資料3-4 伊藤委員

平成24年4月23日

中央教育審議会高等学校教育部会・資料1への意見について

東京都港区立赤坂中学校校長 伊藤俊典

1 「2 今後の施策の方向性」について
(1)P4-第2段落について
 「個々人の次なるステップに向けてその能力等を高める」ことは必要と考える。(都立高校では学校の個性化・特色化により、多様な都立高校を作り出していて、この主旨に合っていると思う。)
(2)P4-第3段落について
 「学習内容の修得状況を明らかにする様々な仕組みの構築」については、どのような方針でどのように修得状況を明らかにするのか、具体的な方法を示すことが大切であると考える。
 「高等学校教育の質保証」とあるが、ここでいう「質」とは何を指すのかが不明である。「学力」であるのか、コミュニケーション能力等の社会で通用する諸能力等を含めるものであるのか、具体的に示す必要があるのではないかと考える。
(3)P4-第4段落について
 「必履修教科・科目」については、必履修の教科・科目内容をもっと簡潔に示し、必修得条件にして高校の基本線(=コア)にすべきではないかと考える。
(4)P4-第5段落について
 「各学校の育成すべき人材像に応じて類型を念頭においた施策を講じること」については、これまでの都立高校の個性化・特色化への取組は、正にこの施策に合っているものと考える。都立高校の改革に伴い、東京都教育委員会が実施してきた指導が参考になるものと考える。
(5)P5-第1段落について
 「生徒の能力・可能性を伸長させること」については、高校の進路は中学校に比べ、より多様になり、さらに広範囲に全国が対象となる。こうした多様性に対応できるような高校の教員の指導体制・内容・方法を工夫する必要があると考える。
(6)P5-第2段落について
 多様な生徒や不登校の生徒への対応では、そうした生徒が多い場合、教職員の負担が大きくなることが予想され、本来の授業やその他の教育活動への影響があるものと思う。こうした生徒への対応においては、教職員をサポートできるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の配置が必要と考える。
 また、特別な支援を必要とする生徒についての配慮は必要であり、コアをどう修得させるかが課題となることが予想される。こうした生徒に配慮できる学校を作ることも考えられる。(都立高校ではエンカレッジスクールやチャレンジスクールなどが作られている。)
 なお、中学校では、特別な支援を必要とする生徒への支援員等の配置の措置がされている自治体が多いと思うが、高校ではあまりないのではないかと思う。特別な支援を必要とする生徒への支援員派遣等の支援策も検討すべきではないかと考える。

2 「3 高等学校教育の質保障」について
(1)P7-1イ)について
 「全ての生徒に共通に修得を求めるコアとなる部分」は大切と考える。(コアの部分が共通必修得単位となるのではないか。必修得教科・科目については、必履修科目の内容を精選して簡潔にするべきではないか。)
(2)P7-2について
 到達目標は学校の現状に合わせるべきと考える。教育委員会は学区全体の方向性と基本線を示すべきと考える。
 考えられるコアについては、具体的に示すことがよいのではないか。

3 「4 各種の振興策」について
(1)P9-3つめの●について
 「主として、自立して社会生活・職業生活を営むための基礎的な能力の育成を目指す学校」の振興方策(例)については、精神的な問題を抱えた生徒への対応策についても、常駐のスクールカウンセラー配置やスクールソーシャルワーカーの活用等、当該生徒・保護者・教職員をサポートできる専門的人材の配置が必要と考える。
(2)全ての振興方策で検討することが多くあるが、改善のために多くの施策を行うとき、必要な予算の確保ができることを期待する。

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