特別支援教育の在り方に関する特別委員会 合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループ(第1回) 議事録

1.日時

平成23年7月8日(金曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省東館16F特別会議室

3.議題

  1. 主査の選任等について
  2. ワーキンググループにおける検討事項について
  3. その他

4.議事録

○主査について、尾崎委員が適任である旨の発言があり、了承された。

○尾崎主査から、河本委員が主査代理に指名された。

○事務局から説明の後、資料3のとおり、合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループの会議の公開について了承された。

 

【尾崎主査】 これより議事を公開いたします。
 改めまして、主査を務めることとなりました尾崎です。私は、昨年設置された特別支援教育の在り方に関する特別委員会の委員であり、また、全国の特別支援学校の校長会の会長を昨年度より務めてきています。さらに、教員として障害のある子どもの教育にこれまでずっと携わってきました。
 今回、この合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループの主査として選任いただき、そのような知見を生かしていきたいと考えていますが、もちろん自分の知見だけで足りるわけではありませんので、皆様方のご知見もあわせて1つの形にしていくのが、私の役目だと思っています。
 本会議は、学校、教育行政関係者、障害者本人、保護者の皆様に御参画いただいていると聞いています。委員各位におかれましては、御経験や専門家としての御見解等に立脚し、一緒に知恵を出しながら御審議をいただければ幸いです。
 今回は、これまでの特別委員会における審議を受けて、障害者の権利に関する条約のインクルーシブ教育システム構築の理念を踏まえ、障害のある子どもに対する合理的配慮等環境整備についての検討を行うことが、主な課題となると認識しています。これまでも合理的配慮につきましては特別委員会の中でも審議されてきた経緯がありますが、なかなか難しい問題であると考えています。
 まずは、障害のある子どもたちに対してどのような配慮や環境整備が必要かを整理し、その上で体制面・財政面も考慮し、どのように進めていくことが適当かについても考えていきたいと思っています。
 子どもたちの自立と社会参加に向けて心身の発達を最大限に引き出すという教育の理念を念頭に置きながら、主査代理の河本委員とともに審議の円滑化のために尽力したいと考えていますので、皆様方におかれましても御支援・御協力を賜れば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります。本日は初回ですので、これまでの検討経緯等をレビューした上で、可能な限り全委員から自由に御意見をいただきたいと考えております。
 御発言される場合は、必ず挙手をした上で、お名前を述べてから御発言いただきますようお願いいたします。また、通訳の方のために、御発言の際にはゆっくり御発言をいただきますようお願いいたします。

