資料3 委員からの御意見

すべての高校生が共通して身に付けるべきものとしての「コア」について

2012年10月9日 高等学校教育部会
京都市教育委員会教育企画監 荒瀬克己

 第13回部会に欠席しますので,極めて雑駁ですが,「コア」について所感を述べます。

 「コア」については,何を履修したか,学んだかということも重要であるが,むしろ何を身に付けたか,何ができるようになったかという点を重視すべきである。また,すべての生徒が共通して身に付けるべきものとして考えるならば,高等学校と生徒の多様性を考慮して,基本的に重視すべき点を挙げることが必要である。
 そこで,将来自立して生きていくことになるすべての高校生が身に付けるべきものとして,学び続ける力の基になる「学習意欲」と,社会に参加し参画するための「市民性」を,「コア」として養うこととしてはどうかと考える。
 学習意欲とは,自分にはまだ知らないことが限りなくあるという認識に立ち,それらに対して謙虚かつ主体的に学習しようとする態度である。市民性とは,市民としての意識に基づき,社会や他者との関係の中で自らの務めを担おうとする姿勢である。
 現在,80パーセント以上の生徒が大学・専門学校等への進学ないしは進学準備をし,高等学校卒業後にそのまま社会人となる生徒は減少してきている。しかし,高校生は,いずれは社会の一員として,職場や家庭,地域,友人関係の中でそれぞれがその務めを担っていく。生徒が社会的・職業的自立を図ることによってよく生きるためには,生涯にわたって学び続けることが必要である。また,いわゆる「グローバル社会」を生き抜くためには,未知や未体験のものごとに対して,自ら向き合っていこうとする態度が重要である。
 新学習指導要領では,体験的に学習することと言語力の向上が重視されている。また,キャリア教育が重要な柱の一つになっており,各高等学校においては,生徒自身が自分の在り方や生き方について考える機会をいかに効果的に提供するかについて,思案を重ねている。具体的な内容や評価の方法等,検討すべき事柄は多いが,それらの学習活動を学習意欲と市民性の向上へつなげるように取り組むことが必要であると考える。

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