資料5-8:学習障害に関する学校における配慮事項について
※ヒアリングを整理したもの
学習障害に関する学校における配慮事項(案)
[学校教育に求めること]
- 一人一人のニーズや特性に合わせた、きめ細かな支援
- 将来の自立や社会参加に向けた教育
- 社会性やコミュニケーション能力を身につけられる教育
○専門性の高い教職員の確保
[配慮すべき事項]
○1 教育内容・方法
○個々の特性に合わせた支援
- 個々の子どもの表面的な困難に対して対症療法的に対応するのではなく、その状態の原因となる認知の特性を適切に把握した上で対応する。
○教科学習の困難に対する補充指導
- 障害により教科学習に困難がある場合、必要に応じて教科補充の指導をする。
- その指導については、小・中学校の学習指導要領に示すことが望ましい。
○周囲の児童生徒に対する障害理解の醸成
- 集団内の児童生徒に対して、他の児童生徒の個々の特性の理解や対応の仕方について周知、指導する。
- 感覚過敏などの特性や適切な対応について、指導する。
○ICT機器の活用
- 必要に応じてデジタル教材や、PC、デジタルカメラ、電卓などICT機器を利用できるようにする。
- 家庭で使用している機器等を学校でも使用することを認める。
○個別の教育支援計画、個別の指導計画の活用
- 必要に応じて、個別の教育支援計画、個別の指導計画を作成し、計画的な指導・支援を行う。
○情報伝達における配慮
- 個々の特性に応じ、視覚や聴覚など複数の感覚に訴える伝達・提示方法を用いたり、周囲の環境を整備したりする工夫によって、確実に情報を伝える。
○自己肯定感や自己有能感高めていくような指導
- 適切な支援によって成功体験を積めるようにし、自信を高めていけるようにする。
- このような指導方法を学習指導要領に示すことが望ましい。
○2 支援体制
○校内支援体制の整備
- 適切な支援ができる体制づくりをする。
- 校内委員会を中心としてチーム支援体制や教員間の連携を強化する。
- 必要に応じて、特別支援教育コーディネーターを複数指名する。
- 特別支援教育コーディネーターの専任化が望ましい。
- 担任教員に対する支援体制 を拡充する(TT、チーム支援、巡回支援、電話相談など)。
- 教材・教具、相談事例等のデータベースの整備と提供を行う。
○特別支援教育支援員等の配置
- 必要に応じて特別支援教育支援員を配置する。
- 特別支援教育支援員の資質向上、量の拡充が望ましい。
○周囲の理解
○リソースルームなど必要に応じて個別的な指導が行える場の設置
- 必要に応じて、少人数・個別等の特別な場での支援を行う。
- 必要に応じて、パニック時にクールダウンできるような場所を設置する。
○3 施設・設備
○通級指導教室の設置
○教室等の構造化、教室内の掲示物、表示物の工夫をする。
- 発達障害のある子どもが、落ち着いて過ごせる環境を整える。
- 校内表示、日課表示等をわかりやすいものにする。
- 必要に応じて、感覚過敏に配慮した校内設備、教室の配置にする。
○4 その他
○早期からの教育支援について
- 幼稚園(保育所)における気づき、早期発見ができる。
- ニーズや困難に応じ、個別・小集団による療育機会(発育、言葉などの支援)を提供する。
- 個別の教育支援計画などの作成・活用による計画的かつ関係者の連携による支援を提供する。
○長期的展望に立った就学相談の提供
- 育児支援、保護者教育、保護者支援等の、保護者に対する支援を拡充することが望ましい。
- 必要に応じて、関係機関(専門機関、親の会、発達障害者支援センターなど)との連携と情報の共有化(支援方針の共有、役割分担)をする。
○学童保育の拡充、療育の実施が望ましい。
○幼、小、中、高等学校の各段階について
◆幼稚園
- 早期発見・気付き(背景に発達障害がある)に留意する。
◆小学校
◆中学校
◆高等学校
- 入試における配慮をすることが望ましい。
- 教科指導、学校生活の指導、進路指導の工夫をする。
- 必要に応じて、社会性、コミュニケーション等に関する指導を行う。