【尾崎主査】 まずは、配付資料に基づき、これまでの検討経緯及び今後検討すべき論点について、事務局から御説明願います。

【横井企画官】 特別支援教育企画官の横井です。まず、配付資料につきましては議事次第のとおり、資料1から10となっております。不足がありましたら、随時事務局までお申しつけください。
 さて、まず資料1を御覧ください。5月27日に行われた特別委員会において本ワーキンググループの設置が決定されました。設置の目的は、今年中を目途に合理的配慮等の環境整備について整理を行うための審議となっています。検討事項につきましては、1の検討事項のとおりです。
 続きまして、資料4を御覧ください。障害者権利条約の関係について説明させていただきます。まず1ページ目を御覧ください。障害者の権利に関する条約は平成18年12月に国連総会において採択され、20年5月に発効しております。日本は19年9月に署名しておりますが、批准締結を行っていないという状況です。締結のために必要な国内法令の整備等政府としての対応を検討している段階です。
 2ページ目を御覧ください。2ページ目は、障害者の権利条約の教育についての条文を、外務省の作成した仮訳で掲載しているものです。「第24条 教育」があります。第1項に「教育についての障害者の権利を認める」として、「あらゆる段階における障害者を包容する教育制度」、いわゆるインクルーシブ教育システム、それから障害者学習を確保すると規定しております。その目的は1の(a)(b)(c)にあるとおりです。また、権利の実現に当たって、2のところで幾つかのことを確保するということになっておりまして、その中の(c)のところで「個人に必要とされる合理的配慮が提供されること」が明記されております。
 3ページを御覧ください。3ページは政府の対応ですが、一昨年12月に総理を本部長としまして全閣僚で構成される「障がい者制度改革推進本部」が設置され、そのもとに「障がい者制度改革推進会議」が設けられております。そこでは、福祉・雇用をはじめとする様々な検討事項について議論が行われているところであり、その中の1つとして教育についても議論されております。4ページ目が障がい者制度改革推進会議の委員の一覧となっておりますので、御参照ください。
 続きまして5ページですが、昨年6月29日に閣議決定されました「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」です。そこで教育については2点示されております。
 続きまして、6ページ目ですが、6ページ目は閣議決定における目的・基本的考え方、制度改革の基本的方向と今後の進め方を示したものです。特に中ほどの「基礎的な課題における改革の方向性」の(2)では、障害者の権利に関する条約の5条に「締約国は平等を促進し、及び差別を撤廃することを目的として、合理的配慮が提供されていることを確保するためのすべての適当な措置をとる」と規定されていることを踏まえ、合理的配慮が提供されない場合を含む障害を理由とする差別の明確化という記述があります。また、中ほどの「横断的課題における改革の基本的方向と今後の進め方」の(2)で、障害を理由とする差別の禁止に関する法律を検討し、平成25年に法案提出を目指すとしています。
 7ページを御覧ください。先ほど、5ページ、6ページの閣議決定の内容を受けて、本会の親会議であります特別支援教育の在り方に関する特別委員会が設置されました。その趣旨・目的、検討事項についてまとめたものです。特別委員会は、昨年12月に論点整理を取りまとめております。その内容については、後ほど説明させていただきます。
 続きまして、8ページを御覧ください。現在開かれている通常国会におきまして「障がい者制度改革推進会議」の議論、特別委員会の論点整理等を踏まえて、政府として障害者基本法の改正案を提出しております。衆議院において一部修正の上可決され、参議院に送付されているという状況でございますが、現在案を参考までにお示ししております。下線部が政府案としての改正部分、網掛けが衆議院の修正部分でございます。
 資料5を御覧ください。資料5が、昨年12月に特別委員会において取りまとめられた論点整理です。まず、別添ですが、66ページに特別委員会の委員の名簿があります。また、その隣の67ページには開催状況についてまとめてあります。論点整理をまとめるまで、昨年の7月から8回にわたり御議論いただいております。
 68ページ、69ページですが、論点整理の概要をまとめたものです。これで論点整理の概要を説明させていただきたいと思います。まず、特別委員会として、基本的な方向性としてインクルーシブ教育システム、その理念に向かっていくことは賛成であり、同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、個別のそれぞれの障害に応じた教育的ニーズに最も的確にこたえるような指導が行える、そういう多様で柔軟な仕組みを整備することが重要である。そして、これが一人一人の子どもたちの学習権を保障するという意味でも必要であるということです。
 また、インクルーシブ教育システムの構築に向けて今後の進め方が1.の一番最後の○で書かれておりますが、これを短期的・中期的と段階的に実施していくことが必要ということです。詳細な内容は、本文を御参照いただければと思いますが、短期としては、条約を批准するまでに制度の整備、教員の研修といったものを検討、実施し、中長期的には人的・物的な環境整備、教職員の確保、その専門性を高めるための養成等をどうするかといったようなものの検討、実施に批准後10年くらいで取り組んでいくということです。
 2番目に「就学相談・就学先決定の在り方について」ですが、学校入学直前に問題とするのではなく、乳幼児期を含め早期から福祉・教育の関係部局が連携して、その子の発達のために何が一番良いかを相談・支援を充実する中で御議論いただき、それが就学先決定につながっていく形ということで御議論いただいております。
 就学につきましては、現行制度では、一定の障害のある子どもは特別支援学校に就学することになっておりますが、一般の小・中学校での就学ができるという特別な事情がある場合には、認定就学制度ということで小・中学校に就学できる制度になっています。これを改めていくということで、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の意見、専門家の意見等を総合的に判断することとして、その際には本人・保護者に十分情報提供すること、本人・保護者の意見を最大限尊重し、教育的ニーズと必要な支援について合意形成を行うことを原則とするという仕組みにしていくべきとされております。
 また、69ページですが、小学校に入学、または特別支援学校の小学部に入学した場合であっても、成長に応じて継続的に話し合うことで柔軟に就学先の見直しを図っていくことが適当とされております。
 さらに3としまして、「インクルーシブ教育システムを推進するための人的・物的な環境整備について」ですが、この点については合理的配慮も含め様々な環境整備が必要ということで、今後一層の検討が必要とされております。これを受けて、本ワーキンググループが設置され、御審議をいただくという運びになっております。
 最後の4番目ですが、こちらも教職員の確保、専門性の向上を図るための具体的方策を今後検討していくことが必要という形になっております。
 合理的配慮について、少し詳しく説明させていただければと思います。まず、資料8の1ページ目にあります、障害者の権利に関する条約の「合理的配慮」について、説明をさせていただきます。第24条において「個人に必要とされる合理的配慮が提供されること」が位置付けられております。
 障害者の権利に関する条約の「第2条 定義」というところで、「合理的配慮」とは、「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう」という定義がなされております。
 また、資料5、50ページの参考資料17を御覧いただきたいのですが、この資料は合理的配慮の定義につきまして外務省に照会したものです。「均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」の「負担」の解釈についてです。定義の中にある「変更及び調整」を行う主体に課される負担というものが「負担」の意味するところであるということです。
 続きまして、51ページからの参考資料18ですが、障害のとらえ方といたしまして、現在は国際生活機能分類(ICF)の視点でとらえるということになっており、新学習指導要領、小学校は今年度から全面実施しているものですが、その解説の中で整理しているものを紹介させていただきます。51ページの一番下ですが、ICFでは、人間の生活機能は「心身機能・身体構造」、「活動」、「参加」の3つの要素で構成されております。これらの生活機能に支障がある状態を「障害」ととらえています。生活機能と障害の状態は、健康状態、環境因子等と相互に影響し合うものと説明しております。52ページの表等も御参照いただければ幸いです。
 続きまして、資料5の55ページですが、参考資料19といたしまして、特別委員会の中で合理的配慮について御議論いただいた際に意見として出されたものをまとめております。項目としましては、合理的配慮全般、ソフト面、ハード面という形で整理させていただいております。合理的配慮全般につきましては、主に合理的配慮についての考え方について御意見をいただいているところです。それから、ソフト面としましては教育課程ですとか、学校運営についての考え方について各委員から出された意見をまとめさせていただいております。また、ハード面につきましては、人員の配置ですとか、バリアフリー環境等について示されたものについて挙げております。
 続きまして、資料6を御覧いただければと思います。資料6は、5月27日に行われました特別委員会第10回におきましてワーキンググループが設置されたわけですが、その設置の際に特別委員会の委員の先生方から発言いただいた内容を、事務局のほうで整理させていただいた要旨です。まず検討事項につきましては、御意見としましては、視覚障害と聴覚障害の重複障害、いわゆる「盲ろう」を取り上げるべきではないか。それから家族支援といったものも盛り込むべきではないか。それから早期支援といった入り口とともに、出口を見据えた就労支援のための教育等についても取り上げるべきである。アクセシブルな教科書を検討すべきである。それから基本法の改正案の趣旨の具体的な検討のために議論していただくべきであるといった御意見をいただきました。
 また、2ページ目ですが、審議の進め方といたしましては、特別委員会とワーキンググループを併行して検討を進めること。それから委員の構成につきましては様々な障害種を入れるべきといった御意見もあれば、ワーキンググループのためにあまり大きくなってもという御意見もございました。当事者性は大事だが、その発達障害といってもADHDやLD等ではニーズが全く違うという御意見もございました。
 特別委員会の先生方からは、ワーキンググループの議論の際の参考にしていただきたいということでしたので、紹介いたしました。
 続きまして、資料7を御覧ください。参考データを取りまとめたものです。まず1ページ目ですが、特別支援教育の対象ということで、どのくらいの子どもが特別支援教育の対象になっているかということです。小・中学校の個別の指導の状況まで調査できておりませんが、1の(1)(2)(3)ということで、特別支援学校、小・中学校における特別支援学級の在籍者数、それから小・中学校における通級による指導の対象となっている児童・生徒数を概観していただければと考えております。その推移を見ていただきますと、少子化する中にあっていずれも増加傾向を示しているという状況です。
 続きまして、2ページ目を御覧ください。2としまして、幼稚園、小・中学校、高等学校における特別支援教育の体制整備の状況です。全体的に体制整備は進んでいるという状況が伺えますが、小・中学校に比べまして幼稚園、高等学校で体制整備にやや遅れが見られるという状況です。また、公立の小・中学校の項目ごとに見ますと、校内委員会の設置、特別支援教育コーディネーターの指名といった基礎的な支援体制はほぼ整備されているような状況です。
 3ページ目は参考ですが、就学指導委員会の実施状況について整理したものです。
 続きまして、4ページ目を御覧ください。教員の専門性の向上について整理したものです。(1)は特別支援学校教員の免許状の保有率ですが、こちらは平成22年度で70%ということです。ここ数年は0.5%の改善となっておりますが、新規採用者の保有率は伸びていないという状況です。特別支援学校教員の免許状につきましては、幼小中高の免許状を保有していること、プラス特別支援学校の免許状の保有が求められておりますが、当分の間の規定として、法律上は特別支援学校の免許状を持たなくても特別支援学校において指導できるという条項が置かれておりまして、その状況下において70%という状況です。
 (2)のほうは特別支援学級担当教員の特別支援学校教諭免許状の保有率ですが、こちらのほうは、特別支援学校教諭と違って、特別支援学級の担当教員は必ずしも特別支援学校教諭の免許状を持つことは必須の要件とはされていません。ただ、持つことが望ましいという形でお願いしているものです。保有状況につきましては小・中学校で平成22年度で31.3%と、ここ数年は若干の減少傾向にあるという状況です。
 (3)は特別支援教育に関する教員研修の受講状況で、国公私立の幼小中高の教員全体のうち約58%が受講済み、管理職では約70%が受講済みという状況です。
 続きまして、資料8を御覧ください。これは、以前特別委員会第3回で合理的配慮を議論していただいた際に、事務局から提示させていただいた資料で、特別委員会の委員でもあられる先生方におかれては見覚えがある資料だと思われるかもしれませんが、合理的配慮の提供として考えられる事項として、事務局で整理したものです。大きく分けて、資料8の1ページ、2.の「合理的配慮」の提供として考えられる事項の(ア)(イ)(ウ)が考えられるのではないかということで、(ア)としまして教員、支援員等の確保、(イ)としまして施設・設備の整備、(ウ)としまして個別の教育支援計画等に対応した柔軟な教育課程の編成や教材等の配慮ということです。先ほど、論点整理のほうでまとめましたところで、(ア)(イ)はどちらかというとハード面、(ウ)につきましてはソフト面ということで整理したものです。
 それから2ページ、3ページは、今お示ししました(ア)(イ)(ウ)につきまして国、都道府県、市町村、学校、校長等の役割分担について、議論のために参考として整理したものです。
 4ページ目を御覧ください。4ページ目は障害のある児童・生徒等の合理的配慮の例として事務局で、先生方がイメージしやすくなるようにと、作成したもので、確定的なものではありませんが、参考までにお示しします。共通のもの、それから障害種ごとのものということになっております。
 以上で説明を終わります。

