つを用意してございます。
 また資料2は去る3月に行われました中央教育審議会の総会,それから3月と5月に行われました高大接続特別部会の意見の概要でございます。
 それから資料3が冊子になったものでございますが,この部会の審議のまとめ案ということで前回からの見え消しでお示ししたものでございます。あとはお手元に参考資料として名簿,それから高大接続関係の資料を三つ用意させていただいております。
 以上です。

【小川部会長】
 よろしいでしょうか。
 それではこれから議事に入りたいと思います。今日は,前回,部会長預かりとなっておりました,部会の審議まとめ案について,この間,関係団体及びパブリックコメントによって頂いた意見を踏まえて,その修正を加えております。今日はこの修正された審議まとめ案について審議をお願いいただければと思います。そして,今日,できましたら審議まとめ案については高等学校教育部会としての取りまとめをさせていただければと考えております。よろしくお願いします。
 それでは,資料1-1,資料1-2,資料1-3をベースに事務局から説明をお願いしたいと思います。

【小林教育制度改革室長】
 それでは,資料1-1から1-3を御準備いただければと思います。資料1-2と1-3はそれぞれ関係団体に御意見いただいたものの実際の御意見,それからパブリックコメントで頂いた意見をそのまま,とじたものでございまして,それの概要をまとめたものが資料1-1でございますので,御説明は1-1に基づいてかいつまんで行わせていただきたいと思います。
 関係団体からは23団体の御意見を頂きました。パブリックコメントは関連のない意見や重複を除きまして182件頂きました。その中で大まかには今まで先生方から頂きました御意見と重複するような内容,あるいは御懸念として頂きました御意見などとかなり重なっていたかと存じますけれども,幾つか御紹介させていただきたいと思います。
 まず,まとめの柱に従いまして高校教育をめぐる現状とこれまでの取組に関しては,新しい御意見というのはそれほどなかったのですが,例えば最初にございますような最初の黒ポツの多様な生徒に応じて学習意欲の喚起を図る指導を,大学入試に頼ることなく継続して推進することが必要であるといった御意見ですとか,三つ目の途中ですが,様々な動機付けによる勉学や人間性向上等への意欲喚起の実践が必要であるといった御意見を頂きました。
 また次の白丸ですが,高校教育の質の確保・向上に関する課題・基本的考え方ですが,その中で例えば二つ目に頂いております御意見では,数値で測りやすい教科学力等への評価が社会で強調されることにより,人間関係形成力や主体的行動力等の数値で測り難い能力を育成する時間的な余裕や場所が学校現場で減少し,保健体育,家庭,芸術等の学習を軽視するような状況を作り出すことは最も避けなければならないといったような現場からの御意見,あるいはキャリア教育・職業教育の推進が普通科でも極めて重要であるといった御意見。
 それから2ページ目では,習得した知識・技能の活用や探究活動にも注力できるような高校教育のありようを変えていく必要があるといった御意見を頂いております。
 また高校教育の質の確保・向上に向けた具体的な施策としての部分につきましては,多くが既に審議のまとめでおまとめいただいた中に含まれているものと重複しているかと存じます。ただ,この中でも例えば,上から三つ目,広い学習や教育活動,幅広い学習や教育活動の方法や多様な能力等を評価・判定するための手法の開発の検討が進められるべきだということで,これは引き続き検討していく課題として既に記載されております。下から三つ目の通信制課程の教育の質の担保というような御意見も,その必要性について御意見を幾つかの団体から頂いております。
 また下から二つ目でございますけれども,それぞれの高等学校に学ぶ生徒の学力水準を同一基準によって判定することはなかなか不可能なのではないかということ,またそういった線引きをする場合には現行制度の校長の卒業認定権との兼ね合いをどう考えるのか。その問題点の検討が必要であるといった御意見を頂いております。
 同じページの一番下の部分からが,達成度テスト,基礎レベルの在り方についての御意見でございます。この部分につきましては,まずテストの目的・活用については,最初にございますように,「AO・推薦入試や就職時に基礎学力の証明や把握の方法の一つとして,その結果を大学等が用いることも可能とする。」という,その最後の部分を「可能とするが,一般入試には使用しない。」と訂正し,目的の差異を明確にした表現にするべきであるといったような具体的な修正意見も頂いております。
 また二つ目ですが,テスト内容が重要であり,単に大学入試の前倒しとなるものでは意味がないという御意見。
 それからテストの目的について基礎的な学習の達成度を生徒自らが把握するためのものに限定するならば,活用の可能性はあると考えるという御意見。
 基礎レベルテストと発展レベルテストとで同種のテストの基礎版,発展版と誤解されないような措置が必要であるといった御意見。
 それから,テストの導入で教育の質の向上を図ろうとするのは本末転倒であって,授業の質や方法の改善,教師の研修の充実を図る必要があるということ。
 さらには基礎レベルに達しない生徒に対する影響についても検討すべきであるといった御意見。
 それから同じセクションの最後の部分ですが,高校2年生段階から複数回実施され,その判定結果に一定の証明力を付与するとするならば,その判定を得た生徒はそれ以後学習意欲を失い,高校での学習実績は2年以前で終了してしまうおそれも予想されるということで,御懸念の声も頂いております。
 それから,テストの内容についての御意見です。達成度テスト,基礎レベルの問題作成に当たっては,学習指導要領や教育課程との関連に十分に配慮していただきたいという御意見。
 それから,科目について国語総合,コミュニケーション英語Ⅰ,数学Ⅰの3科目を基本科目として設定することが現実的である。幅広い教養という視点からは,国英数以外の科目をどのように位置付けるかについては慎重に議論を進める必要があるという御意見。
 それから専門系高校においては商業・工業・農業などの科目も評価すべきであるといった,テスト内容についての御意見を頂きました。
 また実施方法については複数日実施など受検生への配慮は評価できるという御意見も頂いておりますが,一方で過度な回数の試験実施が負担にならないように,学校の定期考査の実施有無も含めて検討する必要があるといった御意見を頂いております。
 また最後,ページの下ですが,年間複数回実施することについても学校行事や部活等も含めた高等学校の教育活動に大きな影響を及ぼすものと考えられるため,回数や時期,活用方法の検討は慎重に行っていただきたいということも頂いております。
 またその他の意見として,外部試験や各種検定試験の結果を活用するのは賛成であるといった御意見。
 それから,その他の四つ目になりますが,「高等学校卒業程度認定試験と統合する方向も含めて検討」という部分については,法令にある校長の卒業認定権との権限との兼ね合いもあり,慎重なる対応を望むということで,何団体かから御意見を頂いているところでございます。
 パブリックコメントと関係団体からの意見の概要は以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 以上が関係団体及びパブコメで寄せられた意見の主な内容の紹介でしたけれども,併せてこの間,高大接続特別部会が2回ほど,また中央教育審議会の総会も開催されておりますので,その高大接続特別部会と中教審総会で出された主に達成度テスト,基礎レベルに関わる御意見もありますので,それらについてもまた事務局の方から御紹介いただければと思います。

