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資料7-2:石塚由江氏 提出資料

特別支援教育の在り方に関する特別委員会 合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループにおけるヒアリングについて
知的障害のある児童・生徒への配慮(主として特別支援学校における配慮)について

全国特別支援学校知的障害教育校PTA連合会 22年度会長 石塚由江

≪子どものプロフィール≫

2歳8ヶ月:都内某病院小児神経科にて発達障害(精神発達遅滞)の診断を受ける。

3歳9ヶ月:私立幼稚園に入園(健常児と同様の保育)

小学校:通学区域の区立小学校に入学(通常学級にてTAサポートあり)。1年間通学後、心障学級での教育を希望し、心障学級を設置している区立小学校に転校。

中学部~高等部:都立知的障害特別支援学校にて教育を受ける。

現在:区立の生活介護中心の実習所に通所 社会人1年生(19歳) 愛の手帳2度(重度知的障害)

1 子どもの成長のために学校教育に期待すること

◆知的障害のある児童生徒に対しては、困っているのは知的障害のある子ども自身と考えることが大切で、知的発達の状態だけではなく、視覚や聴覚の特徴的な捉え方や困り感、手先の感覚や緻密性の困難さなどの理解も重要です。そのため、一人一人の子どもの障害の特性等を正しく理解した上で、個別の教育支援計画と個別指導計画を作成・評価し、授業などに効果的に活用していくことが必要です。

◆知的障害のある児童生徒の将来の生活を考え、本人の能力を最大限伸長させ、職業や生活に活用できる実際的な力を付けることができる教育を一人一人の子どもに合った指導内容と方法で提供することが必要です。

2 早期からの教育支援についての配慮事項

◆早期からの特別支援教育に鑑み、特別支援教育コーディネーターが幼稚園・保育園等の就学前の相談に適切で十分な対応ができるようにするために、特別支援学校の特別支援教育コーディネーターの専門性の向上や専任配置、加配などの配慮が必要です。

◆特別支援学校の小学部低学年の授業を、地域の幼稚園、保育園、小学校へ公開し、知的障害のある子どもの能力や特性に応じた指導や教材の作成などについて、研究し合う場の設定が必要です。

3 教育内容・方法についての配慮事項

◆学校と保護者、関係機関間で作成した個別の教育支援計画をはじめとして、個別指導計画を活用・検証しながら、たえず修正を図り、それを学部の引き継ぎ時の要とし、学部移行時に受ける教育をさらに前進させるものとなるようにすることが必要です。

◆一人一人の子どもの将来を見据えた教育内容を考え、その子に合った指導方法を構築した教育ができるよう、教員の専門性をより一層向上させることが必要です。

◆専門性のある教育を進める上で、専門の免許を有することや専門性をさらに向上させるための研修や研究活動が必要です。

◆知的障害特別支援学校には、極めて多様な状態の児童生徒が在籍していることから、その多様さに応じるための種々の専門性のある教員配置が必要です。

4 学校における支援体制についての配慮事項

◆支援体制を構築するには、校長先生方のリーダーシップが大変重要であることから、現在の在任期間を長くして、校長先生方がさまざまな目標・計画を形にしていくことができるようにすることが必要です。

◆発達障害(主として自閉症)を併せ有する児童生徒や、二次障害による影響が強い児童生徒が多数在籍しており、指導上の困難さが見られることから、現在の単一の知的障害在籍を基礎とした教員配置の基準の考え方について、児童生徒の障害の状態等を踏まえた検討が必要です。

◆今後も、個別の教育支援計画、個別指導計画に基づく学習指導、生活指導・進路指導力、また、外部との連携・折衝力・組織貢献力等を身に付けた教員、マネージメント力を有し教育現場で発揮できる人材を数多く確保することが必要です。

5 施設・設備についての配慮事項

◆図書室・視聴覚室・美術室、作業室等の特別教室を普通教室に転用し使用している学校が多く、特に、図書室の転用が多く、適切な環境で書物に触れることができない状況です。また、高等部では将来に向けた取り組みのための作業学習用の教室が必要不可欠にもかかわらず、普通教室への転用や併用により、作業学習が十分に行えない学校もあることから、特別支援学校の設置規模に応じた定員制を導入し、普通教室の確保、特別教室の整備を図れるようにすることが必要です。

◆学校間の格差が生じないよう、適切な設置規模による普通教室の確保、特別教室の整備を図り、教育環境を整えること、また、知的障害の特性を考慮しつつ、ユニバーサルデザインを基本に施設・設備を整備する必要があります。

6 学校外における支援体制についての配慮事項

◆特別支援学校は、保健所、児童相談所、教育委員会、通所施設、事業所、病院等それぞれといつでも連携できる体制を構築し、子どもの状態、保護者の希望に応じて個別の支援会議を開ける体制を整備しておく必要があります。

◆地域で安心安全に暮らすために、保護者からの希望があれば、特別支援教育コーディネーター等は、自治会・町会・民生委員等に対して、障害のある子どもの存在と障害特性の理解をすすめ、緊急時の協力・支援体制を計画しておくことが必要です。

7 幼、小、中、高等学校の各段階における配慮事項

◆幼稚部、幼稚園、保育園、発達支援センター等での幼児期には、保護者が障害のある子どもの日常生活や療育的な指導面を相談できる支援体制が必要です。多くの公の情報と、発達に応じたさまざまなタイプの教育の場の設定があることを保護者が理解できるような就学前相談、情報提供も必要です。

◆小・中学部段階では、実際の生活に生きる技術や態度などの基礎づくりが大切であり、そのために、一人一人に応じた指導内容や指導方法の工夫が必要です。また、教材等も一人一人に応じて作成するなどのほか、知的障害があっても、先端技術の利用を考え、PCソフトを利用した教材を提供し、効果的な教育・指導をすすめることも必要です。

◆高等部の生徒には、仕事をする生活に耐えられるような技術や態度の育成が期待され、そのための一人一人に応じた指導内容や指導方法の工夫(PC活用を含む)が必要です。また、企業等での実習を十分に行い、高等部の生徒が実際の卒業後の生活の様子が分かるようにすることが必要です。さらに、生徒の能力を信じ意欲が湧くような導き方を配慮し、「自分にはできることがある」と、認めていける(自己肯定感を抱く)教育が必要です。

8 その他の配慮事項

◆地域が一体となって子どもたちを見守り、育んでいく社会を同時に形成していくために、学校は医療、福祉、労働関係との連携を引き続き図る必要があります。

◆学校のある地域の幼・小・中・高との交流教育、子どもたちの居住地域での直接的・間接的な交流である副籍がさらに発展するための支援が必要です。

◆保護者は学齢期には将来の不安を感じている場合も多いことから、保護者支援の取組が必要です。

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)

-- 登録:平成23年08月 --