【尾崎主査】 ありがとうございました。
 それでは、先ほど事務局から説明がありました障害者権利条約の理念を踏まえた特別支援教育のあり方について、合理的配慮が中心になろうかと思うのですが、自由に意見を交換していきたいと思います。
 今日は全員の方に御発言をいただきたいと思いますので、石坂委員から着席順にお願いいたします。今日は2時間の会議ですので、時間の制限があります。発言はお一人原則3分以内でということでお願いできればと思います。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、石坂委員からお願いいたします。

【石坂委員】 日比谷高等学校の石坂です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今日初めていろいろと伺ったわけなのですが、本校の状況をちょっとお話しさせていただきます。実際に東京都の高等学校では、例えば学校の中に障害のある生徒がいても、スクールカウンセラーが全校に配置されているわけではないので、非常に困った状況もあります。
 本校では、入学者選抜において、定員の20%を推薦に基づく選抜、そして残り80%の中で、9割は一般の入学者選抜を学力検査と調査書に基づいて行うわけですが、実は一緒に行った中で1割分だけは特別枠としまして、例えば何らかの障害があって学校に行けなかった、あるいはいじめ等により不登校になってしまった、あるいは病気等で学校に行けなかったという者については、調査書点、いわゆる内申書点と言いますか、調査書の点数が良くないのです。極端に言えばオール1になってしまったりする者もいるわけです。しかし、学習したいという意欲がある生徒たちのことも考えて、特別選考として1割については調査書、いわゆる内申書、わかりやすいほうで考えてくださってよいと思いますが、調査書点は全く加味しません。したがって、本校で独自に作成している国語と数学と英語の点数(ただし、この3教科は2倍とする)と、それから東京都で共通している社会、理科の点数(1倍とする)でもって受け入れております。
 当然のことながら、その障害によって表れてくる行動などもあるわけですが、しかしながら、本校でリセットして、そういう生徒たちが立派に学校生活を送り、卒業し、そして大学に行き、社会人になっているという事例が幾らでもあります。来年度もその方向で考えているわけですが、実際の都立高校においてはそのような状態も正直言ってあります。これは本校に限らずあるわけですが、あえて本校ではそういう形をとりながら教育活動を行っております。
 また、その他のいろいろな先生方の委員の方々の意見をお聞きしながら、自分なりに整理していきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【尾崎主査】 ありがとうございました。
 では、木舩委員、お願いいたします。

【木舩委員】 広島大学の木舩です。着席して発言させていただきます。
 広島大学の特別支援教育教員養成コースというところで教員養成に携わっております。私の専門といたしましては、特別支援学校の教育領域で申し上げますと、肢体不自由教育を担当しております。授業科目としては肢体不自由心理学、あるいは肢体不自由教育基礎論、基礎論と申しましてもこれは教育課程と指導法、そういった内容、科目を中心にやっております。
 過去は福岡のほうにおりましたが、長い間、知的障害、それから肢体不自由の重複も含めて肢体不自由教育ということにかかわってきております。
 先ほど、合理的配慮の中でハード面で教員の確保というようなことがありましたが、そういった点について意見を申し上げていければいいなと、それから私自身といたしましては肢体不自由、知的障害と肢体不自由の重複といったことについて申し上げていければいいなと思っております。
 最後になりますが、特別支援教育の在り方に関する特別委員会の委員も仰せつかっておりますので、そこでのこれまでの議論の経過等も頭に入れながらお役に立てればと思っております。
 以上です。

【尾崎主査】 どうもありがとうございました。
 髙橋委員、お願いいたします。

【髙橋委員】 全国町村教育長会の髙橋と申します。よろしくお願いします。
 私としては、今回皆さんからしっかり勉強していきたいという意味で参加しています。それから、もう1つは、行政を担う者、行政を執行していく者として、例えば合理的配慮をする場合の人的・物的環境の整備については、できるだけ具体的な姿について議論していければいいと思っています。ただ単なる言葉だけでは終わらないようにしていきたい、どうすれば可能かということを具体的に話を詰めていきたいと思っています。
 今日は書かれている言葉とか文言を大事にしていきたいと思っています。例えば1ページに「自律」及び「自立」とありますが、ここで言っている「ジリツ」はどういう姿を想定しているのだろうかということです。また、6ページにあります「障害を理由とした差別の禁止」というのもありますが、ここで言われている差別とは、具体的にはどういったことを差別だと定義しているのか、しっかり整理していきたいという思いがあります。
 もう1点は、教員の研修その他があるのですが、ここで教えていただきたいのは、既に50%の研修が済んでいるというデータについてです。研修の中身について、私としては質も問題かと思いますので、50%の方はどういう勉強をしていたのか、中身について教えていただければありがたいと思っております。
 以上です。

【尾崎主査】 ありがとうございました。
 滝澤委員、お願いいたします。

【滝澤委員】 はい、こんにちは。私は東京の八王子市立松木中学校の校長です。全日本中学校長会では、特別支援教育に関する調査や研究を行っていますが、そのことを担当しているのが生徒指導部というところでございまして、私は全日本中学校長会の生徒指導部長として参加させていただいています。
 全日本中学校長会では、去年、特別支援教育に関する様々な全国調査を行いましたが、やはりハード面の充実、先ほどの合理的配慮のうちのいわゆるハード面の充実を全国の校長は強く望んでいるということがありまして、今年度、また引き続き継続的な調査を行っていきたいと思います。これがまず全日本中学校長会としての1つの見解です。
 もう1つ、私の校長としての経験で、私は今の学校で6年間校長をやっておりますが、4年前に初めて肢体不自由のお子さんが入学してきました。それまで学校にはいわゆるバリアフリーの施設・設備は全く何もありませんでしたが、その子が入学してくるということで、6年生のときから連携をとりまして、その子が3年間しっかりと勉強してみんなと一緒に卒業できるようにするにはどうしたらいいかを、親御さんと私と当該学年の先生方で3年間の計画を立てました。その子の症状は3年間の間に悪化していきましたが、車いすでの生活をみんなで見守って、そしてみんなで卒業していったという経験があります。
 まさに、このときの合理的配慮にはソフト面とハード面の両面ありました。特にハード面では、教育委員会からすぐにバリアフリー用の様々な対策をしていただきました。それから、私が校長を務める中学校は3階建ての校舎なのですが、子どもというのはおもしろいもので、1年生が1階で2年生が2階で3年生が3階でと、そういうふうに変化していくのが上級生になる楽しみなどであるのです。ところが、その子は車いすの生活ですので、エレベーターもそういう設備もありませんでしたから、その学年は3年間1階だということになりました。それは些細なことなのですが、そのことについても、そのお子さん以外のすべての子どもたちが気持ちよく理解して、みんなと一緒の仲間だからということで、一人一人違いますが、その違いを大事にしていこうということで3年間生活し、すばらしい卒業式を迎えることができたのです。そして今、その子は高校に入って頑張っています。
 私は、現場の校長としては、合理的配慮というのは、本当にその子が何を求めているか、その親御さんと一緒に、学校に何ができるのかというところを本当にその子に寄り添って考えていくという1点に尽きますが、2つあると思います。先ほどハード面とソフト面という分類の仕方を司会の方はおっしゃいました。もちろんそうなのですが、私は校長としては、学校に対して求められる合理的配慮という考え方と、学校が自発的に行うべき合理的配慮という考え方で、現場が取り組んでいくべきだと思っています。私は、この会議でそういうところを、皆さんと共に考えることによって、全国の中学校の取り組みを充実させていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