【小林教育制度改革室長】
 それでは,お手元資料2の1枚の資料を御準備ください。
 こちらが3月に行われました総会での御意見と,その後,高大接続部会の御意見です。総会の方は例えば三つ御紹介させていただいておりますけれども,一つ御紹介いたしますと,総会の部分の白丸の三つ目でございますが,高等学校卒業程度認定試験と統合する方向も含めて検討とあるが,現在は様々な方も受験できる学び直しをする入り口としてという機能も備えているため,新たな制度において現在の高卒認定試験の対象者も引き続き対象となるよう検討いただきたいと。また社会人や女性が活用しやすいようなことも含めて併せて検討いただきたいという御意見を総会では頂いております。
 また高大接続部会では,3月と5月に行われたものを挙げさせていただいておりますが,ここでは幾つかテストの部分について御意見を頂いておりまして,最初の白丸は高卒認定試験とこの基礎レベルの試験は意味合いが違うので,問題が出てくるのではないかというこれも高卒認定試験の部分の御意見でございます。
 また2点目ですが,達成度テスト,基礎レベルと発展レベルの相対的な関係についてもう少し基本的に考えるべき点はあるのではないかということで,両テストの関係についてという御指摘を頂いております。
 また三つ目ですが,基礎レベルとの関係でいわゆる高卒認定試験と統合するという形で考えると,それほど高いレベルではなく,それでは大学の授業についていけるかどうか疑問であり,もう少し発展レベルの方にも基礎的・基本的な能力を入れていただきたいという御意見も頂いております。
 また四つ目ですが,基礎レベルで測る学力と発展レベルで測る教科型の基礎的な知識・技能の違いはどうかということについて整理しなければならないという御意見。
 それから達成度テストについてどれぐらいの時間をかけるか。どのような手続を経て今後具体化していくのか。そのことについても課題があるという御指摘でございます。
 また最後の白丸ですが,基礎レベルにしても,この発展レベルにしても,生徒が複数回受験するということに対して,テストの経費,受験料的なもの,保護者の負担などについて保護者の経済力が教育の格差につながらないように検討いただきたいという御意見を頂いています。
 またこのほか,その後も意見交換の場などにおきまして,高大接続部会の方からは可能な限り多くの生徒が受検することが望ましいという御意見も併せて頂いております。
 以上でございます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 一応,関係団体,パブコメ,そして高大接続部会,中教審総会からいろいろ出された意見に基づいて,資料3に示したように前回,部会長預かりになっていました審議会まとめ案について若干加筆修正を行っております。
 今日はその加筆修正部分を中心に事務局から御説明いただいた後,皆さんの方からまた御意見を頂きたいと思います。
 それでは,事務局の方,よろしくお願いいたします。

【小林教育制度改革室長】
 はい。それでは資料3の審議のまとめをお開きいただけますでしょうか。少し復習になりますが,最初の2ページに目次がございまして,全体の構成でございますけれども,第1章に高校教育をめぐる現状とこれまでの取組,それから第2章で高校教育の質の確保・向上に関する課題,それから基本的考え方,第3章で質の確保・向上に向けた施策ということで,この部分に基礎テストのことも触れてございます。
 最後に「おわりに」という構成の中で,今回修正させていただいた点ですが,多少の文言整理のようなものにつきましては省略させていただきまして,全部修正は赤字にしてございます。例えば16ページでございますが,こちらはキャリア教育や職業教育の推進についてでございますが,この重要性について非常に多くの御意見を頂きました。高校段階でのキャリア教育ということと,特に専門学科の重要性について記述をもう少し強調した方がいいという御意見を頂きまして,16ページの二つ目のパラグラフでございますが,近年専門学科では専門領域に係る知識・技術などの基礎を着実に身に付けられることから,進学後に一層力を伸ばし,普通科から進学した者とは異なる特色ある人材として育っているということを入れさせていただきました。
 それから,主な修正といたしましては,27ページの基礎テストの部分でございます。やはりこの部分は幾つかの御意見を頂いておりまして修正させていただいておりますが,27ページの四角の中ですが,まず主目的,この基礎テストの主目的や理念についてもう少し明確にするという必要性から修正をさせていただいておりまして,黒い四角で示したタイトルの部分もテストの目的と活用ということを入れさせていただき,2点目の部分で上記以外の活用方策ということで,その主目的や理念がより明確になるような修正をさせていただいております。
 この部分につきましては,審議のまとめの4ページでもこの高校段階の共通性の確保や多様化への対応という,この審議のまとめ全体を貫くいわば理念のような中で,例えば4ページの3パラグラフ目にありますけれども,高校段階で能動的に学び,必要とする力を養うとともに生涯にわたって持続的に学び続ける力を養い,その成果を社会に生かすことが不可欠であるということ。
 それから4ページの下の方ですが,高校段階では生徒の卒業後の進路が非常に多様になっているという御指摘で,その多様性の確保という二つの視点がございます。この点につきましてより明確に,このテストの目的・活用ということが27ページにあるわけですけれども,その部分につきまして主の目的である部分,それからそれ以外の活用方策,活用ということで学習改善を図るためにテストの結果を高等学校での指導改善にも生かすことということを入れさせていただいております。
 また※印のところですが,ここは高校現場の方からの御意見が非常に多かった点でございまして,「なお,一般入試にテスト結果を活用することは,学校生活への影響への懸念があることから,大学等に対し,その活用について慎重な対応を求めることが必要」という点を留意事項として入れさせていただいております。推薦やAO入試に比べて一般入試の方が影響が大きいということで,その学校生活への影響の懸念という点が御意見として出されております。
 それから28ページで,テストの内容の部分でございますけれども,専門学科のところにつきまして,職業に関する各教科という修正をさせていただいております。
 また真ん中のあたりの※印ですが,テスト結果については,都道府県ごと,学校ごとに公表しないなど,学校の序列化につながらないように留意するということで,これはもともと29ページの欄外のところにあった留意事項ですが,これをきちんとこのテストのいわば骨格の部分,この四角の中に入っている部分に多くの御意見を頂いたため,移させていただいております。内容は前と変わってございません。
 それから29ページで四角の中ですが,下から二つ目で家庭の経済的負担を考慮するなど,生徒が受検しやすい環境とすることが必要であるという点も頂いた御意見を反映させる形で入れさせていただきました。
 また四角の最後の部分ですが,先ほども御紹介させていただきましたように,高卒認定と統合する方向での検討につきましては,そのテストの両制度の趣旨というものが違うということで御懸念の声も頂いておりますので,その部分についてより丁寧に記載させていただきました。付け加えた部分は,その際,高卒認定試験と単に統合するのではなく,両制度の趣旨を踏まえたテスト問題の在り方等,多様な観点から検討を進めるという修正をさせていただいております。
 それから29ページの最後ですが,達成度テストの基礎レベルについては今後,達成度,発展レベルとの目的や内容の違いも踏まえながら,実施に向けた詳細な制度設計やそのための体制,名称,導入時期などについて一体的かつ具体的な検討を行っていくことが必要であるという文言を入れさせていただいております。
 この部分につきましても両テストが単なる基礎と発展ということではない。目的が違うということですとか,あるいはまだこれから詳細な制度設計について正に考えていかないといけない点が多くございますので,その部分につきましては一体的かつ具体的な検討を行っていくということをきちんと入れさせていただいたものでございます。
 またそのほか,33ページ,テストのところ以外で,社会・職業への円滑な移行推進というところで少し専門学科の取組について保護者への周知,中学校や保護者への周知ということなど少し具体的な御意見を頂いて反映させていただいております。
 主な修正は以上でございます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 それではパブコメや団体からの御意見,また高大接続部会,中教審等々からの御意見を踏まえまして資料3のように幾つかの点で加筆修正はしております。今日はこの修正点を含めて少し皆さんの方から審議まとめ案の内容について御意見を最終的に頂ければと思います。
 どなたからでも構いませんので,何かございましたらよろしくお願いいたします。 和田委員。

【和田委員】
 意見ではないのですが,少し質問みたいなものも入っていいですか。

【小川部会長】
 どうぞ。

【和田委員】
 もう少し大きな話がどなたから出てから細かい話をさせていただければなと思っていたのですが,どなたもおっしゃらないので。私が昨日資料を頂きまして見せていただいて気になった点を,少し質問も兼ねて申し上げます。
 小さなこと,かもしれませんが,28ページのところ,「英語等,一部は」のテストの内容のところの一つ目の丸の一つ目の星印ですけれども,「英語等,一部は外部試験による代替も検討」というのを「の可能性について」と入れていただいていますが,この言葉を入れていただいた理由をお聞かせいただいた上で,私から幾つか質問したいと思いますのでお願いいたします。

【小川部会長】
 では事務局の方,お願いいたします。

【小林教育制度改革室長】
 具体的にこの部分はパブリックコメント資料1-3でまとめさせていただいておりますが,その中で6ページのテスト内容の三つ目のところでございます。
 英語等,一部は外部試験による代替も可能とあるが,高等学校の英語教育は外部試験対策でよいということになる。高等学校における英語教育を軽視した考えと言わざるを得ないということで,少し慎重な御意見を頂いておりますので,この可能性ということでトーンを少し弱めさせていただきました。

