ここからサイトの主なメニューです

資料3:学校における配慮事項等(案)

1.学校教育に求めること

(1)教育内容に関すること

○1 障害のある子どもと障害のない子どもが共に学び共に育つ理念を共有する教育

○2 一人一人の状態を把握し、一人一人の能力の最大限の伸長を図る教育(確かな学力の育成を含む)

○3 健康状態の維持・改善を図り、生涯にわたる健康の基盤をつくる教育

○4 コミュニケーション及び人との関わりを広げる教育

○5 自己理解を深め自立し、社会参加を目標にした教育

○6 自己肯定感を高めていく教育

(2)環境整備に関すること

○1 教育のネットワークが形成され、連続性のある多様な学びの場として有効に活用されること

○2 専門性のある指導体制(校長のリーダーシップ、専門性のある教員の活用、指導方針の共有化、チームによる指導)が確保されること

○3 一人一人の状態を把握した上で、個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成・活用・評価するなど、個に応じた指導が行われること

○4 障害の状態に応じた必要な教材が確保されること

○5 障害の状態に応じた必要な施設・設備整備が確保されること

○6 専門性のある教員、支援員、介助員等の人的配置について配慮がなされること

○7 取り出し指導や学びの場の設定など必要に応じて特別な指導が行われること

○8 交流及び共同学習が推進されること

○9 障害に対して児童生徒、教職員、保護者、地域の理解が推進されること

2.学校における配慮事項

 障害のある幼児児童生徒については、障害の状態が多様なだけでなく、障害を併せ有する場合や、障害の状態や病状が変化する場合もあることから、個々の状態や時間的な経緯により必要な支援が異なることに留意する必要がある。
 本配慮事項は、全ての場合を網羅することはできないので、その代表的な「配慮の観点」と考えられるものを以下に示す。また、障害に応じたより具体的な配慮の内容を例示する(※例示は、障害種ごとに現在作業中のもの)。

(1)教育内容・方法

<教育内容>

○1 学習上又は生活上の困難を改善・克服するための配慮

 その障害によって、日常生活や学習場面において様々なつまずきや困難が生じることから、小・中学校等の通常の教育課程による教育にとどまらず、障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識、技能、態度、習慣を養うことへの配慮を行う。

例:

視覚障害

見えにくさからの学習上又は生活上の困難を改善・克服する配慮(座席を前にする、教材や掲示物の明確なコントラストや文字サイズの配慮、わかりやすい板書と読み上げ、採光の調整、見えやすい用具(太字のペン、表示が大きなものさし等)や視覚補助具(弱視レンズ、拡大読書器等)の活用)

聴覚障害

情報不足を補うための配慮(教師の話が聞き取りやすい座席の位置、板書及び視覚的教材の活用、児童生徒の聴覚障害の状態に応じたコミュニケーション手段の選択と活用)

言語障害

発音の明瞭度を向上させるための指導(一斉指導における発音指導への配慮、個別指導による構音指導)

LD

文字を見て瞬間的にその読みを想起することや形の弁別などの未発達な能力を向上させるための指導(音韻意識を高める指導や形を弁別する力を高める指導など)

○2 指導目標の設定

 法律等で定められている教育の目的、学校の目的、学習指導要領に示されている各教科等の目標を前提とし、教育委員会の規則等に従い、地域や学校及び幼児児童生徒の実態に即した学校における指導目標を設定するとともに、幼児児童生徒の障害の状態に応じて、評価規準の調整、指導方法の変更、学習内容の調整、さらには指導目標・指導内容の個別設定を行う。

例:

知的障害

生活指導等において、ルール理解等の実際的な社会性を身に付けていくための指導目標を設定する。(順番を守る、交通ルールを知る、基本的な対人関係のルールを知る)

肢体不自由

状態により、身体の動きを伴う学習等が困難な場合、指導内容を個別に設定する(体育のマット運動で前転が困難な場合、横転に変更する等)

言語障害

他の障害が原因で言語障害を伴う場合には、特別支援学校、特別支援学級等児童生徒の支援を行っている関係機関と連携し、実態把握を行った上での障害の状態に応じた指導目標の設定。

○3 学習内容の変更・調整

 一人一人の障害の状態に配慮し、学習内容の変更や、学習の量・時間の調整を行う。

例:

