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資料5 高等学校教育部会(第11回)における委員からの主な御意見

1 コアの考え方について

  • コアは、教科を枠にマトリックス的に捉える考え方が一つ。もう一つは、コアそのものを総合的な学習の時間で行うというもの。また、その中間として、教科を大括りにして、各高等学校が自分たちの判断で、こういうコンピテンスや能力を作りたいと判断してカリキュラムを作っていくと考えるなど、幾つか考え方がある。
  • コアとなるコンピテンスについては、どれが重要だということが断定できないので、定義だけ見れば多くある。何がコアかを議論すると同時に、高等学校における教育の在り方と基本的な能力、あるいは意欲の形成とをどう結びつけるかが問題になってくる。
  • これまで下からの積み上げで作ってきたが、これからは逆に将来から見下ろして、何を身に付けさせるかということを考えていく必要がある。
  • そもそもコアという概念は成立するものなのか。

2 身に付けるべき能力について

  • 多様性が高まる中で、広い意味の学習意欲は全ての子供に共通するものであり、優劣はない。ここに注目する必要がある。
  • 産業界はよく教育が問題というが、産業界もこれまで教育界にメッセージは送ってこなかった。今、産業界は教育との接続について関心が高い。自己主張・プレゼン力がない人などもいるが、こうした力を身に付けさせる教育が必要であり、学習指導要領における国語力が必要である。
  • 公立の小中学校は教育方法が変わってきているが、高等学校は変わっていないように感じる。やはり入試が影響している。各教科、教科外も含め、思考力・判断力を鍛えていく方法を変えないと日本の高等教育は変わらない。
  • 学校での教育は教科を中心に作られており、その中で子供の能力を引き出すことや考える力を引き出していくことが重要であり、それがコアの在り方だと考える。これは、総合学習やキャリア教育に入れるのではなく、各教科でどう引き出すのかが問題。
  • 大学入試について、フランスでは、試験で哲学を取り入れていたり、数学も論述になっている。そういうことも含めて考える力を身に付けさせるべき。
  • 昔は知識吸収が重要で、社会に貢献できたが、今は知識の活用が求められており、教育の仕組みが時代に対応していない。基礎力は必要だが、考える力、挑戦する力も必要。

3 能力の身に付け方

  • コミュニケーション能力が重要という意見が多いが、前提として伝えたいメッセージがないといけない。幅広い経験だけでなく、論理的思考力を鍛える必要がある。
  • 自己肯定感が低いのは、小中と学力だけで評価されてきたことが原因であり、体験学習や成功体験を導入することで肯定感は高まるのではないか。成功体験をコアの内容として取り入れられないか。
  • 身に付けるべき能力、態度、チャレンジする力など、新学習指導要領でも記載されており、総合的な学習の時間はそれを想定しているもの。各学校で行う総合的な学習の時間を見直すことで相当変わっていくと思う。プロジェクト・ベースド・ラーニングに変えていく事が必要。
  • 日本人の国民意識や慣習、真面目さ、誠実さは失ってはいけない。これは、日本のコア、強みであり、財産である。
  • 体験や失敗等で色々学ばせる必要があるが、学校では授業の中で知識を蓄えさせるだけで、失敗する機会がない。自ら発表し、上手くいかないから改善し、そして達成するという生徒を中心とした授業形態に変えていく必要がある。国際バカロレアはそれをやれており、参考にしてはどうかと考える。
  • 基礎力とそれを活用する能力を身に付けさせることが必要だが、生徒は発言や知識の応用等が好きではないという結果が出ており、授業の在り方を変えていく必要がある。
  • チャレンジすることが大切であり、どの生徒にもチャレンジさせたい。そのためには学校がプログラムを準備し、過程や失敗等を評価し、生徒に試行錯誤させるなどの経験をさせる必要があり、授業もわかるとかできるということが大事。

4 高校生の自己評価について

  • 子供は様々だが、制度だけ多様になっていて、子供の能力をうまく引き出せるような多様な教育はできていないのではないか。
  • 日本の高校生の自己肯定観が低い問題の背景は何か。自分の能力を活かすことを知らずに卒業している生徒が多いのではないか。
  • 中退者を減らすという圧力が学校にあり、最近は中退者を減らすため、合格点を下げてきている。授業の厳しさを乗り越えた達成感が自己肯定につながる部分もあると思う。
  • ネガティブなのは日本人の文化によるものではないか。何でもできると思うことが、本当に良いのか。自分を認識し、何ができるか考える事が重要。
  • 発言させる授業は好きではないという結果は生徒にとって楽だからということだと思うが、そうした状況になっていることは問題。
  • 工業高校においては、授業と実習では生徒の顔つきも全く異なるため、自分に自信がないという統計について、実態と異なると感じている。むしろ、学年が進むごとに満足度や自己肯定する段階が上がっていく。

5 教育課程について

  • 教育課程部会でも共通性・多様性について、そのバランスをどうクリアするかという問題があったが、結論としてクリアできなかったと認識しており、選択必履修科目だったものを1科目にしたとか、多様性については、選択幅を変更していないというような整理がなされたが、これが本当に共通性と多様性なのか議論する必要がある。
  • これまで知識偏重であったのを、思考力を鍛えるようにする必要がある。週30時間で年3年間だと、まず知識の習得に集中せざるを得ないが、得た知識をいかに応用して思考力を鍛えるか。範囲を厳選し、活用することに方向を変えていく必要がある。教育課程を見直し、必履修と整理するか教育目標に掲げるだけとするか、議論が必要。
  • 成績による評価だけだと生徒のやる気は出ない。新しい学習指導要領にあるように、体験学習は重要で、こうしたらうまくいくといった経験を得ていくことが大切。教科の学習を含め、十分頑張れば達成できるという体験を得ることが重要。

6 その他

  • 例えば、数学オリンピックで韓国の生徒は全員金メダルを取っていたが、話を聞くと、兵役免除になるから頑張っている、ということだった。このようなモチベーションはあってしかるべきである。日本では大臣から表彰されるぐらいしかない。
  • 進路を見通して何を教えるかなど、高等学校と大学の接続ですりあわせができておらず議論する必要がある。
  • 大学入試は知識を問うものが多く、入試の在り方を考えないといけない。アメリカの有力大学は、推薦や高校の成績等による多様な評価で行われ、入学試験はないと聞いている。学習指導要領を変えるのも重要だが、選抜を変えることが重要。

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初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成24年09月 --