【尾崎主査】 ありがとうございました。
 それでは、中村委員、お願いいたします。

【中村委員】 NPO法人若駒ライフサポートからまいりました中村と申します。こちらのほうに長々と幾つか私の片書きを書いていただいているのですが、要約しますと、私自身が知的障害を伴う自閉症の子どもを2人持っている保護者という立場で、本会議に参加させていただいております。あわせて、親会議の特別支援教育の在り方についての特別委員会にも委員として参加させていただいております。
 私自身、実は子どもはもう25歳、23歳ということで、教育をすべて終えまして、今で言う特別支援学校を卒業して、一応子どもは社会のほうに巣立っております。子どもが卒業してからのことを考えますと、教育の12年間というのはとても短いようで、実はその後の人生を大きく左右するとても大きな12年間であるなと、今強く感じております。
 私は、障害のある方も含めて、社会の中で1人の人間として生きていくというのはとても大事なことだと思いますし、その考えには大きく賛同しております。しかし、そのことによって子どもの成長が妨げられてしまい、それが卒業後の生活に大きく響くということは決してあってはならないとに感じております。
 ぜひ、私はこの会議の中で、その子どもにとっての必要な教育を行うときにどのような視点を持たなければいけないかについて、それが例えば、ある意味場所を移すということも必要ではないかという部分を皆様に大きな意味での合理的配慮としてご理解いただくようなところに持っていけたらいいなと感じております。
 どうぞよろしくお願いいたします。

【尾崎主査】 よろしいですか。
 続きまして、西滝委員、お願いいたします。

【西滝委員】 全日本ろうあ連盟の西滝です。よろしくお願いいたします。座らせていただきますが、その前に、私は耳が全く聞こえませんので、手話通訳3名が目の前におります。15年ほど前までは手話通訳は1人で1時間も2時間も頑張ってもらいましたが、通訳の職業病がありまして、頚肩腕障害というものが起きておりまして、現在、厚生労働省でも手話通訳は15分間が限度ということで3人来てもらっております。御承知ください。座らせていただきます。
 やはり手話で話をするということは、通訳がいないと本当に困るのです。それは、いろいろな場面でも言えると思います。特に今、ろう学校では先生の話がわからないとか、先生が何をしゃべっているかわからない、そういう子どもの声があります。その理由としては、やはり先生のコミュニケーションの手段に問題があると思うのです。特に最近は人事異動がありまして、3年くらいで変わってしまいます。3年間で手話を覚えるというのは、非常に難しいので、結局、子どもにしわ寄せが行ってしまうのではないかと思います。
 そういう意味では、昨年の6月29日の閣議決定で手話に通じたろう者を含む教員の確保、あるいは教育研修というものが書いてあるように、平成24年をめどに方向性をはっきり出さないと、生徒は勉強がわからないまま卒業していくということになると思います。これが申し上げたかったことです。
 私の本職は大阪の障害者支援センターの所長をしておりまして、対象者も知的、あるいは精神の方を含め、障害者全般の相談をしております。その関係で、内閣府障がい者制度改革推進会議総合福祉部会のメンバーとして、福祉の分野であるべき姿について提案をしております。教育については初めて出席ということになりますので、御指導をよろしくお願いいたします。
 以上です。

【尾崎主査】 ありがとうございました。
 それでは、続きまして福島委員、お願いいたします。

【福島委員】 はい、福島です。認定NPO法人難病の子ども支援全国ネットワークの活動について、初めに説明をさせていただきます。名前が少し長いので、難病ネットと言いますが、私が勤務しております難病ネットは、23年前に難病の子どもの親たちと小児医療関係者が設立いたしました。難病や慢性疾患、障害のある子どもと、その家族のために、親たちのネットワーク、地域のネットワーク、職種を越えたネットワークを生かして、相談活動、交流活動、啓発活動を行っている団体です。詳細につきましては、ホームページを御覧いただければと思います。
 私は、脊髄性筋萎縮症、英語でSMAと言うのですが、脊髄性筋萎縮症という神経難病の子どもの親です。子どもは、埼玉県内の県立高校の1年生で、電動車いすに乗って毎日通っております。いわゆる全身性の障害者ですので、全介助の状態です。しかし、小学校の6年間、それから中学校の3年間、現在は高校ですが、通常の学級で過ごしてまいりました。就学のシステムや施設のバリアフリー、介助員、修学旅行等の校外行事等、様々な問題は現場に投げ出されているような状態だと感じております。
 今般、障害者の権利条約の目指すインクルージョン教育、あるいは合理的配慮には大変大きな関心を持っておりますので、今回、委員に任命いただきまして、大変感謝いたしております。
 先日、千葉県の人権施策推進委員会というところに呼ばれまして、障害のある子どもの親の付き添いの問題について、参考人としてお話をする機会がありました。それを箇条書きでまとめたものがありますので、簡単に御紹介させていただきます。
 いわゆる健常児の場合は、ほとんど意識をしなくて済むことなのですが、障害のある子どもの就学、特に地域の学校への就学はものすごいエネルギーを使う一大イベントです。うちの場合は入り口で排除されることはありませんでしたが、住んでいる市町村によっては障害のある子どもは適正就学の名のもと、特別支援学校への就学を半ば強制されるような状態が今でもあります。
 皆さま御案内のとおり、障害のある子どもの就学先を決定するのは市町村の教育委員会であるわけですが、その際に親の意見を聴取するというのは、平成19年に政令に定められたばかりで、市町村によってはかなり強制的にその就学先を決めるというような場合も多く見聞きします。
 特別支援学校ではなくて、地域の学校への就学を希望すると、就学の条件として、日常的に親の付き添いを求められたり、遠足、プール、修学旅行等、学校管理職の無理解等から付き添いを求められる事例まで、枚挙に暇がありません。それはおそらく学校現場にこの子どもはここに本来いるべきではないという意識が言葉や態度の端々にも見えることからも、分離教育がもたらした弊害というものがあるのではないかというふうに率直に感じております。
 しかし、社会参加の第一歩である学校において分け隔てておいて、卒後になって社会参加だ、心のバリアフリーだと言われても、障害者あるいは健常者とも、どうしたらいいかは、なかなかわからないというのが現状ではないでしょうか。
 地域の学校の10倍近い経費を子ども1人当たりにかけている特別支援学校ももちろん必要です。ただし、特別支援学校への就学というのは、本来支援の必要な子どもたちにとって権利であって、それを強制される義務ということではないはずです。
 特別支援学校へ就学すれば得られる経費、あるいは人員を、そのまま地域の学校へ就学した子どもたちにも適用することによって、現場に投げ出された多くの問題は解決されるのではないかと考えています。子どもの障害の程度や状態は不変であっても、就学先によって受けられる社会資源に違いが出てくるというのは、どう考えても納得できないというのが率直な意見です。
 最後に、難病ネットには、親の会連絡会と言う50の親の会が参加をして、活発な意見や情報の交換を行っている場があります。この親の会連絡会からの意見や要望も、この委員会のほうにぜひ反映をさせていきたいと思います。
 どうもありがとうございます。

