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資料5-9:注意欠陥・多動性障害に関する学校における配慮事項について

※ヒアリングを整理したもの

注意欠陥多動性障害に関する学校における配慮事項(案)

[学校教育に求めること]

○児童生徒一人一人の特性に配慮した教育

  • ADHDのある子どもの場合、LDや自閉症及びそれに類するものの合併が多く見られるため、児童生徒一人一人の特性を把握して、個々のニーズに合わせた教育を行う。

○一般就労できる力の育成

  • 多くの場合、福祉の手帳制度によらない一般就労が想定される。自己の障害をカバーし、能力を最大限発揮できる力を育てる。

○学級・学校経営のための具体的な職員研修

  • 学校内でのいじめ防止のための人権教育を視野に入れた研修を行う。

○家族支援

  • 宿題提出など自己管理が苦手な子を育てることに多くの悩みを抱える母親に対して、虐待防止を視野に入れたトータルな支援を行う。

○クラスメートによる支援

  • クラスメートが自然な支援ができるよう指導する。
  • 周囲の人の支援があれば、職場での定着率をあげ、社会で活躍する人材を増やすことができるため。

[配慮すべき事項]

○1 教育内容・方法

○ADHDの特性を理解した指導

  • ADHDのある児童生徒には、不注意・時間や物の管理、衝動性、多動・多弁などが見られる。また、体得型の学習スタイルが特徴である。
  • これらの特性を踏まえ、以下のような指導をする。
  • 表面的な行動を叱責することなく、自信が持てるようにする。
  • 作業記憶が弱いため、指示は短く簡潔にする。
  • フローチャートなど視覚的な情報を活用する。
  • 衝動性抑制のためのセルフモニタリング力を育てる。
  • 適切な行動をおだやかに提示する。
  • 注意散漫になりやすいので、不必要な掲示物を減らす。
  • やる気が高まる言葉がけを行う。
  • 宿題や教科書・教材・プリントの管理の方法を具体的に繰り返し指導する。
  • 発言や移動に関して事前にルールを明確にし、適切に発言・行動できるよう支援する。
  • 特別支援学級在籍や通級による指導を受ける児童生徒への対応については、通常の学級と密接な連携を進める。
  • 本人の自尊感情に配慮した指導を行う。
  • 通常学級でのクラスメートに対するいじめを無くし、居場所を確保する。
  • 実体験を重視した指導内容を充実させる。
  • 2次的な障害や虐待などに応じた指導法を選択する。

○能力を発揮するための学習コーチング ※コーチング;目標達成に導くための様々な援助

  • スケジュール、提出物や物の自己管理が苦手であるため、学習で実力を発揮できないことがある。学習方法についても指導する。

○2 支援体制

○同一学年に所属する教員など、関係職員間の情報共有

○学校としての専門性の維持

  • 特別支援教育コーディネーターや専門性の高い教員の人事異動による支援体制のギャップが生じないように、人材育成を含め、十分に配慮する。

○学校と家庭の情報共有

  • 学校のHPなどを利用して、宿題などの内容を確認できるようにしておく。

○教材の貸し出し

  • 不要になった卒業生の教科書や教材のリサイクルなども活用し、忘れたり紛失したりした場合に「教科書・教材」を貸し出す仕組みを整備する。

○4 その他

○早期からの教育支援について:

  • 保育園・幼稚園・小学校・児童相談所・保健所・子育て支援センター・療育機関等の間で親子の情報を共有し、2次障害が悪化する前から早期の支援を行う体制を整える。
  • 3歳時健診等の情報を幼稚園と共有し、集団での支援を重視したアセスメントと支援ができるようにする。
  • 保護者が早期に無理なく子どもの特性を理解することが可能となるように、当事者の親なども含めた教育相談の場の確保と親支援講座の充実を行う。

○学校外における支援について

  • 医療的支援を有効に活用するための医療機関・保健所と養護教諭・コーディネーター、保護者との連携(特に薬物療法の正確な情報提供と薬物の効果測定等)を進める。
  • 保護者の多くは関係機関に相談に行くことに抵抗がある。関係機関と情報を共有しつつ、外部の専門家が巡回中に保護者の相談を校内で受けられる相談支援体制を整える。
  • 学童、民生委員、家庭相談員、児童相談所職員等親子の支援に関わる支援者が、研修を行い、虐待が起きないよう地域での理解と協力を進める。

○幼、小、中、高等学校の各段階について:

  • 全ての機関で、次への移行支援プログラムを用意する。

◆幼稚園・小学校では遊び・活動を中心にルールを明確にした環境で、社会性を高め、意欲を引き出し、達成感を持たせ、自己肯定感を育てる活動を行う。

  • 今後の価値観の土台を形成する時期に、インクルージョンの環境下でクラスでの「違いを認め合う」場つくりを行う。

◆中・高等学校では、自己理解に焦点をあてた、早い時期でのキャリア教育の実施と進路指導の推進を行う。

  • 暗記力を必要とする教室内の試験は苦手でもボランティアや職業体験などの学校外活動で才能を見つけ、引き出す、実践的で、卒業後に必要な力を育成する支援を行う。
  • 怒りなどの感情やストレスを自分でコントロールする技能を高めるための指導(アンガーマネジメントやストレスマネジメント)を個別に行う。
  • 部活動はソーシャルスキルを習得する場として、自己理解・他者理解を深め、良好な対人関係が学べるように重点的な指導を行う。
  • インターンシップ(職場等の体験実習)では、企業側への啓発活動を行う。

◆高校・大学進学・入試については、本人に必要な特別措置(休憩時間を増やす、口頭試問にするなど)を実施する。

  • 学校内の移動に困らないようにわかりやすい誘導の表示を行う。

◆高校や大学、専門学校での学生支援センターの設置

  • 診断名がついていない学生を幅広く支援する場を設置する。
  • 支援者と教員への実践的な研修を実施する。
  • 所属している学部、学科などへの適性があまりないように思われたときの転部、転科が柔軟にできるようなシステムを構築する。

○その他:

  • 私立幼稚園・私立学校の特別支援教育の実施率は、公立と比較すると低いため、発達障害の情報提供を積極的に行う。教員の研修率を向上させる。

 

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)

-- 登録:平成23年09月 --