【和田委員】
 ありがとうございます。
 私もいつかの会議で英語のこの試験をいわゆるTOEFL,TOEICに置き換えるということの非現実性をお話ししたことがあるかと思います。例えばよく言われていますTOEFLと現在の高等学校の学習指導要領のレベルのかい離といいますか,単語レベルだけで英語のレベルを考えるのはよくないかもしれませんが,単語のレベルが分かりやすいと思いますので言いますと,TOEFLというのは約1万5,000語レベルだといわれております。高校の学習指導要領は3,000語レベルでありますから,一般の高校生が受けるという意味においてはレベルがとてもかい離しているということ。
 それから受検にかかる時間も長く,数時間受けなければならないということが適しているのかどうか。それから受検に関する費用です。これは国が負担するといえば別ですが,相当高額な費用が必要であると。そういうことも含めて反対といいますか,慎重にならざるを得ない。もし同じような趣旨の試験がいいというのであれば,学習指導要領の範囲内でそのような問題をやはり自前でといいますか,国又はどこかの責任で開発すべきではないかという意見を述べたのですが,安易にこの外部試験に代替というのは少し危ない。今のところ危ないと思っております。まず学習指導要領を変えるなり,そしてそれに合わせた形で開発するということが望まれるかなと思っています。
 ところが最近のある報道によりますと,英語教育の在り方に関する有識者会議において,決まった訳ではないのだと思うのですが,報道によりますとそれに置き換えるということ。そしてそれまでの期間もセンター試験が続いている期間においても,TOEFL,TOEICにおいてある程度のレベルをとれたらセンター試験を満点とみなすというような報道が出ておりまして,これに関して多少違和感を覚えているところでありまして,違う部署でやられているかもしれないのですが,何かこちらで今後のテストの在り方ということを検討している中で,そういう件が突然報道されているというのが少しおかしいなと思うので,その辺のことも少し聞かせていただければなと思っております。

【小川部会長】
 はい,ありがとうございました。
 榎本さんの方に少し,御紹介いただければと思いますけど。

【榎本国際教育課長】
 国際教育課長です。
 英語教育に関しましては現在,英語教育の在り方に関する有識者会議を開催しております。委員,御指摘の外部試験に関しましては,その有識者会議の中で小委員会を設けて,それが先日議論あったところでございます。
 議論の背景といたしましては,今の学習指導要領において英語に関しましては4技能をバランスよく教育していくということがある中でございますが,実態として現在の入試においては読む,書く,それから一部聞くという点があるが話すという点があまりないという中で,高等学校までの学習を適切に見ていくという観点から4技能を適切に評価していく必要があるという中で,外部試験に関してその先生御指摘のTOEFLだけでなくそのほかの4技能を測定している外部試験もございますから,そのようなものを前回の小委員会で御紹介,御報告があったところでございます。今後に関しましてはこういった外部試験をどのように扱っていくのかということは,この有識者会議でも並行して議論していきますが,考え方としてはその4技能を測るようにしていこうという中で,外部試験の現状について現在見ているという状況でございます。

【小川部会長】
 和田委員,よろしいですか。

【和田委員】
 いろいろそういう報道がありますように,今のセンター試験を実施している期間に外部試験を置き換えてセンター試験の点数に代替するというような具体案というのは出てないわけですね。

【榎本国際教育課長】
 議論の中でそのような外部試験を活用したみなし満点方式ということに関しては既に取り入れている大学もあるという中で,こういったものをどのように考えていこうかという議論が行われております。

【和田委員】
 各大学がいろいろな検定試験なり,あるいは外部試験を一つの判定基準にされるということは全然問題ないと思うのですが,センター試験の点数に置き換えるというのは,これはセンター試験との問題ですから,生徒も保護者もとても気になっている現状なんです。しかもこの新しいテストができてからの話であれば,それに対して心の準備ができると思うのですが,それ以前,センター試験が行われている時点でそのようなことをするということが書かれていると,もうセンター試験よりも外部試験の準備をしなければいけないのかと心が動いている人もいるのではないかいうことで,非常に危惧しています。そのようなことではないということであれば,報道が間違っていたということを本当はどこかで御修正いただきたいという気がしています。

【小川部会長】
 では榎本課長。

【榎本国際教育課長】
 現在の枠組みにおきましても大学の判断で外部試験を活用すると。その際にみなし満点のような考え方を入れるということも可能でございます。そのような現状がある中で,4技能を適切に測り評価していくということをどのように考えていくのかと。これが現行の学習指導要領,それから現行の選抜の中でも検討すべき点はあろうかということで議論を行っているところでございます。先生の御指摘の点も踏まえながら,この議論との接続,連携等を重視してまいりたいと考えます。

【小川部会長】
 この審議まとめ案に関わっては,先ほど和田委員からの御懸念等々もあるというようなことで,このような表現の修正は慎重に行うこととなっております。
 では,事務局の方,どうぞ。

【小林教育制度改革室長】
 今の点につきまして,28ページの修正の部分,白丸の二つ目の中で※印の一つ目「問題は高等学校学習指導要領を踏まえたものとし」ということで,これは全体にかかっており,仮にその外部試験の代替の可能性を検討する際にも高等学校の学習指導要領を踏まえたものという中での検討になるかと存じます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では,川嶋委員,そして野上委員の順でお願いします。

【川嶋委員】
 川嶋です。3点,いずれも関連している点について意見を述べます。
 まず,この部会はそもそも高校教育の質保証ということの議論を目的として非常に多様化した高校教育の現実を踏まえて,高校卒業生としての共通の能力保証をどのように工夫すればよいのかを検討することが,この部会のもともとの出発点だったと思います。その背景には国からの授業料の支援ということもあって,これまでは都道府県や学校法人に任されてきた高校教育について国としても責任を持たなければいけないという状況が生まれてきていることがありました。そういう意味で個々の学校だけではなくて国としても高校卒業者の質保証を何らかの形で考えていくと,そういうことがこの部会での審議の前提だったと思います。
 その議論の中で一人一人の生徒が学習指導要領に書かれている内容,あるいはそれを基準として自分がどこまで学習が進んでいるのかということを確認するための一つのツールとして,達成テストの基礎レベルというのが提案されてきたのだろうと理解しております。もちろん自分がどの程度の習得度にあるのかということの確認については,いろいろな教育産業の模擬テストとか各高等学校で使われている標準的なテストもあるかと思いますけれども,先ほどお話ししたようにやはり国としての関与が必要になってきているという状況を見ると,民間の教育産業なり,あるいは個々の高等学校が開発されたテストに加えて,国としての一定のスタンダードを示したテストを高校生が受けて,その中で自分の学力状況を客観的に確認することが必要な状況になっているわけです。 そういう文脈での達成度テストの導入ということだったと理解しています。ただこれが一方でAO入試や推薦入試の学力確認にも使ってもいいということになったがために,様々な疑念なり疑問が出てきたということがあろうかと思います。
 ただ,これも一方で現実の大学入試を見てみた場合に,これはもう何年か前から中教審で議論されているところですけれども,どうも現在のAO入試とか推薦入試というのは余り学力の面を見てないのではないかという状況もあるわけですから,その点も理解できるところです。
 今回,素案の修正に当たって27ページにテストの目的が明確に,第一義的な意味とそれ以外の活用ということで書き分けられたことは前進だったのかとは思います。
 ただ,その上で入試への活用という観点から,AO入試とか推薦入試というのは一般入試と違って様々な手法を用いて志願者の能力を判定するという違いがあるので一概には言えませんけれども,大学入学者のいわゆる学力といわれる面の測定に当たって,発展レベルと違う内容なり水準を設定するということは,原理的にいうと入学者の学力面でのダブルスタンダードになるということも懸念されるわけです。そういう意味ではAO入試,推薦入試あるいは一般入試に活用する,いずれにしても大学入学者の選考・選抜に使うテストであれば本来は一つのテストで十分可能であるはずですので,将来的にはそういう方法も含めて,一本化するという方向を目指してはいかがかというのが2点目です。
 それから3番目は,もしそういう発展レベルと基礎レベルの一本化は,テスト開発,あるいはテストの実施上難しいということであれば,今,提案されているような別のテストにせざるを得ないわけですが,その際,従来から高校卒業者程度認定試験と統合するということは言われているわけですが,現在の高等学校卒業程度認定試験の程度というのが非常に曖昧で,一方でセンター試験の目的もやはり高等学校における基礎的学習の到達度を測定するということになっているわけですから二つのテストにどういう違いがあるのかという疑問がわきます。いろいろな御説明や今日紹介いただいたパブリックコメントの中には,高等学校卒業程度認定試験というのはそれほど難しいテストではないというコメントがあるわけですが,前一度実際のテスト問題も配付していただきましたけれども,センター試験と比べて内容や水準がどう違うのかがはっきりしません。高等学校卒業程度の能力があるということは,センター試験でも十分測定できるはずでありまして,現行のその認定試験とセンター試験の内容とレベルというのはどれくらい違うものなのか。あるいは同じという前提で作られているのか。それからもしこの高卒者認定試験で例えば満点を取るというのは,これは学習指導要領の内容をきちんと修得したとみなすことができるのかどうか。この辺についても少し明確にしないと同試験と統合するというような提言に対しては,様々なまだ疑問が残るのではないかというように思います。
以上,3点です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 今後の検討すべき際の幾つかの留意点というか課題を残しているかと思いますので。ありがとうございました。
 では,野上委員,ではどうぞ。