視覚障害

見えにくいことに配慮した学習内容の変更・調整(時間延長をする、近づいて見ることができるようにする、視覚補助具を活用する、説明を付加する、教材等は見やすいように配慮する、安全を確保する)

聴覚障害

障害の状態に応じた学習内容の変更・調整(外国語のヒアリング等における音量調整、学習室の変更、文字による代替問題の用意等)

知的障害

教科内容の理解の程度等に応じて、学習内容の焦点化を図り、基礎的で基本的な事項を身に付けられるようにする。

肢体不自由

学習の量や学習時間の調整をする(課題数を減らす、時間を延長する等)

LD

学習内容の精選(基礎・基本に重点をかける。習得に時間がかかる場合は宿題で定着を図る など)

<情報保障>

○4 感覚と体験を総合的に活用した概念形成への配慮

 一人一人の認知特性を把握し、それに応じた感覚と体験を総合的に活用できる学習活動を通じて、概念形成を促進するよう配慮を行う。

例:

視覚障害

模型や実物に触る等能動的な学習活動を十分にできるように配慮する。

聴覚障害

聞く経験、言語経験が少ないことによる、いわゆる「耳学問」の不足に起因する、体験と言葉の結びつきの弱さを補うための指導(経験したことを日記・作文等にまとめる、話合いの内容を確認するため書いて提示し読ませる、慣用句等言葉の表記と意味が別の言いまわしになる言葉の取り立て指導など)

病弱

幼少時からの入退院の繰り返しなどによる日常生活上体験が不足、友だちとの遊びなどによる集団としての活動体験が不足しているため、学習に必要な概念が形成できていないことを理解し、それに配慮して指導(治療による体験不足を考慮し、絵やビデオ等を活用して概念形成を図る。衛生面や感染症対策のため直接触ることが出来ない場合には、ビニール手袋をして間接的に触ったりするなどの体験的な活動を通して概念形成を図る。)

○5 情報保障の配慮

 一人一人の障害の状態に応じた情報保障を行うとともに、コミュニケーションの方法を検討するなど一人一人に適した配慮を行う。

例:

視覚障害

見えにくい児童生徒に提供する情報の配慮(小さな文字を使わない資料、拡大コピーした資料の提供、拡大文字を用いてレイアウト変更した資料の提供、掲示物までの距離や文字の大きさの配慮)

聴覚障害

障害の状態に応じた聴覚的情報保障・環境の提供(教師の話が聞き取りやすい座席の位置、話者の音量調整、防音等に配慮した教室環境の提供、集会等でのマイク等の使用、必要に応じてFM式補聴器等などの使用)

自閉症・情緒障害

自閉症の認知特性に応じて、視覚による理解を促すなどする。(写真や図面、模型、実物など)

LD

読み書きに関する補助手段の提供(アンダーライン、拡大、振り仮名など)

○6 認知の特性や身体の動き等に応じた教材の配慮

 一人一人の認知特性、身体の動き等に応じた教材の配慮を行う。

例:

視覚障害

見えないことに応じた教材の配慮(点字教材、触察教材(点図、凸図、模型)

聴覚障害

視覚的な情報、文字情報の積極的な活用(板書、掲示物を多くする配慮、発言を文字に残す、文字カードなどの教材の活用、字幕放送(ビデオ)等の活用)

LD

視覚からの情報に対応して動作を調整することが困難なことへの配慮(使用方法が容易であるもの、器用さをあまり要求しないもの。大きな升目のノートや使いやすい定規など)

○7 ICTや補助用具等の活用

 一人一人の障害の状態に応じて、ICTや補助用具等を活用し、学習の充実を図る。

例:

視覚障害

見えにくさを補う視覚補助具等の活用

聴覚障害

視覚的文字情報の活用(字幕放送(ビデオ)等の活用、プレゼンテーション用ソフトを活用した教材の利用、PC等を活用した情報保障の活用、行事におけるプロジェクタの活用、個人用磁気ループシステム、FM補聴器等の活用)

知的障害

数量や言語などの理解のための教材等を活用する。(フラッシュカード、文字や数カード、数え棒、パソコンなど)

肢体不自由

自助具や補助具の活用(固定されたはさみや包丁、握りやすくした筆記具、片手用の笛など)

