資料5-6:言語障害に関する学校における配慮事項について

※ヒアリングを整理したもの

言語障害に関する学校における配慮事項(案)

[学校教育に求めること]

○一人一人に応じた指導の充実

 言語障害は対象となる児童生徒の有する課題が多様であるので、個々の児童生徒の障害に即した特別の指導ができるようにする。

○対人関係等を円滑にする指導の充実

 言語障害の児童生徒は人とのコミュニケーションを円滑に行うことができないだけではなく、そのほか学習全般にわたって支障をきたすことがあるので、障害を自分なりに受け止め、積極的に学習に取り組むことができるようにする。

○通常の学級との連携による指導の充実

 通級による指導担当者と在籍する学級の担任が連携を図り、児童生徒の障害の特性に応じた指導を工夫する。

[配慮すべき事項]

○1 教育内容・方法

○個々の児童生徒の状態に応じた専門性ある指導

  • 構音(発音)指導等、専門的な指導技術を身に付けた教員の配置及び専門的な技術を養成するための研修を充実する。
  • 障害のある児童生徒と親密な人間関係を確立できる人間性ある教員を配置する。

○子どもの状態に応じた柔軟な指導の実施

  • 子どもの年齢等に応じて、訓練や練習的な意図を全面に出さずに、遊びなどの活動を通し、リラックスできる雰囲気の中で指導をする。
  • 様々な角度から子どもを支えるため保護者との連携を密にする。
  • 保護者の不安を取り除くため、体験談などを聞き意見交換ができる場を設置する。

○2 支援体制

○通級に通う時間の負担軽減を配意した教室の設置と適切な教員の配置

  • 他校通級は移動時間がかかるため、できればすべての学校に通級指導教室を設置することが望ましい。
  • 保護者が共働き等の場合、送迎ができない等の理由で通級による指導を受けられない子どもがいるので、送迎のための支援をすることが望ましい。
  • 担任が通級による指導の場面を参観したり、担当者と児童生徒の指導について話し合ったりすることができる時間を確保する。
  • 幼児から高等学校までの支援を継続する。(中学校における通級指導教室が少なく小学校での指導が継続して行われないため、中学校のでも通級による指導が受けられるようにする。)

○精神的負担を軽減する配慮ができる学校・学級の雰囲気づくり

  • 言葉の障害は、人前で話すということに自信を失わせることがあるので、当該児童生徒の障害を学級の児童生徒が温かく受け止めることができるようにする。

○3 施設・設備

  • ことばやきこえの指導では、外部からの音は指導効果を引き下げるため、防音壁等、指導の支障になる外部の音が遮断できる教室環境が設けられることが望ましい。
  • 指導室に構音指導のための指導鏡、ICTを活用した構音の練習機器、水道等の設備を必要に応じて設置する。

○4 その他

○早期からの教育支援について:

  • 言葉の遅れは3歳児健診等早期から発見されることが多い。保健師、医師、幼児言葉の教室等との連携を図り、指導を工夫する。

○学校外における支援について:

  • 親の会の組織を充実することが望ましい。

○幼、小、中、高等学校の各段階について:

  • 中学生、高校生が指導を受けることができる場を充実する。

 

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