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資料3 高等学校教育部会(第16回)における委員からの主な御意見

1 本部会における検討の背景・経緯、高校教育の現状と課題認識に関連した意見

1. 高等学校教育部会における検討の背景とこれまでの検討経緯

  • 高校無償化について触れているが、私学は完全に無償化されているわけではないので、そのようなニュアンスも入れて欲しい。

2. 高校教育の質保証をめぐる現状と課題認識

  • これまでの高校教育改革について力点が置かれて書かれているが、多様化した結果、教育という点で(質保証の問題だけでなく)幾つかの課題があるということが、共有されている課題認識ではないか。
  • 「多様化」という文言を多く使用しているが、何の多様化を指しているのかわかるように記載すべき。
  • 労働市場・社会の変化についても記載すべき。
  • 多様化政策はそれなりに意義があったとしても、やはり出てきた問題について、一定の反省を加えようということだろうと思うが、多様化を評価しすぎる言い方がある。
  • 大学入試選抜の機能低下の原因に推薦入試やAO入試をあげているが、センター入試を大学・短大進学希望者の8割が受験している事実を考えれば、このようなことは簡単に言えないのではないか。高校全体の3割は私学だが、その約半分は大学附属系列であり、推薦入試で大学に進学している。推薦入試、AO入試で入学している生徒の学力が問題であるというのは、偏った見方である。
  • 現在、4年制大学に入学している学生の4割くらいは、大学が行っている入試を受けていない。また、調査によると高校生の6割くらいは高校3年生の時でも、授業以外で勉強していなく、学習の習慣ができていないことが大きな問題。このような生徒は大学に入っても学習時間は少ないし、就職率も悪い。このようなことを見ても、大学の入学者に学力上の問題がないということは絶対にないと考える。

2 コアに関連した意見

1. コアの要素についての捉え方

  • コアについては、整理の仕方が非常に難しく、突っ込んでしまうと議論が錯綜し、収拾がつかなくなるので、どういった点を押さえていくことが必要なのかを共有していく形でまとめるべき。
  • 労働に関わる権利・義務と、労働相談窓口などを通して、それに対処できる能力について、コアの事例に入れて欲しい。このようなものは高校時代に全員勉強するものにして欲しい。
  • 現在のコアはあらゆるものがコアと呼ばれており、最低共通項をまとめている。次期の中教審で、もう少し整理していくべき。
  • コアの要素の捉え方に、人の言うことを聞く、何を言っているのか聞く力、折れない心といったような受け取る側も必要と考えていたが、コアで全ての能力を網羅することは不可能と感じた。
  • 人と討論する力が弱いので、日本の教育で培ってきた、勤勉さ、他者への思いやりなどの良い部分をベースにこのような能力をつける議論をして欲しい。

2. 必履修教科・科目等と「コア」との関係

  • 高等学校の教育は全人的な教育も含むので、身に付けるコアについても、日々の授業で大きく関わる要素と課外活動等に大きく関わる要素に分けて、指針のようなものを示していくことが必要なのではないか。
  • 必履修教科・科目だけでなく、総合的な学習の時間をもっと大きく取り上げるべき。総合的な学習の時間は、コアの重要な要素とも言うべき課題解決力を養うことを目的としており、今回の指導要領改訂では、卒業単位化もされている。

3 評価の仕組みに関連した意見

1. 全ての生徒に身に付けさせるべき「コア」と評価

  • 高等学校の教科自体は非常に多様化してしまったが、それが具体的な社会生活に結びつくか、自分で積極的に学習する目標を形成することになっているのかと言えば、それはあまりそうではないので、そういった意味での基礎的な学力は身に付けさせる必要がある。