【野上委員】
 資料の28ページと29ページを御覧ください。29ページにはテストの結果公表については,学校の序列化につながらないよう慎重に対応していただきたいとの記述がありますが再考というか再検討していただければと思います。これは学校の序列化が懸念されるとしてこのような記述になったと思いますが,産業界における採用時のことを考えますと,採用判定に当たっては高卒ではこれこれ,大卒にあってはしかじかの能力を持ち合わせているとの判定材料というか到達基準が欲しいわけです。こうしたことは何も企業側だけの利点ではありません。採用される側の人にとっても適切な人物評定につながるわけで公表による危惧もわかりますが「質保証」にもつながるテストの公表は前向きに考えるべきだと思います。聞くところによればある学校では各種テストがありますと「結果には原因があり」との視点から設問ごとの正誤答を分析・検討しその後の指導に当たり成果を上げているとのことですから,あながち他地域,他校の結果を知ることがマイナスにはならず,むしろ生徒にとってもプラスになるのではと思いますがどうでしょうか。
 同様なことは私がおります産業界においても言えることです。結果に目をつぶるのではなく,たとえ厳しいものであってもその結果を直視,分析,対応して初めてその後の持続発展が得られるとして,真摯にしてイノベーション豊かな企業は透明度の高い企業運営に注力しております。こうしたことは今,教育にも求められているのではないでしょうか。以上の観点からテスト結果については公表していただきたいと思います。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。では荒瀬委員,そして長塚委員,服部委員ということで。

【荒瀬委員】
 3点申し上げます。一つ目は先ほど和田先生がおっしゃったこととも関連するのですけれども, TOEFLというのが随分と声高に報道されているように思うのです。どうしてTOEFLなのかということの説明が十分になされないままTOEFLという言葉が独り歩きしている。やや前のめりの感じさえあるという印象を持っております。基礎レベル,発展レベルということにかかわらず,TOEFLをこの日本の若者たちが取るべき資格としてどのように必要なのかということについてきちんと説明していく必要があるだろうと思います。
 国際教育課でやっていらっしゃる,スーパー・グローバル・ハイスクール,当初は現場の受けとめというのは英語の力というのでSELHiの発展版みたいな感じだったのが,そうではなくて国際的な問題,すなわちコンテクストの異なる人たちときちっとしたコミュニケーションがとれるか,ということで,英語は当然大切だけれども,それ以前に日本語としてのそういったコミュニケーション能力,グローバル・コミュニケーション・スキルというのをどのように付けていくのかということが重視されているという極めて基本的な,真っ当な形になって現場に浸透してきているからSGHに対する期待は高まっていると思うのです。
 そのこともあり,TOEFLへの前のめり的な感じというのがどうも違和感を私は持っております。高校現場の方々とお話ししていてもやはりどうしてTOEFLなのかいうお話が出てまいります。ぜひともきちんと御説明を頂きたい。これがまず1点目です。
 それから2点目は先ほど御説明いただきました資料1-1の3枚目,最後のページの上から三つ目の黒ポツです。テストの内容というものの上に書かれたものですが,これは感想のようなことで大変恐縮ですが,「高校2年生段階から複数回実施され,その判定結果に一定の証明力を付与するとすれば,その判定を得た生徒はそれ以後の学習意欲を失い,高校での学習実績は2年以前で終了してしまうおそれも予想され」とあります。これはパブリックコメントとかあるいは寄せられた御意見の中でピックアップなさったのだと思うのですが,私はこういう予想をなさっていらっしゃる方というのは,一体どれほどおいでなのかという疑問を持ってしまいます。確かに高等学校卒業という一つの資格を得るということは重要な点ではあるにしても,高校生活を送る中で様々なものを学んでいって人間的に成長する時期でもあるわけです。高校卒業程度認定試験が導入されたときにもこういう危惧はたくさん出されました。卒業程度認定試験を2年生で受けて受かってしまえばもう高等学校へ来ないのではないかというような,そういう人がいっぱいいるというような話がありましたが,しかしそれが問題になっているということは一切聞きません。こういう危惧というのは,これはただ単に反対するためだけの御意見にしか私は思えません。もちろんこういう意見があるというのは事実ですから事実としてはそうであったとしても,どうもこれはやや何というのでしょうか,不安をあおるといいますか,現場の実態に即さない御意見のような気がしてならないというのが二つ目です。
 三つ目はお願いであります。まとめの15ページですが,この真ん中より下のところで(2)としてキャリア教育,職業教育の推進とあります。細かい話ですが,「キャリア教育,職業教育」とありますけれども,中教審の特別部会でも「キャリア教育・職業教育」でしたから,これ「,」になっているというのは何か特別な意味があるのかないのか,ないのであれば中教審答申も出ているわけですから「・」にしていただければどうかと。
 それと,高校関係あるいは大学関係の方ともお話しして感じますのは,言葉の定義が揺らいでいるという点です。21番の注として,中教審答申の中からキャリア教育に関する定義は示されています。ところがこのキャリア教育の定義をするためには,そもそもキャリアとは何かということの定義が非常に重要になってきます。キャリア教育・職業教育特別部会で議論したときのキャリアというものの捉え方が,仕事に就くということのみならず,人生の様々な場面での自分と他者との関わり,自分と自分がやっていることとの関わり,それらの累積という意味合いでしたが,実はキャリアの定義というのは極めて分かりにくくて,なかなか浸透していないと思います。
 矮小化されないで,どのように生きていくかということを考えていく,非常に重要な,かつて在り方生き方ということが問われた時期がありましたけれども,それにつながるものであるということを是非とも強調するためにも,ここのところにはキャリアの定義も是非加えていただきたいということを思います。
 もう一つ加えて申し上げます。学力も一般的に学力といわれるときに,それが偏差値的な学力と捉えられて語られるのは何ら差し支えないと私は思いますけれども,少なくとも学校教育法30条に学力の重要な3要素がきちんと定義されているわけですから,少なくとも学校関係者はその定義に基づいて学力というのを捉えないといけないのではないでしょうか。私は学校教育でやるべきことは学力だけだとさえ思っています。学習意欲を学力の要素としてきちっと位置付けているわけですから。文部科学省からも盛んに様々な場面で学力とはこういうものなのだということをおっしゃっていただきたいと思います。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 長塚委員,どうぞ。