【尾崎主査】 ありがとうございました。
 それでは、藤本委員、お願いいたします。

【藤本委員】 国立特別支援教育総合研究所の藤本と申します。親委員会では中澤委員が国際関係の情報についていろいろ知見を話されておりますが、私はどちらかといいますと国内のことを研究しております。過去7年くらいさかのぼりますが、幾つか今まで積み上げてきた特殊教育、そういうものの上に、次の時代のものをつなげることができないかということで、代表としてかかわってきた研究が特別支援学級や、通級の弾力運用を想定した特別支援教室構想の研究です。これはニーズに合わせたシステムを現行からどういうふうに酌み上げていくかというものです。
 それから、その後、交流及び共同学習というのが日本で行われていますが、その中で障害のあるお子さんが通常の学級で学習するときに教科書についてはどのような工夫がなされているかとか、学習の評価がどうか、あるいは支援や介助員の方がどうか、さらには障害の特性によってやはり交流の実態に随分違いがある、そのような事実を追跡する調査みたいなものを行ってきております。
 それから、平成21年、22年にかけましては、国のインクルーシブ教育システムに向けた流れ、喫緊の課題の中、そういう背景も受けまして、もう一度丁寧に小学校の通常の学級の中で学習する障害の子どもの実態やどのような配慮がなされているかというようなところを、研究所のチームメンバーとノーマライゼーションの考え方の原点などを学習しながら現場調査を行いました。昨今報告書ができ上がったところで、8月くらいには公表されると思います。そこでは配慮の中では授業という空間をきちんと押さえた上で、情報の保障ですとか、環境の整備、児童・生徒の心理面の配慮とかいうことがカテゴライズとして出てきたところです。
 今年からは、研究所の中でもいよいよ中心的なタイトルを「インクルーシブ教育システム」としております。私どもの研究所は国全体のシステムに寄与するようなものを研究するという大きな課題がありまして、小学校、中学校において学習指導要領の本格実施が今年始まりまして、交流及び共同学習が小・中学校でも勢いを増して今動いている中で、ではどうしていくかというようなところをインクルーシブ教育システム構築の視点を踏まえながら、学校現場を追いかけているところです。
 研究所でございますので、実際に調べてきた調査のデータ等を持ちまして、このワーキンググループに寄与することができればというふうに考えている次第です。よろしくお願いいたします。

【尾崎主査】 どうもありがとうございました。
 それでは、山岡委員、お願いいたします。

【山岡委員】 日本発達障害ネットワークと、学習障害の団体であります全国LD親の会からまいりました山岡と申します。よろしくお願いいたします。
 私の立場は、1つは障害を持つ子どもの保護者であるというところ、それから発達障害の団体を代表しているということの2つの立場から、この合理的配慮について検討に参加させていただきたいと思っております。
 合理的配慮は、障害者の権利条約の考え方の1つ大きなポイントになるところでありまして、これについては障害者の権利条約の批准に向けてぜひ合理的配慮の水準について、ある程度このワーキンググループで検討が進むことを期待しているところです。
 一方、その合理的配慮と、先ほど事務局の方からも御説明がありましたが、サービスを受ける側と提供する側、双方にとって合理的な水準というのがきっとあるのだろうと思います。しかし、教育の場合は多くがその提供側が官のほうと言いますか、公のところが多いところでありまして、個々人の保護者の立場からしますと、サービスを受ける側と提供する側の力の差が大きいということがあると思っております。
 一方、発達障害の立場から言いますと、全ての障害に関して合理的配慮が必要なわけですが、発達障害は他の障害と比較すると比較的見えにくい障害ということで、その合理的配慮につきましても一段と配慮が必要だと思っています。例えば、視力は正常なのに文章が読みにくいとか、それから選択的注意集中と言いまして、例えば先生の声だけに集中できなくて、周りの声などが同じように聞こえてしまうために、集中力を欠くとか、あるいは感覚過敏、音とか、においとか、光とか、身体接触が嫌だとか、そういったような非常にわかりづらい困難を持っていて、それらについての配慮が必要だという面では、この合理的配慮の中で発達障害についてはまた固有の配慮が必要だと考えているところです。
 先ほど、事務局からも御説明がありましたが、合理的配慮につきましてはハード面とソフト面というものがあり、いろいろ例も出ていますが、この委員会の中で、例えば一般的な対応とか、類型化したもの、ミニマムスタンダード、このくらいというようなことも議論を通しては必要だと思いますが、特別支援教育の考え方に立ち帰りますと、あるいはその合理的配慮のもともとの考え方に立ち帰りますと、その類型化したものとか、一般的な対応のほかに、おそらく個のニーズに対応するということが求められると思います。
 このワーキンググループでどこまでそこに踏み込めるかどうかわかりませんが、一般的な対応だけではなくて、個に対する対応が必要だということをぜひ検討いただきたいと思っています。
 それからもう1つ、サービスを提供する側だけが何をするかということではなくて、おそらく周囲のお子さん方を含めて、どのような対応をしていただくようなことができるか、あるいは保護者からしますと、保護者に対する対応とか、支援とかいったことも視野の中に入れていただきたいというようなことも含めて、このワーキンググループに参加させていただきたいと思っております。
 以上です。

【尾崎主査】 ありがとうございました。
 それでは、山中委員、お願いいたします。

【山中委員】 調布市立調和小学校の校長の山中です。私は通常の小学校のほうの立場からということで参加させていただきます。全国の小学校の校長会、全連小のほうでも、特別支援委員会の部会がありまして、そちらでいろいろ調査も行っておりますので、今後、それらをもとにこちらでもいろいろな提言をできたらいいと思っております。
 今日はまず、小学校の現状と言いますか、自分の学校が中心にもなりますが、現実に今小学校のほうは、全国で、特別支援教育の推進ということにつきましてもかなり学校、地域と言いますか、学校の格差が大きいというふうにやはり思います。
 例えば自分の学校では、子どもが600人くらいいるのですが、個別指導計画を作成している子どもが50人くらいいるのです。ですから約1割弱なのですが、これは私の市においても多いほうです。しかし、私は実感としては多いとは思っていません。やはり普通の学校でもこれくらい個別指導計画をつくる子はいるかなと思うのですが、市内の小学校を見るともっと少ないところもあります。そんなところで、まだまだ学校における特別支援教育というのは、学習指導要領が小学校は今年度から始まったばかりですので、そこに個別指導計画を作成するということが明示されて、遅れている学校は取り組み始めたというところが現状だと思います。
 そういった中で、小学校の1年生の35人学級も今年度から実施されて、そういったことも1つ、要するに1学級の子どもの数が少なくなっていくという、これも合理的配慮の1つなのだろうなというふうに思っておりますが、各学校でやはりいろいろな障害のあるお子さんは現実いらっしゃると思います。ですから、現実はもういろいろな子どもが入ってやっているということは事実だと思います。
 私の学校でも、例えば肢体不自由のお子さんもいます。一緒に活動しているのですが、ただ、やはりそれでは避難訓練のときどうしようとか、宿泊の伴う行事のときはどうしようか。結局、やはり保護者の方に行っていただかなければいけないような状況もあるのです。ボランティアなども活用していますが、現実、ボランティアの人は専門家ではないので、それもなかなかシステムと言うよりは、学校独自でボランティアを雇ってと言いますか、来ていただいて、そういった方の支援に当たっていただくとか、まだまだ学校独自が努力をしているというような現状があります。
 そんなところで、例えば今、肢体不自由のことも言いましたが、あと、取り出し指導などというふうにも言われますが、別な方が子どもの授業をしているときに必要に応じて取り出して指導を行うということも始まっています。加えて知的障害を持っていらっしゃる方などもいらっしゃいますから、そういうような子どもに応じて、一人一人の障害の状態のニーズに応じた支援というのは、まだまだなかなか難しい状況であると思います。
 また、このワーキンググループでは、障害のある方も通常の学級へ入ってきて学んでいく、そのためには周りの子どもの理解だとか、それから学校がやはりどうやったらそういう状態に持っていけるのかということを、小学校の立場として加わって、何かいい方法を見つけていければと思っております。
 以上でございます。