2. 基礎的・基本的な知識・技能と思考力・判断力・表現力等の評価

  • PISAの調査結果で、読解力や記述式の問題に無答率が高いことの解釈は、学習意欲や粘り強く課題に取り組む態度が足りないのではなく、生徒が試験は知識を問うものと思っているからではないか。このような現象は、普段、思考力や表現力を鍛えていないからではないか。
  • 言語能力とか数理能力等の基礎の基礎の部分を固めておくことが、人間としての信用のもとになっているので、そういうことについて、高校レベルで社会的に示すというようなことが最低必要だと考える。
  • 勉強して、思考力・判断力・表現力など、世の中を生きていくのに必要な力を身に付けることが大事なんだということを生徒に対してどう伝えるかが大事。
  • 小・中学生が行っている全国学力調査のように、現状を把握するための調査なのか、大学受験前又は就職前の生徒一人一人の習得状況を確認し質保証を行うための調査なのか曖昧なので、どちらなのか書き込む必要がある。
  • 到達度を把握するような共通的な調査の仕組みは、各校長会が実施している検定試験やジュニアマイスター顕彰制度、全商1級のように生徒の学習意欲につながるようなものであって欲しい。
  • 共通テストについては、受けることについて具体的なメリットがあるかどうかを考える必要がある。ただ受けるだけでは意味がないし、モチベーションの向上にも繋がらない。
  • 多様化を推進する一方でテストを実施するのは逆行している。多様化を推進する一方で、それを狭めるような行動ではないのか。
  • 「生涯にわたって自ら学んでいく上で必要となる学力」という言葉が出てくるが、これがどういうものかを考えて、評価するシステムが必要。
  • 全国規模の調査の仕組みの検討に当たって、具体的な記述が記載されていないが、生徒にメッセージを伝える意味でも方向性は決めるべきではないか。
  • 学力の向上を図るための共通テストなのか、到達度を測るものなのかなど、学力テストはどういう意味があるのかということは最低限押さえないといけない。
  • 全国規模の調査の仕組みについては、どのように活用するかが大切であり、目的意識を学校も生徒も高めていけるようなものにするのが望ましい。
  • 定時制・通信制の生徒にとって、全国規模の調査を行うことは良いのか危惧する。共通に評価をする必要性は本当にあるのか。
  • 共通テストは大学との関係で到達度が足りない生徒がいるという問題意識に基づいて議論されていると思っているが、それならば高大接続部会で大学入試の改善から議論して欲しい。今、この部会では共通テストを最低限の保障という意味で全国規模でやろうとしているが、大学との関係を発端としていることから考えれば矛盾を感じる。
  • 全国一律の学力調査を考えているならば行き過ぎだが、最低保障ということであれば、それを必要としない高校あるいは生徒もいるので、希望する学校や生徒を対象に国が全体としてやるのであれば意味がある。高等学校は、入学者選抜が既に行われているので、一律で全国調査のように全ての生徒に課すことは避けて欲しい。
  • 共通試験は手段であり目的ではないため、疑念の意見が出る意味もわかるが、手段の一つとして、社会的な不信感を払拭し、そういう広く社会から求められていることに対して応えるという一つの姿勢は示さないといけない。共通に何かを求めるのは無理ではないかという意見があるが、それでは学習指導要領も、共通必履修教科・科目を設けることもだめなのかとなってしまう。
  • 全国規模の調査の仕組みは、学習の目標にすることが念頭に置かれており、それに伴って学校の指導もできるようにするということが重要なので、誤解を生まないために、そのような観点をもう少し入れるべき。

3. その他の幅広い資質・能力の評価

  • その他の幅広い資質・能力の評価は、非常に大事なので、全ての高校で扱う時間の設定というようなことも視野に入れて考えないと評価ができない。
  • その他の幅広い資質・能力の評価をしようとすると、一番キーになるのが教職員の能力あるいは学校の教育方針であり、教職員がどのような教育力を発揮していくのかについても検討する必要。
  • その他の幅広い資質・能力に大事なものがたくさん含まれているが、このような能力を身に付けさせるためには、高校卒業の時に、今までの勉強の中から論文を書き、それを短くまとめて発表させて議論することが大事。議論のためにはコミュニケーション能力が必要になるし、社会に出てから必要な能力の土台がこのプロセスには含まれる。
  • 求められている力をどのように身に付けさせるのか、例えば、論文を書かせるとか、発表させて議論させるというように、どういった教育活動が必要なのかという議論が抜けている。
  • 一人一人の生徒について、小学校から大学までの一続きのカルテのようなものを作らないとグローバル社会で通用する人材、雇用に結びつく人材の育成には繋がらないと考える。

4 その他

  • 今期の部会では、コアとして身に付けなければならないもののまとめと、それをどのように評価するか保証するかということについては、これから検討する必要があるというような形でまとめれば良いのではないか。
  • 習得させるには、学習時間の確保が大切。この学習時間は、家庭学習の時間だけではなく、高校での授業時数の確保も重要。これに加えて指導方法の工夫が必要。
  • 世の中の情報技術の進歩が早くて、高校で教えている内容が世の中に合っていない部分もある。教科・情報を技術・情報科という名前で新しいものに組み替えて、ものづくりを全生徒が教えてもらえる機会をつくって欲しい。
  • 産業界の声をストレートに高校側に聞いてもらうことがあって欲しい。

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初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成25年01月 --