病弱

移動範囲や活動量が制限されていたりする場合にICT等を活用して指導

○8 学習機会や体験の意図的な確保

 治療やリハビリテーションのため不足している学習や障害の特性から不足している体験等の機会を補うことができるよう、学習内容・活動を設定する。 

例:

視覚障害

見えにくい児童生徒が気づきにくい事柄(遠いもの、速く動くもの、小さなもの、たくさんの中にあるもの、コントラストのはっきりしないもの)を知らせ、学習できるようにする(拡大したものを見る、触察で補うこと、体験する)

聴覚障害

聞こえにくさから気付きにくい事柄があれば、知らせるように配慮する。(食事中の音等、ドアの開閉音等、他者が迷惑に感じることなどの指導)

<心理面等での配慮>

○9 他の子どもと比べ時間を要することへの配慮

 障害の状態により、他の子どもと比べ時間を要することについては、本人の能力の発達を妨げないように、授業や試験について時間等の配慮を行う。

例:

視覚障害

見えにくい児童生徒に、複雑な図の理解や理科の実験等時間がかかる学習内容について十分な時間の配慮をする。

聴覚障害

発音練習、聴き取りの練習等の個別対応(教科書等の音読の練習、九九の発音等の予習復習時間の確保等、個別指導場所の確保)

肢体不自由

学習の量や学習時間を調整する(課題数を減らす、時間を延長する等)

病弱

病気や学習空白等のため、操作等に時間を必要とする活動や、理解に時間がかかる場合の配慮

ADHD

十分な時間の確保(活動に取り掛かるまでの時間がかかり易いことや活動が断続的になり易いことへの配慮)

○10 実施が困難な活動への補助や指導上の配慮

 障害の状態により、実施が困難な活動についての活動内容・方法の工夫、指導上の配慮を行う。

例:

視覚障害

見えない児童生徒に参加の方法を変える(陸上競技の伴走、表面作図器等での線画)

聴覚障害

球技等、運動競技における音による合図を視覚的に表示するなどの工夫(ホイッスルの警告音を手旗やライト等で代替)

肢体不自由

実施の困難な活動での参加の工夫をする(体育のゲームや音楽の器楽等への参加が難しい場合にはルールや役割分担等の工夫をするなど)

○11 予測できる学習活動の実施など学習に見通しが持てる配慮

 学習予定を分かりやすい方法で知らせておくことや、それを確認できるようにすることで、心理的不安を取り除くとともに、その都度、状況を判断できるようにする。

例:

視覚障害

学習の過程や状況をその都度説明することで、状況を判断できるように工夫する。

知的障害

学習活動等の予定などを視覚化して分かりやすくする。(分かりやすい日課表、活動予定表など)

自閉症・情緒障害

学習内容等の順序などを分かりやすくするために、活動予定表などを活用する。

ADHD

時間の見通しを示す(終了時刻掲示やタイマーによる残り時間の掲示など)

○12 人間関係の構築への配慮

 集団におけるコミュニケーションについて配慮するとともに、他の子どもに対して障害特性等について理解を深めるような教育を行う。

例:

視覚障害

見えない場合、聴覚的な手がかりから相手の意図や感情をとらえられるように指導する。

聴覚障害

相手に応じて伝わりやすいコミュニケーション手段の選択及び活用ができる力の育成(身振りで伝える、絵や図で伝える、文字で伝えるなど)

知的障害

日常生活で必要とされる様々なルールや常識等の理解、あるいはそれに基づいた行動が困難な場合があるので、実際の場面を想像し、相手の気持ちに考えた行動形成

自閉症・情緒障害

人間関係の構築のための技術や態度の獲得

○13 心理状態・健康状態への配慮

 障害の状態と健康状態により指導の内容・方法を柔軟に調整する。障害を起因とした不安感や孤独感を解消し、自尊心を高める配慮を行う。

例:

肢体不自由

障害の状態により登校が困難な場合、柔軟な対応をする(家庭訪問、通信を活用した指導、訪問教育等)

病弱

病気の子どもの気持ちを理解し、状態に応じて弾力的に指導(入院時の不安、病気の進行への不安、手術への不安、退院後の不安等)

自閉症・情緒障害

心理的要因で情緒障害となっている児童生徒については、それぞれの情緒の状態に配慮した指導の工夫

ADHD

怒りや衝動性への配慮(アンガーマネジメント、ストレスマネジメントなどの指導)