【尾崎主査】 ありがとうございました。
 それでは、河本委員、お願いいたします。

【河本主査代理】 全国特別支援学級設置学校長協会の河本です。全特協と略して言わせていただきますが、我々は設置校ですので、それぞれの学校の中に特別支援学級が存在する、設置されている校長たちの集まりの会です。全国に約2万2,000校、今現在設置校がありますが、その中でやはり設置校として、当然通常の学級の教育課程も編成しなければならない。そして特別支援学級の教育課程も並行して設置校としてつくっていかなければならない。あるいは、通常の学級の中にいる発達障害のお子さんを含めた特別な支援を必要とする子どもたちの個別の指導計画だとか、教育支援計画をつくっていかなければならないということも、あわせて行わなければならないというところで、2万2,000校がどう一枚岩になってこれから教育を展開していくかということで、活動をしております。
 この合理的配慮のことについて全特協の考え方をちょっとお話しさせていただきますと、やはり特別な支援が必要なお子さん、あるいは設置校としてその学級に籍を置いているお子さん、あるいは通常の学級に籍を置いているお子さん、言ってみればすべての子どもたちが学ぶ権利を有していて、その子どもたち一人一人が将来的に自立と社会参加に向けて、あるいは社会貢献に向けて、子どもたちが一人一人努力していかなければならない。それに向けて我々は教育の場を提供していかなければならないということが課せられているのだろうと解釈しております。
 何が言いたいかと言いますと、この合理的配慮を考えるときに、当然障害があるお子さんのところに支援が行くことは当たり前なのですが、そうではなくて、通常の学級の中にいる障害がない子どもたちのことも考えながら、合理的な配慮ということを考えていかなければならないのだということを設置校の校長としては考えているところです。
 ですから、冒頭にお話ししましたように、障害があるお子さん、障害がないお子さんにとって、どのような教育環境がいいかを考えていく必要があると思っております。
 私も特別委員会のメンバーの一員に入れさせていただいておりますが、昨年12月にとりまとめた論点整理がすべてだろうと思っております。このインクルーシブ教育の考え方、インクルージョンの考え方、あるいは共生社会ということは我々としても大賛成です。これを1日も早く実現していかなければならないと考えております。
 では、そのために、合理的配慮で、例えば人的なものをどうするかだとか、あるいは物的なものだとか、あるいは施設面をどうするかということを具体的に考えていかなければならず、そのお子さん一人一人のニーズに合った教育環境を整えていかなければならないと考えております。やはりこの多様な学びの場を我々が提供する必要があると考えております。
 以上です。

【尾崎主査】 ありがとうございました。
 最後になりますが、吉松委員、お願いいたします。

【吉松委員】 福岡県立北九州視覚特別支援学校の校長の吉松と言います。よろしくお願いします。座って話させていただきます。
 私は福岡県立の、昨年から学校名が視覚特別支援学校と変わりましたが、従来の盲学校の校長をしております。視覚特別支援学校というふうに名前が変わっても、うちの学校の在籍する生徒は、すべて視覚障害の生徒ばかりです。教員になってもう30年以上になりますが、ずっと盲学校の教員をしています。それと同時に、私自身も視覚障害です。全盲です。全く見えません。二十歳前に病気で失明して、小学校・中学校、それから高校の途中までは地域の学校に行っていました。その後、盲学校に移って、盲学校を出て教員免許をとって、盲学校の教員として勤務してきました。
 今は校長という立場で盲学校を見ていますが、自分の経験から言うと、地域の学校で学んだころから盲学校に移って一緒にその盲学校で暮らした仲間もたくさんいますし、教員になって見てきた生徒もたくさんいます。それらの生徒を見ていると、地域の小・中学校で学んで学校に行っていたが、いろいろな事情で盲学校に移ってきたという子もいました。逆に、小学校・中学校は盲学校で学んで、地域の学校に行って、うまく社会に適合して、一般の社会人となった生徒もいましたし、高校は行ったが、またその後、盲学校に戻ってきたというような、いろいろな生徒を見てきました。
 今回の障害者の権利条約の批准に伴う今までの動きを見ていますと、私個人としては非常にうれしいことだと思っています。私も視覚障害になって、特に今の校長という立場になると、例えば福岡県内の県立学校というのは、特別支援学校だけではなくて、一般の県立高校120校と同じレベルでいろいろな仕事が回ってきます。
 県立学校の校長会というのは120人いるわけですが、むろん障害者は私1人です。インクルーシブという考え方がもっともっと普及してくれると、我々の生活は本当に住みやすくというか、苦労なくやっていけるのだろうと思っています。
 そういった意味では、私は個人的には一番理想の考え方だと思っています。また、今日いただいた資料の中には合理的配慮の具体的内容が書かれている資料がありますが、確かに施設設備や教材、教具をそろえると、十分地域の学校でやっていける生徒もいます。
 昨年度も地域の小学校で学んで、視力が低下してきて、いろいろな条件が整っていないということで本校に転校してきた生徒などもいますが、そういう生徒を見ていると、施設・設備、あるいは教材・教具、それから支援する教員がいれば、十分やっていけるだけの能力は持っています。
 そういう子のためには、ここに書かれているようなハード的な合理的な配慮が十分徹底すればやっていけるのだろうなと思いますが、残念ながら、盲学校に学ぶ子どもはそういう子どもばかりではありません。本当に個別の指導、個別の支援が必要な子もいます。そういう生徒には、単なる教材・教具ではなくて、やはりソフト的な視覚障害者の指導ということに十分通じた教員がそれぞれの学校に配置されないと、インクルーシブということはなかなか難しいと思っています。
 今回、このワーキンググループに参加させていただくに当たって、むろん、障害の当事者として考えていることもありますし、日常、盲学校を見て考えていることもありますので、そういった面から意見を述べさせていただければと思っております。
 以上です。

【尾崎主査】 ありがとうございました。
 私は主査の立場なのですが、特別支援学校の校長会として、一言意見を言わせていただければと思います。
 まずは、特別支援学校の校長会は今まで5障害のそれぞれの校長会の連合体ということだったのですが、法改正に合わせまして個人の単位、そして県単位の校長会を単位としての校長会に様変わりしました。今抱えている課題の1つは、それぞれの5つの専門性をどう向上させるのかという課題と、複数の障害に対応する学校が今非常に増えてきていることです。これらの課題に対応するためにはどういうことをしなければいけないかということを、今議論しなければいけないと考えております。
 そういう意味でも、今回の合理的配慮の議論は、非常に校長会にとっても関心は高いところであるというふうに思っております。一緒に学ばせていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
 では、主査としての立場に発言を戻しまして、本日、オブザーバーとして参加していただいております特別委員会の宮﨑委員長、そして石川委員長代理からも御発言いただければと思います。いかがでしょうか、宮﨑委員長。