【長塚委員】
 このまとめはもう随分審議されて骨格は承認されて進んでいるわけでございますので,基本的なところをひっくり返すような意見を申し上げるつもりはありませんが,パブリックコメントで寄せられた意見を基に,基礎レベルテストの実施方法について,こちらでいえば28ページの下に実施方法ということが書いてあります。これに関連して二,三,意見を申し上げたいと思っています。
 パブリックコメントの方では資料1-3の7ページ,8ページにかけてこの実施方法についての御意見がありましたので,これを踏まえてと思っております。
 率直に言ってこのパブリックコメントの方の御意見でも年間数回,二,三回あるというのはテスト漬けにならないかという懸念が寄せられています。8ページに至ると先ほど野上委から御指摘があったテスト結果の扱いについて,なぜかここだけアンダーラインがしてありますが,これはたまたまなのか,学校単位の平均点の公表をしないなど慎重に取扱いを行うことという意見がいろいろな団体から寄せられているということなのだろうと思います。これはやはり学校現場としてだけではなくて,様々な団体からの意見として,学校選択に関わる日本の受験業界の有り様,あるいは学校教育における様々な問題からすると,慎重にやった方がいいという懸念が多々あるのではないかと思います。これは私も同感です。
 一方で,今,荒瀬委員から御意見があった件に関してですが,早期化すると学習意欲を失うのではないかということについても結構懸念があるようです。これはやはり早期卒業制度などとのリンクがあった場合には,基礎レベルについては直ちにとはならないかもしれませんが,やはり学力だけでなく人各的な教育をするという,いわゆる高等学校教育の全体のコアの部分がおろそかになってしまうのではないかという懸念がやはりあるのではないかと思います。生徒自身の意識の中にもそういうことが無ければよいのですが,制度的に早期卒業が可能になると,早い段階での学力認定というのは,そのおそれが少なからずあるということなのだろうと感じております。
 ということで,28ページに戻りますが,実施方法は年間2回程度受検機会を提供し,高校2年及び3年で,そして更に高校1年からの受検も可能とするということにしています。実はこれは単純に言って2,3年生で2回ずつやると,それだけでも4回やることになり,1年生が受けられるとなれば,6回受けられることになるわけです。これに発展レベルのテストもあるわけですから。発展レベルと基礎レベルを併せたら一体何回になるのでしょうか。これはテスト漬けになるという方向というか,学校や生徒によっては,これがAO入試や推薦入試に使われるというようなことになれば,これを中心に学習指導体制を組んでいく可能性は十分にあると,いろいろな団体からも懸念が寄せられているわけです。これは現状の生徒たちや学校の体質,これまでの日本の学校教育の現場の体質からすると,そういうことになるぞということの懸念が寄せられているのだと思います。
 ですから,具体的に年間2回程度と書き込まず,私は個人的には発展レベルと併せて在学中に複数回の受検機会を提供するぐらいにしておいた方がいいのではないかと思います。年間2回程度やるということを書き込んでしまうと,本当に各学年2回,あるいはそれ以上受けるようなそういう流れになってしまうのではないか,むしろ一体的,具体的な制度設計の際に困ることになるのではないかということを少し危惧いたします。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 服部委員。

【服部委員】
 ありがとうございます。高等学校というと一般的には普通科高校にイメージが行きがちなのですけれども,今回のパブリックコメントなどいろいろな取組の中で,専門高校における人材育成ということをかなりあちこちで取り上げていただけたことが大変私はよかったと思っています。
 具体的に言いますと16ページですね。先ほども少し御説明いただきましたが, 16ページのはじめに,「一方,職業教育については専門学科の生徒数,割合が昭和30年代には約4割だったものが,普通科の量的拡大に伴い大きく減少し,現在は約2割程度で推移している。しかしながら,普通科に比べ専門学科進学者については,しっかりとした目的意識を持って入学するものが多い。」とあります。私自身も商業高校とか工業高校で校長の経験があるのですが,専門学科における人材育成の効果というのは非常に強く認識していますし,一般に産業界で活躍できる人材をそこで育成していると思っています。
 さらに今回その下に,先ほど説明いただきましたが,「また,近年専門学科から大学等へ進学する者も多くなっているが,専門学科では専門領域に係る知識・技術などの基礎を着実に身に付けられることから,進学後に一層力を伸ばし,普通科から進学した者とは異なる特色ある人材として育っている。」と,こういう記載を加えていただいたことは本当によかったと思っています。
 その関連から今年度から取組が始まった,これ33ページを少し見ていただきたいと思いますが,33ページの一番初めのところで,「これらの課題に対応するため,専門学科において,大学・教育機関・企業等との連携の強化等により,社会の変化や産業の動向等に対応した,高度な知識・技術を身に付け,社会の第一線で活躍できる専門的職業人を育成するSPH(スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール)などの先進的な卓越した取組を進めるとともに,その検証を行うことが必要である。」とあります。正にこの4月からスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール事業が始まったのですが,全国にある農業,工業,商業,水産,家庭,看護,情報,福祉の8学科からそれぞれ1校,応募の多かった農業高校,工業高校から更に1校ずつで10校が選ばれ,4月に指定されてて,それらの高校がこれから3年ないし5年かけて全国のモデルになるように,専門高校のモデルになるように活躍を進めようとしているところですね。
 そういう意味で,何度も繰り返しますが,専門高校における人材育成の効果とかですね。それから日本におけるこれからの彼らの活躍への期待ということで,今後も専門高校における教育内容,教育方法,あるいはそこでの活動の様子を社会や産業界,さらには大学等もいろいろな形で認めていただくような施策がどんどん進められていくことが私は期待したいと思っております。併せてよろしくお願いいたします。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 ほかに。アキレス委員,ではお願いします。

【アキレス委員】
 ありがとうございます。3点ほどございます。
 まず1点目です。確かにパブリックコメントや皆さんの御意見を見ますと,なるほどと思う点も多く含まれているのですが,全てを完璧に網羅しようとすると逆に生徒や現場の負担が増えてしまいます。何か新しいものを増やすのだったら今ある類似のものをやめる。または統合するとか,なるべく合理的に進めていかないと全国規模で実施する際に大きな障害が生じます。ですので,試験の科目,回数などは最小限に抑えてスタートしてみるという方向がいいと思います。
 2点目は,発展レベルと基礎レベルを分けたのはいいと思います。ただ,それぞれの目的が異なってはいるかもしれませんが,発展レベルのテストと類似したテストがもう既にあるということです。できるだけシンプルにするという考え方からすると,統合できるところは統合して1本化できるのかというところまで踏み込んで議論し,提言をしていった方がいいと思います。あくまでテストというのは手段であり目的ではないわけです。ですので,テストを受けて点数化すること自体が目的にならないように留意する必要があります。
 最後は,先ほども何回か御指摘があった英語のテストを外注するという点です。例に出ているTOEICとTOEFLは日本の高等学校の英語力を測る手段として適切とは言えないのです。御存じのようにTOEFLはアメリカの大学に入学するための外国人向けのテストですので,アメリカの大学で授業を受け,勉強できるような基本的な単語数とか学力が問われています。また,TOEICはビジネスの場面における英語力を測る目的で設計されています。それらをそのまま日本の高校生に受けていただくというのは,少し無理があります。
 そうしますと,余り議論には出てないのですが,例えば英検というのがありますよね。英検2級というのは高校卒業程度となっています。ほかにも幾つかそういうテストがあると思いますので, TOEIC,TOEFLに限定せず,もう少し調査してから高校生に適切な内容,レベルのものを提案なさった方がいいと思います。一からつくるのは大変なので既存のテストをできるだけ活用するという方向には賛成します。
 以上,3点です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。和田委員,どうぞ。

【和田委員】
 今日は相川委員がお見えではないのですけれども,配付資料の中にPTA連合会からの意見というのがありまして,資料1-2の47ページです。これは危惧なのですけれども,発展レベルと基礎レベルという形で分けることによって基礎を受検しないと学力は証明できない生徒,基礎を受検する低学力の生徒という,そういうレッテルを張られる可能性についての危惧が,PTA連合会から出ているということは少し頭に置いて,今後この二つのテストというものを明確に違うものであると。レベルが違ってそちらしか受けられないとか。発展を受けられたというような,そういうようなレッテルに張られるようなテストでないということが必要かなと思います。ですから違いを分からせるためにも,もうこの際,名称をそれぞれ別の名称で考えていくというのも一つの方法ではないかなと思います。
 以上。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 ほかに。松野下委員。次,長山委員ということで。

【松野下委員】
 そもそもこの部会の検討は共通性と多様性を踏まえつつ多様性が高校教育に進み過ぎた結果,共通性が随分おろそかになってきたということで,質の確保,向上ということが出てきたと思います。
 そういった中で27ページのテストの目的と活用ですが,目的は質の確保・向上に向けて高校教育における基礎的な学習の達成を図る,これはこれでこれまで話してきたことがまとまったということだと思います。
 もう一つは,活用として学習改善を図るためにテスト結果を高等学校での指導改善にも生かす,ということ。ただ,学習改善を図るためだけであれば質の確保,向上も絵に描いた餅になりかねない。学校現場は活用に引っ張られるところがありますので,そういった点で推薦入試・AO入試や就職時に証明というやり方で可能とするということが入ったと思うのです。しかし,一般入試でも基礎レベルテストが扱われてしまうと,様々な大学がこれを使い出してしまうと思いますしいろいろと高校教育現場でやっていることに大きな影響が出てくると思います。それこそ総合学科は科目を選択させて課題研究等,主体的な学習を導いているのですけれども,一般入試でも使われるとなると普通科など,多くの学校がそちらの方に対応していくようになり,総合学科においても課題研究などをやっている場合ではないなどという状況にならないだろうかと危惧します。
 学校生活への影響の懸念は,年2回,あるいは高2からと,複数回あるいは早くからあるということで,大きいものがあり,なお書きの後段部分に関しては,一般入試には使用しないものとするとか,そのようなもう少し強い書き方をしないとこれを使う大学が多く出てくるのではないかという心配があります。
 それから先ほど公表についてありましたけれども,やはりいろいろな点数が公表となると,正に序列化につながってしまって,今,一生懸命学んでいる子たちが,劣等感を持ったり,学習やいろいろなこと,人生などに対しても自信を持てないようになったりすることにならないだろうかと懸念をしています。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 長山委員,お願いします。