○14 自立と社会参加に必要な指導内容の設定

 障害の状態や年齢を考慮しつつ、人間関係作り、学校、家庭、地域での役割作りに配慮する。卒業後の生活や進路を見据えて、一貫したキャリア教育の充実を図る。そのため、体験的活動や就業体験を充実させるとともに、本人が自己選択・自己判断する機会を増やし、自分なりの生き方を考え、主体的に進路を選択できるようする。また、それぞれの発達の進んでいる側面を伸ばすことにより、自分の長所の自覚を促す。さらに、社会適応に必要な技術や態度が身に付くよう指導内容を工夫する。

例:

知的障害

学校生活において、年齢段階を考慮しつつ、知的障害の状態に応じた役割を分担

ADHD

社会生活上のルールの理解と行動の仕方についての指導(謝罪や依頼の仕方、思ったことをすぐに言ってはいけないことなど)

○15 共生の理念の涵養

 それぞれの障害について、周囲の児童生徒や教職員が理解を深め、配慮や支援の環境作りを行う。また、障害の状態により集団活動への参加が難しい時には、集団を構成するメンバーで障害のある児童生徒の参加の方法を考える機会を設定する。さらに、障害のない児童生徒による支援する機会を設定する(教室移動、日常生活動作、学習活動、学級の係活動等)。

例:

視覚障害

見えにくいこと、見えないことについての理解(できることと支援が必要なこと)及び、配慮や支援の環境作り

自閉症・情緒障害

自尊感情や自己肯定感が低下することがないような配慮

(2)支援体制

○1 専門性のある指導体制の整備

 校長がリーダーシップを発揮するとともに、学校全体として専門性の確保に努める。そのため、個別の教育支援計画、個別の指導計画を作成し、指導についての校内の教職員の共通理解を図り、学習の場面等を考慮した役割分担を行う。必要に応じ、学校内の資源(通級による指導、特別支援学級等)を活用や適切な人的配置(支援員等)を行う。

○2 医療的ケアを行うための体制整備

 医療的ケアを安全に行うことができるよう体制を整備する。

例:

肢体不自由

医療的ケアを実施する場所、実施する体制等を整備する(保健室、教室、障害者用トイレ等)。

○3 心理的負担を軽減できる学校・学級における配慮

 障害のある子どもの不安等の心理的負担を軽減できるよう、全体の学習活動に支障のない範囲で学習環境の整備等を行う。

例:

視覚障害

わかりやすい環境作り(下駄箱、ロッカー等よく使うものの位置)

聴覚障害

通常の学級での指導に加え、聴覚に障害がある児童生徒が集まって指導を受けたり交流したりする機会の確保(難聴児童生徒対象のサマーキャンプ、交流会、学習会等)

病弱

心身症や精神疾患等の心のケアを必要とする子どもの増加に対応するため、必要に応じて心理の専門家からの指導・助言を得る(養護教諭や教育相談の担当者等の校内の教職員により相談ができる、スクールカウンセラー等の派遣される専門家により相談ができる、心のケアに関する研修を受けた教職員(臨床心理士や学校心理士等の資格を有する者)による相談ができる、心理の専門家や児童精神科医等による定期的な相談ができる)

ADHD

接し方の配慮(学校教職員全員に最も適切なかかわり方が理解されている)

○4 障害に対する児童生徒、教職員、保護者、地域の理解推進を図るための配慮

 障害のある子どもについて、他の子どもの理解を推進する。必要に応じて、全員に、その障害特性等について理解を深めるような教育を行う。教職員、保護者、地域に対しても理解増進を図るような活動を行う。 

例:

聴覚障害

聞こえにくさの障害について、学校での様々な指導場面を利用して理解啓発に努める。(国語の障害理解に関する単元・教材の時間、道徳の時間、総合的な学習の時間等の指導)

