資料5-5:病弱に関する学校における配慮事項について
※ヒアリングを整理したもの
病弱に関する学校における配慮事項(案)
[学校教育に求めること]
○学校環境の整備
- 健康かつ安全に生活できる人的・物的環境の整備をする。
○入退院時の学習の保障
- 入院時にも、教育を受けることができるようにする。
- 退院後も、必要に応じて病弱者として教育を受けることができるようにする。
○病弱教育の専門性を有する教員の配置
- 特別支援学校(病弱)免許状を所有する教員を必要に応じて配置する。
- 心のケアが出来る専門性を有する教職員を必要に応じて配置する。
[配慮すべき事項]
○1 教育内容・方法
○学習空白等による学習のしにくさへの対応
- 補充指導や補充教材等を提供する。
- 各教科の指導内容の連続性や系統性等に配慮した指導をする。
○実施が困難な活動への補助や指導上の工夫
- 病気のため実施できない体育の実技や理科の実験などの活動を実施可能な活動に替えるなど、指導内容・方法を工夫して指導する。
○体調管理の学習
- 負担過重な活動を自ら制限するなど自己管理できるよう指導する。
- 服薬管理や薬の副作用等について健康指導と連携して指導する。
○病状に応じた指導
- 病気の子どもの気持ちを理解し、状態に応じて弾力的に指導する。
- 個々の病気について理解し、治療の流れを踏まえて指導をする。
- 医療関係者と連携し、日々の体調の変化を踏まえた指導をする。
- アレルゲンの除去や病状に応じた適切な運動の実施など命にかかわる事項について、医療機関と特に密接な連携を図りつつ指導する。
○病気の子どもの教育保障
- どの病院に入院しても同様の教育を受けることができる。
- 病気のため病室を出ることができない子どもに対し、ICT等を活用して指導するなど、可能な限り他の子どもと同様の指導をする。
○2 支援体制
○登校時の支援
(自宅通学者)
- 安全に通学できるための人的な補助を必要に応じて整備する。
(入院者)
- 医療関係者と連携・協力して安全に病棟・教室間を移動できるようにする。
○学校生活時の支援
- 服薬や体調把握等の健康管理について支援(声かけや緊急時の対応等)する。
○医療的ケア等への対応
- 実施するケアに対応できる看護師を必要に応じて配置する。
- 看護師との連携など一定の条件の下で教員が実施出来る行為については、教員が必要な研修を受講し、実施できるようにすることが望ましい。
○心のケアへの対応
- 心身症や精神疾患等の心のケアを必要とする子どもの増加に対応するため、必要に応じて心理の専門家を配置する。
○友だちへの病気に関する理解の促進
- 周囲の人が理解しておく必要がある事項について、本人・保護者と相談しながら、交流及び共同学習や特別活動等の折りに指導する。
○保護者への理解の促進
- 本人・保護者と相談しながらクラス便り等を活用して、病気や病気の配慮事項等について、他の保護者への理解を促進する。
○入院時の転校
- 入院時に教育を受ける際は、特別支援学校(病弱)や特別支援学級のある小・中学校に転校するが、必要に応じて転校しなくても教育を受けることができるようにする。
○3 施設・設備
○バリアフリーな施設・設備
- スロープやエレベーター等の設置が望ましい。
- 心疾患者や酸素吸入者、車いす使用者などに配慮した施設とする。
- 身障者用トイレを設置する。
- 病状の変化に対応するため、休養出来る空間やベッド等を整備する。
○生命機能維持に必要な施設・設備
- 室温等の調整可能な教室を整備する。
- 病気のため特別に必要な設備を整備する(紫外線カットフィルム等)。
- 非常時の対応できる学校設備を整備する。
○心のケアを必要とする子どもに応じた施設・設備
- クールダウン可能な空間を確保する。
- 心理面からの取組(箱庭療法等)が実施できる空間を必要に応じて整備する。
○4 その他
○早期からの教育支援について:
- 幼児期の病児についても教育的な対応をすることが望ましい。
- 病状に応じた医療の情報や病弱教育に関する情報提供をする。
○幼、小、中、高等学校の各段階について:
- 小・中学校から高等学校への進学に当たって、必要な情報を伝える。
○その他:
- 学校でも介助派遣や移動支援等の福祉サービスを活用できることが望ましい。
- 病気による長期欠席者、特に退院後も病気のために前籍校に通うことが困難な子どもに対して、必要に応じて教育を受けることが出来るようにする。