【長山委員】
 私は少し今回のこの基礎レベルのテストを,去年東京都で始めました学力スタンダード授業とそれの学力調査,あるいはそれに至るまでの1年間の学習の状況についてと少しダブらせて去年から思っていたのですけれども。
 昨年度,昼夜間定時制でありながら学力スタンダード事業の先行実施ということでやりました。その中でやはりその目的がもちろんある訳ですけれども,どちらかというと今回この基礎テストの目的の前段の学習の達成度の把握ですとか,それから学習改善を図るためという,そういうところと似ているところがあって,2月に学力調査をやってその成果を,結果を出して,それを生徒に到達度が行かなかった場合には更に補習をして,3月までに何とか目的,目標に達するところまでもっていくということをやりましたけれども,最後のところは少し時間が短かったのですけれども, 1年間振り返ってみて,それからまた今年度新たに学校が変わりましたけれどもこれまで見てきて,やはり事業そのものが現場にとってみれば最初は少し負担なのかなと思っていましたけれども,そうではなくてやはり各教員が1年間かけて生徒にどれだけのものを身に付けさせていったらいいのかということを非常に意識しながら,それから自分の学校のスタンダードというものを作りながらやっていきますので,結果的には非常にいいものが最終的には出てきたのではないかなと思っています。
 併せて1年間やった改善については生徒への改善もありますし,学校現場の改善ということも含めると次の年にどのようにしていったらいいのかということを含めてできたので,例えばここの基礎レベルでいえば学習の達成度の把握ですとか学習改善というのが,その東京都で行っている学力スタンダード事業ではうまくいっているのではないかと思っています。
 ですから私は個人的にはそれはどうか分かりませんけれども,学力スタンダードでは2月のテスト1回だけですから,基礎レベルテストなら1年のとき,それから2年のときとやっていけば卒業までに,学年進行でいきますから,例えばAO入試ですとかそのときまでに2回,それも1年の終わりのところである程度まとめて成果を出して分かるわけですから,それがもし客観的に使えるようになるのであればいいのかなと,1年間,去年先行実施でやらせていただいて感じました。それで,今年新たにまたやっていく中でそのように思いました。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では阿部委員,伊藤委員,そして北城委員。では阿部委員から。

【阿部委員】
 基礎レベルの内容ということで28ページのところについてですが,このテスト結果についていろいろな委員の皆様から御意見がございましたが,例えば就職試験に使うということになると,現場からすると点数を使われるということで,点数を上げるために非常に影響を受け,点数を上げることに躍起になるという心配が考えられます。やはりそれが将来の進路につながる訳ですから,いろいろな心配が考えられると思います。 やはり学校ごとに公表しないなというところの※印の表記でいいのではないかと思います。
 次の実施方法の最初の丸の「年間2回程度受検機会を提供し」と「希望に応じた受検を可能とするということを検討する」ということは,学校にある意味自由度を与えた書き方でありますので,「受けなければならない」のではなく,希望すればそのくらいできるということですから,負担等を心配することはないのではないか。やれる範囲で学校が希望してやればいいという,そういう表現でありますのでこれもこのとおりでよろしいのではないかなと思っております。
 もう一つはお願いなのですが,資料1-2の12ページです。専門高校8学科の連絡協議会からの意見提出が載っていまして,これの幾つかを取り入れていただいて本当に有り難く思っておりますが,その中の最初のところ,このまとめの14ページのところに可能であれば少し追加していただきたいことがあります。専門学科等の部分で専門教科ということで工業系だけ出ておりますが,ほかの専門学科もそれぞれありますので複数の学科についても少し書いていただきたいということです。もし可能であれば2行目の標準テスト,かぎ括弧の次に「や,全国商業高等学校協会が実施する「検定試験」等」,ほかにも家庭科などいろいろな学科でもやっているものがございますので,「等がそれぞれの会員校において広く実施されており」というように,もし可能であれば変更していただければと思います。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 伊藤委員。

【伊藤委員】
2点あります。一つは27ページのそのテストの目的を考えると,どの高等学校にもやはり学力については課題があると思いますし,日本の高等学校全体の質の向上ということであれば,その対象なのですが希望参加型と全員参加型,いろいろ御議論はあると思いますけれども,できればより多くの高等学校で活用していただきたいという思いが一つあります。
それから2点目ですが,その結果の活用について29ページのその他の二つ目のパラグラフにありますが,データの公表よりも国・地方自治体においては学び直しへの支援などを強化するといったところに是非活用していただければ有り難いなと思います。
 全国高等学校長協会の中にもこういう文言があります。「指摘されている『すぐれた才能や個性を伸ばす学習機会の提供』や『義務教育段階での学習内容の確実な定着を図るための学び直しの推進』を実施するには,取り出し授業などの特別授業や少人数指導が必要であり,教員加配等の具体的な予算措置が必要である」といったような要望もありますし,学力的にいろいろ課題のある高等学校については,より一層手厚い支援が必要である。そういうことにより学び直しが強化されることになり,どの生徒も将来に向けて生き生きと高校生活を送れるようになる。そのための手段の一つとしてこの達成度テストが使われるということであれば,大変有り難いと思っています。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では北城委員。

【北城委員】
 2点ありまして,最初は27ページのところです。書き方としてはこうなると思うのですが,先ほど阿部委員が就職時などにこの基礎学力の点数が大きく影響するので,点数を取ることに力を入れるのではないかというような懸念を話されました。けれども,ほとんどの企業はこういう試験の成績の点数で学生を採るというよりも,その子供がどういうような意欲を持って仕事に取り組もうとしているのかとか,自分で考える力があるのかとか,人とうまくコミュニケーションができるのかとか,そういう要素の方を大事にしていると思います。社会に出てからも,問題には正解があって,子供はそれを解く力が学力だと思ってしまうことを懸念します。実社会では問題が何か分からないし正解も何か分からないことが普通なので,余りにもこの点数を重視して,問題を解いて高い点数を取ったらいい子供だという,そのような発想にならない方がいいと思います。そういう意味では余りこの成績に固執しない方がいいのではないか。ここには一応,一般入試に活用することは控えるようにと書いてあります。ここは高等学校教育部会なので,それはそれでやむを得ないと思うのですが,本質的には大学は試験の成績で学生を選ぶということをやめるべきです。これは高大接続部会で議論されるのでしょうけれども,基本的には推薦入試・AO入試などが基本になるという方向に持っていった方がいい。点数にこだわるような教育ではなくて,学ぶ意欲とかそれを人に伝える意欲とかいうようなところが,実は社会に出て大事だということが1点目です。
 2点目は28ページの受検の回数です。年2回で高校2年,3年と書いているのですが,あまり試験の回数を増やす必要はないのではないかと思います。基本的には高等学校で年2回程度とする。あとはどうしても受けたい人は受けてもいいけど,要は点数を取ればそれでいいのだという発想を変えて,最低限ある程度の水準は達成したということが確認できればいいと思うのです。教育の質を高めるためにはこういう試験の成績ではなくて,通常の学校の授業でどういう成績をとっているかということで十分対応ができます。何回かやって点数を高く取ったらいいのだという発想そのものを変えた方がいいと思います。
 追加で,これは高等学校教育部会で関係ないのかもしれないですけれども,到達度テストの発展レベルの話が余りこの中には出てきてないようです。高校を卒業する子供の半分以上は大学に行くので,もう少し発展レベルについても書いていただきたい。これから検討すると書いてあるのでそれでもいいかもしれませんが,もし意見が言えるのでしたら,一言申し上げたいと思います。これは高大接続部会に対する意見なのかもしれませんけれども,この発展レベルもそれで入試を行うという発想にしないで,発展レベルも一つの情報であって,基本的には推薦状とかを重視する,いわゆるAO入試に向かっていく方向の方がいいのではないかと思います。何回か私は言っているのですけれども,アメリカの大学で個別の入学試験をやっている大学はありません。基本的にはこういう共通的な学力も一つの要素であって,そのほかに高校時代に何をしたかとか推薦状とか,大学に入って何をしたいとか,いろいろなことを考えながら大学が主体的に学生を選ぶべきです。出た問題に正解を出す能力を大事にして子供を育てると,その後,社会に出てから実際の仕事の場で役に立たない人間の態度というのでしょうか,常に誰かが問題を出してくれて答えは必ずあるのだという発想になります。そのような教育からだんだん変えていった方がいいのではないかと思います。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では,比留間委員,どうぞ。