知的障害

外部から分かりにくく、かつ体験が困難な特性、及びそれに応じた教育内容などを十分に理解できるような配慮。

LD

様々な個性があることや特定の感覚が過敏な人がいることなどについて理解するための学校全体での教育

○5 他の学校からの支援体制の整備

 必要に応じ、特別支援学校のセンター的機能や他校の通級による指導、特別支援学級を活用するなど域内の教育資源を活用して支援体制を整備する(特別支援学校の施設・設備等の活用)。また、障害の状態により、小・中学校では困難な活動を特別支援学校でできるようにする(自立活動、作業学習等)。さらに、教育にかかわる学校のネットワークによるノウハウの共有を行う。

○6 関係機関や外部専門家等との連携

 教育センター等地域にある教育資源を最大限活用するとともに、医療、福祉、労働等の関係機関と連携する、あるいは、都道府県等の特別支援教育に係る専門家チームが校内委員会に助言するなどの配慮を行う。

例:

視覚障害

点字図書館等地域資源の活用

言語障害

児童生徒を取り巻く環境の整備(言葉を育てる親の会等との連携による、理解啓発のための学習会、言語障害のある児童生徒同士の交流会、サマーキャンプなど)

自閉症・情緒障害

発達障害者支援センター等の職員等とのケース会議の開催

○7 緊急時の支援体制の整備

 緊急時の対応について、人の動き、避難誘導、危機の予測、避難の方法、避難時の人的体制等、校内体制の確立のためのマニュアルを整備し、一人一人への対応を考える。また、緊急時の対応が十分にできるように避難訓練等に取り組む。

例:

病弱

災害時に、医療機関への搬送や必要とする医療機関からの支援を受けることが出来るよう、子どもの病気に応じた支援体制の整備。

自閉症・情緒障害

緊急時における心理状態の十分な把握と一般の住民と同様には扱えないことに最大限の注意

ADHD

行動を過度に規制しない見守りやパニックの予防

(3)施設・設備

○1 校内環境のバリアフリー化

 障害のある幼児児童生徒、教職員等が安全かつ円滑に学校生活を送ることができるよう、障害の状態や特性、個別のニーズに応じた環境にするために、スロープ、手すり、便所、出入口、エレベーター等の施設の整備計画時に配慮を行う。また、既存学校施設のバリアフリー化についても、障害のある幼児児童生徒の在籍状況等を踏まえ、所管する学校施設に関する合理的な整備計画を策定し、計画的にバリアフリー化を推進することが重要である。

例:

視覚障害

状況に応じ、下駄箱や教室のロッカーをわかりやすい位置にしたり固定したりする。各教室等にわかりやすい目印(色の変化、大きな文字での表示、点字の表示)を付ける。
状況に応じた校内地図を作成して位置関係の理解を進める。 

肢体不自由

校内の移動ができるよう工夫する(教室配置の工夫など)。
 校内の移動ができるよう施設を改修する(段差の解消、スロープ、手すり、開き戸、自動ドア、エレベーターなど)

自閉症・情緒障害

特有の感覚に配慮した施設整備(明るさやちらつきへの過敏性、音や温度、触覚に対する過敏性や鈍磨性)

○2 認知特性、行動特性に応じた施設・設備面での配慮(見えやすさ、わかりやすさ等)

 幼児児童生徒が、それぞれの障害の認知特性、行動特性に応じて、能力を最大限活用して自主的、自発的に学習や生活ができるよう、各教室等の施設・設備について、見えやすさ、分かりやすさ、感覚等に配慮を行う。

例:

肢体不自由

行動上の制約に対して既存の施設・設備が使えるよう工夫する(流しの前に踏み台を置く、上下方向に操作する水道の蛇口のレバーを延長する、座席の位置、安全が確保できる送迎の場所など)

○3 健康の維持に必要な施設・設備の配慮

 幼児児童生徒の学習及び生活の場として、日照、室温、音の影響等に配慮した良好な環境を確保するよう配慮を行う。特に、幼児児童生徒の障害の状態や特性等に配慮しつつ、その健康の保持増進に配慮した快適な空間とすることが重要である。

例:

肢体不自由

指導ができる教室やスペースを確保する(教室内を車いすで移動できる空間、廊下の障害物除去、体位を変換できる場所、休憩スペース障害者用トイレなど)

○4 心のケアを必要とする子どもに応じた施設・設備の配慮

 幼児児童生徒が心にゆとりをもって学校生活を送ることができ、他者との関わりの中で豊かな人間性を育成することができるよう、生活の場として快適な居場所を確保するよう配慮を行う。

例:

知的障害、自閉症・情緒障害

クールダウンなどのための場所の確保

病弱

相談室や箱庭等を使用して指導できる施設・設備の整備

LD、ADHD

教育相談室、カウンセリングルームなどの設置

○5 障害の状態に応じた指導ができる施設・設備の配慮

 一人一人の幼児児童生徒の障害の状態及び発達の段階や特性等に応じた指導内容・方法が十分に展開できるよう、自立活動等の学習指導を支援する様々な教育機器等の導入や施設整備を必要に応じて行う。

例:

聴覚障害

指導環境の整備(絨毯・畳の指導室、防音・遮音式の個別指導教室や通級指導教室などの設置)

自閉症・情緒障害

刺激を遮断して個別指導ができるスペースの確保

○6 災害等への対応に必要な施設・設備の配慮

 地震等の災害発生時に障害の特性に応じた施設・設備を整備する。

例:

聴覚障害

緊急放送を視覚的に受容することができる機器の整備

医療的ケアが必要な場合

非常用電源や手動で使える機器の整備

(4)幼、小、中、高等学校の各段階についての留意事項

○1 移行時における情報の引継ぎを行い、途切れることのない支援を提供することが必要である。個別の教育支援計画の引継ぎ、学校間や関係機関も含めた情報交換等により必要な配慮の内容の引継ぎを行うことが必要である。

○2 発達段階や年齢に応じた配慮を意識することが必要である。子どもの精神面の発達を考慮して、家族や介助員の付添い等を検討する。また、年齢に応じ、徐々に自己理解ができるようにし、その上で、自分の得意な面を活かし、苦手なことを乗り越える方法を身に付けられようにする。さらに、自己理解に加えて、大多数の人々がどのように行動するか他者理解できるようにする。特に、知的発達に遅れがある場合には、幼少期や小学校段階では基礎的な学力の習得、年齢が高まるにつれて社会生活スキルの習得を重点的に行うなど、卒業後の生活を見据えた教育を行う。

○3 私立学校に在籍する幼児児童生徒についても、公立学校と同様の支援が受けられることが望ましい。

3.その他

(1)早期からの教育支援について

○1 生活行動の基礎を築く早期の専門教育が重要であり、適切なコミュニケーション手段、社会生活技能の獲得に向けて最大限に発達を促すよう配慮することが望ましい。本人の意欲・関心を育て、積極的に物事に関わるように配慮しつつ、どこまでできるようになるのかを見極めながら支援することが望ましい。また、保護者が障害に気付いた際に保護者への支援と適切な情報提供が求められる。

○2 体験や経験が十分にできるように配慮することが望ましい。
 能動的な体験や経験ができるよう支援する。また、多様な実態に対応できるよう体験や経験を準備する。特に、視覚障害について、自分で最初から最後まで行い、手順やポイントの理解を明確にできるようにする。経験したことを言語化して、次の活動の予測につなげられるようする。

○3 保護者の障害理解や心理的安定を図るため、支援の充実を図ることが望ましい。保護者の気持ちに寄り添いながら支援を行う、預かり保育や行事等への付添いの代理等の支援の充実、先輩保護者の話を聞く機会の提供、悩みを聞くなどの相談の実施、障害の理解のための研修の実施などが考えられる。また、障害のある子どもが、できるようになったことを共有し成長を確認したりすることも考えられる。 

○4 個別の教育支援計画を活用し、医療、保健、福祉の各機関等の関係機関が連携し、情報共有を図ることが望ましい。また、親の会や学校等関係機関とも連携することが望ましい。

(2)学校外・放課後における支援について

○1 学校が放課後支援サービスや外部機関との連絡を密にし、児童生徒等の生活を一層充実させることが望ましい。その際、障害について理解のある者が配置されるよう配慮する。

○2 通学時の移動支援や通訳介助者等について、福祉サービスの活用や社会的支援の整備等の支援の充実を図ることが望ましい。

○3 生涯学習等の機会が確保されることが望ましい。具体的には、職業教育に関する学習の機会が確保されること、障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服する方法についてあらかじめ在学中に指導しアフターケアを行うこと、学習教室や成人学校など生涯学習に関する情報が本人や保護者に届くようにすること、引継ぎがなされることなどが望ましい。

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)

-- 登録:平成23年11月 --