【宮﨑オブザーバー】 親委員会の特別委員会の委員長をしております宮﨑です。資料1で横井企画官から説明のあったワーキンググループの設置について、5月27日の決定の中に委員の指名についての項目があるのですが、(1)のところで「ワーキンググループに属すべき委員、臨時委員及び専門委員(以下『委員等』という。)は、特別委員会の委員長が指名する」となっておりまして、一応形の上では今日御出席いただいている皆様は、私の指名ということになっています。
 とは申せ、様々な関係の方々がいらっしゃるということで、今日はお話を承っていて、様々な立場で御出席をいただいたことにまず感謝をしたいと思います。その上で、少し親委員会のことでお話をさせていただきたいと思っております。それから委員を選ぶに当たってやはり配慮しなければいけないことが幾つかあったように思っております。それは、この親委員会が開催されました5月27日の審議の際に、各関係委員の御発言の中に委員の選出に当たって様々な配慮が必要であるという御発言があったことは先ほど企画官からお話があったとおりですが、特に高発生頻度障害に加えて低発生頻度障害のお子さんたちへの対応をどうすべきかということにについて、いろいろな御意見がありました。
 ワーキンググループの性格からして、あまりたくさんの委員で論議するということは非常に難しいため、一応、各委員の方々には、様々な事情を集約して発言いただきたいということが1点あります。
 もう1点は、特別支援教育課には、特別支援教育調査官、皆さんの前にいらっしゃる先生方ですが、この方々が日本の特別支援教育の専門家として課長のスタッフとしていらっしゃいますので、この方々のお力をお借りしたいと考えております。ぜひ調査官には委員の1人として参加をしていただき、いろいろ取りまとめをしていただきたいという思いがあってこの場に出席をしていただいているということも、御理解いただき、皆さん、調査官と一緒に論議をしていただければと思っております。
 なお、先ほど申し上げました様々な障害に対応するという視点が欠けるといけないということがあり、次回以降、ヒアリングという形で、特に低発生頻度障害のお子さんの立場での障害については御意見を頂戴するとか、先ほど発達障害について山岡委員からお話がありましたが、発達障害にも様々な種類があるので、そういったところでいろいろ意見を出していただくというようなことが必要だと思っております。合理的配慮について先ほどいろいろな立場からの御意見を頂戴したのですが、ぜひ、このワーキンググループが最終的には児童・生徒の教育支援の一番ポイントになる最善の利益を確保するんだというような視点で、学校現場がどうあればいいかということを考えていただくということで、これは児童の権利条約の3条の規定にあるものをやはりしっかり踏まえていきたいなというふうに考えております。
 一部の業界紙に社説で今後の特別支援教育は、最善の利益を考えて合理的配慮をしてほしいという要望が載っておりました。非常にこのワーキンググループが注目されているのだなということを改めて思った次第です。私もできるだけ委員の方々の御意見を踏まえて、親委員会に出されたときに、学校現場で生かされる中身の合理的配慮について真摯に議論ができるようにしていきたいと考えております。実際に、先ほど髙橋委員からお話があったのですが、学校現場で動かなければ意味がない中身でもあると思いますので、ぜひ、そんな形で御議論をお願いしたいと思います。
 私はお願いばかりで申しわけないのですが、できるだけこの場に参加して、必要があれば、また意見も述べさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【尾崎主査】 宮﨑委員長には、オブザーバーとしてこれからも参加していただけるというお話に受けとめたいと思います。それから、今日の御議論のまとめもある程度していただけましたので、また今後もそれを踏まえてこのワーキンググループとしては進めたいと考えております。
 続きまして、石川委員長代理、お願いいたします。

【石川オブザーバー】 こんにちは、石川です。
 今、宮﨑委員長からコメントをいただきましたので、私のほうから特につけ加えることは何もないのですが、若干述べさせていただきます。
 各委員からのお話を伺っていて、大変どの御意見ももっともな御意見だというふうに拝聴いたしました。中でも特に、例えば山岡委員からあったかと思いますが、合理的配慮と言ったときに、最初にすべてを、ここまでが合理的配慮であって、ここから先は均衡を失するとか、過度な負荷であるとかいうことを固定的に考えるというのは、あまりよくないのではないかと思いました。もっと柔軟にその場で何が個々のケースにおいて、個々の子ども、あるいはその状況においてどこまでが合理的配慮としてやっていけるのかということを模索していくこと、みんなでそれを追求していくことが大事だという趣旨の御発言があったかと思いますが、全くそのとおりだと思いました。
 それから、それに関連してなのですが、均衡を失するとか、過度な負担という言葉についてです。これらは確かに考慮しなければいけないことですが、まず、手順としてそれぞれ、合理的配慮はどこまで、どういう合理的配慮が必要なのかということを、できるだけ今考えられることを考えた上で、どうやって両立していくのかを考えなければならない。ある子どもに対する合理的配慮が別の子どもに対しての教育に何かバッティングするようなケースを、どうやって二律背反に落ち込まないようにして工夫して、両立させていくかという知恵です。そういう工夫をしていくことがすごく大事だと思います。
 そのことによって、最初はその均衡を失すると感じられたり、過度な負担と感じられるようなことも、多くの場合は解決策が見出せるのではないかと感じています。
 だから、一番最後にようやく均衡とか、過度な負担というようなことが、どうにもならないときにのみ、それは考えなければいけないことという、優先度として一番最後に来るものではないかと感じております。
 それから、このワーキンググループは主として子どもたちを支える側、専門の教育者として、あるいは親の立場として、そういう方が中心で構成されております。いわゆる統合教育を経験してきた、障害を持った子どもとして統合教育を経験してきた委員というのは、乙武委員は今日欠席されていますが、乙武委員と、吉松委員、ちょっと私は確認していないのでわからないのですが、西滝委員ですので、次回以降のヒアリングの際に、統合教育を経験してきた障害を持ったかつて子どもだった人たちに、その時々の状況によっていろいろなことがあったと思いますので。それをやはり傾聴した上で、また議論を進めていくとよいのではないかと感じました。
 以上です。