【比留間委員】
 すみません,審議のまとめの段階なので発言しようかどうしようか迷っていたのですけれども。
 この制度,多分,実に分かりにくい。この発展レベルと基礎レベルの関係が実に分かりにくい。この議論が分かりにくいと考えています。レベルをどのように設定するのかということがありますけれども,大学との接続とか何とかというのは一つに絞った方が私はいいのではないかと考えています。基礎レベルのテストをAOにしろ,推薦にしろ,使うというのは先ほど絵に描いた餅という御意見がありましたけれども,本当に妥当なのかどうなのか。質保証ということで考えるのでしたら,やはり高校教育の質保証の中で考えていくべきで,それを機能させるためにAOとか推薦と連動させるというこの考え方というのは,今の高等学校の多様性を考えたときに余り実態に合ってないのではないかという感じがしています。高等教育との接続,これはAOを含めてですけれども,接続を考えるのであればそれはやはり一つの手段のもので考えていった方がいいのではないかという感想をずっと持っています。審議のまとめまできているからと少し迷っていたのですけれども,感想というか意見というか,私はここのところはよく整理した方がいいのではないかという気持ちを強く持っているということを申し上げておきたいと思います。

【小川部会長】
 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょう。では,荒瀬委員,どうぞ。

【荒瀬委員】
 現場の様々な懸念というのは当然あると思います。そもそもどうしてこういう議論を始めたのかというと,高校生たちの力をどのようにして引き出していくのかということに課題があるということがスタートラインだったと思うのです。どのようにしていったらいいのかということを考えていくということで,この部会の議論を基にして全国の高等学校関係者,あるいは高等学校を取り巻く方々が様々な御意見を下さるというのはとてもいいと思うのですけれども,しかしそのときにさっきも言ったことと重なりますが,懸念を並べるだけではなくて,どうすればそれを乗り越えていけるのかということを考えていかないといけないのではないかと思います。
 ひとつ申し上げたいのは序列化という問題です。例えば京都では塾が高等学校の偏差値の序列を出しています。公立高校,私立高校全て一つの高等学校の中の学科別も出しています。そういうものが出回っています。これは,しかし相当怪しいです。母数が大きくない模擬テストの結果だけで序列を決めています。そういうものが現に出回っているという事実も私たちは見ないといけないと思っています。それならばどれぐらいの学校が参加するかは別として,しかもどういった問題,どういった実施方法,どういった活用方法ということが今後検討されなければならないわけですけれども,この結果が公表されることが,今,現に出ている怪しげなデータに基づく序列化と比べて意味のあるものかどうなのかというのは考えてみる必要があると私は思います。
 先ほども申しましたがテストで点数が取れるか取れないかということだけで学力が高い,低い,高い人はいい,低い人はよくないという発想というのはそもそもこれ,私たち大人たちがずっと持ってしまっていて子供たちをそのように見てきてしまっている。そこを私たちも乗り越えないといけないし,また子供たちにはそういったものを乗り越えていけるような力を付けていくというのも私は高校教育の非常に重要なポイントであると思います。
 序列で下であったとされても自己有用感とか自己肯定感が持てるようなよさを引き出すというのが,教育には求められていると思うのです。
 小学校,中学校で全国学力学習状況調査が行われて,少なくとも京都市の小学校,中学校の教育内容は変わりました。学校教育は極めて強い影響を受けました。私はそれを大変よかったと思っています。誤解を受けるような表現をいたしますが,学習指導要領からだけ読み取ってどのような授業を組み立てていくのかを考えるのは難しい。2012年8月の中教審答申で示された新たな学びをデザインする指導力というのはどういうものなのかということが全国学力学習状況調査によって具体的に学校に明らかにされました。
 ですからこのテストは,そういう意味で重要な意味を持つと思います。学校教育に大変影響を与えますし,また与えないようなテストなら一体何のためにするのかということだと思います。そういったことも含めて今後,実際どこが作ってどのような形で実施していくのかという議論に移っていくと思うのですが,その際にやはり私は全国の高等学校の校長が責任を持って自分たちの生徒をどうしていくのかというのを考えるということが一番大切だと思いますので,今後具体的に制度設計をしていく段階ではそういったことも視野に入れていただければ大変有り難いということを思います。
 以上です。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では野上委員,どうぞ。

【野上委員】
 私の先ほどの発言に関してですが,多少誤解を招きかねない表現をしてしまいましたので発言の真意について補足説明をさせていただきます。
 私が申し上げた「テスト結果の公表」は学校の序列化,優位性を測る物差しとしての公表ではなく,その後の教育指導に当たって極めて有益,有効な資料・材料が公表結果に内在されていることから申し上げたのであります。ところで私が申し上げる公表とは設問ごとの「正誤答率」の全国・地域・学校ごとの公表でありまして,ある設問に対して学校間,地域間に著しい差異があるとすればそれ自体が指導の課題箇所となりますので,その後の指導に資するのではと思い,先の発言になりましたことを申し上げておきたいと思います。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 では,川嶋委員,どうぞ。

【川嶋委員】
 35ページの終わりの二つ目の白丸に3行ほど書かれていることについてです。そのとおりのことしか書かれていないのですけれども,この審議まとめが部会から最終案として出た場合,ここに書かれている国や地方公共団体,学校等において,それから関係機関でしっかり連携を図りながらとありますが,審議まとめが認められた後の具体的な手続とかアクションということについては残念ながら何も書かれておりません。文部科学省の関係者の方がおられますし,それから東京都の教育長さんもおられますし,高等学校の校長先生もおられるのですが,これを関係者はどう受けとめて,どういうアクションを起こすのか。そういうことについて何か見通しというのはあるのでしょうか。その辺をひとつ,お聞きしたいのですけれども。

【小川部会長】
 まだ制度設計もできてない中で何か言うというのはかなりしんどいことかと思うのですが,事務局の方から何かあります?

【小林教育制度改革室長】
 今,部会長がおっしゃったとおりで,まだ具体的には考えられてございません。ただ,前から川嶋先生がその点,御指摘いただいておりまして,審議のまとめ案では十分にその点は反映できなかった訳ですけれども,これが実際に制度設計された際にはそこがきちんと役割分担なり役割なりはっきり分かるように周知していくことが大切かと思っております。

【小川部会長】
 よろしいですか。

【川嶋委員】
 はい,すみません。

【小川部会長】
 ほかに。では,北城委員,どうぞ。

【北城委員】
 今,言われた箇所に関係して,35ページの最後の「なお」のところのですが,「なお」以下にも非常にいいことが書いてあるのではないかと思います。何でここを消さなければならないのでしょうか。教育再生実行会議で学制改革も議論されるのでしょうけれども,特に高大接続部会等については,ここで出ているような意見は非常に重要な情報として検討していただく必要があると思います。何でこれを消さなければならないのでしょうか。

【小林教育制度改革室長】
 失礼いたしました。この部分,御説明申し上げておりませんでしたが,単純に今の時点で再生会議では例えば第4次提言が出ており,また状況が少し変わっておりますので消させていただきましたが,最後にこれがまとめの案が取れる段階において適切な表現が必要あれば部会長と相談して入れたいと思っております。単純に経過の点について今,正しくないので削除したという趣旨です。

