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資料5-1:吉松政春委員提出資料

特別支援教育の在り方に関する特別委員会
合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループ(第2回)ヒアリング資料
「見えない児童生徒に対しての配慮 ~当事者及び学校長の立場から~」

                   福岡県立北九州視覚特別支援学校長 吉松政春

1 子どもの成長のために学校教育に期待すること

  • 盲学校は、幼稚部から職業教育までの教育の場であるだけではなく、教育相談、早期教育、地域支援の場であり、連続性のある多様な学びの場になっている。過半数の都道府県で1カ所のみの視覚障害教育の場であることから、盲学校のありようがその地域の視覚障害教育のありようであることも多い。そのことを十分に認識して責任を果たしていきたい。
  • 盲学校、特別支援学級、通常の地域の学校等の障害に対応した教育の場を選択できることが必要である。視覚障害のある児童生徒に盲学校のみが就学先ではないことは十分に認識している。一方で、盲学校は視覚障害のある児童生徒のよりどころであることを認識している。
  • 「見えない」ことから点字を使って学ぶ児童生徒の指導において、専門的な知識・技術を有する教員が指導にあたることが期待される。
  • 視力の弱い子どもに対しても理解と支援の専門性を有することが期待されている。眼の働きと見え方の評価、見る機能の発達を促す支援、学習環境の整備と教材教具の活用、各教科等における指導方法の工夫、心理的適応と学級経営等の指導ができる教育の専門性等である。
  • 点字教材、触覚を利用した教材等視覚障害に対応した教材・教具の配置が期待されている。
  • 知的障害等の他障害を併せ有する児童生徒も多い。多様な障害に対応した教育の場であることが期待されている。
  • 単一の視覚障害と重複障害では必然的に教育課程が異なる。異なる教育課程の場合、一つの場での教育を求める必要はない。
  • 能力と適性に応じた社会参加ができる生きる力を育成することが期待されている。理療による社会的・職業的自立を目指す。

2 早期からの教育支援についての配慮事項

  • 見えない子どもたちに、ものとのかかわりを育てることが必要。触ることそのものに配慮した丁寧な指導が必要である。
  • 見えない子どもたちに人とのかかわりを育てることが必要。親と子のかかわりを深めるとともに、子どもにとってはじめての対人関係の広がりであることに配慮した指導が必要。
  • 見えない子どもたちの生活そのものを充実させるように体験や経験が十分できるように配慮することが必要である。
  • 一人一人の障害は異なる。それに対応するとともに、保護者に寄り添った支援ができるように配慮したい。
  • 盲学校は医療、福祉、教育の連携。それらをつなぐコーディネイター(または機関)であることを配慮したい。
  • これらが実現できる早期支援の場であれば、保護者に適切なアドバイスができる。つまり、保護者が正しく障害を理解するための支援ができることになり、適切な就学にも結びつく。

3 教育内容・方法についての配慮事項

  • 触って学ぶ児童生徒には、自分から働きかけることができる豊かな環境が必要である。
  • 豊かな環境は人と物にかかわって必要である。
  • 個別の支援計画に基づいた、個に応じた指導ができることが必要である。実施、評価、改善がもちろん大切。
  • 盲学校、特別支援学級、通常の学級のいずれで学ぶ場合でも、全盲のための点字教材、弱視のための拡大教科書等の多様な障害に対応した教材・教具が供給できることが必要である。

4 学校における支援体制についての配慮事項

  • いずれの場で学ぶ場合でも見えない児童生徒に対しては次のような体制が必要。
  • 視覚障害教育に対する専門的な指導ができる教員が授業を担当すること。
  • 見えないことを理解した支援員等の配置。授業以外の時間でも、他の児童生徒との関係を支援できること。
  • 個別の障害に対応した教材・教具が作成できる人的・物的配置があること。
  • スクールカウンセラー等の心理的安定のための職員の配置があること。

5 施設・設備についての配慮事項

  • いずれの場で学ぶ場合でも、安全・安心に学習ができる環境が必要。
  • 音響信号機やエスコートゾーン、誘導ブロックがある通学路。
  • 学校内で危険のない施設・設備。バリアフリーな施設、廊下に物を置かない等の配慮。

6 学校外における支援体制についての配慮事項

  • 地域での活動を支援できる体制の充実。ボランティアや公的な支援体制の確立。
  • 医療、福祉、教育、労働の各機関が個別の支援計画による連携ができることが必要。
  • 通学の支援。基礎的な指導は学校で行うが、通学における社会的支援の整備

7 幼、小、中、高等学校の各段階における配慮事項

  • 特に通常の学級で見えない児童生徒が学ぶ場合には次のような配慮が必要。
  • 視覚障害に対する専門的指導力を有する教員が主となって指導する。
  • 障害を理解した支援員等が配置される。
  • 中学・高校へと進級するにつれて、視覚障害の専門性とともに教科の専門的指導ができる教員が必要となる。たとえば、理科や数学を指導する上では、点字数学記合や触察の指導力が必要となる。
  • 障害から生じる困難を克服する力を養うための自立活動の時間を保障しなければならない。全盲生なら歩行やコミュニケーション能力等の指導が必要となる。
  • 盲学校であれば可能な配慮であるが、通常の学級で学ぶ場合等環境整備が求められる。

8 その他の配慮事項

  • 社会全体が障害のある人間が同じ環境で生活するというインクルーシブ社会を理解することが不可欠である。
  • 障害を理解した人々による学校・家庭・社会が協力できる社会的背景が必要。
  • 乳幼児期から小・中・高校とあらゆる学習場面において適切に支援できる専門性を有する職員が配置されたセンター的機能を持つ機関が必要である。その機関を中心とした社会全体の連携が必要。
  • 盲学校は、視覚障害のある人のための学びの場である。視覚障害のある児童生徒と保護者がどのような学びの場を選択するのであれ、視覚障害のある児童生徒と保護者の生き方に寄り添うように配慮する。

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)

-- 登録:平成23年07月 --