【尾崎主査】 ありがとうございました。
 それでは、若干時間の余裕があるのですが、どうぞ、横井企画官。

【横井企画官】 特別支援教育企画官の横井です。先ほど、髙橋委員のほうから御質問をいただきましたので、回答になるかどうかはわかりませんが説明させていただきますと、先ほど御指摘いただいたのは資料4の1ページ目の「ジリツ」、2に概要がありますが、ここで「障害者の尊厳、自律及び自立、差別されないこと」云々と書いてあり、この「ジリツ」が2つある。この2つについてどういう意味かというお尋ねと理解しました。
 これにつきましては、委員の方にお配りしてあります基礎資料集に障害者の権利条約が入っております。障害者の権利条約の日本語版ですと3ページ、1の耳がついたところの3ページですが、左端に(n)があります。「障害者にとって、個人の自律(自ら選択する自由を含む。)及び自立が自由であることを認め、」という部分から、この部分は引用させていただいておりますが、この「ジリツ」が2つあるところの意味がわかりにくいかなと思います。この点については英語版で見ていただくことで補っていただければと思いますが、基礎資料の2の耳がついたところに英語の障害者の権利に関する条約の条文がついております。こちらの4ページ目の一番上のところですが、アルファベットの同じく(n)の条文で、ここで先ほどの日本語は訳なのですが、日本語のその「障害者にとって、個人の自律(自ら選択する自由を含む。)及び自立が自由であることを認め、」の英語の原文が4ページに書いてありまして、「Recognizing the importance for persons with disabilities of their individual autonomy and independence, including the freedom to make their own choices,」となっております。自律と自立の部分だけ取り上げますと、「their individual autonomy and independence」というところになります。
 英語の意味をうまく解説することはなかなか難しいのですが、個々の自律、autonomyですと、自分で動くことの部分です。それから、independenceというのは独立というような、そんな意味合いかと思いますが、それを外務省の仮訳では「自律」及び「自立」という形で訳しているということです。
 それから6ページ目の差別の定義ということですが、この差別をどうとらえるかということにつきましては、先ほど障がい者制度改革推進本部、そのもとに置かれている推進会議の説明をさせていただきましたが、その推進会議のもとに、差別禁止部会という部会が設けられておりまして、その部会の中で差別というものはどういうものかということについて御議論いただいていると承知しておりますので、そういったものもこちらの中で御紹介できればと思っております。
 それから、資料7の調査結果にある研修についてのお尋ねです。4ページの教員の専門性の向上の(3)における研修とはどんな研修を受けているのかという御質問だったかと思いますが、これは全国の都道府県の教育委員会に調査をかけておりまして、こちらから調査項目として提示させていただいているのは、研修としまして、特別支援教育に関する研修、特別支援教育に関する講義と演習、協議等を含むということで、そういったものを含む教員研修のうち、特別支援教育に関する内容がおおむね90分以上のものということです。そこには行政機関、学校が開催する研修への参加のほか、校長会、学会、公益法人、NPO、民間団体等が開催する研修の自主的な参加も含むという形にさせていただいております。
 この質問は、過去に受けたことがありますかという形にさせていただいており、文部科学省のほうで特別支援教育の考え方を示した「平成15年以降研修を受けていますか」ということで、平成15年4月1日から20年の9月1日までの間に受けたことがありますかという調査対象期間で実施させていただいております。
 以上でございます。

【尾崎主査】 補足説明はよろしいでしょうか。

【髙橋委員】 はい、ありがとうございました。

【尾崎主査】 それでは、ほぼ予定した時刻になったのですが、どうしても今日言っておきたいと、追加して発言のある方はいらっしゃいますでしょうか。
 なければ、次の議題に移っていきます。よろしいでしょうか。
 先ほど、今日のいろいろな議論の中で、最後に石川委員長代理のほうから御発言がありましたように、合理的配慮というものを固定的に考えるのではないという山岡委員のお話を受けまして、柔軟に模索すべきだというような御意見もありました。今後、私たちもその障害に対する配慮をどうしたらいいか、それは合理的かどうかはともかくとして、そういうものをどういうふうに考えていかなければいけないのかということも、やっていかなければいけないという、気持ちで聞くことができました。今後、そういうことも含めて検討していきたいと考えております。
 それでは、今後の進め方について、よろしくお願いいたします。既に事務局から説明があったとおり、当ワーキンググループで取り扱う合理的配慮等の環境整備については、今年中に特別委員会として整理を行うこととなっています。それに向けて、当面の進め方について、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

【横井企画官】 特別支援教育企画官の横井です。資料9、資料10に基づいて説明させていただきたいと思います。
 まず、資料9を御覧ください。ワーキンググループについては合理的配慮等の環境整備について整理を行う目的で設置されているということで、進め方としまして、先ほど幾つか宮﨑先生からも御発言をいただきましたが、第2回、第3回につきましてはヒアリングを行っていただければと思います。障害種ごとに必要とされる配慮についてということで、障害者本人、または保護者からお聞きする機会としてはどうかと存じます。
 そのヒアリング等を踏まえて、2つ目の○ですが、個々の障害種についての配慮事項を担当委員をお決めいただいて整理していただいてはどうかと存じます。それらをもとに、本ワーキンググループにおいて、障害種を越えて横断的な配慮事項についてさらに審議を深めていただくような形はいかがかと存じます。
 スケジュールといたしましては、先ほど尾崎主査のほうからもおっしゃっていただきましたが、今年中に特別委員会として合理的配慮等の環境整備について整理を行うこととしておりますので、それに合わせたような形で御審議いただければと思っております。
 資料10を御覧ください。資料10はワーキンググループでどのようにヒアリングを行うかということの案です。対象者は、1にある(1)から(10)としております。(1)から(5)につきましては、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱ということで、特別支援学校に原則行くという障害の程度を示した就学基準が学校教育法の施行令に示されておりますが、その5区分で示させていただいております。以上につきましては、特別支援学校の経験、それから小・中学校の経験を幅広く聴取できるように、各2名ずつヒアリングをしてはいかがかと存じます。
 それから、(6)(7)(8)(9)につきましては特別支援学級、それから通級による指導で上記のもの以外のもので対応することになっているものですが、これにつきましては特別支援学校での経験というのは特にありませんので、小・中学校における経験を聴取できるように1名ということでお願いできればと思っております。
 それから(10)で、重複障害ということですが、幾つかの障害が重なったものにつきましては、1つということではなく2つくらいが適当ではないかということで、2名の方からヒアリングを行ってはどうかと考えております。
 それから2.のヒアリング項目ですが、順番に読み上げさせていただきますと、まず最初に「子どもの成長のために学校教育に期待すること」ということをまずお述べいただいた上で、(2)としまして、「早期からの教育支援」、就学前からの教育支援についてどのような配慮が必要か。(3)としまして、学校教育においてその教育内容・方法についてのどのような配慮が必要か。(4)としまして、学校における支援体制についての配慮事項としてどのようなものがあるか。(5)としまして、施設・設備について配慮すべきことがあるか。(6)としまして、学校外でどのような支援体制が必要か。それから(7)番目に、幼、小、中、高、各段階において、それぞれ配慮すべき事項があるか。(8)番目にその他の配慮事項という形で整理させていただいております。
 以上で説明を終わります。

【尾崎主査】 それでは、ただいまの事務局の説明について、御質問等がありましたら、お願いいたします。事務局のほうからはヒアリングを行うということ、配慮事項についての審議・検討を行うということ、それから資料9のスケジュールで審議検討を行うこと、それからヒアリング対象者及びヒアリング項目についても御提案がありましたが、いかがでしょうか。
 このようなやり方でよろしいでしょうか。ヒアリングを開催するに当たって、要望等があれば、今の時点では反映することが可能なこともあるかもしれませんが、御意見はよろしいでしょうか。
 それでは、先ほども言いましたように、当ワーキンググループとして当面ヒアリングを行っていくこと、7月、8月はヒアリングに当てるということ、そしてヒアリングを踏まえまして障害種ごとに配慮事項を整理し、横断的な配慮事項を審議していくということ、それから特別委員会のスケジュールに合わせまして審議検討していくということの3点を確認したいと思いますが、よろしいでしょうか。
 はい、ありがとうございました。
 個々の障害種について配慮事項を整理いただくことにつきましては、各委員の希望等を事務局を通じてお聞きしたいと思いますので、その点もあわせてよろしくお願いいたします。
 事務局のほうから、ほかに何かありますでしょうか。
 それでは、予定時間より15分早く終わるということで、15分前ですが、本日はこれまでといたします。
 本日、発言が十分尽くせなかった部分につきましては、また次回以降、ぜひ御発言いただければと思います。また、本日の議事に関することでお気づきの点、そして御要望などがありましたら、後からでも結構ですので、事務局まで御連絡くださるようお願いいたします。
 最後に、事務局のほうからお願いいたします。

【板倉課長補佐】 特別支援教育課課長補佐の板倉です。
 次回、第2回ワーキンググループの日程につきましては、資料9のとおり、7月中を予定しておりますが、具体的な日程・場所につきましては追って御連絡させていただきます。
 以上です。

【尾崎主査】 それでは、本日はこれで閉会といたします。ありがとうございました。

 

── 了 ──

 

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