【小川部会長】
 よろしいでしょうか。
 再生会議のあれが,たしか7月に。

【北城委員】
 そこはいいのですが,私はどちらかというとその後ろ,高大の方の検討内容を消す必要があるのかというのが気になりました。

【小川部会長】
 ああ,はい,分かりました。
 その点は今,事務局の説明があったように高大接続部会の最終答申というか答申まとめが出た際にその関係先を含めて最後,必要な記述はさせていただくということにいたしたいと思います。
 皆さんの方からも全員の方に御意見,それぞれ伺ったのですけれども,もしもなければ副会長の安彦さんに最後,御意見を頂いて終わりにしたいと思います。

【安彦副部会長】
 いつも最後で恐縮なのですけれども,今までのお話を伺っていて,やはり最初に私たちが,特に到達度,今の達成度テストの問題を,議論を始めたときの趣旨は何だったかということで考えさせられました。
 高校教育の質の確保・向上ということが狙いでしたので,改めてそういう趣旨の原則的なところを一貫させていければよかったなと思うのですけれども。一応全体としてはそれが一貫されていると思うのですけれども,例えば先ほどの序列化のお話ですけれども,和田委員が紹介されたPTA連合会の先ほどの資料の文章などを見ますと,少しこれは私の認識ではなかったので,え?と思ったのですけれども,発展レベルの方の受検をすれば,基礎レベルの方の受検は不要になると,こういう受けとめが少なくとも相川委員の認識ではあったようですね。
 このことについて私は,はっきりそう思っておりませんでしたし,それと基礎と発展の先ほどのお話のようにテストの違いをはっきりさせろと言っていることもあるわけで,そういう趣旨で言えば,とりわけ発展レベルの方は,これは基本的に選抜に関係する。基礎の方は正に到達度のみの趣旨ですから,その違いをもっとクリアに本当は出したい。ただ,これは校長会,高等学校の校長会等から出てきた推薦入試やAO入試のときに使えるような,あるいは就職のときに使えるようだったらいいでしょうという,そういうお話をある意味で受けて,到達度テストとして,あるいは達成度テストとして選抜性のないものとして作られるものだという,そういう認識で踏まえておいていただければそれでいいのですけれども,問題はそこでそういう認識がきちっと関係者に理解されるかどうかだということだと思います。
 やはりそのニュアンスの違いをはっきりした文言でどこかに表せると本当はいいと思います。つまり少なくともPTA連合会の方の懸念である基礎レベルのテストの受検をしないでも発展レベルの受検ができるとか,あるいは発展レベルを受検すれば基礎レベルは免除されるとかという,こういうのは誤解だと私は思うのですけれども,こういうことのないように,どこかはっきりさせておかなければいけないと思います。
 それからもう一つは今のお話と関係がある訳ですけれども,やはり問題はテストだということで,どうしても皆さんが,数値的な成績の出し方,あるいは証明として何を出すのかという出し方のところをもう少し今のような趣旨を念頭に置いたものにする。ですから,選抜性あるいは序列化に結び付かないような成績の出し方,あるいは証明の仕方という,そこのところをどうするかというのをもう一つ詰めておく,あるいはまたそういう言葉をどこかで入れるというようなことが必要かなと思いました。
 最後に,改めて高校教育の問題をこれまでこれだけ議論してきた訳ですので,その今のお話のようにここで学力の問題だけで高校教育の質をどうこうするというのは皆さんのお考えでもいろいろな意味で疑問が出てくるという,そういうことだと思うのです。
 学校は学力しか付けないという荒瀬先生のお話はありましたけれども,私は学力は確かに学校の主たる責任だと思いますが,人格の形成も教育の一環としてやはり学校も協力すべきだと思います。そういう意味では人格形成は全体的なことですから,学校と学校外とで協力しなければできないものであり,そういう面をもっと考えて欲しいと思っておりますけれども,そういう面で改めて学力と人格の関係を少し考えております。
 一言で言えば,どんなにすぐれた学力を育てたにしても,それを使う人格というか主体がいいかげんでは誰もそれはすぐれた学力を持っていてもその人を信用しないだろうと思うのです。そういうニュアンスをいつも考えておりまして,学力は手段であってむしろ主体こそがきちんと育てられなければいけない。その学力をどう使うかは主体が決めますから,そういう主体形成というのが中等教育の時期の一番大事な課題だと思っておりました。
 ですので,改めてこういう部分についての押さえといいますか,学力がどれほどきちっと到達,あるいは達成されているかということについて押さえることは一つの道具としてこういうものが必要だと思いますけれども,そういうある種の部分化するというか,相対化するような位置付けというのをはっきりとさせておかなければいけないかなと思います。
 しかしいずれにしましても,この段階ではもう細部的な審議のまとめの段階ですので,上記の課題を今後の議論の中に是非含めていただきたい。特に実施主体について私は前からずっと言ってきましたけれども,実施体制あるいは実施主体がまだ曖昧ですので,そういうことも含めて今後の課題にきちっと含めて検討を進めていただきたいと思います。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。それでは今日は全員の方からいろいろな御意見を頂きましてありがとうございました。今日頂いた内容をこの資料3の審議まとめ案にどのように反映させていくかということについては,少し私の方に一任させていただいて,事務局と少し相談しながらやはり貴重な加筆修正が必要であればその辺は少し考えていきたいと思っています。御意見の中にはナイーブというか,そういうようないろいろな御意見もありましたので,それをどういう形で入れるのか,入れないのかということも含めて少し部会長の方に一任させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 今日で28回ということで約2年半この高等学校教育部会の議論を進めてきました。今日で先ほど頂いた皆さんからの意見を最後の集約機会としまして,できましたら今日でこの部会を終わらせていただければと思います。
 今日,いろいろ御意見が出されました。特に達成度テスト,基礎レベルに関わるいろいろな御意見についてはこの審議まとめ案に書き込むというよりも具体的な制度設計のプロセスの中でいろいろ留意して欲しいというような御意見の方がかなり多かったと思いますので,今後,発展レベルと一体的に基礎レベルのテストの制度設計が行われていく過程の中で十分検討いただければと思います。その辺,文部科学省の方によろしくお願いしたいと思います。
 それでは最後に今後のスケジュール等々について事務局から何か御連絡がありましたらお願いいたします。

【小林教育制度改革室長】
 はい。今後のスケジュールといたしましては中教審の総会で本件について御報告させていただくことを考えております。
 また別途,高大接続特別部会では夏を目途に答申がまとめられる予定でございますので,引き続きそちらでの審議が予定されております。その中で高大接続特別部会の方のまとめの過程で大学側からの要請として高校部分の御意見について御意見を頂くこともございますので,その場合にはそちらにも高大接続部会の審議のまとめの中で対応させていただく可能性もございますので,御承知おきいただければと存じます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 今,事務局から御説明ありましたように,今日頂いた意見を反映させた審議まとめの内容については6月30日ですね。中教審総会がございますので,その場で私の方から総会の方に御報告させていただければと思います。よろしくお願いします。
 あと最後,部会は最後ですので事務局の方,文部科学省の方から何か,一言御挨拶でもあればよろしくお願いいたします。

【望月主任視学官】
 失礼いたします。本日の議論も含めまして2年半にわたりまして大変多岐にわたる観点から多様な御意見を頂きまして大変ありがとうございました。
 途中,委員の交代もございましたので2年半という形での通しての委員という任期の方でなかった方もいらっしゃいますけれども,高等学校にわたる多様化の中での今後の充実方策やあるいは方向性につきまして議論を頂きました。達成度テスト,基礎レベルのテストということも具体的に本日も含めて議論をたくさん頂いております。
 さらに,検討を具体的にしなければいけないものにつきましては,文部科学省としましても真摯に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 また本日頂いた審議まとめ案,少し部会長と相談しまして修正したものをまた送らせていただきたいと思っておりますけれども,各学校におきましてこの審議まとめ案を存分に生かしていただき,また我々としても施策化できるものについては積極的にしていきたいと思っております。
 2年半にわたる御審議,本当にありがとうございました。お礼申し上げます。どうもありがとうございます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 今,審議官がいらっしゃいましたので,審議官,一言何か,御挨拶あればよろしくお願いします。

【藤原審議官】
 すみません,遅れまして大変恐縮です。今,局長の代わりに望月リーダーに挨拶をしていただいていると思いますので,そういうことで大変お世話になりました。また引き続きよろしくお願い申し上げます。

【小川部会長】
 ありがとうございました。
 それでは2年半,本当にお付き合いいただきましてありがとうございました。これで高等学校教育部会,閉会をさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

―― 了 ――

お問合せ先

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-- 登録:平成26年07月 --