資料5-10:重複障害(肢体不自由及び知的障害の重複障害)に関する学校における配慮事項について

※ヒアリングを整理したもの

重複障害(肢体不自由及び知的障害の重複障害)に関する学校における配慮事項(案)

[学校教育に求めること]

○命を守り命を育む

 医療との連携により生命の安全を確保しつつ、生涯にわたって健康に生活するための基盤をつくる教育を行う。

○豊かな個性を育む

 人一人の感性や社会性を育み、その子なりの自立的な生活と社会参加を目指す。

[配慮すべき事項]

○1 教育内容・方法

(教育内容を中心に)

1)健康の基盤づくり

  • 医療との連携により快適で安全な学校生活を確保する。
  • 障害の状態や日々の体調を考慮し、健康づくりや学習活動をする。

2)個性を育む

  • 障害の状態を踏まえ、一人一人に必要な基本的内容を重点的に指導する。
  • 多様な経験を通して感性や社会性をはぐくむ。

(教育方法を中心に)

3)子どもの健康状態への配慮

  • 健康状態を確認しながら学習指導の内容・方法を柔軟に調整する。
  • 必要に応じて、たんの吸引等の医療的ケアが受けられるようにする。

○2 支援体制

1)専門性の確保

  • 重度・重複障害の理解と教材開発に専門性のある教員を配置する。
  • 障害の状態に応じて、専門性のある教職員と連携して個別の指導計画を作成する。
  • 必要に応じて看護師を配置する。
  • 必要に応じて、専門の医師、理学療法士、作業療法士等の指導・助言を受ける。

2)チームによる指導

  • 子どもを担当する教員、各障害について専門性のある教員、養護教諭、栄養士等の学校職員等が連携・協力する。
  • 必要に応じて、学校の教職員と外部の専門家が連携した指導する。
  • 必要に応じて、医療的ケアを安全に実施するための校内体制及び地域のバックアップ体制を整備する。

3)通学への配慮

  • 登下校における車から車いすへの移乗等を支援する。
  • 通学バスの配置が望ましい。

○3 施設・設備

1)健康づくりに配慮した教室等

  • いろいろな姿勢やいろいろな動きができるスペースのある教室を設置する。
  • 必要に応じて、食事や医療的ケアに対応できるよう給排水や電源等を設置する。
  • 必要に応じて教室および体育館ホール等の冷暖房を整備する。体温調節機能が低下している子どもがいる場合には、必要に応じて加湿器や空気清浄器などを設置する。
  • 排泄、着替え、清潔指導等多様な用途に活用できるトイレを設置する。
  • 保健室には、必要に応じて医療ニーズの高い子どもや医療的ケアに対応できるようなスペースと医療機器等、緊急用の吸引器、酸素ボンベを設置する。

2)校内の移動(アクセスビリティ)

  • 段差の解消、スロープの設置などによりバリアフリー化を図る。
  • エレベーターの設置が望ましい。

3)災害等への対応

  • 災害時に障害のある方への対応ができるよう非常用設備の整備や食料等の備蓄をする。

○4 その他

○早期からの教育支援について

1)早期からの療育

  • 乳幼児期から医療の提供とともに発達の支援をする。
  • 早期からの療育における支援方法等を学校に引き継ぐ。

○学校外における支援について

1)放課後生活の支援

  • 放課後や課外活動では、ボランティアや、福祉関係者と連携して一人一人に応じた豊かな活動ができるように支援する。

 

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